以下、本開示の一側面に係る見守りシステムについて図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
1.構成
図1は、一実施形態に係る見守りシステム1の概要を示す図である。見守りシステム1は、システムの一例であり、例えば、年少者をその保護者が見守るためのシステムである。見守りシステム1は、情報処理装置10、対象者端末(第1端末)20及び見守り者端末(第2端末)30を有する。見守りシステム1では、見守り者端末30と、見守り者端末30において利用可能な連絡先(電子メールアドレス又は電話番号等)に関連付けられた対象者端末20とがそれぞれにネットワークNを介して接続する情報処理装置10を介して通信を行う。以下では、一人の見守り者が一つの見守り者端末30を有するものとして説明を行う。また、以下では、見守り者端末30の連絡先に関連付けられた対象者端末20を、単に、見守り者端末30に関連付けられた対象者端末20と称する場合がある。
なお、図面を簡単にするため、図1では、単一の対象者端末20を図示しているが、見守りシステム1は、複数の対象者端末20を含んでもよい。つまり、一つの見守り者端末30に複数の対象者端末20が関連付けられていてもよい。また、図1では、単一の見守り者端末30を図示しているが、対象者端末20に対し、複数の見守り者端末30が関連付けられていてもよい。つまり、見守り者は複数であり、複数の見守り者のそれぞれが見守り者端末30を有していてもよい。情報処理装置10と対象者端末20、及び、情報処理装置10と見守り者端末30は、互いにネットワークNを介して接続される。なお、図1では、情報処理装置10及び対象者端末20間のネットワークと、情報処理装置10及び見守り者端末30間のネットワークを同じネットワークNと記載しているが、これらは異なるネットワークであってもよい。
対象者端末20は、年少者等の見守り対象者が携帯する端末である。対象者端末20は、例えば、防犯ブザーである。対象者端末20のサイズは特に限定されないが、見守り対象者が対象者端末20の持ち運びを常時意識しなくても容易に持ち運ぶことができるサイズであることが好ましく、例えば、ランドセル等の鞄に容易に取り付け可能なサイズであることが好ましい。
見守り者端末30は、見守り対象者を見守る見守り者が保有する装置である。見守り者端末30は、例えば、スマートフォン等の移動端末である。なお、見守り者端末30は、これに限定されず、PC(Personal Computer)等の情報端末であればよい。
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置10は、第1通信装置11、第1記憶装置12及び第1CPU(Central Processing Unit)13等を有する。情報処理装置10は、例えば、サーバ、PC等である。
第1通信装置11は、受信手段及び送信手段の一例である。第1通信装置11は、所定の通信規格(例えば、イーサネット(登録商標))に従って対象者端末20、見守り者端末30又は他の端末と通信可能な通信インタフェース回路を有する。
第1通信装置11は、ネットワークを介して、対象者端末20から直接的又は間接的に送信された情報を受信する。第1通信装置11が受信する情報は、例えば、対象者端末20から送信されたメッセージ(受信メッセージ)である。ここで、メッセージは、文字、記号、図形又は画像等によって表現され、伝達される情報である。受信メッセージは、対象者端末20が見守り対象者から入力を受け付けたメッセージである。また、第1通信装置11が受信する情報は、対象者端末20が通信を確立した基地局の情報又はその通信の確立時刻等、対象者端末20の通信に関する通信情報である。通信情報は、例えば、対象者端末20が基地局に対して接続リクエストを送った場合、対象者端末20が他の装置に位置情報等をプッシュ配信した場合、又は、受信メッセージを送信した場合等に生成される。通信情報は、例えば、生成されたことを契機に、通信事業者が管理する装置(以下、通信事業者装置と呼ぶ)から情報処理装置10に送信される。また、通信情報は、情報処理装置10が見守り者端末30から送信された対象者端末20の位置情報の取得要求を受信後に、通信事業者装置に問い合わせることによって、該通信事業者装置から情報処理装置10に送信されてもよい。なお、通信情報は、基地局の情報を管理するサーバから情報処理装置10に送信されてもよい。また、通信情報は、対象者端末20から送信された受信メッセージに関連付けられて、情報処理装置10に送信されてもよい。第1通信装置11は、例えば、通信情報が含まれた受信メッセージを受信してもよいし、受信メッセージとは別に、該受信メッセージに関連付けられた通信情報を受信してもよい。また、第1通信装置11が受信する情報は、対象者端末20が備えるセンサ(後述)によって検知された検知情報である。第1通信装置11は、これらの情報を個別に、又は、併せて受信する。また、第1通信装置11は、見守り者端末30から直接的又は間接的に送信されたメッセージ(受信メッセージ)を受信する。
第1通信装置11は、受信した各情報を第1CPU13に送る。また、第1通信装置11は、第1CPU13から、第1CPU13が決定した送信メッセージ及び送信先を受け取り、その送信先に送信メッセージを送信する。
第1記憶装置12は、メモリ、ストレージ等を含む。メモリは、第1CPU13がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置として使用される。メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等である。ストレージは、第1CPU13による処理に用いられる各種コンピュータプログラム及びデータを記憶する不揮発性の補助記憶装置として使用される。ストレージは、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置及びフラッシュメモリ等である。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶装置12にインストールされてもよい。また、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介して、第1記憶装置12にダウンロードされてもよい。また、第1記憶装置12は、送信メッセージ又は送信メッセージの送信先の決定に用いる、所定のアルゴリズムを示すプログラム又は所定の学習によって生成されたモデル等を記憶する。また、第1記憶装置12は、データとして、利用者テーブル等を記憶する。利用者テーブルの詳細については後述する。
第1CPU13は、第1記憶装置12に記憶されたプログラムに従って各種の演算を行い、情報処理装置10の他のハードウェア要素を制御する制御装置である。なお、第1CPU13に代えて、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programming Gate Array)等が用いられてもよい。
図3は、利用者テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図3に示すように、利用者テーブルには、見守り対象者毎に、対象者情報、見守り者情報、送信先情報、送信メッセージ及び基地局情報等が相互に関連付けられて予め登録されている。
対象者情報は、見守り対象者を識別可能な情報である。対象者情報は、例えば、見守り対象者が使用する対象者端末20を示す識別子である。ここで、情報処理装置10は、対象者情報と、対象者端末20の電子メールアドレス又は電話番号等とを関連付けた、利用者テーブルとは別のテーブルを記憶してもよいし、対象者情報として電子メールアドレス又は電話番号等を記憶してもよい。見守り者情報は、見守り者を識別可能な情報である。見守り者情報は、例えば、見守り者が使用する見守り者端末30を示す識別子である。ここで、情報処理装置10は、見守り者情報と、見守り者端末30の電子メールアドレス、電話番号又は所定のアプリケーションで使用される識別子等とを関連付けた、利用者テーブルとは別のテーブルを記憶してもよいし、対象者情報として電子メールアドレス、電話番号又は所定のアプリケーションで使用されるID等を記憶してもよい。情報処理装置10は、一人の見守り対象者を識別する対象者情報に対して、複数の見守り者情報を関連付けて設定してもよい。また、情報処理装置10は、複数の見守り対象者を識別する対象者情報に対して、同一の見守り者情報を関連付けて設定してもよい。
送信先情報は、送信メッセージを送信する宛先を示す。送信先情報は、例えば、一又は複数の送信先の端末を示す識別子を含む。送信先の端末を示す識別子は、例えば、送信先の電子メールアドレス、電話番号又は所定のアプリケーションで使用される識別子等である。送信先情報は、見守り者情報に示される見守り者端末30、即ち各対象者端末20に関連付けられた見守り者端末30を示す見守り者情報等、送信先の端末を一意に特定可能な識別子でもよい。この場合、情報処理装置10は、送信先情報に含まれる識別子(例えば、見守り者情報)と、該識別子で特定される端末の電子メールアドレス、電話番号又は所定のアプリケーションで使用される識別子等とを関連付けた、利用者テーブルとは別のテーブルを記憶してもよい。また、送信先情報は、見守り者端末30とは異なる端末の電子メールアドレス、電話番号等又は所定のアプリケーションで使用される識別子が設定されてもよい。
情報処理装置10は、例えば、送信先情報を見守り対象者の複数の状態毎に設定する。対象者の状態には、例えば、通常状態及び緊急状態等が含まれる。ここで、図3における緊急状態とは、緊急に対策を必要とする状態であり、例えば、見守り対象者が、緊急事態である状況であること、又は緊急性がある状況であることを示す。また、通常状態とは、緊急状態ではないことを示し、例えば、見守り対象者が緊急事態でない状況であること、又は緊急性がない状況であることを示す。緊急状態における送信先情報には、通常状態における送信先情報が含まれてもよい。例えば、通常状態における送信先情報は、親が保有する端末の電子メールアドレス、電話番号又は所定のアプリケーションで使用されるID等であり、緊急状態における送信先情報は、家族全員の端末の電子メールアドレス、電話番号又は所定のアプリケーションで使用されるID等である。なお、対象者の状態には、さらに他の状態が含まれてもよい。また、情報処理装置10は、送信先情報として、見守り対象者の状態に関わらず、同一の送信先情報のみを設定してもよい。
情報処理装置10は、例えば、見守り対象者の複数の状態毎に送信メッセージを設定する。情報処理装置10は、緊急状態における送信メッセージとして、緊急状態であることを示すメッセージを設定し、通常状態における送信メッセージとして、通常状態であることを示すメッセージを設定する。なお、情報処理装置10は、送信メッセージとして、見守り対象者の状態に関わらず、同一の送信メッセージのみを設定してもよい。
基地局情報は、見守り対象者の行動範囲エリア(例えば、学校、通学路又は家の周囲)内に配置された一又は複数の基地局、即ち見守り対象者が使用する対象者端末20が通常通信を行う基地局を示す情報である。
図4は、第1CPU13の概略構成を示す図である。図4に示すように、第1CPU13は、第1記憶装置12に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、決定部131として機能する。
決定部131は、決定手段の一例であり、第1通信装置11が受信した受信メッセージ、通信情報及び検知情報のうちの少なくとも何れかに基づいて、送信メッセージ及び送信メッセージの送信先を決定する。送信メッセージ及び送信先は複数でもよい。
図5は、対象者端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、対象者端末20は、第2通信装置21、第1入力装置22、第1表示装置23、センサ24、音出力装置25、第2記憶装置26及び第2CPU27等を有する。
第2通信装置21は、所定の通信規格に従って、他の装置(例えば、情報処理装置10)と通信可能な通信インタフェース回路を有する。第2通信装置21は、所定の通信規格に従ってネットワークN(例えば基地局又はアクセスポイント(不図示))を介して他の装置(例えば、情報処理装置10)と通信する。第2通信装置21は、情報処理装置10から、第1表示装置23に表示する情報及び表示指示を送信メッセージとして受信する。第2通信装置21は、情報処理装置10から受信した各情報及び指示を第2CPU27に送る。また、第2通信装置21は、第2CPU27から受け取ったメッセージ等の各情報を、情報処理装置10を介して見守り者端末30等の送信先に送信する。所定の通信規格は、例えばNB−IoT(Narrow Band Internet of the Things)、LTE−M(Long Term Evolution for machine-type-communication)、LoRa、Sigfox等である。なお、第2通信装置21が利用する通信方式は、LPWA(Low Power Wide Area)であることが好ましい。第2通信装置21が通信方式としてLPWAを利用して通信することにより、対象者端末20から送信される情報のデータ量は、通話機能等複数の機能を有する携帯電話端末から送信される情報のデータ量と比較して小さくなる。そのため、対象者端末20が通信方式としてLPWAを利用して通信する場合、見守りシステム1は、見守り対象者を見守るサービスを好適に提供しつつ、対象者端末20の低電力化を図ることが可能となる。
第1入力装置22は、入力ボタン等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインタフェース回路を有する。第1入力装置22は、対象者端末20を操作する利用者(例えば、見守り対象者)の操作に応じた信号を第2CPU27に出力する。第1入力装置22は、入力ボタンに対する操作によって表現されるテキスト、画像又は操作内容を示す操作情報を示す信号を、対象者端末20に対する入力として受け付ける。なお、第1入力装置22は、入力ボタンとは異なる入力装置を備えてもよい。例えば、センサ24が音センサである場合、センサ24(後述)が入力装置として機能し、対象者端末20は第1入力装置22を備えなくてもよい。
第1表示装置23は、液晶、有機EL(Electro−Luminescence)、電子ペーパー等から構成されるディスプレイ及びディスプレイに文字、図形、記号及び画像等を出力するインタフェース回路を有する。第1表示装置23は、第2CPU27からの指示に従って文字、図形、記号及び画像等を表示する。第1表示装置23は、例えば、情報処理装置10から送信された表示指示に従って、文字、図形、記号及び画像等を表示する。なお、第1表示装置23は、第1入力装置22が受け付けた文字又は操作情報等を表示してもよい。また、第1入力装置22及び第1表示装置23は、文字、図形、記号及び画像を表示し、且つ、利用者の入力を受け付けるタッチスクリーンで実装されてもよい。
センサ24は、一又は複数のセンサを含む。センサ24は、対象者端末20の環境及び/又は対象者端末20の利用者(例えば、見守り対象者)の状態を検知する。センサ24は、検知した環境及び/又は状態を示す検知情報を出力する。
例えば、センサ24は、マイクロフォン等の音センサを含む。センサ24は、見守り対象者又は見守り対象者以外から発せられた音を検知し、検知した音のデータを検知情報として出力する。ここで、見守り対象者又は見守り対象者以外から発せられた音は、見守り対象者又は見守り対象者以外の第三者の発話による音声及び見守り対象者又は見守り対象者以外の第三者の動作により生じる音、及び、見守り対象者の周囲の音を含む。
また、センサ24は、加速度センサを含んでもよい。センサ24は、第2CPU27からの要求に応じて、対象者端末20に加わる加速度を3軸方向毎に検知し、検知した加速度を検知情報として出力してもよい。加速度センサは、例えば、ピエゾ抵抗効果を利用したピエゾ抵抗型の3軸加速度センサ、静電容量の変化を利用した静電容量型の3軸加速度センサであるが、これに限定されない。また、センサ24は、角速度センサを含んでもよい。
また、センサ24は、公知の生体センサを含んでもよい。センサ24は、対象者端末20を着用又はメッセージ若しくは警告等を送信するために把持する利用者(見守り対象者)の体温、脈拍数、脈波又は発汗量等の生体情報を検知し、検知した生体情報を検知情報として出力してもよい。
また、センサ24は、GPS(Global Positioning System)回路を有してもよい。センサ24は、対象者端末20の位置を示す情報(例えば、地理座標)を算出し、算出した位置を示す情報を検知情報として出力してもよい。GPS回路は、不図示のGPS衛星からGPS信号を受信し、受信したGPS信号から、対象者端末20が存在する位置を示す情報である地理座標(緯度、経度、高度等)を算出する。
音出力装置25は、ブザー又はスピーカ等である。音出力装置25は、第2CPU27からの指示に従って、音を出力する。例えば、音出力装置25は、対象者端末20が防犯ブザーとして機能するように、対象者端末20の周囲に警告音を報知する。
第2記憶装置26は、例えば、メモリと、ストレージとを有する。メモリは、第2CPU27がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置として使用される。ストレージは、第2CPU27による処理に用いられる各種コンピュータプログラム及びデータを記憶する不揮発性の補助記憶装置として使用される。コンピュータプログラムは、例えばパーソナルコンピュータ(不図示)等を介してCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶装置26にインストールされてもよい。また、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介して、第2記憶装置26にダウンロードされてもよい。また、第2記憶装置26は、データとして、情報処理装置10と通信するための情報(例えば、ホスト名、IP(Internet Protocol)アドレス等)を記憶する。なお、第2記憶装置26は、第2CPU27内に組み込まれた構成であってもよい。
第2CPU27は、第2記憶装置26に記憶されたプログラムに従って各種の演算を行い、対象者端末20の他のハードウェア要素を制御する制御装置である。なお、第2CPU27に代えて、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
なお、対象者端末20は、第1入力装置22、第1表示装置23及びセンサ24の全てを備えていてもよいし、一部のみを備えていてもよい。対象者端末20は、実現する機能に応じた部材を有していればよい。
図6は、見守り者端末30のハードウェア構成の一例を示す図である。図6に示すように、見守り者端末30は、第3通信装置31、第2入力装置32、第2表示装置33、第3記憶装置34及び第3CPU35等を有する。
第3通信装置31は、所定の通信規格に従って、他の装置(例えば、情報処理装置10)と通信可能な通信インタフェース回路を有する。第3通信装置31は、所定の通信規格に従ってネットワークN(例えば基地局又はアクセスポイント(不図示))を介して他の装置(例えば、情報処理装置10)と通信する。第3通信装置31は、情報処理装置10から、第2表示装置33に表示する情報及び表示指示を送信メッセージとして受信する。第3通信装置31は、情報処理装置10から受信した各情報及び指示を第3CPU35に送る。また、第3通信装置31は、第3CPU35から受け取ったメッセージ等の各情報を、情報処理装置10を介して対象者端末20等の送信先に送信する。所定の通信規格は、例えばLTE(Long Term Evolution)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)等である。
第2入力装置32は、タッチパッド等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインタフェース回路を有する。第2入力装置32は、見守り者端末30を操作する利用者(例えば、見守り者)の操作に応じた信号を第3CPU35に出力する。第2入力装置32は、タッチパッド等に対する操作によって表現されるテキスト、画像又は操作内容を示す操作情報を示す信号を、見守り者端末30に対する入力として受け付ける。なお、第2入力装置32は、キーボード、マウス等でもよい。
第2表示装置33は、液晶、有機EL、電子ペーパー等から構成されるディスプレイ及びディスプレイに文字、図形、記号及び画像等を出力するインタフェース回路を有する。第2表示装置33は、第3CPU35からの指示に従って文字、図形、記号及び画像等を表示する。第2表示装置33は、例えば、情報処理装置10から送信された表示指示に従って、文字、図形、記号及び画像等を表示する。なお、第2表示装置33は、第2入力装置32が受け付けた文字又は操作情報等を表示してもよい。
第3記憶装置34は、例えば、メモリと、ストレージとを有する。メモリは、第3CPU35がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置として使用される。ストレージは、第3CPU35による処理に用いられる各種コンピュータプログラム及びデータを記憶する不揮発性の補助記憶装置として使用される。コンピュータプログラムは、例えばパーソナルコンピュータ(不図示)等を介してCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第3記憶装置34にインストールされてもよい。また、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介して、第3記憶装置34にダウンロードされてもよい。なお、第3記憶装置34は、第3CPU35内に組み込まれた構成であってもよい。
第3CPU35は、第3記憶装置34に記憶されたプログラムに従って各種の演算を行い、見守り者端末30の他のハードウェア要素を制御する制御装置である。なお、第3CPU35に代えて、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
2.動作
以下、見守りシステム1の動作について説明する。図7は、見守りシステム1の動作の一例を示すシーケンス図である。以下に説明する動作シーケンスは、予め見守りシステム1が有する各装置の記憶装置に記憶されているプログラムに基づいて、主に各装置のCPUにより、各装置の各要素と協働して実行される。図7のシーケンスは、例えば、見守り対象者が対象者端末20の第1入力装置22に対して入力を行ったことを契機として開始される。
対象者端末20の第1入力装置22は、入力ボタンに対する見守り対象者の操作によって表現されるテキスト、画像又は操作内容を示す操作情報を受け付ける(ステップS11)。第1入力装置22が複数の入力ボタンを有している場合、第1入力装置22は、夫々の入力ボタンが表す操作情報を受け付ける。第1入力装置22は、受け付けた操作情報を第2CPU27に通知する。
次に、第2CPU27は、第1入力装置22が受け付けた操作情報に応じたメッセージを生成する。第2通信装置21は、第2CPU27が生成したメッセージを情報処理装置10に送信する(ステップS12)。例えば、第1入力装置22が受け付けた操作情報がテキストである場合、第2CPU27は、そのテキストに示される情報をメッセージとして生成する。また、第1入力装置22が受け付けた操作情報が、対象者端末20に設けられた各操作ボタンに対する操作を示す場合、第2CPU27は、その操作ボタンに予め対応付けられた情報をメッセージとして生成してもよい。情報処理装置10の第1通信装置11は、対象者端末20から送信されたメッセージを受信メッセージとして受信する。第1通信装置11は、受信した受信メッセージを決定部131に通知する。
次に、決定部131は、受信メッセージに基づいて、送信メッセージ及び送信メッセージの送信先を決定する(ステップS13)。具体的には、決定部131は、受信メッセージに基づいて、対象者端末20を利用する見守り対象者の状態を判定し、判定結果に基づいて、送信メッセージ及び送信メッセージの送信先を決定する。詳細には、まず、決定部131は、受信メッセージが所定の条件を満たすか否かに基づいて、見守り対象者の状態を判定する。例えば、受信メッセージがテキストに示される情報を含む場合、決定部131は、そのテキストを解析することによって、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定する。その場合、情報処理装置10は、危険な状況であることを知らせる表現を第1記憶装置12に予め設定しておく。この表現は、見守りシステム1の管理者や、見守り者によって入力されたものでもよいし、学習によって出力されたものでもよい。決定部131は、受信メッセージにその表現が含まれる場合、見守り対象者が緊急状態であると判定し、受信メッセージにその表現が含まれない場合、見守り対象者が緊急状態でないと判定する。
情報処理装置10は、単語又は文節毎に緊急度合いを表す指標(例えば、数値)を関連付けて記憶してもよい。ここで、指標が数値である場合、数値が高いほど緊急度が高くなるとする。決定部131は、受信メッセージに含まれるテキストに、記憶された単語又は文節に相当する(一致又は類似する)単語が含まれる場合において、単語又は文節に関連付けられた指標を用いて、受信メッセージの緊急度を算出してもよい。緊急度は、指標の合計値であってもよいし、最高値であってもよい。決定部131は、算出した緊急度が所定の閾値以上であるか否かによって、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定することにより、送信メッセージを決定してもよい。また、決定部131は、緊急度の範囲に応じて、送信メッセージを決定してもよい。この場合、情報処理装置10は、複数の緊急度の範囲を、見守り対象者の複数の状態として、記憶する。情報処理装置10は、例えば、緊急度が第1の値未満を上述した通常状態に相当するよう設定し、緊急度が第1の値以上第2の値未満を通常状態及び緊急状態とは異なる状態として設定し、緊急度が第2の値以上を上述した緊急状態に相当するように設定してもよい。これにより、決定部131は、受信メッセージに含まれる単語又は文節に関連付けられた指標が所定の条件を満たすか否かに基づいて、見守り対象者の状態を判定することにより、送信メッセージを決定する。
または、決定部131は、テキストが入力された場合に、入力されたテキストが緊急状態を表す度合いを示す緊急度を出力するように事前学習されたモデルにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定してもよい。このモデルは、例えばニューラルネットワーク等により、緊急状態を表す複数のテキスト及び緊急状態を表さない複数のテキストを用いて事前学習され、予め第1記憶装置12に記憶される。緊急度が数値で表され、該数値が大きいほど、緊急の度合いが高いとした場合、決定部131は、受信メッセージに含まれるテキストをモデルに入力し、モデルから出力された緊急度が閾値以上である場合、見守り対象者が緊急状態であると判定し、緊急度が閾値未満である場合、見守り対象者が緊急状態でないと判定する。
また、例えば、受信メッセージが対象者端末20に設けられた操作ボタンに対応付けられた情報を示す場合、決定部131は、その操作ボタンを用いる操作が緊急性を表す操作であるか否かによって、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定する。例えば、決定部131は、その操作が防犯ブザーを鳴らす操作である場合、見守り対象者が緊急状態であると判定し、他の操作である場合、見守り対象者が通常状態であると判定する。なお、防犯ブザーを鳴らす操作は、対象者端末20に設けられた操作ボタンの操作に限定されず、対象者端末20に設けられたコードを引っ張る等であってもよい。この場合、第1入力装置22は、コードが引っ張られることに起因する入力(例えば、ブザーのスイッチがオン)を受け付ける。
または、決定部131は、操作ボタンに対応付けられた操作情報が入力された場合に、入力された操作情報が緊急状態を表す度合いを示す緊急度を出力するように事前学習されたモデルにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定してもよい。このモデルは、例えばニューラルネットワーク等により、緊急状態を表す複数の操作及び緊急状態を表さない複数の操作を用いて事前学習され、予め第1記憶装置12に記憶される。緊急度が数値で表され、該数値が大きいほど、緊急の度合いが高いとした場合、決定部131は、受信メッセージに含まれる操作情報をモデルに入力し、モデルから出力された緊急度が閾値以上である場合、見守り対象者が緊急状態であると判定し、緊急度が閾値未満である場合、見守り対象者が通常状態であると判定する。
次に、決定部131は、見守り対象者の状態の判定結果に基づいて、送信メッセージ及び送信メッセージの送信先を決定する。例えば、見守り対象者が緊急状態でない場合、決定部131は、利用者テーブルにおいて、その見守り対象者の対象者情報と関連付けて記憶された送信先情報及び送信メッセージを取得する。ここで、この例では、緊急状態でない状態を通常状態とすると、決定部131は、見守り対象者の対象者情報と関連付けられた、通常状態の送信メッセージ及び送信先情報に示される送信先を、送信メッセージ及び送信先として決定する。一方、見守り対象者が緊急状態である場合、決定部131は、利用者テーブルにおいて、その見守り対象者の対象者情報と関連付けて記憶された緊急状態の送信メッセージ及び送信先情報に示される送信先を、送信メッセージ及び送信先として決定する。
なお、決定部131は、受信メッセージが示す情報を送信メッセージとして決定し、且つ/又は、受信メッセージに含まれる宛先を送信先として決定してもよい。
また、決定部131は、受信メッセージの内容、送信時刻又は送信位置に応じて、送信先を変更してもよい。例えば、受信メッセージに基づいて判定された見守り対象者の状態が通常状態であり且つ見守り対象者の学校の下校時刻後の所定時間内に、学校から所定距離内で送信された場合、決定部131は、学校及び親が保有する端末を送信先として決定する。なお、下校時刻は学校の時間割から求められる。また、例えば、受信メッセージに基づいて判定された見守り対象者の状態が通常状態であり且つ塾の終了時刻後の所定時間内に、塾から所定距離内で送信された場合、決定部131は、塾及び親が保有する端末を送信先として決定する。
また、決定部131は、受信メッセージを他のメッセージに変換するために予め設定されたメッセージ変換テーブル又はメッセージ変換アルゴリズムを用いて、受信メッセージを変換し、変換したメッセージを送信メッセージとして決定してもよい。
また、決定部131は、見守り対象者が緊急状態でないと判定した場合、対象者端末20の位置を示す位置情報を送信メッセージとして決定してもよい。その場合、例えば、決定部131は、位置情報の取得を要求する要求信号を、第1通信装置11を介して対象者端末20に送信し、第1通信装置11を介して対象者端末20から受信した位置情報を送信メッセージとして決定してもよい。なお、位置情報は、対象者端末20の位置を示す情報でなく、対象者端末20と通信する基地局の位置を示す情報でもよい。位置情報は、受信メッセージとともに情報処理装置10に送信されてもよい。一方、決定部131は、見守り対象者が緊急状態であると判定した場合、対象者端末20の位置情報と、その位置情報に示される位置から所定距離内に存在する交番、警察署等の公共機関の連絡先とを送信メッセージとして決定してもよい。各公共機関の連絡先は、各公共機関の位置情報と関連付けて第1記憶装置12に予め設定されたものでもよいし、ネットワークを介して外部サーバから情報処理装置10が取得したものでもよい。決定部131は、第1記憶装置12に連絡先が記憶された各公共機関の中から、対象者端末20の位置情報に示される位置から所定距離内に存在する公共機関を抽出する。
また、決定部131は、複数の送信先毎に異なる送信メッセージを決定してもよい。その場合、情報処理装置10は、利用者テーブルにおいて、送信先毎に送信メッセージを予め設定しておいてもよい。例えば、送信先が見守り者端末30と対象者端末20である場合、決定部131は、上記した方法の内の何れかの方法で見守り者端末30に送信する送信メッセージを決定する。更に、決定部131は、例えば、見守り者端末30に送信する送信メッセージを決定した方法とは異なる方法で、対象者端末20の第1表示装置23に表示させる表示情報を決定し、その表示情報を対象者端末20に送信する送信メッセージとして決定する。表示情報は、文字、画像及び表示指示等を表す情報を含む。
また、送信先情報に送信先の端末を特定可能な識別子が含まれ、該識別子が示す端末に複数の送信先(電子メールアドレス、電話番号、所定のアプリケーションで使用される識別子等)が含まれる場合、決定部131は、複数の送信先のうち、1つを送信先として決定してもよいし、複数を送信先として決定してもよい。例えば、送信先情報に、親の見守り者端末30を示す情報(例えば、シリアル番号)が設定されており、該情報に、電話番号、電子メールアドレス、所定のアプリケーションで使用される識別子が関連付けられているとする。この場合において、決定部131は、電話番号と電子メールアドレスとを送信メッセージの送信先として決定してもよい。また、この場合において、決定部131は、所定の条件に応じて、送信先を決定してもよい。例えば、決定部131は、午前中は電話番号を送信先として決定し、午後は電子メールアドレスを送信先として決定してもよい。
例えば、見守り対象者が対象者端末20を操作して警告音を報知させた場合、決定部131は、警告音を鳴らしたことを示す受信メッセージに基づいて、見守り対象者が緊急状態であると判定する。この場合、決定部131は、警告の対象者(例えば、不審人物)に対する警告メッセージを対象者端末20の第1表示装置23に表示させる指示を送信メッセージとして決定する。警告メッセージは、例えば、警察に連絡したことを示すメッセージである。この場合、第2通信装置21は、送信メッセージを受信し、第2CPU27は、送信メッセージに含まれる警告メッセージを第1表示装置23に表示させる。
警告音が鳴ると、警告の対象者は、警告音を停止しようと、対象者端末20の操作を試みる可能性がある。見守りシステム1は、対象者端末20の第1表示装置23に警告メッセージを表示させることにより、警告の対象者に、対象者端末20の周辺以外にも緊急事態であることが伝わっていることを把握させることができる。これにより、見守りシステム1は、見守り者に見守り対象者の状況を把握させることに加え、警告の対象者にも警告音以外の警告を通知することができる。
また、送信先が複数の見守り者端末30である場合、決定部131は、対象者端末20と各見守り者端末30の間の距離に応じて、各見守り者端末30に送信する送信メッセージを決定してもよい。例えば、見守り者端末30がGPS機能を有するセンサを備える場合、見守り者端末30は、所定時間に自装置の位置を示す情報(例えば、地理座標)を算出して情報処理装置10に通知してもよい。決定部131は、受信メッセージに基づいて判定された見守り対象者の状態が緊急状態である場合、対象者端末20との距離が閾値以下である見守り者端末30又はその距離が最小である見守り者端末30を抽出する。決定部131は、見守り対象者までの移動ルートを、抽出した見守り者端末30への送信メッセージとして決定する。
次に、第1通信装置11は、決定部131が決定した送信先に、決定部131が決定した送信メッセージを送信する(ステップS14)。例えば、通常状態における送信先情報として、親が保有する端末の電子メールアドレス又は電話番号等が設定され、緊急状態における送信先情報として、家族全員の端末の電子メールアドレス又は電話番号等が設定されているものとする。その場合において、受信メッセージに基づいて判定された見守り対象者の状態が緊急状態ではない場合、送信メッセージは、親が保有する端末にのみ送信される。一方、受信メッセージに基づいて判定された見守り対象者の状態が緊急状態である場合、送信メッセージは、家族全員の端末に送信される。これにより、緊急時には、見守り対象者の親だけでなく、家族全員で緊急事態に対応することが可能となり、通常時と比較して、緊急事態への対応速度を速める(高める)ことが可能となる。また、緊急時のみ送信メッセージを受信する端末の利用者は、送信メッセージを受信するとすぐに見守り対象者が緊急状態であることを把握することができる。一方、見守り対象者は、メッセージの送信先を入力することなく、緊急性が有るメッセージと緊急性が無いメッセージとを容易に区別して送信することができる。
なお、見守り者端末30の第3通信装置31は、送信メッセージを受信すると、受信した送信メッセージを第3CPU35に通知する。第3CPU35は、見守りシステム1が提供するサービスを利用可能な専用のアプリケーションを用いて送信メッセージを第2表示装置33に表示させてもよいし、他のアプリケーションを用いて送信メッセージを表示させてもよい。例えば、送信メッセージの送信先が、見守り者のメールアドレスである場合、第3CPU35は、所定のメールアプリケーションを用いて送信メッセージを表示させる。また、第3CPU35は、メッセージのやり取りを行うメッセージアプリケーションを用いて送信メッセージを表示させてもよい。この場合、情報処理装置10は、見守り者端末30がメッセージアプリケーションを用いて送信メッセージを表示できるように、メッセージアプリケーションのサーバを介して見守り者端末30に送信メッセージを送信するよう制御してもよい。また、第3CPU35は、ブラウザを用いて送信メッセージを表示させてもよい。
このように、見守りシステム1は、送信メッセージ及び送信先を適切に決定することができる。また、見守りシステム1は、警告機能のみを有する防犯ブザー又は位置情報を送信する機能のみを有する防犯ブザー等と比較して、汎用性を高くすることができる。
また、対象者端末20は、送信メッセージを各送信先に直接送信せず、情報処理装置10に送信し、情報処理装置10が送信メッセージ及び送信先を決定する。即ち、対象者端末20が送信するメッセージには送信先が含まれなくてもよく、対象者端末20が送信するメッセージは、見守り者端末30に送信されるメッセージとは異なるメッセージでもよい。対象者端末20は、送信先及び送信メッセージを決定(指定)しないため、年少者等の見守り対象者でも利用することができる。また、対象者端末20は、情報処理装置10と通信するための情報のみを記憶しておけばよく、各送信先のアドレスを記憶しておく必要がないため、第2記憶装置26の記憶容量を低減することが可能となる。
図8は、見守りシステム1の動作の他の一例を示すシーケンス図である。以下に説明する動作シーケンスは、予め見守りシステム1が有する各装置の記憶装置に記憶されているプログラムに基づいて、主に各装置のCPUにより、各装置の各要素と協働して実行される。図8のシーケンスは、例えば、見守り者が見守り者端末30の第2入力装置32に対して、対象者端末20へのメッセージ送信の指示を入力したことを契機として開始される。
見守り者端末30の第2入力装置32は、対象者端末20へのメッセージ送信の指示を受け付けると、受け付けた指示を第3CPU35に通知する。第3CPU35は、第2入力装置32が受け付けた指示に応じたメッセージを生成する。第3通信装置31は、第3CPU35が生成したメッセージを情報処理装置10に送信する(ステップS21)。情報処理装置10の第1通信装置11は、見守り者端末30から送信されたメッセージを受信メッセージとして受信する。第1通信装置11は、受信した受信メッセージを決定部131に通知する。
次に、決定部131は、受信メッセージに基づいて、送信メッセージ及び送信メッセージの送信先を決定する(ステップS22)。具体的には、決定部131は、対象者端末20を送信先として決定し、受信した受信メッセージを送信メッセージとして決定する。なお、決定部131は、送信先の対象者端末20に応じて、受信したメッセージを変換し、変換した変換メッセージを送信メッセージとして決定してもよい。上述した通り、対象者端末20のサイズは、見守り対象者が対象者端末20の持ち運びを常時意識しなくても容易に持ち運ぶことができるサイズであるため、見守り者端末30が送信したメッセージをそのまま表示できない可能性がある。しかしながら、見守り者端末30を利用する見守り者に、文字数やデータ量を意識したメッセージを作成させると、見守り者に負荷がかかってしまう。
そこで、決定部131は、見守り者端末30から送信された受信メッセージを、送信先の端末である対象者端末20が表示(表現)でき、且つ、その端末の利用者である見守り対象者がそのメッセージを的確に把握可能な態様に変換した変換メッセージを送信メッセージとして決定する。例えば、決定部131は、メッセージが入力された場合に、見守り対象者がそのメッセージを的確に把握可能な態様に変換したメッセージを出力するように事前学習されたモデルにより、変換メッセージを取得する。このモデルは、例えばニューラルネットワーク等により、複数のメッセージを用いて事前学習され、予め第1記憶装置12に記憶される。決定部131は、受信メッセージをモデルに入力し、モデルから出力されたメッセージを送信メッセージとして決定する。または、決定部131は、所定の用語を他の用語に変換するために予め設定されたメッセージ変換テーブルを用いて、受信メッセージに含まれる各用語を変換し、変換した用語を含む変換メッセージを送信メッセージとして決定してもよい。
次に、第1通信装置11は、決定部131が決定した送信先である対象者端末20に、決定部131が決定した送信メッセージを送信する(ステップS23)。対象者端末20の第2通信装置21は、情報処理装置10から送信された送信メッセージを受信すると、受信した送信メッセージを第2CPU27に通知する。
第2CPU27は、第2通信装置21が受信した送信メッセージを第1表示装置23に表示する(ステップS24)。送信メッセージに表示指示が含まれる場合、第2CPU27は、その表示指示に従って、送信メッセージを第1表示装置23に表示する。
次に、図7のステップS11と同様に、第1入力装置22は、操作情報を受け付け(ステップS25)、受け付けた操作情報を第2CPU27に通知する。
次に、図7のステップS12と同様に、対象者端末20は、情報処理装置10にメッセージを送信する。具体的には、第2CPU27が、第1入力装置22が受け付けた操作情報に応じたメッセージを生成する。そして、第2通信装置21が、生成されたメッセージ(第2メッセージ)を、受信した送信メッセージの応答として、情報処理装置10に送信する(ステップS26)。情報処理装置10の第1通信装置11は、対象者端末20から送信メッセージの応答として送信されたメッセージ(第2メッセージ)を第2受信メッセージとして受信する。第1通信装置11は、受信した第2受信メッセージを決定部131に通知する。
次に、決定部131は、ステップS21で受信した受信メッセージと、その受信メッセージに対応する送信メッセージの応答として受信した第2受信メッセージとに基づいて、第2送信メッセージを決定する(ステップS27)。
決定部131は、見守り者端末30に送信する第2送信メッセージが、見守り者端末30が送信した受信メッセージの応答として機械的ではなく自然になるように、第2送信メッセージを決定する。例えば、決定部131は、受信メッセージ、送信メッセージ及び第2受信メッセージが入力された場合に、第2受信メッセージを受信メッセージの応答として自然になるように変換したメッセージを出力するように事前学習されたモデルにより、第2送信メッセージを取得する。このモデルは、例えばニューラルネットワーク等により、受信メッセージ、送信メッセージ及び第2受信メッセージの複数のセットを用いて事前学習され、予め第1記憶装置12に記憶される。決定部131は、受信メッセージ、送信メッセージ及び第2受信メッセージをモデルに入力し、モデルから出力されたメッセージを第2送信メッセージとして決定する。なお、モデルの入力及び事前学習データとして、送信メッセージは省略されてもよい。
なお、決定部131は、ステップS22で送信メッセージを決定した場合と同様にして、第2送信メッセージを決定してもよい。
決定した第2送信メッセージはステップS21で受信した受信メッセージの応答であるため、決定部131は、受信メッセージの送信元(この場合は見守り者端末30)を送信先として決定する。
次に、第1通信装置11は、受信メッセージの送信元の端末である見守り者端末30に、決定部131が決定した第2送信メッセージを送信する(ステップS28)。見守り者端末30の第3通信装置31は、第2送信メッセージを受信すると、受信した第2送信メッセージを第3CPU35に通知する。第3CPU35は、第2送信メッセージを第2表示装置33に表示させる。
図9は、図7のシーケンスチャートに基づいて処理が行われた場合の、対象者端末20と見守り者端末30の画面遷移の一例を示す図である。
図9において、各画面は、矢印の順に従って遷移していく。図9に示すように、対象者端末20の第1入力装置22は、入力ボタン22a及び入力ボタン22bを含む。図9に例示する見守り者端末30の画面は、見守りシステム1が提供するサービスを利用可能な専用のアプリケーションを用いて表示される。なお、専用のアプリケーションは、一般的なメッセージアプリケーションと同様に、以下の(a)〜(c)を見守り者端末30の画面に表示する機能を有してもよい。
(a)見守り者端末30から送ったメッセージの送信日時、
(b)見守り者端末30から送ったメッセージが送信先で確認されたか否かを示す情報、
(c)見守り者端末30に送られたメッセージの送信日時。
まず、見守り者端末30の表示画像91に示すように、見守り者により、見守り者端末30にメッセージ91aが入力されて送信されると、第2表示装置33は、入力されたメッセージ91aを表示する。送信されたメッセージは、情報処理装置10によって受信されて変換され、対象者端末20に送信される。対象者端末20の表示画像92に示すように、第1表示装置23は、メッセージ91aから変換されたメッセージ92aを表示する。
次に、見守り対象者により指F及び入力ボタン22aを用いてメッセージ92a(メッセージ91a)の応答が入力されると、入力ボタン22aに対応する情報を含むメッセージが情報処理装置10に送信される。送信されたメッセージは、情報処理装置10によって受信されて変換され、見守り者端末30に送信される。見守り者端末30の表示画像94に示すように、第2表示装置33は、変換されたメッセージ94aを表示する。このメッセージ94aは、決定部131が、メッセージ91a及び入力ボタン22aに対応する情報を含むメッセージに基づいて決定したものである。
その後、見守り者端末30の表示画像95に示すように、見守り者により、見守り者端末30にメッセージ95aが入力されて送信されると、第2表示装置33には、入力されたメッセージ95aが表示される。対象者端末20の表示画像96に示すように、第1表示装置23は、メッセージ95aから変換されたメッセージ96aを表示する。このメッセージ96aは、決定部131が、メッセージ92aの応答(入力ボタン22aに対応する情報を含むメッセージ(メッセージ94aに対応))及びメッセージ95aに基づいて決定したものであってもよいし、メッセージ95aのみに基づいて決定したものであってもよい。
次に、見守り対象者により指F及び入力ボタン22aを用いてメッセージ96a(メッセージ95a)の応答が入力されると、見守り者端末30の表示画像98に示すように、第2表示装置33は、変換されたメッセージ98aを表示する。このメッセージ98aは、決定部131が、メッセージ95a及び入力ボタン22aに対応する情報を含むメッセージに基づいて決定したものである。なお、決定部131は、メッセージ91a及びメッセージ91aに対する応答(メッセージ94a)をさらに用いて、メッセージ98aを決定してもよい。
このように、決定部131は、見守り者端末30から送信されたメッセージを、対象者端末20が表示(表現)でき、且つ、見守り対象者がそのメッセージを的確に把握できる態様に変換する。これにより、見守りシステム1は、見守り者に負荷をかけることなく、見守り対象者に見守り者からのメッセージを把握させることができる。
また、決定部131は、見守り者端末30に送信する送信メッセージを、見守り者端末30から対象者端末20に送信されたメッセージと、そのメッセージの応答とに基づいて決定する。これにより、情報処理装置10は、機械的なメッセージではなく、自然な会話として成立するメッセージを見守り者端末30に送信することができる。対象者端末20に、文字列等の複雑な情報を入力するための入力インタフェースが設けられる場合、機器コストの増大、及び、消費電力の増大が発生する可能性が高い。そのため、一般的に、携帯電話端末とは異なり、防犯ブザーにはこのような入力インタフェースは設けられていない。見守りシステム1は、対象者端末20がこのような入力インタフェースを備えない場合でも、見守り者端末30を利用する見守り者に自然な会話を行っていると認識させることが可能となる。したがって、見守りシステム1は、対象者端末20の省電力化を実現しつつ、見守り対象者と見守り者の間の円滑なコミュニケーションを好適に支援することができる。
なお、対象者端末20の第1表示装置23は、見守り対象者が入力した内容(入力ボタンの操作)を表す操作情報を表示してもよい。これにより、見守り対象者が入力した内容を表す操作情報を含む画像が、図8の表示画像93又は表示画像97の代わりに表示される。つまり、第1表示装置23は、メッセージ93a又はメッセージ97aの代わりに見守り対象者が入力した内容を表す操作情報を表示する。また、対象者端末20は、見守り者端末30から送信されたメッセージ91a又はメッセージ95aに対応するメッセージ92a又はメッセージ96aを表示する前に、メッセージが届いている旨を表示してもよい。その場合、対象者端末20は、入力ボタンが押下されたことを受け付けたときに、メッセージ92a又はメッセージ96aを表示する。このとき、対象者端末20は、入力ボタンが押下されたことを受け付けたことを、情報処理装置10に通知してもよい。情報処理装置10は、この通知を受信した場合に、上述した「(b)見守り者端末30から送ったメッセージが送信先で確認されたか否かを示す情報」を見守り者端末30に送信する。
また、対象者端末20が複数の見守り者端末30とメッセージを送受信する場合、対象者端末20の第1表示装置23は、メッセージの送信元を示す情報を表示してもよい。この場合、対象者端末20の第1表示装置23は、メッセージの送信元を、文字、色、図形、画像又はその他の方法により表示する。これにより、見守り対象者は、メッセージの送信元を容易に把握することができる。
また、情報処理装置10は、利用者テーブルにおいて、見守り者毎に、見守り者の年齢もしくは性別等の個人情報、又は、各見守り者が送信するメッセージの特性(温和、厳格等)等を記憶してもよい。その場合、決定部131は、利用者テーブルに記憶された個人情報又は特性に基づいて、対象者端末20からのメッセージを変換する。例えば、情報処理装置10は、個人情報又は特性毎に、特定のメッセージを他のメッセージに変換する変換テーブルを予め記憶しておき、決定部131は、その変換テーブルを用いてメッセージを変換する。これにより、例えば、父親の見守り者端末30及び母親の見守り者端末30から同一のメッセージが送信され且つ対象者端末20から同一の応答が送信された場合でも、決定部131は、父親及び母親のそれぞれに適したメッセージを生成することができる。
図10は、見守りシステム1の動作の更に他の一例を示すシーケンス図である。以下に説明する動作シーケンスは、予め見守りシステム1が有する各装置の記憶装置に記憶されているプログラムに基づいて、主に各装置のCPUにより、各装置の各要素と協働して実行される。
対象者端末20の第2CPU27又は第2通信装置21は、メッセージを生成し、第2通信装置21は、そのメッセージを情報処理装置10に送信する(ステップS31)。第2CPU27又は第2通信装置21は、メッセージとして、例えば対象者端末20が他の装置と通信を行うための接続リクエストを生成する。または、第2CPU27又は第2通信装置21は、メッセージとして、位置情報等を他の装置にプッシュ配信するための情報を生成する。または、第2CPU27又は第2通信装置21は、メッセージとして、他の装置から受信したメッセージに対する応答メッセージを生成する。
情報処理装置10の第1通信装置11は、対象者端末20から送信されたメッセージを受信する。第1通信装置11は、受信したメッセージを決定部131に通知する。第1通信装置11が受信するメッセージには、対象者端末20の通信に関する通信情報が含まれる。対象者端末20から送信されたメッセージは、一又は複数の基地局を介して情報処理装置10に送信される。通信情報は、メッセージを中継した基地局のうち、少なくとも、対象者端末20が直接通信した基地局を示す情報を含む。
次に、決定部131は、第1通信装置11が受信した通信情報に基づいて、送信メッセージ及び送信メッセージの送信先を決定する(ステップS32)。具体的には、決定部131は、通信情報に基づいて、対象者端末20を利用する見守り対象者の状態を判定し、判定結果に基づいて、送信メッセージ及び送信メッセージの送信先を決定する。詳細には、まず、決定部131は、対象者端末20を利用する見守り対象者の状態を、通信情報が所定の条件を満たすか否かに基づいて判定する。例えば、決定部131は、通信情報に示される、対象者端末20と直接通信を行った基地局が、利用者テーブルに記憶された、対象者端末20が通常通信を行う基地局であるか否かによって、見守り対象者が通常状態であるか緊急状態であるかを判定する。通信情報に示される基地局が、利用者テーブルに記憶された基地局である場合、見守り対象者は行動範囲エリア内に存在すると推定される。一方、通信情報に示される基地局が、利用者テーブルに記憶された基地局でない場合、見守り対象者は行動範囲エリア内に存在していないと推定される。決定部131は、通信情報に示される基地局が、利用者テーブルに記憶された基地局である場合、見守り対象者が通常状態であるとみなし(判定し)、そうでない場合、見守り対象者が緊急状態であるとみなす(判定する)。
次に、決定部131は、見守り対象者の状態の判定結果に基づいて、送信メッセージ及び送信メッセージの送信先を決定する。通信情報に示される基地局が、利用者テーブルに記憶された基地局であることにより、見守り対象者が通常状態であると判定された場合、決定部131は、送信メッセージを送信しないことを決定する。この場合、決定部131は、利用者テーブルにおいて、その見守り対象者と関連付けて記憶された通常状態の送信メッセージ及び送信先情報に示される送信先を、送信メッセージ及び送信先として決定してもよい。一方、通信情報に示される基地局が、利用者テーブルに記憶された基地局でないことにより、見守り対象者が緊急状態であると判定された場合、決定部131は、利用者テーブルにおいて、その見守り対象者と関連付けて記憶された緊急状態の送信メッセージ及び送信先情報に示される送信先を、送信メッセージ及び送信先として決定する。なお、決定部131は、図7のステップS13と同様の方法で、送信メッセージ及び送信先を決定してもよい。
次に、第1通信装置11は、決定部131が決定した送信先に、決定部131が決定した送信メッセージを送信する(ステップS33)。見守り者端末30の第3通信装置31は、送信メッセージを受信すると、受信した送信メッセージを第3CPU35に通知し、第3CPU35は、送信メッセージを第2表示装置33に表示させる。
これにより、対象者端末20は、GPSを利用しなくとも、見守り者に見守り対象者が行動範囲エリア内に存在していないことを通知することができる。対象者端末20は、GPSを利用しないため、消費電力を低減させることができる。また、対象者端末20がGPS機能を有さない場合、又は、GPSの電波を受信できないエリアに存在する場合でも、対象者端末20は、見守り者に見守り対象者が行動範囲エリア内に存在していないことを通知することができる。
図11は、見守りシステム1の動作の更に他の一例を示すシーケンス図である。以下に説明する動作シーケンスは、予め見守りシステム1が有する各装置の記憶装置に記憶されているプログラムに基づいて、主に各装置のCPUにより、各装置の各要素と協働して実行される。図11のシーケンスは、例えば、対象者端末20のセンサ24が動作したことを契機として開始される。
対象者端末20のセンサ24は、対象者端末20の環境及び/又は対象者端末20の利用者(見守り対象者)の状態を検知する(ステップS41)。例えば、センサ24は、音センサを有する場合、対象者端末20の環境又は見守り対象者の状態として、見守り対象者又は見守り対象者以外(対象者端末20の周囲)から発せられた音を検知する。また、センサ24は、加速度センサを有する場合、対象者端末20の環境又は見守り対象者の状態として、対象者端末20にかかる加速度(移動状態)を検知する。また、センサ24は、生体センサを有する場合、見守り対象者の状態として、対象者端末20を着用又は把持する見守り対象者の体温、脈拍数、脈波又は発汗量等の生体情報を検知する。センサ24は、検知した対象者端末20の環境及び/又は対象者端末20の利用者(見守り対象者)の状態を示す検知情報を第2CPU27に出力する。
次に、第2CPU27は、センサ24から出力された検知情報を第2通信装置21に送り、第2通信装置21は、検知情報を情報処理装置10に送信する(ステップS42)。情報処理装置10の第1通信装置11は、対象者端末20から送信された検知情報を受信する。第1通信装置11は、受信した検知情報を決定部131に通知する。
次に、決定部131は、検知情報に基づいて、送信メッセージ及び送信メッセージの送信先を決定する(ステップS43)。具体的には、決定部131は、検知情報に基づいて、対象者端末20を利用する見守り対象者の状態を判定し、判定結果に基づいて、送信メッセージ及び送信メッセージの送信先を決定する。詳細には、まず、決定部131は、対象者端末20を利用する見守り対象者の状態を、検知情報が所定の条件を満たすか否かに基づいて判定する。検知情報が音のデータである場合、決定部131は、音圧が閾値以下であるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定する。決定部131は、見守り対象者が所定の音圧よりも高い音圧の声を発している場合、見守り対象者が助けを求めていると推定する。また、決定部131は、対象者端末20の周囲で所定の音圧よりも高い音圧の声が発せられている場合、第三者が見守り対象者を脅していると推定する。なお、決定部131は、その音の周波数が予め設定された範囲内であるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定してもよい。または、決定部131は、公知の音声信号の分析技術により、その音声特徴量を用いて、叫び声等を区別することにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定してもよい。または、決定部131は、公知の音声信号の分析技術により、その音声に含まれる用語を抽出し、抽出した用語に予め設定された緊急状態を示す用語が含まれるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定してもよい。
また、検知情報が加速度である場合、決定部131は、その加速度から、対象者端末20の傾き、動き、振動又は対象者端末20に加えられた衝撃を算出する。決定部131は、算出した値が、予め設定された範囲内であるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定する。決定部131は、対象者端末20に衝撃が与えられている場合、見守り対象者が緊急状態であると判定する。また、決定部131は、対象者端末20が停止している場合、対象者端末20が見守り対象者に所持されていない又は見守り対象者が動けない状態であると推定し、見守り対象者が緊急状態であると判定する。また、決定部131は、車両の揺れに対応する加速度が検知された場合、見守り対象者が該当する車両(電車又は車等)で移動していると推定し、見守り対象者が緊急状態であると判定する。
なお、センサ24は、検知情報に、対象者端末20の環境又は見守り対象者の状態を検知した時刻を含ませてもよい。その場合、決定部131は、検知情報に含まれる時刻を予め設定された時刻と比較し、比較結果に基づいて、送信先を決定してもよい。または、決定部131は、比較結果に基づいて、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定してもよい。例えば、決定部131は、対象者端末20が停止している場合でも、検知情報に含まれる時刻が下校時刻から所定時間外である場合は、見守り対象者が学校にいると推定し、緊急状態でないと判定する。また、決定部131は、検知情報に含まれる時刻が下校時刻から所定時間内であり、且つ、対象者端末20が停止している場合、見守り対象者が緊急状態であると判定してもよい。また、決定部131は、検知情報に含まれる時刻が下校時刻から所定時間外であり、且つ、対象者端末20が移動している場合、見守り対象者が緊急状態であると判定してもよい。
また、検知情報が体温又は脈拍数である場合、決定部131は、体温又は脈拍数が閾値以上であるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定する。または、決定部131は、検知情報に示される体温又は脈拍数と、予め設定された見守り対象者の平常時の体温又は脈拍数との差が閾値以上であるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定してもよい。決定部131は、対象者端末20において検知された体温又は脈拍数が、見守り対象者の平常時の体温又は脈拍数と所定量以上異なる場合、対象者端末20が第三者によって操作されていると推定し、見守り対象者が緊急状態であると判定してもよい。
また、検知情報が脈波である場合、決定部131は、脈波の振幅を脈波の変化の大きさとして算出し、算出した振幅が閾値以上であるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定する。決定部131は、検知情報に示される脈波と、予め設定された見守り対象者の平常時の脈波との類似度(例えば正規化相互相関値)を算出し、算出した類似度と閾値とを比較することにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定してもよい。ここで、類似度が数値で表され、該数値が大きいほど、類似の度合いが高いとした場合、決定部131は、類似度が閾値以下であるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定してもよい。なお、決定部131は、算出した脈波の振幅又は数値で表され且つ該数値が大きいほど類似の度合いが高いとした場合の類似度の逆数を見守り対象者の疲労又はストレスの度合いを示す値として算出してもよい。その場合、決定部131は、疲労又はストレスの度合いを示す値が閾値以上である場合、見守り対象者の感情が不安定である、又は、見守り対象者の現在の状況が良好でないと判定してもよい。
また、検知情報が発汗量である場合、決定部131は、発汗量が閾値以上であるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定する。決定部131は、検知情報に示される発汗量の一定期間内の変化の大きさが閾値以上であるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定してもよい。なお、決定部131は、発汗量又は発汗量の変化の大きさを見守り対象者の疲労又はストレスの度合いとして算出してもよい。その場合、決定部131は、疲労又はストレスの度合いが閾値以上である場合、見守り対象者の感情が不安定である、又は、見守り対象者の現在の状況が良好でないと判定してもよい。
なお、生体情報は、体温、脈拍数、脈波又は発汗量に限定されない。また、決定部131は、体温、脈拍数、脈波又は発汗量等のうち、複数種類の生体情報に基づいて、対象者端末20を利用する見守り対象者の状態を判定してもよい。その場合、決定部131は、各生体情報から評価値を算出する。例えば、決定部131は、体温、脈拍数、脈波の振幅又は発汗量が大きい程、数値が大きくなるように評価値を算出する。または、決定部131は、各生体情報が入力された場合に、評価値を出力するように事前学習されたモデルにより評価値を取得してもよい。このモデルは、例えばニューラルネットワーク等により、複数の生体情報を用いて事前学習され、予め第1記憶装置12に記憶される。決定部131は、受信した生体情報をモデルに入力し、モデルから出力された評価値を取得する。決定部131は、評価値が閾値以上であるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定する。
次に、決定部131は、見守り対象者の状態の判定結果に基づいて、送信メッセージ及び送信メッセージの送信先を決定する。決定部131は、例えば、図7のステップS13と同様にして、送信メッセージ及び送信先を決定する。なお、決定部131は、見守り対象者の感情が不安定である場合、又は、見守り対象者の現在の状況が良好でない場合、見守り対象者が緊急状態である場合と同様にして、送信メッセージ及び送信先を決定してもよい。また、決定部131は、見守り対象者の感情が安定である場合、又は、見守り対象者の現在の状況が良好である場合、見守り対象者が通常状態である場合と同様にして、送信メッセージ及び送信先を決定してもよい。
次に、第1通信装置11は、決定部131が決定した送信先に、決定部131が決定した送信メッセージを送信する(ステップS44)。
このように、決定部131が検知情報に基づいて送信メッセージを決定することにより、送信メッセージを受信する見守り者は、見守り対象者が緊急状態であるか否かを的確に把握することができる。例えば、見守り対象者が対象者端末20を用いてメッセージを入力できないような緊急性の高い状況に遭遇した場合でも、情報処理装置10が見守り対象者が緊急状態であると判定し、見守り者は見守り対象者の状況を遅滞なく把握することができる。また、情報処理装置10は、検知情報に基づいて緊急状態でない(緊急性が低い)と判定した場合、送信メッセージを送信しないので、見守り対象者による対象者端末20への誤操作による送信メッセージの誤送信を低減することができる。
また、検知情報が生体情報である場合、決定部131は、緊急状態であるか否かに加えて、又は、緊急状態であるか否かの代わりに、見守り対象者の感情又は状況を判定する。これにより、見守り者は、見守り対象者が自身の感情又は状況をメッセージで正確に表現できない場合でも、メッセージの誤り、偽り、見守り対象者以外の第三者によるなりすまし等が発生していることを把握することができる。
以上、詳述したように、見守りシステム1では、情報処理装置10が、受信メッセージ、通信情報又は検知情報に基づいて、送信メッセージ及び送信先を決定する。見守りシステム1では、適切な送信メッセージ及び送信先を決定することが困難な見守り対象者の代わりに、情報処理装置10が送信メッセージ及び送信先を決定するため、より適切な送信先に、適切な送信メッセージを送信することが可能となる。したがって、見守りシステム1では、汎用性が高いサービスを提供することができる。
また、見守りシステム1において、対象者端末20は、スマートフォンのような様々な機能を有する端末でなく、防犯ブザーのような、見守りサービスを提供するための最低限の機能のみを有する端末である。したがって、見守りシステム1は、対象者端末20の電力消費量を低減し、対象者端末20を長時間連続して使用することが可能となり、見守り対象者を長時間見守り続けることが可能となる。また、対象者端末20の電力消費量を低減できることにより、対象者端末20のバッテリの小型化を図ることが可能となり、対象者端末20自体の小型化を図ることが可能となる。
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例について説明する。
対象者端末20には、所定時間継続して利用可能であるように、電力の供給源が設けられている。見守り対象者が対象者端末20を容易に持ち運べるように、電力の供給源のサイズは十分に小さい。例えば、対象者端末20の各ハードウェア要素で消費される電力は、電池、蓄電池、又は、対象者端末20に搭載された太陽光パネルから直接的又は間接的に供給される。継続性及び軽量化の観点から、対象者端末20は、太陽光発電を行う太陽光パネルを有することが好ましい。これにより、見守り者及び見守り対象者は、対象者端末20の電池切れを意識することなく、見守りシステム1を利用することができる。
対象者端末20は、第1表示装置23において、1つの表示領域でなく、複数の表示領域を有してもよい。その場合、例えば、第1表示装置23は、一の表示領域に文字を表示し、他の表示領域に図形又は画像を表示する。また、複数の表示領域のうちの少なくとも1つが、タッチスクリーンとして実装されてもよい。
図12は、対象者端末20の一例を示す図である。図12に示すように、対象者端末20の第1表示装置23は、見守り対象者がメッセージを入力するための文字又は画像を表示してもよい。図12に示す例では、第1表示装置23は、表示領域121を有する。また、対象者端末20の第1入力装置22は、入力ボタン22a〜22dを有する。入力ボタン22a及び入力ボタン22bは、それぞれ、図9に示した入力ボタン22a及び入力ボタン22bと同様のボタンである。入力ボタン22c及び入力ボタン22dはポインタ122を上下又は左右に移動させるためのボタンである。
図12に示す例では、表示領域121は、文字を指定可能に表示する領域121aと、領域121aにおいて指定された文字を表示する領域121bとを含む。見守り対象者は、入力ボタン22c及び入力ボタン22dを用いてポインタ122を移動させる。また、見守り対象者は、入力ボタン22a及び入力ボタン22bを用いて、ポインタ122が存在する位置に配置された文字を指定する。対象者端末20は、指定された文字又は文字列を、領域121b内のカーソル123が示す位置に表示する。なお、第1入力装置22及び第1表示装置23がタッチスクリーンで実装される場合、対象者端末20は、領域121aに、いわゆるソフトウェアキーボードを表示してもよい。
また、対象者端末20は、見守り者端末30からの要求に応じて、対象者端末20の位置を示す位置情報を送信してもよい。例えば、見守り者端末30は、対象者端末20の位置情報の取得要求を、情報処理装置10を介して対象者端末20に送信する。情報処理装置10は、取得要求を受信した場合、利用者テーブルにおいて、見守り者端末30に関連付けられた対象者端末20にのみ取得要求を転送してもよい。情報処理装置10は、見守り者端末30に関連付けられた対象者端末20にのみ取得要求を送信することにより、見守り者以外の第三者が見守り対象者の位置情報を取得することを防止することができる。対象者端末20は、取得要求を受信した場合、GPS機能を使用して測位し、測位結果を位置情報として送信する。また、対象者端末20は、GPS機能を有さない場合、接続リクエストを基地局に送信してもよい。この場合、見守り者端末30を利用する見守り者は、対象者端末20と通信を行った基地局の情報から、対象者端末20のおおよその位置を把握することができる。これにより、対象者端末20は、常時、位置情報を測位する場合、又は、常時、接続リクエストを基地局に送信する場合と比較して、消費電力を低減させることができる。
また、対象者端末20は、見守り対象者に所定の時刻になったことを通知する通知機能を有してもよい。対象者端末20は、自端末に設定された時刻になった場合に通知を行ってもよいし、情報処理装置10からの通知指示に従って通知を行ってもよい。例えば、情報処理装置10において、見守り対象者の学校の下校時刻から所定時間経過後に通知を行う設定がされている場合、情報処理装置10は、設定時刻になったときに対象者端末20に通知指示を送信する。なお、通知方法は、特に限定されず、通知は、例えば音、振動又は表示等により行われる。
また、対象者端末20は、センサ24が所定の状態を検知したことを契機に、対象者端末20をアクティブ状態に遷移させ、通信を開始させてもよい。これにより、対象者端末20の消費電力を低減させることができる。
また、情報処理装置10は、所定の機関(例えば、自治体)から発表された災害警報等に基づいて、見守り対象者及び見守り者の避難場所を、夫々、対象者端末20及び見守り者端末30に通知してもよい。情報処理装置10は、対象者端末20及び見守り者端末30の位置情報に基づいて、所定の機関が推奨する避難場所を通知してもよいし、災害の種類に応じて適切な場所を決定し、決定した場所を避難場所として通知してもよい。また、情報処理装置10は、避難場所までの最適な避難ルートを、道路状況情報、気象状況情報、その他所定の機関が発表する情報等から決定し、決定した避難ルートを、避難場所とともに通知してもよい。また、対象者端末20と見守り者端末30とに同じ避難場所を通知した場合、情報処理装置10は、その旨を示す情報を対象者端末20及び見守り者端末30に通知してもよい。また、対象者端末20と見守り者端末30とに異なる避難場所を通知した場合、情報処理装置10は、その旨を示す情報と、他方に通知した避難場所を示す情報とを対象者端末20及び見守り者端末30に通知してもよい。これにより、災害発生時であっても、見守り者は見守り対象者の行動を予想することができる。
また、情報処理装置10は、複数の対象者端末20から送信されたメッセージであって、見守り対象者の状態が緊急状態と判定されるメッセージの送信時刻及び送信位置のデータを収集し、事件又は事故の発生場所又は位置を地図画面上に重畳して表示するための画面データを作成してもよい。また、情報処理装置10は、対象者端末20の利用者(見守り対象者)の学年及び性別毎に、見守り対象者の状態が緊急状態と判定されるメッセージの送信時刻及び送信位置のデータを収集し、事件又は事故の発生場所又は位置を表示するための画面データを作成してもよい。その場合、情報処理装置10は、利用者テーブルにおいて、各対象者端末20の利用者(見守り対象者)の学年及び性別等の情報を記憶しておく。情報処理装置10は、作成した画面データを、見守り者端末30もしくは所定の機関からの要求に基づいて、又は、所定のタイミングで、見守り者端末30又は所定の機関に送信する。
なお、見守りシステム1は、年少者をその保護者が見守るためのシステムに限定されない。見守りシステム1は、例えば、高齢者又は要介護者を見守るためのシステムでもよい。また、見守りシステム1は、例えば、団体旅行の防犯システムでもよい。その場合、団体旅行者が対象者端末20を携帯し、添乗員が見守り者端末30を携帯することによって、添乗員は団体旅行者が事故等に巻き込まれているか否かを把握することができる。また、見守りシステム1は、大規模な施設での迷子防止システムでもよい。
また、見守りシステム1は、工場、農場等における作業の監視システムでもよい。その場合、作業者が対象者端末20を携帯し、監督者が見守り者端末30を保有する。作業者は、作業の進捗状況、問題の発生、又はその他の連絡事項を、作業のための装備を外すことなく簡単な操作で監督者に通知することができる。また、監督者は、作業者に把握させるメッセージを対象者端末20に送信して表示させることができる。この場合、対象者端末20は、音出力装置25を備えなくてもよい。また、対象者端末20と通信する基地局は、例えば、フェムトセルのような小型の基地局でもよい。また、通信情報は、対象者端末20と通信したルータを示す情報でもよい。
また、見守りシステム1は、例えば自転車等の乗り物のシェアリングサービスの管理システムでもよい。その場合、対象者端末20が自転車に備え付けられ、見守り者端末30が管理会社によって使用されることによって、管理会社は自転車を借りた顧客へ所定の連絡を行うことができる。また、管理会社は、顧客に対するメッセージの応答の有無又は位置情報の変化の有無によって、対象者端末20が備え付けられた自転車が乗り捨てられているか否かを把握することができる。この場合、対象者端末20は、自転車の利用者からの入力の有無に拘わらず、位置情報を含んだメッセージを送信してもよい。これにより、管理会社は、見守り者端末30を用いて、各自転車の位置を把握することができる。また、情報処理装置10は、各自転車の位置と、乗り捨ての可能性の有無とを地図画面上に重畳して表示するための画面データを作成して、見守り者端末30に送信してもよい。これにより、自転車の回収担当者は、見守り者端末30に表示された画面を確認することにより、乗り捨てられている自転車を容易に回収することができる。
また、情報処理装置10の第1通信装置11は、受信メッセージ、通信情報及び検知情報のうちの何れか二つ以上を受信し、決定部131は、受信メッセージ、通信情報及び検知情報のうちの何れか二つ以上に基づいて、送信メッセージ及び送信先を決定してもよい。即ち、決定部131は、受信メッセージ及び通信情報、受信メッセージ及び検知情報、通信情報及び検知情報、又は、受信メッセージ、通信情報及び検知情報に基づいて、送信メッセージ及び送信先を決定してもよい。
その場合、決定部131は、上記の各組合せに基づいて、評価値を算出する。例えば、決定部131は、受信メッセージに基づいて判定される見守り対象者の状態が通常状態であることを示す場合より、受信メッセージが緊急状態であることを示す場合の方が、数値が大きくなるように評価値を算出する。また、決定部131は、通信情報に示される基地局が、利用者テーブルに記憶された基地局である場合より、通信情報に示される基地局が、利用者テーブルに記憶された基地局でない場合の方が、数値が大きくなるように評価値を算出する。また、決定部131は、検知情報に基づいて判定される見守り対象者の状態が通常状態であることを示す場合より、検知情報に基づいて判定される見守り対象者の状態が緊急状態であることを示す場合の方が、数値が大きくなるように評価値を算出する。なお、評価値は、受信メッセージ、通信情報及び/又は検知情報の組合せと関連付けて予め第1記憶装置12に設定されてもよい。決定部131は、算出した評価値が閾値以上であるか否かにより、見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定する。これにより、情報処理装置10は、より精度良く見守り対象者が緊急状態であるか否かを判定することができる。
なお、見守りシステム1において説明した各機能とハードウェア要素との対応関係は実施形態において例示したものに限定されない。例えば、実施形態において情報処理装置10が有する機能の一部は、対象者端末20、見守り者端末30又はネットワーク上の他の装置に実装されてもよい。