JP2020023118A - 塗布具 - Google Patents
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Abstract
Description
本願出願人は、ペン先に、筆記方向を視認することができる可視部(窓部)を備えた中綿式の筆記具(例えば、特許文献1参照)や直液式の筆記具(例えば、特許文献2参照)を提案している。
前記軸本体が先軸と該先軸に分離可能となる後軸とを有し、塗布液が後軸の収容空間内に配置される交換可能なカートリッジ体に収容され、先軸内に櫛歯状に形成されたコレクターが配置されることが好ましい。
前記塗布部における塗布液の流量が50mg/10m以上、好ましくは50〜200mg/10mであることが好ましい。
また、塗布液が後軸内に配置される交換可能なカートリッジ体に収容されている塗布具では、使い終えても新たなカートリッジ体を装着することで長期に亘って手軽に使用を続けることができる塗布具が得られる。
図1は、本発明の塗布具の実施形態の一例を示す縦断面図、図2は、図1の塗布具を部品毎に示す分解縦断面図、図3は図1の塗布具の要部を拡大して示す部分縦断面図、図4(a)及び(b)は、本発明の塗布具に用いる保持体の一例を示す縦断面図と正面図である。
本実施形態の塗布具Aは、図1、図2に示すように、軸本体10、カートリッジ体20、コレクター30、中継部材40、塗布部50、保持体60及びキャップ70を備えている。
軸本体10は、筒状の先軸11と、この先軸11に螺合状態又は嵌合状態で分離可能に装着される有底筒状の後軸19とで構成されている。
また、前記後端筒部15内の中心軸には、筒状突起16が設けられると共に、この筒状突起16には、カートリッジ体20が着脱自在に装填されている。
前記筒状突起16にカートリッジ体20を装填することにより密栓解除され、カートリッジ体20内の塗布液Wを筒状突起16の連通孔17に導入するようになっている。
このコレクター30は、先端筒部13の内周面13aとの間に外気と連通可能に遊嵌状態で保持されていて、その中心軸には、筒状突起16の連通孔17に対接して連通する連通孔31が設けられ、コレクター30の先端側を形成する口プラ32には、中継部材40が連通孔31の先端側部位に差込み保持されていると共に、この中継部材30には、連通孔31に挿入されたコレクター芯(中継芯)35の先端部35aが差し込み等により接合されている。また、接合される中継部材30の箇所を凹部としてもよいものである。
コレクター芯(中継芯)35は、塗布液Wを中継部材40に効率よく接合等するために、両端側が尖った形状となっている。このコレクター芯(中継芯)35は、多孔体から構成されるものであり、例えば、気孔を有する多孔質で形成されたものが挙げられ、具体的には、スポンジ体、焼結体、繊維束体、発泡体、海綿体、フェルト体、ポーラス体などを挙げることができる。多孔体を形成する材料としては、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などを用いることができる。本実施形態では、繊維束体から構成されている。
このコレクターの材質は、合成樹脂製であり、好ましくは、スチレン系樹脂を主成分とし、エピハロヒドリン系共重合体を所定量添加してなる熱可塑性樹脂から構成されるものが望ましい。このエピハロヒドリン系共重合体を添加してなる合成樹脂製のコレクターは、水性の塗布液との高い親水性によって過剰な塗布液(インク等)が櫛歯状のインク保溜部内で容易に流動できる結果、確実に貯留されるものとなる。添加量は、コレクター材全量に対して、1〜30質量%程度である。
本発明において、「エピハロヒドリン系重合体」とは、エピハロヒドリン単独重合体またはエピハロヒドリンと共重合可能な他のエポキシド、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル等との共重合体をいう。これらを例示すれば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピブロムヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピブロムヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体等を挙げることができる。
この中継部材40の全体形状が柱状体であれば、円柱状、楕円柱状、方形柱状など、その外周形状は特に限定されない。本実施形態では円柱状から構成されている。
この塗布部50は、多孔体から構成されるものであり、例えば、気孔を有する多孔質で形成されたものが挙げられ、具体的には、スポンジ体、焼結体、繊維束体、発泡体、海綿体、フェルト体、ポーラス体などを挙げることができる。多孔体を形成する材料としては、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などを用いることができる。本実施形態では、各種のプラスチック粉末などを焼結した焼結体から構成されている。
また、前記コレクター芯35、中継部材30、塗布部50などの気孔率は用いる塗布具の用途(筆記具であれば、アンダーラインマーカー、サインペン、筆記板用ペン、塗布具であれば、化粧液塗布具、修正液塗布具、薬液塗布具、塗料液塗布具)により変動するものであり、好ましくは、コレクター芯35で気孔率50〜60%、中継部材30で、45〜55%、塗布部50で気孔率40〜50%とすることが望ましい。
なお、本発明において、「気孔率」とは、多孔体のみかけの体積に対する空隙部分の体積比をいい、下記のようにして算出される。まず、既知の質量及び見掛け体積を有する中継部材などを水中に浸し、十分に水を浸み込ませた後、水中から取り出した状態で質量を測定する。測定した質量から、測定対象物となる中継部材などに浸み込ませた水の体積が導出される。この水の体積を中継部材の気孔体積と同一として、下記式(A)から気孔率が算出される。
気孔率(単位:%)=(水の体積)/(測定対象物(中継部材等)の見掛け体積)×100 …(A)
また、上記本体部61の後方側に、上記中継部材40の前方側を嵌入する嵌入部65が設けられると共に、本体部61の外周面となる両面には、空気流通溝66が形成されている。
また、保持体60は、上記各材料の一種類、または、耐久性、視認性の更なる向上の点などから、2種類以上の材料を用いて構成してもよく、射出成形、ブロー成形などの各種成形法により成形することができる。
また、軸本体10内の圧力等が増大にした際に、塗布液垂れ等が塗布部50から生じることがあるが、本実施形態の塗布具Aでは、図4に示すように、空気流通溝66を介して軸本体10内と外気とを調整している。
この実施形態の塗布具Aでは、塗布部50から空気流通溝66を介して軸本体10に入り込む空気は、先軸10の前部から連通孔17に掛けて内面に形成された複数のリブ(図示せず)間とコレクター30の隙間を通り、コレクター30を一度経由してから連通孔17に到達し、塗布液Wと置換される。
染料を含む樹脂微粒子顔料インクとしては、少なくとも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、塩基性染料又は油溶性染料とで構成される着色樹脂微粒子であって、前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が着色樹脂微粒子を構成する全ポリマー成分に対して、30質量%以上であると共に、前記塩基性染料又は油溶性染料の含有量が全ポリマー成分に対して、15質量%以上である着色樹脂微粒子が水に分散された着色樹脂微粒子の分散液と、水溶性有機溶剤と、水とを含有するものが挙げられる。
また、これらのインクは、インク配合成分種、各配合量を調整することなどにより、インク粘度(25℃:コンプレート型粘度計)1〜5mPa・s、表面張力30〜60mN/mとすることが好ましい。
また、カートリッジ体20から塗布部50までの効率的な毛管作用による流出性の更なる向上、塗布性能の向上などの点から塗布液流出量を50mg/10m以上、更に好ましくは、50〜200mg/10mに設定することが望ましい。この流出量の調整は、用いる繊維などの材質種、気孔率等を好適に調整することにより行うことができる。
なお、塗布液を熱変色性インクとした場合は、JIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%未満の熱可塑性エラストマーをキャップ70の頂部に形成し、擦過動作により摩擦熱を発生容易かつ低摩耗な摩擦体とすることができる。
また、塗布液Wが後軸19内に配置される交換可能なカートリッジ体20に収容されているで、使い終えても新たなカートリッジ体を装着することで長期に亘って手軽に使用を続けることができる塗布具が得られることとなる。
また、上記実施形態において、塗布部50を焼結芯タイプについて詳述したが、焼結体以外に、塗布対象により、上述の如く、繊維束体、繊維芯、発泡体、海綿体、フェルト体などであってもよい。
更に、上記実施形態では、塗布液を筆記具用インク(水性染料インク、油性インク、熱変色性インク、染料を含む樹脂微粒子顔料インク)で説明したが、液状化粧料、液状薬剤、塗布液、修正液などの液状体としてもよいものである。
更に、カートリッジ20からの塗布液Wの流出性を更に向上させるために、インクタンクとなるカートリッジ体20、上記塗布液タンク室の内壁に撥水処理又は撥油処理などの表面処理がされていることが好ましい。塗布液として水性系の塗布液を用いる場合は撥水処理など、油性系の塗布液を用いる場合は撥油処理などを施すことができる。
撥水処理では、シリコーンオイルやフッ素系樹脂、アクリル系樹もしくはアミド系樹脂からなる撥水コート剤等をコートすることができ、撥油処理では、シリコーン樹脂やフッ素系樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などの撥油コート剤等をコートすることができ、コート方式としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法等の乾式、ならびにディップ法、スプレー法、スピンコート法、刷毛塗り、ダイコート等に代表される湿式のいずれかの手法を用いることができる。
下記構成及び図1〜図4に準拠する塗布具、下記組成の塗布液を使用した。コレクター芯、中継部材、塗布部、保持体等の寸法等は下記に示す大きさのものを使用した。
少なくともスチレン系樹脂(90質量%)、エピハロヒドリン系共重合体(10質量%)、その他の添加剤を含む材料を用いて常法により一体成形してコレクター30を作製した。
(コレクター芯35の構成)
ポリエステル製繊維束芯、気孔率55%、直径φ1.5mm、長さ35mm、両端部の最小直径φ0.3mm
ポリエステル製 繊維束芯、気孔率50%、直径φ3.0mm、長さ8mm
コレクター芯35の中継部材40への差込み(挿入)長さ3mm
(塗布部50の構成)
PET製繊維芯、気孔率50%、直径φ2mm、長さ18mm、塗布(描線)幅4mm
(保持体60の構成)
アクリル樹脂製、可視光線透過率85%〔スガ試験機射製、多光源分光測色機(MSC−5N)にて反射率を測定し、可視構成透過率とした。〕
取り付け後の塗布部40の可視部63(四角形)の大きさ:5mm×6mm×3mm×4mm
(上記以外の塗布具の構成部品の構成)
軸本体10(先軸11、後軸19)、シール筒18:共にポリプロピレン(PP)製
塗布液として、下記組成のインク(合計100質量%)を使用した。
保湿剤:トリメチルグリシン(グリシンベタイン) 7.5質量%
ペンタエリスリトール 4.5質量%
着色剤:NKW-4805黄(日本蛍光社製) 40.0質量%
防腐剤:バイオエース(ケイアイ化成社製) 0.3質量%
pH調整剤:トリエタノールアミン 1.0質量%
フッ素系界面活性剤:サーフロン8111N(AGCセイミケミカル社製) 0.2質量%
水溶性有機溶剤:エチレングリコール 3.0質量%
水(溶媒):イオン交換水 43.5質量%
10 軸本体
11 先軸
19 後軸
20 カートリッジ体
30 コレクター
40 中継部材
50 塗布部
60 保持体
70 キャップ
Claims (3)
- 軸本体の後方側の収容空間内に塗布液が直に収容され、軸本体の前方側に櫛歯状に形成されたコレクターが配置されると共に、先端側には塗布方向を視認できる可視部を有する保持体と該保持体に装着された塗布部とを備え、前記コレクターの中央部に挿通されたコレクター芯と前記塗布部との間に中継部材が配置され、前記軸本体の後方側に収容された塗布液が、順次コレクター芯、中継部材を介して塗布部に供給されることを特徴とする塗布具。
- 軸本体が先軸と該先軸に分離可能となる後軸とを有し、塗布液が後軸の収容空間内に配置される交換可能なカートリッジ体に収容され、先軸内に櫛歯状に形成されたコレクターが配置されることを特徴とする請求項1記載の塗布具。
- 塗布部における塗布液の流量が50mg/10m以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
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