JP2020023118A - 塗布具 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布方向を視認することができる直液式の塗布具にあっても、流量が安定し、かすれない、残量が判読しやすく、過剰な塗布液の外部への漏出等の不具合もなく、塗布体に対して安定、かつ連続した塗布液の供給を行うことができる塗布具を提供する。【解決手段】軸本体10の後方側の収容空間内に塗布液Wが直に収容され、軸本体10の前方側に櫛歯状に形成されたコレクター30が配置されると共に、先端側には塗布方向を視認できる可視部を有する保持体60と該保持体60に装着された塗布部50とを備え、コレクター30の中央部に挿通されたコレクター芯35と塗布部50との間に中継部材40が配置され、軸本体10の後方側に収容された塗布液Wが、順次コレクター芯35、中継部材40を介して塗布部50に供給されることを特徴とする塗布具。【選択図】図1

Description

本発明は、塗布方向を視認することができる直液式の塗布具(筆記具を含む)に関し、更に詳しくは、流量が安定し、残量が判読しやすく、過剰な塗布液の外部への漏出等の不具合もなく、塗布部に対して安定、かつ連続した塗布液の供給を行うことができる塗布具に関する。
従来より、塗布具本体(軸本体)内に塗布液を直に収容したタイプの直液式の塗布具は、多種多様な構造のものが知られている。
本願出願人は、ペン先に、筆記方向を視認することができる可視部(窓部)を備えた中綿式の筆記具(例えば、特許文献1参照)や直液式の筆記具(例えば、特許文献2参照)を提案している。
上記特許文献2に記載の筆記方向を視認することができる直液式の筆記具は、コレクター芯(インク中継芯)の端部とインク導出部である塗布部の端部との当接する方式によりインクを供給するものであるが、この方式ではインク流出性が若干十分でないのが現状であった。また、この方式は、コレクター芯を塗布部と接触するために塗布部側をT字型のインク中継芯として使用するものであるが、品質及び生産性の観点から安定的な毛管作用を得ることが難しい点に改善する余地があった。
特開2000−52682号公報(特許請求の範囲、図7等) 特開2002−19370号公報(特許請求の範囲、図6)
本発明は、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、塗布方向を視認することができる直液式の塗布具であっても、流量が安定し、残量が判読しやすく、過剰な塗布液の外部への漏出等の不具合もなく、塗布部に対して安定、かつ連続した塗布液の供給を行うことができる塗布具を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等を解決するために鋭意検討した結果、軸本体の後方側の収容空間内に塗布液が直に収容され、軸本体の前方側に櫛歯状に形成されたコレクターが配置されると共に、先端側には塗布方向を視認できる可視部を有する保持体と該保持体に装着された塗布部とを備え、前記コレクターの中央部に挿通されたコレクター芯と前記塗布部との間に特定部材を配置することなどにより、上記目的の塗布具が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の塗布具は、軸本体の後方側の収容空間内に塗布液が直に収容され、軸本体の前方側に櫛歯状に形成されたコレクターが配置されると共に、先端側には塗布方向を視認できる可視部を有する保持体と該保持体に装着された塗布部とを備え、前記コレクターの中央部に挿通されたコレクター芯と前記塗布部との間に中継部材が配置され、前記軸本体の後方側に収容された塗布液が、順次コレクター芯、中継部材を介して塗布部に供給されることを特徴とする。
前記軸本体が先軸と該先軸に分離可能となる後軸とを有し、塗布液が後軸の収容空間内に配置される交換可能なカートリッジ体に収容され、先軸内に櫛歯状に形成されたコレクターが配置されることが好ましい。
前記塗布部における塗布液の流量が50mg/10m以上、好ましくは50〜200mg/10mであることが好ましい。
本発明によれば、塗布方向を視認することができる直液式の塗布具にあっても、流量が安定し、かすれない、残量が判読しやすく、過剰な塗布液の外部への漏出等の不具合もなく、塗布体に対して安定、かつ連続した塗布液の供給を行うことができる塗布具が提供される。
また、塗布液が後軸内に配置される交換可能なカートリッジ体に収容されている塗布具では、使い終えても新たなカートリッジ体を装着することで長期に亘って手軽に使用を続けることができる塗布具が得られる。
本発明の塗布具の実施形態の一例を示す縦断面図である。 図1の塗布具を部品毎に示す分解縦断面図である。 図1の塗布具の要部を拡大して示す部分縦断面図である。 本発明の塗布具に用いる保持体の一例を示すものであり、(a)は縦断面図、(b)は正面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本発明の塗布具の実施形態の一例を示す縦断面図、図2は、図1の塗布具を部品毎に示す分解縦断面図、図3は図1の塗布具の要部を拡大して示す部分縦断面図、図4(a)及び(b)は、本発明の塗布具に用いる保持体の一例を示す縦断面図と正面図である。
本実施形態の塗布具Aは、図1、図2に示すように、軸本体10、カートリッジ体20、コレクター30、中継部材40、塗布部50、保持体60及びキャップ70を備えている。
軸本体10は、筒状の先軸11と、この先軸11に螺合状態又は嵌合状態で分離可能に装着される有底筒状の後軸19とで構成されている。
先軸11内は、図2に示すように、隔壁12を介して先端筒部13と後端筒部15とに区画され、前記先軸11内の隔壁12の先端筒部13側の面を周縁部より中央部の凹んだ段付き凹面部14に形成している。
また、前記後端筒部15内の中心軸には、筒状突起16が設けられると共に、この筒状突起16には、カートリッジ体20が着脱自在に装填されている。
このカートリッジ体20は、有底筒状となっており、この収納空間内には塗布液W、本実施形態では筆記具用インクが収容されている。また、カートリッジ体20の開口部には、ゴム製のシールボール受部21を介して金属製又は合成樹脂製のシールボール22が設けられおり、使用前は密栓(密封)されている。また、このカートリッジ体20、後軸19を、透明な樹脂等で形成すれば、塗布液Wの残量視認性に優れるものとなる。
前記筒状突起16にカートリッジ体20を装填することにより密栓解除され、カートリッジ体20内の塗布液Wを筒状突起16の連通孔17に導入するようになっている。
また、先軸11の先端筒部13の先端には、シール筒18が固着されており、このシール筒18を介してコレクター30が先端筒部13内に挿入されている。
このコレクター30は、先端筒部13の内周面13aとの間に外気と連通可能に遊嵌状態で保持されていて、その中心軸には、筒状突起16の連通孔17に対接して連通する連通孔31が設けられ、コレクター30の先端側を形成する口プラ32には、中継部材40が連通孔31の先端側部位に差込み保持されていると共に、この中継部材30には、連通孔31に挿入されたコレクター芯(中継芯)35の先端部35aが差し込み等により接合されている。また、接合される中継部材30の箇所を凹部としてもよいものである。
コレクター芯(中継芯)35は、塗布液Wを中継部材40に効率よく接合等するために、両端側が尖った形状となっている。このコレクター芯(中継芯)35は、多孔体から構成されるものであり、例えば、気孔を有する多孔質で形成されたものが挙げられ、具体的には、スポンジ体、焼結体、繊維束体、発泡体、海綿体、フェルト体、ポーラス体などを挙げることができる。多孔体を形成する材料としては、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などを用いることができる。本実施形態では、繊維束体から構成されている。
コレクター30の外周胴部には、図3に示すように、インク保溜部33…が設けられていて、このインク保溜部33…は、軸方向に保溜板間隔を存して櫛歯状に配置された複数枚の翼状保溜板34、34…から構成されている。このコレクター30は、外気温や外気圧などの変化による塗布液タンクとなるカートリッジ体20内の圧力変化(液体膨張等)がなされた場合に、コレクター30の外周面に形成された翼状保溜板34、34…間に過剰となった塗布液を一時保溜することができ、圧力変化がなくなった場合(通常状態になった場合)に元に戻す作用を有するものであり、これにより塗布液の塗布部からのボタ落ち(塗布液の直流現象)等を容易に防ぐことができるものとなる。
このコレクターの材質は、合成樹脂製であり、好ましくは、スチレン系樹脂を主成分とし、エピハロヒドリン系共重合体を所定量添加してなる熱可塑性樹脂から構成されるものが望ましい。このエピハロヒドリン系共重合体を添加してなる合成樹脂製のコレクターは、水性の塗布液との高い親水性によって過剰な塗布液(インク等)が櫛歯状のインク保溜部内で容易に流動できる結果、確実に貯留されるものとなる。添加量は、コレクター材全量に対して、1〜30質量%程度である。
本発明において、「エピハロヒドリン系重合体」とは、エピハロヒドリン単独重合体またはエピハロヒドリンと共重合可能な他のエポキシド、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル等との共重合体をいう。これらを例示すれば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピブロムヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピブロムヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体等を挙げることができる。
中継部材40は、コレクター芯35から供給される塗布液を塗布部50へ効率よく供給するための部材であり、全体形状が柱状体となっており、好適な毛管力を有する構成となっている。中継部材40は、上記特性を有するものであれば、その材質、成形方法、製造方法等は特に限定されず、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維や繊維束、フェルト等、また、スポンジ、樹脂粒子、焼結体等の多孔体などの材料等を用いて構成することができる。
この中継部材40の全体形状が柱状体であれば、円柱状、楕円柱状、方形柱状など、その外周形状は特に限定されない。本実施形態では円柱状から構成されている。
塗布部50は、図3に示すように、断面が円形形状で、全体が略コ字型形状となるものであり、塗布液誘導部51、51と、該塗布液誘導部51、51からの塗布液を導出する塗布体52とを備えたものである。
この塗布部50は、多孔体から構成されるものであり、例えば、気孔を有する多孔質で形成されたものが挙げられ、具体的には、スポンジ体、焼結体、繊維束体、発泡体、海綿体、フェルト体、ポーラス体などを挙げることができる。多孔体を形成する材料としては、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などを用いることができる。本実施形態では、各種のプラスチック粉末などを焼結した焼結体から構成されている。
また、前記コレクター芯35、中継部材30、塗布部50などの気孔率は用いる塗布具の用途(筆記具であれば、アンダーラインマーカー、サインペン、筆記板用ペン、塗布具であれば、化粧液塗布具、修正液塗布具、薬液塗布具、塗料液塗布具)により変動するものであり、好ましくは、コレクター芯35で気孔率50〜60%、中継部材30で、45〜55%、塗布部50で気孔率40〜50%とすることが望ましい。
なお、本発明において、「気孔率」とは、多孔体のみかけの体積に対する空隙部分の体積比をいい、下記のようにして算出される。まず、既知の質量及び見掛け体積を有する中継部材などを水中に浸し、十分に水を浸み込ませた後、水中から取り出した状態で質量を測定する。測定した質量から、測定対象物となる中継部材などに浸み込ませた水の体積が導出される。この水の体積を中継部材の気孔体積と同一として、下記式(A)から気孔率が算出される。
気孔率(単位:%)=(水の体積)/(測定対象物(中継部材等)の見掛け体積)×100 …(A)
保持体60は、図4(a)及び(b)に示すように、上記塗布部50を固定して、先軸11の先端開口部に固着されたシール筒18内に装着されるものであり、本体部61と、該本体部61の前方側に、フランジ部62と、塗布方向を視認することができる可視部(窓部)63とを有すると共に、可視部63の先端側と両側に塗布部50の塗布液誘導部51、51と塗布部52を保持する溝部64を有している。
また、上記本体部61の後方側に、上記中継部材40の前方側を嵌入する嵌入部65が設けられると共に、本体部61の外周面となる両面には、空気流通溝66が形成されている。
このように構成される保持体60全体は、硬質材料で構成されており、例えば、視認性を有する硬質材料、例えば、金属、ガラス、ゴム弾性を有しない樹脂などから構成されるものである。視認可能となるゴム弾性を有しない樹脂としては、例えば、PP、PE、PET、PEN、ナイロン(6ナイロン、12ナイロン等の一般的なナイロン以外に非晶質ナイロン等を含む)、アクリル、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ABS等の可視光線透過率が50%以上の材料から成形により構成することにより、可視部63で塗布(筆記)方向に書いてある文字等を有効に視認できることとなる。なお、可視部63だけを視認性を有する材料で構成してもよい。なお、可視光線透過率は多光源分光測色計〔スガ試験機社製、(MSC−5N)〕にて反射率を測定することで求めることができる。
また、保持体60は、上記各材料の一種類、または、耐久性、視認性の更なる向上の点などから、2種類以上の材料を用いて構成してもよく、射出成形、ブロー成形などの各種成形法により成形することができる。
この塗布具Aにおいて、上記塗布部50の保持体60への固着(装着)は、溝部64に上記塗布部50の塗布液誘導部51、51、塗布体52を嵌入することにより塗布部40は固着されることとなる。更に、塗布部50の固着(抜け止め)を確実にするために、接着剤による接着、溶着などを更に用いても良いものである。また、塗布部50の塗布体52と接触する保持体60の保持溝の接触面部に楔形状の非平滑面部65を形成して更に上記塗布部50の保持体60への固着を確実にしてもよいものである。また、保持体60の嵌入部65には、中継部材40の前方側が嵌入され、この嵌入により中継部材40の外周面側41と上記塗布部50の塗布液誘導部51、51の内面側51aとは当接する構成となっている。
上記構成の中継部材40、塗布部50を固着した保持体60を先軸11に固着したシール筒18内に嵌合せしめることにより先軸11の先端側に上記保持体60等が取り付けられることとなる。
また、軸本体10内の圧力等が増大にした際に、塗布液垂れ等が塗布部50から生じることがあるが、本実施形態の塗布具Aでは、図4に示すように、空気流通溝66を介して軸本体10内と外気とを調整している。
この実施形態の塗布具Aでは、塗布部50から空気流通溝66を介して軸本体10に入り込む空気は、先軸10の前部から連通孔17に掛けて内面に形成された複数のリブ(図示せず)間とコレクター30の隙間を通り、コレクター30を一度経由してから連通孔17に到達し、塗布液Wと置換される。
キャップ70は、先軸11の外周部に着脱自在となるものであり、外キャップ71と、内部にカップ状のインナーキャップ72とを有し、該インナーキャップ72はキャップ70内で進退動可能になり、かつ、後方に向けてスプリング部材73で付勢されており、キャップ70装着時にインナーキャップ72の後端縁がシール筒18に当接して密着して塗布部50の気密を確実に保持できるようになっている。一方、キャップ70は上端開放部74とインナーキャップ72の外周部溝で、インナーキャップ72の存在にかかわらずに、キャップ70の非装着時におけるキャップ70の前端から後端までの通気が確保されている。また、前記キャップ70には、外周部に被服のポケットに装着する際に固定できるクリップ75が設けられている。なお、このクリップ75を液体タンク内のインク(液体)と同色あるいはインク筆記色と同色の材料(プラスチック等の樹脂材料が好適である)で形成したものである。
このように構成される筆記具Aでは、カートリッジ体20内に直に収容された塗布液Wは、連通孔17、コレクター芯(中継芯)35、中継部材40、塗布部50の塗布体52へと毛管力により順次良好に流出していく構成となっている。好ましくは、塗布液Wは、コレクター芯35>中継部材40>塗布部50へと毛管力により適切に流出させるようにすることが望ましい。
カートリッジ体20に直に収容する塗布液Wとしては、塗布具(筆記具を含む)の用途により、特に限定されず、筆記具の用途等では、水性染料インク、油性インク、熱変色性インクなどの好適な配合処方とすることができ、例えば、アンダーラインペン等ではインクに蛍光色素、例えば、ベーシックバイオレット11、ベーシックイエロー40、熱変色性マイクロカプセル顔料、染料を含む樹脂微粒子顔料などの色材を含有させることできる。本実施形態では、塗布液は筆記具用水性インクを用いている。
染料を含む樹脂微粒子顔料インクとしては、少なくとも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、塩基性染料又は油溶性染料とで構成される着色樹脂微粒子であって、前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が着色樹脂微粒子を構成する全ポリマー成分に対して、30質量%以上であると共に、前記塩基性染料又は油溶性染料の含有量が全ポリマー成分に対して、15質量%以上である着色樹脂微粒子が水に分散された着色樹脂微粒子の分散液と、水溶性有機溶剤と、水とを含有するものが挙げられる。
また、これらのインクは、インク配合成分種、各配合量を調整することなどにより、インク粘度(25℃:コンプレート型粘度計)1〜5mPa・s、表面張力30〜60mN/mとすることが好ましい。
また、カートリッジ体20から塗布部50までの効率的な毛管作用による流出性の更なる向上、塗布性能の向上などの点から塗布液流出量を50mg/10m以上、更に好ましくは、50〜200mg/10mに設定することが望ましい。この流出量の調整は、用いる繊維などの材質種、気孔率等を好適に調整することにより行うことができる。
なお、塗布液を熱変色性インクとした場合は、JIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%未満の熱可塑性エラストマーをキャップ70の頂部に形成し、擦過動作により摩擦熱を発生容易かつ低摩耗な摩擦体とすることができる。
このように構成される本発明となる塗布具Aでは、軸本体10の後方側の収容空間内に塗布液がカートリッジ体20に収容されており、軸本体10の前方側の櫛歯状に形成されたコレクター30が配置され、先端側には塗布方向を視認できる可視部63を有する保持体60と該保持体60に装着された塗布部50とを備え、前記コレクター30の中央部に挿通されたコレクター芯35と前記塗布部50との間に中継部材40が配置され、前記カートリッジ体20に収容された塗布液Wが、順次コレクター芯35、中継部材40、塗布部40の各毛管力により塗布部40に効率的に供給され、塗布(筆記)に供されるものとなる。
このように構成される塗布具Aでは、例えば、右利きで左から右方向に塗布する際に、塗布方向を可視部63で簡単に視認することができ、かつ、塗布液Wが、順次コレクター芯35、中継部材40、塗布部50の各毛管力により塗布部40に効率的に供給されるので、流量が安定し、残量が判読しやすく、過剰な塗布液の外部への漏出等の不具合もなく、塗布部50に対して安定、かつ連続した塗布液の供給を行うことができるものとなる。
また、塗布液Wが後軸19内に配置される交換可能なカートリッジ体20に収容されているで、使い終えても新たなカートリッジ体を装着することで長期に亘って手軽に使用を続けることができる塗布具が得られることとなる。
本発明の塗布具は、上記実施形態などに限定されることなく、本発明の技術思想を変更しない範囲内で種々変更することができる。
また、上記実施形態において、塗布部50を焼結芯タイプについて詳述したが、焼結体以外に、塗布対象により、上述の如く、繊維束体、繊維芯、発泡体、海綿体、フェルト体などであってもよい。
更に、上記実施形態では、塗布液を筆記具用インク(水性染料インク、油性インク、熱変色性インク、染料を含む樹脂微粒子顔料インク)で説明したが、液状化粧料、液状薬剤、塗布液、修正液などの液状体としてもよいものである。
また、上記実施形態の塗布具において、軸本体10を先軸11と該先軸11に分離可能となる後軸19とし、塗布液Wを後軸19の収容空間内に配置される交換可能なカートリッジ体20に収容し、先軸11内にコレクター20が配置される構成としたが、軸本体10の長手方向の中央部に隔壁を設けて区画し、後方側を塗布液タンク室とし、前方側に櫛歯状に形成されたコレクター20等を配置して、軸本体10の塗布液タンク室に収容した塗布液を順次コレクター芯、中継部材を介して塗布部に供給する構成としてもよいものである。
更に、カートリッジ20からの塗布液Wの流出性を更に向上させるために、インクタンクとなるカートリッジ体20、上記塗布液タンク室の内壁に撥水処理又は撥油処理などの表面処理がされていることが好ましい。塗布液として水性系の塗布液を用いる場合は撥水処理など、油性系の塗布液を用いる場合は撥油処理などを施すことができる。
撥水処理では、シリコーンオイルやフッ素系樹脂、アクリル系樹もしくはアミド系樹脂からなる撥水コート剤等をコートすることができ、撥油処理では、シリコーン樹脂やフッ素系樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などの撥油コート剤等をコートすることができ、コート方式としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法等の乾式、ならびにディップ法、スプレー法、スピンコート法、刷毛塗り、ダイコート等に代表される湿式のいずれかの手法を用いることができる。
次に、実施例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
下記構成及び図1〜図4に準拠する塗布具、下記組成の塗布液を使用した。コレクター芯、中継部材、塗布部、保持体等の寸法等は下記に示す大きさのものを使用した。
(コレクター30の構成)
少なくともスチレン系樹脂(90質量%)、エピハロヒドリン系共重合体(10質量%)、その他の添加剤を含む材料を用いて常法により一体成形してコレクター30を作製した。
(コレクター芯35の構成)
ポリエステル製繊維束芯、気孔率55%、直径φ1.5mm、長さ35mm、両端部の最小直径φ0.3mm
(中継部材40の構成)
ポリエステル製 繊維束芯、気孔率50%、直径φ3.0mm、長さ8mm
コレクター芯35の中継部材40への差込み(挿入)長さ3mm
(塗布部50の構成)
PET製繊維芯、気孔率50%、直径φ2mm、長さ18mm、塗布(描線)幅4mm
(保持体60の構成)
アクリル樹脂製、可視光線透過率85%〔スガ試験機射製、多光源分光測色機(MSC−5N)にて反射率を測定し、可視構成透過率とした。〕
取り付け後の塗布部40の可視部63(四角形)の大きさ:5mm×6mm×3mm×4mm
(上記以外の塗布具の構成部品の構成)
軸本体10(先軸11、後軸19)、シール筒18:共にポリプロピレン(PP)製
(塗布液組成)
塗布液として、下記組成のインク(合計100質量%)を使用した。
保湿剤:トリメチルグリシン(グリシンベタイン) 7.5質量%
ペンタエリスリトール 4.5質量%
着色剤:NKW-4805黄(日本蛍光社製) 40.0質量%
防腐剤:バイオエース(ケイアイ化成社製) 0.3質量%
pH調整剤:トリエタノールアミン 1.0質量%
フッ素系界面活性剤:サーフロン8111N(AGCセイミケミカル社製) 0.2質量%
水溶性有機溶剤:エチレングリコール 3.0質量%
水(溶媒):イオン交換水 43.5質量%
この実施例1の塗布具を用いて紙面に筆記したところ、塗布部50にインクを確実に供給することができ、流量も安定しており、かすれることなく筆記でき、しかも、インク残量も判読しやすく、上向きにしても確実に筆記でき、種々の塗布液との組み合わせが可能となり、しかも、インクが、順次コレクター芯、中継部材を介して塗布部に効率的に供給されることが確認された。また、この塗布具では、塗布時に可視部を介して向こう側の見え方を目視にて確認したところ、視認性が十分であり、見やすく、塗布方向に書いてある文字を読みながら塗布することができた。
更に、自動筆記装置にこの実施例1の塗布具をセットして、JIS S6037に従い、上質紙面上で筆記角度65°、筆記荷重1N、速度7cm/s、距離50mで直線筆記後、筆記した描線状態を目視にて確認したところ、塗布具の塗布性は良好で描線かすれはなく、インク流量も良好であることがわかった。また、塗布液の流量を常法により求めたところ、60mg/10mであった。
本発明の塗布具は、筆記具用であれば、アンダーラインマーカー、サインペン、筆記板用ペンなどに用いることができ、また、塗布液を変更することにより、化粧液塗布具、修正液塗布具、薬液塗布具、塗料液塗布具等に好適に用いることができる。
A 筆記具
10 軸本体
11 先軸
19 後軸
20 カートリッジ体
30 コレクター
40 中継部材
50 塗布部
60 保持体
70 キャップ

Claims (3)

  1. 軸本体の後方側の収容空間内に塗布液が直に収容され、軸本体の前方側に櫛歯状に形成されたコレクターが配置されると共に、先端側には塗布方向を視認できる可視部を有する保持体と該保持体に装着された塗布部とを備え、前記コレクターの中央部に挿通されたコレクター芯と前記塗布部との間に中継部材が配置され、前記軸本体の後方側に収容された塗布液が、順次コレクター芯、中継部材を介して塗布部に供給されることを特徴とする塗布具。
  2. 軸本体が先軸と該先軸に分離可能となる後軸とを有し、塗布液が後軸の収容空間内に配置される交換可能なカートリッジ体に収容され、先軸内に櫛歯状に形成されたコレクターが配置されることを特徴とする請求項1記載の塗布具。
  3. 塗布部における塗布液の流量が50mg/10m以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
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