JP2020022713A - ブラシ素子と、それを使用する円筒型歯ブラシと、その製造方法。 - Google Patents

ブラシ素子と、それを使用する円筒型歯ブラシと、その製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】スペーサーが不要で、部品点数が削減され、また熱溶着を使用することでブラシ素子の強度が充分であり、また、製造時間と工程数を大幅に削減できる円筒型歯ブラシとその製造方法を提供する。【解決手段】ブラシ素子1の厚さを1〜2.3mmとし、厚さが1mm前後のブラシスペーサー成形部1Aを一体に熱溶着で成形する製造方法を適用する。完成したブラシ素子をハンドル2の棒状ブラシ挿入部に4〜8枚挿入し先端部を固定し、仕上げカット工程を経て完成する。【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシ素子と、それを使用する円筒型歯ブラシと、その製造方法に関する。
平成15年9月29日、本発明者は金属を使用しないことを特徴とする円筒型歯ブラシを発明し市販されることで、国内、海外において年間1,000万本位の販売数となっている。この歯ブラシの構造は、厚さ0.45m/m位のディスク型ブラシ素子2枚(1枚では強度に不安)と、円筒型歯ブラシ、ブラシ部に空間を設ける(空間を作ることで乾燥を早め雑菌の繁殖を挿える効果と、従来の植え込み歯ブラシに似た使用感を得る目的、ディスク型ブラシ素子を固定することもそれにある)。
その方法は、スペーサ−(ワッシャー)と、ディス型ブラシ素子2枚を交互に挿入する方法と、ディス型ブラシ素子中央に位置する溶着部のみ2重構造とし、その樹脂量を利用、打ち抜きによって製造される中央に位置する小孔と、その周囲に位置する凸部を正確に製造する方法(ワッシャーを使用しない方法)や、スペーサーの変わりに、口腔内清掃効果に優れた熱可塑性ゴム(エラストマ樹脂)製の成形ゴムブラシを挿入した商品も市販されている。又、ブラシ部(ネック部を含む)から、取り替えることのできる交換目的の商品や、ブラシ部の形状を個性豊かなカット方法により工夫した商品も市販されている。
特許登録3646118号公報。 特許登録4000355号公報。 特許登録4579345号公報。
発明者が解決しようとする課題
上記した、三文献の骨子として円筒型歯ブラシを年間1,000万本位(全社合計)製造販売する努力には敬意を表する限りである。しかし、上記した文献を基に円筒型歯ブラシ使用のブラシ素子を製造した場合これ以上の量産においては、円筒型歯ブラシ1本製造するに対し、ブラシ素子(厚さ=0.45m/m)が極薄であるため、部品点数の総合計が15〜23点(ブラシ素子を中央の小孔を利用して、2枚重ねとする製造方法においても実質2倍の時間を要す=6秒位)と多く、歯ブラシの命でもあるこれ以上の量産=コストダウンは部品点数上不可能であるといえる。この無理を、同構造でありながら、技術の進歩と独創性により解決することを課題とした。
課題を解決するための手段
ブラシ素子の糸数量を2〜5倍位(糸径0.13m/m=380本位が従来)に増量する。この糸束を従来のようにテーブル3に設けた貫通小孔3Aに下面より通し、押え板4で押え回転方向えの寸動又は、微振動により放射状に本発明におけるブラシ素子1を開く(従来と同じ)。次に、電熱カバー6内に挿入された電熱本体5を好適温度に加熱し、押え板4の中央に設けた空間より放射状に開くブラシ素子1の中央に差し込と同時に、ブラシ素子円周溶着部1B及び、ブラシ成形小孔1Cを溶着成形により製造する。この際、最重要となる点は電熱カバー6を使用することにあり、熱溶着において、強度に優れたブラシ素子1(暑さ1〜2.3m/m位)を、従来の超音波溶着機使用方法より量産可能となる。
発明の効果
発明の効果を箇条書きで示すと下記となる。
1、超音波溶着は製造品の表面を傷つけることなく、内部を仮溶着することが目的のため、ブラシ素子の引張り強度が弱いに対し、熱溶着のため強度は充分である。
2、熱溶着の欠点は、溶着成形工程終了後、電熱本体が樹脂の場合、100℃位まで冷却するまで離すことができず(高温で離すと糸を引く)、冷却するまで持つことで、溶着面が変色し、焦げることとなるに対し、電熱本体を二層構造とすることで、短時間で熱溶着が完了し量産可能となり、変色もなく不良率も低下した。
3、従来の製造方法と比較して、部品点数が4〜8点と激減し且、中央小孔が溶着工程で製造可能であることから、オートメーション化が容易である。
上記のように、引張り強度などの強度面、量産面、組立に係る容易性、中央小孔が同一工程にて製造可能などを考察すると、従来の円筒型歯ブラシと比較して、全ての条件において優れている。
又、ブラシ素子の厚みを1〜2.3m/m位とし、ブラシスペーサー部(片ボス部)を1m/m前後とすることは、永年馴れ親しんだ「植え込み歯ブラシ」のブラシ構造と同様の磨き心地を実現するものであり、「人間工学、物理面」両面から考察したものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図をもって説明する。
図1は、本発明における円筒型歯ブラシ全体を示す正面図であり、比較して図6に示す円筒型歯ブラシが従来の商品である。
図6に示す従来の円筒型歯ブラシは、厚さ0.45m/m位の従来のブラシ素子1D(糸径0.13m/m=380本位)の中央部を構成するブラシ素子円周溶着部1Bの中心に、ポンチをもって機械的にあけられた小孔(引張り強度に弱い)が設けられている。この小孔をハンドル2の先端部に位置する棒状部に二枚挿入し、次に、スペーサー8の中央に位置するスペーサー小孔8Aを1枚挿入、規則性をもって積層し全長15m/m位のブラシ部を製造後、ハンドル2の棒状先端部を溶着固定することにより完成する(ブラシの仕上げカット、先端を加工する場合もあり。図4及び図5)。
しかし、上記した従来の方法でブラシ部を製造した場合、厚さ0.45m/m位の従来のブラシ素子1Dが16枚(合計=7.2m/m)とスペーサー(ゴム製ブラシの場合も、ほぼ同様)が7枚(厚さ1m/mで合計=7m/m)必要で合計=14.2m/mがブラシ部を構成することとなり、部品点数合計は23枚必要となる。
段差(糸束径の違い)をつけ2枚重ねにした従来のブラシ素子1D(特開2017−012948号文献、その他5文献)は、中央部周囲にスペサーに変わる凸部を製造する目的のためと、超音波溶着による溶着強度(引張り強度上昇)を少しでも上昇させることが目的と考察できるが、強度上昇は少なく(超音波溶着では不可能)安全とはいえない。この方法においても、従来のブラシ素子1Dの厚さは、ブラシの厚さ0.45m/mは当然であり、スペーサー変りの片ボス部(突起部)を含めたとしても1m/mである。そのため、全長15m/m位のブラシ部を製造するためには、15枚の従来のブラシ素子1Dが必要となる。
しかし、図1に示す本発明によれば片ボスタイプのブラシ素子1が4〜8個程度で15m/m位のブラシ部を製造することが可能である。
その製造方法を図2に示した。第1の着眼点は糸束1Gの量にある(段落0014で2枚重ねにしている製造方法も側面全周に設けられた凸部を正確に製造し、従来のブラシ素子1Dに引張り強度をもたせることが主目的)。
従来の糸束1Gは、糸束直径(合糸直径)が2.4〜2.8m/m位(糸径0.13m/m=380本位)であったのに対し、本発明においては、3.6〜6.5m/m位(糸径0.13m/m=610〜2,050本位)とする。この糸束1Gをテーブル3に設けた貫通小孔3Aより、10〜13m/m位突出させ、押え板4によりテーブル3と正確な間隔をもって平行に押え、微振動又は回転運動により糸束1Gを放射状に開かせる。この際テーブル上面及び、押え板下面(糸束1Gと接触する表面)には、接触抵抗を極限まで押えるため、表面処理部4Aが必要である。又、テーブル3に設けられた貫通小孔3A内面においても次工程において、金型の役目をし、ブラシスペサー成形部1Aを製造するため表面処理又は、バフ等による鏡面仕上げが必要であり、当然、抜き角度も必要である。
次に、電熱カバー6(熱伝導率に優れたアルミニウム、銅等で製造された薄手のカバー)内に、230℃以上に加熱された電熱本体5を挿入し、放射状に開いた糸束1Gの中心部分に降下し押えることで溶着成形が進行する。そして、電熱カバー中央に位置する突起部により貫通小孔が同時に成形される。
そして、成形されると同時に電熱本体5が上昇し、電熱カバー6のみがエアー等で冷却され樹脂における離脱温度100℃以下に到達した時点で電熱カバー6も上昇し、ブラシ素子1の溶着とブラシスペーサー成形部が同時に完成する。そして、この電熱カバー6にも電熱カバー表面処理部6Aが心要である。
次に、押え板4が上昇し、図3で示すように糸束1Gが一定量(片ボスの厚さ分)上昇し、カット機7によってカットされ本発明のブラシ素子1が完成する。このブラシ素子1をハンドル2の棒状ブラシ挿入部に4〜8枚挿入し、ハンドル先端をハンドル溶着固定部2Aとし、仕上げカット(ダラシ)工程を経て完成する。
この製造方法の第2の着眼点は、ブラシ素子1の溶着と同時に、貫通小孔とブラシスペーサー成形部1Aを同時に成形により製造できるものである。特に、ブラシスペーサー成形部1Aは、電熱カバー6中央に設けた突起部とテーブル3に設けた貫通小孔3Aを金型としてブラシスペーサー成形部1Aを製造するものである。
そして、第3の着眼点は、電熱本体5を電熱カバー内に挿入する構造にある。この構造により、超音波溶着と比較して、引張り強度に優れる熱溶着を使用しても、溶着時間が大きく短縮できた点にある。この構造と工程数の削減により同等の製造時間で充分である。又、それに加え、設備費用をかけずに量産機(一度に多数製造)も設計製造が容易である。
本発明における円筒型歯ブラシ全体を示す正面図。 円筒型歯ブラシ中央部溶着及び、貫通小孔をあける工程を示す断面図。 円筒型歯ブラシをカットする工程を示す断面図。 市販される円筒型歯ブラシのブラシ素子を示す平面図。 市販される円筒型歯ブラシのブラシ素子間に空間を作る目的において挿入されるスペサーの形状を示す平面図。 本発明者が以前製造し、市販される円筒型歯ブラシの全構造を詳細に示す正面図。
符合の説明
1、 ブラシ素子。
1A、ブラシスペーサー成形部。
1B、ブラシ素子円周溶着部。
1C、ブラシ成形小孔。
1D、従来のブラシ素子。
1E、糸束。
2、 ハンドル。
2A、ハンドル溶着固定部。
3、 テーブル。
3A、貫通小孔。
4、 押え板。
4A、表面処理部。
5、 電熱本体。
6、 電熱カバー。
6A、電熱カバー表面処理部。
7、 カット機。
8、 スペーサー。
8A、スペサー小孔。

Claims (6)

  1. 放射状に開いたブラシ素子において、その中央部に貫通小孔を有し、その周囲が溶着固定され、その側面に凸部を有する形状であり、放射状に開いたブラシ素子におけるブラシの厚さが1〜2.3m/mあることを特徴とする円筒歯ブラシ用ブラシ素子。
  2. 請求項1のブラシ素子であって、その中央部に設けられた貫通小孔は成形によって製造され、その周囲に位置する凸部の幅が0.8〜2.3m/mであることを特徴とする円筒歯ブラシ用ブラシ素子。
  3. 請求項1及び2のブラシ素子を、手で握りブラッシングをすることを特徴とするハンドル一方端に設けられた棒状ブラシ挿入部に挿入、棒状先端部を固定したことを特徴とした円筒歯ブラシ。
  4. 請求項1乃至3のブラシ素子の製造方法であって、棒状の糸束を押え板をもって放射状に開く工程と、中央部を環状に溶着し同時に貫通小孔及び、スペサー部を製造する工程と、ブラシ素子と糸束をカットする工程と、余剰溶着部をカットする工程からなるブラシ素子の製造方法と、そのブラシ素子をハンドル一方端に設けられた棒状ブラシ挿入部に挿入する工程と、棒状先端部を溶着する工程からなる円筒歯ブラシの製造方法。
  5. 請求項1及び2の溶着部構造が、電熱本体と電熱カバーの二層構造であることを特徴とするブラシ素子の製造方法。
  6. 請求項5の溶着部構造であって、電熱カバーの中央部に貫通小孔とスペーサー部を成形により製造するための、先端が円錐形状の凸部を設けたことを特徴とするブラシ素子の製造方法。
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JP2021126316A (ja) * 2020-02-13 2021-09-02 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021126315A (ja) * 2020-02-13 2021-09-02 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021126314A (ja) * 2020-02-13 2021-09-02 株式会社三洋物産 遊技機

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