JP2020021923A - プリント回路板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気回路と電子部品との接合部における導電性、耐熱性および放熱性を高めるプリント回路版及びその製造方法を提供する。【解決手段】プリント回路板1は、ガラス基板2と、ガラス基板2の主表面2aに形成された金属層3を含む電気回路4と、金属層3の端子部3aと電気的に接続された状態でガラス基板2に実装された電子部品5とを備えている。電子部品5は金属層3の端子部3aにはんだ6を介して接合されている。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント回路板及びその製造方法に関する。
プリント回路板は、母材基板と、母材基板の主表面に形成された電気回路と、電気回路と電気的に接合された状態で母材基板に実装された電子部品とを備えている。母材基板としては樹脂基板が主流であるが、樹脂基板に代えてガラス基板が用いられる場合もある。
母材基板としてガラス基板を用いる場合、例えば特許文献1に開示されているように、異方性導電フィルムを介して電子部品を電気回路に電気的に接合することがある。ここで、異方性導電フィルムは、熱硬化性樹脂に微細な金属粒子を混ぜ合わせたものを膜状に成型した導電性フィルムである。
特開2002−26484号公報
異方性導電フィルムを用いた場合、接着剤の材質などによっては接続抵抗が高くなり、電気回路と電子部品との接合部の導電性が低下する場合がある。また、接合部の耐熱性が低くなる場合があるなどの問題もある。更に、パワー半導体などの大電流を使用する電子部品の導電接合に異方性導電フィルムを用いた場合、電子部品の金属端子からの放熱が十分でなくなるために電子部品が過熱し焼損する場合があるなどの問題もある。
本発明は、電気回路と電子部品との接合部における導電性、耐熱性および放熱性を高めることを課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、ガラス基板と、ガラス基板の主表面に形成された金属層を含む電気回路と、金属層の端子部と電気的に接続された状態でガラス基板に実装された電子部品とを備えたプリント回路板であって、電子部品が、金属層の端子部にはんだを介して接合されていることを特徴とする。このような構成によれば、電子部品が電気回路に含まれる金属層にはんだを介して接合されるため、電気回路と電子部品との間の導電性を良好に維持することができる。また、電気回路と電子部品との接合部は、はんだに由来する高い耐熱性と高い放熱性を有することになる。更に、ガラス基板の熱伝導率は、従前の樹脂プリント基板に比して高いので、電子部品からの放熱をより効果的に促進することができる。
上記の構成において、金属層が、銅からなる層を含むことが好ましい。このようにすれば、金属層、すなわち電気回路の導電率を安価に向上させることができる。
上記の構成において、全ての電気回路が金属層を含むことが好ましい。このようにすれば、ITO等の透明導電層を用いた場合よりも、電気回路の導電率を高めることができるため、電気回路の細線化等が容易になる。
上記の構成において、金属層が、ガラス基板の主表面に直接又は無機物からなる下地層を介して形成されていることが好ましい。このようにすれば、金属層とガラス基板の主表面との間に、接着剤等の有機物が介在しないため、金属層の耐熱性と放熱性を高めることができる。
上記の構成において、金属層が、下地層を介してガラス基板の主表面に形成されると共に、金属層が、下地層の上に形成されためっき金属層からなることが好ましい。このようにすれば、ガラス基板の主表面上に、金属層を強固に密着して形成できるという利点がある。
上記の構成において、下地層が、貴金属を含む無機物層であることが好ましい。このようにすれば、金属層のガラス基板に対する密着力が向上するため、はんだ接合する際に金属層が高温になっても、金属層が剥離しにくくなる。
上記の構成において、ガラス基板に対する金属層の密着力が、90kgf/cm以上
であることが好ましい。このようにすれば、金属層のガラス基板に対する密着力が向上するため、はんだ接合する際に金属層が高温になっても、金属層がガラス基板から剥離しにくくなる。ここで、密着力は、Quad Group社製ROMULUSを用いたスタッドプル試験法で測定した。具体的には、金属層を形成したガラス基板を20mm角に切断したサンプル片を作製し、その中央にエポキシ樹脂付きスタッドピンを立てクリップで固定し、150℃のオーブンで1時間加熱硬化させエポキシ樹脂付きスタッドピンを金属層に固定し評価用サンプルを作製した。この評価用サンプルをROMULUSにセットし、荷重を増加させ垂直方向に引っ張りの負荷を掛け、金属層がガラス基板から剥離するときの強度を密着力とした。
上記の構成において、電気回路が、ガラス基板の両主表面に形成されていてもよい。この場合、ガラス基板が、ガラス基板の両主表面に形成された電気回路を互いに電気的に接続するための貫通孔を備えていてもよい。このようにすれば、電気回路を形成できる面積が大きくなるため、より複雑な電気回路を形成することが可能となる。
上記の構成において、はんだによる接合部とは別に、電子部品をガラス基板に対して保持する保持体を備えていてもよい。このようにすれば、電子部品がはんだと保持体により保持されるため、電子部品のガラス基板に対する固定力がより向上する。
上記の構成において、金属層は、端子部を除く部分に、金属細線からなる格子構造を備え、金属細線の幅が、端子部の幅よりも小さいことが好ましい。金属細線からなる格子構造であれば、透明導電膜(例えば、ITO)を用いずに、光の透光性を確保することができる。また、金属細線であるため、透明導電膜に比べて低抵抗とすることもできる。そのため、例えば、タッチパネルやモーションセンサーデバイス(非接触デバイス)などに好適である。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、ガラス基板と、ガラス基板の主表面に形成された金属層を含む電気回路と、金属層の端子部と電気的に接続された状態でガラス基板に実装された電子部品とを備えたプリント回路板の製造方法であって、ガラス基板に対して金属層を含む電気回路を形成する工程と、金属層の端子部にはんだを介して電子部品を接合する工程とを備えていることを特徴とする。このような構成によれば、電子部品が電気回路に含まれる金属層にはんだを介して接合されるため、電気回路と電子部品との間の導電性を良好に維持することができる。また、電気回路と電子部品との接合部は、はんだに由来する高い耐熱性および放熱性を有することになる。
上記の構成において、金属層が、無電解めっき層と、電解めっき層とを備え、電気回路を形成する工程が、ガラス基板の主表面上に下地層を形成する工程と、下地層上に無電解めっきにより無電解めっき層を形成する工程と、無電解めっき層の上に電解めっきにより電解めっき層を形成する工程とを備えていることが好ましい。このようにすれば、金属層を形成するために、高真空が要求される真空蒸着やスパッタリングなどを用いる必要がなくなるという利点がある。
本発明によれば、電気回路と電子部品との接合における導電性、耐熱性および放熱性を高めることができる。
本発明の第一実施形態に係るプリント回路板を示す概略断面図である。 本発明の第一実施形態に係るプリント回路板を示す概略平面図である。 本発明の第二実施形態に係るプリント回路板を示す概略断面図である。 本発明の第三実施形態に係るプリント回路板を示す概略断面図である。 本発明の第三実施形態に係るプリント回路板の変形例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
図1及び図2に示すように、第一実施形態に係るプリント回路板(電子回路基板)1は、ガラス基板2と、ガラス基板2の第一主表面2aに形成された金属層3を含む電気回路4と、金属層3の端子部3aと電気的に接続された状態でガラス基板2に実装された電子部品5とを備え、電子部品5が、金属層3の端子部3aにはんだ6を介して接合されている。すなわち、電子部品5が、はんだ6によって、金属層3の端子部3aに電気的に接続されると共に機械的に保持されている。はんだ6は、低融点のはんだであることが好ましく、低融点の無鉛はんだであればより好ましい。なお、以下では、電気回路4の配線をガラス基板2の表面や内部に形成した基板をプリント配線板と呼び、プリント配線板に各種電子部品5を装着した状態のものをプリント回路板と呼ぶ。
ガラス基板2は、フロート法やオーバーフロー法などの公知の成形方法により成形される。中でも、ガラス基板2は、オーバーフローダウンドロー法によって成形されることが好ましい。このようにすれば、ガラス基板2の表面が未研磨の火造り面となり、非常に平滑になるという利点がある。
ガラス基板2の表面粗さRaは、0.1nm〜0.1μmであることが好ましく、0.2nm〜0.5nmであることがより好ましい。表面粗さRaが0.1μm超の場合、ガラス基板2の透明度が損なわれ、表面粗さRaが0.1nm未満の場合、金属層3などの密着性を得ることが難しくなるおそれがある。ここで、「表面粗さRa」は、JIS B601:2001に準拠した方法で測定した値を指す。
ガラス基板2の厚みは、0.01mm〜1mmであることが好ましい。ガラス基板2の厚みは、0.7mm以下、0.5mm以下、0.2mm以下、0.1mm以下、0.08mm以下であることが更に好ましい。ガラス基板2の厚みが1mm超の場合、ガラス基板2が実質的に柔軟性を失い、電子部品5とガラス基板2との線熱膨張率の差による歪により電子部品5が変形するおそれがある。一方、ガラス基板2の厚みが0.01mm未満の場合、ガラス基板2が実質的に電子部品5を保持する材料強度を失うおそれがある。
ガラス基板2の線熱膨張率は、2ppm/K〜10ppm/Kであることが好ましい。このようにすれば、車載用チップ抵抗器などのセラミック部品からなる電子部品5の線熱膨張率(例えば、6ppm/K)との線熱膨張率の差が小さくなるため、電子部品5の疲労寿命を改善することができる。このような線熱膨張率を満たすガラス基板2としては、例えば、硼珪酸ガラス(例えば、日本電気硝子株式会社製BDA:7ppm/K、D−40:3ppm/K、日本電気硝子株式会社製BO−9:2ppm/K)、Eガラス(例えば7ppm/K)、コバールガラス(例えば5ppm/K)、リチウムアルミノ珪酸塩ガラス(例えば4ppm/K)などを用いることができる。
電子部品5の間の信号伝送は機器の高性能化に伴う高速化が進み、10GHzを超える高周波での伝送が求められる場合がある。プリント配線板の主な伝送特性としては、信号を一定距離伝送した際の信号強度の減衰(伝送損失)と、信号を一定距離伝送するのに必要な時間(伝送遅延)とがある。これら2つの特性は、絶縁材料の比誘電率εと誘電正接tanδとにより決まり、伝送損失を低減するためには誘電正接tanδを低く、伝送遅延を低減するためには比誘電率εを低くする必要がある。よって、ガラス基板2の比誘電率ε(1MHz、25℃)は4〜7であることが好ましく、その誘電正接tanδは0.0003〜0.003であることが好ましい。なお、ガラス基板2として石英ガラスなどの特殊ガラスを用いれば、誘電正接tanδは0.0003未満にすることもできる。
ここで、高周波の伝送として、ミリ波やマイクロ波が利用される場合がある。ミリ波の特質としてその直進性と自然界に存在しないという希少性があり、車載用衝突防止レーダーにミリ波が応用されている。更には、構内無線LANやミリ波イメージング、ミリ波スキャナなどの新しい技術にミリ波の適用分野が広がっている。このようなミリ波・マイクロ波の無線を中心とした高周波回路の実装においては、端子数は多く必要なく(コンピュータなどの集積回路では数千ピン以上の端子が必要)、むしろアナログ的性能である伝送路での信号の厳密さ(高精度の信号波形、低いノイズレベル、少ないクロストーク)とその経時安定性が重視される。これらミリ波・マイクロ波を処理する半導体であるMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)やCMOS(Complementary Metal Oxide
Semiconductor)などの高周波性能の向上は著しく、これら半導体を集積度の低い樹脂プリント基板へ実装することによる損失分を補い得る出力が比較的容易に得られるようになっている。ここで、電気回路4を構成する導体として電気抵抗の低い銅や金を用い、低い誘電正接を有するガラス基板2上に高周波回路を実装したプリント回路板とすることで、信号の伝搬損失を低減することができる。ミリ波などの高周波領域においては導体の表面効果による損失があるために、本発明のプリント回路板は、導体表面あるいは導体とガラス基板2の界面が平滑で鏡面に近く、表面効果による損失を低減する上で好ましい。高周波領域での信号接続において、異方性導電フィルムを用いる場合、フィルム内に分散した導電粒子の形状や分布により「導体の表面効果」が信号伝送特性に影響することが懸念されるので好ましくない。はんだ接合の場合には、端子部での金属導体により一様に接続されるので、高周波接続において好ましい。
ガラス基板2は、強化ガラスであってもよい。アルミノシリケート系組成からなるガラス基板2をイオン交換法により化学強化することで、ガラス基板の表面に1000MPa程度の圧縮応力を発生させることができる。これにより、プリント回路板1の耐衝撃性能、耐熱衝撃性能を向上させることができる。そのため、例えば、高温下に置かれる車載用装置(車載用衝突防止レーザーなど)にも、プリント回路板1を組み込んで利用することができる。なお、ガラス基板2のガラス組成は特に限定されるものではなく、例えば、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス(例えば、日本電気硝子株式会社製OA−10G)などであってもよい。
また、ガラス基板2は、結晶化ガラスであってもよい。快削性結晶化ガラスからなるガラス基板2は、プリント回路板としての形状加工や貫通孔(ビア)加工などの切削加工が容易となる。なお、結晶化ガラス組成は特に限定されるものではなく、例えば、ガラス質をマトリックスとし、フッ素金雲母・ジルコニア微結晶を均一に析出させた複合マイカセラミックスなどであってもよい。
図1及び図2の例では、電気回路4は、ガラス基板2の第一主表面2aに形成されている。すなわち、ガラス基板2の第二主表面2bには電気回路は形成されていない。
電気回路4は、ガラス基板2の第一主表面2aの上に形成された下地層7と、下地層7の上に形成された金属層3とを備えている。本実施形態では、全ての電気回路4、すなわち、ガラス基板2の第一主表面2aのいずれの位置に形成された電気回路4も、下地層7と金属層3とを含んでいる。もちろん、電気回路4の一部に、ガラス基板2の第一主表面2aに金属層が直接形成された部分(下地層7を有さない部分)が含まれていてもよい。あるいは、電気回路4の一部に、金属層の代わりにITO等の透明導電層が形成された部分が含まれていてもよい。
本実施形態では、下地層7は、貴金属を含む無機物層であり、金属層3は、めっき金属層からなる。金属層3は、下地層7の上に形成された無電解めっき層8と、無電解めっき層8の上に形成された電解めっき層9とを備えている。このような構成により、電気回路4、すなわち積層膜は、ガラス基板2側から見た場合に黒色である。黒色であると、ディスプレイ装置に用いた場合に、電気回路4がユーザに視認されにくく、画像の黒浮きなどの現象の発生も抑制できるという利点がある。なお、下地層7及び/又は金属層3は、複数の層を重ねた多層構造であってもよい。
ここで、電気回路4がガラス基板2側から見た場合に黒色となる理由は、特定されていないが、次のように推測される。ガラス基板2上に形成された貴金属を含む無機物層だけでは、ガラス基板2側から見た場合に濃い赤色である。そして、この無機物層上にめっき金属層を形成した後に、電気回路4がガラス基板2側から見た場合に黒色となる。したがって、無機物層中の貴金属とめっき金属層中の金属とが何らかの反応を起こして生じた化合物(例えば臭化金、塩化銀、塩化白金、塩化パラジウム、酸化ルテニウムなど)に起因してガラス基板2側から見た場合に黒色となると考えられる。
下地層7に含まれる貴金属としては、例えば、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウムなどが挙げられる。下地層7としては、例えば、ガラス基板2に吸着しやすい塩化錫、塩化亜鉛、塩化銅などに、亜硫酸金ナトリウム、塩化銀、ヘキサクロロ白金(IV)酸6水和物、塩化パラジウム、塩化ルテニウムなどを付与したものが挙げられる。下地層7は、上記の貴金属に加えて、例えば、ニッケル、コバルト、銅などの無電解めっきの触媒となる金属を含んでもよい。
本実施形態では、下地層7は、例えば、次のように形成する。ガラス基板2を錫、亜鉛、銅のうち一種類もしくは複数種類以上を含む溶液に浸漬し、それらの金属イオンをガラス基板2の表面に吸着させ、次に、貴金属を含む水溶液に浸漬する。これによって、イオン化傾向の差によって、錫、亜鉛、銅などの金属イオンと貴金属イオンが置換され、ガラス基板2上に貴金属あるいは貴金属化合物を主成分とする膜が形成される。そして、この膜が形成されたガラス基板2を還元性溶液に浸漬する。これにより、膜の表面近傍の貴金属を還元し、無電解めっきの触媒作用を有する状態にする。このようにして形成された無機物膜は、銅やニッケルのエッチング液でエッチング可能な物質である。
下地層7の厚みは、例えば、0.03μm〜0.5μmであることが好ましく、0.05μm〜0.2μmが更に好ましく、0.07μm〜0.12μmが最も好ましい。
金属層3は、特に限定されるものではないが、例えば、銅、金、銀、アルミニウム、パラジウム、モリブデン、タングステン、ニッケル、チタン、あるいはこれらの合金を用いることができる。
金属層3は、0℃における体積抵抗率として10×10−6Ωcm以下となる導電性を有
する金属からなることが好ましい。
無電解めっき層8は、特に限定されるものではないが、銅又はニッケルは、微細エッチングが可能な金属材料という観点から好ましい。銅は、電気抵抗が低く、無電解めっきでは、膜の均一性がよい。また、ニッケルは、銅と比較して反射率が低い(黒い)というメリットを有し、面積の小さいディスプレイ装置に好適である。また、無電解めっきニッケルは、下地層7に対する密着性が良好という長所も有する。下地層内の貴金属は、無電解めっき反応においてめっき金属の形成を開始させるため、めっき金属が下地層内へ侵入した界面構造を形成し、密着力を高めるものと考えられる。本実施形態では、無電解めっき層8はニッケル(ニッケル箔又はニッケル膜)である。なお、無電解めっきニッケルは、還元反応の成分である燐(P)やホウ素(B)を含むことから、無電解めっきにより形成されたことを識別できる。
無電解めっき層8の厚みは、例えば0.05μm〜5.0μmであることが好ましく、0.07μm〜1.0μmが更に好ましく、0.09μm〜0.5μmが最も好ましい。
電解めっき層9は、特に限定されるものではないが、電極としての用途を考慮すると、電気抵抗が低いことが好ましく、この観点から銅とニッケルが好適である。銅又はニッケルは、上述したように、微細エッチングが可能な金属材料という観点からも好ましい。本実施形態では、電解めっき層9は銅(銅箔又は銅膜)である。
電解めっき層9の厚みは、例えば0.1μm〜100μmであることが好ましい。電解めっき層9の厚みが100μm以上となると、剥離が生じやすくなり、0.1μm以下では電気回路4における電気抵抗が高くなるおそれがある。電解めっき層9の厚みは、80μm以下、50μm以下、40μm以下、20μm以下、10μm以下、5μm以下、3μm以下、2μm以下であることが更に好ましい。
金属層3の厚みは、無電解めっき層8と電解めっき層9の各厚みの合計として、0.5μm以上、1μm以上とすることが、電気回路の電気抵抗を低く保つ上で好都合である。このような厚みを有する金属層をめっき以外の成膜手段である真空蒸着やスパッタリングでガラス基板上に形成すると、金属層内に発生する高い応力のためにガラス基板への密着力が損なわれ、剥離を引き起こす場合もあり、プリント回路板として実用に供すことができる電気回路をガラス基板上に強固に密着して形成することが困難となる。
金属層3の多層構造は、金属層を含むガラス基板の破断面を公知の透過電子顕微鏡(TEM)および分析電子顕微鏡(AEM)により分析することで、それらの層の厚みと成分を評価することができる。
金属層3を有するガラス基板2を100℃以上500℃未満の温度において焼成することにより、ガラス基板2に対する金属層3の密着力を更に高めてもよい。焼成温度は120℃以上400℃未満が好ましく、150℃以上350℃未満であればなおよい。100℃未満の焼成温度は水分や揮発成分の散逸が促進されないので好ましくなく、500℃以上の焼成温度における焼成は金属層3が剥離しやすくなるので好ましくない。また、焼成時間は10分以上2時間以下の範囲内で適宜調整することで、ガラス基板2に対する金属層3の密着力を最適に高めることができる。焼成においては金属層3が酸化されないように焼成雰囲気を調節することが望ましい。なお、焼成処理は、ガラス基板2の上に所定の回路パターンを形成した後に行ってもよい。
ガラス基板2に対する金属層3の密着力が、90kgf/cm以上、100kgf/cm以上、200kgf/cm以上であることが好ましい。
金属層3は、端子部3aを除く部分に、金属細線3bからなる格子構造、すなわち、メタルメッシュ構造3cを備えている。端子部3aとメタルメッシュ構造3cとは金属細線3bにより連続している。メタルメッシュ構造3cは、例えば、プリント回路板1を静電容量式タッチパネルなどに組み込んだ場合に、操作部(センサエリア)として利用される。メタルメッシュ構造3cを構成する金属細線3bの幅(線幅)は、金属層3の端子部3aの幅よりも小さい。金属細線3bの幅は、2.5μm〜15μmであることが好ましい。金属細線3bの間隔は、1μm〜1000μmであることが好ましい。なお、本実施形態では、メタルメッシュ構造3cに対応する部分も、下地層7、無電解めっき層8及び電解めっき層9から構成されている。メタルメッシュ構造3cは、プリント回路板1の使用用途によって適宜省略できる。
電子部品5は、特に限定されるものではなく、能動部品、受動部品、機構部品などを含む。能動部品は、電源を供給することにより、電気信号の増幅、発信、変換などの電気信号加工処理を行う電子部品であり、トランジスタ、IC、ダイオード、LED、CCD/CMOS撮像センサーなどがある。受動部品は、電源の供給を受けることなく、電気信号を貯蔵、消費、変換する電子部品であり、コンデンサ、抵抗、コイル、トランスなどがある。機構部品は、電気信号に対して電気的作用を持たず、機械的な機能により電気信号の接続、遮断、伝搬を行う電子部品であり、スイッチ、コネクタ、アンテナ、各部品の信号を伝える配線基板などがある。また、電子部品5は、集積回路(IC、LSI)やインターポーザー(ベアチップなどを搭載したパッケージ基板)などのモジュールであってもよい。モジュールには、マルチチップモジュール(MCM)、チップサイズパッケージ(CSP)、ボールグリッドアレイ(BGA)などがある。例えば、電子部品5として高密度集積回路を配置する場合、多数の接続端子がインターポーザーを介して回路配線として引き出されたモジュールとして、プリント回路板上の接続端子へBGA接合してもよい。更に、電子部品5の数は特に限定されず、一つであってもよいし複数であってもよい。複数の電子部品5を配置する場合、同種の電子部品5を複数配置してもよいし、異種の電子部品5を複数配置してもよい。
表面実装部品のうち、特にチップ抵抗などのセラミック部品の接続端子は、樹脂プリント基板(例えば、FR−4)を用いたプリント配線板の場合、プリント配線板とセラミック部品との線熱膨張率の差により破断事故が生じやすい。これに対し、ガラス基板2を用いたプリント配線板とすることで、セラミック部品に使用されるアルミナやシリコンの線熱膨張率に近くなるため、熱衝撃や熱サイクル負荷においても回路破損を低減できる。また同様に、集積回路やインターポーザーなどのモジュールに使用される材料も、シリコン、窒化珪素、炭化珪素、アルミナであることが多いため、ガラス基板2を用いたプリント配線板とすることで、線熱膨張率の差に起因する破損を抑制できる。
電子部品5は、電解めっき層9の上に形成されたはんだ6によって直接固定されている。すなわち、電子部品5が、電解めっき層9にはんだ接合されている。図示例では、電子部品5の接続端子5aが電気めっき層9にはんだ接合されている。電子部品5のはんだ接合には、手付けはんだ接合、自動はんだ接合(フロー式とリフロー式とを含む)、BGA接合などが用いられる。ここで、BGA接合とは、電子部品5の接続端子5aがその底面に格子点状に配置され、それら端子と電気回路4の接続を小さなはんだボールを介して行う方法である。
ここで、はんだ接合された電界めっき層9において、その接合界面から2μmから3μm程度の深さまでの間に合金層が形成される。金属層3の厚みが10μm以下である場合には、上記合金層が形成されることにより金属層3の下地層7が溶損しガラス基板表面が露出することがある。このようなはんだ接合時の不良を避けるためには、金属層3と下地層7が溶損しない程度に低温でのはんだ接合が有効であり、固相線温度が200℃以下となる低融点のはんだを使用することが好ましく、固相線温度が170℃以下となる低融点の無鉛はんだを使用することが好ましい。低融点の無鉛はんだの例としては、スズ−インジジウム系In52Sn48やスズ−ビスマス系Bi58Sn42が挙げられる。
また、ガラス基板2は、固定箇所において厚み方向に貫通する貫通孔などの構造を有さず、ガラス基板2の任意の平面上に配置された電気回路4と電子部品5の接続端子5aとの間で溶着したはんだ6によって、電子部品5が電気回路4に固定された箇所を少なくとも一つ有する。もちろん、電子部品5の接続端子5aを貫通孔に挿通して固定力を向上させてもよい。
プリント回路板1は、はんだ6による接合部とは別に、電子部品5をガラス基板2に対して保持する保持体10を更に備えている。本実施形態では、保持体10は、電子部品5とプリント配線板(図示例ではガラス基板2)との間の空隙もしくは近傍に充填された樹脂からなり、この樹脂により電子部品5がプリント配線板に接着固定されている。樹脂は絶縁性を有することが好ましい。なお、保持体10はプリント配線板に設けられた爪部のような構造体であってもよい。保持体10は省略してもよい。
次に、以上のように構成されたプリント回路板1の製造方法を説明する。
第一実施形態に係るプリント回路板1の製造方法は、ガラス基板2に電気回路を形成する電気回路形成工程と、電気回路4にはんだを介して電子部品5を接合するはんだ接合工程とを備えている。
電気回路形成工程は、ガラス基板2の上に下地層7を形成する工程と、下地層7の上に無電解めっきにより無電解めっき層8を形成する工程と、無電解めっき層8の上に電解めっきにより電解めっき層9を形成する工程とを備えている。なお、下地層7を形成する方法は上述の通りであり、めっき金属層である無電解めっき層8及び電解めっき層9を形成する方法は公知のめっき技術を適用することができる。なお、本実施形態では、ガラス基板2に対する金属層3の密着力は217kgf/cmであった。
電気回路形成工程は、これらの工程の後に、電解めっき層9の上にフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜に露光、現像処理を施してレジストパターンを形成する工程と、このレジストパターンから露出する金属層3(電解めっき層9及び無電解めっき層8)の部分と、露出した金属層3に対応する下地層7の部分とをエッチングする工程とを更に備えている。このよう工程を経て、ガラス基板2の上に所定の回路パターンが形成される。なお、電気回路4の形成方法はこれに限定されず、公知の各種方法を採用し得る。
<第二実施形態>
図3に示すように、本発明の第二実施形態に係るプリント回路板1が、第一実施形態に係るプリント回路板1と相違するところは、ガラス基板2の第二主表面2bにも電気回路11が形成されている点である。なお、第一実施形態と共通する構成には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
第一主表面2aに形成された第一電気回路4は、下地層7(厚み0.5μm)と、金属層3(無電解めっき層8(厚み0.25μm)及び電解めっき層9(厚み1μm))とを備え、第二電気回路11は、下地層12と、金属層13(無電解めっき層14及び電解めっき層15)とを備えている。
第一電気回路4の金属層3と、第二電気回路11の金属層13とは、ガラス基板2を厚み方向に貫通する貫通孔(ビア)16の内周面に形成された金属膜(好ましくは銅膜)17により電気的に接続されている。なお、貫通孔16の導通は、金属膜17に限定されず、例えば、貫通孔16内への金属充填や金属線の挿入などであってもよい。また、第一電気回路4と第二電気回路11の導通は、ガラス基板2の周辺端部に表裏面間に跨って設けられた接続端子によって行ってもよい。この接続端子としては、例えば、所定の端子短絡配線を有し、ガラス基板周辺端部を挟持するクリップコネクタが挙げられる。
図示は省略するが、第一実施形態と同様に、第一電気回路4の金属層3と第二電気回路11の金属層13は、共に金属細線からなるメッシュメタル構造を備えている。
なお、第二実施形態のように、ガラス基板2の両主表面2a,2bのそれぞれに電気回路4,11を有する場合も、第一実施形態で説明した製造方法を適用することができる。ただし、第一電気回路3が形成されたガラス基板と、第二電気回路11が形成されたガラス基板とを別々に製作した後に、ガラス面同士を貼り合わせてもよい。
第一電気回路4と第二電気回路11を適切な形状とすることで、電気回路をアンテナ部品としてガラス基板2上に形成することができる。このようにして構成される平面アンテナとしては、ループアンテナ、パッチアンテナ、マイクロストリップアンテナ、アレーアンテナを挙げることができる。ガラス基板2上には、複数のアンテナ部品、伝送回路、給電回路および接続端子を設けることができ、耐熱性を有する高機能アンテナを構成することができる。
ガラス基板2は、両主表面2a,2bの同位置に電気回路4を有さず、厚み方向への光透過を可能とする透明領域を備えている。このようにすれば、光透過が必要な装置として利用できる。例えば、プリント配線板にLED素子を複数設置することにより、LED素子以外の領域は透明であって背景光を視認でき、LED点灯時には前面に向かって光を投射する、透明照明機器を構成できる。
なお、高周波回路用途では、貫通孔16による電気容量の増大により、高周波インピーダンスが高くなるという弊害が生じる場合があるが、ガラス基板2の表裏面に設けた光通信素子間で光通信を行うことにより、高周波処理特有の問題を回避できる。
また、第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、電子部品5の数は特に限定されず、一つであってもよいし複数であってもよい。複数の電子部品5を配置する場合としては、ガラス基板の第一主表面に、メタルメッシュ構造を有する3つのタッチセンサー回路を設け、それぞれからの信号引き出し回路の接続端子に3本の信号リード線をはんだ接合により配置し、ガラス基板の第二主表面に、3個の表面実装型LED、3個の金属皮膜抵抗、3本の信号リード線、1本の電源リード線のそれぞれを電気回路の接続端子にはんだ接合により配置して、タッチセンサー用プリント回路板とする場合を一例として挙げることができる。ガラス基板の第二主表面上に形成した、配線幅0.4mm、金属層3と下地層7の合計厚みである配線厚み1.3μmを有する表面実装型LEDの電気回路は、50〜75A/mmの高い電流密度でLEDを点灯させることができ、本発明のガラス回路板が優れた放熱性を有することが確認できた。
<第三実施形態>
図4に示すように、本発明の第三実施形態に係るプリント回路板1が、第一実施形態に係るプリント回路板1と相違するところは、電気回路(銅配線)4上に有色不透明及び/又は透明の樹脂層18を形成した点である。なお、第一実施形態と共通する構成には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
同図に示すように、樹脂層18は、ガラス基板2上に形成された電気回路4の最外層を被覆するように形成されている。すなわち、樹脂層18は、ガラス基板2の全面に形成されるものではなく、電気回路4に対応した部分にのみ形成され、電気回路4と実質的に同じ回路パターンを有する。
樹脂層18の材質としては、例えば、感光性樹脂を利用できる。中でも、素材選択の多様性からくる設計の容易性、素材コストの有利さから、ラジカル重合方式となるアクリレート系紫外線硬化インクの利用が好適である。
ラジカル重合方式のアクリレート系紫外線硬化インクは、種々のアクリルモノマーあるいはオリゴマーを硬化成分とする。例えば、単官能モノマーとして、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートなどを含み、多官能モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどを含み、オリゴマーとして、ウレタンアクリレートなどを含む。加えて、紫外線エネルギーによりラジカル(活性種)を発生する光重合開始剤を含み、紫外線照射によって上記のモノマーやオリゴマーの重合を開始させる。光重合開始剤としては種々のべンゾフェノン、フェニルフォスフィンオキシドなどの芳香族ケトン類を用いることができる。その他補助剤や重合禁止剤、顔料を適宜含む。
ラジカル重合方式のアクリレート系紫外線硬化インクを用いて、プリント基板(例えば、電解めっき金属層を主表面に有する基板)に印刷を行って印刷部に紫外光を照射すれば、光重合開始剤が活性なラジカルを生成し重合反応が進み、プリント基板上でインクが硬化し樹脂(ポリマー)パターンとなる。この樹脂パターンをレジストパターンとして利用してエッチングを行い、電気回路4を形成することができる。
樹脂層18の材質は、上記に示す紫外線硬化樹脂以外であっても、電気回路4上に樹脂製パターンを形成することができるものであればそれを利用してもよい。
このようなプリント回路板1によれば、電気回路4を被覆する樹脂層18を有色として、例えば黒色系(黒色、灰色など)を与えれば、ガラス基板2上の電気回路4を目立たなくすることができる。そのため、電気回路4からの反射光による透過視認性の低下などの現象を抑制できる。また、電気回路4を被覆する樹脂層18を有色として、回路配線をガラス基板2の意匠デザインの一部として活用することができる。更に、電気回路4を被覆する樹脂層18は、腐食や酸化などによる電気回路4の劣化を抑制する。特に、電気回路4の最外層が銅の場合に、樹脂層18による劣化抑制の効果が有用となる。
以上のように構成されたプリント回路板1の製造方法の一例を次に説明する。まず、一般的なプリント回路板の製造方法を説明した後に、本実施形態に係るプリント回路板1の製造方法を説明する。なお、以下の説明では、金属層が、銅からなる層を含む場合を例にとって説明するが、金属層はこれに限定されない。
一般的なプリント回路板の製造方法は、次の(1)〜(7)の工程を含む。
(1)プリント基板(銅膜(箔)付基板)の銅表面を液体もしくはフィルムのレジストで一様に被覆する。
(2)前記レジスト付プリント基板に回路パターンをフォトリソグラフィ法で焼き付ける。
(3)回路パターンを焼き付けたレジスト付プリント基板を現像工程にて不要箇所のレジストを溶解除去する。
(4)現像済みレジストパターンを持つプリント基板をエッチングして、レジストパターン以外の銅膜(箔)を除去する。
(5)レジストパターンを剥離除去して、銅のみからなる回路パターンを有するプリント回路板(又はプリント配線板)を得る。
(6)金属銅からなる銅回路は酸化や腐食を防止する保護樹脂により被覆する。
(7)金属銅からなる銅回路は銅光沢を呈するので、視認性を下げるために黒色化処理を行うこともある。
本実施形態に係るプリント回路板の製造方法は、次の(a)〜(b)の工程を含む。
(a)銅からなる電解めっき金属層(電解めっき銅層)付ガラス基板の銅表面に感光性硬化樹脂による回路パターンを印刷し、光照射により固化固定する。
(b)樹脂回路パターンを持つ電解めっき銅層付ガラス基板をエッチングにより不要箇所の銅を除去し、樹脂被覆された銅回路パターンを有するプリント回路板(又はプリント配線板)を得る。
このような製造方法によれば、印刷による回路パターン形成(上記(a)の工程)により、上記一般的な製法の(1)〜(3)の三つ工程が一つの工程で済む。また、印刷による回路パターンは除去せず回路上に残す(上記(b)の工程)ので、上記一般的な製法の(5)〜(7)の工程が不要となる。つまり、製造に要する工程数を大幅に削減できる。
なお、図5に示すように、ガラス基板2の両主表面2a,2bに電気回路4,11を形成した第二実施形態と同様の態様の場合、それぞれの電気回路4,11の上に樹脂層18,19を形成することが好ましい。
第三実施形態に係るプリント回路板1の実施例として、ガラス基板2の第一主表面2a側に第一樹脂製回路パターンを有し、ガラス基板2の第二主表面2b側に第二樹脂製回路パターンを有するものを製作した。
具体的な製造方法は、次の(1)〜(4)の工程を含む。
(1)電解めっき銅層付ガラス基板(第二実施形態と共通構成)の印刷面となる第一主表面と第二主表面にイソプロピルアルコールを含むエタノール液を噴霧し油分やごみを取り除いた。
(2)Roland社製UVプリンター(型式LEF−300)を用いて、上記ガラス基板の第一主表面に回路パターンを紫外線硬化インク(黒、型式ECO−UV)で印刷し、0.1mmから0.4mmの回路配線幅を有する樹脂製回路パターンを形成した。この際、樹脂製回路パターンは、上記ガラス基板上に付着し、剥がれることはなかった。
(3)電解めっき銅層付ガラス基板の第二主表面に対しても、上述と同様の操作によって0.4mmと5mmの回路配線幅を有する別の回路パターンを樹脂にて形成した。ただし、この面は意匠面となるので樹脂色は白色となる紫外線硬化インク(白、形式ECO−UV)を用いた。
(4)樹脂製回路パターンをその両主表面に形成した電解めっき銅層付ガラス基板を、硫酸と過酸化水素水を適切な濃度で混合した周知のソフトエッチング液に、40℃で10分間浸漬して、不要な銅めっき箇所を溶解除去した。これにより、樹脂被覆された銅回路パターンを有するプリント回路板を得た。
このように製造された樹脂被覆された銅回路パターンは、所望の回路配線幅を有する電気回路として適切な機能を発揮すると共に、黒色と白色の被覆樹脂による高い意匠性を有することを確認した。なお、紫外線硬化インクとして、シアン、マゼンダ、イエロー、黒、白、透明等の色種を利用できるので、透明またはフルカラー有色不透明の樹脂被覆による意匠を回路パターンに与えることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、更に種々の形態で実施し得る。
下地層は、金属アルコキドゾルを塗布して、重縮合させた金属酸化膜であってもよい。この場合、例えば、テトラエトキシシランSi(OCやチタンテトライソプロポキシドTi[OCH(CHを用いてゾルを形成できる。
下地層は、例えば、スパッタリングや真空蒸着により形成してもよい。この場合、下地層としては、例えば、チタンやチタンタングステンなどを用いることができる。
下地層を省略し、ガラス基板の主表面の上に金属層を直接形成してもよい。この場合、金属層は、例えば、スパッタリングや真空蒸着により形成される。金属層は、一層であってもよいし、異種材料からなる複数層であってもよいが、最外層は銅であることが好ましい。
電気回路は、最外層に酸化腐食防止のための防蝕コーティングや、黒色ニッケル合金めっきなどの保護めっき層を備えていてもよい。
プリント配線板の両面もしくは片面に、エポキシ樹脂によりビルドアップ層を形成し、多層化してビルドアップ基板としてもよい。この場合、各ビルドアップ層は、厚み方向に形成され、かつ、内面に金属膜を有する貫通孔によって電気的に接続できる。ここで、ビルドアップ基板とは、回路形成済みのプリント配線板の両面もしくは片面に、配線回路を形成したビルドアップ用フィルム層を複数層設けた基板である。このようにすれば、コア基板がガラス基板から形成されるため、コア基板が樹脂プリント基板である場合に比べて、ビルドアップ基板の線熱膨張率を小さくできる。ガラス基板をコア基板としてビルドアップ基板とすることで半導体とのBGA接合が容易になる。樹脂プリント基板の線熱膨張率は20ppm/Kであるのに対して、シリコン半導体の線熱膨張率は3.5ppm/Kであり、この大きな線熱膨張率の差がビルドアップ基板のそりを引き起こし、半導体端子と基板との接合部の破断につながる恐れがあった。これに対して、ガラス基板の線熱膨張係数は3〜6ppm/Kであり、シリコン半導体との接合における上述の問題は解消できる。
ガラス基板と、ガラス基板の表面に形成された金属層を含む電気回路と、金属層と電気的に接続された状態でガラス基板に実装された電子部品とを備えたプリント回路板は、以下の構成とすることもできる。
(1)ガラス基板は、表面粗さRaが0.1nm〜0.1μm、厚みが0.01mm〜1mm、線熱膨張率が2ppm/K〜10ppm/K、誘電正接tanδ(1MHz、25℃)が0.001〜0.01である。
(2)ガラス基板の表裏面の同位置に電気回路の配線を持たず表裏面方向への光透過を可能な透明領域を設ける。
(3)電子部品と電気回路とをはんだにより接合する。
このような(1)〜(3)の構成によれば、プリント配線板への電子部品実装時の基板の変形を軽減すると共に、プリント回路板となった後における熱負荷を受ける際の実装部品への応力発生を軽減できるため、疲労破損の可能性を減少させ信頼性を高めることができる。低い誘電正接と平滑な配線表面により高周波信号処理において伝送損失を低減できる。プリント回路板を通して、その後方に配置する光学部品からの信号をその前方において受信できるため、高周波処理、光通信や視認性を必要とする応用分野で利用できる。
1 プリント回路板
2 ガラス基板
3 金属層
3a 端子部
3b 金属細線
3c メッシュメタル構造
4 電気回路
5 電子部品
5a 接続端子
6 はんだ
7 下地層
8 無電解めっき層
9 電解めっき層
10 保持体
18 樹脂層
19 樹脂層

Claims (13)

  1. ガラス基板と、前記ガラス基板の主表面に形成された金属層を含む電気回路と、前記金属層の端子部と電気的に接続された状態で前記ガラス基板に実装された電子部品とを備えたプリント回路板であって、
    前記電子部品が、前記金属層の前記端子部にはんだを介して接合されていることを特徴とするプリント回路板。
  2. 前記金属層が、銅からなる層を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント回路板。
  3. 全ての前記電気回路が、前記金属層を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント回路板。
  4. 前記金属層が、前記ガラス基板の前記主表面に直接、又は無機物からなる下地層を介して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  5. 前記金属層が、下地層を介して前記ガラス基板の前記主表面に形成されると共に、
    前記金属層が、前記下地層の上に形成されためっき金属層からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  6. 前記下地層が、貴金属を含む無機物層であることを特徴とする請求項5に記載のプリント回路板。
  7. 前記電気回路が、前記ガラス基板の両主表面に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  8. 前記ガラス基板が、前記ガラス基板の両主表面に形成された前記電気回路を互いに電気的に接続するための貫通孔を備えていることを特徴とする請求項7に記載のプリント回路板。
  9. 前記はんだによる接合部とは別に、前記電子部品を前記ガラス基板に対して保持する保持体を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  10. 前記ガラス基板に対する前記金属層の密着力が、90kgf/cm以上であることを
    特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  11. 前記金属層は、前記端子部を除く部分に、金属細線からなる格子構造を備え、
    前記金属細線の幅が、前記端子部の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  12. ガラス基板と、前記ガラス基板の主表面に形成された金属層を含む電気回路と、前記金属層の端子部と電気的に接続された状態で前記ガラス基板に実装された電子部品とを備えたプリント回路板の製造方法であって、
    前記ガラス基板に前記金属層を含む前記電気回路を形成する工程と、
    前記金属層の前記端子部にはんだを介して前記電子部品を接合する工程とを備えていることを特徴とするプリント回路板の製造方法。
  13. 前記金属層が、無電解めっき層と、電解めっき層とを備え、
    前記電気回路を形成する工程が、前記ガラス基板の前記主表面上に下地層を形成する工程と、前記下地層上に無電解めっきにより前記無電解めっき層を形成する工程と、前記無電解めっき層の上に電解めっきにより前記電解めっき層を形成する工程とを備えていることを特徴とする請求項12に記載のプリント回路板の製造方法。
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