JP2020020911A - 現像剤収納ユニット、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

現像剤収納ユニット、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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文人 野中
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Abstract

【課題】圧縮されるシールの開封負荷を低減しつつ、シールの封止性能を向上する。【解決手段】現像剤収容ユニットは、現像剤を排出する開口を有する枠体と、開口を封止する封止部を有する封止ユニットであって、封止部が開口を封止する第一状態から、開口が開かれる第二状態に移行可能な封止ユニットとを備える。封止部は、第一部分を含む突出部を有し、開口の周囲部分で突出部が枠体に当接可能である。封止ユニットが第一の状態にあるとき、第一の方向に関して第一の部分の先端が第一の部分の根元の下流側に位置し、封止ユニットが第一の状態から第二の状態に移行するとき、第一の方向に関して第一の部分の先端が第一の部分の根元の上流側に位置するように、第一の部分が変形される。【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置、及び画像形成装置に使用される現像剤収納ユニット、プロセスカートリッジに関するものである。
従来の電子写真形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置(以下装置本体)には、電子写真感光体及びそれに作用するプロセス手段を一体化したプロセスカートリッジを装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。このようなプロセスカートリッジ方式では、現像剤(トナー、キャリア等)を収納する現像剤収納枠体に設けた開口部を封止部材で封止して、プロセスカートリッジの出荷が行われている。そして、プロセスカートリッジの使用時には、封止部材であるトナーシールの接合部をユーザーが引き剥がすことで開口部が開封されて、装置本体への現像剤の供給が可能となる。
近年では、ユーザーの負担を軽減するすため、装置本体にプロセスカートリッジを装着後に、装置本体の駆動力によって自動的に開封される構成が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された構成では、シール部材が開口の縁に沿って現像容器に熱溶着などによって剥離可能に固定されている。現像剤を収納する現像容器内の回転部材が回転すると、シール部材が回転部材に巻き取られて、現像容器の開口が開封される。一方、特許文献2に記載された構成では、トナーカートリッジの開口部を開閉するシャッタの外周面とトナーカートリッジの内周面との間にシール材を配設し、シャッタを回動することによりトナーカートリッジの開封を行っている。シャッタによりシール材が圧縮された状態で、シャッタが開口部を閉鎖している。
特開2014−167606号公報 特開2013−134401号公報
圧縮されるシールにおいては、開封する際にシールが圧縮された状態で開封動作が開始されるため、一定の力が必要であった。
本発明の目的は、圧縮されるシールの開封負荷を低減しつつ、シールの封止性能を向上することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る現像剤収容ユニットは、
現像剤を収納する現像剤収納室と、前記現像剤収納室から前記現像剤を排出する開口と、が備えられた枠体と、
前記枠体の内部に設けられた封止ユニットであって、
第一の方向に回転可能な支持部と、
前記支持部に取り付けられ、前記開口を封止する封止部であって、第一の部分を含む突出部を有し、前記開口の周囲部分で前記突出部が前記枠体に当接可能に構成された封止部と、
を備え、前記封止部が前記開口を封止する第一の状態から、前記開口が開かれる第二の状態に移行可能な封止ユニットと、
を備え、
前記封止ユニットが前記第一の状態にあるとき、前記第一の方向に関して前記第一の部分の先端が前記第一の部分の根元の下流側に位置し、
前記封止ユニットが前記第一の状態から前記第二の状態に移行するとき、前記第一の方向に関して前記第一の部分の前記先端が前記第一の部分の前記根元の上流側に位置するように、前記第一の部分が変形される、
ことを特徴とする。
本発明によれば、圧縮されるシールの開封負荷を低減しつつ、封止性能を向上することができる。
実施形態における現像剤収納ユニットを有するプロセスカートリッジの断面図 実施形態における画像形成装置の断面図 実施形態における現像剤収納ユニットの短手方向から見た断面図 実施形態における現像剤収納ユニットの組み立てを表す斜視図 実施形態における封止ユニットの斜視図 実施形態における封止ユニットの断面図 実施形態における封止ユニットの駆動部の斜視図 実施形態における開封ギアの斜視図 実施形態における中間ギアの斜視図 実施形態における封止ユニットの動作を説明する図 比較例における封止ユニットの断面図 実施形態における封止ユニットの断面図 実施形態における封止ユニットの断面図
以下に図面を参照して本発明の実施形態を例示する。ただし、実施形態に記載されている構成部品の寸法や材質や形状やそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件などにより適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。
ここで画像形成装置とは、例えば電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成するもので、例えば電子写真複写機、電子写真プリンター(例えば、LEDプリンター、レーザービームプリンタ等)、電子写真ファクシミリ装置等が含まれる。またカートリッジとは、少なくとも現像手段と現像剤を収納した現像装置を一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能にしたものや、現像装置と少なくとも感光体を有する感光体ユニットを一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能にしたものをいう。
図1に本発明を適用できる現像剤収納ユニットを有するプロセスカートリッジの断面図、図2に本発明を適用できる画像形成装置の断面図を図示する。
<プロセスカートリッジの構成概要>
プロセスカートリッジは、像担持体と、像担持体に作用するプロセス手段を備える。ここでプロセス手段としては、例えば像担持体の表面を帯電させる帯電手段、像担持体に像を形成する現像装置、像担持体の表面に残留した現像剤(トナー、キャリア等を含む)を除去するためのクリーニング手段がある。本実施形態のプロセスカートリッジAは、図1に示すように、クリーナーユニット24を備えている。クリーナーユニット24は、像担持体である感光ドラム11と、帯電手段である帯電ローラ12と、クリーニング手段とし
て弾性を有するクリーニングブレード14とを有する。帯電ローラ12及びクリーニングブレード14は、感光ドラム11の周囲に配置されている。また、プロセスカートリッジAは、第一枠体17と、第二枠体18とを有する現像剤収納ユニット25を備えている。プロセスカートリッジAは、クリーナーユニット24と現像剤収納ユニット25とを一体とし、図2に示すように画像形成装置本体Bに対して、着脱自在に構成されている。現像剤収納ユニット25は、現像手段である現像ローラ13、現像ブレード15、供給ローラ23、現像剤を収納する現像剤収納室26を備える。現像ローラ13及び現像ブレード15は、第一枠体17に支持されている。
<画像形成装置の構成概要>
このプロセスカートリッジAは図2に示す画像形成装置本体Bに装着されて画像形成に用いられる。画像形成では、画像形成装置本体Bの下部に装着されたシートカセット6から搬送ローラ7によってシート(記録材)Sが搬送され、このシート搬送と同期して、感光ドラム11に露光装置8から選択的に露光が行われ、感光ドラム11に潜像が形成される。現像剤は、スポンジ状の供給ローラ23によって現像ローラ(現像剤担持体)13に供給され、現像ブレード15により現像ローラ13の表面に薄層担持される。現像ローラ13に現像バイアスを印加し、潜像に応じて現像剤を供給することによって現像剤像に現像する。これにより、感光ドラム11上に現像剤像が形成され、感光ドラム11が現像剤像を担持する。転写ローラ(転写部)9にバイアス電圧を印加することによって、感光ドラム11上の現像剤像がシートSに転写される。シートSは定着装置10へ搬送され、定着装置10によってシートSに対する画像の定着が行われる。シートSは、排紙ローラ1によって画像形成装置本体Bの上部の排紙部3に排出される。
<現像剤収納ユニットの構成>
次に、現像剤収納ユニット25の構成について図1、図3及び図4を用いて説明する。図3は現像剤収納ユニット25を現像ローラ13の軸線に沿って切断した断面図、すなわち、現像剤収納ユニット25の短手方向から見た断面図である。図4は現像剤収納ユニット25の組み立てを示す斜視図である。なお、以降の説明で、現像ローラ13の軸線方向を長手方向と定義し、また長手方向に直交する方向を短手方向と定義する。現像剤収納ユニット25は図1に示すように、現像ローラ13及び現像ブレード15を支持する第一枠体17と、第二枠体18とが合体して一つの現像枠体(枠体)を構成する。第一枠体17及び第二枠体18は、現像剤収納ユニット25の内部に現像剤収納室26を形成する。第一枠体17の下部には、現像剤収納室26に収納されたトナーを排出するための開口17aが長手広域に亘って設けられている。言い換えれば、上記の現像枠体には現像剤収納室26と開口17aとが備えられる。
開口17aを塞ぐ封止ユニット20が現像剤収納室26の内部に設けられている。図1では、第一枠体17の内部に封止ユニット20を設けている。封止ユニット20は、開口17aに沿って長手方向に伸びた形状を有しており、弾性を有する封止部20bと、封止部20bを支持する支持部20aとが一体に結合している。図3に示すように、支持部20aの両端には軸部20c、20dが設けられており、封止ユニット20(支持部20a)が第一枠体17に回転可能に支持されている。また、一端の軸部20d(図3右側)には開封ギア41が結合していて、封止ユニット20と開封ギア41とが一体的に回転する。また、開封ギア41は中間ギア44を介して入力ギア43と係合している。封止ユニット20は、プロセスカートリッジAの出荷時には、図1に示すように封止部20bによって開口17aを封止する位置に配置されている。そしてプロセスカートリッジAの使用時に、入力ギア43が画像形成装置本体Bから駆動を付与されて回転することで、封止ユニット20が図1の矢印Rの方向に回転し、開口17aが開封される。封止ユニット20(封止部20b)が開口17aを封止する状態を、封止状態又は第一の状態と呼ぶ。封止ユニット20が封止状態にあるとき、開口17aからのトナーの排出が規制される。また、
封止ユニット20(封止部20b)が、開口17aが露出された状態となるような位置にある状態を、開封状態又は第二の状態と呼ぶ。封止ユニット20が開封状態にあるとき、開口17aは開かれている。そして、開口17aからのトナーの排出が許容される。支持部20aは、後述する軸線(回転軸線)gの周りに回転可能である。封止ユニット20が封止状態から開封状態に移行するように、支持部20aが回転する方向を、開封方向又は第一の方向(回転方向R)と呼ぶ。なお、封止ユニット20が開封状態になった後、封止ユニット20は、封止部20bが開口17aを塞がない範囲で、回転方向Rの逆方向(第二の方向)と、回転方向Rとに向けて、繰り返し運動可能である。つまり、封止ユニット20が開封状態になった後、封止ユニット20は、往復運動可能である。封止ユニット20の構成については後に詳しく説明する。
また、現像剤収納室26の外側に現像ローラ13及び現像ローラ13にトナーを供給する供給ローラ23が設けられている。現像ローラ13及び供給ローラ23は、それぞれの長手両端が第一枠体17によって回転可能に支持されている。現像ローラ13の長手一端に現像ギア42が結合しており、現像ギア42が入力ギア43と係合している。供給ローラ23の長手一端に不図示のギアが結合しており、不図示のギアが入力ギア43と係合している。入力ギア43が回転することで、開封ギア41とともに現像ローラ13及び供給ローラ23が回転する。また、図3、図4に示すように、第二枠体18の内側天面から開口17aに向かって(図3、図4では下向き)、複数のリブ形状の押さえ部18aが突出している。押さえ部18aは、第二枠体18の内部であって開口17aの開口面と対向する位置に設けられており、封止状態の封止ユニット20に設けられた被押さえ部20eに当接する。封止部20bは、支持部20aに取り付けられ、第一枠体17と支持部20aに挟まれることで開口17aを封止する。言い換えれば、封止部20bは、支持部20aによって、第一枠体17における開口17aの周囲部分に押し付けられて圧縮される。つまり、封止部20bは、支持部20aと第一枠体17によって圧縮される。そして、開口17aが封止部20bによって封止される。つまり、封止部20bは、開口17aの周囲部分で第一枠体17に当接可能である。封止状態とは、封止ユニット20が開口17aを封止する状態を表す。押さえ部18aの機能については後述する。
<封止ユニット20の詳細構成>
次に、封止ユニット20の詳細構成について図4、図5、図6、図11及び図12を用いて説明する。図5は封止ユニット20の斜視図、図6及び図12は封止ユニット20の断面図である。図6(a)は、封止ユニット20が現像剤収納室26に組み込まれる前の状態、図6(b)は、封止ユニット20が現像剤収納室26に組み込まれた状態を表す。図6(c)〜(e)は、封止ユニット20の開封動作を説明する図である。図11は比較例における封止ユニット120の断面図である。図12(a)は説明のために図6(a)を拡大し、寸法を加えた図である。同様に図12(b)は図6(b)を拡大し、寸法を加えた図である。封止ユニット20は前述のとおり、支持部20aと弾性を有する封止部20bを含む。本実施形態においては、封止部20bの材料としてエラストマ樹脂、支持部20aの材料としてポリスチレン樹脂を用いている。この場合、封止部20bの剛性は、支持部20aの剛性よりもが低い。製造方法については、封止部20bと支持部20aをそれぞれ個別に製造した後、互いを接合してもよいが、封止部20bの材料としてエラストマ樹脂を用いることにより、支持部20aと封止部20bとを一体成形してもよい。支持部20aと封止部20bとを一体成形することにより2つの部材の接合工程が不要となり生産性の向上を図ることができる。また、封止部20bの材料においてもエラストマ樹脂に限定されない。例えば、封止部20bの材料として弾性を有する他の材料でもよく、収納容器内のトナーに対して封止性を保ち、且つ、後述するように開封のための負荷が従来のものより大きくならないよう適切な形状や設定であればエラストマ樹脂に限定されない。
次に、封止部20bの形状について詳細に説明する。封止部20bは、基部20b0と、リップ20b1〜20b4を含む突出部とを有する。封止ユニット20が封止状態にあるとき、開口17aの周囲部分で、封止部20bの突出部は第一枠体17に当接する。図5(b)に示すように、封止部20bにおいて、細長い長方形の基部20b0から細長く突出したリップ20b1〜20b4が、基部20b0の外周部分に沿うように形成されている。すなわち、基部20b0の外周部分にリップ20b1〜20b4が立設しており、リップ20b1〜20b4によって基部20b0の外周部分に枠部材が形成されている。リップ20b1〜20b4は、基部20b0から支持部20aの反対側に向かって突出している。基部20b0の上面は、支持部20aとの接合面である。ここで、回転方向Rにおいて、リップ20b1はリップ20b2の下流側に位置する。リップ20b1、リップ20b2は、支持部20aの回転軸線(軸線g)の方向に延びている。つまり、リップ20b1、リップ20b2の長手方向は、支持部20aの回転軸線(軸線g)の方向である。リップ20b3、リップ20b4は、支持部20aの回転軸線(軸線g)と交差する方向(支持部20aの回転方向)に延びている。つまり、リップ20b3、リップ20b4の長手方向は、支持部20aの回転軸線(軸線g)と交差する方向(支持部20aの回転方向)である。リップ20b1〜20b4の内側面のそれぞれは基部20b0の内側方向を向いている。リップ20b1〜b4の外側面のそれぞれは基部20b0の外側方向を向いている。リップ20b1の内側面とリップ20b2の内側面とが対向し、リップ20b3の内側面とリップ20b4の内側面とが対向している。封止状態の場合、図6(b)に示すように、リップ20b1〜b4は、開口17aの外周を囲うように配置されている。すなわち、封止状態の場合、支持部20aが、第一枠体17における開口17aの周囲部分に対してリップ20b1〜b4を付勢し、リップ20b1〜b4が、第一枠体17における開口17aの周囲部分に当接する。また、封止ユニット20が封止状態にあるとき、回転方向Rに関して、リップ20b1(第一の部分)の先端がリップ20b1の根元の下流側に位置し、リップ20b2(第二の部分)の先端がリップ20b2の根元の上流側に位置する。封止状態において、基部20b0の長辺に設けられたリップ20b1、20b2は、第一枠体17の被当接部17b、17cの円弧形状に沿った形状に変形する。また、封止状態において、基部20b0の短辺に設けられたリップ20b3、20b4は、第一枠体17の被当接部17dの円弧形状に沿った形状に変形する。被当接部17b、17c及び17dは、第一枠体17の内側部分であって、第一枠体17における開口17aの周囲部分に含まれる。
リップ20b1〜b4の断面寸法については、図6(a)に示すように、例えば、高さH1が2.8mm、幅Wが1mmである。そして、封止ユニット20が封止状態の場合(図6(b)、封止部20bが変形し、封止ユニット20が第一枠体17によって支持される。例えば、このときの封止部20bの基部20b0と開口17aとの距離H2は2.1mmである。封止部20bが変形することで、H1>H2となる。
リップ20b1〜b4の先端形状について、具体的に図12(a)、(b)及び図13を用いて説明する。開口17aの端面17b1を通る直線D1からリップ20b1の根元を通る直線D2までの距離L1が、端面17b1を通る直線D1からリップ20b1の先端を通る直線D3までの距離L2よりも小さい。すなわち、距離L1<距離L2が成立するように、基部20b0にリップ20b1が設けられている。リップ20b2〜b4についても、リップ20b1と同様である。リップ20b1の根元は、基部20b0とリップ20b1との境界部分である。直線D2は、リップ20b1の根元から第一枠体17の被当接部17bに向かって引いた直線である。直線D3は、リップ20b1の先端から第一枠体17の被当接部17bに向かって引いた直線である。距離L1よりも距離L2が大きい。したがって、リップ20b1が基部20b0の外側に向かって傾斜している。また、同様に、リップ20b2〜b4が基部20b0の外側に傾斜している。
図12(b)に示すように、現像剤収納室26に封止ユニット20が組み込まれている。封止部20bが開口17aを封止する状態において、リップ20b1の先端が被当接部17bに当接し、リップ20b2の先端が被当接部17cに当接している。つまり、封止ユニット20が封止状態にあるとき、回転方向Rに関して、リップ20b1は、開口17aの下流側で第一枠体17に当接する。回転方向Rに関して、リップ20b2は、開口17aの上流側で第一枠体17に当接する。このとき、支持部20aは押さえ部18aによって押されており、リップ20b1〜20b4は変形した状態である。この場合、リップ20b1は、リップ20b1の根元から先端に向けて、開口17aの上流側から下流側に向かう方向に傾斜している。また、リップ20b2は、リップ20b2の根元から先端に向けて、開口17aの下流側から上流側に向かう方向に傾斜している。開口17aの上流側は、封止ユニット20の回転方向の上流側と一致している。開口17aの下流側は、封止ユニット20の回転方向の下流側と一致している。
リップ20b1の先端が被当接部17bに当接する前の状態(図12(a))よりもさらにリップ20b1の先端が開口17aから遠ざかる方向に、リップ20b1が傾倒している。言い換えると、図12(a)のリップ20b1における直線D2と直線D3との間の距離(L2−L1)よりも、図12(b)のリップ20b1における直線D2と直線D3との間の距離L3のほうが大きい。つまり、現像剤収納室26に封止ユニット20を組み込む前から傾斜しているリップ20b1の先端が、現像剤収納室26に封止ユニット20を組み込んだときに、一定方向に倒れた状態で、リップ20b1が被当接部17bに当接する。換言すれば、リップ20b1の内側面の一部が第一枠体17における開口17aの周囲部分に当接し、リップ20b2の内側面の一部が第一枠体17における開口17aの周囲部分に当接する。また、この変形は封止部20bの全周に亘って同様の変形が行われ、リップ20b1〜b4の先端が開口17aから遠ざかる方向に倒れた状態で、リップ20b1〜b4が、第一枠体17における開口17aの周囲部分に当接する。
図13に示すように、支持部20aの回転軸線(軸線g)の方向で見たとき、リップ20b1の根元から先端までの長さL4がリップ20b1の厚みT1よりも大きく、リップ20b2の根元から先端までの長さL5がリップ20b2の厚みT2よりも大きい。なお、回転軸線(軸線g)の方向で見るとは、回転軸線(軸線g)に直交する平面に投影された対象物を、回転軸線の方向に沿って見ることをいう。そのため、リップ20b1及びリップ20b2が封止ユニット20の回転方向Rに倒れやすい。本実施形態において、長さL4、厚みT1、長さL5、厚みT2は、それぞれ以下のように測定される。リップ20b1の突出方向において、リップ20b1のうち基部20b0から突出している部分の長さを、リップ20b1の根元から先端までの長さL4とする。リップ20b1の突出方向に直交する方向であって封止ユニット20の回転方向Rに沿った方向において、リップ20b1の外側面と外側面の反対側の内側面との間の距離を、リップ20b1の厚みT1とする。リップ20b2の突出方向において、リップ20b2のうち基部20b0から突出している部分の長さを、リップ20b2の根元から先端までの長さL5とする。リップ20b2の突出方向に直交する方向であって封止ユニット20の回転方向Rに沿った方向において、リップ20b2の外側面と外側面の反対側の内側面との間の距離を、リップ20b2の厚みT2とする。
実施形態の構成では、リップ20b1の根元から先端までの長さL4がリップ20b1の厚みT1よりも大きくなるようにリップ20b1が基部20b0に設けられている。また、実施形態の構成では、リップ20b2の根元から先端までの長さL5がリップ20b2の厚みT2よりも大きくなるようにリップ20b2が基部20b0に設けられている。リップ20b3、リップ20b4も、厚みよりも長さが大きい形状を有する。リップ20b3、リップ20b4の厚み方向は、支持部20aの回転軸線方向である。これにより、リップ20b1及びリップ20b2が倒れやすいため、封止部20bが第一枠体17にお
ける開口17aの周囲部分を付勢する圧力が小さい場合であっても、封止状態が維持される。第一枠体17における開口17aの周囲部分に対する付勢圧力を小さくすることにより、開口17aを開封する際の負荷を低減することができる。したがって、圧縮される封止ユニット20の開封負荷を低減しつつ、封止ユニット20の封止性能を向上することができる。また、リップ20b1及びリップ20b2が封止ユニット20の回転方向Rに倒れやすいため、リップ20b1及びリップ20b2が倒れた状態で、封止ユニット20が回転することが可能であり、開口17aを開封する際の負荷が低減される。なお、リップ20b1の厚みT1がリップ20b1の根元から先端までの長さL4よりも大きい場合、リップ20b1が封止ユニット20の回転方向Rに倒れにくい。また、リップ20b2の厚みT2がリップ20b2の根元から先端までの長さL5よりも大きい場合、リップ20b2が封止ユニット20の回転方向Rに倒れにくい。
仮に、直線D1と直線D2との間の距離L1と、直線D1と直線D3との間の距離L2とが同じ場合(L1=L2)、現像剤収納室26に封止ユニット20を組み込む際にリップ20b1の倒れる方向が安定しない。リップ20b1〜b4が不均一に倒れた場合、リップ20b1〜b4と第一枠体17における開口17aの周囲部分との隙間からトナーが漏れる懸念がある。また、実施形態ではリップ20b1〜20b4の各先端が開口17aから遠ざかる方向、つまりトナーの収納領域の方向を向いている。封止部20bが現像剤収納室26内のトナー粉圧によって、リップ20b1〜b4の各先端が被当接部17b、17c、17dに押し付けられることで、リップ20b1〜b4の先端が開口17aに近づく方向を向いている構成に比べて封止性能が優れる。なお、基部20b0の長辺に設けられたリップ20b1、20b2と基部20b0の短辺に設けられたリップ20b3、20b4とが交差する角部は円弧形状である(図5(b))。
以上により、開口17aの全周の被当接部17b、17c、17d(図4)と支持部20aの間に封止部20bが挟まれ、被当接部17b、17c、17dに対する封止部20bの当接によって、リップ20b1〜b4の倒れる方向が一定である。そのため、封止状態が安定的に維持される。
また、支持部20aには、図6(a)に示すように封止部20bと反対側の位置であって押さえ部18aと対向する位置に、被押さえ部20eが設けられている。押さえ部18aが、被押さえ部20eに当接し、封止部20bがわずかに変形して、封止ユニット20が封止状態を保つ(図6(b))。すなわち、被押さえ部20eが押さえ部18aに当接する場合、リップ20b1〜b4の形状が変形した状態で第一枠体17における開口17aの周囲部分に当接する。これにより、支持部20aが封止部20bの弾性によって反ることで封止性能が落ちることを抑制することができる。また、物流時の振動などによって封止ユニット20が変形することで、開口17aからトナーが漏れることを抑制することができる。また、第二枠体18に押さえ部18aを設けることで、支持部20aの曲げ剛性を、第二枠体18に押さえ部18aを設けない場合よりも弱くできる。また、支持部20aの材料節約、軽量化にも寄与する。なお、押さえ部18aの個数について、実施形態では第二枠体18に押さえ部18aを3か所設けているが、支持部20aの剛性や封止部20bの弾性によって適宜選択すればよい。また、押さえ部18aの個数に応じて、被押さえ部20eの個数が選択される。
封止ユニット20は、画像形成装置本体Bから駆動を受けると図6(b)に示すように、両端の軸部20c、20dを結ぶ軸線gを中心に矢印Rの方向に回転する。ここで、図11の比較例における封止ユニット120について説明する。比較例における封止ユニット120は、支持部120a及び短冊形状のスポンジ120bを備え、スポンジ120bが開口117aを覆っている。封止ユニット120は、軸部120dを介して回転可能に支持されている。比較例では、開口117aの開封開始時に、スポンジ120bが圧縮状
態を維持したまま被当接部117b、117cを摺擦する。それに対し、実施形態における封止ユニット20の構成では、図6(c)に示すように回転方向Rの下流側のリップ20b1の先端が、被当接部17bに当接した位置から摺擦移動せずに、内向きに反転する。すなわち、封止ユニット20が封止状態から開封状態に移行するとき、リップ20b1の先端がリップ20b1の根元よりも封止ユニット20の回転方向Rの上流側に位置し、リップ20b2の先端がリップ20b2の根元よりも封止ユニット20の回転方向Rの上流側に位置する。言い換えれば、封止ユニット20が封止状態から開封状態に移行するとき、回転方向Rに関して、リップ20b1の先端がリップ20b1の根元の上流側に位置するように、リップ20b1が変形される。一方、封止ユニット20が封止状態から開封状態に移行するとき、回転方向Rに関してリップ20b2の先端はリップ20b2の根元の上流側に位置する。つまり、リップ20b2の傾斜方向は変わらない。開封状態とは、封止ユニット20が開口17aを開封する状態を表す。この場合、リップ20b1の外側面の一部が第一枠体17における開口17aの周囲部分に当接し、リップ20b2の内側面の一部が第一枠体17における開口17aの周囲部分に当接する。その後に、リップ20b1が内向きに反転した姿勢を保ちながら摺擦する。そのため、実施形態の構成によれば、短冊形状のスポンジ120bを用いた比較例の構成よりも開封の負荷を低くすることができる。上述のように、リップ20b1及びリップ20b2が封止ユニット20の回転方向Rに倒れやすいため、リップ20b1の先端が内向きに反転しない場合であっても、実施形態の構成は、短冊形状のスポンジ120bを用いた比較例の構成よりも開封の負荷が低い。また、実施形態の構成は、特にリップ20b1とリップ20b2によって、トナーが搬送されやすい。
被押さえ部20eにおける押さえ部18aとの当接面には押さえ部18aの凸円弧形状に倣った凹円弧形状が形成されている。また、被押さえ部20eにおける押さえ部18aとの当接面には押さえ部18aの凸形状に倣った凹形状が形成されてもよい。この構成により、封止ユニット20の組み立て時に封止ユニット20の位相が安定する。また、物流時の振動などによって封止ユニット20が円周方向にずれることを抑制できる。被押さえ部20eの回転方向Rの上流側に、被押さえ部20eの回転半径Kよりも内側に退避させた逃げ部20gが設けられている。すなわち、封止ユニット20は、被押さえ部20eの回転半径Kの内側に設けられた凹部を有している。封止ユニット20が矢印Rの方向に回転する場合、押さえ部18aから被押さえ部20eが離れ、押さえ部18aの位置に逃げ部20gが至ると、支持部20aが封止部20bの弾性反力により封止部20bの反対側に反る。そうすることで、長手内側において、封止部20bが第一枠体17における開口17aの周囲部分を付勢する圧力が弱まり、その結果、開封負荷が軽減される。封止ユニット20は、画像形成装置本体Bから駆動を受けて、図6(b)に示す第一の位置から図6(d)に示すように図中矢印R方向に、所定角度θ1(以降、開封角と呼ぶ)まで回転した第二の位置に移動する。したがって、封止ユニット20が回転することで、封止ユニット20が開口17aを封止する第一の状態から封止ユニット20が開口17aを開封する第二の状態に移行可能である。このような動作により封止ユニット20の開封動作が行われる。図6(d)に示すように、封止ユニット20が開口17aを開封する第二の状態において、押さえ部18aの少なくとも一部が被押さえ部20eの凹部内に位置し、凹部の内側面(逃げ部20g)と押さえ部18aとの間に隙間が形成されている。つまり、封止ユニット20が開封状態にあるとき、凹部の内側面(逃げ部20g)と押さえ部18aとの間に隙間が形成される。また、封止部20bは弾性を有するため、図6(d)に示すように、被押さえ部20eが押さえ部18aから離間する状態になることで、リップ20b1〜b4の形状が変形した状態から変形前の元の状態に戻る。
そして、さらに封止ユニット20は第二の位置にとどまることなく、図6(e)に示すように第一の位置から図中矢印R方向に第二の所定角度θ2(以降、最大角と呼ぶ)まで回転し、押さえ部18aに接触しない第三の位置まで移動する。その直後、封止ユニット
20は図6(e)の矢印Cの方向に反転し、図6(d)に示す第二の位置まで戻る。その後も同様に、封止ユニット20は第二の位置と第三の位置との往復運動を繰り返し続ける。実施形態では開封角θ1が77度、最大角θ2が95度となるように駆動構成を設定している。封止ユニット20の上記動作は、例えばリンク機構などでも実現可能であるが、実施形態では欠け歯ギアとバネを用いて実現している。開封角θ1及び最大角θ2は、ギアの諸元に応じて任意に設定できる。駆動構成の詳細については後述する。
ところで、支持部20aには、図5(a)に示すように、封止部20bと反対側の位置に、複数のリブ20fが設けられている。図5(a)に示すように、リブ20fは軸部20c、20dを結ぶ軸線gに対して45度に傾斜している。また、複数のリブ20fは、封止ユニット20の長手中央を境に傾斜方向が異なるように配置されている。リブ20fは、封止ユニット20の回転方向Rの上流側から下流側にしたがって、封止ユニット20の長手外側に向かって傾斜している。このようにリブ20fを配置にすることによって、封止ユニット20が第二の位置から第三の位置までの間に位置すると、リブ20fは重力方向上側から下側にしたがって、封止ユニット20の長手内側に向かって傾斜する姿勢になる。そのようなリブ20fの構成により、封止ユニット20が第二の位置と第三の位置とを往復運動することで、現像剤収納室26のトナーを撹拌しながら、封止ユニット20の長手中央に緩やかに集めることができる。そのため、例えばトナーが封止ユニット20の長手一端に偏った場合であっても、トナーを封止ユニット20の長手中央に速く寄せることができるので、画像出力する前のアイドリング時間を短縮することができる。
また、実施形態では、開封後に、封止ユニット20が往復運動を行うことにより、封止ユニット20は撹拌機能を有する。例えば、封止ユニット20が回転運動する場合、封止ユニット20が押さえ部18aに干渉してしまう。したがって、封止ユニット20が回転運動する場合、溶着による封止が必要になる。すなわち、撹拌機能を有する封止手段を装置本体内で自動的に開封する場合、枠体の開口まわりにフィルムを溶着して、フィルムを枠体内に設けた軸で巻き取って剥離する構成が一般的である。しかしながら、実施形態によれば、溶着を必要としない撹拌機能を有する封止ユニット20を実現することが可能である。また、溶着した部材を剥離する(すなわち機械的に破壊する)開封負荷と比べて、実施形態では、付勢している封止部20bを移動することにより開封が行われるため、開封負荷を低減することができる。
また、溶着による封止の場合、溶着安定性のため、溶着面すなわち開口周囲の面を平面にする必要がある。しかし、実施形態の構成ではそのような制約がないため、開口17aの周囲の面を開口17aに向かって重力方向下向きの傾斜形状又は円弧形状に形成することができる。これにより、開口17aの周囲のトナーが開口17aに向かって落ちやすくなり、実施形態の構成は、従来の溶着封止構成に比べて排出性能が向上する。
また、図6(b)に示すように、封止ユニット20の回動中心gは、被当接部17dの円弧中心hに対し、開封開始時の封止部20bの移動方向の上流側(図中右側)に2mm程度オフセットした位置に設けられている。この構成により、開封する際に、基部20b0の短辺に設けられたリップ20b3、b4(図5参照)が、被当接部17dの円弧の半径方向において被当接部17dから徐々に離れながら、封止部20bが移動する。円弧中心hと回動中心gが一致する場合(以降、同芯構成と呼ぶ)においては、開封動作において、封止部20bが第一枠体17の底面を摺擦し続けるため、開封トルクが高い状態が持続する。実施形態の構成によれば、開封開始から摩擦負荷が徐々に減っていくために、同芯構成に比べて開封トルクを開封開始時から徐々に減らすことができる。また、円弧中心hと回動中心gとがずれた配置にすることにより、第二の位置と第三の位置で往復運動する封止ユニット20を、第一枠体17の底面に対し回転半径K方向に離隔させることができる。そのため、封止ユニット20と第一枠体17の底面との隙間d(図6(d))を広
く設けることができる。その結果、現像剤収納室26のトナーが封止ユニット20に妨げられることなく開口17aから円滑に外に排出させることができる。また、封止部20bが第一枠体17の内面に摺擦する構成と比べて、実施形態の構成では、トナーのストレスをより軽減することができる。一方、同芯構成の場合、回転方向Rの上流側のリップ20b2が回転方向Rの上流側の被当接部17bまで移動することにより、封止ユニット20を第一枠体17の底面より隔離させることができる。すなわち、封止ユニット20と第一枠体17の底面との隙間dを設けるためには、封止ユニット20を回転方向Rに向かって第二の位置よりもさらに大きく回転させる必要がある。
<封止ユニット20の駆動構成>
次に、封止ユニット20の動作について、図7、図8、図9及び図10を用いて説明する。図7は封止ユニット20の駆動部を表す斜視図、図8は開封ギア41を表す斜視図である。図9は中間ギア44を表す斜視図で、図9(b)は図9(a)の反対方向から中間ギア44を見た図である。図10は封止ユニット20の動作を説明する図であり、図10(a)〜(f)の順に封止ユニット20が動作する。
封止ユニット20と結合する開封ギア41は図7に示すように、第一枠体17の長手外側端部に設けられている。そして、図8に示すように、第一枠体17に対して近い順に、第一開封ギア部41a(41a1、a2)と第二開封ギア部41b(41b1〜b5)で構成される段ギアが配置されている。第一開封ギア部41aは、図8に示すように、全歯数28歯のギアのうち、5歯分の間隔を隔てた2歯(41a1、a2)を残しそのほかのすべての歯を削除した欠け歯ギアである。一方、第二開封ギア部41bは全歯数28歯のギアのうち連続する5歯(41b1〜b5)を残し、そのほかのすべての歯を削除した欠け歯ギアである。第二開封ギア部41bの連続する5歯は、第一開封ギア部41aの2歯の間に設けられている。また、第二開封ギア部41bの回転方向Rの下流側に、円弧凹部41cが設けられている。図8に示すように、長手方向から見て、円弧凹部41cの円弧中心と開封ギア41の回動中心とを結ぶ直線M上に第一開封ギア部41aの回転方向Rの下流側の一歯(以降先端歯と称す)41a1の中心が位置している。実施形態では円弧凹部41cの中央の一部が第二開封ギア部41bの歯底円弧に倣って退避している。開封ギア41の金型構成を簡易にするためであって、長手方向から投影して、先端歯41a1両端に円弧形状が設けられてさえいれば、後に説明するように機能上は差支えない。
図9に示すように、開封ギア41と係合する中間ギア44もまた段ギア構成である。第一開封ギア部41a、第二開封ギア部41bにそれぞれ係合する第一中間ギア部44a(44a1〜a5)、第二中間ギア部44b(44b1〜b5)と、不図示の入力ギア43と係合する第三中間ギア部44dが設けられている。第三中間ギア部44dは、通常の全歯ギアである。第一中間ギア部44a、第二中間ギア部44bの理解を容易にするため、図9では第三中間ギア部44dを破線で表している。第一中間ギア部44aは、全歯数15歯のギアのうち、2歯分の間隔を隔てた等間隔の5歯(44a1〜a5)を残しそのほかのすべての歯を削除した欠け歯ギアである。第二中間ギア部44bは、全歯数15歯のギアのうち、連続する5歯を残し、そのほかの周を歯先円と同外径の円弧部44cで形成した欠け歯ギアである。
次に、入力ギア43が画像形成装置本体Bから回転駆動を受けて回転するときの封止ユニット20の動作を図10(a)〜(f)を用いて説明する。図10(a)〜(f)では、理解を容易にするために、第三中間ギア部44dの図示を省略している。図10(a)に示すように、封止ユニット20が封止状態の場合、開封ギア41の円弧凹部41cが中間ギア44の円弧部44cに係合する。中間ギア44が不図示の入力ギア43の回転駆動を受けて矢印L方向に回転すると、まず、円弧部44cの回転方向Lの上流側に設けた第一中間ギア部44aの一歯44a1が、円弧凹部41cの回転方向Rの上流側に設けた先
端歯41a1に回転駆動を伝達する。そして開封ギア41が矢印R方向に回転を開始する。すると、図10(b)(c)に示すように、第二中間ギア部44bと第二開封ギア部41bの相対する歯が順次かみ合うことで開封ギア41が回転する。ここで、封止状態の時に、第一中間ギア部44aが前述のとおり2歯分間隔が空けられている。一方で、開封ギア41の円弧凹部41cが中間ギア44の円弧部44cに係合しているために、封止ユニット20から上流側(逆側)に回転駆動が逆に伝搬することがない。すなわち上記のロック機構によって、物流中に振動などにより誤って封止ユニット20が回動することを防ぐことができる。
第二中間ギア部44bと第二開封ギア部41bのかみ合いが完了した状態を図10(d)に示す。封止ユニット20は封止状態の第一の位置から図10(d)の矢印R方向に開封角θ1回転した第二の位置に移動し開封が完了する。この場合、第一枠体17に設けられている付勢バネ21が開封ギア41の被付勢部41dに当接する。付勢バネ21はねじりコイルばねであり、巻線部21aが第一枠体17の側面に設けたボス17eに係合している。そして、一方の腕部21bが開封ギア41の被付勢部41dに当接し、他方の腕部21cが第一枠体17の規制リブ17fに当接するように付勢バネ21を配置している。この状態の時に、被付勢部41dは腕部21bに平行になるように形成されている。これにより、開封ギア41がこの位相よりも矢印Rの逆方向には回転しない。すなわちいったん第二の位置に移動した封止ユニット20は、ふたたび第二の位置よりも第一の位置の方向に戻ることはない。したがって、封止状態から開封状態に移行した後は、開封状態から封止状態に移行しない。さらに中間ギア44が矢印L方向に回転すると、第一中間ギア部44aの一歯44a4が、第一開封ギア部41aの歯のうち、開封に寄与しないもう一方の歯41a2(以降末端歯と称す)に駆動を伝達し、開封ギア41はさらに矢印R方向に回転する。この場合、付勢バネ21は、開封ギア41が矢印R方向に回転するのを妨げるように作用する。開封ギア41は図10(d)の状態から約一歯分矢印R方向に回転した後、第一中間ギア部44aが欠け歯であるために、中間ギア44からの駆動伝達が絶たれる。
図10(e)に示すように、付勢バネ21によって開封ギア41は図中矢印C方向に回転し、図10(d)の位置に戻る。中間ギア44からの駆動伝達が絶たれる瞬間での封止ユニット20の位置(第三の位置)は封止状態の第一の位置から矢印R方向に最大角θ2開いた位置である。中間ギア44は図10(f)に示すように、その後も矢印L方向に回転を続ける。開封ギア41を第二の位置から第三の位置に駆動した第一中間ギア部44aの一歯44a4よりも回転方向Lの上流側の一歯44a5が末端歯41a2に当接して、開封ギア41は再び矢印R方向に回転し始める。このように第一中間ギア部44aが間欠的に開封ギア41の末端歯41a2に当接することを繰り返すことによって、封止ユニット20は第二の位置と第三の位置との往復運動を繰り返す。このように、1対の欠け歯ギアとバネによるシンプルな部品構成で開封動作と撹拌動作を実現することができる。また、実施形態に係る駆動構成にすることで、封止ユニット20が第三の位置から第二の位置に付勢バネ21によって戻る方向への移動開始加速度は、封止ユニット20が第二の位置から第三の位置にギアによって移動する移動開始加速度よりも大きくなる。このように封止ユニット20の往復における移動開始加速度に差を設けることにより、封止ユニット20に付着するトナーが振り落とされるため、現像剤収納室26のトナーをより多く使用することができる。
17…第一枠体、17a…開口、18…第二枠体、20a…支持部、20b…封止部、20b1〜b4…リップ、現像剤収納ユニット…25、現像剤収納室…26

Claims (11)

  1. 現像剤を収納する現像剤収納室と、前記現像剤収納室から前記現像剤を排出する開口と、が備えられた枠体と、
    前記枠体の内部に設けられた封止ユニットであって、
    第一の方向に回転可能な支持部と、
    前記支持部に取り付けられ、前記開口を封止する封止部であって、第一の部分を含む突出部を有し、前記開口の周囲部分で前記突出部が前記枠体に当接可能に構成された封止部と、
    を備え、前記封止部が前記開口を封止する第一の状態から、前記開口が開かれる第二の状態に移行可能な封止ユニットと、
    を備え、
    前記封止ユニットが前記第一の状態にあるとき、前記第一の方向に関して前記第一の部分の先端が前記第一の部分の根元の下流側に位置し、
    前記封止ユニットが前記第一の状態から前記第二の状態に移行するとき、前記第一の方向に関して前記第一の部分の前記先端が前記第一の部分の前記根元の上流側に位置するように、前記第一の部分が変形される、
    ことを特徴とする現像剤収納ユニット。
  2. 前記封止部は、前記枠体と前記支持部に圧縮されることで前記開口を封止する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像剤収納ユニット。
  3. 前記封止ユニットが前記第一の状態にあるとき、前記第一の方向に関して、前記開口の下流側で前記第一の部分は前記枠体に当接する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の現像剤収納ユニット。
  4. 前記突出部は第二の部分を含み、
    前記封止ユニットが前記第一の状態にあるとき、前記第一の方向に関して前記第二の部分の先端が前記第二の部分の根元の上流側に位置する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の現像剤収納ユニット。
  5. 前記封止ユニットが前記第一の状態から前記第二の状態に移行するとき、前記第一の方向に関して前記第二の部分の前記先端が前記第二の部分の前記根元の上流側に位置する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の現像剤収納ユニット。
  6. 前記枠体の内部に設けられた押さえ部と、
    前記封止ユニットに設けられた被押さえ部であって、前記封止ユニットが前記第一の状態にあるとき、前記押さえ部と当接する被押さえ部と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の現像剤収納ユニット。
  7. 前記封止ユニットは、前記被押さえ部の回転半径の内側に設けられた凹部を有し、
    前記封止ユニットが前記第二の状態にあるとき、前記押さえ部の少なくとも一部が前記凹部内に位置し、前記凹部の内側面と前記押さえ部との間に隙間が形成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の現像剤収納ユニット。
  8. 前記押さえ部は、前記開口と対向する位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の現像剤収納ユニット。
  9. 前記封止ユニットが前記第一の状態から前記第二の状態に移行した後は、前記封止ユニットは前記第二の状態から前記第一の状態に移行しない、
    ことを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の現像剤収納ユニット。
  10. 画像形成を行う画像形成装置の本体に着脱可能に設けられるプロセスカートリッジであって、
    請求項1から9の何れか一項に記載の現像剤収納ユニットと、
    現像剤像を担持する像担持体と、
    を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 画像形成を行う画像形成装置であって、
    請求項1から9の何れか一項に記載の現像剤収納ユニットと、
    現像剤像を担持する像担持体と、
    前記像担持体に担持された現像剤像を記録材に転写する転写部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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