JP2020020429A5 - - Google Patents

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上記課題を解決するため、本発明は、スプール式切換弁におけるシール構造であって、上記切換弁は、軸方向に延びるように形成されて給気流路、出力流路及び排気流路が連通されたスプール孔と、該スプール孔に軸方向に摺動自在に挿入されたスプールと、該スプールを動作させて上記流路間の接続状態を切り換えるための弁駆動部とを有しており、上記スプールは、軸周りの外周に摺動部を有するランド部と、該ランド部よりも外径が小さい環状凹部とを軸方向に沿って交互に有しており、上記スプール孔の軸周りの内周面には、上記給気流路、出力流路及び排気流路にそれぞれ対応させて凹設された環状の流路溝と、上記スプールのランド部がその摺動部を対峙させて摺動する環状の被摺動面とが軸方向に沿って交互に形成されていて、上記流路溝の各々には、それに対応する上記流路の何れかが接続されており、上記ランド部の摺動部には、径方向に開口する環状の凹溝が軸周りに周設されていて、ゴム弾性材から成るパッキンの内周側の基端部が該凹溝内に収容されると共に、該パッキンの外周側の先端部が該凹溝の開口縁から突出しており、上記パッキンの先端部における軸方向の一方の側端部には第1シール部が、他方の側端部には第2シール部が該軸周りに周設されており、上記凹溝に収容された状態のパッキンにおける上記第1及び第2シール部の外径は、上記スプール孔の被摺動面の内径よりも小さく形成されており、上記ランド部の摺動部が上記スプール孔の被摺動面と対峙し、且つ、スプール孔における該ランド部によって区画された一対の空間のうちの一方に、上記給気流路から圧縮流体が供給されている状態において、上記パッキンにおける該圧縮流体が供給されている空間側の側端部が、該圧縮流体の圧力よる弾性変形によって径方向に伸長し、それにより、上記第1及び第2シール部のうち該圧縮流体が供給されている空間側のシール部が、上記スプール孔の被摺動面との間に形成された空隙を狭窄するか又は該被摺動面に当接するように構成されていることを特徴としている。
以上のように、本発明においては、ランド部の凹溝に収容された状態のパッキンにおける上記第1及び第2シール部の外径は、スプール孔の被摺動面の内径よりも小さく形成されている。しかしながら、上記ランド部の摺動部が上記スプール孔の被摺動面と対峙し、且つ、スプール孔における該ランド部によって区画された一対の空間のうちの一方に、上記給気流路から圧縮流体が供給されている状態において、上記パッキンにおける該圧縮流体が供給されている空間側の側端部が、該圧縮流体の圧力よる弾性変形によって径方向に伸長し、それにより、上記第1及び第2シール部のうち該圧縮流体が供給されている空間側のシール部が、上記スプール孔の被摺動面との間に形成された空隙を狭窄するか又は該被摺動面に当接するように構成されている。
本発明に係るスプール式切換弁1は、軸L方向に延びるスプール孔7と、該スプール孔7に連通された給気流路8、出力流路9,10及び排気流路11,12と、該スプール孔7内に軸L方向に摺動自在に挿入された主弁としてのスプール20と、上記スプール20を動作させるための弁駆動部5とを有していて、該弁駆動部5によってスプール孔7内でスプール20を摺動させることにより、上記出力流路9,10と、上記給気流路8及び排気流路11,12との接続状態を切りえるようになっている。ここで、上記給気流路8は、図示しない流体圧源(例えばコンプレッサ)からの圧縮空気等の圧縮流体をスプール孔7へと供給するためのものであり、上記出力流路9,10は、そのスプール孔7に供給された圧縮流体を、該圧縮流体で駆動される流体圧アクチュエータ(例えば空気圧シリンダ)等の各種流体圧機器(図示略)に対して出力するためのものであり、上記排気流路11,12は、該流体圧機器からの排気を大気等の外部に対して排出するためのものである。
ここで、上記出力ポーA,Bは、該出力ポートA.Bよりも流路断面積が小さい出力連通路9a,10aを通じて上記スプール孔7に連通されており、該出力ポートA,Bと出力連通路9a,10aとによって上記出力流路9,10が形成されている。また、上記給気ポートPは、該給気ポートPよりも流路断面積が小さい給気連通路8aを通じて上記スプール孔7に連通されており、該給気ポートPと給気連通路8aとによって上記給気流路8が形成されている。さらに、上記排気ポートEA,EBは、該排気ポートEA,EBよりも流路断面積が小さい排気連通路11a,12aを通じて上記スプール孔7に連通されており、該排気ポートEA,EBと排気連通路11a,12aとによって上記排気流路11,12が形成されている。
上記スプール孔7の内周面は、軸L方向において、上記第1アダプタ部3が取り付けられた一方の端面の開口部から、上記第2アダプタ部4が取り付けられた他方の側端面の開口部まで、第1支持部7a、第1流路溝70、第1被摺動面71、第2流路溝72、第2被摺動面73、第3流路溝74、第3被摺動面75、第4流路溝76、第4被摺動面77、第5流路溝78、及び第2支持部7bが順次設けられることにより構成されており、これらは何れも軸Lを中心とした環状に形成されている。すなわち、上記スプール孔7の内周面には、これら被摺動面と流路溝とが軸Lに沿って交互に形成されている。
このとき、上記各ランド部22,24,26,28は、径方向Yにおいて、隣接する上記環状凹部に接続された基端から外周端の摺動部に至るまで徐々に軸L方向の幅が狭くなる略等脚台形状に形成されており、これらランド部は、径方向の中心軸に関して軸L方向に左右対称を成している。そして、これらランド部22,24,26,28の外周端には、環状の凹溝15(図3−図6参照)が開設されている。そして、上記ランド部22,24,26,28の各外周端に開設された凹溝15には、後に詳述する環状のパッキン50がそれぞれ装着されている。
それにより、上記ランド部がスプール孔7の被摺動面の位置に配されて、その外周端の摺動部が該被摺動面と対峙したときに、該ランド部の摺動部とスプール孔7の被摺動面との間に形成された空隙が上記パッキン50でシールされて、その空隙を通じて圧縮流体が漏出するのを可及的に抑制又は防止することができるようになっている。すなわち、該パッキン50等のシール部材が無装着の状態において、上記第1及び第2被押圧部20a,20b並びに第1〜第4ランド部22,24,26,28の外径D3は互いに等しく形成されていて、上記第1〜第5環状凹部21,23,25,27,29の外径D4は互いに等しく形成されており、上記外径D3は、上記被摺動面等の内径D0よりも若干小さく、かつ上記外径D4よりも大きく形成されている。
上記第2ピストン41は、その弁本体部2側に、上記スプール20と同軸に配された第2押圧部41aを一体に有しており、該第2押圧部41aは、上記スプール孔7の第2支持部7bよりも小径に形成されていて、上記スプール20の第2被押圧部20bに当接している。また、上記第2シリンダ孔40の第1室40aは、上記スプール20の中心を軸L方向に貫通する貫通孔20cを通じて、上記第1シリンダ孔30の第2室30bに連通されており、大気に常時開放されている。一方、上記第2室40bは、上記パイロット流体供給孔79に常時連通されていて、パイロット流体によって常時加圧されている。そのため、上記スプール20は、軸L方向において、上記第1アダプタ3側(すなわち、第1ピストン側)に向けて常時押圧されている。
続いて、図1及び図2に基づいて、上記スプール式切換弁1の動作を説明する。まず、図1に示すように、弁駆動部5を構成する電磁式パイロット弁がOFFの状態においては、第1シリンダ孔30の第1室30aが大気に開放されている。そのため、上記第2ピストン41が、その押圧力により、上記スプール20と共に第1ピストン31を該第1室30a側のストローク端へと移動させ、その結果、該スプール20が上記第1切換位置に切り換えられた状態となる。そのとき、軸L方向において、上記スプール20の第1ランド部22は上記スプール孔7の第1流路溝70の位置に配され、第2ランド部24は第2被摺動面73の位置に配され、第3ランド部26は第3流路溝74の位置に配され、第4ランド部28は第4被摺動面77の位置に配されている。
一方、図2に示すように、弁駆動部5を構成する電磁式パイロット弁がONの状態においては、第1シリンダ孔30の第1室30aに対し該弁駆動部5を通じてパイロット流体が供給される。そのため、上記第1ピストン31が、その押圧力により、スプール20と共に第2ピストン41を、該第2ピストン41の押圧力に抗して第2シリンダ40の第2室40側のストローク端へと移動させ、その結果、該スプール20が上記第2切換位置に切り換えられた状態となる。そのとき、軸L方向において、上記スプール20の第1ランド部22は上記スプール孔7の第1被摺動面71の位置に配され、第2ランド部24は第3流路溝74の位置に配され、第3ランド部26は第3被摺動面75の位置に配され、第4ランド部28は第5流路溝78の位置に配されている。
本発明の各実施形態に係るシール構造において、上記スプール20のランド部26の上記摺動部としての外周面26aは、上記被摺動面75と実質的に平行を成している。そして、該外周面26aの軸L方向の中央には、径方向Yに開口する上記凹溝15が軸L周りに周設されていて、該凹溝15に上記パッキン50が装着されている。ここで、上記パッキン50の材料としては、シール機能を発揮するゴム弾性材であれば特に限定されるものではないが、例えばニトリルゴムやフッ素ゴム等を用いることができる。
上記凹溝15は、軸L周り環状に周設されると共に該軸Lに沿って平坦に延びた底壁面15aと、該底壁面15aの軸L方向の両端から径方向Y(軸Lと直交方向)に延びて互いに対向する、上記第1被押圧部20a側の第1側壁面15b及び上記第2被押圧部20b側の第2側壁面15cとから構成されている。すなわち、上記外周面26aと、互いに平行な平面に形成された一対の側壁面15b,15cとは、互いに直角に交わっていて、それにより、上記凹溝15の開口を形成している。そして、上記凹溝15は、軸Lに沿った横断面において、径方向Yに延びる中心軸に関して軸L方向に左右対称な矩形状に形成されている。
ここで、この凹溝15の底壁面15aは直径D5に形成されており、そのため、上記外周面26aから該底壁面15aまで距離(=(D3−D5)/2)が、該凹溝15の深さHgに相当している。そして、該凹溝15は、ランド部26の周方向全体に亘って均一な深さHgを有している。また、該凹溝15の軸Lに沿った溝幅Wgも、その開口から底壁面15aまでの深さ全体に亘って均一に形成されている。ただし、この凹溝15は、上述の形態のものに限定されず、例えば上記一対の側壁面15b,15cを、上記底壁面15a及び外周面26aと鋭角に交わらせて、溝幅Wgが上記底壁面15aから開口に向けて徐々に狭くなる略等脚台形状に形成されていても良い。
以下においては、上記パッキン50が上記凹溝15内に装着された状態について説明することとする。
図3に示す第1実施形態のシール構造において、上記パッキン50は、軸Lに沿った横断面において、実質上、径方向Yの中心軸に関して軸L方向に左右対称な中実の矩形状に形成されている。すなわち、このパッキン50の外形は、該パッキン50の内周面によって形成され、軸L周りに環状を成すと共に軸Lに沿って平坦に延びた上記基端面50aと、該パッキン50の外周面によって形成され、軸L周りに環状を成すと共に軸Lに沿って平坦に延びた先端面50dと、上記基端面50a及び先端面50dの軸L方向の一端同士を連結し、上記凹溝15の第1側壁面15bと対向して径方向Yに延びる第1側端面50bと、上記基端面50a及び先端面50dの軸L方向の他端同士を連結し、上記凹溝15の第2側壁面15cと対向して径方向Yに延びる第2側端面50cとの四面によって形作られている。このように、上記基端面50aは、その全面が上記底壁面15aに圧接されていると共に、上記先端面50dと平行を成して背向している。また、上記一対の側端面50b,50cは、共に全体が平面に形成され、互いに平行を成して背向すると共に、上記基端面50a及び先端面50dと直角を成している。
次に、上記弁駆動部5を切り換えると、スプール20が上記第1切換位置から図2に示す第2切換位置へと移動し、それに伴って、ランド部26及びそのパッキン50も、上述した図3(a)の位置から、図3(b)の位置へと移動する。このスプールが第2切換位置に切り換えられた状態においては、上記ランド部26の摺動部26aが、上記スプール孔7の被摺動面75と対峙した状態、すなわち、該ランド部26に装着されたパッキン50における上記両シール部53,54を含んだ先端面50dの全体が被摺動面75と対峙した状態となり、該ランド部26によってスプール7内の空間が、給気流路8に接続された第1空間S1と排気流路12に接続された第2空間S2とに区画される。
また、このような第1突条53a及び第2突条54aを有するパッキン50Aも、軸Lに沿った横断面において、径方向Yの中心軸に関して軸L方向に左右対称を成している。そのため、上記先端面50dから上記各突条53a,54aの先端までの距離は互いに等しくなっており、上記スプール孔7の被摺動面75から上記各突条53a,54aの先端までの距離δも互いに等しくなっている。そして、軸Lからこれら突条53a,54aの先端までの距離の2倍が、本第2実施形態におけるパッキン50Aの外径Dpとなっている。
図5(a)に示すように、この第3実施形態に係るシール構造においては、パッキン50Bの第1側端面50b及び第2側端面50cに、軸Lを中心とした同じ直径を有する環状の第1くびれ溝55a及び第2くびれ溝55bが周設されている。すなわち、これらくびれ溝55a,55bは、該パッキン50Bの横断面において、上記基端面50aからの高さが同じ位置に対向配置されており、それより、該パッキン50Bの幅Wpが狭くなるくびれ部56を形成している。そして、このパッキン50Bにおいては、これらくびれ溝55a,55bによって、例えば図5(b)に示すように、上記第1空間S1の流体圧が第1側端面50bに作用した時に、上述のような弾性変形による径方向Yへの伸長が促進されるようになっている。なお、他の実施形態と同様に、上記パッキン50Bも、横断面の中心軸に関して軸L方向に左右対称に形成されている。
以上、本発明に係るスプール式切換弁におけるシール構造について説明してきたが、本発明は上記の各実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない範囲で様々な設計変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、図3や図4に示す第1及び第2実施形態においても、図5の第3実施形態のようにして、パッキン50の基端面50aと凹溝15の底壁面15aとを、接着等により固定しても良い。スプール20を動作させる弁駆動部5も、電磁式パイロット弁によって構成されたもの限定されず、直動式等様々な駆動機構によって構成することが可能である。また、ポートの数やランド部の数を変更したり、第2ピストン41に替えてコイルバネを使用したりしても良い。さらに、上記シール部53(53a),54(54a)は、上述のように、パッキン50の側端面50b,50cと直角又は鋭角を成す角部を有していることが望ましいが、必ずしもそれに限定されるものではない。

Claims (1)

  1. スプール式切換弁におけるシール構造であって、
    上記切換弁は、軸方向に延びるように形成されて給気流路、出力流路及び排気流路が連通されたスプール孔と、該スプール孔に軸方向に摺動自在に挿入されたスプールと、該スプールを動作させて上記流路間の接続状態を切り換えるための弁駆動部とを有しており、
    上記スプールは、軸周りの外周に摺動部を有するランド部と、該ランド部よりも外径が小さい環状凹部とを軸方向に沿って交互に有しており、
    上記スプール孔の軸周りの内周面には、上記給気流路、出力流路及び排気流路にそれぞれ対応させて凹設された環状の流路溝と、上記スプールのランド部がその摺動部を対峙させて摺動する環状の被摺動面とが軸方向に沿って交互に形成されていて、上記流路溝の各々には、それに対応する上記流路の何れかが接続されており、
    上記ランド部の摺動部には、径方向に開口する環状の凹溝が軸周りに周設されていて、ゴム弾性材から成るパッキンの内周側の基端部が該凹溝内に収容されると共に、該パッキンの外周側の先端部が該凹溝の開口縁から突出しており、
    上記パッキンの先端部における軸方向の一方の側端部には第1シール部が、他方の側端部には第2シール部が該軸周りに周設されており、
    上記凹溝に収容された状態のパッキンにおける上記第1及び第2シール部の外径は、上記スプール孔の被摺動面の内径よりも小さく形成されており、
    上記ランド部の摺動部が上記スプール孔の被摺動面と対峙し、且つ、スプール孔における該ランド部によって区画された一対の空間のうちの一方に、上記給気流路から圧縮流体が供給されている状態において、上記パッキンにおける該圧縮流体が供給されている空間側の側端部が、該圧縮流体の圧力よる弾性変形によって径方向に伸長し、それにより、上記第1及び第2シール部のうち該圧縮流体が供給されている空間側のシール部が、上記スプール孔の被摺動面との間に形成された空隙を狭窄するか又は該被摺動面に当接するように構成されている、
    ことを特徴とするシール構造。
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