JP2020020376A - 金属フレキシブルチューブ - Google Patents

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剛志 久胡
Tsuyoshi Kugo
剛志 久胡
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【課題】 比較的大きな繰り返し変位を伴う部分で使用された場合であっても亀裂などの損傷の発生が抑制される金属フレキシブルチューブを提供することを目的とする。【解決手段】 金属フレキシブルチューブ1は、金属コルゲート管2と弾性体層3とで構成されている。金属コルゲート管2は、複数の凸部211と凹部212を有し軸線方向に沿って波形に形成されている波付き部21と、波付き部の端部と連なっている円筒状のストレート部22とを有している。弾性体層3は、少なくとも金属コルゲート管の凹部212に密着するように充填され、かつ、凹部212における軸線方向の両側の壁部213と結合されている。金属フレキシブルチューブ1によれば、弾性体層が凹部に充填されるとともに結合されているので、弾性体層により凹部の拡がりが抑制される。【選択図】 図1

Description

本発明は、ガスなどの流体の輸送に使用される金属フレキシブルチューブに関する。
従来から、ガス給湯器などのガス機器とガス栓との間をつなぐために継手付き金属フレキシブルチューブが広く使用されている。継手付き金属フレキシブルチューブは、例えば特許文献1に記載されているように、軸方向に沿って凹部及び凸部が連続する外形形状をなし、例えば薄肉のステンレスなどで形成された金属コルゲート管と、その両端部に装着された継手とで構成されている。
継手付き金属フレキシブルチューブは金属コルゲート管を所望の形状に曲げることが可能であるので、ガス栓とガス機器との間をつなぐ際には、配管が設置される箇所の形状や、ガス栓とガス機器との位置関係に応じて金属コルゲート管を変形させて容易に施工を行うことができる。したがって、直管とねじ込み式の管継手とを使用するよりもねじ接続の箇所が少なくて済むため施工性がよい。
また、金属コルゲート管は弾性変形の範囲内においてはその柔軟性によって繰り返し変形可能である。また、比較的曲率半径の大きな曲げのように、金属コルゲート管の長さ方向の各部分で変形量を少しずつ負担することができる場合も、ある程度の繰り返し変形を許容することができる。
特開2017-180636号公報
一方、例えば比較的曲率半径の小さな曲げのような部分的に弾性変形の範囲を超えた塑性変形が繰り返されるような場合、金属疲労によって金属コルゲート管に亀裂などの損傷が起こることが考えられる。そのため、一般的には継手付き金属フレキシブルチューブは使用可能な用途が制限され、例えばガス給湯器のように設置後に移動させられることがない固定形ガス燃焼機器とガス栓との間の接続に使用されている。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、比較的大きな繰り返し変位を伴う部分で使用された場合であっても局所的な変形が抑制可能であり、亀裂などの損傷の発生が抑制される金属フレキシブルチューブを提供することを目的とする。
上記の目的は、以下のような手段により実現される。本発明の金属フレキシブルチューブは、金属コルゲート管と弾性体層とで構成されている。金属コルゲート管は、複数の凸部と凹部を有し軸線方向に沿って波形に形成されている波付き部と、波付き部の端部と連なっている円筒状のストレート部とを含む。弾性体層は、少なくとも金属コルゲート管の凹部に密着するように充填され、かつ、凹部における軸線方向の両側の壁部と結合されている。本発明の金属フレキシブルチューブによれば、金属コルゲート管の凹部に弾性体層が充填されているので、曲げる力が加わったときに弾性体層によって凹部の圧縮が抑制される。また、弾性体層は凹部に充填されるとともに結合されているので、凹部が拡げられる力が加わる部分では、凹部の拡がりは弾性体層の引っ張り力によって抑制される。これらの作用により、金属コルゲート管に生じる変形は分散され、局所的な大変形及び応力の集中が軽減される。
第1の実施の形態の金属フレキシブルチューブを示す半裁断面図である。 第1の実施の形態の金属フレキシブルチューブにおけるA部の拡大図を示す断面図である。 第2の実施の形態の金属フレキシブルチューブを示す半裁断面図である。 第3の実施の形態の金属フレキシブルチューブを示す半裁断面図である。
本発明の詳細について、図を参照しつつ説明する。なお、ここに記載する実施の形態はあくまで例示に過ぎず本発明はこれに限定されない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態の金属フレキシブルチューブの一方の側の端部を示す半裁断面図である。図2は、金属フレキシブルチューブが曲げられた状態におけるA部の拡大図である。金属フレキシブルチューブ1は金属コルゲート管2を有する。金属コルゲート管2は、波付き部21とストレート部22とを有する。波付き部21は、複数の凸部211と凹部212を有し軸線方向に沿って波形に形成されている。本実施の形態では、金属コルゲート管2は凸部211が螺旋状に連続するように形成された波付き部を有するスパイラルタイプの管であるが、環状に形成された複数の凸部で形成された波付き部を有するアニュラータイプの管であってもよい。ストレート部22は、凹部212の谷の径と同じ直径を有する円筒状で、波付き部21の端部に連なって形成されている。ストレート部22における、波付き部21と逆側の端部には、図示しないガス栓やガス機器に連結される継手4を備えている。金属コルゲート管2は、薄肉の金属製である。金属としては、例えばステンレス鋼や銅合金などが一般的に使用される。金属フレキシブルチューブ1は、波付き部21が形成されていることにより可撓性を有しており、所望の形状に容易に曲げることが可能である。
金属フレキシブルチューブ1は弾性体層3を有する。弾性体層3は、金属コルゲート管2の少なくとも凹部212に密着するように充填され、かつ、凹部212における軸線方向の両側の壁部213を含む金属コルゲート管2の表面と結合手段(図示を省略)によって結合されている。結合手段としては、例えばエストラマー用加硫接着剤等の各種接着剤を用い得る。金属コルゲート管2は、波付き部21のストレート部22の側の端部の凹部212(例えば5山〜10山)が変形しやすいので、金属フレキシブル管1では弾性体層3は端部の凹部212の谷部に設けられている。また、金属フレキシブル管1では、金属コルゲート管2において特に変形しやすい、波付き部21におけるストレート部22との付け根部214にも弾性体層3が設けられている。付け根部214において、弾性体層3は、ストレート部22における波付き部21の側の外面221に密着され、かつ、波付き部21のストレート部22の側の壁部213に結合されている。図2に示すように、金属フレキシブルチューブ1が曲げられると、曲げの内Rの部分IRでは凹部212の間は矢印Bの方向に押しつぶされるように変形する。金属フレキシブルチューブ1によれば、凹部212に弾性体層3が充填されており弾性体層3は変形の抵抗として作用する。故に、一部の凹部212だけが急激に押し潰されることが抑制される。すなわち、金属フレキシブルチューブ1は、各凹部212の谷部における応力を緩和することができる。
他方、曲げの外Rの部分ORでは、凹部212の間は矢印Cの方向に拡がるように変形する。金属フレキシブルチューブ1によれば、弾性体層3は凹部212に充填され、かつ、壁部213に結合されているので、凹部212の間が拡がろうとすると、壁部213は弾性体層3によって矢印Cの方向と逆の方向に引っ張られる。故に、一部の凹部212の間だけが拡げられることが抑制される。すなわち、金属フレキシブルチューブ1は、各凹部212の谷部における応力を緩和することができる。このように、金属フレキシブルチューブ1は、曲げの内Rの部分IRと外Rの部分ORの両方で、変形を分散させ、金属コルゲート管2が局所的に大きく変形することを抑制することができる。さらには、局所的な大きな変形に起因する亀裂などの損傷を抑制することができる。
なお、弾性体層3は、ゴム材料を金属コルゲート管2の外周に射出成形することにより形成することができる。ゴム材料としては、例えば天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロピレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)及びその他のゴム材料を使用することができ、用途に応じて適宜選択すればよい。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の他の実施の形態の金属フレキシブルチューブを示す半裁断面図である。以降、第1の実施の形態の金属フレキシブルチューブと異なる部分についてのみ説明し、同一部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
金属フレキシブルチューブ1aは、弾性体層3aを有する。弾性体層3aは、金属コルゲート管2の凹部212に充填され、かつ、壁部213と結合されると共に、更に凸部211を覆っている。また、弾性体層3aは、ストレート部22における波付き部21の側の外面221に密着され、かつ、波付き部21のストレート部22の側の壁部213に結合されている。本実施の形態の金属フレキシブルチューブ1aは、弾性体層3aの、第1の実施の形態における弾性体層3と同様の作用によって、金属コルゲート管2が局所的に大きく変形することに起因する亀裂などの損傷を抑制することができる。さらに、弾性体層3aは、凹部212と共に凸部211を覆っており弾性体の体積が大きいので、弾性体層3よりも引っ張り強度及び圧縮強度が大きく、金属コルゲート管2の損傷を抑制する効果がより大きい。
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の他の実施の形態の金属フレキシブルチューブを示す半裁断面図である。第1の実施の形態及び第2の実施の形態の金属フレキシブルチューブと同一部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
金属フレキシブルチューブ1bは、弾性体層3bを有する。弾性体層3bは、金属コルゲート管2の凹部212に充填され、かつ、結合されると共に凸部211を覆っている。また、弾性体層3bは、波付き部21において、ストレート部22の側の端部に行くにつれて厚く形成され、端部から所定の範囲で厚く形成されている。また、弾性体層3bは、ストレート部22における波付き部21の側の外面221に密着され、かつ、波付き部21のストレート部22の側の壁部213に結合されている。本実施の形態の金属フレキシブルチューブ1bは、弾性体層3bの各部分で厚さに差があるので部分ごとに強度に違いがある。金属フレキシブルチューブ1bは、金属コルゲート管2において最も変形を生じやすい波付き部21におけるストレート部22の側の端部で弾性体層3bが厚くなり、弾性体層3bによって変形が抑制される効果が大きい。このように、本実施の形態の金属フレキシブルチューブ1bは、弾性体層3bの厚さが金属コルゲート管2の各部の変形のしやすさに応じて設けられているので、金属コルゲート管2の変形をより均一に分散させることができる。
第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、金属コルゲート管における、波付き部のストレート部の側の端部にのみ弾性体層が形成されている金属フレキシブルチューブについて説明したが、本発明はこの形態に限られない。例えば、弾性体層が波付き部全体に形成されている金属フレキシブルチューブを排除しない。
また、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の実施の形態の技術的特徴について、適宜、差し替えや、組み合わせを行なってもよい。
1、1a、1b:金属フレキシブルチューブ
2:金属コルゲート管、21:波付き部、211:凸部、212:凹部、213:壁部、付け根部:214
22:ストレート部、221:外面
3、3a、3b:弾性体層
4:継手
IR:曲げの内Rの部分
OR:曲げの外Rの部分

Claims (4)

  1. 複数の凸部と凹部を有し軸線方向に沿って波形に形成されている波付き部と、前記波付き部の端部と連なっている円筒状のストレート部とを含む金属コルゲート管と、
    少なくとも前記凹部に密着するように充填され、かつ、前記凹部における軸線方向の両側の壁部と結合されて、前記波付き部に設けられている弾性体層と、
    を備えている金属フレキシブルチューブ。
  2. 前記弾性体層は、更に前記凸部を覆っている、
    請求項1に記載の金属フレキシブルチューブ。
  3. 前記弾性体層は、前記波付き部において、端部から所定の範囲で部分的に厚く形成されている、
    請求項1又は請求項2に記載の金属フレキシブルチューブ。
  4. 前記弾性体層は、前記ストレート部における、前記波付き部の側の外面に密着され、かつ、前記波付き部の前記ストレート部の側の壁部に結合されている、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の金属フレキシブルチューブ。
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