JP2020020097A - 鉄骨梁の開口部補強構造 - Google Patents

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幸作 三橋
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暢之 小田島
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Abstract

【課題】鉄骨梁のウェブに形成された多角形状又は略多角形状の開口部の角部周囲の応力集中を効果的に抑制する。【解決手段】開口部補強構造10は、鉄骨梁50のウェブ54に形成された略多角形状の開口部60と、開口部60の周囲を囲むようにウェブ54の両面に接合され正面から透視すると開口部60の角部62の周囲で交差又は一方の端部72A、72Bが他方の端部72A、72BにT字状に突当る複数の補強板70と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄骨梁の開口部補強構造に関する。
特許文献1には、略長方形状の貫通孔が形成された鉄骨梁のウェブに設けられる梁補強金物に関する技術が開示されている。この先行技術では、梁補強金物は、ウェブの貫通孔の四辺それぞれの辺に沿って配置されている。
特開2014−20163号公報
特許文献1のように、略長方形状の貫通孔(略多角形状の開口部)の場合、貫通孔の角部周囲に応力が集中する。よって、貫通孔の四辺それぞれの辺に沿って梁補強金物を配置しても、角部周囲の応力集中を十分に抑制できない虞がある。
本発明は、上記事実を鑑み、鉄骨梁のウェブに形成された多角形又は略多角形状の開口部の角部周囲の応力集中を効果的に抑制することが目的である。
請求項1の発明は、鉄骨梁のウェブに形成された多角形状又は略多角形状の開口部と、前記開口部の周囲を囲むように、前記ウェブの一面又は両面に接合され、正面から透視すると前記開口部の角部周囲で、交差又は一方の端部が他方の端部にT字状に突当り、突き当たり箇所から他方の端部が延出する複数の補強板とを備えた鉄骨梁の開口部補強構造である。
請求項1に記載の発明では、鉄骨梁のウェブの一面又は両面に複数の補強板が多角形状又は略多角形状の開口部の周囲を囲むように接合されることで、ウェブにおける開口部の周囲が補強され、開口部の周囲に作用する応力が低減される。
更に、複数の補強板は、正面から透視すると角部周囲で交差又は一方の端部が他方の端部にT字状に突当たった突き当たり箇所から他方の端部が延出するように配置されることで、ウェブにおける開口部の角部周囲の応力集中が効果的に抑制される。
請求項2の発明は、前記補強板は、多角形状又は略多角形状の前記開口部の各辺部に沿って接合されている、請求項1に記載の鉄骨梁の開口部補強構造である。
請求項2に記載の発明では、補強板は、多角形状又は略多角形状の開口部の各辺部に沿って接合されている。よって、開口部の周囲が効果的に補強されるので、開口部の周囲に作用する応力が更に低減される。
請求項3の発明は、前記補強板は、前記ウェブの両面に接合され、同じ面では、一方の前記端部が他方の前記端部にT字状に突当り、突き当たり箇所から他方の端部が延出し、異なる面では、前記端部同士が交差する、請求項1又は請求項2に記載の鉄骨梁の開口部補強構造である。
請求項3に記載の発明では、補強板は、ウェブの両面に接合されている。よって、開口部の周囲が効果的に補強されるので、開口部の周囲に作用する応力が更に低減する。また、同じ面では、一方の端部が他方の端部にT字状に突当り、異なる面では、端部同士が交差するので、施工性を確保しつつ、開口部の角部周囲の応力集中が更に効果的に抑制される。
請求項4の発明は、前記鉄骨梁はH形鋼で構成され、前記補強板の前記端部は、前記鉄骨梁の上下のフランジに接合されている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の開口部補強構造である。
請求項4に記載の発明では、補強板の端部が鉄骨梁の上下のフランジに接合されることで、トラス架構又はフィーレンデール架構と同様の効果により、開口部の周囲に作用する応力をフランジに伝達させ、開口部の周囲に作用する応力を更に低減させる。
請求項5の発明は、前記鉄骨梁はH形鋼で構成され、横方向に沿って配置された前記補強板は、一方の側辺部が前記ウェブに接合され、他方の側辺部がフランジに接合されている、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の鉄骨梁の開口部補強構造である。
請求項5に記載の発明では、横方向に沿って配置された補強板の一方の側辺部をウェブに接合し、他方の側辺部をフランジに接合することで、ウェブだけでなく、フランジの局部座屈が抑えられ、この結果、開口部の周囲の塑性変形性能が向上する。
本発明によれば、H形鋼で構成された鉄骨梁のウェブに形成された多角形状又は略多角形状の開口部の角部周囲の応力集中を効果的に抑制することができる。
第一実施形態の開口部補強構造の鉄骨梁の正面図であり、(B)は(A)の1B−1B線に沿った断面図である。 第一実施形態の変形例の開口部補強構造の鉄骨梁の正面図であり、(B)は(A)の2B−2B線に沿った断面図である。 第二実施形態の開口部補強構造の鉄骨梁の正面図である。 第三実施形態の開口部補強構造の鉄骨梁の正面図である。 第四実施形態の開口部補強構造の鉄骨梁の正面図であり、(B)は(A)の5B−5B線に沿った端面図であり、(C)は(A)の5C−5C線に沿った断面図である。 第五実施形態の開口部補強構造の鉄骨梁の正面図であり、(B)は(A)の6B−6B線に沿った端面図であり、(C)は(A)の6C−6C線に沿った端面図である。 第六実施形態の開口部補強構造の鉄骨梁の正面図であり、(B)は(A)の7B−7B線に沿った端面図であり、(C)は(A)の7C−7C線に沿った端面図である。 第七実施形態の開口部補強構造の鉄骨梁の正面図であり、(B)は(A)の8B−8B線に沿った端面図であり、(C)は(A)の8C−8C線に沿った端面図である。 (A)は第一実施形態の開口部補強構造の鉄骨梁の応力解析図であり、(B)は第二実施形態の開口部補強構造の鉄骨梁の応力解析図であり、(C)は第三実施形態の開口部補強構造の鉄骨梁の応力解析図であり、(D)は開口部が補強されていない鉄骨梁の応力解析図である。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態の鉄骨梁の開口部補強構造について説明する。なお、水平方向の直交する二方向をX方向及びY方向とし、それぞれ矢印X及び矢印Yで示す。また、X方向及びY方向と直交する鉛直方向をZ方向とし、矢印Zで示す。
[構造]
図1(A)及び図1(B)に示すように、鉄骨梁50は、上下のフランジ52とウェブ54とを備えたH形鋼で構成されている。なお、鉄骨梁50のウェブ54の面外方向はY方向であり、梁長方向(鉄骨梁50の長手方向)はX方向である。
図1(A)に示すように、鉄骨梁50のウェブ54には、角部62が円形、つまり角丸(角R)の略四角形状の開口部60が形成されている。略四角形状の開口部60は、正面視(ウェブ54の面外方向から見た場合)で、各辺部61が縦方向(Z方向)又は横方向(X方向)に沿っている。
なお、便宜上、鉄骨梁50のウェブ54の一方の面を表面(おもてめん)56Aとし、他方の面を裏面(うらめん)56B(図1(B))とする。
図1(A)及び図1(B)に示すように、鉄骨梁50のウェブ54の表面56A及び裏面56B(図1(B))の両面に、開口部60の周囲を囲むように且つ各辺部61に沿って補強板70A、70Bが接合されている。なお、ウェブ54の表面56Aに接合された補強板70及びその端部72には符号の後にAを付し、ウェブ54の裏面56B(図1(B))に接合された補強板70及びその端部72は符号の後にBを付し、区別する必要がない場合は、A及びBを省略する。
本実施形態の開口部補強構造10では、図1(A)に示すように、鉄骨梁50のウェブ54の表面56A及び裏面56B(図1(B))の両面に接合された補強板70A、70Bは、正面(ウェブ54の面外方向(Y方向))から透視すると、開口部60の角部62の周囲で、異なる面(表面56A又は裏面56B)に接合された補強板70の端部72同士は交差し、同じ面に接合された補強板70の端部72はT字状に突当っている。
「異なる面に接合された補強板70の端部72同士が交差する」は、具体的には、ウェブ54の表面56Aに接合された補強板70Aの端部72Aと裏面56B(図1(B))に接合された補強板70Bの端部72Bとが、透視すると角部62の周囲で交差し、交差箇所から端部72Aと端部72Bとが横方向と縦方向(当該補強板70の長手方向)の二方向(開口部60周囲から遠ざかる方向)に延出している構造である。より具体的には、例えば、図1(A)の左上の角部62では、表面56AのX方向に沿った補強板70Aの端部72Aと裏面56BのZ方向に沿った補強板70Bの端部72Bとが透視すると交差し、交差箇所から端部72AはX方向に延在し、端部72BはZ方向に延出している構造である。
また、「同じ面に接合された補強板70の端部72はT字状に突当っている」は、具体的には、ウェブ54の同じ面に接合された補強板70の端部72同士は、一方の補強板70の端部72が隣接する他方の補強板70の端部72にT字状に突当り、他方の端部72は突き当たり箇所から長手方向に延出している構造である。より具体的には、例えば、図1(A)の左上の角部62では、表面56AのX方向に沿った補強板70Aの端部72AにZ方向に沿った補強板70Aの端部72AがT字状に突き当たっている構造である。
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
H形鋼で構成された鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aと裏面56Bの両面に補強板70A、70Bが開口部60の周囲を囲むように接合されることで、ウェブ54における開口部60の周囲が補強され、開口部60の周囲に作用する応力が低減される。更に、本実施形態の補強板70は、両面共に開口部60の各辺部61に沿って接合されている。よって、開口部60の周囲が効果的に補強されるので、開口部60の周囲に作用する応力が更に低減される。
鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに接合された補強板70Aの端部72Aと裏面56B(図1(B))に接合された補強板70Bの端部72Bとは、角部62の周囲で交差し、二つの端部72A及び端部72Bが交差箇所から縦方向及び横方向の二方向に延出している。よって、鉄骨梁50のウェブ54における開口部60の角部62の周囲の応力集中が効果的に抑制される。
また、同じ面の補強板70同士は、一方の端部72が他方の端部72にT字状に突当るように配置されおり、端部72同士は交差していないので、施工性が確保されている。
つまり、本実施形態のように鉄骨梁50のウェブ54の両面に補強板70を配置して接合することで、施工性を確保しつつ、開口部60の角部62の周囲の応力集中が効果的に抑制される。
(変形例)
次に、本第一実施形態の変形例の鉄骨梁の開口部補強構造について説明する。
[構造]
図2(A)及び図2(B)に示すように、本変形例の開口部補強構造11では、鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aにのみ、補強板70Aが開口部60の各辺部61に沿って接合されている。
[作用及び効果]
次に、本変形例の作用及び効果について説明する。
鉄骨梁50のウェブ54における開口部60の角部62の周囲で、補強板70Aの端部72Aが一方向にのみ延出している。したがって、第一実施形態の開口部補強構造10よりも効果は低いものの、ウェブ54における開口部60の角部62の周囲の応力集中が効果的に抑制される。
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態の鉄骨梁の開口部補強構造について説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
[構造]
図3に示すように、本実施形態の開口部補強構造12では、鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに補強板70Aが接合されている。補強板70Aは、ウェブ54の開口部60を囲むように且つ各辺部61に沿って接合されている。
補強板70Aは、正面(ウェブ54の面外方向(Y方向))から見ると、開口部60の角部62の周囲で、補強板70Aの端部72A同士が交差している。なお、少なくも一方の補強板70Aの端部72Aに切込みを入れることで、端部72A同士を交差させている。
また、図示は省略するが、鉄骨梁50のウェブ54の裏面56B(図1参照)にも補強板70B(図1参照)が、表面56Aと同じように端部72B同士が交差するように接合されている。つまり、ウェブ54の表面56A及び裏面56Bには、全く同じように補強板70が接合されている。
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
H形鋼で構成された鉄骨梁50のウェブ54の表面56A及び裏面56Bに補強板70A、70Bが開口部60の周囲を囲むように且つ開口部60の各辺部61に沿って接合されることで、ウェブ54における開口部60の周囲が効果的に補強され、開口部60の周囲に作用する応力が効果的に低減される。
また、本実施形態では開口部60の角部62の周囲で補強板70A、70Bの端部72A、72B同士が交差し、交差箇所から二つの端部72Aが縦方向と横方向の二方向に延出している。よって、鉄骨梁50のウェブ54における開口部60の角部62の周囲の応力集中が効果的に抑制される。
(変形例)
第二実施形態の変形例について説明する。
図示は省略するが、鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aには補強板70Aを縦方向(Z方向)に沿ってのみ横方向(X方向)に間隔をあけて配置して接合し、裏面56Bには補強板70Bを横方向(X方向)に沿ってのみ縦方向(Z方向)に間隔をあけて配置して接合してもよい。
<第三実施形態>
次に本発明の第三実施形態の鉄骨梁の開口部補強構造について説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
[構造]
図4に示すように、本実施形態の開口部補強構造13では、鉄骨梁50のウェブ54の一表面56Aに補強板70A、71Aが接合されている。補強板70A、71Aは、ウェブ54の開口部60を囲むように且つ各辺部61に沿って接合されている。
正面(ウェブ54の面外方向(Y方向))から見ると、開口部60の角部62の周囲で、縦方向(Z方向)に配置された補強板70Aの端部72Aに横方向(X方向)に配置された補強板71Aの端部73Aが突き当たりT字形状をなしている。よって、開口部60の角部62の周囲で、縦方向に配置された端部72Aは、突き当たり箇所から鉛直方向に延出している。
また、縦方向(Z方向)に配置された補強板70Aの端部72Aは、鉄骨梁50の上下のフランジ52に接合されている。
また、図示は省略するが、鉄骨梁50のウェブ54の裏面56B(図1参照)にも補強板70B、71Bが、表面56Aと同じように接合されている。
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
H形鋼で構成された鉄骨梁50のウェブ54の表面56A及び裏面56Bに補強板70A、71A、70B、71Bが開口部60の周囲を囲むように且つ開口部60の各辺部61に沿って接合されることで、ウェブ54における開口部60の周囲が効果的に補強され、開口部60の周囲に作用する応力が効果的に低減される。
また、本実施形態では、縦方向に配置された補強板70A、70Bの端部72A、72Bに横方向に配置された補強板71A、71Bの端部73A、73BがT字状に突当り、縦方向の端部72A、72Bが鉛直方向に延出している。よって、鉄骨梁50のウェブ54における開口部60の角部62の周囲の応力集中が、端部72同士が交差する場合よりも低いものの、効果的に抑制される。
なお、補強板70A、70Bの端部72A、72Bに補強板71A、71Bの端部73A、73BがT字状に突当り、交差していないので、施工性が確保されている。
更に、縦方向に配置された補強板70Aの端部72Aが、鉄骨梁50の上下のフランジ52に接合されている。よって、フィーレンデール架構と同様の効果により、開口部60の周囲に作用する応力が補強板70Aによってフランジ52に伝達され、開口部60の周囲に作用する応力が更に低減する。
<第四実施形態>
本発明の第四実施形態の鉄骨梁の開口部補強構造について説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
[構造]
図5(A)に示すように、本実施形態の開口部補強構造14では、鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aと裏面56Bの両面に補強板70A、70Bが、開口部60を囲むように且つ各辺部61に沿って格子状に接合されている。
図5(A)、図5(B)及び図5(C)に示すように、鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに接合された補強板70Aは、横方向(X方向)に沿って配置されている。また、図5(B)及び図5(C)に示すように、この表面56Aに接合された補強板70Aは、X方向から見ると板面が斜めに配置され、一方の側辺部74Aはウェブ54の表面56Aに接合され、他方の側辺部75Aはフランジ52に接合されている。
図5(A)及び図5(C)に示すように、鉄骨梁50のウェブ54の裏面56Bに接合された補強板70Bは、縦方向(Z方向)に沿って配置され、端部72Bが上下のフランジ52に接合されている。
よって、図5(A)に示すように、正面(ウェブ54の面外方向(Y方向))から透視すると、ウェブ54の表面56Aに接合された補強板70Aの端部72Aと裏面56B(図5(B)及び図5(C))に接合された補強板70Bの端部72Bとが、角部62の周囲で交差し、端部72Aと端部72Bとが、それぞれ横方向と縦方向の二方向に延出している。
[作用及び効果]
H形鋼で構成された鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに補強板70Aが開口部60の周囲を囲むように且つ開口部60の各辺部61に沿って接合されることで、ウェブ54における開口部60の周囲が効果的に補強され、開口部60の周囲に作用する応力が効果的に低減される。
また、本実施形態では、正面(ウェブ54の面外方向(Y方向))から透視すると、開口部60の角部62の周囲で補強板70Aの端部72Aと補強板70Bの端部72Bとが交差し、端部72A、72Bが横方向と縦方向の二方向に延出している。よって、鉄骨梁50のウェブ54における開口部60の角部62の周囲の応力集中が効果的に抑制される。
また、縦方向に配置された補強板70Bの端部72Bが、鉄骨梁50の上下のフランジ52に接合されている。よって、フィーレンデール架構と同様の効果により、開口部60の周囲に作用する応力が補強板70Bによってフランジ52に伝達され、開口部60の周囲に作用する応力が更に低減する。
更に、横方向に沿って配置された補強板70Aの一方の側辺部74Aをウェブ54に接合し、他方の側辺部75Aをフランジ52に接合することで、ウェブ54だけでなく、フランジ52の局部座屈が抑えられる。よって、開口部60の周囲の塑性変形性能が向上し、その結果、開口部60の周囲に作用する応力が更に低減する。
なお、表面56Aに接合された補強板70Aの端部72A同士は交差していない。同様に裏面56Bに接合された補強板70Bの端部72B同士は交差していない。よって、施工性が確保されている。
[その他]
第一実施形態の開口部補強構造10、その変形例の開口部補強構造11、変形例を含む第二実施形態の開口部補強構造12及び第三実施形態の開口部補強構造13においても、横方向に沿って配置された補強板70の一方の側辺部74をウェブ54に接合し、他方の側辺部75をフランジ52に接合してもよい。
<第五実施形態>
次に本発明の第五実施形態の鉄骨梁の開口部補強構造について説明する。なお、第一実施形態〜第四実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
[構造]
図6(A)に示すように、鉄骨梁50のウェブ54には、四角形状の開口部64が形成されている。四角形状の開口部64は、正面視(ウェブ54の面外方向から見た場合)で、各辺部65が縦方向(Z方向)(又は横方向(X方向))に対して斜めになるように形成されている。
図6(A)、図6(B)及び図6(C)に示すように、本実施形態の開口部補強構造15では、鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aと裏面56Bの両面に補強板70A、70Bが、開口部64を囲むように且つ各辺部65に沿って斜めに接合されている。
図6(A)に示すように、鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに接合された補強板70Aは、開口部60の対向する辺部65に沿って斜めに配置され、裏面56B(図6(B)及び図6(C))に接合された補強板70Bは、表面56Aとは異なる対向する辺部65に沿って斜めに配置されている。
また、補強板70A、70Bの端部72A、72Bは、上下のフランジ52に接合されている。
よって、正面(ウェブ54の面外方向(Y方向))から透視すると、ウェブ54の表面56Aに接合された補強板70Aと裏面56B(図6(B)及び図6(C))に接合された補強板70Bとは格子状に配置され、端部72Aと端部72Bとが開口部64の角部66の周囲で交差し、交差箇所から端部72Aと端部72Bとがそれぞれ長手方向に沿って斜めの二方向に延出している。
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
H形鋼で構成された鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに補強板70Aが開口部64の周囲を囲むように且つ開口部64の各辺部65に沿って接合されることで、ウェブ54における開口部64の周囲が効果的に補強され、開口部64の周囲に作用する応力が効果的に低減される。
また、本実施形態では開口部64の角部66の周囲で補強板70Aの端部72Aと補強板70Bの端部72Bとが交差し、交差箇所から端部72A、72Bが二方向に延出している。よって、鉄骨梁50のウェブ54における開口部64の角部66の周囲の応力集中が効果的に抑制される。
また、斜めに配置された補強板70A、70Bの端部72A、72Bが、鉄骨梁50の上下のフランジ52に接合されている。よって、トラス架構と同様の効果により、開口部64の周囲に作用する応力が補強板70A、70Bによってフランジ52に伝達され、開口部64の周囲に作用する応力が更に低減する。
なお、表面56Aに接合された補強板70Aの端部72A同士は交差していない。同様に裏面56Bに接合された補強板70Bの端部72B同士は交差していない。よって、施工性が確保されている。
<第六実施形態>
本発明の第六実施形態の鉄骨梁の開口部補強構造について説明する。なお、第一実施形態〜第五実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
[構造]
図7(A)、図7(B)及び図7(C)に示すように、本実施形態の開口部補強構造16では、鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに補強板70A、71Aが、開口部64を囲むように且つ各辺部65に沿って斜めに接合されている。
図7(A)に示すように、鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに接合された補強板70Aは、開口部64の対向する辺部65に沿って斜めに配置されている。また、補強板71Aは、補強板70Aとは異なる対向する辺部65に沿って斜めに配置されている。
正面(ウェブ54の面外方向(Y方向))から見ると、開口部64の角部66の周囲で、補強板70Aの端部72Aに補強板71Aの端部73Aが突き当たりT字形状をなしている。よって、開口部64の角部66の周囲で、端部72Aが斜め方向に延出している。
また、補強板70Aは、端部72Aが鉄骨梁50の上下のフランジ52に接合されている。
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
H形鋼で構成された鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに補強板70A、71Aが開口部64の周囲を囲むように且つ開口部64の各辺部65に沿って接合されることで、ウェブ54における開口部64の周囲が効果的に補強され、開口部64の周囲に作用する応力が効果的に低減される。
また、本実施形態では、補強板70Aの端部72Aに補強板71Aの端部73AがT字状に突当り、端部72Aが斜め方向に延出している。よって、鉄骨梁50のウェブ54における開口部64の角部66の周囲の応力集中が、端部72同士が交差する場合よりも低いものの、効果的に抑制される。
また、補強板70A、71Aの端部72A、73Aは、T字状に突当り、交差していないので、施工性が確保されている。
更に、斜めに配置された補強板70Aの端部72Aが、鉄骨梁50の上下のフランジ52に接合されている。よって、トラス架構と同様の効果により、開口部64の周囲に作用する応力が補強板70Aによってフランジ52に伝達され、開口部64の周囲に作用する応力が更に低減する。
<第七実施形態>
本発明の第七実施形態の鉄骨梁の開口部補強構造について説明する。なお、第一実施形態〜第六実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
[構造]
図8(A)、図8(B)及び図8(C)に示すように、本実施形態の開口部補強構造17では、鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに補強板70A、70Bが、開口部64を囲むように接合されている。
図8(A)に示すように、鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに接合された補強板70Aは、開口部64の横方向外側の角部66L、66Rの周囲を通るように縦方向に沿って配置されている。
鉄骨梁50のウェブ54の裏面56B(図8(B)及び図8(C))に接合された補強板70Bは、対向する辺部65に沿って斜めに配置されている。
正面(ウェブ54の面外方向(Y方向))から透視すると、開口部64の角部66L、66Rの周囲で、補強板70Aと補強板70Bとが交差し、交差箇所からそれぞれ長手方向に沿って二方向に延出している。
また、補強板70A、70Bは、端部72A、72Bが鉄骨梁50の上下のフランジ52に接合されている。
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
H形鋼で構成された鉄骨梁50のウェブ54の表面56Aに補強板70A、70Bが開口部64の周囲を囲むように接合されることで、ウェブ54における開口部64の周囲が効果的に補強され、開口部64の周囲に作用する応力が効果的に低減される。
また、本実施形態では開口部64の角部66L、66Rの周囲で補強板70Aと補強板70Bとが交差し、交差箇所から端部72A、72Bが二方向に延出している。よって、鉄骨梁50のウェブ54における開口部64の角部66L、66Rの周囲の応力集中が効果的に抑制される。
なお、表面56Aに接合された補強板70Aの端部72A同士は交差していない。同様に裏面56Bに接合された補強板70Bの端部72B同士は交差していない。よって、施工性が確保されている。
また、縦方向に配置された補強板70Aの端部72が、鉄骨梁50の上下のフランジ52に接合されている。よって、フィーレンデール架構と同様の効果により、開口部64の周囲に作用する応力が補強板70A、70Bによってフランジ52に伝達され、開口部64の周囲に作用する応力が更に低減する。
更に、斜めに配置された補強板70Bの端部72Bが、鉄骨梁50の上下のフランジ52に接合されている。よって、トラス架構と同様の効果により、開口部64の周囲に作用する応力が補強板70Bによってフランジ52に伝達され、開口部64の周囲に作用する応力が更に低減する。
<コンピュータシミュレーションによる応力解析結果>
第一実施形態の開口部補強構造10が適用された鉄骨梁50と、第二実施形態の開口部補強構造12が適用された鉄骨梁50と、第三実施形態の開口部補強構造13が適用された鉄骨梁50と、開口部60が補強されていない比較例の鉄骨梁50と、のコンピュータシミュレーションによる応力解析結果について説明する。
各鉄骨梁50は一端部が固定された片持ち梁とし、他端部に荷重を付加したときの応力分布を解析した。
図9に応力解析図が示されている。なお、(A)は第一実施形態の開口部補強構造10の鉄骨梁50の応力解析図であり、(B)は第二実施形態の開口部補強構造12の鉄骨梁50の応力解析図であり、(C)は第三実施形態の開口部補強構造13の鉄骨梁50の応力解析図であり、(D)は開口部60が補強されていない鉄骨梁50の応力解析図である。また、ドットが密になるほど、応力が大きいことを表している。
この図9(D)の開口部60が補強されていない鉄骨梁50では開口部60の角部62の周囲の応力が大きくなっている。これに対して、図9(A)の第一実施形態の開口部補強構造10の鉄骨梁50、図9(B)の第二実施形態の開口部補強構造12の鉄骨梁50及び図9(C)の第三実施形態の開口部補強構造13の鉄骨梁50では、それぞれ開口部60の角部62の周囲の応力が低下している。
特に、図9(A)の第一実施形態の開口部補強構造10の鉄骨梁50及び図9(B)の第二実施形態の開口部補強構造12の鉄骨梁50の開口部60の角部62の周囲の応力が大きく低下している。
しかし、図9(B)の第二実施形態の開口部補強構造12では、ウェブ54の同じ面で補強板70A、70Bの端部72A、72B同士が交差している。これに対して、図9(A)の第一実施形態の開口部補強構造10は、同じ面の補強板70A、70B同士は、一方の端部72A、72Bが他方の端部72A、72BにT字状に突当るように配置されており、端部72A同士及び端部72B同士は交差していないので、施工性が確保されている。
したがって、図9(A)の第一実施形態の開口部補強構造10は、施工性を確保しつつ、図9(B)の第二実施形態の開口部補強構造12と同等の開口部60の角部62の周囲の応力低下性能を有している。
なお、第四実施形態の開口部補強構造14が適用された鉄骨梁50、第五実施形態の開口部補強構造15が適用された鉄骨梁50及び第六実施形態の開口部補強構造16が適用された鉄骨梁50も、開口部64が補強されていない比較例の鉄骨梁50と比較し、開口部64の角部66の周囲の応力が低下することが、同様のコンピュータシミュレーションによる応力解析によって判っている。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、鉄骨梁50はH形鋼で構成されていたが、これに限定されない。その他の鋼材、例えばC形鋼であってもよい。
また、例えば、上記実施形態では、開口部60、64は、略四角形状又は四角形状であったが、これに限定されない。三角形や五角形以上の多角形状又は略多角形状の開口部であってもよい。なお、略多角形状とは、開口部60のように角部62が角丸である形状や角部がC面取りされたような形状等のことである。「C面取りされたような形状」とは、開口部の角部に三角形が残されたような形状である。
本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
10 開口部補強構造
11 開口部補強構造
12 開口部補強構造
13 開口部補強構造
14 開口部補強構造
15 開口部補強構造
16 開口部補強構造
50 鉄骨梁
52 フランジ
54 ウェブ
56A 表面
56B 裏面
60 開口部
61 辺部
62 角部
64 開口部
65 辺部
66 角部
70A 補強板
70B 補強板
71A 補強板
71B 補強板
72A 端部
72B 端部
73A 端部
73B 端部
74A 側辺部
75A 側辺部

Claims (5)

  1. 鉄骨梁のウェブに形成された多角形状又は略多角形状の開口部と、
    前記開口部の周囲を囲むように、前記ウェブの一面又は両面に接合され、正面から透視すると前記開口部の角部周囲で、交差又は一方の端部が他方の端部にT字状に突当り突き当たり箇所から他方の端部が延出する複数の補強板と
    を備えた鉄骨梁の開口部補強構造。
  2. 前記補強板は、多角形状又は略多角形状の前記開口部の各辺部に沿って接合されている、
    請求項1に記載の鉄骨梁の開口部補強構造。
  3. 前記補強板は、前記ウェブの両面に接合され、
    同じ面では、一方の前記端部が他方の前記端部にT字状に突当り、突き当たり箇所から他方の端部が延出し、
    異なる面では、前記端部同士が交差する、
    請求項1又は請求項2に記載の鉄骨梁の開口部補強構造。
  4. 前記鉄骨梁はH形鋼で構成され、
    前記補強板の前記端部は、前記鉄骨梁の上下のフランジに接合されている、
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の開口部補強構造。
  5. 前記鉄骨梁はH形鋼で構成され、
    横方向に沿って配置された前記補強板は、一方の側辺部が前記ウェブに接合され、他方の側辺部がフランジに接合されている、
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の鉄骨梁の開口部補強構造。
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