JP2020019850A - 木粉含有樹脂組成物及び木粉含有樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形機のスクリュー及びシリンダー等に対する腐食性を低減した木粉含有樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明は、木粉100質量部に対してオレフィン系合成樹脂50〜600質量部を含有し、さらに水酸化カルシウムが添加されてなる木粉含有樹脂組成物であって、前記水酸化カルシウムを添加しない木粉含有樹脂組成物における、木粉1g当たりの酢酸発生量をX(mol/g)としたとき、前記水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの0.5〜50倍等量モルであることを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、木粉含有樹脂組成物及び木粉含有樹脂成形体に関する。
木粉とオレフィン系合成樹脂とを混合し、押出、射出等により成形した製品は、木材と樹脂の長所を兼ね備える。すなわち、木粉含有樹脂成形品は、天然木に比べて強度低下や変退色が少なく、耐候性に優れており、また、天然木のように菌類によって腐朽しないため、耐腐朽性に優れている。一方で、木粉含有樹脂成形品は、その表面が木質感を備えるため、天然木のような暖かみのある外観及び感触を発揮し、安らぎ、癒し、自然との調和といったニーズに対応できる。また、原料となる木粉は、おが屑や間伐材等の廃木材を粉砕して得ることができるため、新たな森林伐採が抑制され、これは地球環境の保全に寄与する。このため、木粉含有樹脂成形品に関しては、テラス、デッキ等の住宅用建材として種々の開発が進められている。
このような木粉含有樹脂成形品は、一般に、木粉とオレフィン系合成樹脂とを混合し、押出、射出等により成形することにより製造される。例えば特許文献1には、「嵩比重0.2以上の木粉を50〜90重量%含有し、オレフィン系合成樹脂を10〜50重量%含有していることを特徴とする木粉配合樹脂成形体」と、当該「木粉配合樹脂成形体を成形する方法であって、押出機より押し出された樹脂をサイジング型により整形することを特徴とする木粉配合樹脂成形体の製造方法」が記載されている。
このような木粉とオレフィン系合成樹脂とを混合した木粉含有樹脂組成物を押出機で継続的に成形する場合、押出機のスクリューの破損と、破損したスクリューによるシリンダーの損傷が、ある期間ごとに発生して、成形中断を余儀なくされていた。押出機のスクリューとシリンダー交換による、メンテナンス費用と時間が生産再開に必要であった。
本発明者らは、押出機から取り外したシリンダーを観察したところ、孔食部があることを発見した。そこで本発明者らは、木粉から発生した酸成分が金属製のスクリュー及びシリンダーを腐食・孔食することが、スクリューの破損の原因ではないかとの新規な着想を得た。そこで、本発明者らは、押出機や射出成形機等の成形機に供給する木粉含有樹脂組成物の配合を最適化することで、当該成形機のスクリュー及びシリンダーや射出成型機の金型に対する腐食性を低減したいとの新規な課題を認識するに至った。
上記課題に鑑み、本発明は、成形機のスクリュー及びシリンダー等に対する腐食性を低減した木粉含有樹脂組成物、並びに、当該木粉含有樹脂組成物を成形してなる木粉含有樹脂成形体を提供することを目的とする。
本発明の木粉含有樹脂組成物は、木粉100質量部に対してオレフィン系合成樹脂50〜600質量部を含有し、さらに水酸化カルシウムが添加されてなる木粉含有樹脂組成物であって、前記水酸化カルシウムを添加しない木粉含有樹脂組成物における、木粉1g当たりの酢酸発生量をX(mol/g)としたとき、前記水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの0.5〜50倍等量モルであることを特徴とする。
本発明の木粉含有樹脂成形体は、上記本発明の木粉含有樹脂組成物を成形してなる木粉含有樹脂成形体である。
本発明の木粉含有樹脂組成物は、成形機のスクリュー及びシリンダー等に対する腐食性が低減されているため、成形機のスクリュー及びシリンダー等が長寿命化し、それらの交換頻度を減らすことができる。その結果、木粉含有樹脂組成物を成形してなる木粉含有樹脂成形体の生産性が向上し、生産コストが低減する。本発明の木粉含有樹脂成形体は、高い生産性の下で生産コストが低減して製造される。
(木粉含有樹脂組成物)
本発明の一実施形態による木粉含有樹脂組成物は、主成分として木粉及びオレフィン系合成樹脂を含有し、さらに水酸化カルシウムが添加されてなるものである。
本発明の一実施形態による木粉含有樹脂組成物は、主成分として木粉及びオレフィン系合成樹脂を含有し、さらに水酸化カルシウムが添加されてなるものである。
[木粉]
本実施形態による木粉含有樹脂組成物に用いられる木粉は、従来の又は一般的な木粉であればよく、例えば、製材工場等から排出される、おが屑や間伐材等の廃木材を粉砕して得ることができる。木粉を構成する木材の種類は特に限定されず、スギ、ヒノキ、ヒバ、モミ、カラマツ、アカマツ等を挙げることができる。木粉の粒径は、特に限定されないが、32〜500メッシュ(ASTM)の範囲内に分布するものであることが好ましい。
本実施形態による木粉含有樹脂組成物に用いられる木粉は、従来の又は一般的な木粉であればよく、例えば、製材工場等から排出される、おが屑や間伐材等の廃木材を粉砕して得ることができる。木粉を構成する木材の種類は特に限定されず、スギ、ヒノキ、ヒバ、モミ、カラマツ、アカマツ等を挙げることができる。木粉の粒径は、特に限定されないが、32〜500メッシュ(ASTM)の範囲内に分布するものであることが好ましい。
木粉は、廃木材を粉砕して得た段階では約10質量%の水分を含有している。そのため、例えばヘンシェルミキサーに木粉を投入し、真空脱気下で木粉にせん断発熱を起こさせて、木粉を100℃以上の、例えば150〜190℃程度まで昇温させる乾燥工程を行うことが好ましい。当該乾燥工程の結果、木粉から水分が蒸発し、それに伴い、木粉に含まれる大部分の木酢酸も揮発する。ただし、木粉内に残留した微量の木酢酸が成形機内のスクリュー及びシリンダーの腐食の原因となる。本実施形態は、この腐食を抑制するための技術である。
[オレフィン系合成樹脂]
本実施形態による木粉含有樹脂組成物に用いられるオレフィン系合成樹脂(以下、単に「樹脂」と称することもある。)は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらポリオレフィンの中でも、特に、安価で工業的に量産性があること、軽量でかつ剛性に優れ、比較的耐熱性が良好なこと、及び成形性が良いことから、ポリプロピレン(以下、「PP」と称することもある。)が好適である。
本実施形態による木粉含有樹脂組成物に用いられるオレフィン系合成樹脂(以下、単に「樹脂」と称することもある。)は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらポリオレフィンの中でも、特に、安価で工業的に量産性があること、軽量でかつ剛性に優れ、比較的耐熱性が良好なこと、及び成形性が良いことから、ポリプロピレン(以下、「PP」と称することもある。)が好適である。
木粉との混合及び混練に供する原料としてのオレフィン系合成樹脂は、例えばプラスチック加工工場から排出される廃プラスチックを用いることができ、粒径5mm以下の細チップ状またはペレット状のものを用いることができる。
[木粉とオレフィン系樹脂との質量比]
本実施形態において、添加する木粉とオレフィン系樹脂との質量比は、木粉100質量部に対してオレフィン系合成樹脂50〜600質量部とする。オレフィン系合成樹脂が50質量部未満の場合、木粉に対するバインダー効果が発現せず、成形が困難となるからであり、600質量部超えの場合、感触と光沢が樹脂材表面と変わらなくなるためである。
本実施形態において、添加する木粉とオレフィン系樹脂との質量比は、木粉100質量部に対してオレフィン系合成樹脂50〜600質量部とする。オレフィン系合成樹脂が50質量部未満の場合、木粉に対するバインダー効果が発現せず、成形が困難となるからであり、600質量部超えの場合、感触と光沢が樹脂材表面と変わらなくなるためである。
特に、木質感を高めたい場合には、木粉100質量部に対してオレフィン系合成樹脂200質量部以下とすることが好ましく、70〜100質量部とすることがより好ましい。すなわち、木粉と樹脂との合計量に対して木粉が50質量%以上含まれることによって、優れた木質感を得ることができる。なお、詳細は後述するが、本実施形態による木粉含有樹脂成形体は、例えば、表層部と中心部のように、木粉と樹脂との質量比が異なる複数の層から構成されていても良い。その場合、成形体表面の木質感を重視したい場合には、表層部においては、上記のような質量比を採用すれば良いが、中心部はこれに限定されず、木粉100質量部に対してオレフィン系合成樹脂50〜600質量部の範囲から適宜設定すればよい。
[水酸化カルシウム]
本実施形態の木粉含有樹脂組成物には、木粉から発生する木酢酸を中和するための中和剤として、水酸化カルシウムが添加される。
本実施形態の木粉含有樹脂組成物には、木粉から発生する木酢酸を中和するための中和剤として、水酸化カルシウムが添加される。
本発明者らは、成形機のスクリュー及びシリンダー等に対する腐食性を低減したいとの新規な課題を解決すべく、木粉含有樹脂組成物に、木粉から発生する木酢酸を中和するための中和剤を添加することを着想した。そして、後記の実験例1で詳細に説明するように、種々の中和剤の中から水酸化カルシウムを用いる場合には、成形性を損ねない程度の少量の添加で、成形機内での酢酸発生量を大きく低減することができることが判明した。
さらに、本発明者らは、木粉から発生する木酢酸を中和するための最適な添加量を検討した。すなわち、本実施形態では、水酸化カルシウムを添加しない木粉含有樹脂組成物における、木粉1g当たりの酢酸発生量をX(mol/g)としたとき、水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの0.5〜50倍等量モルであることが肝要である。
ここで、本明細書において「木粉1g当たりの酢酸発生量X」は、以下の手順で求めるものとする。水酸化カルシウムを添加しないこと以外は本実施形態の木粉含有樹脂組成物と同じ組成を有する木粉含有樹脂組成物を調製する。当該組成物を溶融、混練し、得られた混練物から、直径約2mm、高さ約2mmのペレットを作製する。こうして得られたペレットを密閉状態で190℃まで加熱し、発生したガスをガスクロマトグラフィーによって計測して発生ピークを得て、酢酸に当たるピーク面積から木粉1g当たりの酢酸発生量X(mol/g)を測定する。
水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの0.5倍当量モル以上であれば、成形機内で発生する木酢酸量を十分に低減することができる。一方、水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの0.5倍当量モル未満では、成形機内で発生する木酢酸量を低減する効果を十分に得ることができない。このように、本実施形態では、水酸化カルシウムを中和剤として適した量だけ添加することが肝要である。水酸化カルシウムの添加量は、より好ましくは1倍当量モル以上であり、さらに好ましくは2倍当量モル以上であり、さらに好ましくは6倍当量モル以上であり、さらに好ましくは8倍当量モル以上である。
OH-換算でXの50倍等量モルを超えて水酸化カルシウムを添加しても、成形機内で発生する木酢酸量の低減効果は飽和する。そのため、水酸化カルシウムの添加量はOH-換算でXの50倍等量モル以下とする。
本実施形態の木粉含有樹脂組成物において、Xが5〜30×10-6(mol/g)であることが好ましい。このようなX値は、木粉を既述の乾燥工程に供することにより得ることができる。Xが30×10-6(mol/g)以下であれば、成形機に供給される段階で木粉含有樹脂組成物中の木酢酸量が既に十分に低減されている。そのため、成形機内で発生する木酢酸量をより十分に低減することができる。一方で、Xが30×10-6(mol/g)を超える場合、成形機に供給される木粉含有樹脂組成物中の木酢酸量が過多となるため、成形機内で発生する木酢酸量の低減効果(中和効果)が不十分となる可能性がある。
本発明者らは、成形機内で発生する木酢酸量の低減効果(中和効果)は、木粉含有樹脂組成物に添加する原料としての水酸化カルシウムの比表面積に依存することを見出した。すなわち、比表面積が大きい水酸化カルシウムを添加する場合ほど、少量の添加で高い中和効果を得ることができる。
その観点から、本実施形態において木粉含有樹脂組成物に添加する水酸化カルシウムは、比表面積が10m2/g以上であることが好ましい。これにより、成形機内で発生する木酢酸量をより十分に低減することができる。
なお、本明細書において、「水酸化カルシウムの比表面積」は、BET法により求められるものとする。水酸化カルシウム(粒状体)は種々のメーカーにより製造、販売されているところ、概ね、比表面積が10〜20m2/gの一般グレードの製品と、比表面積を30〜80m2/gと高めた特殊グレードの製品とに二分される。一般グレード製品としては、宇部マテリアルズ株式会社製 JIS特号S消石灰(比表面積:14.7m2/g)、河合石灰工業株式会社製 JIS特号消石灰、等を挙げることができる。また、特殊グレード製品としては、マルアイ石灰工業株式会社製 カルブリードSII(比表面積:42.8m2/g)、河合石灰工業株式会社製 ファインカルク、等を挙げることができる。
水酸化カルシウムの比表面積が30m2/g以上の場合、比表面積が大きいため、高い中和効果を得ることができ、成形機内で発生する木酢酸量をより十分に低減することができる。その際、水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの1倍当量モル以上とすれば、水酸化カルシウムを添加しない場合の木酢酸発生量に対して80%以下に低減することが保証され、2倍当量モル以上とすれば70%以下に低減することが保証され、4倍当量モル以上とすれば50%以下に低減することが保証され、6倍当量モル以上とすれば30%以下に低減することが保証される。
水酸化カルシウムの比表面積が10〜20m2/gの場合には、水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの2倍等量モル以上であることが好ましい。これにより、成形機内で発生する木酢酸量をより十分に低減することができる。具体的には、水酸化カルシウムを添加しない場合の木酢酸発生量に対して85%以下に低減することが保証される。より好ましくは、4倍当量モル以上とすれば75%以下に低減することが保証され、6倍当量モル以上とすれば65%以下に低減することが保証され、8倍当量モル以上とすれば50%以下に低減することが保証される。
また、水酸化カルシウムの添加量はOH-換算でXの20倍等量モル以下であることが好ましい。これにより、成形機における木粉含有樹脂組成物の成形性が十分に確保される。
[その他の添加剤]
本実施形態の木粉含有樹脂組成物には、上記木粉、樹脂、及び水酸化カルシウムに加えて、必要に応じて、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂、着色剤等の各種添加剤を加えることができる。
本実施形態の木粉含有樹脂組成物には、上記木粉、樹脂、及び水酸化カルシウムに加えて、必要に応じて、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂、着色剤等の各種添加剤を加えることができる。
上記不飽和カルボン酸としては、如何なるものであってもよく、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、ソルビン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、上記不飽和カルボン酸の誘導体としては、如何なるものであってもよく、上記不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミド、エステル等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
着色剤としては、如何なるものであってもよく、例えば二酸化チタン、酸化コバルト、群青、紺青、弁柄、銀朱、鉛白、鉛丹、黄鉛、ストロンチウムクロメート、チタニウムイエロー、チタンブラック、ジンククロメート、鉄黒、モリブデン赤、モリブデンホワイト、リサージ、リトポン、カーボンブラック、エメラルドグリーン、ギネー緑、カドミウム黄、カドミウム赤、コバルト青、アゾ顔料、フタロシアニンブルー、イソインドリノン、キナクリドン、ジオキサジンバイオレット、ペリノンペリレン等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
その他必要に応じて、充填材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑材等の各種添加剤を加えることができる。
これら各種添加剤の添加量は、本実施形態の効果を損ねない限り限定されないが、木粉及びオレフィン系合成樹脂の合計量に対して20質量%以下とすることが好ましい。
[組成物の状態]
本実施形態の木粉含有樹脂組成物の状態は、(1)原料としての、木粉、オレフィン系合成樹脂の粒状体、水酸化カルシウムの粒状体、その他の添加剤を混合してなる粉粒体、(2)この粒状体を溶融・混練してなるペースト状の流動体、(3)この流動体を固化・造粒してなるペレット、(4)このペレットを成形機に供給して再度溶融させた状態、のいずれでもよい。
本実施形態の木粉含有樹脂組成物の状態は、(1)原料としての、木粉、オレフィン系合成樹脂の粒状体、水酸化カルシウムの粒状体、その他の添加剤を混合してなる粉粒体、(2)この粒状体を溶融・混練してなるペースト状の流動体、(3)この流動体を固化・造粒してなるペレット、(4)このペレットを成形機に供給して再度溶融させた状態、のいずれでもよい。
(木粉含有樹脂成形体)
本発明の一実施形態による木粉含有樹脂成形体は、上記本発明の一実施形態による木粉含有樹脂組成物を成形してなるものである。成形は、押出機による押出成形や、射出成型機による射出成形を挙げることができる。当該成形工程により、組成物を溶融及び成形して、所望形状の成形体を得て、その後得られる成形体を冷却する。
本発明の一実施形態による木粉含有樹脂成形体は、上記本発明の一実施形態による木粉含有樹脂組成物を成形してなるものである。成形は、押出機による押出成形や、射出成型機による射出成形を挙げることができる。当該成形工程により、組成物を溶融及び成形して、所望形状の成形体を得て、その後得られる成形体を冷却する。
本実施形態の木粉含有樹脂成形体は、高い生産性の下で生産コストが低減して製造される。
本実施形態の木粉含有樹脂成形体は、例えば、表層部と中心部のように、木粉と樹脂との質量比が異なる複数の層から構成されていても良い。その場合、表層部の厚みは0.5〜3mm程度とすることができる。複数の層の成形体は、共押出による成形で得ることができる。成形体の形状は、所望の製品形状を考慮して適宜決定すればよい。
(木粉含有樹脂組成物及び木粉含有樹脂成形体の製造方法)
本実施形態の木粉含有樹脂組成物及び木粉含有樹脂成形体を製造するための好適な製造方法について説明する。
本実施形態の木粉含有樹脂組成物及び木粉含有樹脂成形体を製造するための好適な製造方法について説明する。
[第1工程:木粉の乾燥工程]
まず、廃木材を粉砕して得た木粉をヘンシェルミキサーに投入し、炭酸カルシウム等の充填材、二酸化チタンや酸化コバルト等の着色剤を添加し、真空脱気下で木粉にせん断発熱を起こさせて、木粉を100℃以上の、例えば150〜190℃程度まで昇温させる。当該乾燥工程の結果、木粉から水分が蒸発し、それに伴い、木粉に含まれる大部分の木酢酸も揮発する。
まず、廃木材を粉砕して得た木粉をヘンシェルミキサーに投入し、炭酸カルシウム等の充填材、二酸化チタンや酸化コバルト等の着色剤を添加し、真空脱気下で木粉にせん断発熱を起こさせて、木粉を100℃以上の、例えば150〜190℃程度まで昇温させる。当該乾燥工程の結果、木粉から水分が蒸発し、それに伴い、木粉に含まれる大部分の木酢酸も揮発する。
[第2工程:樹脂との混合・混練工程]
その後、樹脂、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑材等をヘンシェルミキサーに添加し、木粉と樹脂の粒状体との混合物(粉粒体)を得る。引き続きミキサー内で樹脂を溶融させ、木粉と樹脂と混練して、170〜210℃程度のペースト状の流動体(混練物)を得る。
その後、樹脂、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑材等をヘンシェルミキサーに添加し、木粉と樹脂の粒状体との混合物(粉粒体)を得る。引き続きミキサー内で樹脂を溶融させ、木粉と樹脂と混練して、170〜210℃程度のペースト状の流動体(混練物)を得る。
[第3工程:造粒工程]
その後、ペースト状の流動体を冷却・固化し、固体の木粉含有樹脂組成物を得る。これをヘンシェルミキサーから排出し、ペレット製造機に供給して、直径約5mm、高さ約10mmのペレットを作製する。
その後、ペースト状の流動体を冷却・固化し、固体の木粉含有樹脂組成物を得る。これをヘンシェルミキサーから排出し、ペレット製造機に供給して、直径約5mm、高さ約10mmのペレットを作製する。
[第4工程:成形工程]
その後、得られたペレットを成形機に供給して再度溶融させ、溶融状態の組成物を成形して、所望形状の成形体を得て、その後得られる成形体を冷却する。
その後、得られたペレットを成形機に供給して再度溶融させ、溶融状態の組成物を成形して、所望形状の成形体を得て、その後得られる成形体を冷却する。
[その後の工程]
成形体の表面を削り、木質感を出すサンディング処理を行う。その後、成形体を適宜加工、部品付け、組立て等を行い、完成品を得ることができる。
成形体の表面を削り、木質感を出すサンディング処理を行う。その後、成形体を適宜加工、部品付け、組立て等を行い、完成品を得ることができる。
[木粉1g当たりの酢酸発生量Xの測定]
ここで、水酸化カルシウムを添加しない木粉含有樹脂組成物における、木粉1g当たりの酢酸発生量X(mol/g)は、第3工程のペレット(ただし、サイズは既述のとおり直径約2mm、高さ約2mmとする。)について、既述のガスクロマトグラフィーによって測定する。
ここで、水酸化カルシウムを添加しない木粉含有樹脂組成物における、木粉1g当たりの酢酸発生量X(mol/g)は、第3工程のペレット(ただし、サイズは既述のとおり直径約2mm、高さ約2mmとする。)について、既述のガスクロマトグラフィーによって測定する。
[水酸化カルシウムの添加量の決定]
測定した木粉1g当たりの酢酸発生量X(mol/g)に基づいて、上記本実施形態の範囲を満たすように水酸化カルシウムの添加量を決定する。
測定した木粉1g当たりの酢酸発生量X(mol/g)に基づいて、上記本実施形態の範囲を満たすように水酸化カルシウムの添加量を決定する。
[本実施形態の木粉含有樹脂組成物の製造]
本実施形態の木粉含有樹脂組成物の製造も、上記第1〜4工程のうちいずれかまでの工程を行う。ここで、中和剤としての水酸化カルシウムを添加するタイミングは、(1)第1工程を開始する際に、木粉とともにヘンシェルミキサーに添加する、(2)第2工程を開始する際に、樹脂とともにヘンシェルミキサーに添加する、(3)第4工程において、ペレットとともに成形機に添加する、のいずれでもよいが、成形機内で発生する木酢酸量の低減効果(中和効果)を十分に得る観点からは、(1)とすることが好ましい。
本実施形態の木粉含有樹脂組成物の製造も、上記第1〜4工程のうちいずれかまでの工程を行う。ここで、中和剤としての水酸化カルシウムを添加するタイミングは、(1)第1工程を開始する際に、木粉とともにヘンシェルミキサーに添加する、(2)第2工程を開始する際に、樹脂とともにヘンシェルミキサーに添加する、(3)第4工程において、ペレットとともに成形機に添加する、のいずれでもよいが、成形機内で発生する木酢酸量の低減効果(中和効果)を十分に得る観点からは、(1)とすることが好ましい。
[木粉含有樹脂成形体の適用例]
本実施形態の木粉含有樹脂成形体は、デッキ、デッキフェンス、園芸フェンス、デッキ門扉、及びステップ等の庭廻り製品、プランター等のバルコニー製品、フェンス及びポール等の門廻り製品に適用することができる。
本実施形態の木粉含有樹脂成形体は、デッキ、デッキフェンス、園芸フェンス、デッキ門扉、及びステップ等の庭廻り製品、プランター等のバルコニー製品、フェンス及びポール等の門廻り製品に適用することができる。
上記で説明した本発明の一実施形態を総括すると、以下のとおりである。
[1]木粉100質量部に対してオレフィン系合成樹脂50〜600質量部を含有し、さらに水酸化カルシウムが添加されてなる木粉含有樹脂組成物であって、
前記水酸化カルシウムを添加しない木粉含有樹脂組成物における、木粉1g当たりの酢酸発生量をX(mol/g)としたとき、前記水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの0.5〜50倍等量モルであることを特徴とする木粉含有樹脂組成物。
[1]木粉100質量部に対してオレフィン系合成樹脂50〜600質量部を含有し、さらに水酸化カルシウムが添加されてなる木粉含有樹脂組成物であって、
前記水酸化カルシウムを添加しない木粉含有樹脂組成物における、木粉1g当たりの酢酸発生量をX(mol/g)としたとき、前記水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの0.5〜50倍等量モルであることを特徴とする木粉含有樹脂組成物。
当該[1]の発明によれば、当該木粉含有樹脂組成物が成形機に供給されたときに、成形機内で発生する木酢酸量が低減される。すなわち、成形機のスクリュー及びシリンダー等に対する腐食性を低減することができるため、成形機のスクリュー及びシリンダー等が長寿命化し、それらの交換頻度を減らすことができる。その結果、木粉含有樹脂組成物を成形してなる木粉含有樹脂成形体の生産性が向上し、生産コストが低減する。
[2]前記Xが5〜30×10-6(mol/g)である、上記[1]に記載の木粉含有樹脂組成物。
当該[2]の発明によれば、成形機に供給される段階で木粉含有樹脂組成物中の木酢酸量が既に十分に低減されている。そのため、成形機内で発生する木酢酸量をより十分に低減することができる。
[3]前記水酸化カルシウムの比表面積が10m2/g以上である、上記[1]又は[2]に記載の木粉含有樹脂組成物。
当該[3]の発明によれば、成形機内で発生する木酢酸量をより十分に低減することができる。
[4]前記水酸化カルシウムの比表面積が30m2/g以上である、上記[3]に記載の木粉含有樹脂組成物。
当該[4]の発明によれば、成形機内で発生する木酢酸量をより十分に低減することができる。
[5]前記水酸化カルシウムの比表面積が10〜20m2/gであり、前記水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの2倍等量モル以上である、上記[3]に記載の木粉含有樹脂組成物。
当該[5]の発明によれば、成形機内で発生する木酢酸量をより十分に低減することができる。具体的には、水酸化カルシウムを添加しない場合の木酢酸発生量に対して85%以下に低減することが保証される。
[6]前記水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの20倍等量モル以下である、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の木粉含有樹脂組成物。
当該[6]の発明によれば、成形機における木粉含有樹脂組成物の成形性が十分に確保される。
[7]上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の木粉含有樹脂組成物を成形してなる木粉含有樹脂成形体。
当該[7]の発明によれば、木粉含有樹脂成形体が高い生産性の下で生産コストが低減して製造される。
(実験例1)
以下の5種類の中和剤について、以下の手順にて、組成物中の木粉から発生する木酢酸の中和効果を調査した。
中和剤1:炭酸カルシウム(CaCO3:重質炭カル) 丸尾カルシウム株式会社製 スーパーSSS
中和剤2:炭酸カルシウム(CaCO3:軽質炭カル) 丸尾カルシウム株式会社製 MSK−C
中和剤3:水酸化カルシウム(Ca(OH)2:消石灰) 宇部マテリアルズ株式会社製 JIS特号S消石灰
中和剤4:水酸化マグネシウム(Mg(OH)2:水マグ) 宇部マテリアルズ株式会社製 UD−650−1
中和剤5:炭酸水素ナトリウム(NaHCO3:重曹) AGC化学品カンパニー製 工重KF
以下の5種類の中和剤について、以下の手順にて、組成物中の木粉から発生する木酢酸の中和効果を調査した。
中和剤1:炭酸カルシウム(CaCO3:重質炭カル) 丸尾カルシウム株式会社製 スーパーSSS
中和剤2:炭酸カルシウム(CaCO3:軽質炭カル) 丸尾カルシウム株式会社製 MSK−C
中和剤3:水酸化カルシウム(Ca(OH)2:消石灰) 宇部マテリアルズ株式会社製 JIS特号S消石灰
中和剤4:水酸化マグネシウム(Mg(OH)2:水マグ) 宇部マテリアルズ株式会社製 UD−650−1
中和剤5:炭酸水素ナトリウム(NaHCO3:重曹) AGC化学品カンパニー製 工重KF
木粉(100メッシュパス70質量%以上)55質量部に対して上記5種類うち各種の中和剤を種々の添加量(添加量ゼロの場合を含む)で添加した粉粒体をヘンシェルミキサーでの混合及び真空脱気に供して、木粉を乾燥させた。その後、PP55質量部をヘンシェルミキサーに添加し、引き続きミキサー内でPPを溶融させ、木粉とPPとを混練した。次に、造粒工程として、得られた混練物から、直径約2mm、高さ約2mmのペレットを作製した。こうして得られた各ペレットについて、既述のガスクロマトグラフィーによって木粉1g当たりの酢酸発生量(mg/g)を測定した。図1に、各中和剤の添加部数と木粉1g当たりの酢酸発生量との関係を示す。
図1から明らかなように、中和剤1〜5のうち、水酸化カルシウム(中和剤3)を用いる場合には、成形性を損ねない程度の少量の添加で、木粉1g当たりの酢酸発生量を大きく低減することができた。そこで、本発明では、中和剤として水酸化カルシウムを用いることとした。なお、中和剤1を5質量部添加した組成物を用いた操業で、押出機のスクリューが破損することによる生産停止までの期間を約30%向上させることができることを確認した。このことから、水酸化カルシウムを用いた場合には、それを大きく上回る改善効果が期待される。
(実験例2)
比表面積が異なる2水準の水酸化カルシウムを用いて、実験例1と同様の手法で、組成物中の木粉から発生する木酢酸の中和効果を調査した。
消石灰1:宇部マテリアルズ株式会社製 JIS特号S消石灰(比表面積:14.7m2/g)
消石灰2:マルアイ石灰工業株式会社製 カルブリードSII(比表面積:42.8m2/g)
比表面積が異なる2水準の水酸化カルシウムを用いて、実験例1と同様の手法で、組成物中の木粉から発生する木酢酸の中和効果を調査した。
消石灰1:宇部マテリアルズ株式会社製 JIS特号S消石灰(比表面積:14.7m2/g)
消石灰2:マルアイ石灰工業株式会社製 カルブリードSII(比表面積:42.8m2/g)
木粉55質量部及びPP55質量部に対する各消石灰1,2の添加量は、表1に示す0〜1質量部の7水準とした。実験例1と同様の手法で、得られた各ペレットについて、既述のガスクロマトグラフィーによって木粉1g当たりの酢酸発生量(mg/g)を測定した。表1に、消石灰1及び2の各々について、酢酸発生量(mg/g)と酢酸発生量(μmol/g)を示す。また、消石灰を添加しない場合の酢酸発生量Xは13.428×10-6(mol/g)であり、このXに対する消石灰の添加量(OH-換算での当量モル)を、合わせて表1に示す。また、消石灰を添加しない場合の酢酸発生量を1.000(100%)としたときの各添加量での酢酸発生量の比率を「酢酸発生量の低減率」として、表1に示す。
これらの結果をまとめたものとして、図2には、消石灰の添加部数と木粉1g当たりの酢酸発生量との関係を示し、図3には、消石灰の酢酸に対する倍率(OH-モル量換算)と、酢酸発生量の低減率との関係を示す。
表1及び図3から明らかなように、消石灰1,2ともに、少量の添加で酢酸発生量を低減することができ、特に比表面積の大きい消石灰2ではその効果が高かった。消石灰1に関しては、酢酸発生量Xの2倍当量モル以上添加した場合に、酢酸発生量を85%以下に低減することができ、4倍当量モル以上添加すれば75%以下に低減でき、6倍当量モル以上添加すれば65%以下に低減でき、8倍当量モル以上添加すれば50%以下に低減できることがわかる。また、比表面積が大きい消石灰2では、酢酸発生量Xの1倍当量モル以上添加した場合に、酢酸発生量を80%以下に低減することができ、2倍当量モル以上添加すれば70%以下に低減でき、4倍当量モル以上添加すれば50%以下に低減でき、6倍当量モル以上添加すれば30%以下に低減できることがわかる。これらの結果から、本発明範囲の組成物を押出機に供すれば、押出機内で発生する木酢酸量が低減し、成形機のスクリュー及びシリンダー等が長寿命化することが期待される。
(実験例3)
本発明範囲の添加量の水酸化カルシウムを添加した以下の配合の組成物を用いて、実際の押出成形を行った例を示す。
本発明範囲の添加量の水酸化カルシウムを添加した以下の配合の組成物を用いて、実際の押出成形を行った例を示す。
[表層部]
木粉:25質量部(100メッシュパス70質量%以上)
PP:75質量部
無水マレイン酸変性PP:0.5質量部
着色剤:5.5質量部
紫外線吸収剤:0.6質量部
滑材:0.3質量部
水酸化カルシウム(比表面積:14.7m2/g):0.5質量部(Xの18倍当量モル)
木粉:25質量部(100メッシュパス70質量%以上)
PP:75質量部
無水マレイン酸変性PP:0.5質量部
着色剤:5.5質量部
紫外線吸収剤:0.6質量部
滑材:0.3質量部
水酸化カルシウム(比表面積:14.7m2/g):0.5質量部(Xの18倍当量モル)
[中心部]
木粉:55質量部(100メッシュパス70質量%以上)
PP:38部
無水マレイン酸変性PP:0.5質量部
炭酸カルシウム:7質量部
滑材:0.3質量部
水酸化カルシウム(比表面積:14.7m2/g):0.5質量部(Xの18倍当量モル)
木粉:55質量部(100メッシュパス70質量%以上)
PP:38部
無水マレイン酸変性PP:0.5質量部
炭酸カルシウム:7質量部
滑材:0.3質量部
水酸化カルシウム(比表面積:14.7m2/g):0.5質量部(Xの18倍当量モル)
実験例1と同様の手順で、上記配合の組成物(ペレット)を作製した。なお、水酸化カルシウムは、乾燥工程を開始する際に、木粉とともにヘンシェルミキサーに添加した。上記表層部用の組成物と中心部用の組成物とを共押出により成形して、2層構造の成形品を得ることができた。
本発明の木粉含有樹脂組成物は、成形機のスクリュー及びシリンダー等に対する腐食性が低減されているため、成形機のスクリュー及びシリンダー等が長寿命化し、それらの交換頻度を減らすことができる。その結果、木粉含有樹脂組成物を成形してなる木粉含有樹脂成形体の生産性が向上し、生産コストが低減し、産業上有用である。
Claims (7)
- 木粉100質量部に対してオレフィン系合成樹脂50〜600質量部を含有し、さらに水酸化カルシウムが添加されてなる木粉含有樹脂組成物であって、
前記水酸化カルシウムを添加しない木粉含有樹脂組成物における、木粉1g当たりの酢酸発生量をX(mol/g)としたとき、前記水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの0.5〜50倍等量モルであることを特徴とする木粉含有樹脂組成物。 - 前記Xが5〜30×10-6(mol/g)である、請求項1に記載の木粉含有樹脂組成物。
- 前記水酸化カルシウムの比表面積が10m2/g以上である、請求項1又は2に記載の木粉含有樹脂組成物。
- 前記水酸化カルシウムの比表面積が30m2/g以上である、請求項3に記載の木粉含有樹脂組成物。
- 前記水酸化カルシウムの比表面積が10〜20m2/gであり、前記水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの2倍等量モル以上である、請求項3に記載の木粉含有樹脂組成物。
- 前記水酸化カルシウムの添加量がOH-換算でXの20倍等量モル以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の木粉含有樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の木粉含有樹脂組成物を成形してなる木粉含有樹脂成形体。
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---|---|---|---|---|
JP2005126470A (ja) * | 2003-10-21 | 2005-05-19 | Sankyo Organic Chem Co Ltd | 木質熱可塑性樹脂からなる組成物 |
WO2005047184A1 (ja) * | 2003-11-13 | 2005-05-26 | Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. | 水銀化カルシウム、それを含有する樹脂組成物および成形品 |
WO2006118325A1 (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. | 樹脂組成物 |
JP2018095708A (ja) * | 2016-12-12 | 2018-06-21 | トヨタ車体株式会社 | 内装品の製造方法 |
-
2018
- 2018-07-30 JP JP2018142880A patent/JP2020019850A/ja active Pending
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