JP2020019506A - スポンジチタン格納容器の製造方法及びスポンジチタンの管理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1(A)は、本発明に係るスポンジチタン格納容器の製造方法の一実施形態において供される格納容器を模式的に示す概略正面図であり、図1(B)は、本発明に係るスポンジチタン格納容器の製造方法の一実施形態において供される格納容器に備わる締結バンド及び締結部材を模式的に示す部分拡大図であり、図1(C)は、本発明に係るスポンジチタン格納容器の製造方法の一実施形態において供される格納容器に備わる締結バンドを模式的に示す平面図である。図2は、本発明に係るスポンジチタン格納容器の製造方法の一実施形態を説明するためのフロー図である。図3(A)〜(D)は、本発明に係るスポンジチタン格納容器の製造方法の一実施形態において、締付けトルク量を測定する方法を説明するための模式的な部分拡大図である。
樹脂被覆鋼板としては、例えば、フッ素樹脂積層被覆鋼板、塩化ビニル樹脂被覆鋼板、ポリエチレン樹脂被覆鋼板等が挙げられる。
めっき鋼板としては、例えば亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板等が挙げられる。
鋼板がめっき層と樹脂層を備える場合、最も外側の層に基づきめっき鋼板か樹脂被覆鋼板かを判別する。例えば、鋼板表面にめっき層が形成され、該めっき層にさらに樹脂層が形成されている場合は最外層が樹脂層であるので樹脂被覆鋼板とする。また、鋼板の一方表面最外層がめっき層であり、他方最外層が樹脂層である場合、格納容器1の内側(スポンジチタン格納側)となる最外層に基づきめっき鋼板か樹脂被覆鋼板かを判別する。
鋼板としては、例えば炭素鋼の鋼板、ステンレス鋼板、クラッド鋼板等が挙げられる。鋼板を使用して格納容器を成形した場合、成形後の格納容器にめっき処理等を施して耐酸化性を向上してもよい。
なお、本実施形態において、顔料等の塗料層は、鋼板の判別に考慮しない。
真空引き工程S11では、格納容器1にスポンジチタンを格納し、天板20で胴体10の上端開口を塞ぎ、蓋カール21と胴板カール11とを外周側から包み込むように締結バンド40を取り付ける。天板20に設けられた排気口金に連結したパイプを介して真空ポンプで真空引きする。これにより、格納容器1内の空気及び水分を外部へ排出することができる。なお、格納容器1内を、典型的に1000Pa以下(絶対圧)に減圧排気すればよく、600Pa以下(絶対圧)としてもよい。
次に、締付け工程S21では、真空引き工程S11中、またはその後に、締結部材50で締結バンド40を締付ける。
充填封入工程S31では、締付け工程S21後、充填口金に連結したパイプを介して不活性ガスボンベで所定の内部圧力になるまで格納容器1内に不活性ガスを充填して、スポンジチタン格納容器を製造する。なお、内部圧力は、典型的に大気圧であるが、これには限定されない。内部圧力はドラム缶の形状を維持できる圧力であれば足り、これはドラム缶のサイズや材料鋼板の厚さ等に鑑み適宜決定すればよい。
ここで、スポンジチタンについては、酸素分析装置を用いて、不活性ガス溶融非分散型赤外吸収法によって酸素量を分析する。
締付け工程S21時における締結部材50の締付けトルク量は、10N・m以上35N・m以下となる。上記締付けトルク量は、格納容器1内の気密性を確保するという観点から、下限側として10N・m以上であり、12N・m以上が好ましく、15N・m以上がより好ましい。また、上記締付けトルク量は、ユーザが気密性を有する格納容器1を開封しやすいことを考慮し、上限側として35N・m以下であり、25N・m以下が好ましく、20N・m以下がより好ましい。
まず、図3(A)に示すように、スポンジチタンを格納容器1に格納した後、蓋カール21と胴板カール11とを外周側から包み込むように締結バンド40を取り付け、締結部材50で締付ける。図3(B)に示すように、S字金具42、42’の外表面とナット52の側面にマーキングチョークで1本のラインLをマーキングする。マーキングした後、ボルト51またはナット52を緩めると、図3(C)に示すように、S字金具42、42’の外表面とナット52の側面のラインLが不一致となる。但し、図3(C)ではナット52の位置をボルト挿通部43’から極端に離してある。そして、再度、図3(D)に示すように、S字金具42、42’の外表面とナット52の側面にマーキングしたラインLを一致させるために、自動測定器付きトルクレンチでボルト51またはナット52を締付ける。ラインLが一致したときに、自動測定器付きトルクレンチから計測された数値を、締付けトルク量とする。
例えばこのような手法を使用し、所望の締付けトルク量を実現する作業を検証可能である。気密性を有する格納容器の締結部材50を一旦緩めてしまうと気密性が損なわれるおそれがある。よって、上記締付けトルク量を確認する方法を活用し、所望の締付けトルク量を実現できる作業を事前に設定することが好ましい。
本発明に係るスポンジチタン格納容器は、一実施形態において、上端縁に胴板カール11を有する胴体10と、胴体10の上端開口に開閉可能であって、外周縁に蓋カール21を有する天板20と、胴板カール11と蓋カール21との間に挟み込むためのガスケット22とを有し、スポンジチタンを格納した格納容器1と、蓋カール21と胴板カール11とを外周側から包み込むように取り付けた締結バンド40と、締結バンド40を締付けるための締結部材50とを備える。そして、締結部材50の締付けトルク量は10N・m以上35N・m以下である。なお、上述したスポンジチタン格納容器の製造方法と重複する説明を割愛する。
本発明に係るスポンジチタンの管理方法は、一実施形態において、上端縁に胴板カール11を有する胴体10と、胴体10の上端開口に開閉可能であって、外周縁に蓋カール21を有する天板20と、胴板カール11と蓋カール21との間に挟み込むためのガスケット22とを備えた格納容器1に、スポンジチタンを格納した後、蓋カール21と胴板カール11とを外周側から包み込むように締結バンド40を取り付け、締結部材50で締結バンド40を締付ける締付け工程S21を含む。そして、締付け工程S21後における締結部材50の締付けトルク量が10N・m以上35N・m以下となる。なお、上述したスポンジチタン格納容器の製造方法と重複する説明を割愛する。
まず、図1(A)及び(B)に示すように、上端縁に胴板カール11を有する胴体10と、胴体10の上端開口に開閉可能であって、外周縁に蓋カール21を有する天板20と、胴板カール11と蓋カール21との間に挟み込むためのガスケット22とを備えた格納容器(JIS Z 1600に基づいた鋼製オープンドラム缶)を用意した。蓋カール21は、合成ゴム製のガスケット22を取り付けた。格納容器1にスポンジチタンを格納し、天板20で胴体10の上端開口を塞いだ。次に、蓋カール21と胴板カール11とを外周側から包み込むように締結バンド40を取り付けた。
図3(A)〜(D)に示す順序に従って、計測機器(登録商標デジラチェ、KTC社製)を計測モードにし、スポンジチタン格納容器を製造後屋内にて1年6ヶ月保管時における締付けトルク量を計測した。なお、別ロットにて締付け工程を再現して締付け工程での締付けトルク量も計測した。スポンジチタン格納容器を1年6ヶ月保管した後においても該締付けトルク量は締付け工程にて確認された締付けトルク量と同等程度であったため、表1には1年6ヶ月保管時における締付けトルク量を示す。
製造したスポンジチタン格納容器を屋内に1年6ヶ月置いた。
なお、酸素・窒素分析装置(TC−436AR、LECO株式会社製)を用いて、不活性ガス溶融非分散型赤外吸収法によって、スポンジチタンの酸素量を分析した。分析は、格納容器への格納前(表1に示す「格納時」)およびスポンジチタンを格納した時から1年6ヶ月経過時(表1に示す「保管後」)とした。
スポンジチタン格納容器を製造後1年6ヶ月経過時のスポンジチタン格納容器1を開封したことについて、下記基準で評価した。「〇」評価が合格である。なお、結果を表1に示す。
(評価基準)
○:スポンジチタン格納容器を速やかに開封することができた。
△:スポンジチタン格納容器を開封するのに時間を要したが、開封することができた。
×:スポンジチタン格納容器を開封することができなかった。
比較例1では、屋内保存時におけるスポンジチタンの酸素吸収を検証した。製造したスポンジチタンを格納容器に入れないで実施例1の格納容器と同じ場所に100日間置いた。スポンジチタンの屋内静置時および100日経過時に実施例1と同様の方法でスポンジチタンの酸素量を分析した。なお、結果を表2に示す。
比較例2では、実施例1よりも締付けトルク量が大きくなるように調整したこと以外、実施例1と同様に行った。実施例1と同様に、各評価について実施した。なお、結果を表3に示す。
実施例1では、比較例2のように締付けトルク量を大きくしなくても、良好な気密性を確保でき、格納容器に格納されたスポンジチタンが外気と遮断されていたといえる。一方、比較例1では、外気の影響によりスポンジチタンの酸素量が経時的に上昇したと考えられる。
10 胴体
11 胴板カール
12a、b 輪帯
20 天板
21 蓋カール
22 ガスケット
30 地板
40 締結バンド
41 バンド本体
41a 切れ目
42、42’ S字金具
43、43’ ボルト挿通部
50 締結部材
51 ボルト
52 ナット
L ライン
S11 真空引き工程
S21 締付け工程
S31 充填封入工程
Claims (7)
- 上端縁に胴板カールを有する胴体と、前記胴体の上端開口に開閉可能であって、外周縁に蓋カールを有する天板と、前記胴板カールと前記蓋カールとの間に挟み込むためのガスケットとを備えた格納容器に、スポンジチタンを格納した後、前記蓋カールと前記胴板カールとを外周側から包み込むように締結バンドを取り付け、締結部材で前記締結バンドを締付ける締付け工程を含み、
前記締結部材の締付けトルク量が10N・m以上35N・m以下となる、スポンジチタン格納容器の製造方法。 - 前記締結バンドは、リング形状のバンド本体を有し、
前記バンド本体は、一カ所に切れ目を設けた、請求項1に記載のスポンジチタン格納容器の製造方法。 - 前記格納容器は、樹脂被覆鋼板、めっき鋼板、及び鋼板からなる群から選択される少なくとも1種を材料とする、請求項1又は2に記載のスポンジチタン格納容器の製造方法。
- 前記格納容器に前記スポンジチタンを格納した時から、1年6ヶ月経過時における前記スポンジチタン中の酸素の増加量が0.005質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスポンジチタン格納容器の製造方法。
- 上端縁に胴板カールを有する胴体と、前記胴体の上端開口に開閉可能であって、外周縁に蓋カールを有する天板と、前記胴板カールと前記蓋カールとの間に挟み込むためのガスケットとを有し、スポンジチタンを格納した格納容器と、
前記蓋カールと前記胴板カールとを外周側から包み込むように取り付けた締結バンドと、
前記締結バンドを締付けるための締結部材とを備え、
前記締結部材の締付けトルク量が10N・m以上35N・m以下である、スポンジチタン格納容器。 - 上端縁に胴板カールを有する胴体と、前記胴体の上端開口に開閉可能であって、外周縁に蓋カールを有する天板と、前記胴板カールと前記蓋カールとの間に挟み込むためのガスケットとを備えた格納容器に、スポンジチタンを格納した後、前記蓋カールと前記胴板カールとを外周側から包み込むように締結バンドを取り付け、締結部材で前記締結バンドを締付ける締付け工程を含み、
前記締付け工程後における前記締結部材の締付けトルク量が10N・m以上35N・m以下となる、スポンジチタンの管理方法。 - 前記格納容器に前記スポンジチタンを格納した時から、1年6ヶ月経過時における前記スポンジチタン中の酸素の増加量が0.005質量%以下である、請求項6に記載のスポンジチタンの管理方法。
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