JP2020019297A - 車両におけるlin通信の通信状態診断方法及び通信状態診断装置 - Google Patents

車両におけるlin通信の通信状態診断方法及び通信状態診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の十分な安全性を担保した上で、車両におけるLIN通信に関し、車両の利便性を損なったり、誤ったエラー記録を残したりすることなく、電気系統の初期化時に実施される固定値通信の通信状態判定を的確に行い得る通信状態診断方法及び通信状態診断装置を提供する。【解決手段】本発明に係る通信状態診断方法及び通信状態診断装置は、車両の電気系統の初期化時にマスタ装置とスレーブ装置との間でLIN通信を介して実施される固定値通信についての通信状態診断方法及び通信状態診断装置であって、前記マスタ装置からの要求に応じた前記スレーブ装置からの応答の、前記マスタ装置における受信成功回数に基づいて通信状態判定を行うことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、車両におけるLIN(Local Interconnect Network)通信の通信状態診断方法及び通信状態診断装置に関する。
車両に搭載された電気系統、電装部品等を駆動するための電力供給源として、車両には、バッテリが搭載されている。また、車両には、バッテリを充電するためのオルタネータ(発電機)が搭載されている。オルタネータは、エンジンのクランク軸に結合されており、クランク軸の回転動作に基づいて発電を行う装置である。
また、車両におけるLIN通信を介しては、車両の各種構成要素を制御するための種々の通信が行われる。
車両におけるLIN通信は、従来から、例えば、オルタネータの制御に用いられてきた(例えば、特許文献1,2参照)。
上記従来技術の他にも、イグニション・オン時等における車両の電気系統の初期化時には、車両におけるLIN通信を介して、マスタ装置としてのエンジンECU(Electronic Control Unit)とスレーブ装置としてのオルタネータとの間で、オルタネータの種類や機種名等のステータスをエンジンECUが確認するための固定値通信が行われる。
この初期化時の固定値通信によって、エンジンECUは、所定のオルタネータが車両の電気系統に接続されていることを確認した上で、その後の制御動作に移行する。従って、この初期化時におけるオルタネータとの通信によって得られる固定値に基づいて、エンジンECUは、オルタネータの充電制御における制御パラメータの設定乃至変更を行う。
また、上記初期化時の固定値通信の際には、エンジンECUは、オルタネータとの間のLIN通信に関して通信状態診断を実施する。
このLIN通信の通信状態診断は、車両の電気系統の初期化時におけるマスタ装置とスレーブ装置との間のLIN通信、例えば、エンジンECUとオルタネータとの間のLIN通信を介した固定値通信の際の所定時間の間に実施される。
車両におけるLIN通信に関する従来の最も一般的な通信状態診断方法は、具体的には、例えば、以下のように実施される。
イグニション・オン時等における車両の電気系統の初期化時に、例えば、160ミリ秒(ms)周期で23回(即ち、3.68秒間)の固定値通信を、LIN通信を介して試行する。そして、その固定値通信の試行中に、連続してN回(例えば、3回)、オルタネータからエンジンECUにレスポンス(応答)が返ってこなかった場合には、エンジンECUは、当該車両におけるLIN通信が通信途絶状態であるとの判定を行う。即ち、上記条件に該当する場合には、マスタ装置としてのエンジンECUは、当該車両におけるLIN通信の通信状態がエラー状態にあるとの判定を行う。
ただし、連続してN回レスポンスが返ってこなかった後に1回でもレスポンスが返ってきた場合には、エンジンECUは、通信途絶状態であるとの判定、即ち、通信状態がエラ
ー状態にあるとの判定を解除する。
従来の通信状態診断方法においては、上述のような判定基準に基づいて、マスタ装置、例えばエンジンECUが、車両におけるLIN通信の通信状態について、通信途絶状態の有無、即ち、エラー状態の有無の判定を行っていた。
特開2009−214830号公報 国際公開第2014/024317号
しかしながら、上記従来の通信状態診断方法においては、以下のような課題があった。
固定値通信に基づくLIN通信の通信状態診断方法は、イグニション・オン時等の、車両の電気系統の初期化時に実施されるので、スタータ駆動時のバッテリ電圧の変動等に起因して、実際には故障状態ではないにも拘わらず、LIN通信の通信途絶状態が擬似的に発生する場合がある。スタータ駆動時のバッテリ電圧の変動以外にも、例えば、ノイズ信号の混入等の軽微な問題によっても、オルタネータからのレスポンスを正常に識別することができなくなり、見かけ上の通信途絶状態と判定される場合があり得る。
このように、車両におけるLIN通信が正常動作の範囲内で機能しているにも拘わらず、一時的な軽微な問題に起因して、通信途絶状態との判定がなされてしまう可能性があり得る。
そして、従来の通信状態診断方法においては、例えば上記具体例の場合、3.68秒間に亘って23回行われる固定値通信の最後の3回のレスポンスが、一時的な軽微な問題に起因して、返ってこなかった場合又は正常に識別されなかった場合、通信途絶状態との判定がなされてしまい、かつ、その後の1回のレスポンスにより当該判定が解除される可能性もない、という場合が起こり得る。
また、連続して3回のレスポンスが返ってこなかったのが固定値通信の最後の3回ではない場合であっても、残されたわずかな通信回数の間にレスポンスが返ってこなかったとき又はレスポンスを正常に識別することができなかったときは、通信途絶状態との判定即ちエラー状態との判定が上記同様に維持されることとなる。
従って、以上のような各場合においては、通信途絶状態との判定即ちエラー状態との判定が最終判定として確定することとなる。
即ち、連続して3回のレスポンスが返ってこなかった原因が一時的な軽微な問題であって、実際には、LIN通信は、実用上問題のない範囲で正常に機能し、通信可能であるにも拘わらず、エラー状態の発生が車両の記録装置に記録として残されることとなり、事実上の誤記録となる。
また、通信途絶状態との判定即ちエラー状態との判定が最終判定として確定すると、当該判定がトリガの一つとなってフェールセーフ機能が発動し、その後の通常の制御動作に移行することができなくなること等により、安全は確保されるものの、車両の利便性を損なう事態を招きかねない。
特に、オルタネータに関連する通信状態の管理においては、通信途絶状態との判定がなされた場合に発動するフェールセーフ機能は、安全確保のために、オルタネータの発熱を抑止乃至抑制する方向への制御を行う基本方針に基づいて設計されている。
従って、上記フェールセーフ機能が発動した場合には、オルタネータが発電をしない方向への制御が行われるので、オルタネータの過熱等による危険は回避されるものの、バッテリの充電不足によるバッテリの電圧低下が起こり、エンジンの始動性悪化を招く可能性がある。
なお、車両におけるLIN通信の通信途絶状態の判定基準に関して、車両の電気系統の初期化時に実施される固定値通信ではなく、その後の通常の制御動作中にエンジンECU(マスタ装置)とオルタネータ(スレーブ装置)との間で常時行われる変動値通信(例えば、電圧値、温度値、回転数、デューティ比値及びそれらの指示値、異常情報等の通信)においては、連続してN回(例えば、3回)、オルタネータからエンジンECUにレスポンスが返ってこなかった場合には、直ちに通信途絶状態と判定するという判定基準が適用されている。
車両の電気系統の初期化時に実施される固定値通信とは事情が異なり、通常の制御動作中に常時行われる変動値通信の場合には、LIN通信に不具合が生じて古い値が更新されない状態になると、制御精度の低下や機器の高負荷状態による早期劣化を招きかねないので、厳格かつ迅速な判断及び対応が要求されるからである。
車両の電気系統の初期化時には、通常、車両はまだ走行し始めていないので、その際の固定値通信に関しては、走行動作中の変動値通信の場合と同様の厳格な判定基準は、本来、必要とされない。
しかしながら、実際の従来技術においては、初期化時の固定値通信に関しても、変動値通信の場合と同様に、連続してN回、レスポンスが返ってこなかった場合には通信途絶状態と判定するという判定基準が適用されており(ただし、その後に1回以上のレスポンスが返ってきた場合には判定解除する。)、過度に厳格な判定基準を適用することによって、車両の利便性を損なったり、誤ったエラー記録を残したりする可能性があるという課題があった。
本発明の目的は、車両の十分な安全性を担保した上で、車両におけるLIN通信に関し、車両の利便性を損なったり、誤ったエラー記録を残したりすることなく、電気系統の初期化時に実施される固定値通信の通信状態判定を的確に行い得る通信状態診断方法及び通信状態診断装置を提供することである。
本発明に係る通信状態診断方法は、車両の電気系統の初期化時にマスタ装置とスレーブ装置との間でLIN通信を介して実施される固定値通信についての通信状態診断方法であって、前記マスタ装置からの要求に応じた前記スレーブ装置からの応答の、前記マスタ装置における受信成功回数に基づいて通信状態判定を行うことを特徴とする。
本発明に係る通信状態診断装置は、車両の電気系統の初期化時にマスタ装置とスレーブ装置との間でLIN通信を介して実施される固定値通信についての通信状態診断装置であって、前記マスタ装置からの要求に応じた前記スレーブ装置からの応答の、前記マスタ装置における受信成功回数に基づいて通信状態判定を行う通信状態判定部を備えることを特徴とする。
本発明に係る通信状態診断方法及び通信状態診断装置においては、前記受信成功回数が所定期間内に所定回数に到達した場合に、前記通信状態判定として通信良好状態判定を行う。
本発明に係る通信状態診断方法及び通信状態診断装置の一態様においては、前記通信良好状態判定を、前記所定期間の経過時に行うものとするとよい。
本発明に係る通信状態診断方法及び通信状態診断装置の上記一態様においては、前記受信成功回数の前記所定回数は、許容タイミング遅延率に基づいて算定されるものとするとよい。
本発明に係る通信状態診断方法及び通信状態診断装置の一態様においては、前記通信良好状態判定を、前記受信成功回数の前記所定回数への到達時に行うものとするとよい。
本発明に係る通信状態診断方法及び通信状態診断装置の一態様においては、前記受信成功回数が所定期間内に所定回数に到達しなかった場合に、前記所定期間を延長し、前記受信成功回数が延長期間内に前記所定回数に到達した場合に、前記通信状態判定として通信良好状態判定を行うものとするとよい。
本発明に係る通信状態診断方法及び通信状態診断装置の一態様においては、前記マスタ装置は、エンジンECUであり、前記スレーブ装置は、オルタネータであるものとするとよい。
本発明に係る通信状態診断装置の一態様においては、当該通信状態診断装置は、エンジンECUにより構成されているものとするとよい。
本発明に係る通信状態診断方法の第1の実施形態における動作手順を示すフローチャート。 本発明に係る通信状態診断方法の第2の実施形態における動作手順を示すフローチャート。 本発明に係る通信状態診断方法が適用される、車両のLIN通信におけるマスタ装置としてのエンジンECUとスレーブ装置としてのオルタネータとを含む、車両の構成部分を示すブロック図。
図3は、本発明に係る通信状態診断方法が適用される、車両のLIN通信におけるマスタ装置としてのエンジンECUとスレーブ装置としてのオルタネータとを含む、車両の構成部分を示すブロック図である。
図3に示す構成部分は、車両に搭載された電気系統、電装部品等を駆動するための電力供給源としてのバッテリ3と、車両のLIN通信におけるマスタ装置としてのエンジンECU1と、バッテリ3を充電するためのオルタネータ(発電機)2であって、車両のLIN通信におけるスレーブ装置としてのオルタネータ2と、エンジンECU1とオルタネータ2とを接続するLIN通信線4と、バッテリ3とエンジンECU1及びオルタネータ2とを接続するバッテリ線5と、エンジンECU1とバッテリ線5との間に接続されてイグニション・オン制御を行うためのイグニション・スイッチ6とを含んでいる。
図1は、本発明に係る通信状態診断方法の第1の実施形態における動作手順を示すフローチャートである。本発明に係る通信状態診断方法は、本発明に係る通信状態診断装置に
より実施される方法であり、通常は、車両のLIN通信におけるマスタ装置としてのエンジンECU1が、通信状態判定部を備える通信状態診断装置として構成される。
本発明に係る通信状態診断方法の第1の実施形態においては、第1の判断基準として、車両の電気系統の初期化時における所定期間中の、固定値通信におけるレスポンスの通信途絶回数によって通信途絶状態であるとの判定を行うのではなく、マスタ装置(即ち、エンジンECU1)からの要求に応じたスレーブ装置(即ち、オルタネータ2)からのレスポンスの、マスタ装置における受信成功回数によって通信良好状態であるとの判定を行う。なお、ここでは、オルタネータ2をスレーブ装置としているが、オルタネータ2に含まれるオルタネータ制御ユニットをスレーブ装置としてもよい。
イグニション・オン時等における車両の電気系統の初期化時に、ここでは、例えば、160ミリ秒(ms)周期で23回(即ち、3.68秒間)の固定値通信を、LIN通信を介して試行する。そして、その固定値通信の試行中に、エンジンECU1におけるオルタネータ2からのレスポンス(応答)の受信成功回数が、全通信回数の70%以上の回数(即ち、ここでは、16回以上)に到達した場合には、エンジンECU1は、当該車両におけるLIN通信は通信良好状態であるとの判定を行う。
なお、通信良好状態であるとの判定を行うための受信成功回数を、ここでは、全通信回数の70%以上の回数としたのは、許容タイミング遅延率を40%とした場合、1/1.4×100=約70%となることによるが、上記受信成功回数は、任意に設定可能である。
一方、固定値通信の試行中に、エンジンECU1におけるオルタネータ2からのレスポンスの受信成功回数が、全通信回数の70%未満の回数(即ち、ここでは、16回未満)にしか到達しない場合には、エンジンECU1は、当該車両におけるLIN通信は通信途絶状態であるとの判定を行うことも可能であるが、ここでは、エンジンECU1は、当該車両におけるLIN通信の通信状態判定を留保し、通信途絶状態であるとの判定を直ちに行わずに、以下に説明する第2の判断基準を用いて、固定値通信の通信状態判定プロセスをさらに続行することができる。
即ち、本発明に係る通信状態診断方法の第1の実施形態においては、第2の判断基準として、固定値通信のための所定期間中にレスポンスの受信成功回数が所定回数に到達しなかった場合には、レスポンスの受信成功回数が所定回数に到達するまで、固定値通信のための期間を延長する。延長する期間には、所定の制限を設けるものとするとよいが、固定値通信の場合、ある程度の期間延長を行うことにより、通常は、レスポンスの受信成功回数が所定回数に到達するので、延長する期間の制限は、厳密なものでなくてもよい。延長する期間の上限は、例えば、10秒(s)、1000秒(s)等とすることができる。
以下、図1のフローチャートに従って、本発明に係る通信状態診断方法の第1の実施形態における動作手順を説明する。
イグニション・オン時等における車両の電気系統の初期化動作が開始されると、本発明に係る通信状態診断方法の第1の実施形態における動作手順も開始され、ここでは、例えば、160ミリ秒(ms)周期で23回(即ち、3.68秒間)の固定値通信を、LIN通信を介して試行するものとする。
固定値通信においては、マスタ装置としてのエンジンECU1から、スレーブ装置としてのオルタネータ2に対し、所定の固定値を含むメッセージの送信の要求がなされ、その要求に応じて、オルタネータ2は、当該オルタネータの種類や機種名等のステータスを示
す所定の固定値を含むメッセージを、レスポンス(応答)としてエンジンECU1に送信する。当該メッセージに含まれる所定の固定値は、エンジンECU1が、オルタネータ2の種類や機種名等のステータスを確認するために用いられる。ただし、ここでは、メッセージの要求及び応答を繰り返すことによって、車両におけるLIN通信の通信状態診断が実施される。
ステップS11においては、エンジンECU1によって、オルタネータ2からのレスポンスとしてのメッセージを規定回数以上受信することに成功したか否かが識別される。ここでの規定回数は、上述のとおり、全通信回数23回の70%以上の回数、即ち、16回以上とされている。
受信成功回数が規定回数に到達していない場合には、ステップS12において、固定値通信を開始した後の経過時間が規定時間に到達したか否かが識別される。
固定値通信を開始した後の経過時間が規定時間に到達していない場合には、ステップS13において、エンジンECU1からオルタネータ2に対し、再度、メッセージの送信の要求がなされ、その要求に応じて、オルタネータ2は、メッセージをレスポンス(応答)としてエンジンECU1に送信する。これに応じて、上記ステップS11、ステップS12が順次繰り返される。
ステップS11において、エンジンECU1によって、オルタネータ2からのレスポンスとしてのメッセージを規定回数以上受信することに成功したことが識別された場合には、固定値通信を開始した後の経過時間が規定時間に到達するまでに受信成功回数の条件が満たされたことになるので、ステップS14において、エンジンECU1は、時間切れ判定として、当該車両におけるLIN通信は通信良好状態であるとの判定、即ち、正常状態であるとの判定を行う。
当該車両におけるLIN通信は通信良好状態であるとの判定、即ち、正常状態であるとの判定に応じて、ステップS15において、エンジンECU1は、車両の電気系統の初期化後における通常の制御モードによる通常の制御動作に移行する。
一方、ステップS11において、受信成功回数が規定回数に到達していないことが識別され、さらに、ステップS12において、固定値通信を開始した後の経過時間が当初の規定時間に到達したことが識別された場合には、エンジンECU1は、規定時間の延長を行う。
規定時間の延長を行った後は、延長後の規定時間が経過するまで、ステップS13,ステップS11,ステップS12を繰り返す。
ステップS11において、受信成功回数が規定回数に到達していないことが識別され、さらに、ステップS12において、固定値通信を開始した後の経過時間が延長後の規定時間に到達したことが識別された場合には、固定値通信を開始した後の経過時間が延長後の規定時間に到達するまでに受信成功回数の条件が満たされなかったことになるので、ステップS16において、エンジンECU1は、時間切れ判定として、当該車両におけるLIN通信は通信途絶状態であるとの判定、即ち、エラー状態であるとの判定を行う。
当該車両におけるLIN通信は通信途絶状態であるとの判定、即ち、エラー状態であるとの判定に応じて、ステップS17において、エンジンECU1は、車両の電気系統の初期化後におけるエラー状態を想定した安全制御モードによる安全制御動作に移行する。
以上に説明したように、本発明に係る通信状態診断方法の第1の実施形態においては、固定値通信におけるレスポンスの受信成功回数によって通信良好状態であるとの判定を行い、必要に応じて規定時間の延長も行うので、車両の十分な安全性を担保した上で、車両におけるLIN通信に関し、固定値通信の通信状態判定基準を実用上問題のない範囲で緩和し、車両の利便性を損なったり、誤ったエラー記録を残したりすることなく、固定値通信の通信状態判定を的確に行うことができる。
図2は、本発明に係る通信状態診断方法の第2の実施形態における動作手順を示すフローチャートである。
本発明に係る通信状態診断方法の第2の実施形態においては、第3の判断基準として、車両の電気系統の初期化時における所定期間中の、固定値通信におけるマスタ装置(即ち、エンジンECU1)からの要求に応じたスレーブ装置(即ち、オルタネータ2)からのレスポンスの、マスタ装置における受信成功回数が所定回数に到達した時点で通信良好状態であるとの判定を直ちに行い、かつ、所定期間経過前であっても、即ち、固定値通信の全試行回数完了前であっても、当該判定を行った時点で固定値通信を終了させることにより当該判定を確定させる。
イグニション・オン時等における車両の電気系統の初期化時に、ここでは、例えば、160ミリ秒(ms)周期で23回(即ち、3.68秒間)の固定値通信を、LIN通信を介して試行する。そして、その固定値通信の試行中に、エンジンECU1におけるオルタネータ2からのレスポンス(応答)の受信成功回数が、所定回数(例えば、ここでは、3回)に到達した場合には、エンジンECU1は、当該車両におけるLIN通信は通信良好状態であるとの判定を直ちに行い、かつ、所定期間(3.68秒間)の経過前であっても、即ち、固定値通信の全試行回数(23回)の完了前であっても、当該判定を行った時点で固定値通信を終了させることにより当該判定を確定させる。
一方、固定値通信の試行中に、即ち、所定期間(3.68秒間)が経過するまでに、エンジンECU1におけるオルタネータ2からのレスポンスの受信成功回数が、所定回数(3回)に到達しない場合には、エンジンECU1は、当該車両におけるLIN通信は通信途絶状態であるとの判定を行う。
本発明に係る通信状態診断方法の第2の実施形態においては、通信良好状態であるとの判定を行うための受信成功回数を第1の実施形態よりも少なく設定しており、LIN通信に継続的な通信途絶状態が発生していない限り、通常は当該受信成功回数に到達すると考えられるので、ここでは、固定値通信のための所定期間の延長は、行わないものとする。ただし、固定値通信のための所定期間の延長は、行うものとしてもよい。
以下、図2のフローチャートに従って、本発明に係る通信状態診断方法の第2の実施形態における動作手順を説明する。
イグニション・オン時等における車両の電気系統の初期化動作が開始されると、本発明に係る通信状態診断方法の第2の実施形態における動作手順も開始され、ここでは、例えば、160ミリ秒(ms)周期で23回(即ち、3.68秒間)の固定値通信を、LIN通信を介して試行するものとする。ただし、前述のとおり、固定値通信の規定時間(3.68秒間)の経過前であっても、即ち、固定値通信の全試行回数(23回)の完了前であっても、通信良好状態であるとの判定を行った場合には、固定値通信を終了させる。
ステップS21においては、エンジンECU1によって、オルタネータ2からのレスポンスとしてのメッセージを規定回数以上受信することに成功したか否かが識別される。こ
こでの規定回数は、上述のとおり、3回とされている。
受信成功回数が規定回数に到達していない場合には、ステップS22において、固定値通信を開始した後の経過時間が規定時間に到達したか否かが識別される。
固定値通信を開始した後の経過時間が規定時間に到達していない場合には、ステップS23において、エンジンECU1からオルタネータ2に対し、再度、メッセージの送信の要求がなされ、その要求に応じて、オルタネータ2は、メッセージをレスポンス(応答)としてエンジンECU1に送信する。これに応じて、上記ステップS21、ステップS22が順次繰り返される。
ステップS21において、エンジンECU1によって、オルタネータ2からのレスポンスとしてのメッセージを規定回数以上受信することに成功したことが識別された場合には、固定値通信を開始した後の経過時間が規定時間に到達する前であっても、ステップS24において、エンジンECU1は、最終判定として、当該車両におけるLIN通信は通信良好状態であるとの判定、即ち、正常状態であるとの判定を行う。
当該車両におけるLIN通信は通信良好状態であるとの判定、即ち、正常状態であるとの判定に応じて、ステップS25において、エンジンECU1は、車両の電気系統の初期化後における通常の制御モードによる通常の制御動作に移行する。
一方、ステップS21において、受信成功回数が規定回数に到達していないことが識別され、さらに、ステップS22において、固定値通信を開始した後の経過時間が規定時間に到達したことが識別された場合には、固定値通信を開始した後の経過時間が規定時間に到達するまでに受信成功回数の条件が満たされなかったことになるので、ステップS26において、エンジンECU1は、時間切れ判定として、当該車両におけるLIN通信は通信途絶状態であるとの判定、即ち、エラー状態であるとの判定を行う。
当該車両におけるLIN通信は通信途絶状態であるとの判定、即ち、エラー状態であるとの判定に応じて、ステップS27において、エンジンECU1は、車両の電気系統の初期化後におけるエラー状態を想定した安全制御モードによる安全制御動作に移行する。
以上に説明したように、本発明に係る通信状態診断方法の第2の実施形態においては、固定値通信におけるレスポンスの受信成功回数が所定の規定回数に到達した場合には、規定時間の経過前であっても、通信良好状態であるとの判定を行いかつ当該判定を確定させるので、車両の十分な安全性を担保した上で、車両におけるLIN通信に関し、固定値通信の通信状態判定基準を実用上問題のない範囲で緩和し、車両の利便性を損なったり、誤ったエラー記録を残したりすることなく、固定値通信の通信状態判定を的確に行うことができる。
なお、以上に説明した本発明に係る通信状態診断方法及び通信状態診断装置の第1及び第2の実施形態においては、車両のLIN通信におけるマスタ装置がエンジンECU1であり、スレーブ装置がオルタネータ2(又はオルタネータ制御ユニット)である場合を例に挙げて説明したが、マスタ装置及びスレーブ装置としては、他の任意の装置を適用することができる。

Claims (15)

  1. 車両の電気系統の初期化時にマスタ装置とスレーブ装置との間でLIN通信を介して実施される固定値通信についての通信状態診断方法であって、
    前記マスタ装置からの要求に応じた前記スレーブ装置からの応答の、前記マスタ装置における受信成功回数に基づいて通信状態判定を行うことを特徴とする通信状態診断方法。
  2. 前記受信成功回数が所定期間内に所定回数に到達した場合に、前記通信状態判定として通信良好状態判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信状態診断方法。
  3. 前記通信良好状態判定を、前記所定期間の経過時に行うことを特徴とする請求項2に記載の通信状態診断方法。
  4. 前記受信成功回数の前記所定回数は、許容タイミング遅延率に基づいて算定されることを特徴とする請求項2又は3に記載の通信状態診断方法。
  5. 前記通信良好状態判定を、前記受信成功回数の前記所定回数への到達時に行うことを特徴とする請求項2に記載の通信状態診断方法。
  6. 前記受信成功回数が所定期間内に所定回数に到達しなかった場合に、前記所定期間を延長し、前記受信成功回数が延長期間内に前記所定回数に到達した場合に、前記通信状態判定として通信良好状態判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信状態診断方法。
  7. 前記マスタ装置は、エンジンECUであり、前記スレーブ装置は、オルタネータであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の通信状態診断方法。
  8. 車両の電気系統の初期化時にマスタ装置とスレーブ装置との間でLIN通信を介して実施される固定値通信についての通信状態診断装置であって、
    前記マスタ装置からの要求に応じた前記スレーブ装置からの応答の、前記マスタ装置における受信成功回数に基づいて通信状態判定を行う通信状態判定部を備えることを特徴とする通信状態診断装置。
  9. 前記通信状態判定部は、前記受信成功回数が所定期間内に所定回数に到達した場合に、前記通信状態判定として通信良好状態判定を行うことを特徴とする請求項8に記載の通信状態診断装置。
  10. 前記通信状態判定部は、前記通信良好状態判定を、前記所定期間の経過時に行うことを特徴とする請求項9に記載の通信状態診断装置。
  11. 前記受信成功回数の前記所定回数は、許容タイミング遅延率に基づいて算定されることを特徴とする請求項9又は10に記載の通信状態診断装置。
  12. 前記通信状態判定部は、前記通信良好状態判定を、前記受信成功回数の前記所定回数への到達時に行うことを特徴とする請求項9に記載の通信状態診断装置。
  13. 前記通信状態判定部は、前記受信成功回数が所定期間内に所定回数に到達しなかった場合に、前記所定期間を延長し、前記受信成功回数が延長期間内に前記所定回数に到達した場合に、前記通信状態判定として通信良好状態判定を行うことを特徴とする請求項8に記載の通信状態診断装置。
  14. 前記マスタ装置は、エンジンECUであり、前記スレーブ装置は、オルタネータであることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一項に記載の通信状態診断装置。
  15. エンジンECUにより構成されていることを特徴とする請求項8乃至14のいずれか一項に記載の通信状態診断装置。
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