JP2020018835A - 医療用器具の関節部および医療用器具 - Google Patents

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大輔 原口
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Abstract

【課題】関節部および術具の操作性を確保しやすい医療用器具の関節部および医療用器具を提供する。【解決手段】内部に空間を有する筒状に形成された柔軟性の高い外殻部31と、外殻部31の内部空間に配置され、外殻部31よりも圧縮剛性が高い筒状に形成された芯材チューブ41と、芯材チューブ41の内部空間に配置され、内部に術具の操作に用いられるケーブル21が挿通されるとともに芯材チューブ41よりもケーブル21に対する摩擦係数が小さな材料から筒状に形成された樹脂チューブ51と、が設けられていることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、医療用器具の関節部および医療用器具に関する。
近年、手術支援ロボットを用いた内視鏡外科手術が普及しつつある。手術支援ロボットの鉗子にはロール、ピッチ、およびヨーの合計3つの自由度を持つ柔軟な関節部が設けられている。この関節部により、鉗子の先端はロール方向、ピッチ方向、およびヨー方向に回動可能となり、操作者の手首関節の動きを再現することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特許第5339472号公報
上述の特許文献1に開示されているワイヤ駆動により柔軟な関節部を屈曲させ、かつ、鉗子(以下「エンドエフェクタ」とも表記する。)による把持などの動作を行う構造においては、例えば、駆動ワイヤに大きな張力が加えられると、屈曲や把持などの動作を操作者の意図通りに行いにくくなるという問題がある。これは、関節部における圧縮方向の剛性が不足する場合に発生するものであり、当該剛性が不足する関節部が、駆動ワイヤの張力によって収縮して潰れてしまうために発生するものである。
この問題を解決するために、圧縮剛性と屈曲柔軟性を有する密着コイルばね等の部材を関節部の芯材として用いる技術が提案されている。しかしながらこの技術には、密着コイルばねは縮まないことから、エンドエフェクタの動作と、関節部の屈曲動作とが干渉する問題がある。
具体的には、駆動ワイヤに張力を加えることにより関節部を屈曲させると、関節部における屈曲の内側は縮まずに外側が延びる。その一方で、エンドエフェクタを駆動するワイヤは、関節部の中に配置されている。上述のように、内側は縮まずに外側が延びる態様で関節部が屈曲すると、内部に配置されたエンドエフェクタを駆動するワイヤの経路長は、屈曲前と比較して長くなる。
つまり、関節部を屈曲させるとエンドエフェクタを駆動するワイヤを操作しなくても、エンドエフェクタを操作する張力が加えられる。このように、エンドエフェクタの動作と、関節部の屈曲動作とを独立させることが難しく、両者が干渉するという問題があった。
芯材の代わりに、芯材の外周に配置される外殻部によって圧縮剛性および屈曲柔軟性(線形弾性特性)を持たせる技術も提案されている。この技術では、側面にスリット(切れ目)を設けたニッケルチタン合金から形成されたチューブ(以下「NiTiチューブ」とも表記する。)が用いられている。
しかしながら、外殻部により圧縮剛性および屈曲柔軟性を確保する場合には、外殻部は芯材と比較して径が大きいため、屈曲半径も比較して大きくなる。屈曲半径が大きくなると、屈曲半径が小さい場合と比較して、当該関節部を有する手術支援ロボットにおける手術時の操作性が悪くなる問題がある。
その一方で、屈曲半径と小さくするために、外殻部に設けるスリットの切り込み量を大きくすると、外殻部の屈曲に対する耐久性が確保しにくくなり、破断するおそれが高くなるという問題がある。
また、上述のように関節部の内部にエンドエフェクタを駆動するワイヤが配置されている場合、関節部が屈曲すると、関節部の内面と当該ワイヤとが接触する。接触した状態で当該ワイヤを操作する際、関節部の内面との間で摩擦が働きワイヤの操作を阻害するという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、関節部および術具の操作性を確保しやすい医療用器具の関節部および医療用器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の第1の態様に係る医療用器具の関節部は、医療用器具における棒状部および術具の間に配置される関節部であって、内部に空間を有する筒状に形成された柔軟性の高い外殻部と、前記外殻部の内部空間に配置され、前記外殻部よりも圧縮剛性が高い筒状に形成された芯材チューブと、前記芯材チューブの内部空間に配置され、内部に前記術具の操作に用いられるケーブルが挿通されるとともに前記芯材チューブよりも前記ケーブルに対する摩擦係数が小さな材料から筒状に形成された樹脂チューブと、が設けられていることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る医療用器具は、本発明の第1の態様に係る関節部と、前記関節部の一方の端部に配置される棒状部と、前記関節部の他方の端部に配置される術具と、が設けられていることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る医療用器具の関節部、および、第2態様に係る医療用器具によれば、外殻部、芯材チューブ、および、樹脂チューブを組み合わせることにより関節部および術具の操作性を確保しやすくなる。
具体的には、外殻部および芯材チューブの組み合わせにより、関節部は全体として円弧形状に屈曲しやすくなり、関節部の操作性を確保しやすい。また、関節部において圧縮剛性が不足することを抑制でき、術具の操作性を確保しやすい。
また、樹脂チューブを組み合わせることにより、術具の操作に用いるケーブルを関節部の中心軸線近傍に配置させやすくなる。これにより、関節部が屈曲した際にケーブルの経路長の変化を抑制しやすくなり、術具の操作性を確保しやすい。さらにケーブルに対する摩擦係数が小さいため、ケーブルの操作が行いやすくなり、術具の操作性を確保しやすい。
上記発明において前記芯材チューブの側面には、周方向に延びる複数のスリット設けられ、前記複数のスリットは、前記芯材チューブの長手方向に等間隔に並んで配置されていることが好ましい。
このように長手方向に等間隔に並ぶ複数のスリットを設けることにより、スリットの間隔が不均一である場合と比較して、関節部における長手方向の柔軟性を均一にしやすくなり、関節部の操作性を確保しやすくなる。
上記発明において前記芯材チューブの側面には、周方向に延びる複数のスリット設けられ、前記複数のスリットは、前記芯材チューブの長手方向に並んで配置されていると共に、前記複数のスリットの配置間隔は、前記長手方向における前記棒状部から前記術具に向かって短くなることが好ましい。
このように複数のスリットの配置間隔を術具に向かって短くすることにより、スリットの間隔が均一である場合と比較して、関節部における術具側の柔軟性が高くなるため関節部を円弧状に屈曲させやすくなる。
上記発明において前記外殻部は、らせん状の構造を有する可撓体であることが好ましい。
このように外殻部を帯状に形成された外殻板をらせん状に巻いて形成することにより、例えば、円板状に形成された外殻板を長手方向に並べて配置した場合と比較して、関節部の長手方向の寸法を短くしやすい。
上記発明において前記外殻部は、中心に貫通孔が設けられた複数の円盤状の部材である外殻板が、前記長手方向に並んで配置されていることが好ましい。
このように複数の円盤状に形成された外殻板を長手方向に並べた外殻部とすることにより、帯状に形成された外殻板をらせん状に巻いて外殻部を形成する場合と比較して、関節部におけるねじり剛性を高めやすくなる。
上記発明において前記芯材チューブは、少なくともニッケルおよびチタンを成分として含む金属材料から形成されていることが好ましい。
このように少なくともニッケルおよびチタンを成分として含む金属材料から芯材チューブを形成することにより、その他の金属材料から芯材チューブを形成する場合と比較して、芯材チューブの圧縮剛性および屈曲柔軟性を確保しやすくなる。
上記発明において前記芯材チューブおよび前記樹脂チューブの間の隙間は、前記外殻部材および前記芯材チューブの間の隙間よりも小さいことが好ましい。
このように芯材チューブおよび樹脂チューブの間の隙間を、外殻部材および芯材チューブの間の隙間よりも小さくすることにより、大きくする場合と比較して、関節部を屈曲させやすくなり、関節部の操作性を確保しやすくなる。
上記発明において前記樹脂チューブおよび前記ケーブルの間の隙間は、前記外殻部材および前記芯材チューブとの間の隙間よりも小さいことが好ましい。
このように樹脂チューブおよびケーブルの間の隙間を、外殻部材および芯材チューブとの間の隙間よりも小さくすることにより、大きくする場合と比較して、関節部を屈曲させた際にケーブルの経路長の変化を抑制しやすくなり、術具の操作性を確保しやすくなる。
上記発明において前記外殻部および前記ケーブルは、導電性を有する材料から形成されるとともに、前記術具に対して電気的に接続され、前記樹脂チューブは、前記外殻部および前記ケーブルとの間の絶縁を可能とする絶縁材料から形成されていることが好ましい。
このように外殻部およびケーブルに導電性を持たせ、それぞれを術具に電気的に接触させるとともに、外殻部およびケーブルの間に配置される樹脂チューブにより両者を絶縁することにより、術具に対して2つの通電経路を確保することができる。言い換えると術具をバイポーラデバイスとして用いることができる。
また、外殻部を含む通電経路、および、外殻部の内部に配置されたケーブルを含む通電経路が用いられるため、2つの通電経路が外殻部の内部を通る場合と比較して、関節部の細径化を図りやすい。例えば、外殻部の内部を通る通電経路の断面積を等しくした場合、2つの通電経路が外殻部の内部を通したときと比較して、外殻部を含む通電経路および外殻部の内部を通る通電経路を用いるときには、関節部の細径化を図りやすい。
関節部の外径を等しくした場合、2つの通電経路が外殻部の内部を通る場合と比較して、外殻部の内部を通る通電経路、および、外殻部を含む経路の断面積を増やしやすい。そのため、術具に印加できる最大電圧を高めやすい。また、関節部の屈曲などにより通電経路が絶たれにくい、言い換えると断線しにくい。
上記発明において前記外殻部における前記術具側の端部には、前記外殻部および前記術具の間の導通を可能に接続する第1電力ケーブルが設けられ、前記外殻部における前記術具と反対側の端部には、外部および前記外殻部の間の導通を可能に接続する第2電力ケーブルが設けられていることが好ましい。
このように第1電力ケーブルを設けることにより、第1電力ケーブルを設けない場合と比較して、通電経路の設定の自由度が高くなるため外殻部と術具との間の導通を確保しやすくなる。また、第2電力ケーブルを設けることにより、第2電力ケーブルを設けない場合と比較して、通電経路の設定の自由度が高くなるため外部と外殻部との間の導通を確保しやすくなる。
上記発明において前記樹脂チューブにおける前記術具側の端部、および、前記術具と反対側の端部の少なくとも一方は、前記外殻部よりも前記ケーブルが延びる方向へ突出していることが好ましい。
このように樹脂チューブの端部を外殻部の端部よりもケーブルが延びる方向へ突出させることにより、突出させない場合と比較して外殻部とケーブルとの間の短絡が発生しにくくなる。具体的には、樹脂チューブの端部を突出させない場合と比較して、ケーブルにおける樹脂チューブに覆われていない領域から外殻部までの距離である沿面距離を長くしやすいため、短絡を発生させにくくなる。
上記発明においては、絶縁性を有する材料から形成され、少なくとも前記外殻部の周囲を覆うカバーが設けられていることが好ましい。
このように外殻部の周囲を少なくとも覆うカバーを設けることにより、外殻部と処置対象等との間で電流が流れることを抑制しやすくなる。カバーは、外殻部と処置対象などとの間に配置される。そのため、外殻部と処置対象等との間で電流が流れる漏電経路が発生しにくくなる。
本発明の医療用器具の関節部および医療用器具によれば、外殻部、芯材チューブ、および、樹脂チューブを組み合わせることにより関節部および術具の操作性を確保しやすくなるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る医療用器具の全体構成を説明する斜視図である。 図1の関節部の構成を説明する断面視図である。 図1の関節部の構成を説明する部分断面視図である。 図3の芯材チューブの構成を説明する斜視図である。 図3の芯材チューブの構成を説明する正面視図である。 関節部における複数の隙間の関係を説明する摸式断面視図である。 本発明の第2実施形態に係る医療用器具における関節部の構成を説明する断面視図である。 図7の芯材チューブの構成を説明する斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る医療用器具における関節部の構成を説明する断面視図である。 図9の芯材チューブの構成を説明する斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る医療用器具の関節部における外殻部の構成を説明する部分斜視図である。 図11の外殻部の構成を説明する他の部分斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る医療用器具の構成を説明する部分斜視図である。 図13の関節部の構成を説明する断面視図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る医療用器具1ついて図1から図6を参照しながら説明する。本実施形態の医療用器具1は、内視鏡外科手術などに使用される内視鏡外科手術器具であって、さらに手術支援ロボットに用いられるものである。医療用器具1には、図1に示すように、手術支援ロボット側に配置される棒状部10と、内視鏡外科手術などに用いられる術具20と、棒状部10および術具20の間に配置される関節部30と、が主に設けられている。
棒状部10は、手術支援ロボットに取り付けられる柱状に延びる部材である。本実施形態では、棒状部10が、後述する術具用ケーブル21や、関節部用ケーブル61などが挿通される内部空間(図示せず。)を有する円筒状に形成されている例に適用して説明する。また、説明を容易にするために、棒状部10に対応する中心軸線CLが延びる方向をX方向、X方向に直交する方向をY方向、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向として説明する。
術具20は、関節部30の先端、言い換えるとX方向の正側の端部に配置されるものである。また、術具20は、関節部30の屈曲により、棒状部10に対する相対的な配置位置や、相対的な姿勢が制御されるものである。本実施形態では、術具20が、術具用ケーブル(ケーブル)21により開閉操作される鉗子である例に適用して説明する。なお、術具20としては、鉗子の他に、内視鏡外科手術などに用いられる他の器具であってもよく、具体的な種類を限定するものではない。
関節部30は、手術支援ロボットに取り付けられた棒状部10の先端、言い換えるとX方向の正側の端部に設けられる円筒状または円柱状に形成された部材である。また、関節部30は、後述する関節部用ケーブル61を操作することにより、Y方向への円弧状の屈曲、Z方向への円弧状の屈曲、および、Y方向およびZ方向を組み合わせた方向への円弧状の屈曲が可能とされたものである。
関節部30には、図2に示すように、外殻部(外殻部材)31と、芯材チューブ41と、樹脂チューブ51と、関節部用ケーブル61と、が主に設けられている。
外殻部31は、関節部30の外形を構成する円筒状に形成されたものであり、棒状部10および術具20に取り付けられるものである。外殻部31は、Y方向への円弧状の屈曲、Z方向への円弧状の屈曲、および、Y方向およびZ方向を組み合わせた方向への円弧状の屈曲が可能な構成を有するとともに、X方向への伸び縮みが許容された構成を有するものである。また、外殻部31を形成する材料としては、金属材料、または、樹脂材料を例示することができる。
外殻部31には、図2および図3に示すように、棒状部10が取り付けられる棒状部側端部32と、術具20が取り付けられる術具側端部33と、が設けられている。棒状部側端部32は、外殻部31におけるX方向の負側の端部であり、術具側端部33は、外殻部31におけるX方向の正側の端部である。棒状部側端部32および術具側端部33には、それぞれ、棒状部10および術具20の取付けに用いられる段差部34が設けられている。
外殻部31における棒状部側端部32および術具側端部33の間の領域は、円弧状に屈曲可能とされた領域である。本実施形態では、Y−Z平面にほぼ沿って延びる板状部材35が、外殻部31の長手方向(言い換えると、中心軸線CLにおける外殻部31に対応する部分)周りに回転しつつ棒状部10および術具20の一方から他方へ移動して(言い換えると、らせん状に)配置された構成である例に適用して説明する。なお、当該領域は、円弧状に屈曲可能であればよく、その具体的な形状を限定するものではない。
外殻部31には、図2および図3に示すように、外殻部31の長手方向(言い換えると、外殻部31が直線状に延びて配置されている場合にはX方向)に延びて外殻部31を貫通する第1貫通孔(空間)36および第2貫通孔37が設けられている。
第1貫通孔36は、中心軸線CLにおける外殻部31に対応する部分に沿って延びる貫通孔である。第1貫通孔36には、芯材チューブ41、樹脂チューブ51、および、術具用ケーブル21が配置可能とされている。また第1貫通孔36の内周面は、芯材チューブ41を周囲から支持している。
第2貫通孔37は、中心軸線CLを中心とした円周上であって、等間隔に離れた位置に設けられた貫通孔である。言い換えると、第2貫通孔37は、第1貫通孔36からY方向の正方向に離れた位置、負方向に離れた位置、第1貫通孔36からZ方向の正方向に離れた位置、負方向に離れた位置の合計4箇所に設けられた貫通孔である。4つの第2貫通孔37は、第2貫通孔37には、関節部用ケーブル61が配置可能とされている。
第2貫通孔37における術具20側(X方向の正側)の端部には、その他の部分と比較して径が大きい拡径部38が形成されている。拡径部38には、関節部用ケーブル61に設けられた係止端部62が配置される。
なお、本実施形態では、第2貫通孔37が4箇所に設けられている例に適用して説明するが、外殻部31を任意の方向へ屈曲させることができればよく、その数を限定するものではない。
芯材チューブ41は、図3から図5に示すように、外殻部31よりも外径が小さく形成された円筒状の部材であって、外殻部31の第1貫通孔36の内部に配置される部材である。芯材チューブ41は、外殻部31と同様に、Y方向への円弧状の屈曲、Z方向への円弧状の屈曲、および、Y方向およびZ方向を組み合わせた方向への円弧状の屈曲が可能な構成を有する。
また、芯材チューブ41は、外殻部31と比較して圧縮剛性が高く、X方向への圧縮力や引っ張り力による伸び縮みが小さいものである。例えば、芯材チューブ41を少なくともニッケルおよびチタンを成分として含む金属材料、より好ましくはニッケルチタン合金から形成することより、芯材チューブ41の圧縮剛性が高められている。
芯材チューブ41には、その側面(円周面)に周方向に延びる複数の切れ目であるスリット42が設けられている。芯材チューブ41の側面には中心軸線CL、言い換えるとX方向の同じ位置(同じ高さ)において、側面をほぼ半周にわたって延びる2つのスリット42が配置されている。当該2つのスリット42の間には、芯材チューブ41の側面の一部を構成する柱部43が形成されている。
上述の2つのスリット42の組(以下、「スリット42の組」とも表記する。)は、芯材チューブ41の長手方向である中心軸線CLへ、間隔Dを空けて並んで配置されている。間隔Dは、芯材チューブ41の棒状部10側の端部(X方向の負側の端部)から、術具20側の端部(X方向の正側の端部)にわたって同じ値となっている。
言い換えると、スリット42の組は、芯材チューブ41の長手方向に等間隔に並んで配置されている。スリット42の組は、2つのスリット42がY方向に並んで配置される組と、Z軸に並んで配置される組とに分かれる。Y方向に並んで配置される組と、Z軸に並んで配置される組と、は交互に並んで配置されている。
樹脂チューブ51は、図2および図3に示すように、円筒状に形成された部材であって、芯材チューブ41の内部に配置される部材である。樹脂チューブ51の内部には、術具用ケーブル21が挿通されている。
樹脂チューブ51は、芯材チューブ41を形成する材料と比較して、術具用ケーブル21に対する摩擦係数が小さな材料から形成されている。樹脂チューブ51を形成する材料としては、摩擦係数が小さく、耐熱性の高い材料、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を例示することができる。
また、樹脂チューブ51は、内部に配置される術具用ケーブル21が、関節部30の中心軸線CLと同軸またはその近傍(以下「中心軸線CL近傍」とも表記する。)に配置されるようにガイドするものでもある。例えば、関節部30が棒状部10と同軸に延びた姿勢(直線状に延びた姿勢)の場合には、X方向へ延びる中心軸線CLの近傍に配置されるようにガイドする。また、関節部30が屈曲した場合には、屈曲した関節部30の中心軸線CL近傍に配置されるようにガイドする。
また、図6に示すように、芯材チューブ41および樹脂チューブ51の間の隙間DAは、外殻部31および芯材チューブ41の間の隙間DCよりも小さくされている(隙間DA<隙間DC)。樹脂チューブ51および術具用ケーブル21の間の隙間DBは、外殻部31および芯材チューブ41の間の隙間DCよりも小さくされている(隙間DB<隙間DC)。
次に、上記の構成からなる医療用器具1における動作について説明する。具体的には、関節部30の屈曲動作および術具20の操作について図1および図2を参照しながら説明する
例えば、関節部30をY方向の正方向へ円弧状に屈曲させる場合には、4本の関節部用ケーブル61のうち、Y方向に並んでいる一対の関節部用ケーブル61(図2において断面で図示された関節部用ケーブル61)の少なくとも一方が操作される。
具体的には、Y方向の正側に配置された関節部用ケーブル61を、棒状部10側(X方向の負側)へ引っ張る操作が行われる。Y方向の負側に配置された関節部用ケーブル61は、積極的に術具20側(X方向の正側)へ送り出す操作が行われてもよいし、関節部30の屈曲に伴って送り出されてもよい。さらに、関節部30の屈曲状態を制御するために、当該関節部用ケーブル61を術具20側(X方向の正側)へ送り出しつつ、棒状部10側へ引っ張る張力が加えられてもよい。
関節部30は、関節部用ケーブル61の操作により円弧状に屈曲する。このとき、芯材チューブ41の圧縮剛性により、関節部30が関節部用ケーブル61の引っ張り操作によりX方向へ縮むことが抑制される。また、外殻部31よりも外径が小さく形成された芯材チューブ41を、外殻部31の第1貫通孔36の内部に配置しているため、屈曲による、関節部30における中心軸線CLに沿う部分の長さの変化が抑制される。
屈曲させた関節部30を、X方向へ延びた姿勢に戻す場合には、Y方向の負側に配置された関節部用ケーブル61を、棒状部10側(X方向の負側)へ引っ張る操作が行われる。
関節部30を、Z方向へ円弧状に屈曲させる場合には、4本の関節部用ケーブル61のうち、Z方向に並んでいる一対の関節部用ケーブル61の少なくとも一方が操作される。また、Y方向およびZ方向を組み合わせた方向への円弧状の屈曲させる場合には、4本の関節部用ケーブル61の少なくとも2つが操作される。
医療用器具1の術具20を操作する場合には、術具用ケーブル21を操作することにより行われる。例えば、術具用ケーブル21を棒状部10側(X方向の負側)へ引っ張る操作により行われる。術具用ケーブル21の操作方法は、術具20の種類に応じて適宜変更することができ、上述の操作方法に限定するものではない。
上記の構成によれば、外殻部31、芯材チューブ41、および、樹脂チューブ51を組み合わせることにより関節部30および術具20の操作性を確保しやすくなる。
具体的には、外殻部31および芯材チューブ41の組み合わせにより、関節部30は全体として円弧形状に屈曲しやすくなり、関節部30の操作性を確保しやすい。また、関節部30において圧縮剛性が不足することを抑制でき、術具20の操作性を確保しやすい。
また、樹脂チューブ51を組み合わせることにより、術具20の操作に用いる術具用ケーブル21を関節部30の中心軸線CL近傍に配置させやすくなる。これにより、関節部30が屈曲した際に術具用ケーブル21の経路長の変化を抑制しやすくなり、術具20の操作性を確保しやすい。さらに樹脂チューブ51は、術具用ケーブル21に対する摩擦係数が小さいため、術具用ケーブル21の操作が行いやすくなり、術具20の操作性を確保しやすい。
芯材チューブ41の長手方向である中心軸線CLに等間隔に並ぶ複数のスリット42を設けることにより、スリット42の間隔が不均一である場合と比較して、関節部30における長手方向の柔軟性を均一にしやすくなり、関節部30の操作性を確保しやすくなる。
外殻部31を帯状に形成された外殻板をらせん状に巻いて形成することにより、例えば、円板状に形成された外殻板を長手方向に並べて配置した場合と比較して、関節部30の長手方向である中心軸線CL方向の寸法を短くしやすい。
少なくともニッケルおよびチタンを成分として含む金属材料から芯材チューブ41を形成することにより、その他の金属材料から芯材チューブ41を形成する場合と比較して、芯材チューブ41の圧縮剛性および屈曲柔軟性を確保しやすくなる。
芯材チューブ41および樹脂チューブ51の間の隙間DAを、外殻部31および芯材チューブ41の間の隙間DCよりも小さくすることにより、隙間DCよりも大きくする場合と比較して、関節部30を屈曲させやすくなり、関節部30の操作性を確保しやすくなる。
樹脂チューブ51および術具用ケーブル21の間の隙間DBを、外殻部31および芯材チューブ41との間の隙間DCよりも小さくすることにより、隙間DCよりも大きくする場合と比較して、関節部30を屈曲させた際に術具用ケーブル21の経路長の変化を抑制しやすくなり、術具20の操作性を確保しやすくなる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図7および図8を参照しながら説明する。本実施形態の医療用器具の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、芯材チューブの構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図7および図8を用いて芯材チューブの構成について説明し、その他の構成等の説明を省略する。
本実施形態の医療用器具101における関節部130の芯材チューブ141は、図7および図8に示すように、外殻部31よりも外径が小さく形成された円筒状の部材であって、外殻部31の第1貫通孔36の内部に配置される部材である。
芯材チューブ141は、Y方向への円弧状の屈曲、Z方向への円弧状の屈曲、および、Y方向およびZ方向を組み合わせた方向への円弧状の屈曲が可能な構成を有する。なお、芯材チューブ141を形成する材料は、第1実施形態の芯材チューブ41を形成する材料と同じであるため、その説明を省略する。
芯材チューブ141には、その側面に周方向に延びる複数の切れ目であるスリット42が設けられている。芯材チューブ141の側面には、中心軸線CL言い換えるとX方向の同じ位置(同じ高さ)において、側面をほぼ半周にわたって延びる2つのスリット42と柱部43とが少なくとも形成されている。
上述の2つのスリット42の組(以下、「スリット42の組」とも表記する。)は、間隔を空けて並んで配置されている。当該間隔は、芯材チューブ141の棒状部10側の端部(X方向の負側の端部)における間隔D1から、術具20側の端部(X方向の正側の端部)における間隔Dn(nは自然数であり、スリット42の組の数によって定まる値)に向かって値が小さくなる(間隔が短くなる)ようにされている。
上記の構成からなる医療用器具101における動作(関節部30の屈曲動作および術具20の操作)は、第1実施形態の医療用器具1における動作と同じであるため、その説明を省略する。
上記の構成によれば、複数のスリット42の配置間隔を術具20に向かって短くすることにより、スリット42の間隔が均一である場合と比較して、関節部130における術具20側の柔軟性が高くなる。そのため、関節部130を円弧状に屈曲させやすくなる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図9および図10を参照しながら説明する。本実施形態の医療用器具の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、芯材チューブの構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図9および図10を用いて芯材チューブの構成について説明し、その他の構成等の説明を省略する。
本実施形態の医療用器具201における関節部230の芯材チューブ241は、図9および図10に示すように、外殻部31よりも外径が小さく形成された円筒状の部材であって、外殻部31の第1貫通孔36の内部に配置される部材である。
芯材チューブ241は、Y方向への円弧状の屈曲、Z方向への円弧状の屈曲、および、Y方向およびZ方向を組み合わせた方向への円弧状の屈曲が可能な構成を有する。なお、芯材チューブ241を形成する材料は、第1実施形態の芯材チューブ41を形成する材料と同じであるため、その説明を省略する。
芯材チューブ241には、その側面に切れ目であるスリット242が設けられている。スリット242は、中心軸線CLを中心として回転するとともに、中心軸線CLに沿って棒状部10から術具20に向かって延びる形状であるらせん状に形成された切れ目である。
芯材チューブ241の棒状部10側の端部(X方向の負側の端部)におけるピッチP1は、術具20側の端部(X方向の正側の端部)におけるピッチP2よりも値が小さくなる。また、スリット242のピッチの値は連続して変化する。ここで、ピッチは、スリット242が、中心軸線CLを中心として1回転する間に、中心軸線CLに沿って移動する量である。
上記の構成からなる医療用器具201における動作(関節部30の屈曲動作および術具20の操作)は、第1実施形態の医療用器具1における動作と同じであるため、その説明を省略する。
上記の構成によれば、スリット42のピッチを術具に向かって短くすることにより、スリット42のピッチが均一である場合と比較して、関節部230における術具20側の柔軟性が高くなる。そのため、関節部230を円弧状に屈曲させやすくなる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について図11および図12を参照しながら説明する。本実施形態の医療用器具の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、外殻部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図11および図12を用いて外殻部の構成を説明し、その他の構成等の説明を省略する。
本実施形態の医療用器具301における関節部330の外殻部331は、図11および図12に示すように、関節部330の外形を構成するものであり、棒状部10および術具20に取り付けられるものである。また、外殻部331を形成する材料としては、金属材料、または、樹脂材料を例示することができる。
外殻部331は、複数の円盤状または円柱状に形成された外殻板335を、中心軸線CL方向(X方向)に重ねて構成されている。外殻板335における術具20側(X方向の正側)の端面は、断面がV字状に凹んで延びる凹面336が形成されている。棒状部10側(X方向の負側)の端面は、断面がV字状に突出して延びる凸面337が形成されている。
同じ外殻板335における凹面336が延びる方向と凸面337が延びる方向とは交差している。より好ましくは、直交している。さらに、凹面336におけるV字状の角度は、凸面337におけるV字状の角度よりも大きい。
一の外殻板335と他の外殻板335とを重ねる場合には、一の外殻板335の凹面336に、他の外殻板335の凸面337が対向して重ねられる。この時、当該凹面336におけるV字状の稜線と、当該凸面337のV字状の稜線とが重ね合わされる。
一の外殻板335と他の外殻板335との間は、上記の稜線において接触し、その他の領域には空間が形成される。この空間により、一の外殻板335と他の外殻板335とは、当該稜線を軸線として相対的に回動可能となる。
言い換えると、外殻部331は、Y方向への円弧状の屈曲、Z方向への円弧状の屈曲、および、Y方向およびZ方向を組み合わせた方向への円弧状の屈曲が可能な構成を有する。
上記の構成からなる医療用器具301における動作(関節部30の屈曲動作および術具20の操作)は、第1実施形態の医療用器具1における動作と同じであるため、その説明を省略する。
上記の構成によれば、複数の円盤状に形成された外殻板335を長手方向、言い換えると中心軸線CL方向に並べて外殻部331とすることにより、帯状に形成された外殻板をらせん状に巻いて外殻部を形成する場合と比較して、関節部330におけるねじり剛性、例えば、中心軸線CLを中心としたねじり剛性を高めやすくなる。
なお、上述の実施形態のように、外殻板335における術具20側(X方向の正側)の端面が凹面336とされ、棒状部10側(X方向の負側)の端面が凸面337とされてもよいし、術具20側の端面が凸面337とされ、棒状部10側の端面が凹面336とされてもよい。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について図13および図14を参照しながら説明する。本実施形態の医療用器具の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、外殻部の構成が主に異なっている。よって、本実施形態においては、図13および図14を用いて外殻部などの構成を説明し、その他の構成等の説明を省略する。
本実施形態の医療用器具401には、図13に示すように、棒状部10と、内視鏡外科手術などに用いられる術具20と、棒状部10および術具20の間に配置される関節部430と、少なくとも関節部430の周囲を覆うカバー460と、が主に設けられている。
関節部430は、手術支援ロボットに取り付けられた棒状部10の先端、言い換えるとX方向の正側の端部に設けられる円筒状または円柱状に形成された部材である。また、関節部430は関節部用ケーブル61を操作することにより、Y方向への円弧状の屈曲、Z方向への円弧状の屈曲、および、Y方向およびZ方向を組み合わせた方向への円弧状の屈曲が可能とされたものである。
関節部430には、図13および図14に示すように、外殻部(外殻部材)431と、芯材チューブ41と、樹脂チューブ451と、関節部用ケーブル61と、が主に設けられている。
外殻部431は、関節部430の外形を構成する円筒状に形成されたものであり、棒状部10および術具20に取り付けられるものである。外殻部431は、Y方向への円弧状の屈曲、Z方向への円弧状の屈曲、および、Y方向およびZ方向を組み合わせた方向への円弧状の屈曲が可能な構成を有するとともに、X方向への伸び縮みが許容された構成を有するものである。また、外殻部431を形成する材料としては、導電性を有する材料、例えば金属材料のSUS304(クロムとニッケルを含む鋼であるステンレス鋼におけるJIS規格の記号)などを例示することができる。
外殻部431には、第1の実施形態の外殻部31と同様に、棒状部側端部32と、術具側端部33と、段差部34と、第1貫通孔36と、第2貫通孔37とが設けられている。外殻部431における棒状部側端部32および術具側端部33の間の領域は、第1の実施形態と同様に構成されている。
さらに、外殻部431には、外殻部431と術具20との間の導通を可能に接続する第1電力ケーブル471と、棒状部側端部32には、外部と外殻部431との間の導通を可能に接続する第2電力ケーブル472とが設けられている。
第1電力ケーブル471は、術具側端部33の端面から術具20に向かって延びて配置される導電性を有するケーブルである。第1電力ケーブル471の術具側端部33側の端部は、術具側端部33と導電可能に接続され、術具20側の端部は、術具20と導電可能に接続されている。
第2電力ケーブル472は、棒状部側端部32の端面から棒状部10に沿って延びる導電性を有するケーブルである。第2電力ケーブル472の棒状部側端部32側の端部は、棒状部側端部32と導電可能に接続され、反対側の端部は、棒状部10の外部に配置された電源と導電可能に接続されている。
なお第1電力ケーブル471および第2電力ケーブル472としては、導電性を有する公知の構成を有するケーブルを用いることができ、その具体的な構成を限定するものではない。
樹脂チューブ451は、円筒状に形成された部材であって、芯材チューブ41の内部に配置される部材である。樹脂チューブ451の内部には、術具用ケーブル21が挿通されている。
樹脂チューブ451は、第1の実施形態の樹脂チューブ51と同様な材料から形成されている。また、内部に配置される術具用ケーブル21が、関節部430の中心軸線CL近傍に配置されるようにガイドするものでもある。
樹脂チューブ451における術具20側の端部は、術具側端部33の端面から突出して配置され、棒状部10側の端部は、棒状部側端部32の端面から突出して配置されている。
樹脂チューブ451の端部が術具側端部33の端面から突出する量、および、棒状部側端部32の端面から突出する量としては、少なくとも外殻部431と術具用ケーブル21との間の絶縁を確保できる量が好ましい。
言い換えると、術具側端部33の端面と、術具用ケーブル21における樹脂チューブ451から露出している面との間が、絶縁を確保できる突出量が好ましい。棒状部側端部32の端面と、術具用ケーブル21における樹脂チューブ451から露出している面との間が、絶縁を確保できる突出量が好ましい。
なお、絶縁の程度は、電源から術具20に印加される電圧に基づいて定められる値であり、また、医療用器具401に求められる安全性を規定する規則に基づいて定められるものでもある。
カバー460は、図13に示すように絶縁性を有する材料から形成された筒状の部材である。カバー460は、少なくとも外殻部431の周囲を覆う長さを有している。本実施形態では、外殻部431および棒状部10の端部周辺を覆う長さを有している例に適用して説明する。
またカバー460における術具20側端部の周辺は、棒状部10に向かってカバー460の径が大きくなる拡径領域とされている。また、カバー460における棒状部10に対向する領域は、外殻部431と対向する領域よりも径が小さく形成され、棒状部10の外周面と当接している。
カバー460を形成する材料としては、外殻部431よりも絶縁性の高い材料であることが好ましい。例えば、内視鏡外科手術などで使用可能なシリコンゴムなどの柔軟性を有する材料から形成されていることが好ましい。
上記の構成からなる医療用器具401における動作(関節部430の屈曲動作および術具20の操作)は、第1実施形態の医療用器具1における動作と同じであるため、その説明を省略する。
上記の構成の医療用器具401によれば、外殻部431および術具用ケーブル21に導電性を持たせ、それぞれを術具20に電気的に接触させるとともに、外殻部431および術具用ケーブル21の間に配置される樹脂チューブ451により両者を絶縁しているため、術具20に対して2つの通電経路を確保することができる。言い換えると術具20をバイポーラデバイスとして用いることができる。
また、外殻部431を含む通電経路、および、外殻部431の内部に配置された術具用ケーブル21を含む通電経路が用いられるため、2つの通電経路が外殻部431の内部を通る場合と比較して、関節部430の細径化を図りやすい。例えば、外殻部431の内部を通る通電経路の断面積を等しくした場合、2つの通電経路を外殻部431の内部に通したときと比較して、外殻部431を含む通電経路および外殻部431の内部を通る通電経路を用いるときには、関節部430の細径化を図りやすい。
関節部430の外径を等しくした場合、2つの通電経路が外殻部の内部を通る場合と比較して、外殻部431の内部を通る通電経路、および、外殻部431を含む経路の断面積を増やしやすい。そのため、術具20に印加できる最大電圧を高めやすい。また、関節部430の屈曲などにより通電経路が絶たれにくい、言い換えると断線しにくくすることができる。
第1電力ケーブル471を設けることにより、第1電力ケーブル471を設けない場合と比較して、通電経路の設定の自由度が高くなる。そのため外殻部431と術具20との間の導通を確保しやすくなる。また、第2電力ケーブル472を設けることにより、第2電力ケーブル472を設けない場合と比較して、通電経路の設定の自由度が高くなる。そのため外部と外殻部431との間の導通を確保しやすくなる。
樹脂チューブ451の端部を外殻部431の端部よりも突出させることにより、突出させない場合と比較して外殻部431と術具用ケーブル21との間の短絡が発生しにくくなる。具体的には、樹脂チューブ451の端部を突出させない場合と比較して、術具用ケーブル21における樹脂チューブ451に覆われていない領域から外殻部431までの距離である沿面距離を長くしやすいため、短絡を発生させにくくなる。
外殻部431の周囲を少なくとも覆うカバー460を設けることにより、外殻部431と術具20が処置する対象等との間で電流が流れることを抑制しやすくなる。カバー460は、外殻部431と処置対象などとの間に配置される。そのため、外殻部431と処置対象等との間で電流が流れる経路である漏電経路が形成されにくくなる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明を上記の実施形態に適用したものに限られることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。
1,101,201,301,401…医療用器具、 10…棒状部、 20…術具、 21…術具用ケーブル(ケーブル)、 30,130,230,330,430…関節部、 31,331,431…外殻部(外殻部材)、 41,141,241…芯材チューブ、 42,242…スリット、 51,451…樹脂チューブ、 335…外殻板、 460…カバー、 第1電力ケーブル471、 第2電力ケーブル472、 DA,DB,DC…隙間、 D,D1,Dn…間隔

Claims (13)

  1. 医療用器具における棒状部および術具の間に配置される関節部であって、
    内部に空間を有する筒状に形成された柔軟性の高い外殻部と、
    前記外殻部の内部空間に配置され、前記外殻部よりも圧縮剛性が高い筒状に形成された芯材チューブと、
    前記芯材チューブの内部空間に配置され、内部に前記術具の操作に用いられるケーブルが挿通されるとともに前記芯材チューブよりも前記ケーブルに対する摩擦係数が小さな材料から筒状に形成された樹脂チューブと、
    が設けられていることを特徴とする医療用器具の関節部。
  2. 前記芯材チューブの側面には、周方向に延びる複数のスリットが設けられ、
    前記複数のスリットは、前記芯材チューブの長手方向に等間隔に並んで配置されていることを特徴とする請求項1記載の医療用器具の関節部。
  3. 前記芯材チューブの側面には、周方向に延びる複数のスリットが設けられ、
    前記複数のスリットは、前記芯材チューブの長手方向に並んで配置されていると共に、前記複数のスリットの配置間隔は、前記長手方向における前記棒状部から前記術具に向かって短くなることを特徴とする請求項1記載の医療用器具の関節部。
  4. 前記外殻部は、らせん状の構造を有する可撓体であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の医療用器具の関節部。
  5. 前記外殻部は、中心に貫通孔が設けられた複数の円盤状の部材である外殻板が、前記長手方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の医療用器具の関節部。
  6. 前記芯材チューブは、少なくともニッケルおよびチタンを成分として含む金属材料から形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の医療用器具の関節部。
  7. 前記芯材チューブおよび前記樹脂チューブの間の隙間は、前記外殻部材および前記芯材チューブの間の隙間よりも小さいことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の医療用器具の関節部。
  8. 前記樹脂チューブおよび前記ケーブルの間の隙間は、前記外殻部材および前記芯材チューブとの間の隙間よりも小さいことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の医療用器具の関節部。
  9. 前記外殻部および前記ケーブルは、導電性を有する材料から形成されるとともに、前記術具に対して電気的に接続され、
    前記樹脂チューブは、前記外殻部および前記ケーブルとの間の絶縁を可能とする絶縁材料から形成されていることを特徴とする請求項1記載の医療用器具の関節部。
  10. 前記外殻部における前記術具側の端部には、前記外殻部および前記術具の間の導通を可能に接続する第1電力ケーブルが設けられ、
    前記外殻部における前記術具と反対側の端部には、外部および前記外殻部の間の導通を可能に接続する第2電力ケーブルが設けられていることを特徴とする請求項9記載の医療用器具の関節部。
  11. 前記樹脂チューブにおける前記術具側の端部、および、前記術具と反対側の端部の少なくとも一方は、前記外殻部よりも前記ケーブルが延びる方向へ突出していることを特徴とする請求項9または10に記載の医療用器具の関節部。
  12. 絶縁性を有する材料から形成され、少なくとも前記外殻部の周囲を覆うカバーが設けられていることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の医療用器具の関節部。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の関節部と、
    前記関節部の一方の端部に配置される棒状部と、
    前記関節部の他方の端部に配置される術具と、
    が設けられていることを特徴とする医療用器具。
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