JP2020018813A - ボール支持具 - Google Patents

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剛志 上野
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Abstract

【課題】ボールをその直径に相当する回転軸線回りに回転可能に支持することができる上に、前記ボールを簡単に交換することができるとともに、回転軸線に対する前記ボールの向きを変えることができるボール支持具を提供する。【解決手段】ボール支持具1は、ボール100の直径方向の両側から加圧してボール100を挟み込んで、ボール100を前記直径に相当する回転軸線O回りに回転可能かつ取り外し可能に支持するように、構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、ボールを回転可能に支持する支持具に関するものである。
下記特許文献1には、断面円形の軸と、前記軸を貫通させる断面円形の孔を有する直径略70mmの球体と、前記軸の一端から延伸されたグリップとを備え、前記球体は前記軸を中心に回転することを特徴とする、野球投手用練習具が、開示されている。
この野球投手用練習具によれば、野球の投手が投球のスナップを効かせて、指の掛かりのトレーニングを行うことができる。
登録実用新案第3184325号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示された野球投手用練習具では、軸が球体を貫通しているため、球体を簡単に交換することができないとともに、回転軸に対する球体の向きを変えることもできない。
したがって、前記野球投手用練習具では、例えば、長期の使用により球体が劣化したような場合などに、球体の交換が必要となった場合に、球体の交換に手数を要し、不便である。また、前記野球投手用練習具では、回転軸に対する球体の向きを変えることができないので、例えば、フォーシームの握り方に合わせて回転軸に対する球体の向きが設定されている場合、ツーシームの握り方で指の掛かりのトレーニングを行おうとしても、そのトレーニングはできない。
このような事情は、前記球体が野球ボールや野球ボールを模した球体である場合のみならず、前記球体が他の競技等のボールや当該ボールを模した球体などである場合にも、同様である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ボールをその直径に相当する回転軸線回りに回転可能に支持することができる上に、前記ボールを簡単に交換することができるとともに、回転軸線に対する前記ボールの向きを変えることができるボール支持具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様によるボール支持具は、ボールの直径方向の両側から加圧して前記ボールを挟み込んで、前記ボールを前記直径に相当する回転軸線回りに回転可能かつ取り外し可能に支持するように、構成されたものである。
この第1の態様によるボール支持具は、ボールをその直径に相当する回転軸線回りに回転可能に支持するので、例えば、前記ボールを所定の競技のボールとすることで、前記ボールを支持した状態において、当該競技におけるボールの取り扱いのトレーニングを行うことができる。具体的には、前記第1の態様によれば、例えば、前記ボールを野球ボールとすることで、前記ボールを支持した状態において、前記従来の野球投手用練習具と同様に、野球の投手が投球のスナップを効かせて、指の掛かりのトレーニングを行うことができる。
また、前記第1の態様によるボール支持具は、ボールをその直径に相当する回転軸線回りに回転可能に支持するので、前記ボールを支持した状態において、例えば、指に機能障害を有する患者の指先のリハビリに用いたり、子供用の玩具として用いたりすることができる。
そして、前記第1の態様によるボール支持具は、ボールの直径方向の両側から加圧して前記ボールを挟み込んで取り外し可能に支持するので、ボールに回転軸を貫通させるものではないことから、簡単にボールを交換することができる。
第2の態様によるボール支持具は、前記第1の態様において、基体と、互いに間隔をあけて対向するように前記基体により支持され前記ボールに圧接される第1及び第2の圧接部と、前記第1及び第2の圧接部を前記基体に対して同じ軸線回りに回転可能にそれぞれ支持する第1及び第2の回転機構と、前記ボールが前記ボールの直径方向の両側から前記第1及び第2の圧接部により加圧されて前記ボールが前記第1及び第2の圧接部間に挟み込まれるように前記第1及び第2の圧接部間の間隔が相対的に狭まった第1の状態と、前記ボールを前記第1及び第2の圧接部間へ配置可能となるとともに前記第1及び第2の圧接部間から取り外し可能となるように前記第1及び第2の圧接部間の間隔が相対的に広がった第2の状態とに、選択的に設定する間隔設定機構と、を備えたものである。
この第2の態様は、前記第1の態様によるボール支持具の具体的な構成の例を挙げたものである。
第3の態様によるボール支持具は、前記第2の態様において、前記第1及び第2の圧接部のうちの少なくとも一方は、前記ボールにリング状に当接するものである。
この第3の態様によるボール支持具では、前記第1及び第2の圧接部のうちの少なくとも一方が前記ボールにリング状に当接するので、当該ボールが野球の硬球等である場合には、当該圧接部が前記ボールにお椀状(球面の一部の円形領域状)にべったりと当接する場合に比べて、当該圧接部がボールに食い込み易くなるため、ボールに強い力が加わったときにボールが意図せずに外れてしまうおそれを低減することができる。もっとも、前記第2の態様では、当該圧接部は、例えば、ボールにお椀状にべったりと当接してもよい。なお、前記第3の態様におけるリング状は、完全なリングに限らず、一部が途切れたようなリングも含む。
第4の態様によるボール支持具は、前記第2又は第3の態様において、前記第1及び第2の圧接部のうちの少なくとも一方は、取り外し可能であるものである。
前記圧接部は、長期の使用による劣化によってボールの保持能力が低下する可能性がある。前記第4の態様によれば、当該圧接部が取り外し可能であるため、当該圧接部を簡単に新しいものに交換することができることから、ボールの保持能力を簡単に回復することができる。
第5の態様によるボール支持具は、前記第2乃至第4のいずれかの態様において、前記第1及び第2の回転機構のうちの少なくとも一方は、前記第1又は第2の圧接部と前記基体との間に介在されたベアリングを含むものである。
この第5の態様は、当該回転機構の例を挙げたものである。もっとも、前記第2乃至第4の態様では、当該回転機構はベアリングを含むものに限らない。
第6の態様によるボール支持具は、前記第2乃至第5のいずれかの態様において、前記基体に対して固定された把持部を備えたものである。
この第6の態様によれば、使用者は一方の手で把持部を把持して当該ボール支持具を手に持って他方の手でボールを取り扱うことができるので、使用場所を選ばずに使用することができる。もっとも、前記第1乃至第5の態様では、テーブル上に載置することができるように構成したり、壁面や天井面等の固定部に固定することができるように構成して、いわば据え置き型に構成してもよい。
第7の態様によるボール支持具は、前記第2乃至第6のいずれかの態様において、前記基体と固定部との間に介在される撓み可能なばね部を備えたものである。
この第7の態様によれば、前記ばね部を備えているので、例えば、前記ボールが野球ボール等である場合には、実際のピッチングの状態により近い状態でトレーニングを行うことができる。また、前記第7の態様によれば、前記ばね部を備えているので、例えば、当該ボール支持具を子供用玩具として用いる場合には、より面白みのある動きを実現することができる。
第8の態様によるボール支持具は、前記第1乃至第7のいずれかの態様において、前記ボールの回転数を計測する計測器を備えたものである。
この第8の態様によれば、前記計測器を備えているので、使用者はボールの回転状態を客観的に知ることができ、トレーニング等の状況を把握することができる。
第9の態様によるボール支持具は、前記第1乃至第8のいずれかの態様において、前記ボールは、野球、ソフトボール、バスケットボール、ハンドボール、バレーボール、サッカー及びテニスのうちのいずれかの競技のボールであるものである。
この第9の態様によれば、前記競技のボールを加工することなくそのまま用いることができるので、特別なボールを用意したり特別な加工を施したりする必要がなくなり便利であるとともに、当該競技の実戦により近い状態で練習することができる。もっとも、前記第1乃至第8の態様では、前記ボールは前記競技のボールに限らず、特別に用意したボールでもよい。例えば、子供用の玩具として用いたり、リハビリ用器具として用いたりする場合には、前記ボールとしてそれらの用途に適したボールを用いればよい。
本発明によれば、ボールをその直径に相当する回転軸線回りに回転可能に支持することができる上に、前記ボールを簡単に交換することができるとともに、回転軸線に対する前記ボールの向きを変えることができるボール支持具を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態によるボール支持具の使用状態を示す概略斜視図である。 図1中のボール支持具を一部を省略して示す概略縦断面図である。 図1に示すボール支持具の基体を示す平面図である。 図3中のA−A’矢視断面図である。 2本の支柱のみを示す、図2中のB−B’矢視図である。 図2中のカムフォロアを示す概略斜視図である。 図2中のC部付近を拡大して示す概略拡大断面図である。 図1に示すボール支持具にボールを支持させる際に用いる締め具の例を示す概略斜視図である。 本発明の第2の実施の形態によるボール支持具の一部を拡大して示す概略拡大断面図であって、図7に対応する概略拡大断面図である。 図9中のカムフォロアのスタッドの一方の端面を図9中の矢印Xの方向から見た図である。 本発明の第3の実施の形態によるボール支持具の使用状態を示す概略斜視図である。 本発明の第4の実施の形態によるボール支持具を一部を省略して示す概略断面図である。 図12に示すボール支持具の基体を示す平面図である。 図13中のD−D’矢視断面図である。 本発明の第5の実施の形態によるボール支持具を一部を省略して示す概略断面図である。 本発明の第6の実施の形態によるボール支持具を一部を省略して示す概略断面図である。
以下、本発明によるボール支持具について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態によるボール支持具1の使用状態を示す概略斜視図である。図2は、図1中のボール支持具1を一部を省略して示す概略縦断面図である。図3は、図1に示すボール支持具1の基体11を示す平面図である。図4は、図3中のA−A’矢視断面図である。図5は、2本の支柱14R,14Lのみを示す、図2中のB−B’矢視図である。図6は、図2中のカムフォロア13Rを示す概略斜視図である。図7は、図2中のC部付近を拡大して示す概略拡大断面図である。
本実施の形態によるボール支持具1は、ボール100の任意の直径方向の両側(ボール100の中心を通る任意の直線の方向の両側)から加圧してボール100を挟み込んで、ボール100を前記直径に相当する回転軸線O回りに回転可能かつ取り外し可能に支持するように、構成されている。本実施の形態では、ボール100は野球のボール(特に、硬球)とされている。もっとも、本発明によるボール支持具が支持するボールは、後述するように、野球のボールに限らない。
具体的には、本実施の形態によるボール支持具1は、基体11と、第1及び第2の圧接部12R,12Lと、第1及び第2の圧接部12R,12Lを基体11に対して同じ軸線O回りに回転可能にそれぞれ支持する第1及び第2の回転機構としての第1及び第2のカムフォロア13R,13Lと、第1及び第2の圧接部12R,12L間の間隔を設定する間隔設定機構と、を備えている。本実施の形態では、前記間隔設定機構は、第1のカムフォロア13Rの固定側を基体11に対して支持するL字状の第1の支柱14Rと、第2のカムフォロア13Lの固定側を基体11に対して支持するL字状の第2の支柱14Lと、を有している。
本実施の形態では、基体11は、金属等で円盤状に構成されている。基体11には、図3に示すように、放射状の4箇所にそれぞれゴム足18を取り付けるためのねじ孔11dが形成されている。図2に示すように、このねじ孔11dを利用して、ゴム足18が基体11の下面に取り付けられている。これらのゴム足18によって、テーブル等の台の上に当該ボール支持具1を載置したときに、支持しているボール100に回転力等を与えても、ボール支持具1が位置ずれ等するのを防止することができるようになっている。
本実施の形態では、基体11の上面には、中央において軸線Oの方向に延びた一段低い帯状の案内溝11aが形成されている。案内溝11aには、支柱14Rの下側部分及び支柱14Lの下側部分が係合している。案内溝11aによって、支柱14R,14Lが軸線Oの方向のみに移動し得るように案内される。また、基体11の上面の外周側部分11bは、デザイン上などの理由で、案内溝11aと同じく一段低く形成されている。もっとも、外周側部分11bは一段低く形成しなくてもよい。
基体11の案内溝11aの箇所には、支柱14Rを基体11に固定するためのボルト15Rが螺合されるねじ孔11cRが形成され、支柱14Lを基体11に固定するためのボルト15Lが螺合されるねじ孔11cLが形成されている。
支柱14Rの下側部分には、ねじ孔11cRに対応する位置において軸線Oの方向に長く延び上下に貫通した長孔14Raが形成されている。ボルト15Lを長孔14Raを挿通させてねじ孔11cRに螺合することによって、支柱14Rを軸線Oの方向にある範囲で自由度を持って位置決めした位置において基体11に固定することができるようになっている。図2において、ボルト15Rの図示は省略している。
同様に、支柱14Lの下側部分には、ねじ孔11cLに対応する位置において軸線Oの方向に長く延び上下に貫通した長孔14Laが形成されている。ボルト15Lを長孔14Laを挿通させてねじ孔11cLに螺合することによって、支柱14Rを軸線Oの方向にある範囲で自由度を持って位置決めした位置において基体11に固定することができるようになっている。図2において、ボルト15Lの図示は省略している。
カムフォロアは一般的にカムに当接してカムに従動するものであるが、本実施の形態では、カムフォロア13R,13Lは単にベアリングを有する回転機構として用いているにすぎない。勿論、本発明で用いるベアリングを有する回転機構としてはカムフォロアに限らない。また、本発明では、前記回転機構はベアリングを有するものに限らない。本実施の形態では、カムフォロア13Rとカムフォロア13Lとは同一構成を有しているので、ここでは、カムフォロア13Rの構造についてのみ説明する。
カムフォロア13Rとしては、例えば市販品を用いることができる。本実施の形態では、カムフォロア13Rは、図6及び図7に示すようにフランジ部21a、頭部をなす内輪部21b、中間軸部21c及び先端側の雄ねじ部21dを有するスタッド21を備えている。また、カムフォロア13Rは、内輪部21bの外周に設けられた外輪22と、内輪部21bと外輪22との間に介在された針状ころからなる転動体23と、フランジ部21aとの間に外輪22及び転動体23を保持するように、スタッド21に嵌められた側板24とを備えている。これにより、外輪22は、スタッド21の中心軸線の回りに正逆回転自在となっている。図6及び図7において、25は給脂孔である。
図7に示すように、カムフォロア13Rのスタッド21の中間軸部21c及び雄ねじ部21dが支柱14Rの上部に形成された取り付け孔14Rbに挿通され、ワッシャー16Rを介してつまみナット(ここでは、ナールドナット)17Rが雄ねじ部21dに螺合されることによって、スタッド21の中心軸線が前記軸線Oと一致するように、カムフォロア13Rの固定側をなすスタッド21が支柱14Rに対して固定されている。つまみナット17Rに代えて、例えば、通常の六角ナットを用いてもよい。図2では、ワッシャー16R及びつまみナット17Rの図示は省略している。
同様に、カムフォロア13Lのスタッドの中間軸部及び雄ねじ部が支柱14Lの上部に形成された取り付け孔14Lbに挿通され、ワッシャーを介してつまみナット(ここでは、ナールドナット)17Lが前記雄ねじ部に螺合されることによって、カムフォロア13Lのスタッドの中心軸線が前記軸線Oと一致するように、カムフォロア13Lの固定側をなすスタッドが支柱14Lに対して固定されている。図2では、前記ワッシャー及びつまみナット17Lの図示は省略している。
本実施の形態では、第1及び第2の圧接部12R,12Lは、軸線Oの方向に互いに間隔をあけて対向するように、第1及び第2の支柱14R,14L及び第1及び第2のカムフォロア13R,13Lを介して基体11により支持され、ボール100に圧接されるものである。
第1の圧接部12Rは、図2及び図7に示すように、大径の円筒部12Raの軸方向の一方端部(ボール100との圧接側の端部、すなわち、第2の圧接部12L側の端部)に連続するように同軸に形成された小径の円筒部12Rbとを有している。円筒部12Raの内径はカムフォロア13Rの外輪22の外周にちょうど嵌合する寸法に形成されている。円筒部12Raが外輪22の外周に嵌合され、小径の円筒部12Rbと大径の円筒部12Raとの間の段差が外輪22の端面に当接することで、第1の圧接部12Rはカムフォロア13Rの外輪22に対してそれ以上ボール100と反対側に移動しないようになっている。図2及び図7に示すように、小径の円筒部12Rbのリング状の端面がボール100に圧接することになる。第1の圧接部12Rは、例えば、樹脂や硬質ゴム等で構成することができる。第1の圧接部12Rとカムフォロア13Rの外輪22との摩擦が大きい場合には、第1の圧接部12Rと外輪22とは共回りすることになる一方、第1の圧接部12Rとカムフォロア13Rの外輪22との摩擦が小さい場合には、第1の圧接部12Rと外輪22との間はすべって共回りはしないが、本実施の形態では、そのいずれでもよい。そのような摩擦の大小に拘わらず、ねじ止め等によって第1の圧接部12Rと外輪22とを固定して共回りするようにしてもよい。
同様に、第2の圧接部12Lは、大径の円筒部12Laと小径の円筒部12Lbとを有し、円筒部12Laがカムフォロア13Lの外輪の外周に嵌合され、小径の円筒部12Lbのリング状の端面がボール100に圧接することになる。
本実施の形態では、長孔14Ra,14Laをそれぞれ有する第1及び第2の支柱14R,14L及びボルト15R,15bが、ボール100がボール100の直径方向の両側から第1及び第2の圧接部12R,12Lにより加圧されてボール100が第1及び第2の圧接部12R,12L間に挟み込まれるように第1及び第2の圧接部12R,12L間の間隔が相対的に狭まった第1の状態と、ボール100を第1及び第2の圧接部12R,12L間へ配置可能となるとともに第1及び第2の圧接部12R,12L間から取り外し可能となるように第1及び第2の圧接部12R,12L間の間隔が相対的に広がった第2の状態とに、選択的に設定する間隔設定機構を、構成している。
本実施の形態によるボール支持具1を使用する場合には、まず、ボルト15R,15bを緩め、支柱14R,14Lを軸線Oの方向に両者の間の間隔が広げて、第1及び第2の圧接部12R,12L間の間隔を広げ、第1及び第2の圧接部12R,12L間にボール100を配置する。このとき、ボール100の直径が軸線Oと一致するようにボール100を配置するとともに、ボール100の向きを所望の向きに合わせる。例えば、ツーシームの握り方で指の掛かりのトレーニングを行おうとする場合には、図1に示すような向きにボール100の向きを合わせる。その状態で、手で力を加えて第1及び第2の圧接部12R,12L間の間隔を狭めて第1及び第2の圧接部12R,12L間に、ボール100を挟む。
その状態で、例えば図8に示す締め具(クランプ)101を用いて、ボール100を十分な圧力で保持し得る程度に、第1及び第2の圧接部12R,12L間の間隔が狭まるように締める。図8は、ボール支持具1にボール100を支持させる際に用いる締め具8の例を示す概略斜視図である。締め具101は、市販品であり、コ字状の本体102と、本体102のねじ孔102aに螺合された雄ねじ部103と、雄ねじ部103の先端に設けられたゴム等からなる当接体104と、雄ねじ部103の他端に設けられたレバー105とを備えている。レバー105によって雄ねじ部103を回転させて当接体104と本体102の当接部102bとの間の間隔を広げ、当接体104が支柱14Rの図2中の右側面に当たるとともに当接部102bが図2中の支柱14Lの図2中の左側面に当たるように、締め具101を配置し、レバー105によって雄ねじ部103を逆に回転させて当接体104と本体102の当接部102bとの間の間隔を狭めることで、ボール100を十分な圧力で保持し得る程度に、第1及び第2の圧接部12R,12L間の間隔を狭める。
その状態において、ボルト15R,15Lを締めて支柱14R,14Lを基体11に固定し、締め具101を取り除く。これにより、図1に示すように、ボール100がその直径に相当する回転軸線O回りに回動可能に支持され、前記従来の野球投手用練習具と同様に、野球の投手が投球のスナップを効かせて、指の掛かりのトレーニングを行うことができる。
そして、本実施の形態によるボール支持具1は、ボール100の直径方向の両側から加圧してボール100を挟み込んで取り外し可能に支持するので、ボール100に回転軸を貫通させるものではないことから、簡単にボール100を交換することができる。ボール100を交換する場合には、ボルト15R,15Lのうちの少なくとも一方を緩めて第1及び第2の圧接部12R,12L間の間隔を広げれば、簡単にボール100を取り外すことができる。そして、前述したような方法で、別のボール100を支持させればよい。
また、本実施の形態によるボール支持具1は、ボール100の直径方向の両側から加圧してボール100を挟み込んで取り外し可能に支持するので、ボール100に回転軸を貫通させるものではないことから、ボール100の向きを簡単に変更することができ、例えば、ボール100の向きを、ツーシームの握りに応じた向きからフォーシームの握りに応じた向きに簡単に変更することができる。ボール100の向きを変える場合には、ボルト15R,15Lのうちの少なくとも一方を緩めてボール100の向きを変えた後に、その向きのボール100を前述したような方法でしっかりと支持させればよい。
また、本実施の形態では、第1及び第2の圧接部12R,12Lがボール100にリング状に当接するので、当該ボール100が野球の硬球等である場合には、当該圧接部12R,12Lがボール100にお椀状(球面の一部の円形領域状)にべったりと当接する場合に比べて、当該圧接部12R,12Lがボール100に食い込み易くなるため、ボール100に強い力が加わったときにボール100が意図せずに外れてしまうおそれを低減することができる。もっとも、本発明では、当該圧接部12R,12Lは、例えば、ボール100にお椀状にべったりと当接してもよい。なお、本実施の形態では、第1及び第2の圧接部12R,12Lは、完全なリングでボール100に当接するようになっているが、本発明では、第1及び第2の圧接部12R,12Lは、一部が途切れたようなリングでボール100に当接するようにしてもよい。
圧接部12R,12Lは、長期の使用による劣化によってボールの保持能力が低下する可能性がある。しかしながら、本実施の形態では、圧接部12R,12Lは、カムフォロア13R,13Lの外輪にそれぞれ嵌合しているだけであるので、簡単に取り外すことができる。したがって、圧接部12R,12Lを新しいものに簡単に交換することができることから、ボール100の保持能力を簡単に回復することができる。
なお、本実施の形態によるボール支持具1において、ゴム足18を取り除き、基体11を上方の面や壁面等に固定して使用してもよい。
[第2の実施の形態]
図9は、本発明の第2の実施の形態によるボール支持具31の一部を拡大して示す概略拡大断面図であって、図7に対応する概略拡大断面図である。図10は、図9中のカムフォロア13Rのスタッド21の一方の端面を図9中の矢印Xの方向から見た図である。
図9及び図10において、図7中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態によるボール支持具31が前記第1の実施の形態によるボール支持具1と異なる所は、本実施の形態では、カムフォロア13Rにおいて中間軸部21cが短くかつ雄ねじ部21dが長く構成され、バカ孔の取り付け孔14Rbに代えて支柱14Rに形成されたねじ孔14Rb’に、カムフォロア13Rの雄ねじ部21dが螺合されている点と、カムフォロア13Rのスタッド21の一方の端面にプラスドライバに適合する+の溝21eが形成されている点である。この点は、カムフォロア13L及び支柱14Lについても同様である。
本実施の形態によれば、つまみナット17Rを一旦緩めた後に溝21eに適合させたドライバでスタッド21を回転させることで、カムフォロア13Rを軸線Oの方向に移動させることができ、更につまみナット17Rを締めることでダブルナットの原理によりその位置を確実に保持することができる。
本実施の形態によれば、ボール100を支持する際に、ボルト15R,15Lを一旦緩めて支柱14R,14Lの位置を大雑把に決めた後に、ボルト15R,15Lを締め付け、その後、つまみナット17Rを一旦緩めた後に溝21eに適合させたドライバでスタッド21を回転させることで、カムフォロア13Rを軸線Oの方向にしっかりと保持する位置に移動させ、更につまみナット17Rを締める。
したがって、本実施の形態によれば、締め具101を使用する必要がなくなる。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
[第3の実施の形態]
図11は、本発明の第3の実施の形態によるボール支持具41の使用状態を示す概略斜視図である。図11において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態によるボール支持具41は、前記第1の実施の形態によるボール支持具1に対して、ボール100の回転数を計測する計測器42が追加されたものである。
本実施の形態では、計測器42として、市販のレーザ方式の回転数計測器が用いられている。本実施の形態では、第1の圧接部12Rに計測器42からのレーザ光を反射しない黒色のライン12Rcが記されている。第1の圧接部12Rの他の箇所は、レーザ光の反射強度が比較的高くなるようになっている。計測器42は、計測器42からのレーザ光が第1の圧接部12Rに照射されるとともに、その反射光を計測器42が受光するように、配置されている。計測器42は、反射光の強弱に応じて単位時間当たりの第1の圧接部12R(すなわち、単位時間当たりのボール100の回転数)を計測する。図面には示していないが、計測器42は、各種の操作スイッチと、計測結果を表示する表示部を有している。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる他、使用者はボールの回転状態を客観的に知ることができ、トレーニング等の状況を把握することができるという利点も得られる。
[第4の実施の形態]
図12は、本発明の第4の実施の形態によるボール支持具51を一部を省略して示す概略断面図であり、図2に対応している。ただし、図12において、把持部52は、断面とせずに正面から見たものとして記載されている。図13は、図12に示すボール支持具51の基体11’を示す平面図である。図14は、図13中のD−D’矢視断面図である。
図12乃至図14において、図2乃至図4中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態によるボール支持具51が前記第1の実施の形態によるボール支持具1と異なる所は、本実施の形態では、円盤状の基体11に代えて帯板状の基体11’が用いられ、基体11’に固定された把持部52が設けられている点である。
本実施の形態では、把持部52は、一端が基体11の中央に溶接等により固着された心棒52aと、心棒52aを覆うグリップラバー52bとから構成されている。もっとも、把持部52はこのような構成に限らない。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる他、使用者は一方の手で把持部52を把持して当該ボール支持具51を手に持って他方の手でボール100を取り扱って、指の掛かりのトレーニングを行うことができるので、使用場所を選ばずに使用することができるという利点も得られる。
[第5の実施の形態]
図15は、本発明の第5の実施の形態によるボール支持具61を一部を省略して示す概略断面図であり、図12に対応している。ただし、図15において、コイルばね62及び取り付け部63,64は、断面とせずに正面から見たものとして記載されている。図15において、図12中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態によるボール支持具61が前記第4の実施の形態によるボール支持具51と異なる所は、把持部52が取り除かれ、固定部としての天井面111と基体11’との間に介在される撓み可能なばね部としてのコイルばね62を備えている点である。
本実施の形態では、コイルばね62の一端は取り付け部63によって基体11’の中央に固定され、コイルばね62の他端は取り付け部64によって天井面111に固定されている。取り付け部63,64としては、種々の公知の取り付け構造のものを用いることができる。本実施の形態では、コイルばね62として比較的剛性が高く、比較的撓み難いものが用いられるが、これに限らない。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる他、実際のピッチングの状態により近い状態でトレーニングを行うことができるという利点も得られる。
すなわち、本実施の形態では、ボール100を回転軸線Oの回りに回転させるようにボール100を切る(滑らす)に際して、その切る方向にコイルばね62が撓む(しなる)ので、実際のピッチングの状態により近い状態でボールを切るという感覚がより身につく。
なお、コイルばね62の前記他端は、固定部として、天井面111ではなく、例えば壁面に固定してもよい。
[第6の実施の形態]
図16は、本発明の第6の実施の形態によるボール支持具71を一部を省略して示す概略断面図であり、図12及び図15に対応している。ただし、図16において、板ばね72及び取り付け部73,74は、断面とせずに正面から見たものとして記載されている。図16において、図12及び図15中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態によるボール支持具61が前記第5の実施の形態によるボール支持具61と異なる所は、固定部としての天井面111と基体11’との間に介在される撓み可能なばね部として、コイルばね62に代えて板ばね72を備えている点である。
本実施の形態では、板ばね72の一端は取り付け部73によって基体11’の中央に固定され、板ばね72の他端は取り付け部74によって天井面111に固定されている。取り付け部73,74としては、種々の公知の取り付け構造のものを用いることができる。板72の幅方向は、回転軸線Oの方向と一致しており、図16の紙面の方向と一致している。板72の厚さ方向は、図16の紙面と直交する方向となっている。本実施の形態では、コイルばね62として比較的剛性が高く、比較的撓み難いものが用いられるが、これに限らない。
本実施の形態によれば、前記第5の実施の形態と同様の利点が得られる。
なお、板ばね72の前記他端は、固定部として、天井面111ではなく、例えば壁面に固定してもよい。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
前記各実施の形態は、支持するボール100が野球のボールの例であったが、本発明ではこれに限らない。例えば、本発明によるボール支持具が支持するボールは、ソフトボール、バスケットボール、ハンドボール、バレーボール、サッカー及びテニスのうちのいずれかの競技のボールでもよい。これらの場合には、前記各実施の形態と同様に、各競技のボール加工することなくそのまま用いることができるので、特別なボールを用意したり特別な加工を施したりする必要がなくなり便利であるとともに、当該競技の実戦により近い状態で練習することができる。
また、本発明によるボール支持具が支持するボールは、前記競技のボールに限らず、特別に用意したボールでもよい。例えば、本発明によるボール支持具を、子供用の玩具として用いたり、リハビリ用器具として用いたりする場合には、支持するボールとしてそれらの用途に適したボールを用いればよい。
前記各実施の形態では、圧接部12R,12Lの回転の抗力は極力小さく抑えられているが、必要に応じて、その回転の抗力を調整可能に与えるように構成してもよい。
1,31,41,51,61,71 ボール支持具
11,11’ 基体
12R,12L 圧接部
13R,13L カムフォロア
14R,14L 支柱
42 計測器
52 把持部
62 コイルばね
72 板ばね
100 ボール

Claims (9)

  1. ボールの直径方向の両側から加圧して前記ボールを挟み込んで、前記ボールを前記直径に相当する回転軸線回りに回転可能かつ取り外し可能に支持するように、構成されたことを特徴とするボール支持具。
  2. 基体と、
    互いに間隔をあけて対向するように前記基体により支持され前記ボールに圧接される第1及び第2の圧接部と、
    前記第1及び第2の圧接部を前記基体に対して同じ軸線回りに回転可能にそれぞれ支持する第1及び第2の回転機構と、
    前記ボールが前記ボールの直径方向の両側から前記第1及び第2の圧接部により加圧されて前記ボールが前記第1及び第2の圧接部間に挟み込まれるように前記第1及び第2の圧接部間の間隔が相対的に狭まった第1の状態と、前記ボールを前記第1及び第2の圧接部間へ配置可能となるとともに前記第1及び第2の圧接部間から取り外し可能となるように前記第1及び第2の圧接部間の間隔が相対的に広がった第2の状態とに、選択的に設定する間隔設定機構と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載のボール支持具。
  3. 前記第1及び第2の圧接部のうちの少なくとも一方は、前記ボールにリング状に当接することを特徴とする請求項2記載のボール支持具。
  4. 前記第1及び第2の圧接部のうちの少なくとも一方は、取り外し可能であることを特徴とする請求項2又は3記載のボール支持具。
  5. 前記第1及び第2の回転機構のうちの少なくとも一方は、前記第1又は第2の圧接部と前記基体との間に介在されたベアリングを含むことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のボール支持具。
  6. 前記基体に対して固定された把持部を備えたことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のボール支持具。
  7. 前記基体と固定部との間に介在される撓み可能なばね部を備えたことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のボール支持具。
  8. 前記ボールの回転数を計測する計測器を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のボール支持具。
  9. 前記ボールは、野球、ソフトボール、バスケットボール、ハンドボール、バレーボール、サッカー及びテニスのうちのいずれかの競技のボールであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のボール支持具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009213650A (ja) * 2008-03-10 2009-09-24 Satoru Iwamura 投球装置
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