従来、この種の衣類乾燥機は、衣類の繊維から発生する糸屑等のリントが乾燥用空気に混入し、循環風路内に設けられた送風機、熱交換器に付着堆積して性能が低下させる原因となる。これを防止するため、循環風路内に設けた乾燥用空気からリントを捕捉するリントフィルタが設けられている。
しかしながら、循環風路を流れる乾燥用空気は、一定の送風量を確保する必要があることから、リントフィルタを通過する乾燥空気からリントを完全に除去することは難しく、リントフィルタを通過したリントが熱交換器に付着するため、熱交換器に付着したリントを水道水で洗浄することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、特許文献1に記載された洗濯乾燥機の概略断面図である。
筐体1内には、洗濯水を貯める略円筒形状の水槽2をダンパー5により弾性支持している。水槽2内には、有底円筒状の回転ドラム4が配設され、回転ドラム4は、前後方向に延びる回転軸3を中心に回転自在に支持される。回転ドラム4には、側面に多数の透孔8を形成している。回転ドラム4の内壁面に数個の突起板9を設けて、衣類を回転方向に持ち上げ落下させるという撹拌動作、いわゆるたたき洗いを行う。水槽2の後面には、乾燥風を導入する給気口10を設け、水槽2の上方前部には、乾燥風を排出する排気口11を設けている。給気口10および排気口11に乾燥風が流れる循環風路12を接続し、水槽2内の回転ドラム4と連通するように構成している。
ヒートポンプユニットは、圧縮機(図示せず)と、この圧縮機で圧縮された冷媒の熱を放熱し乾燥風を加熱する凝縮器(加熱手段)15と、高圧の冷媒の圧力を減圧するための絞り弁や毛細管等からなる絞り手段(図示せず)と、減圧されて低圧となった冷媒が周囲から熱を奪い乾燥風を冷却する蒸発器(除湿手段)17とを冷媒が循環するように管路(図示せず)で連結している。ヒートポンプユニットの圧縮機と管路で連結された凝縮器15および蒸発器17は、循環風路12の一部を形成するケース19内に格納されている。
循環風路12と連通するケース19の入口から流入した乾燥風は、蒸発器17および凝縮器15を通過して出口から循環風路12へ流出する。循環風路12には、循環風路12に循環風を発生する送風機23を設けている。
水道栓に繋がれた給水路に給水弁24を設け、給水弁24を介して水槽2内に洗濯水を供給する。水槽2の底部には、排水口26を設け、排水口26に接続した排水路27に水槽2内の洗濯水を排水する排水弁25を設けている。
蒸発器17の上流側の上部には、洗浄水を吐出するノズル28が設けられている。ノズル28は、水道栓に繋がれた給水路から分岐して設けた洗浄管29と連通接続している。洗浄水は、給水弁30を開くことによってノズル28から吐出する。ノズル28から吐出された洗浄水は、蒸発器17の上流側の表面に沿って下方へ流れ、ケース19の底部に設けた排水孔31から水槽2を介して排水路27に繋がる排水経路32に排出される。排水経路32の途中には、開閉弁33が設けられている。
ノズル28は、蒸発器17の上流側の端面に沿って広い範囲に洗浄水が流れるように、蒸発器17の上流側の下方に異物捕集部34を設けている。異物捕集部34は、乾燥風が流れる蒸発器17の幅方向の略全域に設けている。異物捕集部34の端部にノズル28を設けている。
ケース19の底部は、蒸発器17と凝縮器15の側方を洗浄水が流れるように構成している。ノズル28から蒸発器17の上流側の端面に沿って異物捕集部34に流れ落ちた洗浄水は、ケース19底部を通り、排水経路32へ排出される。循環風路12には、リントフィルタ37を設けている。リントフィルタ37は、排気口11から循環風路12に流れる乾燥風に含まれる糸屑等のリントや毛髪等の異物を捕集する。リントフィルタ37は、筐体1内の上部に着脱自在に配設され、筐体1の上面から取り出し可能に設けている。
筐体1の前面に開閉自在な扉38を設けている。扉38を開くことにより、開口部6を介して回転ドラム4の前面に設けた衣類投入口39を通して洗濯物を出し入れすることができる。
洗い工程の動作を説明する。最初に扉38を開放し、衣類投入口39から回転ドラム4内に衣類等の洗濯物を投入した後、扉38を閉じ、操作ボタンを押して所望の運転プログラムを選択し、運転を開始させる。制御手段40は、扉38が閉じられていることを確認した後、モータ7を駆動させ衣類の量を判定する。その後、給水弁24を開放して水槽2に水を貯める。衣類の量に応じてあらかじめ設定された水量が給水されると、給水を停止し、モータ7を正転、反転を繰り返すなど、所定のプログラムにしたがって回転ドラム4を回転させ、所定の時間が経過すると洗い工程を終了する。
洗い工程に続いて、すすぎ工程と脱水工程を実行する。
次に、乾燥工程について説明する。洗い、すすぎ、脱水の各工程に続いて、乾燥工程を実行することができる。乾燥運転を開始すると、モータ7が回転し、回転ドラム4および送風機23が回転して乾燥風の流れが生じる。乾燥風は、回転ドラム4内の衣類から水分を奪って多湿となった後、排気口11からリントフィルタ37を通過し、循環風路12を通ってヒートポンプユニットの蒸発器17へ導かれる。
回転ドラム4は、モータ7により回転駆動され、衣類は回転ドラム4内で撹拌される。ヒートポンプユニットを作動させると、冷媒が圧縮され、この圧力により凝縮器15、蒸発器17を循環する。凝縮器15では、高圧状態で冷媒の熱が放出され、蒸発器17では、低圧状態となり、冷媒へ熱が吸収される。
このとき、送風機23によって循環風路12を流れる乾燥風を凝縮器15の放熱によって加熱する。送風機23により、給気口10から回転ドラム4内に送風された温風は、衣類の間を通るときに水分を奪って多湿となった後、排気口11からリントフィルタ37を通過し、循環風路12を通ってヒートポンプユニットの蒸発器17へ導かれる。この多湿の乾燥風は、蒸発器17を通過する際に顕熱と潜熱が奪われて除湿され、乾いた空気と除湿水に分離される。この乾いた空気は、凝縮器15で加熱され、温風となって送風機23により再び回転ドラム4内へ送風される。
乾燥運転時は、排水経路32に設けた開閉弁33は開かれている。乾燥風がリントフィルタ37を通過するときに、衣類等から分離した糸屑等のリントや毛髪等の異物が捕集される。
第1の発明は、筐体と、前記筐体に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられ、衣類を収容する洗濯槽と、前記水槽内の空気を循環する循環路と、前記循環路に設けられるヒートポンプユニットと、前記ヒートポンプユニットの熱交換器に散水する散水部と、前記水槽内の水を散水部に循環する循環水路を備えるものである。
これにより、漕洗浄運転の際に漕洗浄剤が溶けた水溶液を利用して、ヒートポンプユニットの熱交換器を洗浄することができる。熱交換器のカビや洗剤成分、柔軟剤成分の残渣を除去することができ、乾燥運転の際の洗濯物へのカビの匂いや、以前使用していた柔軟剤の匂い成分が付着することがない。熱交換器のフィンは、アルミにより形成されているが、洗剤成分、柔軟剤成分の残渣を除去できるので、経年的にも熱交換器のフィンが腐食しにくく、脱水立ち上げの振動によって、フィンの先端が脱落することがないので、ヒートポンプのドレイン水の排水経路に詰まって、排水不良となることがない。
第2の発明は、特に、第1の発明において、槽洗浄剤を溶かした溶液を、前記循環水路を介して散水部に供給する槽洗浄熱交換洗浄モードと、水道水を散水部に供給する濯ぎモードとを備えるものである。
これにより、熱交換器に付着した漕洗浄剤の成分を濯ぎ流すことができる。
第3の発明は、水槽の水を温めるヒータを具備し、温水を散水部に供給するものである。
これにより、熱交換器に温水を供給し、洗剤や柔軟剤を溶かし、洗浄することができる。
図1は、洗濯乾燥機100の斜視図である。図1を用いて洗濯乾燥機100の外観の概略構成を説明する。
洗濯乾燥機100は、筐体110を備え、衣類を洗濯する洗濯機能と、衣類を乾燥する乾燥機能を有する。筐体110は、前壁111と、前壁111とは反対側の後壁112と、前壁111と後壁112との間で立設された左壁113と、左壁113とは反対側の右壁114とを含む。筐体110は、前壁111、後壁112、左壁113及び右壁114の上縁で囲まれる領域を閉塞する天壁115を含む。使用者は、投入口116を通じて、筐体110内に衣類を収容することができる。
洗濯乾燥機100は、前壁111に取り付けられた扉体120を備え、使用者は、扉体120を開位置と閉位置との間で回動することができる。図1に示される扉体120は、開位置の状態を示し、使用者は扉体120を開位置に移動させ、洗濯物を投入後に閉位置に移動させ、扉体120を閉じることができる。
図2は、洗濯乾燥機の断面図を示し、図2を用いて構成を説明する。
乾燥処理機構400は、送風機410、ヒートポンプユニット420、循環ダクト430、下流ダクト434を備える。循環ダクト430は、水槽340の第1周壁342と筐
体110の天壁115との間で、後壁112に向かって延びる上流ダクト433と、上流ダクト433から下方に屈曲し、水槽340の第1底壁341と筐体110の後壁112との間で、第2端部432まで延びる下流ダクト434を含む。
送風機410は、上流ダクト433と下流ダクト434との間の屈曲部に配置される。送風機410は、上流ダクト433内の空気を吸引する一方で、下流ダクト434に空気を送り出す。この結果、空気は、循環ダクト430の第2端部432を通じて、水槽340の底壁341から洗濯槽である回転ドラム330の第2底壁331に形成された通気孔333を通じて回転ドラム330内に流入する。回転ドラム330内に流入した空気は、回転ドラム330の第2周壁332に形成された通気孔333を通じて、回転ドラム330から排出される。回転ドラム330から排出された空気は、循環ダクト430の第1端部431を通じて、上流ダクト433に流入する。その後、空気は、送風機410によって、下流ダクト434を通じて、水槽340内に送り込まれる。
乾燥処理機構400は、上流ダクト433内に配置されたエアフィルタ440を更に備える。エアフィルタ440は、送風機410の上流で、空気中を浮遊するリントなどの塵埃を除去する。上流ダクト433内で、水槽340を通過した空気は、エアフィルタ440、除湿部421を通過する。この結果、空気の湿度は低下する。その後、空気は、加熱部422を通過し加熱される。
このようにヒートポンプユニット420は、水槽340を通過した空気と熱交換し、衣類を乾燥させるための乾燥空気を作り出すことができる。熱交換部450によって作り出された乾燥空気は、送風機410によって、下流ダクト434を通じて、水槽340内に送り出される。乾燥空気が回転ドラム330を通過する間、洗濯物は、乾燥空気に衝突し、乾燥される。
洗濯物の乾燥率が上昇すると、洗濯物から発生したリントや髪の毛、洗剤成分や柔軟剤成分の残留物などが水槽340から排出され浮遊する。エアフィルタ440のメッシュは、細かなリントや洗剤成分、柔軟剤成分の残留物まで除去できるほど細かくないので、細い髪の毛やリント、洗剤成分、柔軟剤成分は、除湿部421の熱交換器に付着する。
特に、洗剤成分や柔軟剤成分は、除湿部421の熱交換器のフィンの奥まで入り込むので、洗い運転、または、濯ぎ運転モードで給水チューブ560の散水部520から水道水を除湿部421の熱交換部に散水し、水洗いしても完全に除去しきれない。除湿部421は、ヒートポンプユニット420のコンプレッサ423が駆動している時は、循環風の凝縮した水分でフィンが濡れているので、経時的にカビが発生しやすくなる。
水槽340および回転ドラム330の裏面側も同様にカビが付着し増殖するため、月1回程度、メーカ指定の漕洗浄剤を使用し、漕洗浄運転モードで水槽340および回転ドラム330のお手入れするように使用者に推奨している。
本発明の洗濯乾燥機は、槽洗浄熱交洗浄運転モードを設け、指定の漕洗浄剤を用いて回転ドラム330、および水槽340の増殖したカビだけを除去するだけでなく、除湿部421の熱交換部のフィンに、槽洗浄剤と水を混合させた溶液を散水部から散水して、除湿部421のカビ、リント、髪の毛、塵、洗剤成分、柔軟剤成分を除去できる構成とする。
図5は、本発明の第1の実施の形態のブロック図である。図2及び図5を用いて本発明の第1の実施の形態を説明する。
制御部200は、使用者がコンソール201で、槽洗浄熱交器洗浄モードを選択すると
、選択された運転モードを判断し、モータ310、ヒートポンプユニット420、送風機410、循環ポンプ610、散水制御部614を制御する。
散水制御部614は、第1給水弁511、第2給水弁512、循環ポンプ排水切り替え制御部613を制御する。循環ポンプ排水切り替え制御部613は、循環ポンプ排水切り替え弁611を駆動制御し、循環ポンプ610によって水槽340の槽洗浄剤と水道水が規定の比率で混合された溶液をバルブユニット510の給水チューブ560を通り、散水部520からヒートポンプユニット420の除湿部421のフィンに散水する。槽洗浄剤と水道水が混合された溶液を除湿部421のフィンに散水することにより、除湿部421のフィンに付着したカビなどを分解する。
カビや洗剤成分や柔軟剤成分を除去した後、水道水による濯ぎ運転モードを行う。濯ぎ運転モードでは、循環ポンプ610を停止し、第1給水弁511をONさせる。給水口530から水道水がバルブユニット510、第1給水弁511、給水チューブ560、散水部520を通って除湿部421の熱交換器のフィンに散水し、槽洗浄剤と水道水を混合させた溶液を洗い流す。
排水弁620をONさせると、除湿部421を洗浄した水は、中継チューブ480、水槽340の底壁341、排水弁620を通り機外に排水される。
次に、通常の洗濯、すすぎ、乾燥運転モードを図2、図4、図5を用いて説明する。
使用者は、コンソール201を操作し、運転コースを選択することができる。コンソール201は、使用者の操作によって選択された運転コースに関するコース情報を制御部200へ出力する。
洗濯乾燥機100は、コンソール201から出力されたコース情報に応じて、洗い工程、濯ぎ工程、脱水工程、乾燥工程、槽洗浄工程、漕洗浄熱交換器洗浄工程など様々な運転モードが実施される。
使用者は、扉体120を開位置に移動させ、投入口116を通じて、水槽340に衣類を投入することができる。回転ドラム330は、モータ310が発生させた駆動力を用いて、衣類を攪拌する。本実施の形態では、回転ドラム330は、シャフトフランジ350を介してモータで直接駆動するダイレクトドライブ方式を図示しているが、モータのプーリと回転ドラムのプーリとにベルトを架設して回転ドラム330を駆動するベルト駆動方式でもよい。
水槽340は、脱水振動を低減させる複数の弾性体(図示せず)により保持されている。洗い工程において、制御部200は、散水制御部614へ、第2給水弁512をONする信号を出力し、散水制御部614は、第2給水弁512をONする。第2給水弁512がONすると、給水口530から水道水が第2給水弁512を通り、洗剤投入部(図示せず)からの洗剤と水を混合した混合液を水槽340へ送り出す。
制御部200は、水位検出部(図示せず)により水槽340へ給水量を検出し、水槽340の給水量が規定に達すると、散水制御部614へ第2給水弁512をOFFする信号を出力する。散水制御部614は、第2給水弁512をOFFし、水道水の給水を停止し、モータ310を駆動制御し、回転ドラム330をタンブリングするように駆動制御する。
次に、制御部200は、散水制御部614へ循環ポンプ排水切り替え弁611を水槽3
40に設置されたシャワーホルダ514(図2に図示せず)側へ切り替えるように信号を出力する。散水制御部614は、循環ポンプ排水切り替え制御部613へ、循環ポンプ排水切り替え弁611をシャワーホルダ514へ切り替えるように信号を出力し、循環ポンプ排水切り替え弁611は、シャワーホルダ514側へ弁を切り替える。水槽340の洗剤と水道水との混合液をシャワーホルダ514側へ供給するように弁を切り替える。
水槽340の洗剤と水道水との混合液は、水槽340の接続管631、循環ポンプ610、循環ポンプ排水切り替え弁611、第2循環ダクト636を通り、シャワーホルダ514(図2に図示せず)から回転ドラム330内の洗濯物に散水される。この間、制御部200は、排水弁620を閉じる。この結果、衣類は、少ない水量で洗濯される。
制御部200は、所定期間、循環ポンプ610を作動させ、水槽340と循環ポンプ610との間で循環させる。制御部200は、所定期間、循環ポンプ610を作動させた後、排水弁620を開き、筐体110から排水する。
次に、濯ぎ工程に移行する。制御部200は、散水制御部614へ第2給水弁512をONする信号を出力し、第2給水弁512がONすると、給水口530から水道水が第2給水弁512を通り、水槽340へ送り出す。所定量、水槽340に水道水が給水されると、制御部200は、散水制御部614へ第2給水弁512をOFFする信号を出力する。散水制御部614は、第2給水弁512をOFFし、給水を停止させる。
制御部200は、モータ310へ濯ぎ工程のシーケンスに基づき制御し洗濯物の洗剤を洗い流す。濯ぎ工程において、循環及び排水が繰り返される。
濯ぎ工程が終了すると、脱水工程に移行する。脱水工程において、水槽340の排水弁620がONされ、洗濯乾燥機排水ホースから排出される。その後、回転ドラム330は、モータ310の脱水回転数を徐々に上昇させ、衣類に遠心力が加わり、衣類から水が分離し脱水する。
脱水工程が完了すると、乾燥工程を実行する。乾燥工程において、送風機410及びヒートポンプユニット420のコンプレッサ423を駆動させる。ヒートポンプユニット420は、水槽340から送風機410へ流れる空気の流動経路上に配置される。送風機410は、水槽340から空気を吸引して、エアフィルタ440を通り、ヒートポンプユニット420の除湿部421の熱交換器で除湿され、加熱部422の熱交換器で加温されて送風機410に戻る。乾燥空気は、その後、送風機410によって、回転ドラム330へ送り出される。循環風は、送風機410から循環ダクト430、下流ダクト434、第2端部432を通り、回転ドラム330に向かって押し出される。モータ310を駆動制御すると、回転ドラム330が回転駆動され、洗濯物を攪拌しながら循環風が洗濯物に当たるので、洗濯物を乾燥することができる。
図1に示す如く、筐体110は、天壁115から取り外し可能な蓋体117を備える。使用者が蓋体117を天壁115から取り外すと、取出口を通じて、エアフィルタ440が露出する。使用者は、取出口を通じて筐体110からエアフィルタ440を取り出し、エアフィルタ440を清掃し、リントを除去することができる。使用者は、清掃されたエアフィルタ440を、取出口を通じて筐体110内に再設置することができる。
図3は、洗濯乾燥機のヒートポンプユニットの斜視図を示す。図3を用いてヒートポンプユニットの構成を説明する。
ヒートポンプユニット420に加えて、ヒートポンプユニット420の上部を覆う上覆
部(図示せず)を備える。上覆部は、循環ダクト430の一部として用いられる。円形枠462の中央には、円形の通風口464が形成される。送風機410は、通風口464を通じて、ヒートポンプユニット420から空気を吸引する。この結果、ヒートポンプユニット420によって作り出された除湿された乾燥空気は、送風機410によって、下流ダクト434を通じて、水槽340へ送り込まれる。
ヒートポンプユニット420の除湿部421とエアフィルタ440との間に、散水部520が形成される。
散水部520は、給水チューブ560が取り付けられる接続部529と、給水チューブ560から送り込まれた水が流動する流路を規定するマニーホールド521を含む。マニーホールド521には、多数の小孔522が形成される。多数の小孔522は、ヒートポンプユニット420の除湿部421の近傍において列をなす。散水部520は、小孔522を通じて散水し、ヒートポンプユニット420を洗浄する。
図4は、ヒートポンプユニットの冷凍サイクルの概略図を示す。図3、図4を用いてヒートポンプユニット420の構成を説明する。
ヒートポンプユニット420は、作動媒体を圧縮するコンプレッサ423と、作動媒体を減圧する膨張弁424と、加熱部422で高温高圧になった冷媒が第2循環チューブ426から膨張弁424で減圧され、減圧された冷媒が除湿部421の第1循環チューブ425に流れる。除湿部421のフィン427は、減圧された冷媒で冷やされる。
送風機410が駆動すると、面矢印の方向に水槽340内の空気が循環され、冷やされた除湿部421のフィン427と熱交換する。この時、循環風の水分は、凝縮され、フィン427全面に水滴がつき、水滴がフィン427に沿って下に流れ落ちる。流れ落ちた水は、中継チューブ480を通り、図示していない逆流防止の弁を通り、水槽340に流れ、接続管631を通り、第1循環ダクト634に流れる。
第1循環チューブ425を流れる作動媒体は、膨張弁424による減圧によって低温となる。第2循環チューブ426を流れる作動媒体は、コンプレッサ423による圧縮によって高温となる。第1循環チューブ425及び第2循環チューブ426は、送風機410によって吸引される空気を案内する循環ダクト430内に流れる。
第1循環チューブ425は、循環ダクト430内で、多数回折り返された流路を規定する。ヒートポンプユニット420は、循環ダクト430内で折り返された第1循環チューブ425に取り付けられた多数のフィン427を含む。循環ダクト430内の第1循環チューブ425及びフィン427は、上述の除湿部421として用いられる。
ヒートポンプユニット420は、循環ダクト430内で折り返された第2循環チューブ426に取り付けられた多数のフィン428を含む。循環ダクト430内の第2循環チューブ426及びフィン428は、上述の加熱部422として用いられる。
循環ダクト430内を流れる空気は、低温の作動媒体によって冷却された第1循環チューブ425及びフィン427によって冷却される。この結果、空気中の湿気は、第1循環チューブ425及びフィン427上で結露する。したがって、空気は、除湿される。
除湿された空気は、高温の作動媒体によって加熱された第2循環チューブ426及びフィン428によって加熱される。したがって、空気は、高温になり、洗濯物の乾燥に適した乾燥空気となる。上述の如く、除湿部421及び加熱部422は、循環ダクト430内
を流れる空気と熱交換し、乾燥空気を作り出す構成である。
(実施の形態の動作の説明)
図5は、第1の実施の形態の概略的なブロック図を示し、図6は、第1の実施の形態の示すフローチャートを示す。図2、図5、図6を用いて、第1の実施形態の動作を説明する。
使用者が、コンソール201を操作して、漕洗浄熱交換器洗浄モードを選択し(ステップ700)、投入口116から指定の槽洗浄剤を適量投入して扉体120を閉じる(ステップ701)。制御部200は、散水制御部614へ第2給水弁512をONするよう出力し、散水制御部614は、第2給水弁512をONさせる(ステップ702)。第2給水弁がONすると、給水口530から第2給水弁512を通って水槽340へ水道水が供給される。制御部200は、水槽340内の水位が所定水位になったことを検出すると、第2給水弁をOFFする。
水槽340内が所定水位になると、制御部200は、モータ310を駆動させ、水槽340の回転ドラム330を動かし、漕洗浄剤と水道水を所定時間攪拌させる(ステップ703)。熱交換器洗浄モードに移行する条件が全て整っているか判断し(ステップ704)、問題なければ、制御部200は、熱交換器洗浄モードに遷移する。
制御部200は、散水制御部614へ、循環ポンプ排水切り替え制御部613へ循環ポンプ排水切り替え弁をONするように信号を出力する(ステップ705)。循環ポンプ排水切り替え制御部613は、循環ポンプ排水切り替え弁をONさせる。制御部200は、循環ポンプ610を駆動制御する(ステップ706)。水槽340の槽洗浄溶液を、循環ポンプ排水切り替え弁611を経由し、バルブユニット510、給水チューブ560を経由して散水部520に水を供給し(ステップ707)、散水部520からヒートポンプユニット420の除湿部421の熱交換器に散水を開始する(ステップ708)。
制御部200は、熱交換器への給水開始から所定時間経過したか否か判断する(ステップ709)。所定時間経過すると、循環ポンプ排水切り替え弁611をOFFする信号を制御部200から散水制御部614へ信号を出力し、循環ポンプ排水切り替え制御部613は、循環ポンプ排水切り替え弁をOFFさせる(ステップ710)。制御部200は、循環ポンプ610を停止させ(ステップ711)、熱交換器洗浄運転が完了する。
熱交換器洗浄運転を完了すると、カビ等の付着物を浮かすために一定時間運転を停止する。一定時間経過後に、熱交換器すすぎ洗浄モードに移行するか否かを判定する(ステップ712)。所定の条件を満たしていれば、熱交換部すすぎ洗浄モードに移行する。制御部200は、散水制御部614へ第1給水弁511をONさせるよう散水制御部614へ信号を出力する。散水制御部614は、第1給水弁511をONする(ステップ713)。第1給水弁511がONすると、水道水は、給水口530、第1給水弁511、バルブユニット510、給水チューブ560を通り、散水部520からヒートポンプユニット420の除湿部421に水道水を散水し(ステップ715)、除湿部421のフィン427に付着した槽洗浄剤を洗い流す。
フィン427の洗浄開始から所定時間経過したか否かを所定時間判定部で判定する(ステップ716)。所定時間経過すると、制御部200は、散水制御部614に第1給水弁511をOFFするよう信号を出力し、散水制御部614は、第1給水弁511をOFFにし(ステップ717)、熱交換器すすぎ洗浄を完了させる(ステップ718)。
図6のフローチャートには記載されてないが、槽洗浄剤による熱交換器の洗浄と水道水
による熱交換器のすすぎ洗浄を複数回、または、時間をあけて複数回実施してもよい。
(実施の形態2)
図7は、本発明の第2の実施の形態のブロック図である。図7を用いて第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態は、水槽340にヒータ616を備えている点で第1の実施の形態と相違する。
水槽340には、ヒータ616を具備している。水槽340に指定の漕洗浄剤を投入し、バルブユニット510を開放して給水口530から水を水槽340へ供給して、槽洗浄剤と水を混合させて漕洗浄剤溶液を生成する。
制御部200は、ヒータ616をONさせ、洗浄剤溶液を規定温度まで上昇させる。散水制御部614は、循環ポンプ排水切り替え制御部613へ循環ポンプ排水切り替え弁611をONするように信号を出力すると、循環ポンプ排水切り替え制御部613は、循環ポンプ排水切り替え弁611をONさせる。制御部200が循環ポンプ610をONさせると、循環ポンプ610が水槽340内の槽洗浄溶液を循環ポンプ排水切り替え弁611、散水部520を通り除湿部421の熱交換器に散水する。
所定時間経過すると、制御部200は、循環ポンプ610をOFFし、循環ポンプ排水切り替え弁611をOFFし、排水弁620をONして水槽340の漕洗浄剤溶液を全て排水する。
次に、制御部200は、散水制御部614にバルブユニット510の第2給水弁512をONするように信号を出力する。散水制御部614は、第2給水弁512をONし、給水口530からの水道水が第2給水弁512を通り、水槽340に供給される。所定時間経過すると、散水制御部614は、第2給水弁512をOFFし、給水口530からの水道水を停止させる。
制御部200は、水槽340内に設置されたヒータ616をONさせ、水槽340内の水を所定の温度まで上昇させる。水槽340内の水が所定の温度に達すると、制御部200は、ヒータ616をOFFする。
次に、制御部200は、散水制御部614へ循環ポンプ排水切り替え弁611をONするように信号を出力し、散水制御部614は、循環ポンプ排水切り替え制御部613へ信号を出力し、循環ポンプ排水切り替え制御部613は、循環ポンプ排水切り替え弁611をONさせる。
制御部200が、循環ポンプ610をONさせると、水槽340の所定の温度に上昇させた温水を循環ポンプ610により循環させる。温水は、循環ポンプ排水切り替え弁611を通り、給水チューブ560の散水部520から除湿部421の熱交換器に温水が散水され、漕洗浄剤等を洗い流し、排水弁620から排水させる。
また、制御部200は、散水制御部614へバルブユニット510の第2給水弁512をONさせるよう信号を出力する。散水制御部614は、第2給水弁512をONさせ、循環ポンプ610によって水槽340の所定の温度の水道水は、循環ポンプ排水切り替え弁611を通り、第2給水弁512、洗剤自動投入部615に供給され、洗剤自動投入部615内部に流路および水槽340までの流路に固着した洗剤や柔軟剤を温水で溶かし洗浄し、その排水は水槽340、排水弁620、排水ホースを通り機外に排水される。
以上のように構成することで、カビ成分、洗剤成分や柔軟剤成分を更に効率良く短時間で洗浄することができる。
また、本発明は、槽洗浄熱交換器洗浄モードに限定されるものでなく、通常の運転モードでも、ヒータ616で温めた水槽340の温水を、給水チューブ560の散水部520から除湿部421の熱交換器に散水し、洗剤成分や柔軟剤成分を温水で効率よく洗浄することでカビの発生を抑制することができる。
以上のような構成にすることで、除湿部421の熱交換器のカビ成分、洗剤成分や柔軟剤成分を除去するだけでなく、洗剤自動投入部615に固着した洗剤成分、柔軟剤成分を温水で溶かし洗浄することができ、水漏れ等の不具合も防止できる。
また、本発明は、槽洗浄熱交換器洗浄モードに限定されるものでなく、通常の運転モードでもヒータ616で温めた水槽340の温水を、ポンプで洗剤自動投入部615に循環させることで、固着した洗剤などを溶かし、洗い流すことができる。