JP2020018658A - 収納家具及び子供用施設 - Google Patents
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Abstract
Description
二方向から引出しを引き出せるようにすることによって、隣接する二つの部屋間に配置し、引出しに収納した物品を、一方の部屋側からも他方の部屋側からも取り出したり収納したりすることができるので利便性が高い。
特許文献1における収納家具の場合、引出しを構成する箱体が納められるスペースを形成する仕切板の正面側端部には、上方に突出する上向き係止部が設けられ、背面側端部には、下方に突出する下向き係止部が設けられている。さらに、箱体の正面板は、側面板及び背面板の上端よりも上方に突出する高さを有して形成され、背面板は、側面板及び正面板の下端よりも下方に突出するように形成されている。そして、箱体を正面側に引き出した際には、背面板の下端が、下側の仕切板の上向き係止部に引っ掛かり、箱体を背面側に引き出した際には、正面板の上端が、上側の仕切板の下向き係止部に引っ掛かるようになっており、これにより、箱体が正面側又は背面側に落下することを防ぐことが可能となっている。
さらに、箱体は、側面板に対して正面板から背面板の間に延びる摺動溝が形成されており、この摺動溝に、収納家具における側板の内面に取り付けられた桟部材を合致させることで、桟部材に沿ったスライド移動が行えるようになっている。
ところが、このようなスライド移動の構造は、箱体に様々な物品が収納されて重量が増すと、摺動溝と桟部材との間の摩擦力が大きくなってしまい、箱体のスライド移動がしにくくなる場合がある。また、箱体の底面板が、下側の仕切板の上面に載らない状態であるため、箱体の荷重を、側面板の内面に取り付けられた桟材だけで支持することになってしまうことから、より安定的に箱体の荷重を支持することが求められていた。
前記箱体20,30は、
前記複数の仕切板13のうち下側に位置する下側仕切板13の上面に接する底面部21,31と、
前記複数の仕切板13のうち上側に位置する上側仕切板13と前記下側仕切板13との間に納まる高さ寸法に設定された正面部22,32及び背面部23,33と、
を有しており、
前記下側仕切板13の正面側端部には、上方に突出する上向突起部材40が設けられ、
前記箱体20,30の前記底面部21,31には、前記上向突起部材40が納まる溝21aが、前記箱体20,30の引き出し方向に沿って、かつ正面側に開放されるとともに背面側に閉じられた状態で形成されており、
前記上側仕切板13の背面側端部には、下方に突出する下向突起部材50が設けられ、
前記箱体20,30の前記背面部23,33における上端部の高さ位置は、前記下向突起部材50の下端部よりも下方に位置し、前記箱体20,30の前記正面部22,32における上端部の高さ位置は、前記下向突起部材50の下端部よりも上方に位置することを特徴とする。
さらに、上側仕切板13の背面側端部には、下方に突出する下向突起部材50が設けられ、箱体20,30の背面部23,33における上端部の高さ位置は、下向突起部材50の下端部よりも下方に位置するので、背面部23,33における上端部が、下向突起部材50には当たらない状態となり、箱体20,30を背面側にも引き出すことができる。すなわち、箱体20,30の二方向への引き出しが可能となるので、利便性に優れる。また、箱体20,30の正面部22,32における上端部の高さ位置は、下向突起部材50の下端部よりも上方に位置するので、箱体20,30を背面側に引き出した際には、下向突起部材50が、箱体20,30の正面部22,32における上端部に当接するため、箱体20,30が背面側に落下することを防ぐことができ、安全性を確保できる。
前記上向突起部材40及び前記下向突起部材50は、前記下側仕切板13と前記上側仕切板13に対して脱着自在に設けられていることを特徴とする。
前記下側仕切板13と前記上側仕切板13のそれぞれは雌ネジ部13aを有し、
前記上向突起部材40及び前記下向突起部材50は、前記雌ネジ部13aに螺合する雄ネジ部(軸部42)を有することを特徴とする。
さらに、下側仕切板13及び上側仕切板13に雌ネジ部13aを設け、雄ネジ部42を有する上向突起部材40及び下向突起部材50と箱体20,30とを用意すれば収納家具10を構成できるので、古くなった収納家具10の板枠材を再利用するなどすれば、リフォーム・リノベーション分野での展開が可能となる。
前記上向突起部材40及び前記下向突起部材50の周囲には緩衝材43が設けられていることを特徴とする。
さらに、緩衝材43としてゴムなどを用いれば、上向突起部材40及び下向突起部材50を取り外した場合に、上向突起部材40及び下向突起部材50が転がりにくくなり、上向突起部材40及び下向突起部材50の紛失を防ぎやすくなる。
前記下向突起部材50の幅寸法は、前記背面部23,33の幅寸法よりも短く設定されていることを特徴とする。
前記複数の仕切板13が取り付けられて当該複数の仕切板13を支持する複数の縦仕切板12を備えており、
前記複数の縦仕切板12のうち少なくとも一つの縦仕切板12は、建物の耐力壁4,5に固定されていることを特徴とする。
前記収納家具10によって隔てられ、当該収納家具10を介して隣り合う二つの部屋2,3を備え、
前記二つの部屋2,3のうち一方は、子供が過ごす子供用スペース2とされ、他方は、前記子供用スペース2とは別室のホール3とされていることを特徴とする。
ホール3は、本実施形態においては玄関土間3aと並んで配置された玄関ホールとされており、保護者が子供を連れて来たり、迎えに来たりした時に必ず立ち寄る場所となっている。
そして、子供用スペース2とホール3との間は、建物の壁4,5や出入口4a,5a、収納家具6,10等によって隔てられており、子供用スペース2に居る子供によって、ホール3に居る保護者が視認されにくい状態となっている。
なお、子供用施設1内には、複数の部屋が配設されているが、子供用スペース2は、複数の部屋のうち子供が施設1内において最も長時間過ごして保育される部屋を指す。子供の保育(教育)を目的とする部屋と換言してもよい。
なお、本実施形態においては、第一壁4と第二壁5はいずれも耐力壁とされているが、一方が耐力壁とされ、他方が非耐力壁(間仕切壁)とされてもよい。
第二壁5は、平断面視においてL字状に形成されており、幅寸法の長い部位が第一壁4と直交する向きで配置され、幅寸法の短い部位が第一壁4と平行に、かつ対向して配置されている。
以下、第一壁4と第二壁5との間のスペースに設置された収納家具6,10のうち、第一壁4側に位置する収納家具10を第一収納家具10と称し、第二壁5側に位置する収納家具6を第二収納家具6と称する。
出入口5aも、第二壁5における幅寸法の長い部位とその他の壁との間に形成された出入り用の開口とされており、戸5b(本実施形態では引き戸)によって開閉される。
戸4b,5bは、子供用スペース2よりもホール3側に寄って配置されている。これにより、第一壁4及び第二壁5と、第一収納家具10及び第二収納家具6は、戸4b,5bに対して子供用スペース2側に寄せて配置された状態となっている。
また、その前面には、内部の収納スペースを開閉する観音開き式の扉6aが設けられている。なお、扉6aは、第二収納家具6の上部に一組、下部に一組設けられている。
このような第二収納家具6は、図1に示すように、平面視L字状に形成された第二壁5の入隅に配置されている。そして、背面が、第二壁5における幅寸法の長い部位に固定され、一側面が、第二壁5における幅寸法の短い部位に固定されている。第二収納家具6は、建物の耐力壁に固定されることになるため、この第二収納家具6にかかる荷重を、建物によって負担することが可能となる。
このような第一収納家具10は、図1に示すように、第二収納家具6と隣接して第一壁4と第二壁5との間のスペースに納められている。すなわち、第一収納家具10の一側面は、第二収納家具6の他側面に接し、第一収納家具10の他側面は、第一壁4に接して固定されている。
第一収納家具10における枠体11は、上下に(縦にして)設けられて互いに左右に間隔を空けて配置された複数の縦仕切板12と、左右に設けられて互いに上下に間隔を空けて配置された複数の仕切板13と、を有する。すなわち、複数の縦仕切板12は左右に離間して枠体11を左右に仕切っており、複数の仕切板13は上下に離間して枠体11を上下に仕切っている。複数の縦仕切板12のうち最も外側に位置する二枚の縦仕切板12は、枠体11の幅方向における一側面及び他側面を構成している。また、複数の仕切板13のうち最も上側に位置する仕切板13は、枠体11の上面を構成し、最も下側に位置する仕切板13は、枠体11の下面を構成している。
さらに、複数の仕切板13は、左右に離間する複数の縦仕切板12間に配置され、これら複数の縦仕切板12に取り付けられている。すなわち、複数の仕切板13は、複数の縦仕切板12によって支持されている。
枠体11の下面、すなわち最も下側に位置する仕切板13の下面(複数の縦仕切板12の下面も含む。)は、台輪15の上面に固定されている。なお、第一収納家具10の高さを、この台輪15の上下寸法を変更することで調整することができる。
第一収納家具10の第一壁4側面(最も外側に位置する縦仕切板12)には、第一収納家具10と第一壁4との間の隙間を埋める板材16が設けられている。
第一壁4側の縦仕切板12は、上記の板材16を介して間接的に第一壁4に固定されている。第二収納家具6側の縦仕切板12は、その大部分が第二収納家具6に対して固定されているが、一部は第二壁5に対して直接的に固定されている。
なお、板材16は、第一収納家具10と第一壁4との間に設けられるものとしたが、第一収納家具10と第二収納家具6との間に設けられるものとしてもよいし、両方に設けられるものとしてもよい。隙間を埋める必要がなければ、両方に設けられなくてもよい。
箱体収納部11aは、正面側にも背面側にも開放された状態となっており、このような箱体収納部11aに納められる箱体20,30は、正面側(子供用スペース2側)と背面側(ホール3側)の二方向に引き出し可能となる(図4参照。)。
なお、本実施形態における箱体収納部11aの数は複数であり、箱体20,30も複数用いられているが、これに限られるものではなく、それぞれが少なくとも一つあればよいものとする。要するに、枠体11の形体や箱体20,30の使用数は、図示例に限定されるものではなく、例えば箱体20(30)一つ分の枠体(図14,15参照。)であってもよいし、上下方向にのみ箱体収納部11a(及び箱体)が連続するもの、左右方向にのみ箱体収納部11a(及び箱体)が連続するもの、階段状に箱体収納部11a(及び箱体)が配置されるもの等、適宜変更可能である。
なお、第一収納家具10の高さは、第二収納家具6よりも低く設定されている。本実施形態においては、成人男性の標準的な身長(例えば統計データに基づく平均身長)よりも低く、当該標準的な身長の成人男性の胸下あたりの高さに設定されている。したがって、第一収納家具10の高さは、成人女性の標準的な身長(例えば統計データに基づく平均身長)よりも低く設定されている。
要するに、第一収納家具10の高さは、ホール3にいる保護者が、第一収納家具10の天板14よりも上方に顔を出し、開口部7における戸7a,7bを通じて子供用スペース2に居る子供の様子を窺える程度の寸法に設定されているものとする(例えば100〜120cm程度)。
また、箱体20は、上述のように、正面側(子供用スペース2側)と背面側(ホール3側)の二方向に引き出されて、正面側と背面側のどちらからも物品の収納・取り出しが可能となっている。
なお、本実施形態における底面部21は、図5,図6に示すように、底面部用板材を主体として構成されているが、底面部21以外の各部22〜24を主体として構成する各板材(後述する。)も含んで構成されている。すなわち、正面部22を構成する正面部用板材の下端面、背面部23を構成する背面部用板材の下端面、側面部24を構成する側面部用板材の下端面を含んで構成されている。
箱体20が正面側又は背面側に引き出される際に、この底面部21は、下側仕切板13の上面を摺動することになる。
なお、本実施形態における正面部22は、正面部用板材を主体として構成されている。
また、正面部22には、箱体20を正面側に引き出す際に把持される摘み22aが設けられている。
なお、本実施形態における背面部23は、背面部用板材を主体として構成されている。
また、背面部23には、箱体20を背面側に引き出す際に把持される摘み23aが設けられている。
この側面部24は箱体20の左右に配置され、箱体20における左右の両側面を構成しているものとする。また、側面部24は、箱体20の左右に位置する縦仕切板12に接するか、若しくは、ごく僅かに隙間を空けて配置される。
なお、本実施形態における側面部24は、側面部用板材を主体として構成されているが、正面部22を構成する正面部用板材の両側端面と、背面部23を構成する背面部用板材の両側端面とを含んで構成されている。
また、各部21〜24を構成する各板材は矩形状に形成されており、箱体20は、左右幅方向よりも引き出し方向に長く、高さ方向よりも幅方向に長く設定されている。
なお、溝21aの背面側端部には、箱体20を正面側いっぱいに引き出した時に上向突起部材40が当接する当接部材21bが嵌め込まれて固定されている。当接部材21bの材料は、例えば樹脂や木材等が好適に採用されている。
本実施形態における溝21aは、底面部21に対して二本形成されており、側面部24からの間隔が等しくなるように配置されている。
一方、背面部23の高さ寸法は、上下の仕切板13間の間隔よりも短く設定され、かつ正面部22の高さ寸法よりも短く設定されている。さらに、背面部23における上端部の高さ位置は、正面部22における上端部の高さ位置よりも下方に位置している。なお、底面部21は、下側仕切板13の上面に接するため、背面部23の上端部と、上側仕切板13の下面との間には、図7に示すように、隙間(例えば、10mm〜15mm程度の隙間)Sが生じるように設定されている。
すなわち、正面部22と上側仕切板13との間の隙間の寸法は、背面部23と上側仕切板13との間の隙間Sの寸法よりも上下に短く設定されている。
なお、側面部24の高さ寸法は、正面部22及び背面部23の高さ寸法よりも短く設定され、上端部の高さ位置も、正面部22及び背面部23における上端部の高さ位置よりも低くなっている。
箱体20に対する箱体30の相違点は、図2,図3に示すように、左右の幅寸法が箱体20よりも長い点である。要するに、箱体20と箱体30は、幅方向におけるサイズが異なるだけで、その他の基本構成は同一である。よって、箱体30の詳細については説明を省略する。
また、上述のように、本実施形態における箱体20,30の底面部21,31に形成された溝21aは、底面部21,31に対して二本形成されているため、上向突起部材40も、下側仕切板13の正面側端部に対して二つ設けられている。側面部24からの間隔は、溝21aの形成された位置に対応するものであり、上向突起部材40は、溝21aの幅方向中央に位置するように配置されている(図8参照。)。
なお、本実施形態における下向突起部材50も、上向突起部材40と同様に、上側仕切板13の背面側端部に対して二つ設けられている。本実施形態においては、側面部24からの間隔も、上向突起部材40の場合と同様である。
上向突起部材40は、軸又は棒状の部材であり、本実施形態においては、図5に示すように、頭部41と軸部42とを有するネジ状の部材が用いられている。
頭部41は、軸部42に比して直径が大きく設定されている。また、軸部42は、頭部41と同一軸芯上に設けられ、頭部41と一体形成されている。さらに、軸部42の外周面には雄ネジが形成されており、当該軸部42は、雄ネジ部として機能する。
図示はしないが、下向突起部材50も同様に、頭部51と軸部(図示せず)とを有しており、軸部の外周面には、雄ネジが形成されて雄ネジ部として機能する。
雌ネジ部13aは、本実施形態においては、ナット状に形成されており、上向突起部材40及び下向突起部材50に向かって開口するように配置されている。
なお、本実施形態においては、上向突起部材40及び下向突起部材50としてネジ状の部材が用いられているが、例えば円柱状に形成されたダボ材のような軸材が用いられてもよい。その場合、下側仕切板13の正面側端部と上側仕切板13の背面側端部には、ダボ差し込み用の穴が形成される。また、その他にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の構成を有した部材が適宜用いられてもよい。
このような構成によれば、背面部23,33における上端部が、下向突起部材50には当たらない状態となり、箱体20,30を背面側に引き出せるようになっている。さらに、箱体20,30を背面側に引き出した際には、下向突起部材50が、箱体20,30の正面部22,32における上端部に当接するため、箱体20,30の背面側への落下を防止することができる。
さらに、上述のように、上向突起部材40は、箱体20,30の底面部21,31に形成された溝21aに納められた状態となっているので、箱体20,30を正面側に引き出せるとともに、上向突起部材40が、溝21aにおける閉じられた状態の背面側端部に当接することで、箱体20,30の正面側への落下を防止することができる。
すなわち、緩衝材43は、頭部41,51に対して外れにくいように設けられ、かつ弾力性を有する材料によって製造されているものとする。
本実施形態の落下防止構造においては、このように背面側端部が、下側仕切板13の上面から浮き上がった状態になったときに、上向突起部材40が、溝21aから抜け出た状態とならないように設定されている。
すなわち、隙間Sの上下方向の寸法は、下向突起部材50における上側仕切板13の下面からの突出寸法よりも若干長い程度に設定されている(例えば1mm〜数mm長い程度)。さらに、溝21aに嵌め込まれて固定された上記の当接部材21bの長さを調節することによって、箱体20,30を正面側に引き出せる寸法を調節することができる。そのため、当接部材21bの長く設定し、箱体20,30を正面側いっぱいに引き出した時に箱体20,30が箱体収納部11a内に残る分の寸法を長くすれば、箱体20,30の正面側端部が下がるような状態で傾く際の角度を抑えることができるので、結果的に、上向突起部材40が、溝21aから抜け出た状態とならないようにすることができる。換言すれば、箱体20,30の正面側端部が下がるような状態で傾いた際に、背面部23,33の上端部が、上側仕切板13における下面のより奥側に当接することになるので、箱体20,30の正面側端部が下がるような状態で傾く際の角度を抑えることができる。
なお、正面部22,32の上端部と上側仕切板13の下面との間の隙間における上下方向の寸法は、上記の隙間Sにおける上下方向の寸法よりも格段に短い。そのため、箱体20,30を背面側いっぱいに引き出した場合であって、かつ箱体20,30の背面側端部が下がるような状態で傾こうとした時に、正面部22,32の上端部が、上側仕切板13の下面にすぐに当接することになる。すなわち、箱体20,30を背面側いっぱいに引き出した場合の下方への傾きは、正面部22、32の上端部によって抑えられることになる。
また、箱体20,30を、枠体11の箱体収納部11aに納める作業は、上向突起部材40と下向突起部材50のうち、いずれか一方を一旦取り外してから行われるものとする。一方、箱体20,30を、枠体11の箱体収納部11aから取り出す作業も同様に、上向突起部材40と下向突起部材50のうち、いずれか一方を一旦取り外してから行われるものとする。
さらに、上側仕切板13の背面側端部には、下方に突出する下向突起部材50が設けられ、箱体20,30の背面部23,33における上端部の高さ位置は、下向突起部材50の下端部よりも下方に位置するので、背面部23,33における上端部が、下向突起部材50には当たらない状態となり、箱体20,30を背面側にも引き出すことができる。すなわち、箱体20,30の二方向への引き出しが可能となるので、利便性に優れる。また、箱体20,30の正面部22,32における上端部の高さ位置は、下向突起部材50の下端部よりも上方に位置するので、箱体20,30を背面側に引き出した際には、下向突起部材50が、箱体20,30の正面部22,32における上端部に当接するため、箱体20,30が背面側に落下することを防ぐことができ、安全性を確保できる。
さらに、下側仕切板13及び上側仕切板13に雌ネジ部13aを設け、雄ネジ部42を有する上向突起部材40及び下向突起部材50と箱体20,30とを用意すれば収納家具10を構成できるので、古くなった収納家具10の板枠材を再利用するなどすれば、リフォーム・リノベーション分野での展開が可能となる。
さらに、緩衝材43としてゴムなどを用いれば、上向突起部材40及び下向突起部材50を取り外した場合に、上向突起部材40及び下向突起部材50が転がりにくくなり、上向突起部材40及び下向突起部材50の紛失を防ぎやすくなる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。
また、以下の各変形例において、上記の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。さらに、各変形例における箱体20は、幅広に形成された上記の箱体30に置き換えてもよいものとする。
図9に示すように、箱体収納部11aの中央に箱体20が配置された状態において、本変形例における下側仕切板13A及び上側仕切板13Aの正面側端部は、箱体20の正面部22よりも正面側(前方)に突出しており、背面側端部は、箱体20の背面部23よりも背面側(後方)に突出している。
本変形例によれば、箱体20を正面側と背面側のどちらに引き出した場合であっても、箱体20の底面部21が下側仕切板13の上面に接する面積を広くすることができるので、箱体20をより安定的に支持することができる。
本変形例における底面部210は、図10に示すように、格子状(簀の子に近似する形状)に形成されている。すなわち、底面部を構成するものは、上記の実施形態のような底面部用板材に限られるものではない。
すなわち、底面部210は、背面側端部に設けられた左右に長い背面側端部用枠材211と、背面側端部用枠材211の長さ方向両端部から正面に向かって設けられた左右の側枠材212と、左右の側枠材212と並行し、かつ左右の側枠材212間に互いに間隔を空けて設けられた複数の桟材213と、左右の側枠材212と複数の桟材213とを左右方向に接続する繋ぎ材214と、を備える。
そして、左右の側枠材212と隣り合う桟材213との間、隣り合う桟材213同士の間には、隙間215が形成されている。
これら複数の繋ぎ材214は、全て等しい高さに配置されており、図10(b)に示すように、隙間215に露出する繋ぎ材214の下方を、上向突起部材40が納められるスペースとして利用できるようになっている。
上向突起部材40が納められる隙間215は、左右の側枠材212と隣り合う桟材213との間の隙間とされている。
また、箱体を正面側又は背面側に引き出した際に各隙間215を空気が通過するので通気性を高めることができる。
本変形例における正面部220は、図11に示すように、当該正面部220を構成する正面部用板材の下端部が、下側仕切板13の上面に接しない位置に配置されている。なお、正面部220の上端部の高さ位置は、上記の実施形態における正面部22の上端部の高さ位置と等しい。
すなわち、本変形例における正面部220は、その高さ寸法が、上記の実施形態における正面部22の高さ寸法よりも短く設定され、下端部が、下側仕切板13の上面に接しない状態となっている。
これに伴って、本変形例における底面部21Aは、上記の実施形態における底面部21とは異なり、正面部220を構成する正面部用板材の下端面を含まない状態となる。
このような段差221が形成されることで、底面部21Aを構成する底面部用板材の正面側は露出することになる。これにより、底面部21Aに、上向突起部材40が納められる溝(図示せず)を形成するに際し、正面部220を構成する正面部用板材の下端部に溝加工を施す必要がなくなるので、その分の手間やコストを軽減することができる。
本変形例における正面部225は、図12に示すように、格子枠状に形成されている。すなわち、正面部を構成するものは、上記の実施形態のような正面部用板材に限られるものではない。
すなわち、正面部225は、当該正面部225の左右両側端部のそれぞれに設けられた側端枠材225aと、左右の側端枠材225a間に架け渡された複数の枠材225b,225c,225dと、を備える。
複数の枠材225b,225c,225dには、正面部225の上端部に配置された上端枠材225b、下端部に配置された下端枠材225c、これら上端枠材225bと下端枠材225cとの間に互いに間隔を空けて配置された複数の中間枠材225dが含まれている。各枠材225b,225c,225dには、隙間226が形成されている。
また、本変形例の底面部21Bを構成する底面部用板材の正面側端部は、以上のような構成の正面部225における背面に固定されている。
上端枠材225bは、箱体20が背面側いっぱいに引き出された際に下向突起部材50に当接するため、下端枠材225cや中間枠材225dに比して高さ寸法が長く設定され、剛性が高められた状態となっている。
下端枠材225cと中間枠材225dは、等しいサイズの角材によって構成されているが、下端枠材225cの下面には、上向突起部材40が納められる溝21Baが形成されている。
溝21Baは、下端枠材225cと底面部21Bを構成する底面部用板材とに対し、箱体20の引き出し方向に沿って、かつ正面側に開放されるとともに背面側に閉じられた状態で形成されている。
なお、図示はしないが、背面部を、本変形例の正面部225のように格子枠状に形成してもよい。その場合、下端枠材に、上向突起部材40が納められる溝は形成されないものとする。
本変形例においては、図13に示すように、背面部230の上端部の高さ位置が、上記の実施形態における背面部23の上端部の高さ位置よりも高く設定されている。
より詳細に説明すると、背面部230における上端部の高さ位置は、正面部22における上端部の高さ位置と略等しく設定されている。さらに、本変形例においては、背面部230における高さ寸法は、正面部22における高さ寸法と略等しく設定されている。
そして、背面部230を構成する背面部用板材の上端部における下向突起部材50と対向する位置には、下向突起部材50よりも幅広な凹溝部231が、箱体20の引き出し方向に沿って形成されている。
これにより、背面部230の上端部と上側仕切板13の下面との間の隙間における高さ寸法が短くなるので、箱体20を正面側いっぱいに引き出した場合であって、かつ箱体20の正面側端部が下がるような状態で傾こうとした時に、背面部230の上端部が、上側仕切板13の下面にすぐに当接することになる。そのため、箱体20を正面側いっぱいに引き出した場合の下方への傾きを、背面部230の上端部によって抑えることが可能となる。
本変形例における収納家具310は、図14,図15に示すように、一つの箱体収納部311aが形成された枠体311と、一つの箱体収納部311aに納められる箱体20と、を備える。
そして、この収納家具310には、箱体20が枠体311から抜けて落下することを防止する、上記の実施形態と同様の落下防止構造(説明省略。)が設けられている。
下側仕切板313は、左右の縦仕切板312における下端部の内側面間に架け渡されて取り付けられ、上側仕切板313は、左右の縦仕切板312における上端部の内側面間に架け渡されて取り付けられている。
左右の縦仕切板312の下端面と下側仕切板313の下面は面一になっており、左右の縦仕切板312の上端面と上側仕切板313の上面も面一になっている。
本変形例における箱体20一つ分の収納家具310は、図16に示すように、上下方向や左右方向に隣接するように複数並べて使用することができる。収納家具310同士を隣接させる場合は、図示しない接合部材を適宜用いて接合してもよいし、接合せずに単に複数並べて使用してもよい。
なお、複数の収納家具310を上下方向や左右方向に隣接するように複数並べた場合、隣接する枠体311における左右の縦仕切板312や上下の仕切板313が重なり合うことになる。そのため、上下方向や左右方向における寸法を縮めたい場合は、上記の実施形態で挙げた第一収納家具10(隣り合う箱体20同士で縦仕切板12や仕切板13が共有化される形態)を使用すればよい。
2 子供用スペース
3 ホール
4 第一壁
5 第二壁
6 第二収納家具
7 開口部
10 第一収納家具
11 枠体
11a 箱体収納部
12 縦仕切板
13 仕切板
13a 雌ネジ部
14 天板
20 箱体
21 底面部
21a 溝
21b 当接部材
22 正面部
23 背面部
24 側面部
30 箱体
31 底面部
32 正面部
33 背面部
34 側面部
40 上向突起部材
41 頭部
42 軸部
43 緩衝材
50 下向突起部材
S 隙間
Claims (7)
- 物品が収納される上向き開口の箱体と、上下に離間して前記箱体が納められるスペースを形成する複数の仕切板と、を備え、前記箱体を、正面側と背面側の二方向に引き出し可能な収納家具において、
前記箱体は、
前記複数の仕切板のうち下側に位置する下側仕切板の上面に接する底面部と、
前記複数の仕切板のうち上側に位置する上側仕切板と前記下側仕切板との間に納まる高さ寸法に設定された正面部及び背面部と、
を有しており、
前記下側仕切板の正面側端部には、上方に突出する上向突起部材が設けられ、
前記箱体の前記底面部には、前記上向突起部材が納まる溝が、前記箱体の引き出し方向に沿って、かつ正面側に開放されるとともに背面側に閉じられた状態で形成されており、
前記上側仕切板の背面側端部には、下方に突出する下向突起部材が設けられ、
前記箱体の前記背面部における上端部の高さ位置は、前記下向突起部材の下端部よりも下方に位置し、前記箱体の前記正面部における上端部の高さ位置は、前記下向突起部材の下端部よりも上方に位置することを特徴とする収納家具。 - 請求項1に記載の収納家具において、
前記上向突起部材及び前記下向突起部材は、前記下側仕切板と前記上側仕切板に対して脱着自在に設けられていることを特徴とする収納家具。 - 請求項2に記載の収納家具において、
前記下側仕切板と前記上側仕切板のそれぞれは雌ネジ部を有し、
前記上向突起部材及び前記下向突起部材は、前記雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有することを特徴とする収納家具。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の収納家具において、
前記上向突起部材及び前記下向突起部材の周囲には緩衝材が設けられていることを特徴とする収納家具。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の収納家具において、
前記下向突起部材の幅寸法は、前記背面部の幅寸法よりも短く設定されていることを特徴とする収納家具。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の収納家具において、
前記複数の仕切板が取り付けられて当該複数の仕切板を支持する複数の縦仕切板を備えており、
前記複数の縦仕切板のうち少なくとも一つの縦仕切板は、建物の耐力壁に固定されていることを特徴とする収納家具。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の収納家具が設置された子供用施設であって、
前記収納家具によって隔てられ、当該収納家具を介して隣り合う二つの部屋を備え、
前記二つの部屋のうち一方は、子供が過ごす子供用スペースとされ、他方は、前記子供用スペースとは別室のホールとされていることを特徴とする子供用施設。
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- 2018-08-02 JP JP2018145514A patent/JP7097775B2/ja active Active
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