JP2020018235A - 巨核球細胞の培養方法及び培養装置 - Google Patents

巨核球細胞の培養方法及び培養装置 Download PDF

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【課題】本発明は、巨核球細胞または/および巨核芽球細胞の培養を行い、効率よく血小板産生を誘導することが可能な巨核球細胞培養方法および培養装置を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、中空糸膜を含む細胞培養容器を用い巨核球細胞を培養する方法であって、前記中空糸膜の内腔に巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を播種する工程、前記中空糸膜の外腔側に流した培養液と接触させて前記中空糸膜の内腔で巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を培養する工程、前記巨核球細胞および/または巨核芽球細胞にサイトカインを作用させて血小板産生を誘導する工程、を含む、巨核球細胞培養方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、透過性膜中空糸からなるモジュールを含む細胞培養装置を用いて、巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を血小板を産生する巨核球細胞へ分化培養することを含む、巨核球細胞の培養方法及び培養装置に関する。
外科手術等の治療や血液関連疾患の治療においては、輸血が必要となるケースは多い。特に血小板は、白血病、骨髄移植、抗癌治療などにおける需要が非常に多い。しかし、血小板輸血のソースは献血ドナーに依存している状況であり、少子高齢化が進む将来、深刻なドナー不足となることから血小板を安定的に供給することは大きな課題となっている。一方で、血液系細胞の巨核球を培養し、血小板を作製する技術が知られており、研究開発が進められている。例えば、造血幹細胞を培養して血小板を作製する方法(非特許文献1)やES細胞を利用して血小板を作製する方法(非特許文献2)などの報告がある。
巨核球細胞を培養し血小板産生を誘導する際、一般にはその産生効率が低いため、如何に効率を上げるかが課題となる。例えば、ハイドロゲルを用いた3次元培養により産生効率が改善するという報告がある(非特許文献3)。
BLOOD,1 JUNE 1993 VOL.81,No.11 p2844−2853 BLOOD,1 JUNE 2008 VOL.111,No.11 p5298−5306 PLOS ONE,27 AUGUST 2015 10(8),e0136652
本発明は、巨核球細胞および/または巨核芽球細胞の培養を行い、効率よく血小板産生を誘導することが可能な巨核球細胞の培養方法および培養装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.中空糸膜を含む細胞培養容器を用い巨核球細胞を培養する方法であって、
(1)前記中空糸膜の内腔に巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を播種する工程、
(2)前記中空糸膜の外腔に流した培養液と接触させて中空糸膜の内腔で巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を培養する工程、
(3)前記巨核球細胞および/または巨核芽球細胞にサイトカインを作用させて血小板産生を誘導する工程、
を含む、巨核球細胞の培養方法。
2.前記巨核球細胞および/または巨核芽球細胞が遺伝子改変された細胞である、項1に記載の巨核球細胞の培養方法。
3.項1または2に記載の前記巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を培養するための装置。
本発明により、培養した巨核球細胞から効率良く血小板産生が可能となり、安定した血小板輸血への応用が期待できる。
本発明の細胞培養容器の一例を示す模式図である。 本発明の細培養装置を用いた細胞培養実験の一例を示す模式図である。
本発明は、中空糸膜を含む細胞培養容器を用い巨核球細胞を培養する方法であって、中空糸膜内腔に巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を播種する工程、中空糸膜外腔側に流した培養液と接触させて該中空糸膜内腔で巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を培養する工程、巨核球細胞および/または巨核芽球細胞にサイトカインを作用させて血小板産生を誘導する工程、を含む、巨核球細胞培養方法である。
(中空糸膜)
本発明において、中空糸膜は、巨核球細胞および血小板を透過せず、培養液成分や細胞の代謝物(老廃物)を透過できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、セルロースアセテートや再生セルロースなどのセルロース系素材や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、フッ素系樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等の合成系素材からなるものが利用できる。また、これらの誘導体が主成分であっても良い。また、中空糸膜はこれらの素材に化学的に修飾を加えたものであっても良く、例えば、親水化処理されたものでもよい。親水化処理することにより、培養細胞への培養液等の液体成分の供給が容易になる。中空糸膜を親水化処理する方法としては、例えば、中空糸膜をポリビニルピロリドンやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ヒドロキシアルキルセルロース、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の親水性高分子や、グリセリン、エタノールで処理する方法が挙げられる。また、用途に応じて、細胞の中空糸膜へ対する軽い接着性を付与するため、コラーゲンやフィブロネクチン等のコーティング剤を使用しても構わない。
中空糸膜の内径は、好ましくは100μm〜2000μm程度のものが利用される。膜厚は、中空糸膜が適度な強度を保ち、かつ物質の透過性に大きな支障がない範囲で設定すればよく、例えば10〜1000μm程度が好ましい。中空糸膜の内側に細胞を播種する場合は、中空糸膜の内径は、二次元的な効果として、細胞の播種、細胞密度だけでなく、三次元的な効果であるコンパクト性のみならず、培地との接触、培地の流れ、線速度、せん断力などに影響する設計や操作条件と関わる事項となることから、中空糸培養のメリットを活かす要件となる。
中空糸膜の孔径は、細胞(巨核球、血小板)は通過しないが、水、塩類、タンパク質などの培養液成分は通過させる通孔であれば特に限定されるものではないが、細胞の培養を考慮すると物質交換の効率のよい比較的大きな孔径を有する方が望ましく、平均孔径が0.01〜1μm程度であることが好ましく、0.1〜1μm程度の通孔を有するものであればより好ましい。また、膜の孔径は、培養に伴う各種生体成分の吸着や目詰まりの影響も受けることになる。すなわち、最適な設計は、これらの物質との相互作用を鑑みて実施されるべきものである。
(細胞培養容器)
本発明の対象となる細胞培養容器は、例えば、筒状容器に数十本〜数千本の中空糸膜を格納することにより作製することができる。このような形態の細胞培養容器は、単位体積あたり高い密度で細胞を培養でき、また、培養液流通や培養液除去の操作を簡便化することができるため、効率よく本発明の細胞培養を実施することが出来る。
このような中空糸膜を用いた細胞培養容器の構成は特に限定されないが、例えば図1に示すように、6つの開口部(端部導管および側部導管)を有する細胞培養容器2に中空糸膜1が適宜必要な本数束ねられて充填されている形態が挙げられる。この形態においては、前記中空糸膜の束は、両端において各中空糸膜の内腔と外腔を分離した状態で中空糸膜の中空部を閉塞しないように適当なシール材(例えば、ポリウレタン系ポッティング剤)により細胞培養容器端部に接着固定されている。また、前記6つの開口部のうち、2つの端部導管3aおよび3bは、前記端部導管3aまたは3bの一方から導入された培養液などが中空糸膜内腔を通ってもう一方の端部導管3bまたは3aから導出される(すなわち、一方向に流れる)ように構成されている。一方、前記開口部のうち、残りの4つの側部導管4a、4b、4c、4dは、前記細胞培養容器2の内側であって、かつ前記中空糸膜の外腔である空間(以下、単に「外腔」とも称する)と連通しており、前記側部導管4aおよび/または4bから導入された培養液などが培養容器内の中空糸膜外腔を通って反対側の側部導管4cおよび/または4dから導出されるように構成されている。
前記細胞培養容器を用いる場合、例えば、中空糸膜内腔にて細胞を培養する際は、細胞縣濁液を端部導管より注入することにより播種する。細胞播種後、中空糸膜外腔へ培地を側部導管より導入し灌流させることにより培養を行うことが好ましい。
培養基材として中空糸膜を用いることにより、細胞へ常に新鮮な培地を供給することができ、培養基材にシャーレやフラスコ等を用いる際に必要な培地の交換作業は不要となり、作業者の拘束時間を減らすことができる。
(培養の対象となる細胞)
本発明において、培養の対象となる細胞としては、巨核球細胞および/または巨核芽球細胞である。細胞の由来は特に限定されず、ヒト、ブタ、イヌ、マウス等のいずれの動物由来のものも使用できる。また、これらの細胞は、培養前に外来遺伝子を導入した細胞であってもよいし、抗体やリガンドなどの刺激因子などで予め刺激、加工されている細胞であっても良い。
(培養液)
本発明に用いる培養液は、特に限定されないが、動物細胞の培養に用いられる培地を基礎培地として調製することができる。基礎培地としては、例えばRPMI1640培地、Ham’s F12培地、IMDM(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium)培地、αMEM(Minimum Essential Medium Eagle,Alpha Modification)培地、DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)培地等の培地、およびこれらの混合培地などが好適に使用できる。培地には、血清が含まれていてもよい。これらの培地には必要に応じ、例えば、L−グルタミン、インスリン、トランスフェリン、セレン、脂肪酸、チオールグリセロール、脂質、非必須アミノ酸、ビタミン、増殖因子、抗生物質などを添加しても構わない。また、血球系細胞の分化、成熟を促進し、細胞内に血小板を産生するように誘導するために、例えば、VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor)、TPO(Thrombopoietin)、SCF(Stem Cell Factor)などのサイトカインを添加してもよい。VEGFは、0〜100ng/mL、TPOおよびSCFは、10ng/mL〜200ng/mLになるように添加するのが好ましい。
(培養液の流量)
本発明において、細胞培養における培養液、特に細胞培養容器内へ流入する培養液の流量については、厳密に制御することが好ましい。培養液は連続的に流しても良いし、断続的に流しても構わないが、流量が少なすぎると、細胞への栄養供給が十分になされず、細胞が増殖しにくくなる。逆に、流量が多すぎても、細胞周囲の環境変化が激しく、細胞が周りの環境に馴染めず、細胞が増殖しにくくなる。このように、細胞培養容器内を流れる、あるいは循環する培養液の流量は、細胞増殖度合いや環境に応じて、調整することが好ましい。
(細胞培養装置による培養)
前述の細胞培養容器を含む、細胞培養装置を用いた培養では、例えば細胞培養容器のいずれかの端部出入口から細胞を懸濁した液を中空糸膜内腔に入れることにより、細胞を播種することが出来る。その後に、インキュベーター内に設置した細胞培養容器に、連続的あるいは断続的に培養液を送液することにより細胞を培養、増殖させることが出来る。
以下、本実施形態の培養細胞の製造方法の各工程について、図2を参照して説明する。
(細胞の播種工程)
中空糸膜内腔に巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を播種する工程は、細胞培養容器の端部導管3aまたは3bに接続されたシリンジ等を用いて細胞懸濁液を押し込むことにより行う。このとき、バルブ5b、5c、5d、5eおよび5fは閉じた状態としておく。また、播種する細胞数は、1×10個/cm〜1×10個/cmが適当である。
(細胞の培養工程)
中空糸膜内腔に巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を播種した後、バルブ5aを閉じる一方、バルブ5cおよび5fを開き、ポンプ7を起動して培養液を灌流させることにより、細胞の培養を開始する。培養液の流量は、細胞の生育(増殖)状況にもよるが、培養0日から2日目までは0.01〜0.2mL/min、3日目から4日目までは0.3〜1mL/min、5日目から7日目までは2〜5mL/minとするのが好ましい。また、培養液の流れ方向は、3〜8時間ごとに切替えるのが好ましい。具体的には、当初5cから5f方向に流した後、5cおよび5fを閉じ、5dおよび5eを開いて5dから5e方向に灌流させるのが好ましい。
(血小板産生を誘導する工程)
巨核球細胞の分化、成熟を促進し、細胞内に血小板を産生するように誘導するためには、造血因子や幹細胞因子、増殖因子などのサイトカインを作用させるのが好ましい。これらのサイトカインは、培養液に添加して用いるのが簡便であるが、培養初期段階より添加してもよいし、培養途中で前記サイトカインを添加した培養液に切替えてもよい。
(血小板の回収)
細胞培養終了後、ポンプ7を停止し、バルブ5c、5d、5eおよび5fを閉じる。次に、バルブ5aおよび5bを開き、シリンジ9aより新鮮な培養液を細胞培養容器2の中空糸膜内腔に押し込むことにより、血小板を含む巨核球をシリンジ9bに押し出す。得られた回収液を、公知の方法(WO2017/065280、特開2016−190824号)により血小板と巨核球を分離する。
以下、本発明の有効性について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下に代表的な本発明の巨核球細胞培養方法の実施について記載する。
(内径、膜厚の測定)
中空糸膜の内径、外径および膜厚は、中空糸膜をスライドグラスの中央に開けられたφ3mmの孔に中空糸膜が抜け落ちない程度に適当本数挿入し、スライドグラスの上下面でカミソリによりカットし、中空糸膜断面サンプルを得た後、投影機Nikon−V−12Aを用いて中空糸膜断面の短径、長径を測定することにより得られる。中空糸膜断面1個につき2方向の短径、長径を測定し、それぞれの算術平均値を中空糸膜断面1個の内径および外径とし、膜厚は(外径−内径)/2で算出した。5断面について同様に測定を行い、平均値を内径、膜厚とした。
(中空糸膜の平均細孔半径の測定)
純水で充分に湿潤状態にした中空糸膜数十本を約5mmにカットし、ろ紙で余分な水分を取り除き、密閉パンにつめ、DSC(示差走査熱量計 Perkin−Elmer社製DSC−7)で融解曲線を測定した。測定は、−45℃〜15℃の範囲を昇温速度2.5℃/minで実施した。細孔に存在する水は基材の影響を受けて凝固点降下し、自由水(0℃付近で融解)とは異なるところ(自由水よりも低い温度領域)でピークを示す。凝固点降下している部分のピークとベースラインとで囲まれる領域の融解熱量(ΔHp)を求め、水の単位重量あたりの融解熱量(ΔHm)から細孔水量(Wp)を算出した。DSC測定したサンプルを絶乾し、蒸発した水分の重量(全水分量 Wt)を求めた。これらの値からVp(細孔体積空孔率)を次式によって算出した。
Wp=ΔHp/ΔHm
Vp(%)=Wp/(Wt+Mp/ρp)×100
Mp:ポリマー重量
ρp:ポリマー比重
上記のようにして得られた融解曲線から、凝固点降下した方のピークのピークトップを読み取り、細孔中の水の毛管凝縮による凝固点(氷点)降下度から次式を用いて細孔半径(r)を算出した。
r(nm)=氷点降下度(℃)/164×10
(血小板数の測定)
細胞培養容器からの血小板を含む回収液は、遠心分離操作により血小板と細胞を濾別し、最終的に10mLの培養液に懸濁した。この懸濁液に含まれる血小板をCD41a抗体とCD42a抗体およびCD42b抗体を用いて染色した後、フローサイトメーター(BD accuriTM C6、ベクトンディッキンソン社)を用いて計測し、共陽性細胞を血小板とした。
(中空糸膜の作製)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社)17.2wt%、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、三菱化学社)57.96wt%、トリエチレングリコール(TEG、三井化学社)24.84wt%を混合、溶解し製膜溶液を得た。得られた製膜溶液を二重管ノズルの環状部から、芯液として流動パラフィン(キシダ化学社)を中心部から吐出し、エアギャップを経て、NMP14wt%、TEG6wt%、RO水80wt%の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は108℃、外部凝固液の温度は42℃に設定した。凝固浴から引き出した後に水洗槽を走行させて洗浄を実施し、50℃、65wt%のグリセリン浴を通過させ、乾燥して巻取り機に巻き取った。得られた中空糸膜の内径は0.18mm、外径は0.26mm、膜厚は0.04mmであった。また、平均細孔径は52nm(平均細孔径は104nm)であった。
[実施例1]
(細胞培養容器の作製)
細胞培養容器を以下のように作製した。内径10mm、長さ100mmの円筒状のポリカーボネート製のケース内に、前記セルローストリアセテート製中空糸膜を100本装填した後、中空糸膜の中空部を閉塞しないようにポリウレタン系ポッティング剤で両末端をケースに固定し、図1に示すような形状の細胞培養容器を作製した。尚、円筒形ケースは図1に示すように、側部に4つの開口部(導管)を有している。
(巨核球の分離)
ヒト臍帯血単核球細胞群から、Dynabeads CD34 Positive Isolation Kit(Veritas、DB11301)を用いてCD34陽性の単核球を分離し、これをメチルセルロース培地(Human Complete Media(R&D Systems、HSC003))で14日間培養し、巨核球細胞を含むコロニーを得た。このコロニーの細胞を回収し、培養実験に供した。
(細胞培養実験)
図2に、細胞培養実験に用いた培養装置の構成を簡略化して示す。細胞培養実験には、前述の細胞培養容器を用いた。細胞培養容器の側部の導管に、図2に示すように流路を接続し、培養液貯留容器6から細胞培養容器内へポンプ7を使用して培養液を供給した。また、各導管からの流路には、バルブ5a〜5fを設け、これを遮断/解除することにより適宜、流路の流れる方向を制御して培養を行った。培養には前述のヒト巨核球を含むコロニーを回収した細胞を用い、3×10個を2mLの培養液に懸濁し、これを注射用シリンジを用い端部導管から培養容器内の中空糸膜内腔へと播種した。
(培養液)
IMDM培地に1%BSA(Bovine Serum Albumin)、ヒトトランスフェリン200μg/mL、L−グルタミン2mM、ヒトインスリン10μg/mL、TPO50ng/mL、SCF50ng/mL、ヘパリン20U/mLを添加した培地を用いた。
(培養液灌流)
ポンプ7の流量は、培養0〜2日目までは0.1mL/min、培養3〜4日目までは0.5mL/min、培養5〜7日目までは3.5mL/minで灌流を実施し、7日間の培養を行った。また、バルブ5cと5f、バルブ5dと5eはそれぞれセットで6時間ごとに交互に開閉するように設定した。即ち、バルブ5cと5fが開のときは、バルブ5dと5eは閉とし、逆にバルブ5cと5fが閉のとき、バルブ5dと5eが開となるように設定した。
(細胞回収)
シリンジ9aを用い培養液を細胞培養容器端部導管より中空糸膜内腔へ流入させ、水流により培養液とともに細胞を反対側の端部導管に接続したシリンジ9bに流し出して回収した。
[比較例1]
T−25フラスコ(細胞培養面積225cm)に、実施例1において巨核球を含むコロニーを回収して調製した同じ細胞を3×10個播種し、実施例1と同じ培養液を用いて、COインキュベーター内にて37℃、7日間静置して培養した。培養終了後、培養液とともにフラスコからすべての細胞を回収した。
回収した細胞は、遠心分離後、最終的に10mLの培養液に懸濁し、実施例1と同様に血小板数を測定した。
実施例1および比較例1の同じ実験をそれぞれ8回繰り返し、回収された血小板数を求めた(表1)。この結果、本発明の実施例においては、比較例に比べて血小板産生量は3倍以上高い結果であった。このことから、本発明では巨核球細胞を培養し、効率よく血小板産生を誘導する培養方法および培養装置を提供出来るといえる。
本発明により、効率良い浮遊性細胞の培養実施及び簡便な培養液除去が可能となり、免疫細胞療法への応用が期待できる。
1 中空糸膜
2 細胞培養容器(ケース)
3 端部導管
4 側部導管
5 バルブ
6 培養液貯留容器
7 ポンプ
8 回収容器
9 シリンジ

Claims (3)

  1. 中空糸膜を含む細胞培養容器を用い巨核球細胞を培養する方法であって、
    (1)前記中空糸膜の内腔に巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を播種する工程、
    (2)前記中空糸膜の外腔側に流した培養液と接触させて前記中空糸膜の内腔で巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を培養する工程、
    (3)前記巨核球細胞および/または巨核芽球細胞にサイトカインを作用させて血小板産生を誘導する工程、
    を含む、巨核球細胞培養方法。
  2. 前記巨核球細胞および/または巨核芽球細胞が遺伝子改変された細胞である、請求項1に記載の巨核球細胞培養方法。
  3. 請求項1または2に記載の前記巨核球細胞および/または巨核芽球細胞を培養するための装置。

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