JP6998018B2 - 細胞処理装置、浮遊培養器、及び幹細胞の誘導方法 - Google Patents

細胞処理装置、浮遊培養器、及び幹細胞の誘導方法 Download PDF

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Description

本発明は細胞技術に関し、細胞処理装置、浮遊培養器、及び幹細胞の誘導方法に関する。
胚性幹細胞(ES細胞)は、ヒトやマウスの初期胚から樹立された幹細胞である。ES細胞は、生体に存在する全ての細胞へと分化できる多能性を有する。現在、ヒトES細胞は、パーキンソン病、若年性糖尿病、及び白血病等、多くの疾患に対する細胞移植療法に利用可能である。しかし、ES細胞の移植には障害もある。特に、ES細胞の移植は、不成功な臓器移植に続いて起こる拒絶反応と同様の免疫拒絶反応を惹起しうる。また、ヒト胚を破壊して樹立されるES細胞の利用に対しては、倫理的見地から批判や反対意見が多い。
このような背景の状況の下、京都大学の山中伸弥教授は、4種の遺伝子:OCT3/4、KLF4、c-MYC、及びSOX2を体細胞に導入することにより、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)を樹立することに成功した。これにより、山中教授は、2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞した(例えば、特許文献1、2参照。)。iPS細胞は、拒絶反応や倫理的問題のない理想的な多能性細胞である。したがって、iPS細胞は、細胞移植療法への利用が期待されている。
特許第4183742号公報 特開2014-114997号公報
iPS細胞に限らず、様々な細胞を効率よく培養可能な装置や方法が望まれている。本発明は、細胞処理装置、浮遊培養器、及び幹細胞の誘導方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の態様によれば、細胞に多能性誘導因子を導入して誘導因子導入細胞を作製する因子導入装置と、因子導入装置で作製された誘導因子導入細胞を浮遊培養するための浮遊培養器と、を備える、細胞処理装置が提供される。
上記の細胞処理装置において、浮遊培養器内で誘導因子導入細胞が初期化されてもよい。
上記の細胞処理装置において、浮遊培養器内で誘導因子導入細胞が初期化され、拡大培養されてもよい。
上記の細胞処理装置において、浮遊培養器が、誘導因子導入細胞と培地が入れられる半透膜と、半透膜が入れられ、半透膜の周囲に培地が入れられる容器と、容器内の培地を攪拌させるための駆動装置と、を備えていてもよい。半透膜は、例えば、チューブ状である。
上記の細胞処理装置において、容器内に攪拌部材が設けられていてもよい。
上記の細胞処理装置において、駆動装置が、磁力を介して、攪拌部材を回転させてもよい。
上記の細胞処理装置において、浮遊培養器が、誘導因子導入細胞と培地が入れられる半透膜と、半透膜が入れられ、半透膜の周囲に培地が入れられる容器であって、内側面にらせん状の溝が設けられている容器と、容器内の溝に沿って培地が流れるよう、容器内に培地を供給するポンプと、を備えていてもよい。
上記の細胞処理装置において、因子導入装置で作製された誘導因子導入細胞が、浮遊培養器の半透膜内に送られてもよい。
上記の細胞処理装置において、浮遊培養器が、培地が入れられる半透膜と、半透膜が入れられ、半透膜の周囲に誘導因子導入細胞と培地が入れられる容器と、半透膜内に培地の液流が生じるよう、半透膜内に培地を供給するポンプと、を備えていてもよい。
上記の細胞処理装置において、因子導入装置で作製された誘導因子導入細胞が、容器内の半透膜の外に送られてもよい。
上記の細胞処理装置において、浮遊培養器が、誘導因子導入細胞と培地が入れられる容器と、容器内の培地を攪拌させるための駆動装置と、を備えていてもよい。
上記の細胞処理装置において、容器内に攪拌部材が設けられていてもよい。
上記の細胞処理装置において、駆動装置が、磁力を介して、攪拌部材を回転させてもよい。
上記の細胞処理装置において、浮遊培養器が、誘導因子導入細胞と培地が入れられる容器であって、内側面にらせん状の溝が設けられている容器と、容器内の溝に沿って培地が流れるよう、容器内に培地を供給するポンプと、を備えていてもよい。
上記の細胞処理装置において、因子導入装置で作製された誘導因子導入細胞が、浮遊培養器の容器内に送られてもよい。
上記の細胞処理装置において、培地が液体培地であってもよい。
上記の細胞処理装置において、培地がゲル培地であってもよい。
また、本発明の態様によれば、細胞と培地が入れられる半透膜と、半透膜が入れられ、半透膜の周囲に培地が入れられる容器と、容器内に設けられた攪拌部材と、を備える、浮遊培養器が提供される。
上記の浮遊培養器において、容器内の培地を攪拌させるための駆動装置をさらに備えていてもよい。
上記の浮遊培養器において、駆動装置が、磁力を介して、攪拌部材を回転させてもよい。
また、本発明の態様によれば、細胞と培地が入れられる半透膜と、半透膜が入れられ、半透膜の周囲に培地が入れられる容器であって、内側面にらせん状の溝が設けられている容器と、を備える浮遊培養器が提供される。
上記の浮遊培養器において、容器内の溝に沿って培地が流れるよう、容器内に培地を供給するポンプをさらに備えていてもよい。
また、本発明の態様によれば、細胞と培地が入れられる容器であって、内側面にらせん状の溝が設けられている容器を備える浮遊培養器が提供される。
上記の浮遊培養器において、容器内の溝に沿って培地が流れるよう、容器内に培地を供給するポンプをさらに備えていてもよい。
また、本発明の態様によれば、培地が入れられる半透膜と、半透膜が入れられ、半透膜の周囲に細胞と培地が入れられる容器と、を備える、浮遊培養器が提供される。
上記の浮遊培養器において、半透膜内に培地の液流が生じるよう、半透膜内に培地を供給するポンプをさらに備えていてもよい。
上記の浮遊培養器において、培地が液体培地であってもよい。
上記の浮遊培養器において、培地がゲル培地であってもよい。
また、本発明の態様によれば、細胞に多能性誘導因子を導入して誘導因子導入細胞を作製することと、誘導因子導入細胞を浮遊培養して誘導因子導入細胞を初期化することと、を含む、幹細胞の誘導方法が提供される。
上記の幹細胞の誘導方法において、浮遊培養が、攪拌培養であってもよい。
上記の幹細胞の誘導方法において、誘導因子導入細胞を浮遊培養する際に液体培地が用いられてもよい。
上記の幹細胞の誘導方法において、誘導因子導入細胞を浮遊培養する際にゲル培地が用いられてもよい。
また、本発明の態様によれば、細胞に誘導因子を導入して誘導因子導入細胞を作製することと、誘導因子導入細胞を浮遊培養して目的とする体細胞を誘導することと、を含む、細胞の誘導方法が提供される。
上記の細胞の誘導方法において、浮遊培養が、攪拌培養であってもよい。
上記の細胞の誘導方法において、誘導因子導入細胞を浮遊培養する際に液体培地が用いられてもよい。
上記の細胞の誘導方法において、誘導因子導入細胞を浮遊培養する際にゲル培地が用いられてもよい。
本発明によれば、細胞処理装置、浮遊培養器、及び幹細胞の誘導方法を提供可能である。
実施形態に係る細胞処理装置の模式図である。 実施形態に係る細胞処理装置の導入細胞送液路の一例の模式的断面図である。 実施形態に係る細胞処理装置の導入細胞送液路の一例の模式的断面図である。 実施形態に係る浮遊培養器の模式的斜視図である。 実施形態に係る浮遊培養器の模式的断面図である。 実施形態に係る浮遊培養器の模式的断面図である。 実施形態に係る浮遊培養器の模式的斜視図である。 実施形態に係る浮遊培養器の模式的断面図である。 実施形態に係る浮遊培養器の模式的斜視図である。 実施形態に係る浮遊培養器の模式的断面図である。 実施形態に係る浮遊培養器の模式的斜視図及び模式的断面図である。 実施形態に係る浮遊培養器の模式的斜視図及び模式的断面図である。 実施形態に係る溶液置換器の模式図である。 実施形態に係る細胞処理装置の模式図である。 実施例1に係る誘導された細胞塊の顕微鏡写真である。 実施例1に係るFACS(Fluorescence Activated Cell Sorting)で得られたドットプロットである。 実施例1に係る誘導された細胞の顕微鏡写真である。 実施例2に係る誘導された細胞塊の顕微鏡写真である。 実施例2に係るFACSで得られたドットプロットである。 実施例2に係る誘導された細胞の顕微鏡写真である。 実施例3に係る誘導された細胞塊の顕微鏡写真である。 実施例3に係る細胞塊の数を示すグラフである。 実施例3に係る透析チューブを用いて誘導培養された細胞の顕微鏡写真である。 実施例3に係る透析チューブを用いずに誘導培養された細胞の顕微鏡写真である。
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。ただし、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
実施形態に係る細胞処理装置は、図1に示すように、細胞に多能性誘導因子を導入して誘導因子導入細胞を作製する因子導入装置30と、因子導入装置30で作製された誘導因子導入細胞を培養するための初期化浮遊培養器と、初期化浮遊培養器で樹立された幹細胞からなる複数の細胞塊を拡大培養するための拡大浮遊培養器と、を備える。なお、初期化浮遊培養器と、拡大浮遊培養器と、を別個に設けず、同じ浮遊培養器の中で誘導因子導入細胞を培養し、幹細胞を誘導してもよい。
細胞処理装置は、例えば、血液から細胞を分離する分離装置10と、分離装置10で分離された細胞を含む溶液が通過する導入前細胞送液路20と、を備えていてもよい。導入前細胞送液路20は、因子導入装置30に接続される。細胞処理装置は、導入前細胞送液路20又は因子導入装置30内に多能性誘導因子を送る誘導因子送液機構21を備えていてもよい。
初期化浮遊培養器と、拡大浮遊培養器と、は、誘導因子導入細胞を培養して幹細胞からなる複数の細胞魂を作製する細胞塊作製装置40の少なくとも一部を構成している。細胞処理装置は、複数の細胞塊のそれぞれを順次パッケージするパッケージ装置100を備えていてもよい。
分離装置10は、例えばヒトの血液が入ったバイアルを受け取る。分離装置10は、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヘパリン、及び生物学的製剤基準血液保存液A液(ACD-A液、テルモ株式会社)等の抗凝固剤を保存する抗凝固剤タンクを備えている。分離装置10は、ポンプ等を用いて、抗凝固剤タンクから、ヒトの血液に、抗凝固剤を添加する。
また、分離装置10は、例えば、Ficoll-Paque PREMIUM(登録商標、GEヘルスケア・ジャパン株式会社)等の単核細胞分離用試薬を保存する分離用試薬タンクを備えている。分離装置10は、ポンプ等を用いて、分離用試薬タンクから、例えば15mLチューブ2本に、単核細胞分離用試薬を5mLずつ分注する。なお、チューブの代わりに、樹脂バッグを用いてもよい。
さらに、分離装置10は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等の緩衝液を保存する緩衝液タンクを備えている。分離装置10は、ポンプ等を用いて、緩衝液タンクから、例えばヒトの血液5mLに、緩衝液5mLを加えて希釈する。またさらに、分離装置10は、ポンプ等を用いて、希釈されヒトの血液を、チューブ中の単核細胞分離用試薬上に、5mLずつ加える。
分離装置10は、温度設定可能な遠心機をさらに備える。遠心機は、例えば18℃に設定される。分離装置10は、移動装置等を用いて、単核細胞分離用試薬及びヒトの血液等が入れられたチューブを、遠心機のホルダーに入れる。遠心機は、チューブ中の溶液を、例えば400×gで30分間遠心する。チューブの代わりに、樹脂バッグを遠心させてもよい。
遠心後、分離装置10は、チューブ中の溶液の単核球細胞で白く濁った中間層をポンプ等で回収する。分離装置10は、ポンプ等を用いて、回収した単核球細胞の懸濁液を、導入前細胞送液路20に送り出す。あるいは、さらに、分離装置10は、回収した単核球細胞溶液2mLに対し、例えばPBS12mLを加えて、チューブを遠心機のホルダーに入れる。遠心機は、チューブ中の溶液を、例えば200×gで10分間遠心する。
遠心後、分離装置10は、ポンプ等を用いて、チューブ中の溶液の上清を吸引して除去し、X-VIVO 10(登録商標、ロンザジャパン株式会社)等の単核球細胞培地3mLをチューブ中の単核球細胞溶液に加えて懸濁する。分離装置10は、ポンプ等を用いて、単核球細胞懸濁液を、導入前細胞送液路20に送り出す。なお、分離装置10は、透析膜を使用して、血液から単核球細胞を分離してもよい。また、皮膚等から予め分離された繊維芽細胞等の体細胞を使用する場合は、分離装置10は無くともよい。
分離装置10は、遠心分離以外の方法で、誘導に適した細胞を分離してもよい。例えば、分離すべき細胞がT細胞であればCD3,CD4,CD8のいずれかが陽性である細胞をパニングにより分離すればよい。分離すべき細胞が血管内皮前駆細胞であればCD34が陽性である細胞をパニングにより分離すればよい。分離すべき細胞がB細胞であれば、CD10,CD19,CD20のいずれかが陽性である細胞をパニングにより分離すればよい。また、パニングに限らず、磁気細胞分離方法(MACS)やフローサイトメトリー等により分離してもよい。また、誘導に適した細胞は、血液由来の細胞に限定されない。
誘導因子送液機構21は、誘導因子導入試薬溶液等を保存する誘導因子導入試薬タンクを備える。遺伝子導入試薬溶液等の誘導因子導入試薬溶液は、例えば、Human T Cell Nucleofector(登録商標、ロンザジャパン株式会社)溶液等のエレクトロポレーション溶液、サプリメント溶液、及びプラスミドセットを含む。プラスミドセットは、例えば、pCXLE-hOCT3/4-shp53-Fを0.83μg、pCXLE-hSKを0.83μg、pCE-hULを0.83μg、及びpCXWB-EBNA1を0.5μg含む。誘導因子送液機構21は、マイクロポンプ等を用いて、誘導因子導入試薬溶液中に単核球細胞懸濁液が懸濁されるように、誘導因子導入試薬溶液を、導入前細胞送液路20に送り出す。
導入前細胞送液路20の内壁には、細胞が接着しないよう、poly-HEMA(poly 2-hydroxyethyl methacrylate)をコーティングして、細胞非接着性にしてもよい。あるいは、導入前細胞送液路20の材料に、細胞が接着しにくい材料を用いてもよい。また、導入前細胞送液路20の材料に、温度伝導率が良く、二酸化炭素透過性の材料を用いることにより、導入前細胞送液路20内の条件が、周囲の温度及び二酸化炭素濃度と同等になる。さらに、導入前細胞送液路20には、コンタミネーション防止の観点から、逆流防止弁が設けられていてもよい。
導入前細胞送液路20に接続された因子導入装置30は、例えばエレクトロポレーターであり、誘導因子導入試薬溶液と単核球細胞懸濁液の混合液を受け取り、単核球細胞に対してプラスミドのエレクトロポレーションを実施する。因子導入装置30は、エレクトロポレーションを実施後、プラスミドをエレクトロポレーションされた単核球細胞を含む溶液に、単核球細胞培地を加える。因子導入装置30は、ポンプ等を用いて、プラスミドをエレクトロポレーションされた単核球細胞(以下、「誘導因子導入細胞」という。)を含む溶液を、導入細胞送液路31に送り出す。
なお、因子導入装置30は、エレクトロポレーターに限定されない。因子導入装置30は、細胞に初期化因子をコードしているRNAをリポフェクション法により導入してもよい。リポフェクション法とは、陰性荷電物質である核酸と、陽性荷電脂質と、の複合体を、電気的な相互作用により形成し、複合体をエンドサイトーシスや膜融合により細胞内に取り込ませる方法である。リポフェクション法は、細胞へのダメージが少なく、導入効率に優れており、操作が簡便であり、時間がかからない等の利点を有する。また、リポフェクション法においては、細胞のゲノムに初期化因子が挿入される可能性がないため、得られた幹細胞を全ゲノムシークエンスして、外来遺伝子の挿入の有無を確認する必要がない。多能性誘導因子としての初期化因子RNAは、例えば、OCT3/4のmRNA、SOX2のmRNA、KLF4のmRNA、及びc-MYCのmRNAを含む。なお、ここでは遺伝子記号はヒトで記載しているが、大文字・小文字表記によって、種を制限することを意図するものではない。例えば、全て大文字表記していても、マウス又はラットの遺伝子を含むことを排除するものではない。ただし、実施例においては、実際に使用した生物種に則って、遺伝子記号を表記している。
初期化因子RNAのリポフェクションには、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)或いはリポフェクション試薬が用いられる。RNAのリポフェクション試薬としては、siRNAのリポフェクション試薬及びmRNAのリポフェクション試薬が使用可能である。より具体的には、RNAのリポフェクション試薬としては、Lipofectamine(登録商標)RNAiMAX(Thermo Fisher Scientific)、Lipofectamine(登録商標)MessengerMAX(Thermo Fisher Scientific)、Lipofectamin(登録商標)2000、Lipofectamin(登録商標)3000、NeonTransfection System(Thermo Fisher scientific)、Stemfect RNA transfection reagent(Stemfect)、NextFect(登録商標)RNA Transfection Reagent(BiooSientific)、Amaxa(登録商品)Human T cell Nucleofector(登録商品)kit(Lonza社、VAPA-1002)、Amaxa(登録商品)Human CD34 cell Nucleofector(登録商品)kit(Lonza社、VAPA-1003)、及びReproRNA(登録商標)トランスフェクション試薬(STEMCELL Technologies)等が使用可能である。
因子導入装置30が、リポフェクション法により細胞に初期化因子を導入する場合は、初期化因子RNA及び試薬等が、誘導因子送液機構21により導入前細胞送液路20に送り出される。
導入細胞送液路31の内壁には、細胞が接着しないよう、poly-HEMAをコーティングして、非接着性にしてもよい。あるいは、導入細胞送液路31の材料に、細胞が接着しにくい材料を用いてもよい。また、導入細胞送液路31の材料に、温度伝導率が良く、二酸化炭素透過性の材料を用いることにより、導入細胞送液路31内の条件が、周囲の管理された温度及び二酸化炭素濃度と同等になる。さらに、導入細胞送液路31には、コンタミネーション防止の観点から、逆流防止弁が設けられていてもよい。また、エレクトロポレーションの後は、多くの細胞が死に、死んだ細胞の細胞塊ができることがある。そのため、導入細胞送液路31に、死細胞塊を除去するフィルターを設けてもよい。あるいは、図2に示すように、導入細胞送液路31内部に、内径を断続的に変化させる一又は複数の襞を設けてもよい。またあるいは、図3に示すように、導入細胞送液路31の内径を断続的に変化させてもよい。
図1に示すように、導入細胞送液路31に接続された細胞塊作製装置40は、因子導入装置30で作製された誘導因子導入細胞を培養する初期化培養装置50と、初期化培養装置50で樹立された幹細胞からなる細胞塊(細胞コロニー)を複数の細胞塊に分割する第1の分割機構60と、第1の分割機構60で分割された複数の細胞塊を拡大培養する拡大培養装置70と、拡大培養装置70で拡大培養された幹細胞からなる細胞塊を複数の細胞塊に分割する第2の分割機構80と、複数の細胞魂をパッケージ装置100に順次送る細胞魂搬送機構90と、を備える。
初期化培養装置50は、例えば、図4から図6に示す初期化浮遊培養器を備える。初期化浮遊培養器は、誘導因子導入細胞と培地が入れられる透析チューブ75と、透析チューブ75が入れられ、透析チューブ75の周囲に培地が入れられる容器76と、容器76内の培地を攪拌させるための駆動装置74と、を備える。
図1に示す因子導入装置30で作製された誘導因子導入細胞は、図4から図6に示す初期化浮遊培養器の透析チューブ75内に送られる。
透析チューブ75は、半透膜からなり、例えば、ROCK阻害剤を透過させる。透析チューブ75の分画分子量は、0.1KDa以上、10KDa以上、あるいは50KDa以上である。透析チューブ75は、例えば、セルロースエステル、エチルセルロース、セルロースエステル類、再生セルロース、ポリスルホン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレート、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエステル系ポリマーアロイ、ポリカーボネート、ポリアミド、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、銅アンモニウムレーヨン、鹸化セルロース、ヘモファン膜、フォスファチジルコリン膜、及びビタミンEコーティング膜等からなる。
容器76としては、例えば円柱形であるが、これに限定されない。容器76の側壁は、例えば、ポリプロピレンやガラス等の透明材料からなる。容器76は、二酸化炭素透過性であってもよい。二酸化炭素透過性の容器76としては、G-Rex(登録商標、Wilson Wolf)が使用可能である。
誘導因子導入細胞は、透析チューブ75内に入れられる。透析チューブ75には、透析チューブ75内に細胞を含む培地を送液するための送液路が接続されていてもよい。また、透析チューブ75には、透析チューブ75内の細胞を含む培地を容器外部に送液するための送液路が接続されていてもよい。
容器76内及び透析チューブ75内に入れられる培地は、例えば、血液細胞培地又は幹細胞用培地である。例えば、初期化培養の当初は、血液細胞培地を用い、その後は、幹細胞用培地を用いてもよい。幹細胞用培地としては、例えば、Primate ES Cell Medium(ReproCELL)等のヒトES/iPS培地を使用可能である。
ただし、幹細胞用培地は、これに限定されず、種々の幹細胞培地が使用可能である。例えばPrimate ES Cell Medium、Reprostem、ReproFF、ReproFF2、ReproXF(Reprocell)、mTeSR1、TeSR2、TeSRE8、ReproTeSR(STEMCELL Technologies)、PluriSTEM(登録商標)Human ES/iPS Medium(Merck)、NutriStem (登録商標)XF/FF Culture Medium for Human iPS and ES Cells、Pluriton reprogramming medium(Stemgent)、PluriSTEM(登録商標)、Stemfit AK02N、Stemfit AK03(Ajinomoto)、ESC-Sure(登録商標)serum and feeder free medium for hESC/iPS(Applied StemCell)、及びL7(登録商標)hPSC Culture System (LONZA)等を利用してもよい。
培地は、ゲル培地ではない液体培地であってもよいし、ゲル培地であってもよい。
培地がゲル培地である場合、ゲル培地は、ジェランガム、脱アシル化ジェランガム、ヒアルロン酸、ラムザンガム、ダイユータンガム、キサンタンガム、カラギーナン、フコイダン、ペクチン、ペクチン酸、ペクチニン酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ヘパリチン硫酸、ケラト硫酸、コンドロイチン硫酸、デルタマン硫酸、ラムナン硫酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の高分子化合物を含んでいてもよい。また、ゲル培地は、メチルセルロースを含んでいてもよい。メチルセルロースを含むことにより、細胞同士の凝集がより抑制される。
あるいは、ゲル培地は、poly(glycerol monomethacrylate) (PGMA)、poly(2-hydroxypropyl methacrylate) (PHPMA)、Poly (N-isopropylacrylamide) (PNIPAM)、amine terminated、carboxylic acid terminated、maleimide terminated、N-hydroxysuccinimide (NHS) ester terminated、triethoxysilane terminated、Poly (N-isopropylacrylamide-co-acrylamide)、Poly (N-isopropylacrylamide-co-acrylic acid)、Poly (N-isopropylacrylamide-co-butylacrylate)、Poly (N-isopropylacrylamide-co-methacrylic acid)、Poly (N-isopropylacrylamide-co-methacrylic acid-co-octadecyl acrylate)、及びN-Isopropylacrylamideから選択される少なくの温度感受性ゲルを含んでいてもよい。
容器76の内、例えば底面には、攪拌部材271が設けられている。攪拌部材271の形状は任意であり、棒状であってもよいし、攪拌翼が設けられた板状であってもよい。攪拌部材271は、磁力を受ける金属を備えていてもよい。駆動装置74は、例えば磁力を介して、容器76内の攪拌部材271を回転させる。これにより、容器76内の培地が攪拌され、透析チューブ75内の細胞が浮遊培養される。この際、容器76内の透析チューブ75の外の培地が主に撹拌される。透析チューブ75内の培地の流速は、容器76内の透析チューブ75の外側の培地の流速より遅くなるか、あるいは透析チューブ75内の培地は、ほとんど流動しない。
攪拌されている培地中では、iPS細胞同士がランダムに衝突し、結合して、様々な大きさの細胞塊(コロニー)が形成される場合がある。そのためコロニー間の均質性が保てない場合がある。さらに、大きすぎるコロニーにおいては、コロニーの中まで栄養や成長因子がとどかず、内部から分化、細胞死してしまう場合がある。その一方で、小さすぎるコロニーは、継代培養には適さない場合がある。これに対し、透析チューブ75内では、培地の流速が遅いか、培地が流動しないため、細胞同士が衝突する頻度が低い。そのため、コロニーにおいてクローナリティを維持することが可能である。したがって、例えば、幹細胞がiPS細胞である場合、1つの体細胞由来のiPS細胞のクローナリティを担保することが可能である。また、幹細胞同士が衝突する頻度が低いため、幹細胞のコロニーの大きさを均質に保つことが可能である。
透析チューブ75内に入れられる培地は、ROCK阻害剤を含んでいなくてもよい。容器76内の透析チューブ75の周囲に入れられる培地には、例えば、ROCK阻害剤を終濃度が1000μmol/L以上0.1μmol/L以下、100μmol/L以上1μmol/L以下、あるいは5μmol/L以上20μmol/L以下となるよう、毎日添加する。ROCK阻害剤を透析チューブ75の周囲の培地に添加することにより、ROCK阻害剤が透析チューブ75内に浸透し、細胞によるコロニー形成が促進される。
培地は、例えば、basic fibroblast growth factor(bFGF)やTGF-β等の成長因子を含んでいてもよいし、含んでいなくともよい。
透析チューブ75内で細胞を浮遊培養する間、容器76内の透析チューブ75の周囲の培地は交換される。なお、培地を交換するとは、培地を一部置換することや、補充することも含む。この場合、透析チューブ75内に培地を補給しなくともよい。あるいは、透析チューブ75内で細胞を浮遊培養する間、透析チューブ75内に培地が補給される。この場合、容器76内の透析チューブ75の周囲に培地を補給しなくともよい。
初期化浮遊培養器は、透析チューブ75の周囲に培地の水素イオン指数(pH)を測定するpHセンサーを備えていてもよい。
実施形態に係る細胞処理装置は、培地補給装置としての補給培地送液ポンプを用いて、初期化浮遊培養器の容器76内の透析チューブ75の周囲の培地を、交換、あるいは補給する。補給培地送液ポンプとしては、点滴に用いられるポンプ等が使用可能である。補給培地送液ポンプと、初期化浮遊培養器の容器76と、は、送液チューブで接続される。補給培地送液ポンプは、送液チューブを介して、初期化浮遊培養器の容器76内に培地を送液する。初期化浮遊培養器の容器76には、廃液チューブが接続されている。初期化浮遊培養器の容器76内の培地は、廃液チューブを介して排出される。初期化浮遊培養器の容器76内の培地は、例えば、補給培地送液ポンプによって補給される新鮮な培地による圧力によって排出されてもよいし、重力を利用して排出してもよいし、排出ポンプによって排出してもよい。
補給培地送液ポンプから初期化浮遊培養器に送液される培地の温度は、例えば、初期化浮遊培養器中の培地の温度が急激に変化しないように設定される。例えば、初期化浮遊培養器中の培地の温度が37℃である場合は、初期化浮遊培養器に送液される培地の温度も37℃に設定される。ただし、初期化浮遊培養器に送液される前の培地は、冷蔵保存部で、例えば4℃等の低温で冷蔵保存されていてもよい。
例えば、補給培地送液ポンプによって初期化浮遊培養器の容器76内に送液される培地の量と、初期化浮遊培養器の容器76から排出される培地の量と、が同じになるよう、補給培地送液ポンプは制御される。補給培地送液ポンプは、初期化浮遊培養器の容器76内に、常時、培地を送液してもよいし、適宜間隔をおいて、培地を送液してもよい。
培地を常時送液する場合、送液される培地の流量は、一定であっても、一定でなくてもよい。例えば、培地及び培地中の細胞塊を撮影装置で監視し、培地及び培地中の細胞塊の状態に応じて、送液される培地の流量を増加させたり、減少させたりしてもよい。
また、培地を常時送液せずに、培地及び培地中の細胞塊の状態に応じて、培地の送液の開始及び終了をしてもよい。この場合も、培地及び培地中の細胞塊の状態に応じて、送液される培地の流量を増加させたり、減少させたりしてもよい。
なお、初期化浮遊培養器に送液される培地の流量が大きすぎると、初期化浮遊培養器内の細胞が培地の圧力によりダメージを受ける場合がある。そのため、初期化浮遊培養器に送液される培地の流量は、細胞がダメージを受けないように設定される。
培地を交換せずに細胞の培養を続けると、細胞が排出する乳酸等の老廃物の蓄積や、pHの変化が、細胞培養に悪影響を及ぼしうる。また、培地中に含まれるbFGFやリコンビナントタンパク質等の様々なタンパク質が分解され、細胞の培養に必要な成分が培地から損なわれうる。
これに対し、補給培地送液ポンプで新鮮な培地を初期化浮遊培養器中に送液し、古い培地を初期化浮遊培養器から排出することにより、初期化浮遊培養器中から老廃物を除去し、培地中のpHを適切な範囲内に保ち、細胞の培養に必要な成分を補給することが可能になる。これにより、培地の状態を一定に近い状態に保つことが可能である。
なお、補給培地送液ポンプと、初期化浮遊培養器の容器76と、を、送液チューブで接続してもよいし、補給培地送液ポンプと、初期化浮遊培養器の容器76内の透析チューブ75内と、を送液チューブで接続してもよい。透析チューブ75内に新鮮な培地を送液することにより、透析チューブ75内の培地に含まれる老廃物が、透析チューブ75外に排出される。また、透析チューブ75内の培地のpHを適切な範囲内に保ち、透析チューブ75内の培地に細胞の培養に必要な成分を補給することが可能である。
初期化浮遊培養器の構造は、図4から図6に示した構造に限定されない。例えば、図7及び図8に示す初期化浮遊培養器は、誘導因子導入細胞と培地が入れられる透析チューブ75と、透析チューブ75が入れられ、透析チューブ75の周囲に培地が入れられる容器76であって、内側面にらせん状の溝272が設けられている容器76と、容器76内の溝272に沿って培地が流れるよう、容器76内に培地を供給するポンプと、を備えている。
初期化浮遊培養器の容器76の上部には、容器76内外に連通する第1の連通孔273が設けられており、容器76の下部には、容器76内外に連通する第2の連通孔274が設けられている。例えば、第1の連通孔273から容器76内に培地が導入され、導入された培地が、溝272に沿って回転流を生じさせながら容器76の下部に導かれ、第2の連通孔274から、容器76外に排出される。第2の連通孔274から排出された培地は、循環経路を経て、再び第1の連通孔273から容器76内に導入されてもよい。
あるいは、第2の連通孔274から容器76内に培地が導入され、導入された培地が、溝272に沿って回転流を生じさせながら容器76の上部に導かれ、第1の連通孔273から、容器76外に排出されてもよい。第1の連通孔273から排出された培地は、循環経路を経て、再び第2の連通孔274から容器76内に導入されてもよい。
なお、らせん状の溝272は、容器76の内壁に直接設けられていてもよいし、容器76の内壁に、らせん状の溝が設けられた部材を配置してもよい。
また、例えば、図9及び図10に示す初期化浮遊培養器は、誘導因子導入細胞と培地が入れられる透析チューブ75と、透析チューブ75が入れられ、透析チューブ75の周囲に培地が入れられる容器76と、透析チューブ75内に液流が生じるよう、透析チューブ75内に培地を供給するポンプと、を備える。
初期化浮遊培養器の透析チューブ75の上部には、透析チューブ75内外に連通する第1の連通孔275が設けられており、透析チューブ75の下部には、透析チューブ75内外に連通する第2の連通孔276が設けられている。例えば、第1の連通孔275から透析チューブ75内に培地が導入され、導入された培地が、透析チューブ75の下部に導かれ、第2の連通孔276から、透析チューブ75外に排出される。第2の連通孔276から排出された培地は、循環経路を経て、再び第1の連通孔275から透析チューブ75内に導入されてもよい。
あるいは、第2の連通孔276から透析チューブ75内に培地が導入され、導入された培地が、透析チューブ75の上部に導かれ、第1の連通孔275から、透析チューブ75外に排出されてもよい。第1の連通孔275から排出された培地は、循環経路を経て、再び第2の連通孔276から透析チューブ75内に導入されてもよい。
また、図4から図10においては、透析チューブを備える初期化浮遊培養器を説明したが、図11及び図12に示すように、初期化浮遊培養器は、透析チューブを備えていなくともよい。この場合、細胞は、容器76内で攪拌浮遊培養される。
細胞処理装置は、図1に示す初期化培養装置50における培養を撮影する写真カメラやビデオカメラ等の初期化培養撮影装置をさらに備えていてもよい。ここで、初期化培養装置50で使用される培地に無色の培地を用いると、有色の培地を用いた場合に生じうる乱反射や自家蛍光を抑制することが可能となる。ただし、培地のpHを確認するために、フェノールレッド等のpH指示薬を含んでいてもよい。また、誘導された細胞と、誘導されなかった細胞とでは、細胞の形状及び大きさ等が異なるため、細胞処理装置は、初期化培養装置50における細胞を撮影することにより、誘導された細胞の割合を算出する誘導状態監視装置を、さらに備えていてもよい。あるいは、誘導状態監視装置は、抗体免疫染色法又はRNA抽出法により、誘導された細胞の割合を特定してもよい。さらに、細胞処理装置は、磁気細胞分離方法やフローサイトメトリー等により、誘導されていない細胞を取り除く、未誘導細胞除去装置を備えていてもよい。
初期化培養装置50には、第1細胞塊送液路51が接続されている。初期化培養装置50は、細胞塊の含有液を、ポンプ等を用いて、第1細胞塊送液路51に送り出す。なお、第1細胞塊送液路51は、所定の大きさ未満の誘導された細胞のみを通す内径を有し、所定の大きさ以上の誘導されていない細胞を除去する分岐流路に接続されていてもよい。
細胞塊を含む溶液を第1細胞塊送液路51に送り出すポンプは、例えば、細胞塊の大きさの値が、所定の閾値以上になった場合に、駆動されてもよい。あるいは、細胞塊を含む溶液を第1細胞塊送液路51に送り出すポンプは、例えば、細胞塊の密度の値が、所定の閾値以上になった場合に、駆動されてもよい。
第1細胞塊送液路51の内壁には、細胞が接着しないよう、poly-HEMAをコーティングして、細胞非接着性にしてもよい。あるいは、第1細胞塊送液路51の材料に、細胞が接着しにくい材料を用いてもよい。また、第1細胞塊送液路51の材料に、温度伝導率が良く、二酸化炭素透過性の材料を用いることにより、第1細胞塊送液路51内の条件が、周囲の管理された温度及び二酸化炭素濃度と同等になる。さらに、第1細胞塊送液路51には、コンタミネーション防止の観点から、逆流防止弁が設けられていてもよい。
第1細胞塊送液路51は、第1の分割機構60に接続されている。第1の分割機構60は、例えば、メッシュを備える。溶液に含まれる細胞塊は、水圧によってメッシュを通過する際、メッシュの各孔の大きさの複数の細胞塊に分割される。例えば、メッシュの各孔の大きさが均一であれば、分割後の複数の細胞塊の大きさも、ほぼ均一となる。あるいは、第1の分割機構60は、ノズルを備えていてもよい。例えば、略円錐状のノズルの内部を階段状に微細加工することにより、溶液に含まれる細胞塊がノズルを通過する際に、複数の細胞塊に分割される。
第1の分割機構60には、拡大培養装置70が接続されている。第1の分割機構60で分割された細胞塊を含む溶液は、拡大培養装置70に送られる。
拡大培養装置70は、図4から図10に示したような初期化浮遊培養器と同様の構造を備える拡大浮遊培養器を用いてもよい。拡大培養装置70においても、図4から図10に示す浮遊培養器の透析チューブ75に、複数の細胞塊が入れられる。また、拡大培養装置70においても、補給培地送液ポンプを用いて、容器76内の透析チューブ75の周囲の培地を、交換、あるいは補給する。あるいは、補給培地送液ポンプと、浮遊培養器の容器76内の透析チューブ75内と、を送液チューブで接続して、透析チューブ75内の培地に細胞の培養に必要な成分を補給してもよい。
あるいは、拡大培養装置70は、図11及び図12に示したような初期化浮遊培養器と同様の構造を備える拡大浮遊培養器を用いてもよい。この場合、容器76内に複数の細胞塊が入れられる。
細胞処理装置は、図1に示す拡大培養装置70における培養を撮影する拡大培養撮影装置をさらに備えていてもよい。ここで、拡大培養装置70で使用される培地に無色の培地を用いると、有色の培地を用いた場合に生じうる乱反射や自家蛍光を抑制することが可能となる。ただし、培地のpHを確認するために、フェノールレッド等のpH指示薬を含んでいてもよい。また、誘導された細胞と、誘導されなかった細胞とでは、細胞の形状及び大きさ等が異なるため、細胞処理装置は、拡大培養装置70における細胞を撮影することにより、誘導された細胞の割合を算出する誘導状態監視装置を、さらに備えていてもよい。あるいは、誘導状態監視装置は、抗体免疫染色法又はRNA抽出法により、誘導された細胞の割合を特定してもよい。さらに、細胞処理装置は、磁気細胞分離方法やフローサイトメトリー等により、誘導されていない細胞を取り除く、未誘導細胞除去装置を備えていてもよい。
拡大培養装置70は、細胞塊を含む溶液を、拡大培養送液路71を介して、第1の分割機構60に送る。第1の分割機構60で分割された細胞塊は、再び拡大培養装置70内で培養される。必要な細胞の量が得られるまで、第1の分割機構60における細胞塊の分割と、拡大培養装置70内での細胞塊の培養が繰り返される。
拡大培養装置70中の細胞塊を含む溶液を、拡大培養送液路71を介して、第1の分割機構60に送り出すポンプは、例えば、細胞塊の大きさの値が、所定の閾値以上になった場合に、駆動されてもよい。あるいは、細胞塊を含む溶液を第1細胞塊送液路51に送り出すポンプは、例えば、細胞塊の密度の値が、所定の閾値以上になった場合に、駆動されてもよい。
拡大培養装置70には、第2細胞塊送液路72が接続されている。拡大培養装置70は、拡大培養された細胞塊の含有液を、ポンプ等を用いて、第2細胞塊送液路72に送り出す。第2細胞塊送液路72は、所定の大きさ未満の誘導された細胞のみを通す内径を有し、所定の大きさ以上の誘導されていない細胞を除去する分岐流路に接続されていてもよい。
第2細胞塊送液路72の内壁には、細胞が接着しないよう、poly-HEMAをコーティングして、細胞非接着性にしてもよい。あるいは、第2細胞塊送液路72の材料に、細胞が接着しにくい材料を用いてもよい。また、第2細胞塊送液路72の材料に、温度伝導率が良く、二酸化炭素透過性の材料を用いることにより、第2細胞塊送液路72内の条件が、周囲の管理された温度及び二酸化炭素濃度と同等になる。さらに、第2細胞塊送液路72には、コンタミネーション防止の観点から、逆流防止弁が設けられていてもよい。
第2細胞塊送液路72は、第2の分割機構80に接続されている。第2の分割機構80は、例えば、メッシュを備える。溶液に含まれる細胞塊は、水圧によってメッシュを通過する際、メッシュの各孔の大きさの複数の細胞塊に分割される。例えば、メッシュの各孔の大きさが均一であれば、分割後の複数の細胞塊の大きさも、ほぼ均一となる。あるいは、第2の分割機構80は、ノズルを備えていてもよい。例えば、略円錐状のノズルの内部を階段状に微細加工することにより、溶液に含まれる細胞塊がノズルを通過する際に、複数の細胞塊に分割される。
第2の分割機構80に、複数の細胞魂をパッケージ装置100に順次送る細胞魂搬送機構90が接続されている。細胞魂搬送機構90と、パッケージ装置100と、の間には、パッケージ前細胞流路91が接続されている。細胞魂搬送機構90は、ポンプ等を用いて、第2の分割機構80で分割された細胞塊のそれぞれを、パッケージ前細胞流路91を介して、パッケージ装置100に順次送る。
パッケージ前細胞流路91には、細胞が接着しないよう、poly-HEMAをコーティングしてもよい。あるいは、パッケージ前細胞流路91の材料に、細胞が接着しにくい材料を用いてもよい。また、パッケージ前細胞流路91の材料に、温度伝導率が良く、二酸化炭素透過性の材料を用いることにより、パッケージ前細胞流路91内の条件が、周囲の管理された温度及び二酸化炭素濃度と同等になる。パッケージ前細胞流路91には、コンタミネーション防止の観点から、逆流防止弁が設けられていてもよい。
パッケージ前細胞流路91には、凍結保存液送液機構110が接続されている。凍結保存液送液機構110は、細胞凍結保存液をパッケージ前細胞流路91に送り込む。これにより、パッケージ前細胞流路91内で、細胞塊が細胞凍結保存液で懸濁される。
パッケージ装置100は、パッケージ前細胞流路91を介して送られてきた複数の細胞塊のそれぞれを順次凍結する。例えば、パッケージ装置100は、細胞塊を受け取るたびに細胞塊をクライオチューブ等の凍結保存容器に入れ、細胞塊溶液を例えば-80℃以下で瞬間的に凍結する。体積あたりの表面積が小さい凍結保存容器を用いると、凍結に時間がかかる傾向にあるため、体積あたりの表面積が大きい凍結保存容器を用いることが好ましい。体積あたりの表面積が大きい凍結保存容器を用いることにより、解凍後の細胞の生存率を高くすることが可能となる。凍結保存容器の形状としては、キャピラリー状及び球状が挙げられるが、これらに限定されない。また、必要とされる解凍後の細胞の生存率によっては、必ずしも瞬間凍結をしなくともよい。
凍結には、例えば、ガラス化(Vitrification)法を用いる。この場合、細胞凍結保存液としては、DAP213(コスモバイオ株式会社)及びFreezing Medium(リプロセル株式会社)が使用可能である。凍結は、ガラス化法以外の通常の方法で行ってもよい。この場合、細胞凍結保存液としては、CryoDefend-Stem Cell(R&Dシステム社)や、STEM-CELLBANKER(登録商標、日本全薬工業株式会社)等が使用可能である。凍結は、液体窒素によって行ってもよいし、ペルチェ素子によっておこなってもよい。ペルチェ素子を用いると、温度変化を制御したり、温度のムラを抑制したりすることが可能となる。凍結細胞が臨床用途である場合は、凍結保存容器は完全閉鎖系であることが好ましい。ただし、パッケージ装置100は、幹細胞を凍結することなく、保存容器内にパッケージしてもよい。
あるいは、パッケージ装置100においては、図13に示すような溶液置換器101を用いて、細胞塊の溶液を培地から凍結保存液に置換してもよい。溶液置換器101の内部には、底面上に、細胞塊が透過しない細孔が設けられたフィルター102が設けられている。また、溶液置換器101には、内部のフィルター102上に細胞塊を含む培地を送液する第1の送液流路103が接続された細胞塊導入孔、内部のフィルター102上に細胞塊を含まない凍結液を送液する第2の送液流路104が接続された置換溶液導入孔、内部のフィルター102上から細胞塊を含む凍結液を排出する第1の排出流路105が接続された細胞塊流出孔が設けられている。さらに、溶液置換器101には、フィルター102を透過した溶液を排出する第2の排出流路106が接続された廃液流出孔が設けられている。第1の送液流路103、第2の送液流路104、第1の排出流路105、及び第2の排出流路106のそれぞれには、チューブ等が使用可能である。
まず、図13(a)及び図13(b)に示すように、第2の排出流路106における溶液の流動を停止させた状態で、第1の送液流路103から溶液置換器101内部に、細胞塊を含む培地を入れる。次に、図13(c)に示すように、第2の排出流路106における溶液の流動を許容する状態にし、培地を溶液置換器101から排出する。この際、図13(d)に示すように、細胞塊は、フィルター102上に残る。さらに、図13(e)及び図13(f)に示すように、第2の排出流路106における溶液の流動を停止させた状態で、第2の送液流路104から溶液置換器101内部に、凍結保存液を入れ、凍結保存液中に細胞塊を分散させる。その後、図13(g)に示すように、第1の排出流路105から、細胞塊を含む凍結保存液を排出する。細胞塊を含む凍結保存液は、第1の排出流路105を経由して、凍結保存容器等に送られる。
図1に示す細胞処理装置は、分離装置10、導入前細胞送液路20、誘導因子送液機構21、因子導入装置30、細胞塊作製装置40、及びパッケージ装置100等の動作記録、並びに撮影装置が撮影した画像を、有線又は無線により、外部のサーバーに送信してもよい。また、外部のサーバーにおいて、ニューラルネットワークにより、例えば、誘導因子導入条件、培養条件、及び凍結条件等の条件と、幹細胞の不完全な初期化、幹細胞の分化及び増殖の失敗、及び染色体異常等の結果と、の関連を分析し、結果を導く条件を抽出したり、結果を予測したりしてもよい。さらに、外部サーバーは、標準作業手順(SOP)に基づいて、細胞処理装置の分離装置10、誘導因子送液機構21、因子導入装置30、細胞塊作製装置40、及びパッケージ装置100等を制御し、SOPに基づいて各装置が稼働しているか否かを監視し、各装置の稼働記録を自動的に生成してもよい。
以上説明した細胞処理装置によれば、自動で、iPS細胞等の幹細胞の誘導を行うことが可能である。
なお、実施形態に係る細胞処理装置は、図1に示す構成に限定されない。例えば、図14に示す細胞処理装置においては、血液保存部201から単核球分離部203に、血液送液路202を経由して血液が送液される。血液保存部201及び単核球分離部203としては、例えばチューブが使用可能である。血液送液路202は、例えば、樹脂チューブやシリコンチューブ等である。後述する他の送液路も同様である。血液保存部201には、バーコード等の識別子を付けて、血液の情報を管理してもよい。送液には、ポンプ204が使用される。
ポンプ204としては、容積式ポンプが使用可能である。容積式ポンプの例としては、ピストンポンプ、プランジャーポンプ、及びダイヤフラムポンプを含む往復ポンプ、あるいは、ギアポンプ、ベーンポンプ、及びネジポンプを含む回転ポンプが挙げられる。ダイヤフラムポンプの例としては、チュービングポンプ及び圧電(ピエゾ)ポンプが挙げられる。チュービングポンプの例としては、ペリスタポンプ(登録商標、アトー株式会社)、並びにRP-Q1及びRP-TX(高砂電気工業株式会社)が挙げられる。圧電ポンプの例としては、SDMP304、SDP306、SDM320、及びAPP-20KG(高砂電気工業株式会社)が挙げられる。また、様々な種類のポンプを組み合わせたマイクロ流体チップモジュール(高砂電気工業株式会社)を用いてもよい。
ペリスタポンプ(登録商標)、チュービングポンプ、及びダイヤフラムポンプ等の密閉型ポンプを用いると、血液送液路202内部の血液にポンプが直接接触することなく、送液することが可能である。後述する他のポンプにおいても同様である。あるいは、ポンプ204、並びに後述するポンプ207、ポンプ216、ポンプ222、ポンプ225、ポンプ234、ポンプ242、及びポンプ252としては、シリンジポンプを使用してもよい。密閉型ポンプ以外のポンプであっても、加熱滅菌処理等により再利用が可能である。
単核球分離部203には、分離剤保存部205から、送液路206及びポンプ207を介して、赤血球凝固剤が送られる。分離剤保存部205としては、例えばチューブが使用可能である。分離剤保存部205には、バーコード等の識別子を付けて、分離剤の情報を管理してもよい。赤血球凝固剤としては、例えば、HetaSep(登録商標、STEMCELL Technologies)や赤血球凝固剤(ニプロ)等が使用可能である。単核球分離部203内において、赤血球凝固剤によって赤血球が沈降し、単核球細胞が分離される。単核球分離部203内の単核球細胞を含む上澄みは、単核球送液路208及びポンプ209を介して、単核球精製フィルター210に送られる。単核球精製フィルター210において、単核球細胞以外の成分が除去され、単核球細胞を含む溶液が得られる。単核球精製フィルター210としては、Purecell(登録商標、PALL)、セルソーバE(旭化成株式会社)、セパセルPL(旭化成株式会社)、アダカラム(登録商標、JIMRO)、及び分離バック(二プロ株式会社)等が使用可能である。
図14においては、単核球分離部203、分離剤保存部205、単核球精製フィルター210、及びポンプ204、207、209等が、分離装置を構成している。
単核球細胞を含む溶液は、導入前細胞送液路211及びポンプ212を介して、因子導入部213に送られる。因子導入部213としては、例えばチューブが使用可能である。因子導入部213には、多能性誘導因子を含む因子保存部214から、因子送液路215及びポンプ216を介して、多能性誘導因子が送られる。因子保存部214としては、例えばチューブが使用可能である。因子保存部214には、バーコード等の識別子を付けて、多能性誘導因子の情報を管理してもよい。因子保存部214及びポンプ216等が、誘導因子送液機構を構成している。因子導入装置としての因子導入部213において、多能性誘導因子が、例えばRNAリポフェクション法によって細胞に導入され、誘導因子導入細胞が作製される。ただし、誘導因子のトランスフェクションの方法は、RNAリポフェクション法に限定されない。例えば、多能性誘導因子を含むセンダイウイルスベクターを用いてもよい。あるいは、多能性誘導因子がタンパク質であってもよい。
誘導因子導入細胞は、導入細胞送液路217及びポンプ218を介して、細胞塊作製装置の一部としての初期化浮遊培養器219に送られる。導入細胞送液路217は、例えば、温度透過性かつ二酸化炭素透過性である。初期化浮遊培養器219は、例えば、図4から図10に示したような構造を備える。この場合、誘導因子導入細胞は、透析チューブ内に入れられる。あるいは、初期化浮遊培養器219は、例えば、図11及び図12に示したような構造を備える。この場合、誘導因子導入細胞は、容器内に入れられる。
図14に示す初期化浮遊培養器219には、細胞に多能性誘導因子が導入されてから最初の数日間、血液細胞培地を含む血液細胞培地保存部220から、培地送液路221及びポンプ222を介して、血液細胞培地が補給される。培地送液路221は、例えば、温度透過性かつ二酸化炭素透過性である。血液細胞培地保存部220には、バーコード等の識別子を付けて、血液細胞培地の情報を管理してもよい。血液細胞培地保存部220、培地送液路221、及びポンプ222は、培地補給装置を構成している。ポンプ222は、血液細胞培地を連続的に補給してもよいし、血液細胞培地を所定のタイミングで補給してもよい。
その後、初期化浮遊培養器219には、幹細胞培地を含む幹細胞培地保存部223から、培地送液路224及びポンプ225を介して、幹細胞培地が補給される。幹細胞培地保存部223には、バーコード等の識別子を付けて、幹細胞培地の情報を管理してもよい。培地送液路224は、例えば、温度透過性かつ二酸化炭素透過性である。幹細胞培地保存部223、培地送液路224、及びポンプ225は、培地補給装置を構成している。ポンプ225は、幹細胞培地を連続的に補給してもよいし、幹細胞培地を所定のタイミングで補給してもよい。
血液細胞培地保存部220及び幹細胞培地保存部223は、例えば、冷蔵保存部260で4℃等の低温で冷蔵保存されていてもよい。血液細胞培地保存部220及び幹細胞培地保存部223から送られる培地は、例えば、冷蔵保存部260の外の加熱器で37℃に昇温されてから培養器に送れてもよい。あるいは、低温保存されていた培地は、送液路を進む間に37℃に昇温するよう、送液路の周囲の温度を設定してもよい。初期化浮遊培養器219内の古くなった培地は、廃液送液路226及びポンプ227を介して、廃液保管部228に送られる。廃液保管部228には、バーコード等の識別子を付けて、廃液の情報を管理してもよい。
初期化浮遊培養器219で培養された細胞塊は、導入細胞送液路229、ポンプ230、及び細胞塊分割器231を介して、細胞塊作製装置の一部としての第1の拡大浮遊培養器232へ送られる。細胞塊分割器231を通過することにより、細胞塊は、より小さな細胞塊に分割される。第1の拡大浮遊培養器232は、例えば、図4から図10に示したような構造を備える。この場合、細胞塊は、透析チューブ内に入れられる。あるいは、第1の拡大浮遊培養器232は、例えば、図11及び図12に示したような構造を備える。この場合、細胞塊は、容器内に入れられる。
図14に示す第1の拡大浮遊培養器232には、幹細胞培地を含む幹細胞培地保存部223から、培地送液路233及びポンプ234を介して、幹細胞培地が補給される。導入細胞送液路229及び培地送液路233は、例えば、温度透過性かつ二酸化炭素透過性である。幹細胞培地保存部223、培地送液路233、及びポンプ234は、培地補給装置を構成している。ポンプ234は、幹細胞培地を連続的に補給してもよいし、幹細胞培地を所定のタイミングで補給してもよい。
第1の拡大浮遊培養器232内の古くなった培地は、廃液送液路235及びポンプ236を介して、廃液保管部228に送られる。
第1の拡大浮遊培養器232で培養された細胞塊は、導入細胞送液路237、ポンプ238、細胞塊分割器239を経て、細胞塊作製装置の一部としての第2の拡大浮遊培養器240へ送られる。細胞塊分割器239を通過することにより、細胞塊は、より小さな細胞塊に分割される。図14に示す第2の拡大浮遊培養器240、例えば、図4から図10に示したような構造を備える。この場合、細胞塊は、透析チューブ内に入れられる。あるいは、第2の拡大浮遊培養器240、例えば、図11及び図12に示したような構造を備える。この場合、細胞塊は、容器内に入れられる。
図14に示す第2の拡大浮遊培養器240には、幹細胞培地を含む幹細胞培地保存部223から、培地送液路241及びポンプ242を介して、幹細胞培地が補給される。導入細胞送液路237及び培地送液路241は、例えば、温度透過性かつ二酸化炭素透過性である。幹細胞培地保存部223、培地送液路241、及びポンプ242は、培地補給装置を構成している。ポンプ242は、幹細胞培地を連続的に補給してもよいし、幹細胞培地を所定のタイミングで補給してもよい。
第2の拡大浮遊培養器240内の古くなった培地は、廃液送液路243及びポンプ244を介して、廃液保管部228に送られる。
第2の拡大浮遊培養器240で培養された細胞塊は、導入細胞送液路245及びポンプ246を経て、溶液置換器247へ送られる。溶液置換器247は、例えば図13に示す構成を備えていてもよい。図14に示す溶液置換器247内において、細胞塊はフィルターで保持され、培地は、廃液送液路248及びポンプ249を介して、廃液保管部228に送られる。
ポンプ249の駆動停止により廃液送液路248内の溶液の流動を停止した後、あるいは弁等で廃液送液路248を閉じた後、溶液置換器247には、凍結保存液を含む凍結保存液保存部250から、送液路251及びポンプ252を介して、凍結保存液が入れられる。これにより、凍結保存液中に細胞塊が分散する。
細胞塊を分散させた凍結保存液は、パッケージ装置の一部としての送液路253及びポンプ254を介して、凍結保存容器255内に送られる。凍結保存容器255は、低温保管庫256に入れられている。低温保管庫256には、液体窒素保管庫257から送液路258を介して、例えば-80℃の液体窒素が送られる。これにより、凍結保存容器255内の細胞塊が凍結させられる。ただし、細胞塊の凍結は、液体窒素に依らなくともよい。例えば、低温保管庫256が、圧縮式冷凍庫、吸収式冷凍庫、あるいはペルチェ式冷凍庫等の冷凍庫であってもよい。
上述した送液路には、適宜、逆流防止弁を設けてもよい。上述した送液路、単核球分離部203、単核球精製フィルター210、因子導入部213、初期化浮遊培養器219、第1の拡大浮遊培養器232、第2の拡大浮遊培養器240、及び溶液置換器247等は、例えば部材259に配置されている。部材259の材料は、例えば樹脂であるが、これに限定されない。部材259は、例えば、滅菌処理可能な耐熱性材料からなる。部材259の形状は、板状であってもよいし、カセット状であってもよい。また、部材259は、可撓性のバックであってもよい。培地が流れる送液路は、例えば、二酸化炭素透過性材料からなる。また、上述した送液路、単核球分離部203、単核球精製フィルター210、因子導入部213、初期化浮遊培養器219、第1の拡大浮遊培養器232、第2の拡大浮遊培養器240、及び溶液置換器247等は、複数のケースに分割されて格納されてもよい。
例えば、部材259及び部材259に設けられた流路等は使い捨て可能であり、細胞塊の凍結が完了した後は、廃棄して、新しいものと交換してもよい。あるいは、部材259及び部材259に設けられた流路等を再利用する場合は、部材259にバーコード等の識別子を付け、使用回数等を管理してもよい。
以上説明した実施形態に係る細胞処理装置によれば、自動的にiPS細胞等の幹細胞を誘導することが可能である。
上記のように、本発明を実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施形態及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、因子導入装置30は、エレクトロポレーションやRNAリポフェクションではなく、レトロウイルス、レンチウイルス、及びセンダイウイルス等のウイルスベクターや、プラスミドを用いるトランスフェクション、あるいはタンパク質トランスフェクションにより、細胞を誘導してもよい。また、導入前細胞送液路20、導入細胞送液路31、細胞塊送液路51、拡大培養送液路71、細胞塊送液路72、及びパッケージ前細胞流路91はマイクロフルイディクス技術により基板上に設けられていてもよい。この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。
(実施例1)
ゲル培地ではない液体培地である、10%FBS(Gibco)を含むDMEM(Gibco)に懸濁した5×10個の繊維芽細胞(HDF1419、Cell Applications, Inc.)を、ウェルディッシュの各ウェルに播種し、ウェルディッシュを37℃のCOインキュベーター中に静置して、繊維芽細胞を接着培養した。24時間後、パントロピックレトロウイルス発現システム(Plat-GP、Pantropic、Plat-GP)を用いて、繊維芽細胞に初期化因子OSKM(OCT3/4、SOX2、KLF4、c-MYC)を導入した。その後7日間、24時間ごとに培地を交換した。
0.25%のトリプシンを利用して細胞をウェルからはがし、細胞数を測定した。さらに、bFGFを含有していないhES培地(Primate ES Cell Medium、リプロセル)に脱アシル化ジェランガムが0.02質量%になるよう添加して、ゲル培地を用意した。用意したゲル培地に、濃度が1×10個/mLになるよう細胞を懸濁し、培養器の容器に入れた。その後、マグネットとスターラーを利用して、COインキュベーター中で細胞の攪拌浮遊培養を22日間行った。その間、48時間ごとに、10mLの培地を培養器に添加した。
培養後、図15の写真に示すように、細胞塊の形成が確認された。後述するゲル培地ではない液体培地を使った場合(図18)と比較して、細胞塊の大きさは均一であった。回収した細胞の一部を、未分化であることを示す細胞表面マーカーであるTRA-1-60に対する抗体を用いて、FACSで解析したところ、図16に示すように、細胞がTRA-1-60陽性であることが確認された。回収した残りの細胞は、フィーダー細胞上に播種し、5日間培養した。その後、パラホルムアルデヒドで細胞コロニーを固定し、OCT3/4に対する抗体で細胞を免疫染色したところ、図17に示すように、細胞がOCT3/4陽性であることが確認された。したがって、繊維芽細胞からiPS細胞が誘導されたことが示された。
(実施例2)
実施例1と同様に、繊維芽細胞に初期化因子OSKM(OCT3/4、SOX2、KLF4、c-MYC)を導入した。その後7日間、24時間ごとに培地を交換した。
0.25%のトリプシンを利用して細胞をウェルからはがし、細胞数を測定した。さらに、bFGFを含有しているhES培地(Primate ES Cell Medium、リプロセル)を用意した。当該培地は、ポリマーを添加しておらず、ゲル培地ではない液体培地であった。用意した液体培地に、濃度が1×10個/mLになるよう細胞を懸濁し、培養器の容器に入れた。その後、マグネットとスターラーを利用して、COインキュベーター中で細胞の攪拌浮遊培養を8日間行った。その間、48時間ごとに、10mLの培地を培養器に添加した。
培養後、図18の写真に示すように、細胞塊の形成が確認された。回収した細胞の一部を、未分化であることを示す細胞表面マーカーであるTRA-1-60に対する抗体を用いて、FACSで解析したところ、図19に示すように、細胞がTRA-1-60陽性であることが確認された。回収した残りの細胞は、フィーダー細胞上に播種し、5日間培養した。その後、パラホルムアルデヒドで細胞コロニーを固定し、OCT3/4に対する抗体で細胞を免疫染色したところ、図20に示すように、細胞がOCT3/4陽性であることが確認された。したがって、繊維芽細胞を初期化し、iPS細胞が誘導されたことが示された。
(実施例3)
実施例1と同様に、繊維芽細胞に初期化因子OSKM(OCT3/4、SOX2、KLF4、c-MYC)を導入した。その後7日間、24時間ごとに培地を交換した。
0.25%のトリプシンを利用して細胞をウェルからはがし、細胞数を測定した。さらに、bFGFを含有していないhES培地(Primate ES Cell Medium、リプロセル)に脱アシル化ジェランガムが0.02質量%になるよう添加して、ゲル培地を用意した。用意したゲル培地に、濃度が1×10個/mLになるよう細胞を懸濁し、透析チューブを有しない培養器又は図5に示すような培養器の透析チューブに入れた。
いずれの培養器も、COインキュベーター中に配置した。その後、透析チューブを有しない培養器においては、ゲル培地を撹拌することなく、細胞を20日間浮遊培養した。一方、透析チューブを有する培養器においては、マグネットとスターラーを利用して、透析チューブの外側の容器内のゲル培地を撹拌し、細胞の浮遊培養を20日間行った。その間、48時間ごとに、10mLの培地を培養器に添加した。
培養後、図21の写真に示すように、細胞塊の形成が確認された。回収した細胞の数を計測したところ、図22に示すように、細胞を透析チューブに入れて撹拌培養した場合の方が、透析チューブに入れなかった場合より、細胞数が多かった。このことは、透析チューブの外側の撹拌されている培地から、栄養成分等が透析チューブ内の細胞に効率的に補給されていたことを示している。回収した細胞は、フィーダー細胞上に播種し、5日間培養した。その後、パラホルムアルデヒドで細胞コロニーを固定し、OCT3/4に対する抗体で細胞を免疫染色したところ、図23(透析チューブを用いて培養)及び図24(透析チューブを用いずに培養)に示すように、細胞がOCT3/4陽性であることが確認された。したがって、繊維芽細胞からiPS細胞が誘導されたことが示された。
10・・・分離装置、20・・・導入前細胞送液路、21・・・誘導因子送液機構、30・・・因子導入装置、31・・・導入細胞送液路、40・・・細胞塊作製装置、50・・・初期化培養装置、51・・・細胞塊送液路、60・・・分割機構、70・・・拡大培養装置、71・・・拡大培養送液路、72・・・細胞塊送液路、74・・・駆動装置、75・・・透析チューブ、76・・・容器、80・・・分割機構、90・・・細胞魂搬送機構、91・・・パッケージ前細胞流路、100・・・パッケージ装置、101・・・溶液置換器、102・・・フィルター、103・・・送液流路、104・・・送液流路、105・・・排出流路、106・・・排出流路、110・・・凍結保存液送液機構、201・・・血液保存部、202・・・血液送液路、203・・・単核球分離部、204・・・ポンプ、205・・・分離剤保存部、206・・・送液路、207・・・ポンプ、208・・・単核球送液路、209・・・ポンプ、210・・・単核球精製フィルター、211・・・導入前細胞送液路、212・・・ポンプ、213・・・因子導入部、214・・・因子保存部、215・・・因子送液路、216・・・ポンプ、217・・・導入細胞送液路、218・・・ポンプ、219・・・初期化浮遊培養器、220・・・血液細胞培地保存部、221・・・培地送液路、222・・・ポンプ、223・・・幹細胞培地保存部、224・・・培地送液路、225・・・ポンプ、226・・・廃液送液路、227・・・ポンプ、228・・・廃液保管部、229・・・導入細胞送液路、230・・・ポンプ、231・・・細胞塊分割器、232・・・拡大浮遊培養器、233・・・培地送液路、234・・・ポンプ、235・・・廃液送液路、236・・・ポンプ、237・・・導入細胞送液路、238・・・ポンプ、239・・・細胞塊分割器、240・・・拡大浮遊培養器、241・・・培地送液路、242・・・ポンプ、243・・・廃液送液路、244・・・ポンプ、245・・・導入細胞送液路、246・・・ポンプ、247・・・溶液置換器、248・・・廃液送液路、249・・・ポンプ、250・・・凍結保存液保存部、251・・・送液路、252・・・ポンプ、253・・・送液路、254・・・ポンプ、255・・・凍結保存容器、256・・・低温保管庫、257・・・液体窒素保管庫、258・・・送液路、259・・・部材、260・・・冷蔵保存部、271・・・攪拌部材、272・・・溝、273・・・連通孔、274・・・連通孔、275・・・連通孔、276・・・連通孔

Claims (37)

  1. 細胞に誘導因子を導入して誘導因子導入細胞を作製する因子導入装置と、
    前記因子導入装置に前記細胞を含む溶液を送液するための導入前細胞送液路と、
    前記因子導入装置で作製された前記誘導因子導入細胞を浮遊培養して前記誘導因子導入細胞から誘導多能性幹細胞を誘導するための浮遊培養器と、
    前記因子導入装置と前記浮遊培養器とを接続し、前記因子導入装置から前記浮遊培養器に前記因子導入装置で作製された前記誘導因子導入細胞を含む溶液を送液するための導入細胞送液路と、
    を備える、細胞処理装置。
  2. 前記浮遊培養器内で前記誘導因子導入細胞が初期化される、請求項1に記載の細胞処理装置。
  3. 前記浮遊培養器内で前記誘導された細胞が拡大培養される、請求項1又は2に記載の細胞処理装置。
  4. 前記浮遊培養器が、
    前記誘導因子導入細胞と培地が入れられる半透膜と、
    前記半透膜が入れられ、前記半透膜の周囲に培地が入れられる容器と、
    を備える、請求項1からのいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  5. 前記浮遊培養器が、前記容器内の培地を攪拌させるための駆動装置をさらに備える、請求項に記載の細胞処理装置。
  6. 前記容器内に攪拌部材が設けられている、請求項に記載の細胞処理装置。
  7. 前記駆動装置が、磁力を介して、前記攪拌部材を回転させる、請求項に記載の細胞処理装置。
  8. 前記浮遊培養器が、
    前記誘導因子導入細胞と培地が入れられる半透膜と、
    前記半透膜が入れられ、前記半透膜の周囲に培地が入れられる容器であって、内側面にらせん状の溝が設けられている容器と、
    前記容器内の溝に沿って前記培地が流れるよう、前記容器内に前記培地を供給するポンプと、
    を備える、請求項1からのいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  9. 前記因子導入装置で作製された誘導因子導入細胞が、前記浮遊培養器の半透膜内に送られる、請求項からのいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  10. 前記浮遊培養器が、
    培地が入れられる半透膜と、
    前記半透膜が入れられ、前記半透膜の周囲に前記誘導因子導入細胞と培地が入れられる容器と、
    前記半透膜内に前記培地の液流が生じるよう、前記半透膜内に前記培地を供給するポンプと、
    を備える、請求項1からのいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  11. 前記因子導入装置で作製された誘導因子導入細胞が、前記容器内の前記半透膜の外に送られる、請求項10に記載の細胞処理装置。
  12. 前記浮遊培養器が、
    前記誘導因子導入細胞と培地が入れられる容器と、
    前記容器内の培地を攪拌させるための駆動装置と、
    を備える、請求項1からのいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  13. 前記容器内に攪拌部材が設けられている、請求項12に記載の細胞処理装置。
  14. 前記駆動装置が、磁力を介して、前記攪拌部材を回転させる、請求項13に記載の細胞処理装置。
  15. 前記浮遊培養器が、
    前記誘導因子導入細胞と培地が入れられる容器であって、内側面にらせん状の溝が設けられている容器と、
    前記容器内の溝に沿って前記培地が流れるよう、前記容器内に前記培地を供給するポンプと、
    を備える、請求項1からのいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  16. 前記因子導入装置で作製された誘導因子導入細胞が、前記浮遊培養器の容器内に送られる、請求項12から15のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  17. 前記培地が液体培地である、請求項から16のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  18. 前記培地がゲル培地である、請求項から16のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  19. 前記導入前細胞送液路の中の溶液を送液するためのポンプをさらに備える、請求項1に記載の細胞処理装置。
  20. 前記導入細胞送液路の中の溶液を送液するためのポンプをさらに備える、請求項に記載の細胞処理装置。
  21. 誘導因子を導入された誘導因子導入細胞と培地が入れられる半透膜と、
    前記半透膜内に前記誘導因子導入細胞を含む培地を送液するための第1送液路と
    前記半透膜が入れられ、前記半透膜の周囲に培地が入れられる容器と、
    前記容器内の前記半透膜の外に設けられた攪拌部材と、
    を備え、
    前記半透膜内で、前記誘導因子導入細胞を浮遊培養して前記誘導因子導入細胞から誘導多能性幹細胞を誘導するための浮遊培養器であって、
    前記半透膜内から当該浮遊培養器の外へ前記誘導多能性幹細胞を含む培地を送液するための第2送液路をさらに備える、浮遊培養器。
  22. 前記容器内の培地を攪拌させるための駆動装置をさらに備える、請求項21に記載の浮遊培養器。
  23. 前記駆動装置が、磁力を介して、前記攪拌部材を回転させる、請求項22に記載の浮遊培養器。
  24. 誘導因子を導入された誘導因子導入細胞と培地が入れられる半透膜と、
    前記半透膜内に前記誘導因子導入細胞を含む培地を送液するための第1送液路と
    前記半透膜が入れられ、前記半透膜の周囲に培地が入れられる容器であって、内側面にらせん状の溝が設けられている容器と、
    を備え、
    前記半透膜内で、前記誘導因子導入細胞を浮遊培養して前記誘導因子導入細胞から誘導多能性幹細胞を誘導するための浮遊培養器であって、
    前記半透膜内から当該浮遊培養器の外へ前記誘導多能性幹細胞を含む培地を送液するための第2送液路をさらに備える、浮遊培養器。
  25. 前記容器内の溝に沿って前記培地が流れるよう、前記容器内に前記培地を供給するポンプをさらに備える、請求項24に記載の浮遊培養器。
  26. 培地が入れられる半透膜と、
    前記半透膜が入れられ、前記半透膜の周囲に誘導因子を導入された誘導因子導入細胞と培地が入れられる容器と、
    を備え、
    前記容器内で、前記誘導因子導入細胞を浮遊培養して前記誘導因子導入細胞から誘導多能性幹細胞を誘導するための浮遊培養器であって、
    当該浮遊培養器の中へ前記誘導因子導入細胞を含む培地を送液するための第1送液路と、
    当該浮遊培養器の外へ前記誘導多能性幹細胞を含む培地を送液するための第2送液路と、
    をさらに備える、浮遊培養器。
  27. 前記半透膜内に前記培地の液流が生じるよう、前記半透膜内に前記培地を供給するポンプをさらに備える、請求項26に記載の浮遊培養器。
  28. 前記培地が液体培地である、請求項21から27のいずれか1項に記載の浮遊培養器。
  29. 前記培地がゲル培地である、請求項21から27のいずれか1項に記載の浮遊培養器。
  30. 前記第1送液路の中の溶液を送液するためのポンプをさらに備える、請求項21から29のいずれか1項に記載の浮遊培養器。
  31. 前記第2送液路の中の溶液を送液するためのポンプをさらに備える、請求項21から29のいずれか1項に記載の浮遊培養器。
  32. 細胞に誘導因子を導入して誘導因子導入細胞を作製することと、
    半透膜を介して栄養成分を補給しながら前記半透膜内の前記誘導因子導入細胞を浮遊培養して前記誘導因子導入細胞から誘導多能性幹細胞を誘導し、浮遊する細胞塊を形成することと、
    を含む、幹細胞の誘導方法。
  33. 前記浮遊培養が、攪拌培養である、請求項32に記載の幹細胞の誘導方法。
  34. 前記誘導因子導入細胞を浮遊培養する際に液体培地が用いられる、請求項32又は33に記載の幹細胞の誘導方法。
  35. 前記誘導因子導入細胞を浮遊培養する際にゲル培地が用いられる、請求項32又は33に記載の幹細胞の誘導方法。
  36. 前記浮遊培養器が半透膜を備える、請求項1に記載の細胞処理装置。
  37. 前記因子導入装置で作製された前記誘導因子導入細胞が、前記浮遊培養器の前記半透膜内に送られる、請求項36に記載の細胞処理装置。
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