JP2020016291A - 密封装置 - Google Patents

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祐貴 佐藤
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Abstract

【課題】潤滑剤の消耗を抑制することで、耐久寿命の向上を図ることのできる密封装置を提供する。【解決手段】軸に対して摺動自在に設けられるシールリップ122と、前記軸に固定された環状部材の端面に対して摺動自在に設けられるサイドリップ124と、を備え、サイドリップ124の摺動面には潤滑剤が塗布された状態で用いられる密封装置100であって、サイドリップ124の摺動面には、サイドリップ124が前記環状部材の端面と摺動する際に前記潤滑剤を径方向内側に移動させる複数の外周側ネジ124aが設けられていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置に関する。
従来、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置が知られている。デファレンシャル装置、ハブベアリング、及び変速機等に用いられる密封装置においては、軸に対して摺動自在に設けられるシールリップの他に、軸に固定された環状部材の端面に対して摺動自在に設けられるサイドリップが備えられた技術が知られている。図6を参照して、従来例に係る密封装置について説明する。図6は従来例に係る密封装置の模式的断面図である。
従来例に係る密封装置700は、補強環710と、補強環710に一体的に設けられる弾性体製のシール本体720とを備えている。このシール本体720は、軸に対して摺動自在に設けられるシールリップ721と、軸に固定された環状部材の端面に対して摺動自在に設けられるサイドリップ722とを備えている。サイドリップ722は、ダストや泥水が装置内に侵入してしまうことを防止する役割を担っている。そして、このサイドリップ722の摺動面には潤滑剤(グリス)が塗布される。これにより、ダストや泥水が装置内に侵入してしまうことを効果的に抑制することができる。
しかしながら、上記のように構成される従来例に係る密封装置700においては、経時的に潤滑剤が消耗してしまうため、摺動摩耗が促進され、かつ密封性能は低下していく。
特開2015−64054号公報
本発明の目的は、潤滑剤の消耗を抑制することで、耐久寿命の向上を図ることのできる密封装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の密封装置は、
相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
前記軸に対して摺動自在に設けられるシールリップと、
前記軸に固定された環状部材の端面に対して摺動自在に設けられるサイドリップと、
を備え、
前記サイドリップの摺動面には潤滑剤が塗布された状態で用いられる密封装置であって、
前記サイドリップの摺動面には、該サイドリップが前記環状部材の端面と摺動する際に前記潤滑剤を径方向内側に移動させる複数の外周側ネジが設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、サイドリップの摺動面に備えられた外周側ネジによって、潤滑剤がサ
イドリップよりも径方向外側に流出してしまうことが抑制される。これにより、潤滑剤の消耗を抑制することができる。
前記サイドリップの摺動面には、前記複数の外周側ネジよりも径方向内側に設けられ、該サイドリップが前記環状部材の端面と摺動する際に前記潤滑剤を径方向外側に移動させる複数の内周側ネジが設けられているとよい。
このように、外周側ネジよりも径方向の内側に内周側ネジを設けることによって、外周側ネジと内周側ネジとの間の付近に潤滑剤を保持させることができる。これにより、サイドリップの摺動面に、安定的に長期に亘って潤滑剤を保持させることができる。
前記複数の外周側ネジによる前記潤滑剤を移動させる能力の方が、前記複数の内周側ネジよる前記潤滑剤を移動させる能力よりも高いとよい。
すなわち、潤滑剤には遠心力が作用するため、複数の外周側ネジによる潤滑剤を移動させる能力と、複数の内周側ネジよる潤滑剤を移動させる能力が同一の場合には、潤滑剤が径方向外側に流出してしまい易い傾向が生じてしまうおそれがある。これに対して、前者の能力の方を後者の能力よりも高くすることによって、潤滑剤が径方向外側に流出してしまうことを、より確実に抑制することができる。
ここで、前者の能力の方を後者の能力よりも高くするための具体的な構成としては、例えば、以下の構成を採用し得る。前記外周側ネジの一端から他端までの長さの方が、前記内周側ネジの一端から他端までの長さよりも長くする構成を採用し得る。また、前記外周側ネジにおける回転方向に対する傾きのうち鋭角側の傾きの角度をPとし、前記内周側ネジにおける回転方向に対する傾きのうち鋭角側の傾きの角度をQとすると、Q<P<90°を満たす構成も採用し得る。更に、前記外周側ネジの個数の方が、前記内周側ネジの個数よりも多くする構成も採用し得る。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、潤滑剤の消耗を抑制することで、耐久寿命の向上を図ることができる。
図1は本発明の実施例1に係る密封構造の模式的断面図である。 図2は本発明の実施例1に係る密封装置の模式的断面図である。 図3は本発明の実施例2に係る密封装置の模式的断面図である。 図4は本発明の実施例3に係る密封装置の模式的断面図である。 図5は本発明の実施例4に係る密封装置の模式的断面図である。 図6は従来例に係る密封装置の模式的断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、本発明に係る密封装置、及びこれを備える密封構造は、デファレンシャル装置、ハブベアリング、及び変速機等に適用される。
(実施例1)
図1及び図2を参照して、本発明の実施例1に係る密封装置、及びこれを備える密封構
造について説明する。図1は本発明の実施例1に係る密封構造の模式的断面図であり、図2は本発明の実施例1に係る密封装置の模式的断面図である。なお、本実施例に係る密封装置は、一部の構成を除いて回転対称形状であり、図1及び図2においては、密封装置の中心軸線を含む面で、密封構造と密封装置をそれぞれ切断した断面を示している。
<密封構造>
特に、図1を参照して、本実施例に係る密封構造について説明する。本実施例に係る密封構造は、相対的に回転する軸500及びハウジング600と、これらの軸500とハウジング600との間の環状隙間を封止する密封装置100とから構成される。密封装置100によって、軸500とハウジング600との間の環状隙間が隔てられることで、密封対象側(O)の密封対象流体(油など)が外部(A)に漏出してしまうことを抑制し、かつ、外部(A)から密封対象側(O)にダストや泥水が侵入してしまうことを抑制することができる。また、本実施例においては、軸500には、軸500と共に回転する環状部材510が固定されている。なお、本実施例に係る密封装置(密封構造)がデファレンシャル装置に適用される場合には、環状部材510はデフレクタに相当する。
<密封装置>
本実施例に係る密封装置100について、より詳細に説明する。密封装置100は、金属などにより構成される補強環110と、補強環110に一体的に設けられる弾性体製のシール本体120とを備えている。補強環110は、円筒状部111と、円筒状部111の一端側から径方向内側に伸びる内向きフランジ部112とを備えている。
シール本体120は、外周シール部121と、シールリップ(メインリップ)122と、ダストリップ123と、サイドリップ124とを一体に備えている。外周シール部121は、補強環110における円筒状部111の外周面側に設けられ、ハウジング600の内周面に密着するように構成される。シールリップ122は、補強環110における内向きフランジ部112の先端付近から径方向内側かつ密封対象側(O)に向かって伸び、軸500に対して摺動自在に設けられる。また、このシールリップ122の内周面には、ネジポンプ効果によって、密封対象流体を密封対象側(O)に戻すためのネジ122aが複数設けられている。なお、ネジ122aは、突起または溝により構成することができる。ポンプ効果を発生させるためのネジ突起またはネジ溝については、公知技術であるので、その詳細説明は省略する。また、シールリップ122の外周面側には、シールリップ122を径方向内側に押圧するガータスプリング130が設けられている。
ダストリップ123は、補強環110における内向きフランジ部112の先端付近から径方向内側かつ密封対象側(O)とは反対側(外部(A)側)に向かって伸び、軸500に対して摺動自在に設けられる。このダストリップ123は、主として、ダストや泥水がシールリップ122側に侵入してしまうことを抑制する役割を担っている。また、このダストリップ123の内周面側には、シールリップ122とダストリップ123との間の密閉空間が負圧になって、ダストリップ123が大きく変形した場合に、サイドリップ124側と連通する通路を形成させることで、負圧を解消させるための突起123aが複数設けられている。これにより、シールリップ122及びダストリップ123の軸500に対する摺動抵抗が異常に大きくなってしまうことを抑制することができる。
サイドリップ124は、補強環110における内向きフランジ部112の先端付近から径方向外側かつ密封対象側(O)とは反対側(外部(A)側)に向かって伸び、環状部材510の端面に対して摺動自在に設けられる。このサイドリップ124は、ダストや泥水が装置内(密封対象側(O))に侵入してしまうことを防止する役割を担っている。そして、このサイドリップ124の摺動面には潤滑剤(グリス)Gが塗布される。これにより、ダストや泥水が装置内に侵入してしまうことを効果的に抑制することができる。
そして、本実施例に係るサイドリップ124においては、その摺動面に、サイドリップ124が環状部材510の端面と摺動する際に潤滑剤Gを径方向内側に移動させる複数の外周側ネジ124aが設けられている。また、サイドリップ124の摺動面には、複数の外周側ネジ124aよりも径方向内側に設けられ、サイドリップ124が環状部材510の端面と摺動する際に潤滑剤Gを径方向外側に移動させる複数の内周側ネジ124bも設けられている。軸500及び環状部材510と、ハウジング600及び密封装置100とが相対的に回転した場合において、図2中矢印Xが軸500及び環状部材510の相対的な回転方向に相当し、矢印Yがハウジング600及び密封装置100の相対的な回転方向に相当する。
図示のように、外周側ネジ124aは、サイドリップ124の根元側からリップ先端側に向かうにつれて、矢印Y方向に向かって伸びるように構成されている。これにより、軸500とハウジング600が相対的に回転している際においては、潤滑剤Gは、それぞれの外周側ネジ124aに沿って、図1及び図2中、矢印S方向に移動する。つまり、潤滑剤Gは径方向内側に移動する。これに対して、内周側ネジ124bは、サイドリップ124の根元側からリップ先端側に向かうにつれて、矢印X方向に向かって伸びるように構成されている。これにより、軸500とハウジング600が相対的に回転している際においては、潤滑剤Gは、内周側ネジ124bに沿って、図1及び図2中、矢印T方向に移動する。つまり、潤滑剤Gは径方向外側に移動する。
なお、外周側ネジ124aと内周側ネジ124bについては、いずれも、突起により構成することもできるし、溝または切り込みにより構成することもできる。すなわち、図2に示すように伸びる突起、溝、または切り込みを設けることによって、環状部材510の端面とサイドリップ124が摺動することにより、ネジポンプ効果が発揮され、上記の通り、潤滑剤Gは移動する。
<本実施例に係る密封装置の優れた点>
本実施例に係る密封装置100によれば、サイドリップ124の摺動面に備えられた外周側ネジ124aによって、潤滑剤Gがサイドリップ124よりも径方向外側に流出してしまうことが抑制される。これにより、潤滑剤Gの消耗を抑制することができる。従って、密封装置100の耐久寿命の向上を図ることができる。
また、本実施例に係る密封装置100においては、サイドリップ124の摺動面には、複数の外周側ネジ124aよりも径方向内側に設けられ、サイドリップ124が環状部材510の端面と摺動する際に潤滑剤Gを径方向外側に移動させる複数の内周側ネジ124bが設けられている。これにより、外周側ネジ124aと内周側ネジ124bとの間の付近に潤滑剤Gを保持させることができる。従って、サイドリップ124の摺動面に、安定的に長期に亘って潤滑剤Gを保持させることができる。これにより、サイドリップ124の摺動摩耗をより一層抑制することができ、かつ回転トルクを低減できる効果も発揮される。
(実施例2)
図3には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、外周側ネジと内周側ネジの構成が上記実施例1の場合とは異なる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図3は本発明の実施例2に係る密封装置の模式的断面図である。なお、図3においては、密封装置の中心軸線を含む面で密封装置を切断した断面を示している。本実施例に係る
密封装置100Xを備える密封構造については、上記実施例1の場合と同様であるので、その説明は省略する。
本実施例に係る密封装置100Xは、上記実施例1の場合と同様に、金属などにより構成される補強環110と、補強環110に一体的に設けられる弾性体製のシール本体120とを備えている。補強環110については、上記実施例1で説明した通りであるので、その説明は省略する。また、本実施例に係るシール本体120についても、上記実施例1の場合と同様に、外周シール部121と、シールリップ(メインリップ)122と、ダストリップ123と、サイドリップ124とを一体に備えている。外周シール部121と、シールリップ(メインリップ)122と、ダストリップ123の構成については、上記実施例1の場合と同一の構成であるので、その説明は省略する。
そして、本実施例に係るサイドリップ124においても、その摺動面に、複数の外周側ネジ124cと複数の内周側ネジ124dが設けられている。これら外周側ネジ124c及び内周側ネジ124dの機能については、上記実施例1の場合と同様である。ただし、本実施例においては、複数の外周側ネジ124cによる潤滑剤Gを移動させる能力の方が、複数の内周側ネジ124dよる潤滑剤Gを移動させる能力よりも高くなるように構成されている。具体的には、本実施例においては、外周側ネジ124cの一端から他端までの長さの方が、内周側ネジ124dの一端から他端までの長さよりも長くなるように構成されている。
以上のように構成される本実施例に係る密封装置100Xにおいても、上記実施例1に係る密封装置100の場合と同様の効果を得ることができる。また、本実施例に係る密封装置100Xの場合には、複数の外周側ネジ124cによる潤滑剤Gを移動させる能力の方が、複数の内周側ネジ124dよる潤滑剤Gを移動させる能力よりも高いため、更に、以下の効果を得ることができる。すなわち、潤滑剤には遠心力が作用するため、複数の外周側ネジによる潤滑剤を移動させる能力と、複数の内周側ネジよる潤滑剤を移動させる能力が同一の場合には、潤滑剤が径方向外側に流出してしまい易い傾向が生じてしまうおそれがある。これに対して、前者の能力の方を後者の能力よりも高くすることによって、潤滑剤が径方向外側に流出してしまうことを、より確実に抑制することができる。
(実施例3)
図4には、本発明の実施例3が示されている。本実施例においては、外周側ネジと内周側ネジの構成が上記実施例1の場合とは異なる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図4は本発明の実施例3に係る密封装置の模式的断面図である。なお、図4においては、密封装置の中心軸線を含む面で密封装置を切断した断面を示している。本実施例に係る密封装置100Yを備える密封構造については、上記実施例1の場合と同様であるので、その説明は省略する。
本実施例に係る密封装置100Yは、上記実施例1の場合と同様に、金属などにより構成される補強環110と、補強環110に一体的に設けられる弾性体製のシール本体120とを備えている。補強環110については、上記実施例1で説明した通りであるので、その説明は省略する。また、本実施例に係るシール本体120についても、上記実施例1の場合と同様に、外周シール部121と、シールリップ(メインリップ)122と、ダストリップ123と、サイドリップ124とを一体に備えている。外周シール部121と、シールリップ(メインリップ)122と、ダストリップ123の構成については、上記実施例1の場合と同一の構成であるので、その説明は省略する。
そして、本実施例に係るサイドリップ124においても、その摺動面に、複数の外周側ネジ124eと複数の内周側ネジ124fが設けられている。これら外周側ネジ124e及び内周側ネジ124fの機能については、上記実施例1の場合と同様である。ただし、本実施例においては、上記実施例2の場合と同様に、複数の外周側ネジ124eによる潤滑剤Gを移動させる能力の方が、複数の内周側ネジ124fよる潤滑剤Gを移動させる能力よりも高くなるように構成されている。具体的には、本実施例においては、外周側ネジ124eにおける回転方向に対する傾きのうち鋭角側の傾きの角度をPとし、内周側ネジ124fにおける回転方向に対する傾きのうち鋭角側の傾きの角度をQとすると、Q<P<90°を満たす。
以上のように構成される本実施例に係る密封装置100Yにおいても、上記実施例1に係る密封装置100の場合と同様の効果を得ることができる。また、本実施例に係る密封装置100Yの場合には、複数の外周側ネジ124eによる潤滑剤Gを移動させる能力の方が、複数の内周側ネジ124fよる潤滑剤Gを移動させる能力よりも高いため、上記実施例2の場合と同様の効果を得ることができる。
(実施例4)
図5には、本発明の実施例4が示されている。本実施例においては、外周側ネジと内周側ネジの構成が上記実施例1の場合とは異なる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図5は本発明の実施例4に係る密封装置の模式的断面図である。なお、図5においては、密封装置の中心軸線を含む面で密封装置を切断した断面を示している。本実施例に係る密封装置100Zを備える密封構造については、上記実施例1の場合と同様であるので、その説明は省略する。
本実施例に係る密封装置100Zは、上記実施例1の場合と同様に、金属などにより構成される補強環110と、補強環110に一体的に設けられる弾性体製のシール本体120とを備えている。補強環110については、上記実施例1で説明した通りであるので、その説明は省略する。また、本実施例に係るシール本体120についても、上記実施例1の場合と同様に、外周シール部121と、シールリップ(メインリップ)122と、ダストリップ123と、サイドリップ124とを一体に備えている。外周シール部121と、シールリップ(メインリップ)122と、ダストリップ123の構成については、上記実施例1の場合と同一の構成であるので、その説明は省略する。
そして、本実施例に係るサイドリップ124においても、その摺動面に、複数の外周側ネジ124gと複数の内周側ネジ124hが設けられている。これら外周側ネジ124g及び内周側ネジ124hの機能については、上記実施例1の場合と同様である。ただし、本実施例においては、上記実施例2の場合と同様に、複数の外周側ネジ124gによる潤滑剤Gを移動させる能力の方が、複数の内周側ネジ124hよる潤滑剤Gを移動させる能力よりも高くなるように構成されている。具体的には、本実施例においては、外周側ネジ124gの個数の方が、内周側ネジ124hの個数よりも多くなるように構成されている。
以上のように構成される本実施例に係る密封装置100Zにおいても、上記実施例1に係る密封装置100の場合と同様の効果を得ることができる。また、本実施例に係る密封装置100Zの場合には、複数の外周側ネジ124gによる潤滑剤Gを移動させる能力の方が、複数の内周側ネジ124hよる潤滑剤Gを移動させる能力よりも高いため、上記実
施例2の場合と同様の効果を得ることができる。
(その他)
実施例2〜4では、複数の外周側ネジによる潤滑剤を移動させる能力の方が、複数の内周側ネジよる潤滑剤を移動させる能力よりも高くなるように構成される場合の具体例をそれぞれ示した。これらの実施例は、それぞれ単独で適用することもできるし、適宜、組み合わせて適用することもできる。つまり、実施例2に示す構成と実施例3に示す構成を組み合わせてもよいし、実施例2に示す構成と実施例4に示す構成を組み合わせてもよいし、実施例3に示す構成と実施例4に示す構成を組み合わせてもよいし、実施例2〜4の構成を全て組み合わせてもよい。
100,100X,100Y,100Z 密封装置
110 補強環
111 円筒状部
112 内向きフランジ部
120 シール本体
121 外周シール部
122 シールリップ
122a ネジ
123 ダストリップ
123a 突起
124 サイドリップ
124a,124c,124e,124g 外周側ネジ
124b,124d,124f,124h 内周側ネジ
130 ガータスプリング
500 軸
510 環状部材
600 ハウジング
G 潤滑剤

Claims (6)

  1. 相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
    前記軸に対して摺動自在に設けられるシールリップと、
    前記軸に固定された環状部材の端面に対して摺動自在に設けられるサイドリップと、
    を備え、
    前記サイドリップの摺動面には潤滑剤が塗布された状態で用いられる密封装置であって、
    前記サイドリップの摺動面には、該サイドリップが前記環状部材の端面と摺動する際に前記潤滑剤を径方向内側に移動させる複数の外周側ネジが設けられていることを特徴とする密封装置。
  2. 前記サイドリップの摺動面には、前記複数の外周側ネジよりも径方向内側に設けられ、該サイドリップが前記環状部材の端面と摺動する際に前記潤滑剤を径方向外側に移動させる複数の内周側ネジが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記複数の外周側ネジによる前記潤滑剤を移動させる能力の方が、前記複数の内周側ネジよる前記潤滑剤を移動させる能力よりも高いことを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
  4. 前記外周側ネジの一端から他端までの長さの方が、前記内周側ネジの一端から他端までの長さよりも長いことを特徴とする請求項3に記載の密封装置。
  5. 前記外周側ネジにおける回転方向に対する傾きのうち鋭角側の傾きの角度をPとし、前記内周側ネジにおける回転方向に対する傾きのうち鋭角側の傾きの角度をQとすると、Q<P<90°を満たすことを特徴とする請求項3または4に記載の密封装置。
  6. 前記外周側ネジの個数の方が、前記内周側ネジの個数よりも多いことを特徴とする請求項3,4または5に記載の密封装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023162676A1 (ja) * 2022-02-24 2023-08-31 Nok株式会社 密封装置

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