JP2020015795A - 通気性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】温熱具などの発熱温度の過昇温を抑制し、また長時間保温することができる通気性フィルムの提供。【解決手段】ポリオレフィン系樹脂、無機フィラー及び感温性高分子を含む樹脂フィルムであって、60℃における透気度(TH)と20℃における透気度(TL)との比(TH/TL)が1.10以上であることを特徴とする通気性フィルム。前記感温性高分子は、融点が40乃至60℃の範囲に存在する高分子であることが好ましい。前記感温性高分子は2種以上のビニル系単量体と架橋剤との共重合体であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は通気性フィルムに関し、詳細には、医療用、家庭用及びレジャー用等に供される使い捨てカイロや温熱シップ剤、温熱プラスター等の温熱性貼付剤等に用いられる通気性フィルムに関する。
使い捨てカイロ等の発熱体構造物を構成する通気性フィルムは、発熱剤に供給する空気流量を制御して、発熱剤と空気との酸化発熱反応を抑制するために用いられる部材で、該通気性フィルムの通気量が大きすぎると、反応が急激に進み発熱温度が高くなりすぎて低温ヤケドの原因となり、逆に通気量が小さいと、十分な発熱が生じず、温熱効果が得られなくなる。
この理由から、一般に発熱体構造物の構成部材として、通気均一性の高い通気性フィルムが用いられており、そのような通気性フィルムとして、多孔質膜と不織布との積層時にドライラミネーションの正格子パターンの縦線幅を変化させることにより、幅方向の通気性の均一化を図った通気性フィルムが提案されている(特許文献1)。
ところで、使い捨てカイロ等の発熱体構造物を構成する通気性フィルムの透気度にバラツキがある場合や使い捨てカイロ等を他の暖房器具と併用した場合(例えば、使い捨てカイロを身に付けて、暖房器具で温まっているときに、使い捨てカイロに温風が当たっている場合)などには、使い捨てカイロ等の発熱温度が設計温度以上に高くなって、低温ヤケド等を発症する危険性がある。
そこで、発熱温度が所定の温度以上に上昇することを抑える技術として、通気性基材と水溶性高分子を含む層とを形成してなる通気性シートが提案されている(特許文献2)。該通気性シートでは、所定の発熱温度以上になった際に水蒸気の凝縮水が水溶性高分子を溶解して、該水溶性高分子の溶液が通気性シートの通気孔を塞ぎ、通気度を減少させることにより、発熱温度が所定の温度以上に上昇することを抑制することができると考えられている。
また、通気性フィルムの通気性を低下させる技術として、加熱によって融解して通気性フィルムのボイドを一部閉塞する、パラフィン、シクロパラフィンや蝋などの通気抑制剤を用いる方法が提案されている(特許文献3)。
特許第3497634号公報 特許第4644344号公報 特開2017−31293号公報
上述したように、使い捨てカイロ等の発熱体構造物を構成する通気性フィルムの透気度にバラツキがある場合や使い捨てカイロ等と他の暖房器具とを併用した場合などには、使い捨てカイロ等の発熱温度が設計温度以上に高くなって、低温ヤケド等を発症する危険性がある。
そのような危険性を回避する手段として、特許文献2に開示された、通気性基材と水溶性高分子を含む層とを形成してなる通気性シートを用いる方法が考えられるが、所定の発熱温度以上になった際、水蒸気凝縮水に溶解してなる水溶性高分子の溶液が通気性フィルムから滲出する懸念があった。また、特許文献3に開示された、通気抑制剤を用いる方法では、通気抑制剤は融解した際、通気性フィルムから滲出する懸念があった。
そこで、本発明は、上述した従来技術を考慮し、上記の課題を解消すべく為されたものである。すなわち、本発明は、温熱具などの発熱温度が設計温度よりも高くなる現象、いわゆる過昇温を抑制することが可能な通気性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、感温性高分子を含む樹脂フィルムにおいて、該樹脂フィルムの温度が感温性高分子の融点(感温点)付近になると、該感温性高分子が膨潤して樹脂フィルムの孔が塞がれることで、該樹脂フィルムの透気度が上昇し、空気の通気量が少なくなる結果、発熱剤と空気との酸化発熱反応が抑制されるという考えの下、20℃における透気度(TL)に比べて60℃における透気度(TH)を高くした通気性フィルムは、温熱具などの発熱温度の過昇温を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、[1]―[8]の通気性フィルムを提供する。
[1]ポリオレフィン系樹脂、無機フィラー及び感温性高分子を含む樹脂フィルムであって、60℃における透気度(TH)と20℃における透気度(TL)との比(TH/TL)が1.10以上であることを特徴とする通気性フィルム。
[2]前記感温性高分子は、融点が40乃至60℃の範囲に存在する高分子であることを特徴とする、[1]に記載の通気性フィルム。
[3]前記感温性高分子が2種以上のビニル系単量体と架橋剤との共重合体であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の通気性フィルム。
[4]前記ビニル系単量体が炭素原子数12乃至24のアルキル(メタ)アクリレートと、炭素原子数1乃至10のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素原子数1乃至8の未置換または置換アミノアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含むことを特徴とする、[3]に記載の通気性フィルム。
[5]前記ビニル系単量体が(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸イコシル、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル、及び(メタ)アクリル酸ベヘニルからなる群から選ばれる少なくとも1種と、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む、[4]に記載の通気性フィルム。
[6]前記架橋剤がビニル基含有シロキサン化合物であることを特徴とする、[3]乃至[5]のいずれかに記載の通気性フィルム。
[7]前記(TH/TL)が1.20以上であることを特徴とする、[1]乃至[6]のいずれか1項に記載の通気性フィルム。
[8]温熱医療用途に用いられることを特徴とする、[1]乃至[7]のいずれかに記載の通気性フィルム。
本発明の通気性フィルムは、温熱具などに使用された際に、温熱具などの発熱温度の過昇温を抑制することができるという効果を有する。
また、本発明の通気性フィルムは、温熱具などに使用された際に、温熱具などの保温時間を長くすることができるという効果を有する。
図1は実施例6における発熱温度の測定結果を示す図である。
[通気性フィルム]
本発明の通気性フィルムは、ポリオレフィン系樹脂、無機フィラー及び感温性高分子を含む樹脂フィルムであって、60℃における透気度(TH)と20℃における透気度(TL)との比(TH/TL)が1.10以上であるものである。
本発明において、60℃における透気度(TH)と20℃における透気度(TL)との比(TH/TL)は1.10以上であり、好ましくは1.20以上であり、より好ましくは1.30以上である。TH/TLが1.10未満の場合、本発明の通気性フィルムを使い捨てカイロに使用した際に、使い捨てカイロ発熱時の発熱反応が十分に抑制されず、過昇温が生じる虞がある。
<ポリオレフィン系樹脂>
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂は、少なくともオレフィン成分(エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1,4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンなど)を単量体成分とする樹脂である。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)等のポリエチレン系樹脂の他、ポリプロピレン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体など)や、ポリブテン系樹脂(ポリブテン−1など)、ポリ−4−メチルペンテン−1などが挙げられる。
また、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体なども用いることができる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸とを指す。
本発明では、ポリオレフィン系樹脂は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂が好ましく、その中でも、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体及びエチレン−メタクリル酸メチル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明で用いる低密度ポリエチレンの密度は0.90〜0.93g/cmが好ましく、より好ましくは0.91〜0.92g/cmである。
また、低密度ポリエチレンのメルトフローレートは、特に限定されないが、1.0〜5.0g/10分が好ましく、より好ましくは、2.0〜4.0g/10分である。
なお、本明細書において、密度はJIS K7112に準拠して測定した値であり、またメルトフローレート(以下、MFRとも記載する。)はJIS K7210に準拠して
、温度190℃、荷重2.16kgの条件下で測定した値である。
本発明で用いる直鎖状低密度ポリエチレンの密度は0.90〜0.93g/cmが好ましく、より好ましくは0.91〜0.92g/cmである。
また、直鎖状低密度ポリエチレンのMFRは、特に限定されないが、1.0〜5.0g/10分が好ましく、より好ましくは、2.0〜4.0g/10分である。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、0.90g/cm未満が好ましく、より好ましくは0.86〜0.89g/cmであり、さらに好ましくは0.87〜0.89g/cmである。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体のMFRは、特に限定されないが、1.0〜5.0g/10分が好ましく、より好ましくは2.0〜4.0g/10分である。
本発明で用いるエチレン−メタクリル酸メチル共重合体の密度は、0.92〜0.95g/cmが好ましく、より好ましくは0.93〜0.94g/cmである。
また、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体のMFRは、特に限定されないが、1.0〜5.0g/10分が好ましく、より好ましくは2.0〜4.0g/10分である。
本発明において、ポリオレフィン系樹脂の含有量は特に限定されないが、例えば、通気性フィルム100質量部に対して、ポリオレフィン系樹脂の含有量は30〜70質量部が好ましく、より好ましくは40〜60質量部である。ポリオレフィン系樹脂の含有量が30質量部未満であると製膜破れ、外観不良の原因となる場合があり、70質量部を超えると、通気性フィルム中の無機フィラーの含有量が少なくなって、ボイドが形成され難くなる可能性がある。
<無機フィラー>
本発明に用いる無機フィラーは延伸加工により無機フィラーの周囲にボイドを発生させることによって、フィルムに通気性を付与する役割を担うものである。
かかる無機フィラーとしては、例えば、タルク、シリカ、石粉、ゼオライト、アルミナ、アルミニウム粉末、鉄粉の他、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸の金属塩、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム等の硫酸の金属塩、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物、酸化マグネシウム−酸化ニッケルの水和物、酸化マグネシウム−酸化亜鉛の水和物等の金属水和物などが挙げられる。
本発明では、無機フィラーは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明では、その中でも、炭酸カルシウム及び硫酸バリウムが好ましい。
また本発明に用いる無機フィラーの形状は特に限定されず、平板形状や粒子状などの形状が挙げられるが、延伸加工によるボイド形成の観点からは、粒子状が好ましい。無機フィラーとしては、粒子状の炭酸カルシウムがより好ましい。
本発明に用いる無機フィラーの平均粒径は特に限定されないが、例えば、0.1〜10.0μmが好ましく、より好ましくは0.5〜5.0μmである。無機フィラーの平均粒径が、0.1μm未満の場合にはボイドが形成され難くなる可能性があり、10.0μm以上を超えると製膜破れや外観不良が生じる可能性がある。
なお、本明細書において、無機フィラーの平均粒径はJIS M8511に準拠した空
気透過法による比表面積の測定結果から算出した値である。
本発明において、無機フィラーの含有量は特に限定されないが、例えば、通気性フィルム100質量部に対して、30〜70質量部が好ましく、より好ましくは35〜60質量部である。無機フィラーの含有量が30質量部未満であるとボイドが形成され難くなる可能性があり、70質量部を超えると製膜破れ、外観不良の原因となる場合がある。
<感温性高分子>
本発明に用いる感温性高分子としては、2種以上のビニル系単量体と架橋剤との共重合体が好ましく、該ビニル系単量体は、結晶性ビニル系単量体と非晶性ビニル系単量体とを用いることが好ましい。
ビニル系単量体として、結晶性ビニル系単量体と非晶性ビニル系単量体とを用いる場合、結晶性ビニル系単量体及び非晶性ビニル系単量体のそれぞれの使用量は、結晶性ビニル系単量体5〜70質量部に対して、非晶性ビニル系単量体30〜95質量部であることが好ましく、より好ましくは結晶性ビニル系単量体20〜60質量部に対して、非晶性ビニル系単量体40〜80質量部である。
結晶性ビニル系単量体としては、炭素原子数12乃至24のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素原子数12乃至22のアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、炭素原子数14乃至22のアルキル(メタ)アクリレートがより一層好ましく、炭素原子数18乃至22のアルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
結晶性ビニル系単量体として、具体的には、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸イコシル、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸トリコシル及び(メタ)アクリル酸テトラコシル等のような単量体が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明では、結晶性ビニル系単量体は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
非晶性ビニル系単量体としては、その高分子のガラス転移温度または融点が結晶性ビニル系単量体からなる高分子のガラス転移温度または融点より低い単量体であれば良く、炭素原子数1乃至10のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素原子数1乃至8の未置換または置換アミノアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
未置換アミノアルキル(メタ)アクリレートとは、アミノ基上に置換基を有さないアミノアルキル(メタ)アクリレートである。
一方、置換アミノアルキル(メタ)アクリレートとは、アミノ基上の水素原子の1個又は2個がアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素原子数1乃至5のアルキル基)等で置換されたアミノアルキル(メタ)アクリレートである。
非晶性ビニル系単量体として、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸n−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、(メタ)アクリル酸n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソブチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチルプロピルエステル、(メタ)アクリル酸t−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸n−オクチルエステル、(メタ)アクリル酸n−ノニルエステル、(メタ)アクリル酸n−デシルエステル、(メタ)アクリル酸イソアミルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル等のような単量体が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明では、非晶性ビニル系単量体は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明では、上記ビニル系単量体は、炭素原子数12乃至24のアルキル(メタ)アクリレートと、炭素原子数1乃至10のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素原子数1乃至8の未置換または置換アミノアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含むことが好ましく、炭素原子数12乃至24のアルキル(メタ)アクリレートと炭素原子数1乃至8の置換アミノアルキル(メタ)アクリレートとを含むことがより好ましい。
また、本発明では、上記ビニル系単量体は、炭素原子数12乃至24のアルキル(メタ)アクリレートと、炭素原子数1乃至10のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素原子数1乃至8の未置換または置換アミノアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが特に好ましく、炭素原子数12乃至24のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素原子数1乃至8の置換アミノアルキル(メタ)アクリレートであることがさらに好ましい。
さらに、本発明では、上記の炭素原子数12乃至24のアルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸イコシル、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル、及び(メタ)アクリル酸ベヘニルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、(メタ)アクリル酸ベヘニルであることがより好ましい。
上記の炭素原子数1乃至8の未置換又は置換アミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルであることがより好ましい。
本発明に用いる架橋剤としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジ(メタ)アクリロイルイミド、トリアリルホルマール、ジアリルナフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、各種ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、各種ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、各種ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラビニル−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサビニルジシロキサン、2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニル基含有シロキサン化合物等が挙げられる。
好ましい架橋剤は(メタ)アクリロイル基及び/又はアリル基を合計で2個以上有する化合物であり、より好ましくはビニル基含有シロキサン化合物であり、特に好ましくは2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンである。
感温性高分子の製造方法において、架橋剤の使用量は、ビニル系単量体に対して、0.01〜100モル%が好ましく、より好ましくは0.05〜50モル%である。架橋剤の使用量が0.01モル%未満であると、得られる感温性高分子の力学強度が著しく低下する場合があり、100モル%を超えると、得られる感温性高分子が体積変化をあまり起こさない場合がある。
本発明に用いる感温性高分子の製造方法は特に限定されないが、ビニル系単量体に、架橋剤を添加して、光重合若しくは熱重合により製造する方法などが挙げられ、感温性高分子は、例えば、ビニル系単量体及び架橋剤を用いて、ベンゾフェノン等の光重合開始剤の存在下に紫外線を照射する若しくはアゾビスイソブチロニトリル等の熱重合開始剤の存在下に常法に従って重合することにより製造することができる。
本発明に用いる感温性高分子の融点は結晶性ビニル系単量体と非晶性ビニル系単量体との疎水性基の大きさと含有量によって決まるので自由に制御することができる。例えば、ビニル系単量体として、炭素原子数12乃至24のアルキル(メタ)アクリレートを用いた場合、その鎖長が長く、また含有量が大きいほど融点は高くなる。
架橋剤の添加量はビニル系単量体の総量に対して、100モル%未満の為、融点に対する影響は軽微であるが、感温性高分子が融点(感温点)以上に加熱された際、架橋剤は転移して軟化した後でも三次元網目構造による形状維持を付与するために必要である。
感温性高分子の融点は本発明のTH/TLを達するものであれば特に限定はないが、TH/TLが1.10以上であるという要件をより一層満たしやすい観点から、本発明に用いる感温性高分子としては、融点が40乃至60℃の範囲に存在する高分子であることが好ましい。
本発明に用いる感温性高分子の形状は特に限定されず、粒子状、微粒子状、ナノ粒子、針状、板状及び不定形などの形状が挙げられ、その中でも、ポリオレフィン系樹脂に対する分散性の観点から、微粒子状が好ましい。
感温性高分子の微粒子の平均粒径は1〜200μmが好ましく、より好ましくは10〜100μmである。1μm未満であると分散不良や二次凝集が発生しやすく、200μmを超えるとボイドの閉塞効果が不十分となる場合がある。
なお、本明細書において、感温性高分子の微粒子の平均粒径は走査型電子顕微鏡[(株)日立ハイテクノロジーズ製、Miniscope TM−1000]を用いて、加速電圧10〜15kV、倍率100倍、500倍及び1000倍にて測定し、画像解析ソフトから算出した値である。
本発明において、感温性高分子の含有量は特に限定されないが、例えば、通気性フィルム100質量部に対して、感温性高分子の含有量は1〜30質量部が好ましく、より好ましくは3〜20質量部である。感温性高分子の含有量は1質量部未満であるとボイドの閉塞効果が不十分になる場合があり、30質量部を超えると製膜破れ、外観不良の原因となる場合がある。
<添加剤>
本発明の通気性フィルムには、さらに、着色剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤及び安定剤などの各種添加剤が、本発明の効果を損なわない範囲内で配合されていてもよい。
[通気性フィルムの製造方法]
本発明の通気性フィルムの製造方法について説明する。上記のポリオレフィン系樹脂及
び無機フィラー、並びに必要に応じて、その他の添加剤を混合機で混合した後、適当な混練機で溶融混練させる。具体的には、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー等の混合機を用いて混合し、その後一軸もしくは二軸スクリュー押出機によって混錬し、十分に混練させる。得られた混練物はストランドカットなどの方法によりペレット化する。感温性高分子は混合機での混合時に添加することが好ましいが、次の押出成形時にペレットと混合することも可能である。
次いで、このペレットを170〜240℃、好ましくは190〜220℃においてTダイ等が装着された押出成形機を用いて、溶融、製膜する。製膜したフィルムは、ロール法、テンター法などの公知の方法を用いて一軸方向または二軸方向にそれぞれ2〜6倍延伸を行い、ポリオレフィン系樹脂と無機フィラーとの界面剥離を起こさせることにより通気性フィルムが得られる。
延伸倍率はフィルムの物性に大きな影響を及ぼし、2倍未満であるとポリオレフィン系樹脂と無機フィラーとの界面剥離が十分でなく、満足する通気性が得られない場合がある。一方、延伸倍率が6倍を超えると、フィルムの引張伸度が低下する虞がある。延伸倍率は上記のような理由を考慮すると2〜6倍が好ましく、3〜5倍がより好ましい。
延伸温度は、室温〜ポリオレフィン系樹脂の軟化点の温度範囲が好ましい。
延伸後、必要に応じて、得られたフィルムの形態を安定させるために熱固定処理を行っても良い。
本発明の通気性フィルムの厚みは20〜200μmが好ましく、より好ましくは40〜100μm、さらに好ましくは50〜80μmである。上記厚みが20μm未満であると、本発明の通気性フィルムを用いて使い捨てカイロなどを作製する際、エッジ切れ(ヒートシール部分と非ヒートシール部分の境でフィルムが裂ける現象)が発生しやすくなる。また、上記厚みが200μmを超えると、本発明の通気性フィルムを用いて使い捨てカイロなどを作製する際、ヒートシール性が悪化し、シール不良が発生しやすくなる。
本発明の通気性フィルムにおける透気度は、温熱する部位や必要とされる持続時間等の用途によって異なるが、20℃における透気度が1000〜8万秒/100ccである。
なお、透気度はJIS P8117に準拠して求めることができる。
本発明の通気性フィルムにおいて、温熱具などの発熱温度の過昇温を抑制するという効果を奏する作用機序は明らかではないが、次のように推定される。
本発明の通気性フィルムを使用した温熱具などの発熱温度が感温性高分子の融点(感温点)付近になると、感温性高分子が膨張して、通気性フィルムの孔が塞がれることで、通気性フィルムの透気度が上昇し、空気の通気量が小さくなる。その結果、発熱剤と空気との酸化発熱反応が抑制される。一方、該温熱具などの発熱温度が感温性高分子の融点(感温点)より下がると、感温性高分子が収縮して、通気性フィルムの孔が開くことで、通気性フィルムの透気度が下降し、空気の通気量が大きくなる。その結果、発熱剤と空気との酸化発熱反応が促進される。
これらのことから、本発明の通気性フィルムを温熱具などに使用すれば、温熱具などの発熱温度を感温性高分子の融点(感温点)付近にすることができると考えられるので、温熱具などの発熱温度の過昇温を抑制することができる。
以下に本発明の実施例を詳細に述べるが、本発明はこれらに限定されない。
実施例における測定方法は以下の方法に準じた。
(1)感温性高分子の平均粒径
走査型電子顕微鏡[(株)日立ハイテクノロジーズ製、Miniscope TM−1
000]を用いて、加速電圧10〜15kV、倍率100倍、500倍及び1000倍にて測定し、画像解析ソフトにて粒径分布及び平均粒子径(μm)を算出した。
(2)示差走査熱量測定
示差走査熱量測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製M−DSC Q−200)を用いて、窒素雰囲気下、昇温・冷却速度5℃/分、温度範囲10乃至70℃の条件で測定した。
(3)透気度
JIS P8117に準じて、測定した。透気度試験機(東洋精機製作所:ガーレー式デンソメーターG−B3C)を用いて恒温室の温度を20℃及び60℃にそれぞれ設定し、20℃及び60℃それぞれについて、空気100mLがフィルムを通過するのに要する時間を測定した。
(4)発熱温度
JIS S4100(使いすてかいろ)に準じて、測定した。延伸した通気性フィルムを56mm(MD方向)×28mm(TD方向)に裁断し、三方(MD方向2箇所とTD方向1箇所)をヒートシールした後、開口部から内部に発熱体を投入し、最後に残りのTD方向1箇所をヒートシールし、簡易温熱具を作製した。この簡易温熱具における設計温度は約60℃であった。なお該発熱体は、市販のカイロ発熱体(材質:鉄粉、水、活性炭、バーミキュライト、吸水性樹脂、食塩)を約6g用いた。
[製造例1:感温性高分子Aの製造]
アクリル酸ベヘニル1モル及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル2モルと、これらの単量体に対する架橋剤として、7.5モル%の2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンと、光重合開始剤として、0.3モル%のベンゾフェノンとを含む単量体溶液を50mL準備した。この単量体溶液に、UVランプを用いてUV光(波長365nm)を約7時間照射して重合を行い、感温性高分子Aを製造した。得られた感温性高分子Aを熱乾燥機に1日入れて乾燥させ、ミキサーで粉砕し、平均粒径が100μm程度の感温性高分子Aの微粒子を得た。融点を測定する為に、示差走査熱量測定を実施したところ、感温性高分子Aの融点のピークは55.3℃に確認された。
[製造例2:感温性高分子Bの製造]
アクリル酸ベヘニル1モル及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル2モルと、これらの単量体に対する架橋剤として、0.15モル%の2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンと、光重合開始剤として、0.3モル%のベンゾフェノンとを含む単量体溶液を50mL準備した。この単量体溶液に、UVランプを用いてUV光(波長365nm)を約7時間照射して重合を行い、感温性高分子Bを製造した。得られた感温性高分子Bを熱乾燥機に1日入れて乾燥させ、ミキサーで粉砕し、平均粒径が100μm程度の感温性高分子Bの微粒子を得た。融点を測定する為に、示差走査熱量測定を実施したところ、感温性高分子Bの融点のピークは53.5℃に確認された。
[製造例3:感温性高分子Cの製造]
アクリル酸ベヘニル1モル及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル2モルと、これらの単量体に対する架橋剤として、15モル%のN,N’−メチレンビスアクリルアミドと、光重合開始剤として、0.3モル%のベンゾフェノンとを含む単量体溶液を50mL準備した。この単量体溶液に、UVランプを用いてUV光(波長365nm)を約7時間照射して重合を行い、感温性高分子Cを製造した。得られた感温性高分子Cを熱乾燥機に1日入れて乾燥させ、ミキサーで粉砕し、平均粒径が100μm程度の感温性高分子Cの微粒子を得た。融点を測定する為に、示差走査熱量測定を実施したところ、感温性高分子Cの融点のピークは54.6℃に確認された。
[実施例1:通気性フィルムAの作製]
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)42質量部、エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレンとブテン−1との共重合体)12質量部、炭酸カルシウム45質量部及び酸化防止剤1質量部をヘンシェルミキサーで混合後、200℃にて二軸押出機で溶融混練し、混練物Aを得た。混練物A 90質量部に対して製造例1で得られた感温性高分子A
(微粒子)10質量部を混合し、Tダイを付けた二軸押出機を用いて200〜300μmの未延伸フィルムを作製した。次いで、縦一軸延伸機を使用して、該未延伸フィルムをロール延伸により、延伸温度60℃、延伸倍率2.5倍で長手(MD)方向に延伸して、厚み160〜170μmの通気性フィルムを得た。その通気性フィルムの透気度特性を表1に示す。
[実施例2:通気性フィルムの作製]
未延伸フィルムに対する延伸倍率を3.5倍に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、厚み130〜140μmの通気性フィルムを得た。その通気性フィルムの透気度特性を表1に示す。
[実施例3:通気性フィルムの作製]
通気性フィルムの組成を混練物A 90質量部及び製造例2で得られた感温性高分子B(微粒子)10質量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、厚み160〜170μmの通気性フィルムを得た。その通気性フィルムの透気度特性を表1に示す。
[実施例4:通気性フィルムの作製]
通気性フィルムの組成を混練物A 90質量部及び製造例3で得られた感温性高分子C(微粒子)10質量部に変更したこと、並びに未延伸フィルムに対する延伸倍率を3.5倍に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作で、厚み130〜140μmの通気性フィルムを得た。その通気性フィルムの透気度特性を表1に示す。
[実施例5:通気性フィルムの作製]
通気性フィルムの組成を混練物A 80質量部及び製造例3で得られた感温性高分子C(微粒子)20質量部に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作で、厚み130〜140μmの通気性フィルムを得た。その通気性フィルムの透気度特性を表1に示す。
[比較例1:通気性フィルムの作製]
通気性フィルムの組成を混練物A 100質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作で、厚み160〜170μmの通気性フィルムを得た。その通気性フィルムの透気度特性を表1に示す。
[比較例2:通気性フィルムの作製]
未延伸フィルムに対する延伸倍率を3.5倍に変更した以外は、比較例1と同様の操作で、厚み130〜140μmの通気性フィルムを得た。その通気性フィルムの透気度特性を表1に示す。
Figure 2020015795
[実施例6:発熱温度の測定]
実施例1、実施例3〜5及び比較例1で得られた通気性フィルムを用いて作製した簡易温熱具の発熱温度を測定した。その結果を図1に示す。
図1に示した結果より、本発明の通気性フィルムを用いて作製した簡易温熱具では、発熱温度の最高値が設計温度(60℃)以下であったのに対し、比較例1の通気性フィルムを用いて作製した簡易温熱具では、発熱温度の最高値(62.5℃)が設計温度以上であった。つまり本発明の通気性フィルムは温熱具などの発熱温度の過昇温を抑制可能なことが確認できた。
また、本発明の通気性フィルムを用いて作製した簡易温熱具は、比較例1の通気性フィルムを用いて作製した簡易温熱具に比べて、発熱温度の低下速度が小さく、長時間保温することが可能なことを示した(実施例1及び実施例3〜5)。
本発明の通気性フィルムは、医療用、家庭用及びレジャー用などに供される使い捨てカイロや温熱シップ剤、温熱プラスター等の温熱性貼付剤などの資材として極めて好適に使用できる。

Claims (8)

  1. ポリオレフィン系樹脂、無機フィラー及び感温性高分子を含む樹脂フィルムであって、60℃における透気度(TH)と20℃における透気度(TL)との比(TH/TL)が1.10以上であることを特徴とする通気性フィルム。
  2. 前記感温性高分子は、融点が40乃至60℃の範囲に存在する高分子であることを特徴とする、請求項1に記載の通気性フィルム。
  3. 前記感温性高分子が2種以上のビニル系単量体と架橋剤との共重合体であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の通気性フィルム。
  4. 前記ビニル系単量体が炭素原子数12乃至24のアルキル(メタ)アクリレートと、炭素原子数1乃至10のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素原子数1乃至8の未置換または置換アミノアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含むことを特徴とする、請求項3に記載の通気性フィルム。
  5. 前記ビニル系単量体が(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸イコシル、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル、及び(メタ)アクリル酸ベヘニルからなる群から選ばれる少なくとも1種と、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む、請求項4に記載の通気性フィルム。
  6. 前記架橋剤がビニル基含有シロキサン化合物であることを特徴とする、請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の通気性フィルム。
  7. 前記(TH/TL)が1.20以上であることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の通気性フィルム。
  8. 温熱医療用途に用いられることを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の通気性フィルム。
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