JP2020015106A - 工具摩耗判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】切削加工の進行に伴うワークの振動特性の変化に起因した誤判定を抑制して工具の摩耗状態を判定可能な工具摩耗判定装置を得ること。【解決手段】工具摩耗判定装置1は、ワークの切削加工時に工作機械12またはワークに発生する振動を表す振動データを含む工作機械12の状態量を取得する状態量取得部21と、状態量取得部21で取得された、振動データ以外の工作機械12の状態量が示す加工条件が工具の摩耗状態の判定に適する加工条件であるか否かを判定する加工条件評価部22とを備える。工具摩耗判定装置1は、振動データに基づいて工作機械12またはワークに発生する振動の特徴を表す振動特徴量を算出する振動特徴量算出部23と、加工条件評価部22における判定結果である加工条件判定結果が工具の摩耗状態の判定に適しているとの判定結果である場合に振動特徴量に基づいて工具が摩耗状態であるか否かを判定する摩耗状態判定部24とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械における工具の摩耗状態を判定する工具摩耗判定装置に関する。
切削加工は、工具とワークとの相対運動によりワークに所望の形状を形成する除去加工の一種である。切削加工を行う工作機械は、マシニングセンタおよび旋盤に代表されるように、主軸に装着された工具およびワークを回転させて切削加工を行う装置である。このような工作機械では、切削距離の増加に伴って工具の先端の摩耗量が増大するため、適切なタイミングで工具を新品の工具に交換することが必要である。摩耗した工具による切削加工は、ワークの加工面の精度の悪化、および所望の加工寸法精度が得られない、といったワークの加工不良が生じる原因となる。加工不良となったワークは、破棄せざるを得ない上、加工に要した時間が無駄となり、生産性を低下させる。
加工の品質を管理するために、予め定めた距離または予め定めた時間だけ加工を行った時点で工具を新品の工具に交換することにより、摩耗した工具の使用に起因した加工不良を未然に防止することが行われている。しかしながら、この場合は、実際の工具の状態によらずに工具を交換するため、まだ加工が可能な工具を廃棄することにより無駄が生じるという問題、および不必要な工具の交換作業時間が生じるため生産性が低下する、という問題がある。
一方、切削加工に伴って発生する振動の振動波形を計測し、分析することで工具の摩耗を判定する装置が提案されている。特許文献1には、振動波形に対して周波数分析を行い、周波数分析波形と閾値とを比較することで工具の摩耗を検出する方法が開示されている。
特開2012−76168号公報
切削加工における加工条件には、事前に設定される加工条件の他に、加工の進行に伴って変化する加工条件がある。事前に設定される加工条件は、例えば主軸回転数、送り速度、切込み量、使用する工具の種類およびワークの材質などが挙げられる。加工の進行に伴って変化する加工条件は、例えばワークの形状が挙げられる。
切削加工に伴って発生する振動は、事前に設定される加工条件が同一であり且つ工具の摩耗度が同一であったとしても、加工の進行に伴って変化する加工条件の影響で、同一とならないことがある。すなわち、切削加工に伴って発生する振動は、事前に設定される加工条件が同一であり、工具の摩耗度が同一であったとしても、加工の進行に伴って変化する加工条件の影響で、振動の振幅、工具の摩耗を示す特徴的な振動の周波数等が同一とならないことがある。
このような振動の変化は、ワークの材料特性、動特性、形状情報などに基づいて決定されるワークの振動特性の変化によるものであることが知られている。また、切削位置の変化、切削位置と振動計測位置との機械的な位置関係の変化、または切削位置とワークの固定位置との機械的な位置関係の変化によっても、ワークの振動特性が変化することが知られている。
したがって、一連の切削加工を通じて計測される振動は、加工の進行に伴って変化する加工条件の影響で一定とはならないことがある。特許文献1に記載された工具の摩耗を検出する方法は、切削加工に伴って発生する振動が変化することが考慮されておらず、周波数分析波形と同一の閾値とによる判定では誤判定を生じる可能性がある、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、切削加工の進行に伴うワークの振動特性の変化に起因した誤判定を抑制して工具の摩耗状態を判定可能な工具摩耗判定装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる工具摩耗判定装置は、工作機械においてワークを切削加工する工具の摩耗状態を判定する工具摩耗判定装置である。工具摩耗判定装置は、工作機械によるワークの切削加工時に工作機械またはワークに発生する振動を表す振動データを含む工作機械の状態量を取得する状態量取得部と、状態量取得部で取得された、振動データ以外の工作機械の状態量が示す加工条件が工具の摩耗状態の判定に適する加工条件であるか否かを判定する加工条件評価部と、を備える。また、工具摩耗判定装置は、振動データに基づいて工作機械またはワークに発生する振動の特徴を表す振動特徴量を算出する振動特徴量算出部と、加工条件評価部における判定結果である加工条件判定結果が工具の摩耗状態の判定に適しているとの判定結果である場合に、振動特徴量に基づいて工具が摩耗状態であるか否かを判定する摩耗状態判定部と、を備える。
本発明によれば、切削加工の進行に伴うワークの振動特性の変化に起因した誤判定を抑制して工具の摩耗状態を判定可能な工具摩耗判定装置が得られる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる工具摩耗判定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1にかかる工具摩耗判定装置において工具の摩耗状態の判定が行われる工作機械の構成を示す模式図 本発明の実施の形態1における処理回路のハードウェア構成の一例を示す図 本発明の実施の形態1におけるワークの加工経路による振動特性の違いを説明する図 本発明の実施の形態1におけるワークの形状によるワークの振動特性の違いを説明する図 本発明の実施の形態1におけるワークの他の固定方法を示す図 本発明の実施の形態1における工作機械と工具摩耗判定装置との処理の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態2にかかる工具摩耗判定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2における工作機械と工具摩耗判定装置との処理の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態2における工作機械と工具摩耗判定装置との他の処理の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態3にかかる工具摩耗判定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3における工作機械と工具摩耗判定装置との処理の一例を示すフローチャート
以下に、本発明の実施の形態にかかる工具摩耗判定装置を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し、繰り返しの説明は省略する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる工具摩耗判定装置1の構成を示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる工具摩耗判定装置1において工具の摩耗状態の判定が行われる工作機械12の構成を示す模式図である。
工具摩耗判定装置1は、工作機械12においてワーク31を切削加工する工具124の摩耗状態を判定する工具摩耗判定装置であり、工作機械12に装着されて工作機械12に固定されたワーク31を切削加工する工具124の摩耗状態を判定する工具摩耗判定装置である。工具摩耗判定装置1は、工作機械12によるワーク31の切削加工時に工作機械12またはワーク31に発生する振動を表す振動データを含む工作機械の状態量を取得する状態量取得部21と、状態量取得部21で取得された、振動データ以外の工作機械の状態量が示す加工条件が工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件であるか否かを判定する加工条件評価部22と、を備える。また、工具摩耗判定装置1は、振動データに基づいて工作機械12またはワーク31に発生する振動の特徴を表す振動特徴量を算出する振動特徴量算出部23と、加工条件評価部22における判定結果である加工条件判定結果が工具の摩耗状態の判定に適しているとの判定結果である場合に、振動特徴量に基づいて工具124が摩耗状態であるか否かを判定する摩耗状態判定部24と、を備える。
本実施の形態1にかかる工具摩耗判定装置1は、工具摩耗判定装置1で工具124の摩耗状態の判定が行われる工作機械12に配置されたセンサ13が、状態量取得部21に接続されている。また、工具摩耗判定装置1は、工作機械12に接続されて工作機械12の動作を制御する数値制御装置11が、状態量取得部21に接続されている。
工作機械12は、図2に示すように、回転軸が垂直方向に設けられてワーク31を上から加工する構造を有する立形マシニングセンタが一例として挙げられる。立形マシニングセンタである工作機械12は、回転自在な主軸123が本体部121における上部に設けられた主軸頭122に設けられ、主軸123に取り付けられた工具124によって、工具124の下方に配置された加工テーブル125上にセットされたワーク31を加工する周知の構成を有する。また、ワーク31の側面には、振動を計測する振動検出部としてのセンサ13が設置される。なお、センサ13は、工作機械12に設置されてもよく、たとえばワーク31が固定された加工テーブル125に設置されてもよい。センサ13は、たとえば加速度センサなどが用いられる。
状態量取得部21は、ワーク31の切削加工時における工作機械の状態量を取得し、加工条件評価部22および振動特徴量算出部23に送信する。状態量取得部21で取得される工作機械の状態量は、少なくとも工作機械12におけるワーク31の切削加工の進行に伴って工作機械12またはワーク31に発生する振動のデータである振動データを含む。以下、工作機械12におけるワーク31の切削加工の進行に伴って工作機械12またはワーク31に発生する振動を、単に振動と呼ぶ場合がある。
状態量取得部21は、例えばセンサ13の計測結果から振動データを取得することができる。センサ13は、工作機械12に設置されて工作機械12が備える加工テーブル125に発生する振動を計測し、または、加工テーブル125上のワーク31に設置されてワーク31に発生する振動を計測する。また、状態量取得部21は、工作機械12と接続される数値制御装置11を介して、工作機械12が備える加工テーブル125の動きを制御するサーボモータのフィードバック値から、加工テーブル125または加工テーブル125上のワーク31に発生する振動を表す振動データを取得することができる。
また、振動データ以外の工作機械の状態量として、工作機械12におけるワーク31の切削加工における切削位置座標が挙げられる。状態量取得部21は、例えば工作機械12に設置されて工具124の位置を検知するセンサの検知結果により、ワーク31の切削加工における切削位置座標を取得することができる。また、状態量取得部21は、例えば工作機械12が備える加工テーブル125の動きを制御するサーボモータのフィードバック値から、ワーク31の切削加工における切削位置座標を取得することができる。
加工条件評価部22は、状態量取得部21で取得した工作機械の状態量のうち振動以外の工作機械の状態量に基づいて、上記の振動以外の工作機械の状態量が示す加工条件が工作機械12に取り付けられている工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件であるかを判定し、判定結果を摩耗状態判定部24に送信する。例えば、加工条件評価部22は、状態量取得部21で取得された切削位置座標を、ワーク31の形状の情報である形状情報を含んだ加工プログラムと照合する。そして、加工条件評価部22は、ワーク31の端部と切削位置座標との距離が予め定められた閾値距離以上である場合に、状態量取得部21で取得された切削位置座標が工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件であると判定する。
ここで、切削位置座標は、3次元位置を表す座標である。加工条件評価部22は、予め加工プログラムを記憶していてもよく、または数値制御装置11から取得してもよい。閾値距離は、状態量取得部21で取得された切削位置座標が工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件であるか否かを判定するための閾値であり、予め加工条件評価部22に記憶される。
振動特徴量算出部23は、状態量取得部21が取得したワーク31の切削加工時における振動データに基づいて、工作機械12またはワーク31に発生する振動の特徴を表す振動特徴量を算出し摩耗状態判定部24に送信する。振動特徴量の算出には、時系列データの分析のために知られる一般的な信号処理手法を用いることができる。振動特徴量算出部23は、振動特徴量として例えば工作機械12におけるワーク31の切削加工の進行に伴って発生する振動を表す振動データの平均値、実効値、振幅、尖度、歪度、またはクレストファクタに基づく特徴量を算出する。クレストファクタは、波高率とも言われる。また、振動特徴量算出部23は、振動特徴量として例えば工作機械12におけるワーク31の切削加工の進行に伴って発生する振動を表す振動データの時系列データをフーリエ変換することによって得られる周波数スペクトルに基づく特徴量を算出する。
周波数スペクトルについては、例えば、工具の回転に相当する周波数と当該周波数の整数倍の周波数とに着目し、これらの周波数におけるパワースペクトルに基づいて特徴量を算出することができる。また、周波数スペクトルについては、例えば、工具の回転に相当する周波数に工具の刃数を乗じた周波数と当該周波数の整数倍の周波数とに着目し、これらの周波数におけるパワースペクトルに基づいて特徴量を算出することができる。また、工作機械12におけるワーク31の切削加工の進行に伴って発生する振動を表す振動データの時系列波形は、工具の回転ごとに周期性を示すため、自己相関によるものであってもよい。
摩耗状態判定部24は、状態量取得部21で取得された工作機械の状態量のうち振動以外の工作機械の状態量が示す加工条件が工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件であると加工条件評価部22において判定された場合に、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量に基づいて工具124の摩耗状態を判定する。摩耗状態判定部24は、例えば、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量と予め定められた閾値特徴量とを比較し、振動特徴量が閾値特徴量を超過する場合に、工具124が摩耗状態であると判定する。閾値特徴量は、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量に基づいて工具124の摩耗状態を判定するための閾値であり、予め加工条件評価部22に記憶される。
状態量取得部21は、例えば、図3に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図3は、本発明の実施の形態1における処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。状態量取得部21が図3に示す処理回路により実現される場合、状態量取得部21は、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、状態量取得部21の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。
また、加工条件評価部22と振動特徴量算出部23と摩耗状態判定部24との各々を、同様にプロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを実行することにより、実現されるように構成してもよい。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して加工条件評価部22と振動特徴量算出部23と摩耗状態判定部24との各々の機能を実現してもよい。また、加工条件評価部22と振動特徴量算出部23と摩耗状態判定部24との各々の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。
また、加工条件評価部22と振動特徴量算出部23と摩耗状態判定部24とのうちの1つの構成部を実現するためのプロセッサおよびメモリは、状態量取得部21と加工条件評価部22と振動特徴量算出部23と摩耗状態判定部24とのうちの他の構成部を実現するプロセッサおよびメモリと同一であってもよいし、別のプロセッサおよびメモリであってもよい。
また、摩耗状態判定部24には、表示装置14が接続されている。表示装置14は、例えばディスプレイを備え、工具摩耗判定装置1における各種の情報を表示する。たとえば、表示装置14は、摩耗状態判定部24における工具124の摩耗状態の判定結果を摩耗状態判定部24から取得して表示する。すなわち、表示装置14は、摩耗状態判定部24における工具124の摩耗状態の判定結果を摩耗状態判定部24から受信すると、受信した工具124の摩耗状態の判定結果に対応する予め定められた文字列を表示する。すなわち、表示装置14は、摩耗状態判定部24から、工具124が摩耗状態であるとの判定結果を受信した場合に、工具124が摩耗状態であることをメッセージで表示する。
本実施の形態1にかかる工具摩耗判定装置1が加工条件評価部22を具備するのは、以下の理由による。工作機械12においてワーク31の切削加工を行う場合、例えば主軸回転数、送り速度、切込み量、使用する工具124の種類、およびワーク31の材質などの加工条件が、ワーク31の切削加工の実施前に予め数値制御装置11に記憶された加工プログラムに設定される。
工作機械12におけるワーク31の切削加工の進行に伴って発生する振動は、上記の事前に設定される加工条件が同一であり、工具124の摩耗度が同一であったとしても、切削加工の進行に伴って変化する加工条件の影響で、同一とならないことがある。すなわち、上記の事前に設定される加工条件が同一であり、工具124の摩耗度が同一であったとしても、切削加工に伴って発生する振動の振幅、摩耗を示す特徴的な振動の周波数等が、切削加工の進行に伴って変化する加工条件の影響で、同一とならないことがある。
すなわち、切削加工における加工条件には、事前に設定される加工条件の他に、切削加工の進行に伴って変化する加工条件がある。切削加工の進行に伴って変化する加工条件は、上述した振動データ以外の工作機械の状態量が示す加工条件である。そして、切削加工の進行に伴って変化する加工条件の影響により、工具124の摩耗度が同一であったとしても、センサ13において計測される、工作機械12におけるワーク31の切削加工に伴って発生する振動が変化することがある。
このような振動の変化は、ワーク31の材料特性、動特性、形状に基づいて決定される振動特性の変化によるものであり、例えば、同一平面における切削位置の変化、切削位置と振動計測位置との機械的な位置関係の変化、ワーク31の固定位置と切削位置との機械的な位置関係の変化、または工作機械12の機械的な構造の違いによっても、前述した振動の振幅および振動の周波数が変化することが知られている。工作機械12の機械的な構造は、ワーク31の工作機械12への固定位置および固定方法が挙げられる。
図4は、本発明の実施の形態1におけるワークの加工経路による振動特性の違いを説明する図である。以下、工作機械12において図4に示すワーク31に対する切削加工を行う場合を例に、振動特性の変化について説明する。平板状のワーク31は、固定部32a、固定部32b、固定部32cおよび固定部32dの4つの固定部において図示しないボルトによって工作機械12の加工テーブル125の上面に締結されることにより、加工テーブル125に固定されているものとする。また、ワーク31の側面31cには、振動を計測するセンサ13が設置されているものとする。上記の条件下において、ワーク31の長手方向における一端31a側から他端31b側に向かう、ワーク31の長手方向に平行な直線状の加工経路aを切削加工する場合について考える。
加工経路aは、前述の振動特性を定性的に考慮すると、ワーク31の長手方向における一端31a側から、小経路a1、小経路a2、小経路a3、小経路a4および小経路a5の5つの小経路に分割されると考えることができる。小経路a1は、加工経路aのうちワーク31の長手方向において最も一端31a側の加工経路である。小経路a5は、加工経路aのうちワーク31の長手方向において最も他端31b側の加工経路である。
固定部32aと固定部32cとは、ワーク31の上面の面内方向における一端31a側の領域に配置されている。固定部32aと固定部32cとは、加工経路aを挟んで、ワーク31の上面の面内方向において線対称の位置に配置されている。固定部32bと固定部32dとは、ワーク31の上面の面内方向における他端31b側の領域に配置されている。固定部32bと固定部32dとは、加工経路aを挟んで、ワーク31の上面の面内方向において線対称の位置に配置されている。ワーク31の上面の面内方向は、加工テーブル125の面内方向と平行である。
小経路a1は、加工テーブル125の面内方向において、固定部32aおよび固定部32cと、ワーク31の一端31a側の一辺31s1と、によって囲まれる領域である。小経路a5は、加工テーブル125の面内方向において、固定部32bおよび固定部32dと、ワーク31の他端31b側の他辺31s2と、によって囲まれる領域である。すなわち、小経路a1および小経路a5は、ワーク31の上面の面内方向において、いずれか2つの固定部と、加工経路aのいずれかの端部であるワーク31の一端31aまたは他端31bとによって囲まれる領域である。
ワーク31は、側面が固定されていないことから、切削加工に伴って発生する振動の振幅の増幅および加工テーブル125の面内方向におけるワーク31の回転運動の発生を伴う。そして、小経路a1は、小経路a3と比べて相対的に固定部32aおよび固定部32cに近い領域であり、すなわち小経路のうち相対的に固定部に近い領域である。一方で、小経路a1は、ワーク31の一端31a側の一辺31s1によって囲まれる領域であり、ワーク31の一端31aに隣接する領域である。このことから、小経路a1は、上記の振動の増幅およびワーク31の回転運動の発生が他の小経路と比べて相対的に大きい。したがって、小経路a1は、当該加工経路の切削加工時に取得される工作機械の状態量が示す加工条件である切削位置座標が、工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件ではない領域、すなわち、工具124の摩耗状態の判定に適さない領域であると考えられる。
小経路a5は、小経路a3と比べて、相対的に固定部32bおよび固定部32dに近い領域である。一方で、小経路a5は、ワーク31の他端31b側の他辺31s2によって囲まれる領域であり、ワーク31の他端31bに隣接する領域である。このことから、小経路a5は、小経路a1と同様に、上記の振動の増幅およびワーク31の回転運動の発生が他の小経路と比べて相対的に大きい。したがって、小経路a5は、当該加工経路の切削加工時に取得される工作機械の状態量が示す加工条件である切削位置座標が、工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件ではない領域、すなわち、工具124の摩耗状態の判定に適さない領域であると考えられる。
小経路a2は、小経路a3と比べて、相対的に固定部32aおよび固定部32cに近い領域である。このため、小経路a2は、小経路a3と比べて、切削加工に伴って発生する振動が固定部32aおよび固定部32cによって抑制される度合いが相対的に大きく、工具124の摩耗状態の判定に適さない領域であると考えられる。すなわち、小経路a2は、振動の振幅が抑制される度合いが相対的に大きく、工具124の摩耗状態の判定に適さない領域であると考えられる。
小経路a4は、小経路a3と比べて、相対的に固定部32bおよび固定部32dに近い領域である。このため、小経路a4は、小経路a3と比べて、切削加工に伴って発生する振動が固定部32bおよび固定部32dによって抑制される度合いが相対的に大きく、工具124の摩耗状態の判定に適さない領域であると考えられる。すなわち、小経路a4は、振動の振幅が抑制される度合いが相対的に大きく、工具124の摩耗状態の判定に適さない領域であると考えられる。
一方、小経路a3は、4つの固定部に囲まれる領域であるが、小経路a1、小経路a2、小経路a4および小経路a5と比較して固定部からの距離が相対的に遠い領域である。小経路a3は、4つの固定部に囲まれる領域であることから、切削加工に伴って発生する振動が安定的に発生する。また、小経路a3は、小経路a1、小経路a2、小経路a4および小経路a5と比較して固定部からの距離が相対的に遠いため、小経路a1、小経路a2、小経路a4および小経路a5と比べて、切削加工に伴って発生する振動が固定部32a、固定部32c、固定部32bおよび固定部32dによって抑制される度合いが相対的に小さい。このため、小経路a3は、当該加工経路の切削加工時に取得される工作機械の状態量が示す加工条件である切削位置座標が、工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件である領域、すなわち、工具124の摩耗状態の判定に適する領域であると考えられる。
このように、加工経路a中には、切削加工に伴って発生する振動が増幅される領域と、切削加工に伴って発生する振動が抑制される領域と、切削加工に伴って発生する振動が安定的に発生する領域とが混在する。このため、予め定められた同一の閾値と振動データとの比較により工具の摩耗状態を判定する場合においては、工具の摩耗状態の判定に適する振動が計測される領域と、工具の摩耗状態の判定に適さない振動が計測される領域と、がワーク31に存在すると考えられる。すなわち、切削加工に伴って発生する振動が増幅される領域と、切削加工に伴って発生する振動が抑制される領域と、切削加工に伴って発生する振動が安定的に発生する領域とでは、発生した振動がセンサ13まで伝達される際の伝達特性である振動伝達特性が異なると考えられる。
上記のことから、加工経路aにおいては、固定部からの機械的距離と、ワーク31の端部からの機械的距離と、がいずれも各々について予め定められた既定値以上である切削位置が、工具124の摩耗状態の判定に適する領域であると考えることができる。ここで、ワーク31の端部とは、ワーク31のいずれかの辺もしくは面であってよい。
したがって、例えば、加工条件評価部22は、状態量取得部21が取得した工作機械の状態量が示す加工条件である切削位置座標を、ワーク31の形状情報を含んだ加工プログラムと照合して、切削位置座標とワーク31の端部との距離を算出する。そして、加工条件評価部22は、算出した切削位置座標とワーク31の端部との距離が予め定められた既定値以上である場合に、状態量取得部21が取得した切削位置座標が工具124の摩耗状態の判定に適すると判定する。すなわち、加工条件評価部22は、ワーク31の切削加工中における各時点における切削位置と、ワーク31の端部と、の間の振動伝達特性に基づいて加工条件判定結果を算出することができる。
また、例えば、加工条件評価部22は、状態量取得部21が取得した工作機械の状態量が示す加工条件である切削位置座標を、ワーク31の形状情報を含んだ加工プログラムと照合して、切削位置座標とワーク31における工作機械12に対する固定位置との距離を算出する。そして、加工条件評価部22は、算出した切削位置座標とワーク31の固定位置との距離が予め定められた既定値以上である場合に、状態量取得部21が取得した切削位置座標が工具124の摩耗状態の判定に適すると判定する。すなわち、加工条件評価部22は、ワーク31の切削加工中における各時点における切削位置と、ワーク31における工作機械12に対する固定位置と、の間の振動伝達特性に基づいて加工条件判定結果を算出することができる。
また、加工条件評価部22は、ワーク31の形状情報に基づいて予め設定された摩耗状態の判定に適している切削位置座標と、ワーク31の切削加工中における各時点の切削位置座標とを比較し、両者が一致した場合に、ワーク31の切削加工中における各時点の切削位置座標が工具124の摩耗状態の判定に適すると判定してもよい。工具124の摩耗状態の判定に適する切削位置座標は、ワーク31の形状情報と同じ形状のテスト用のワークに対して予め切削加工を行って設定される。なお、ワーク31の切削加工中の各時点は、加工中の各切削位置に対応する。
このように、加工条件評価部22は、加工中の各時点に対して、切削位置座標およびワーク31の形状情報を用いて、ワーク31を含めた工作機械12またはワーク31の振動特性を推定し、推定結果に基づいて摩耗状態の判定に適しているか否かを判定することができる。
図5は、本発明の実施の形態1におけるワーク31の形状によるワーク31の振動特性の違いを説明する図である。つぎに、例えば図4に示したワーク31の切削加工が進み、図5に示す形状となったワーク31に対して加工経路bを切削加工する場合について考える。ここで、図5に示す形状のワーク31は、切削加工されている溝部31dの厚みが、予め定められた既定値未満の厚みになっているものとする。加工経路bは、ワーク31の上面の面内方向における経路の位置自体は加工経路aと同じである。
切削加工が進んで加工対象領域のワークの厚みが予め定められた既定値未満の薄い板状に変化したワークは、一般的に剛性が低下し、振動が増幅する傾向を示すとともに、ワークが固定されている工作機械またはワークの固有振動周波数が低下すると考えられる。したがって、加工対象領域のワークの厚みが予め定められた既定値未満となっている場合には、その後の加工対象領域の切削加工時においては、加工対象領域のワークの厚みが予め定められた既定値以上であるときに加工対象領域を切削加工して得られる振動データとは異なる様相の振動データが得られる。
すなわち、切削加工の進行に伴って変化する加工条件である加工対象領域のワークの厚みの影響で、加工対象領域のワークの厚みが予め定められた既定値未満である場合と、加工対象領域のワークの厚みが予め定められた既定値以上である場合とで、事前に設定される加工条件が同じであり、工具の摩耗度が同じであり、切削加工位置が同じ場合でも、センサ13において計測される振動が変化することがある。このため、加工対象領域のワークの厚みが予め定められた既定値未満となっている加工対象領域は、摩耗状態の判定に適さないと考えられる。
このような知見から、図5に示す加工経路bの切削加工時においては、加工経路aを切削加工して得られる振動データとは異なる様相の振動データが得られるため、加工経路bは摩耗状態の判定に適さないと考えられる。
同様に、センサ13が加工テーブル125に取り付けられている場合には、図5に示す加工経路bの切削加工時においては、加工経路aを切削加工して得られる工作機械12の振動データとは異なる様相の工作機械12の振動データが得られるため、加工経路bは摩耗状態の判定に適さないと考えられる。
したがって、例えば、加工条件評価部22は、状態量取得部21が取得した工作機械の状態量が示す加工条件である切削位置座標を、ワーク31の形状情報を含んだ加工プログラムと照合して、切削加工時点における切削位置のワーク31の厚みを推測する。そして、加工条件評価部22は、推測されたワーク31の厚みが予め定められた既定値以上である場合に、状態量取得部21が取得した切削位置座標が工具124の摩耗状態の判定に適すると判定する。
上述したように、加工条件評価部22は、ワーク31の切削加工中の各時点に対して、その時点におけるワーク31の形状情報を考慮して、ワーク31が固定された工作機械12または工作機械12に固定されたワーク31の振動特性を推定し、切削位置座標が工具124の摩耗状態の判定に適しているか否かを推定結果に基づいて判定することができる。そして、状態量取得部21で取得された切削位置座標が工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件であると加工条件評価部22において判定された場合に、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量に基づいて工具124の摩耗状態を摩耗状態判定部24が判定することにより、切削加工の進行に伴うワーク31の振動特性の変化に起因して工具124の摩耗状態が誤判定されることを抑制できる。
上記のように、1個のワークに対する一連の切削加工中に計測される、工具の摩耗状態を示す特徴的な振動の振幅および工具の摩耗状態を示す特徴的な振動の周波数は、切削加工の進行に伴って変化する加工条件である、切削加工が行われている領域および加工対象領域の厚さに起因して異なる値となる。したがって、加工条件評価部22を備えず、切削加工の進行に伴って変化する加工条件を考慮せずに、ワークにおける、工具の摩耗状態の判定に適さない領域と工具の摩耗状態の判定に適する領域とを考慮せずに任意の領域で発生した振動データを同一の閾値と比較して工具の摩耗状態を判定する場合には、誤判定を生じる可能性がある。
一方、本実施の形態1にかかる工具摩耗判定装置1は、切削加工の進行に伴って変化する加工条件である、状態量取得部21で取得された工作機械の状態量が示す加工条件を考慮した上で加工条件評価部22が工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件を判定できるため、前述した切削加工の進行に伴って振動の振幅および振動の周波数等が変化する場合でも、切削加工の進行に伴うワークの振動特性の変化に起因して工具124の摩耗状態が誤判定されることを抑制できる。
また、振動を計測するセンサ13の取り付け位置について考慮すると、切削位置座標および工作機械12へのワーク31の固定位置との機械的な位置関係によって、センサ13で計測される振動が変化する可能性がある。例えば、振動の計測位置と工作機械12へのワーク31の固定位置とが予め定められた既定値よりも近い位置関係である場合、または、切削位置と振動の計測位置との間にワーク31の固定位置がある位置関係である場合には、ワーク31の固定位置で抑制された振動が計測される。このため、センサ13では、実際に発生しているワーク31の振動よりも小さな振動しか計測されないことから、固定された同一の閾値と振動データとの比較による判定では工具124の摩耗状態の判定に誤判定が生じる可能性がある。
そこで、加工条件評価部22は、ワーク31の材料特性、ワーク31の動特性、ワーク31の形状情報、ワーク31における加工テーブル125への固定位置、および振動計測位置に関する情報等に基づいて、振動の計測位置で計測される工作機械12またはワーク31の振動の振動特性を解析的に算出し、算出された振動特性に基づいて、工具124の摩耗判定に適する切削位置を予め決定することができる。この場合、加工条件評価部22は、予め決定された工具124の摩耗判定に適する切削位置と、切削加工中の各時点において取得された切削位置座標を比較して、加工条件判定結果を算出し、工具124の摩耗状態の判定に適する領域を決定することができる。
すなわち、加工条件評価部22は、ワーク31における工作機械12に対する固定位置と、センサ13による振動データの計測位置と、の間の振動伝達特性に基づいて加工条件判定結果を算出して工具124の摩耗状態の判定に適する領域を決定することができる。また、加工条件評価部22は、ワーク31の切削加工中における各時点における切削位置と、センサ13による振動データの計測位置と、ワーク31における工作機械12に対する固定位置と、の機械的な位置関係に基づいて加工条件判定結果を算出して工具124の摩耗状態の判定に適する領域を決定することができる。
このようにして決定される工具124の摩耗状態の判定に適する領域で取得される振動データに基づいて、工具の摩耗状態の判定を行うことにより、切削加工の進行に伴って変化する加工条件の違いに起因して計測される振動の振幅または周波数の少なくとも一方が変化する場合に、工具124の摩耗状態の誤判定を抑制することが可能である。
また、加工条件評価部22は、上記のように工作機械12またはワーク31の振動の振動特性を解析的に算出する代わりに、予め工作機械12においてワーク31の試し加工を行って取得した振動データに基づいて、工具124の摩耗状態の判定に適する切削位置を決定してもよい。加工条件評価部22は、例えば、試し加工を行って取得した振動データに基づいて、ワーク31の加工対象領域において振動特性が時間的に同一であるとみなすことができる切削位置座標の領域を算出して、算出した領域を、工具124の摩耗状態の判定に適する切削位置と決定してもよい。すなわち、算出した領域に含まれる切削位置座標を、工具124の摩耗状態の判定に適する切削位置と決定してもよい。
すなわち、加工条件評価部22は、試し加工を行って取得した振動データについて、同一ワーク31の切削加工中の切削位置の変動に伴う振動データの時間変動が予め定められた既定値以下である切削位置座標、または振動データの周波数スペクトルの時間変動が予め定められた既定値以下である切削位置座標を、工具124の摩耗状態の判定に適する領域であると判定することができる。ここで、試し加工の際には、新品の工具など明らかに摩耗していない工具を使用する。
したがって、加工条件評価部22は、予め実施される試し加工において取得された振動データの振幅の時間変動に基づいて加工条件判定結果を決定することができる。また、加工条件評価部22は、予め実施される試し加工において取得された振動データの周波数スペクトルの時間変動に基づいて加工条件判定結果を決定することができる。このようにして決定される工具124の摩耗状態の判定に適する領域で取得される振動データに基づいて、工具124の摩耗状態の判定を行うことにより、切削加工の進行に伴って変化する加工条件の違いに起因して計測される振動の振幅または周波数の少なくとも一方が変化する場合に、工具124の摩耗状態の誤判定を抑制することが可能である。
また、加工条件評価部22は、ワーク31の切削加工中の各時点での切削位置が工具124の摩耗状態の判定に適するか否かを判定する際に、状態量取得部21から取得した切削位置座標を用いる代わりに、ワーク31の切削時間から、ワーク31の切削加工中の各時点に対応するワーク31の切削位置を推定して、推定した切削位置に基づいて加工条件判定結果を得るように構成してもよい。ワーク31の切削時間は、ワーク31の切削加工を開始してからの時間であり、たとえば状態量取得部21が数値制御装置11から取得して加工条件評価部22に送信する。
また、加工条件評価部22は、例えば、予め与えられた工具124の摩耗状態の判定に適する切削位置の情報と、ワーク31の切削加工中の各時点で取得された切削位置と、を比較して加工条件判定結果を算出することができる。すなわち、加工条件評価部22は、予め与えられた工具124の摩耗状態の判定に適する切削位置の情報と、ワーク31の切削加工中の各時点で取得された切削位置座標と、の両者が一致した場合に、ワーク31の切削加工中における各時点の切削位置座標が工具124の摩耗状態の判定に適すると判定することができる。このようにして判定される工具124の摩耗状態の判定に適する領域で取得される振動データに基づいて工具124の摩耗状態の判定を行うことにより、切削加工の進行に伴って変化する加工条件の違いに起因して計測される振動の振幅または周波数の少なくとも一方が変化する場合に、工具124の摩耗状態の誤判定を抑制することが可能である。
予め与える工具124の摩耗状態の判定に適する切削位置は、切削位置、切削経路、切削位置に対する振動の計測位置、およびワーク31の形状情報のうち少なくとも1つを用いて、工作機械12またはワーク31に発生する振動の振動特性を解析的に算出することで求めることができる。
予め与えられた摩耗状態の判定に適する切削位置の情報は、加工条件評価部22に記憶されている。なお、予め与えられた摩耗状態の判定に適する切削位置の情報は、工具摩耗判定装置1における加工条件評価部22以外の構成部に記憶されてもよく、例えば図示しない記憶部に記憶されてもよい。
そして、工作機械12またはワーク31の振動特性を算出する際には、更に、工具124の種類、工作機械の機械構造、ワーク31の材料特性、ワーク31の動特性、およびワーク31の固定位置に関する情報のうち少なくとも1つを加味してもよい。
上記のように解析的に算出された振動特性について、加工条件評価部22は、ワーク31において、ワーク31が固定された工作機械12または工作機械12に固定されたワーク31の固有振動周波数と、工具124の摩耗を示す特徴的な振動の周波数と、が重畳しない領域を工具124の摩耗状態の判定に適する領域であると判定し、前述した固有振動周波数と、工具124の摩耗状態を示す特徴的な周波数と、が重畳する領域を摩耗状態の判定に適さない領域であると判定してもよい。このようにして判定される工具124の摩耗状態の判定に適する領域で取得される振動データに基づいて工具124の摩耗状態の判定を行うことにより、切削加工の進行に伴って変化する加工条件の違いに起因して計測される振動の振幅または周波数の少なくとも一方が変化する場合に、工具124の摩耗状態の誤判定を抑制することが可能である。
なお、上述したワーク31の形状情報としては、切削加工前のワーク31の形状情報のみではなく、ワーク31用の加工プログラムから推測される切削加工中のワーク31の各時点における形状情報を用いることもできる。
図6は、本発明の実施の形態1におけるワーク31の他の固定方法を示す図である。図4および図5では、ワーク31をボルトで加工テーブル125に締結して固定する場合に説明したが、ワーク31の固定方法はこれに限定されない。例えば、図6に示すように、万力を用いてワーク31を固定してもよい。加工テーブル125に固定された万力の固定面33および固定面33に向かい合う不図示の他の固定面によってワーク31を挟むことでワーク31を固定し、加工経路cを切削加工することを考える。
この場合、ワーク31のいずれかの一辺といずれかの面、およびいずれかの固定面からの距離が予め定められた距離以上であるワーク31の領域34が、工具124の摩耗状態の判定に適する加工領域であると考えることができる。すなわち、加工経路cのうち領域34と重畳する部分が工具124の摩耗状態の判定に適していると考えることができる。
このように、工具摩耗判定装置1は、任意の方法で固定されたワーク31についても、ワーク31および工作機械の構造に基づいて決定される振動特性が変化することによる摩耗状態の誤判定を抑制する効果を奏することができる。
図7は、本発明の実施の形態1における工作機械12と工具摩耗判定装置1との処理の一例を示すフローチャートである。工具摩耗判定装置1の処理は、工作機械12によるワーク31の切削加工に伴って実行される。
工作機械12によるワーク31の加工が開始されると、ステップS110において、工作機械12は、ある時刻t(k)に、ワーク31における座標Wの切削を行う。たとえば、工作機械12は、ある時刻t(k)に、ワーク31における座標W(x(k),y(k),z(k))の切削を行う。
ステップS120において、状態量取得部21が、ワーク31の切削加工に伴って発生する、振動データを含む工作機械の状態量を取得する。状態量取得部21は、取得した工作機械の状態量のうち振動データを振動特徴量算出部23に送信し、取得した工作機械の状態量のうち振動データ以外の工作機械の状態量を加工条件評価部22に送信する。振動データ以外の工作機械の状態量が示す加工条件は、切削加工の進行に伴って変化する加工条件である。
ステップS130において、振動特徴量算出部23は、状態量取得部21から取得した振動データを分析して振動特徴量を算出する。振動特徴量算出部23は、算出した振動特徴量を摩耗状態判定部24に送信する。
ステップS140において、加工条件評価部22は、切削加工の進行に伴って変化する加工条件である、振動データ以外の工作機械の状態量の評価を行う。ステップS150において、加工条件評価部22は、状態量取得部21から取得した工作機械の状態量に基づいて、当該工作機械の状態量が示す加工条件が工作機械12に取り付けられている工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件であるか否かを判定する。加工条件評価部22は、判定結果である加工条件判定結果を摩耗状態判定部24に送信する。
加工条件評価部22において、工作機械の状態量が示す加工条件が工作機械12に取り付けられている工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件であると判定された場合には、ステップS150においてYesとなり、ステップS160に進む。工作機械の状態量が示す加工条件が工作機械12に取り付けられている工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件ではないと判定された場合には、ステップS150においてNoとなり、ステップS180に進む。
ステップS160では、摩耗状態判定部24は、加工条件評価部22から取得した加工条件判定結果が、切削加工の進行に伴って変化する加工条件が工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件であるとの判定である場合に、振動特徴量算出部23から取得した振動特徴量が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。振動特徴量が予め定められた閾値以上であると判定された場合は、ステップS160においてYesとなり、摩耗状態判定部24は、工具124が摩耗状態であるメッセージの表示を指示する表示指示情報を表示装置14に送信してステップS170に進む。振動特徴量が予め定められた閾値以上ではないと判定された場合は、ステップS160においてNoとなり、ステップS180に進む。
ステップS170では、表示装置14は、摩耗状態判定部24から受信した表示指示情報に基づいて、工具124が摩耗状態であることをメッセージで表示する。
ステップS180では、工作機械12が、ワーク31を切削加工する座標を次の時刻における座標に更新し、ステップS110に戻る。たとえば、工作機械12は、ワーク31を切削加工する座標を次の時刻t(k+1)における座標W(x(k+1),y(k+1),z(k+1))に更新する。
なお、ステップS130とステップS140との順番は入れ替わってもよい。
上述したように、本実施の形態1にかかる工具摩耗判定装置1は、切削加工の進行に伴って変化する加工条件が工具124の摩耗状態の判定に適するかを判定し、切削加工の進行に伴って変化する加工条件が工具124の摩耗状態の判定に適している場合に、振動特徴量に基づいて工具124が摩耗状態であるか否かの判定を実施する。したがって、本実施の形態1にかかる工具摩耗判定装置1は、切削加工の進行に伴うワークの振動特性の変化に起因した誤判定を抑制して工具124の摩耗状態を判定することができ、工具124の摩耗状態の判定精度が向上する、という効果が得られる。
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2にかかる工具摩耗判定装置2の構成を示すブロック図である。以下では、本実施の形態2にかかる工具摩耗判定装置2について、上述した実施の形態1にかかる工具摩耗判定装置1との差異を中心に説明する。実施の形態1と同様の構成については、詳細な説明は省略する。
本実施の形態2にかかる工具摩耗判定装置2は、工具摩耗判定装置1の構成に対して、さらに記憶部226を備え、摩耗状態判定部24が摩耗状態判定部224に置き換えられた構成を有する。
記憶部226は、切削加工の進行に伴って変化する加工条件、切削加工の進行に伴って変化する加工条件の判定結果である加工条件評価部22における判定結果、振動特徴量算出部23における特徴量の算出結果、および摩耗状態判定部224における工具124の摩耗状態の判定結果を時間的に同期させて、判定履歴として記憶可能とされている。すなわち、記憶部226は、ワーク31の切削加工中における各時点について処理した、加工条件評価部22における判定結果と、振動特徴量算出部23における特徴量の算出結果と、摩耗状態判定部224における工具124の摩耗状態の判定結果と、を時間的に関連付けて、ワーク31の切削加工中における各時点での判定履歴として記憶する。
摩耗状態判定部224は、切削加工の進行に伴って変化する加工条件が工具124の摩耗状態の判定に適する加工条件であると加工条件評価部22において判定された場合に、摩耗状態判定部24と同様にして、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量に基づいて工具124の摩耗状態を判定する。
摩耗状態判定部224における工具124の摩耗状態の判定は、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量と、記憶部226に記憶されている判定履歴との比較により判定される。例えば、摩耗状態判定部224は、記憶部226に記憶された複数の判定履歴から、工具が摩耗状態ではない、すなわち工具が正常状態である判定履歴を抽出する。
すなわち、摩耗状態判定部224は、工具が正常状態であると判定された判定履歴を抽出し、抽出した判定履歴に含まれる振動特徴量について度数分布または統計量を算出する。そして、算出した振動特徴量についての度数分布または統計量と、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量とを比較し、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量が振動特徴量についての度数分布または統計量に対して統計的に予め定められた有意差を有する場合に、工具124が摩耗状態であると判定するように摩耗状態判定部224を構成することができる。これにより、工具摩耗判定装置2は、摩耗状態判定部224に工具124の摩耗状態を判定するために振動特徴量と比較する閾値を予め定めることなく、実施の形態1の工具摩耗判定装置1と同様の効果を得ることができる。
また例えば、摩耗状態判定部224は、判定履歴のうち工具が正常状態と判定され、かつ加工条件評価部22で取得された加工条件と一致する判定履歴を抽出し、抽出した判定履歴に含まれる振動特徴量について度数分布もしくは統計量を算出してもよい。そして、算出した振動特徴量についての度数分布または統計量と、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量とを比較し、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量が振動特徴量についての度数分布または統計量と統計的に予め定められた有意差を有する場合に、工具124が摩耗状態であると判定するように構成することができる。この場合は、記憶部226は、加工条件評価部22における判定結果とともに切削加工の進行に伴って変化する加工条件を判定履歴に記憶しておく。
これにより、工具摩耗判定装置2は、加工条件評価部22で取得された加工条件と一致する判定履歴を抽出することで、ワーク31の切削加工中に変化する加工条件に対応した工具124の摩耗状態の判定結果が得られる。
また、摩耗状態判定部224は、工具124が新品の工具に交換されてから予め定められた期間内は、摩耗状態判定部224は、工具124が正常状態であると判定するように構成されてもよい。
摩耗状態判定部224がこのように構成されることによって、工具124を新品に交換してから予め定められた期間内に得られた判定履歴は、正常状態における判定履歴として記憶部226に記憶される。予め定められた期間は、例えば、累積切削時間または累積切削距離により定めることができる。
図9は、本発明の実施の形態2における工作機械12と工具摩耗判定装置2との処理の一例を示すフローチャートである。図9に示したフローチャートにおける、図7に示したフローチャートとの差異は、ステップS210とステップS230とを新たに備え、ステップS160をステップS220に置き換えている点である。
ステップS210において、摩耗状態判定部224は、工具が正常状態であると判定された判定履歴を記憶部226から抽出する。
ステップS220において、摩耗状態判定部224は、抽出した判定履歴に含まれる振動特徴量についての度数分布または統計量と、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量とを比較し、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量が振動特徴量についての度数分布または統計量と統計的に予め定められた有意差を有するか否かを判定する。有意差を有すると判定された場合は工具124が摩耗状態であり、ステップS220においてYesとなり、ステップS170に進む。有意差を有さないと判定された場合は工具124が正常状態であり、ステップS220においてNoとなり、ステップS230に進む。
ステップS220においてNoの場合、ステップS230では、記憶部226は、切削加工の進行に伴って変化する加工条件、切削加工の進行に伴って変化する加工条件の判定結果である加工条件評価部22における判定結果、振動特徴量算出部23における特徴量の算出結果、および摩耗状態判定部224における工具124の摩耗状態の判定結果を取得し、これらの情報を時間的に同期させて、工具が正常状態である判定履歴として記憶する。
なお、ステップS150においてNoの場合は、ステップS230に進む。この場合、ステップS230では、切削加工の進行に伴って変化する加工条件の判定結果である加工条件評価部22における判定結果を判定履歴として記憶する。
上記の処理では、摩耗状態判定部24において工具124が正常状態であると判定された場合の振動特徴量の履歴を記憶部226が記憶する。そして、摩耗状態判定部224は、新たにワーク31の切削加工時に取得される振動特徴量と記憶部226に記憶されている履歴の振動特徴量とに基づいて工具124の摩耗状態を判定する。
本実施の形態2にかかる工具摩耗判定装置2は、上述した処理を実施することにより、摩耗状態判定部224に工具124の摩耗状態を判定するために振動特徴量と比較する閾値を予め定めることなく、実施の形態1の工具摩耗判定装置1と同様の効果を得ることができる。
また、ステップS210において、摩耗状態判定部224は、判定履歴のうち工具が正常状態と判定され、かつ加工条件評価部22で取得された加工条件と一致する判定履歴を抽出してもよい。そして、摩耗状態判定部224は、ステップS220において、抽出した判定履歴に含まれる振動特徴量について度数分布もしくは統計量を算出する。そして、算出した振動特徴量についての度数分布または統計量と、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量とを比較し、振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量が振動特徴量についての度数分布または統計量と統計的に予め定められた有意差を有する場合に、工具が摩耗状態であると判定する。
上記の処理では、摩耗状態判定部24において工具124が正常状態であると判定された場合に状態量取得部21で取得された振動データ以外の工作機械の状態量と振動特徴量算出部23で算出された振動特徴量とを関連付けた履歴を記憶部226が記憶する。そして、摩耗状態判定部224は、新たにワーク31の切削加工時に状態量取得部21で取得された、振動データ以外の工作機械の状態量に基づいて、記憶部226に記憶されている履歴を抽出し、ワーク31の切削加工時に振動特徴量算出部23で取得される振動特徴量と抽出した履歴の振動特徴量とに基づいて工具124の摩耗状態を判定する。
本実施の形態2にかかる工具摩耗判定装置2は、摩耗状態判定部224での判定に利用できる情報を記憶部226に記憶し、上述した処理を実施することにより、摩耗状態判定部224に工具124の摩耗状態を判定するために振動特徴量と比較する閾値を予め定めることなく、実施の形態1の工具摩耗判定装置1と同様の効果を得ることができる。
図10は、本発明の実施の形態2における工作機械12と工具摩耗判定装置2との他の処理の一例を示すフローチャートである。図10では、本実施の形態2にかかる工具摩耗判定装置2において、工具124を新品に交換してから予め定められた期間内は工具124が正常状態である旨の情報を記憶部226に記憶する場合の処理の一例を示している。図10に示したフローチャートにおける、図9に示したフローチャートとの差異は、ステップS240とステップS250とを新たに備え、ステップS230を削除している点である。
ステップS240において、摩耗状態判定部224は、工具124を新品に交換してから、予め定められた既定の期間を超過したか否かを判定する。予め定められた既定の期間を超過していない場合、すなわち予め定められた期間内である場合は、ステップS240においてNoとなり、ステップS250に進む。予め定められた既定の期間を超過している場合は、ステップS240においてYesとなり、ステップS210に進む。工具124を新品に交換した時期の情報は、予め摩耗状態判定部224に与えられる。摩耗状態判定部224は、工具124を新品に交換した時期の情報を数値制御装置11から取得する構成としてもよく、また数値制御装置11以外の工具摩耗判定装置2の外部装置から取得する構成とされてもよい。
ステップS250では、記憶部226は、切削加工の進行に伴って変化する加工条件、切削加工の進行に伴って変化する加工条件の判定結果である加工条件評価部22における判定結果、および振動特徴量、および工具124が正常状態であるとの判定結果を、時間的に同期させて判定履歴として記憶し、ステップS180に進む。すなわち、記憶部226は、工具が正常である判定履歴を記憶する。
本実施の形態2にかかる工具摩耗判定装置2は、上述した処理を実施することにより、摩耗状態判定部224は工具124の摩耗状態を判定するために振動特徴量と比較する閾値を予め定めることなく、実施の形態1の工具摩耗判定装置1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
図11は、本発明の実施の形態3にかかる工具摩耗判定装置3の構成を示すブロック図である。以下では、本実施の形態3にかかる工具摩耗判定装置3について、上述した実施の形態2にかかる工具摩耗判定装置2との差異を中心に説明する。実施の形態1,2と同様の構成については、詳細な説明は省略する。
本実施の形態3にかかる工具摩耗判定装置3は、工具摩耗判定装置2の構成に対して、記憶部226が記憶部326に置き換えられ、新たに通信部327を備え、工具摩耗判定装置3の外部に配置されたサーバ装置328と通信可能にされた構成を有する。
記憶部326は、工具摩耗判定装置2の記憶部226の機能に加え、通信部327を介してサーバ装置328が保持する判定履歴の一部または全てのデータを受信し、記憶する。また、記憶部326は、記憶部326に記憶する判定履歴の一部または全てのデータを、通信部327を介してサーバ装置328に送信する。
通信部327は、記憶部326との間で情報の送受信が可能とされている。また、通信部327は、ネットワーク329に接続し、サーバ装置328との間で情報の送受信が可能とされており、サーバ装置328との間で判定履歴の送信および受信を行うことができる。これにより、工具摩耗判定装置3は、ネットワーク329を介してサーバ装置328と情報の授受が可能とされている。
サーバ装置328は、ネットワーク329を介して通信部327と情報の授受が可能なサーバ装置である。サーバ装置328は、記憶部326が記憶している判定履歴の一部または全てのデータを受信して、記憶する。また、サーバ装置328は、記憶している判定履歴の一部または全てのデータを記憶部326に送信する。サーバ装置328は、記憶部326よりも記憶容量が大きく、記憶部326よりも多くのデータを記憶可能である。サーバ装置328は特に限定されず、記憶部326が記憶している判定履歴をコピーして記憶可能な工具摩耗判定装置3の外部の外部記憶装置であればよく、工具摩耗判定装置3と同種の工具摩耗判定装置、またはクラウド等のデータサーバであってもよい。
図12は、本発明の実施の形態3における工作機械12と工具摩耗判定装置3との処理の一例を示すフローチャートある。図12に示したフローチャートにおける、図9に示したフローチャートとの差異は、ステップS310とステップS320とを新たに備えている点である。
ステップS310において、記憶部326は、サーバ装置328が保持する判定履歴をコピーする。すなわち、記憶部326は、通信部327を介してサーバ装置328が保持する判定履歴の一部または全てのデータを受信して記憶する。
ステップS320において、摩耗状態判定部224は、記憶部326に記憶させた判定履歴をサーバ装置218にコピーする。すなわち、摩耗状態判定部224は、記憶部326に記憶させた判定履歴の一部または全てのデータを通信部327を介して送信し、サーバ装置328に記憶させる。なお、ステップS320が実施されるタイミングは限定されず、任意のタイミングで実施されてもよい。
本実施の形態3にかかる工具摩耗判定装置3は、上述した処理を実施することにより、実施の形態2の工具摩耗判定装置2と同様の効果を得ることができる。
また、工具摩耗判定装置3は、記憶部326に多くの判定履歴を記憶することができ、ワーク31の切削加工中に変化する加工条件に対応した摩耗状態の判定の精度を向上できる、という効果が得られる。
また、工具摩耗判定装置3は、サーバ装置328に判定履歴を記憶させることができるため、記憶部326または工具摩耗判定装置3が初期化または交換された場合でも、過去の判定履歴を工具摩耗判定装置3の外部に残すことができる。これにより、記憶部326または工具摩耗判定装置3が初期化または交換された場合でも、過去の判定履歴を活用することが可能である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、実施の形態の技術同士を組み合わせることも可能であるし、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,2,3 工具摩耗判定装置、11 数値制御装置、12 工作機械、13 センサ、14 表示装置、21 状態量取得部、22 加工条件評価部、23 振動特徴量算出部、24 摩耗状態判定部、31 ワーク、31a 一端、31b 他端、31c 側面、31d 溝部、31s1 一辺、31s2 他辺、32a,32b,32c,32d 固定部、33 固定面、34 領域、101 プロセッサ、102 メモリ、121 本体部、122 主軸頭、123 主軸、124 工具、125 加工テーブル、224 摩耗状態判定部、226,326 記憶部、327 通信部、328 サーバ装置、329 ネットワーク、a,b,c 加工経路、a1,a2,a3,a4,a5 小経路。

Claims (15)

  1. 工作機械においてワークを切削加工する工具の摩耗状態を判定する工具摩耗判定装置であって、
    前記工作機械による前記ワークの切削加工時に前記工作機械または前記ワークに発生する振動を表す振動データを含む前記工作機械の状態量を取得する状態量取得部と、
    前記状態量取得部で取得された、前記振動データ以外の前記工作機械の状態量が示す加工条件が前記工具の摩耗状態の判定に適する加工条件であるか否かを判定する加工条件評価部と、
    前記振動データに基づいて前記工作機械または前記ワークに発生する振動の特徴を表す振動特徴量を算出する振動特徴量算出部と、
    前記加工条件評価部における判定結果である加工条件判定結果が前記工具の摩耗状態の判定に適しているとの判定結果である場合に、前記振動特徴量に基づいて前記工具が摩耗状態であるか否かを判定する摩耗状態判定部と、
    を備えることを特徴とする工具摩耗判定装置。
  2. 前記加工条件評価部は、前記ワークの切削加工中における各時点に対して推定される前記工作機械または前記ワークの振動特性に基づいて前記加工条件判定結果を算出すること、
    を特徴とする請求項1に記載の工具摩耗判定装置。
  3. 前記加工条件評価部は、前記ワークの形状、前記ワークの切削加工中の各時点における切削位置、前記ワークの切削加工における切削経路、前記切削位置に対する前記振動データの計測位置のうちの1つ以上を用いて解析的に算出された前記振動特性に基づいて前記加工条件判定結果を算出すること、
    を特徴とする請求項2に記載の工具摩耗判定装置。
  4. 前記加工条件評価部は、前記ワークの切削加工中における各時点における切削位置と、前記ワークの端部と、の間の振動伝達特性に基づいて前記加工条件判定結果を算出すること、
    を特徴とする請求項2に記載の工具摩耗判定装置。
  5. 前記加工条件評価部は、前記ワークの切削加工中における各時点における切削位置と、前記ワークにおける前記工作機械に対する固定位置と、の間の振動伝達特性に基づいて前記加工条件判定結果を算出すること、
    を特徴とする請求項2に記載の工具摩耗判定装置。
  6. 前記加工条件評価部は、前記ワークにおける前記工作機械に対する固定位置と、前記振動データの計測位置と、の間の振動伝達特性に基づいて前記加工条件判定結果を算出すること、
    を特徴とする請求項2に記載の工具摩耗判定装置。
  7. 前記加工条件評価部は、前記ワークの切削加工中における各時点における切削位置と、前記振動データの計測位置と、前記ワークにおける前記工作機械に対する固定位置と、の位置関係に基づいて前記加工条件判定結果を算出すること、
    を特徴とする請求項2に記載の工具摩耗判定装置。
  8. 前記状態量が、前記ワークの切削加工中における切削位置であり、
    前記加工条件評価部は、前記ワークが固定された前記工作機械の固有振動周波数または前記ワークの固有振動周波数と、前記工具の摩耗を示す前記振動の周波数と、を比較して前記加工条件判定結果を算出すること、
    を特徴とする請求項2に記載の工具摩耗判定装置。
  9. 前記加工条件評価部は、前記ワークの切削加工の前に予め実施される試し加工において取得された前記振動データの振幅の時間変動に基づいて前記加工条件判定結果を決定すること、
    を特徴とする請求項2に記載の工具摩耗判定装置。
  10. 前記加工条件評価部は、前記ワークの切削加工の前に予め実施される試し加工において取得された前記振動データの周波数スペクトルの時間変動に基づいて前記加工条件判定結果を決定すること、
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の工具摩耗判定装置。
  11. 前記摩耗状態判定部において前記工具が正常状態であると判定された場合の前記振動特徴量の履歴を記憶する記憶部を備え、
    前記摩耗状態判定部は、前記ワークの切削加工時に取得される前記振動特徴量と前記記憶部に記憶されている前記振動特徴量とに基づいて前記工具の摩耗状態を判定すること、
    を特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の工具摩耗判定装置。
  12. 前記摩耗状態判定部において前記工具が正常状態であると判定された場合に前記状態量取得部で取得された前記振動データ以外の前記工作機械の状態量と前記振動特徴量算出部で算出された前記振動特徴量とを関連付けた履歴を記憶する記憶部を備え、
    前記摩耗状態判定部は、前記ワークの切削加工時に前記状態量取得部で取得された、前記振動データ以外の前記工作機械の状態量に基づいて、前記記憶部に記憶されている履歴を抽出し、前記ワークの切削加工時に前記振動特徴量算出部で取得される振動特徴量と抽出した前記履歴の前記振動特徴量とに基づいて前記工具の摩耗状態を判定すること、
    を特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の工具摩耗判定装置。
  13. 外部記憶装置と通信可能な通信部を備え、
    前記記憶部は、前記通信部を介して外部記憶装置が記憶する情報を受信して記憶すること、
    を特徴とする請求項11または12に記載の工具摩耗判定装置。
  14. 前記記憶部に記憶された情報を前記通信部を介して外部記憶装置に送信可能であること、
    を特徴とする請求項13に記載の工具摩耗判定装置。
  15. 前記状態量取得部は、前記工作機械もしくは前記ワークに取り付けられたセンサ、または前記工作機械と接続される数値制御装置から前記工作機械の状態量を取得すること、
    を特徴とする請求項1から14のいずれか1つに記載の工具摩耗判定装置。
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