JP2020014446A - 腸内細菌叢の改善に適した栄養素又は食品を選択する方法 - Google Patents

腸内細菌叢の改善に適した栄養素又は食品を選択する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定のSNP(一塩基多型)を有する対象に対して腸内細菌叢の改善に適した栄養素又は食品を選択する方法を提供すること。【解決手段】ヒトのゲノムのSNP(一塩基多型)と、腸内細菌叢と、摂取栄養素又は摂取食品との関係を調べ、特定のSNPについて相関性が認められる腸内細菌と摂取栄養素又は摂取食品との組み合わせを選択する、該SNPを有する対象に対して腸内細菌叢の改善に適した栄養素又は食品を選択する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、腸内細菌叢の改善に適した栄養素又は食品を選択する方法に関する。詳細には、特定のSNP(一塩基多型)を有する対象に対して腸内細菌叢の改善に適した栄養素又
は食品を選択する方法に関する。
SNP(一塩基多型)は、個人間の遺伝情報の僅かな違いを示すものであり、遺伝子型の
特定により分析することができるものである。特定のSNPが特定の疾患や体質と関連があ
ることが多数報告されている(例えば、特許文献1)。
対象のSNP情報に基づいて、該被験者に適した成分を含有する栄養補助食品または疾患
予防食品を提供するシステムも報告されている(特許文献2)。該文献では、疾患として、高血圧、癌、動脈硬化、リウマチ、アルツハイマー症、脳卒中、心臓病、腎臓病、胃及び十二指腸潰瘍、アルコール性肝疾患、歯周病、骨粗鬆症、鉄欠乏性貧血、便秘、糖尿病、アトピーなどの生活習慣病が挙げられている。また、該文献では、SNPの例として、ビ
タミンD受容体遺伝子の第2エクソンに存在するFokI多型が挙げられている。FokI多型がFF型又はFf型の場合には牛乳を多く摂取することにより骨密度が高くなり、一方で、ff型の場合には牛乳を多く摂取しても骨密度に何ら影響がないことが知られている。そのため、FokI多型次第で、CPP(カゼインホスホペプチド)およびカルシウムを配合した食品を摂取することにより、骨密度低下予防効果(骨粗鬆症予防効果)が期待される。
一方、腸内細菌叢の分析も盛んに行われている。その方法としては、例えば、対象の便から微生物のDNAを抽出し、16s rRNA遺伝子の特定の領域を増幅し、塩基配列を決定、分
析する方法が挙げられる(特許文献3)。近年では、便の解析を行わない簡便な腸内細菌の菌叢分析方法も開発されている(特許文献4)。
しかしながら、個人ごとに腸内細菌叢の改善に適した栄養素又は食品を選択する方法は知られていない。
特開2014−193155号公報 特開2003−223515号公報 特開2018−052896号公報 特開2018−063182号公報
本発明は、特定のSNP(一塩基多型)を有する対象に対して腸内細菌叢の改善に適した
栄養素又は食品を選択する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、腸内細菌叢と摂取栄養素又は摂取食品とに相関があり、しかもその相関は特定のSNP(一塩基多型)で認められることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ヒトのゲノムのSNP(一塩基多型)と、腸内細菌叢と、摂取栄養
素又は摂取食品との関係を調べ、特定のSNPについて相関性が認められる腸内細菌と摂取
栄養素又は摂取食品との組み合わせを選択する、該SNPを有する対象に対して腸内細菌叢
の改善に適した栄養素又は食品を選択する方法である。
また、前記方法は、前記SNPが、前記栄養素又は前記食品に由来する栄養素の消化もし
くは吸収に関与する酵素又は輸送体をコードする遺伝子内に存在することを好ましい態様としている。
また、前記方法は、前記酵素又は輸送体がスクラーゼ−イソマルターゼ、ラクターゼ、トレハラーゼ、マルターゼ−グルコアミラーゼ又はグルコーストランスポーターであることを好ましい態様としている。
また、前記方法は、前記SNPがrs9290264、rs3754189又はrs2276064で指定されるSNPで
あることを好ましい態様としている。
また、本発明は、ヒトのゲノムのSNP(一塩基多型)と、腸内細菌叢と、摂取栄養素又
は摂取食品との関係についての情報を用意し、該情報に基づいて、特定のSNPを有する対
象者に対して腸内細菌叢の改善のための食餌アドバイスを提供する方法を提供する。
また、前記方法は、下記のいずれか又は任意の2以上を含むことを好ましい態様としている。
i)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象者に
おいて、存在することが好ましい細菌と正の相関を示す栄養素又は食品を、摂取すべき栄養素又は食品として提示する;
ii)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象者
において、存在することが好ましくない細菌と負の相関を示す栄養素又は食品を、摂取すべき栄養素又は食品として提示する;
iii)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象
者において、存在することが好ましい細菌と負の相関を示す栄養素又は食品を、摂取し過ぎることを控えた方がよい栄養素又は食品として提示する;及び
iv)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象者
において、存在することが好ましくない細菌と正の相関を示す栄養素又は食品を、摂取し過ぎることを控えた方がよい栄養素又は食品として提示する。
本発明によれば、特定のSNP(一塩基多型)を有する対象に対して腸内細菌叢の改善に
適した栄養素又は食品を選択する方法が提供できる。
本発明の一実施態様に係る、rs9290264で指定されるSNPと、ルミノコッカス(Ruminococcus)属細菌と、総食物繊維摂取量との相関を示す図。 本発明の一実施態様に係る、rs9290264で指定されるSNPと、Clostridiaceae科gen.に属する細菌と、総食物繊維摂取量との相関を示す図。 本発明の一実施態様に係る、rs3754189で指定されるSNPと、ビフィドバクテリウム属細菌と、乳製品摂取量との相関を示す図。 本発明の一実施態様に係る、rs2276064で指定されるSNPと、フィーカリバクテリウム属細菌と、きのこ摂取量との相関を示す図。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ヒトのゲノムのSNP(一塩基多型)と、腸内細菌叢と、摂取栄養素又は摂取
食品との関係を調べ、特定のSNPについて相関性が認められる腸内細菌と摂取栄養素又は
摂取食品との組み合わせを選択する、該SNPを有する対象に対して腸内細菌叢の改善に適
した栄養素又は食品を選択する方法である。
本発明の方法において、「摂取栄養素」とは、対象が既に摂取した栄養素を意味する。
また、本発明の方法において、「摂取食品」とは、対象が既に摂取した食品を意味し、「食品」は、対象が経口摂取する飲料やサプリメント等も含む。
本発明におけるSNPは、ヒトのゲノムのSNPであり、腸内細菌叢と摂取栄養素又は摂取食品との組み合わせとの間で相関性が認められるSNPであれば、ホモでもヘテロでもよい。
本発明におけるSNPは、好ましくは、前記栄養素又は前記食品に由来する栄養素の消化
もしくは吸収に関与する酵素又は輸送体をコードする遺伝子内に存在するSNPである。
該酵素は、好ましくは、スクラーゼ−イソマルターゼ、ラクターゼ、トレハラーゼ、マルターゼ−グルコアミラーゼである。
該輸送体は、好ましくは、グルコーストランスポーター(SLC2A2、SLC2A5)、甘味受容体(TAS1R2)である。
また、本発明におけるSNPは、好ましくはrs9283633、rs9290264、rs2322659、rs3754189、rs2276064、rs2272330、rs5400、rs3820034、rs770041、rs6662276で指定されるSNPである。より好ましくは、rs9290264、rs3754189、rs2276064で指定されるSNPである。
rs9283633、rs9290264で指定されるSNPは、スクラーゼ−イソマルターゼ遺伝子のエク
ソン領域に存在するSNPである。
rs2322659、rs3754189で指定されるSNPは、ラクターゼ遺伝子のエクソン領域に存在す
るSNPである。
rs2276064で指定されるSNPは、トレハラーゼ遺伝子のエクソン領域に存在するSNPであ
る。
rs2272330で指定されるSNPは、マルターゼ−グルコアミラーゼ遺伝子のエクソン領域に存在するSNPである。
rs5400は、グルコーストランスポーター(SLC2A2)のエクソン領域に存在するSNPであ
る。
rs3820034、rs770041で指定されるSNPは、グルコーストランスポーター(SLC2A5)遺伝子のプロモーター領域に存在するSNPである。
rs6662276は、甘味受容体(TAS1R2)のエクソン領域に存在するSNPである。SNPに関し
てはNCBIのdbSNP Short Genetic Variationsを参考にして検索可能である(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/)。
本発明において、対象が有するSNPは公知の方法により解析してもよいし、委託サービ
スを利用してもよい。
本発明においてSNP解析のための試料は、例えば、唾液、血液、尿、口腔粘膜、体毛等
のゲノムDNAを含む試料であれば特に制限されない。また、試料からのゲノムDNAの抽出・精製は、例えば、MagaZorb(登録商標)DNA Mini-Prep Kit(プロメガ社製)等を用いた
公知の方法により行うことができる。また、SNPの解析も、例えば、Human OmniExpress-24+ BeadChip(イルミナ社製)およびInfinium OmniExpress-24+ BeadChip(イルミナ社製)等を用いた公知の方法により行うことができる。
特定のSNPが、前記腸内細菌叢と前記摂取栄養素又は摂取食品との組み合わせとの間で
相関性が認められるとは、腸内細菌叢における細菌の割合の変化と摂取栄養素又は摂取食品の量の増減との間に正の相関又は負の相関があることをいう。尚、便宜上、wildも「特定のSNP」に含まれるものとする。
本発明における腸内細菌叢における細菌としては、腸内細菌叢に存在することが好ましい細菌や、腸内細菌叢に存在することが好ましくない細菌、また、腸内細菌叢に存在することが好ましい細菌が優勢なときには腸内細菌叢に存在することが好ましい細菌となり、腸内細菌叢に存在することが好ましくない細菌が優勢なときには腸内細菌叢に存在することが好ましくない細菌となる細菌が挙げられる。
本発明における腸内細菌叢における細菌は、好ましくは下記21分類のいずれかに属する細菌である。下記21分類の細菌は、後述する実施例において、全被験者から得られた
細菌を、Green Genusで一般的に用いられている分類法に従って分類した際に、全被験者
のうちの95%以上の被験者で検出された細菌である。
前記21分類とは、
Actinobacteria門Actinobacteria網Bifidobacteriales目Bifidobacteriaceae科Bifidobacterium属、
Bacteroidetes門Bacteroidia網Bacteroidales目Bacteroidaceae科Bacteroides属、
Bacteroidetes門Bacteroidia網Bacteroidales目Porphyromonadaceae科Parabacteroides属、
Bacteroidetes門Bacteroidia網Bacteroidales目Prevotellaceae科Prevotella属、
Firmicutes門Bacilli網Lactobacillales目Streptococcaceae科Streptococcus属、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目Clostridiaceae科gen.、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目fam.、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目Lachnospiraceae科[Ruminococcus]属、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目Lachnospiraceae科gen.、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目Lachnospiraceae科Blautia属、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目Lachnospiraceae科Coprococcus属、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目Lachnospiraceae科Dorea属、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目Lachnospiraceae科その他、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目Ruminococcaceae科gen.、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目Ruminococcaceae科Faecalibacterium属、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目Ruminococcaceae科Oscillospira属、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目Ruminococcaceae科Ruminococcus属、
Firmicutes門Clostridia網Clostridiales目その他、
Firmicutes門Erysipelotrichi網Erysipelotrichales目Erysipelotrichaceae科[Eubacterium]属、
Firmicutes門Erysipelotrichi網Erysipelotrichales目Erysipelotrichaceae科gen.、及び、
Proteobacteria門Betaproteobacteria網Burkholderiales目Alcaligenaceae科Sutterella属である。
尚、本明細書では、それぞれ、Bifidobacterium属、Bacteroides属、Parabacteroides
属、Prevotella属、Streptococcus属、Clostridiaceae科gen.、Clostridiales目fam.、Lachnospiraceae科[Ruminococcus]属、Lachnospiraceae科gen.、Blautia属、Coprococcus属、Dorea属、Lachnospiraceae科その他、Ruminococcaceae科gen.、Faecalibacterium属、Oscillospira属、Ruminococcus属、Clostridiales目その他、Erysipelotrichaceae科[Eubacterium]属、Erysipelotrichaceae科gen.、Sutterella属と称することがある。
本発明における「腸内細菌叢の改善」とは、好ましくは、腸内細菌叢に存在することが好ましい細菌の割合の増加若しくは活性化、及び/又は、腸内細菌叢に存在することが好ましくない細菌の割合の減少若しくは不活性化を介した腸内細菌叢の改善である。
腸内細菌叢の改善によりその対象において生じる効果としては、例えば、腸内細菌叢や腸管での酢酸産生量の増加、腸内細菌叢での大腸菌などの細菌の増加抑制、整腸、便秘解消、腸管バリア機能の向上、腸管の炎症の抑制、過敏性腸症候群(IBS)や潰瘍性大腸炎
(UC)の症状の軽減や緩和や改善、食物繊維の代謝改善、免疫機能の正常な発達、乳児期におけるアトピー性湿疹症状の改善などが挙げられる。
腸内細菌叢に存在することが好ましい細菌としては、例えば、Bifidobacterium属細菌
、Lactobacillus属細菌、Faecalibacterium属細菌、Blautia属細菌、Akkermansia属細菌
、Roseburia属細菌、Eubacterium属などが挙げられる。
腸内細菌叢に存在することが好ましくない細菌としては、例えば、Staphylococcus属細菌の有毒株、Clostridium属細菌の有毒株、大腸菌の有毒株、Fusobacterium属細菌の有毒株などが挙げられる。
腸内細菌叢に存在することが好ましい細菌が優勢なときには腸内細菌叢に存在することが好ましい細菌となり、腸内細菌叢に存在することが好ましくない細菌が優勢なときには腸内細菌叢に存在することが好ましくない細菌となる細菌としては、例えば、Bacteroides属細菌の無毒株、Parabacteroides属細菌の無毒株、Prevotella属細菌の無毒株、Coprococcus属の無毒株、Ruminococcus属の無毒株、Dorea属細菌の無毒株、Oscillospira属細菌の無毒株、Sutterella属細菌の無毒株、大腸菌の無毒株、Streptococcus属細菌の無毒株
、Enterococcus属細菌の無毒株などが挙げられる。
対象の腸内細菌叢における前記21分類のいずれかに属する細菌の割合の変化と、該対象において生じる効果との関係は、次の通りである。
Bifidobacterium属細菌の割合が増加すると、腸内細菌叢での酢酸産生量が増加し、腸
内細菌叢での大腸菌などの増加が抑制されるため、整腸、便秘解消、腸管バリア機能の向上等が期待される。
Bacteroides属細菌やParabacteroides属細菌の割合が増加すると、腸管の炎症が抑制されるため、IBSやUCの症状の軽減や緩和が期待される。
Prevotella属細菌の割合が増加すると、食物繊維(例えば大麦等に含まれる。)の代謝の改善等が期待される。
Blautia属細菌やErysipelotrichaceae科gen.に属する細菌、Sutterella属細菌の割合が増加すると、腸管での炎症の抑制等が期待される。
Coprococcus属細菌の割合が増加すると、乳児期においてはアトピー性湿疹症状の改善
等が期待される。
Dorea属細菌の割合はIBS患者において増加することが報告されていることから、この割合が減少すると、IBS症状の改善が期待される。
Faecalibacterium属細菌の割合が増加すると、腸管における酪酸産生量の増加が期待されるため、免疫機能の正常な発達や腸管バリア機能の向上が期待される。
Oscillospira属細菌の割合が増加すると、痩身(「減量」と称されることもある。)が期待される。
腸内細菌叢における細菌の割合の変化とは、好ましくは、ボックス−コックス変換で腸内細菌叢中の割合を正規化したときの細菌の割合の変化である。
腸内細菌叢における細菌の割合の変化と摂取栄養素又は摂取食品の量の増減との間に正の相関がある場合、その相関係数は、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.2以上、さ
らに好ましくは0.4以上であり、通常1以下である。
一方、腸内細菌叢における細菌の割合の変化と摂取栄養素又は摂取食品の量の増減との間に負の相関がある場合、その相関係数は、好ましくは-0.15以下、より好ましくは-0.2
以下、さらに好ましくは-0.4以下であり、通常-1以上である。
本発明における摂取栄養素又は摂取食品としては、例えば、下記43項目の栄養素及び下記58項目の食品が挙げられる。下記43項目の栄養素及び下記58項目の食品は、好ましくは、株式会社ジェンダーメディカルリサーチ(EBNJAPAN)が提供する「簡易型自記式食事歴法質問票(brief-type self-administered diet history questionnaireBDHQ)
」に基づいて得られる栄養疫学的研究結果において、信頼性に問題がないとされている栄養素及び食品である。尚、BDHQとは、DHQ(自記式食事歴法質問票:self-administered diet history questionnaire)の簡易版である。DHQとは、栄養素や食品の摂取状態を定量的に、かつ、詳細に調べるための質問票を中心としたシステムである。1996年に開発が始められ、数多くの基礎研究を経て、現在では数多くの栄養疫学研究、その他の人間栄養学研究などに活用されているものである。
前記43項目の栄養素とは、エネルギー、たんぱく質、動物性たんぱく質、植物性たんぱく質、脂質、動物性脂質、植物性脂質、炭水化物、灰分、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、レチノール、βカロテン当量、レチノール当量、ビタミンD、αトコフェロール、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビタミンC、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、コレステロール、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、総食物繊維、食塩相当量、アルコール、n−3系脂肪酸、n−6系脂肪酸である。尚、「食塩相当量」とは、ナトリウムを食塩相当量に換算したものである。ナトリウムは食塩相当量に換算して表示することが義務付けられている。
前記58項目の食品とは、低脂肪乳(*牛乳・ヨーグルト 低脂肪)、普通乳(*牛乳・ヨーグルト 普通・高脂肪)、鶏肉(*鶏肉)、豚肉・牛肉(*豚肉(ぶた肉)・牛肉)、ハム(*ハム・ソーセージ・ベーコン)、レバー(*レバー)、いか・たこ・えび・貝(*いか・たこ・えび・貝)、骨ごと魚(*骨ごと食べる魚)、ツナ缶(*ツナ缶)、干物(*魚の干物・塩蔵魚)、脂がのった魚(*脂が乗った魚)、脂が少ない魚(*脂が少なめの魚)、たまご(*たまご)、とうふ・油揚げ(*とうふ・厚揚げ(豆乳など))、納豆(*納豆)、いも(*いも)、漬物(緑葉野菜)(*漬物 緑の濃い葉野菜)、漬物(その他)(*漬物 その他すべて)、生(レタス・キャベツ)(*生野菜 レタス・キャベツ千切り)、緑葉野菜(*緑の濃い葉野菜)、キャベツ(*キャベツ・白菜)、にんじん・かぼちゃ(*にんじん・かぼちゃ)、だいこん・かぶ(*だいこん・かぶ)、根菜(*その他の根菜すべて)、トマト(*トマト・トマトケチャップなど)、きのこ(*きのこ)、海草(*海草)、洋菓子(*洋菓子・クッキー・ビスケット)、和菓子(*和菓子)、せんべい(*せんべい・もち・お好み焼き)、アイスクリーム(*アイスクリーム)、柑橘類(*みかんなどの柑橘類)、かき・いちご(*かき・いちご・キウイ)、その他の果物(*その他すべての果物)、マヨネーズ(*マヨネーズ・ドレッシング)、パン(*パン)、そば(*そば)、うどん(*うどん・ひやむぎ・そうめん)、ラーメン(*らーめん・インスタントらーめん)、パスタ類(*スパゲティ・マカロニなど)、緑茶(*緑茶(お茶))、紅茶・ウーロン茶(*紅茶・ウーロン茶)、コーヒー(*コーヒー)、コーラ(*コーラ・ジュース)、100%ジュース(*100%果物ジュース・野菜ジュース)、砂糖(*コーヒー・紅茶の砂糖)、めし(*ごはん)、みそ汁(*みそ汁)、日本酒(*日本酒)、ビール(*ビール)、焼酎(*焼酎・酎ハイ・泡盛)、ウィスキー(*ウィスキー類)、ワイン(*ワイン)、めんスープ(*麺類のスープ・汁)、しょうゆ量(*しょうゆ・ソースの摂取量)、調理食塩、調理油、調理砂糖である。
尚、(* )内はBDHQの質問票に記載された食品である。例えば、「低脂肪乳(*牛乳・ヨーグルト 低脂肪)」とは、BDHQの質問票に「牛乳・ヨーグルト 低脂肪」と記載され、BDHQに基づいて得られる結果に「低脂肪乳」と記載されていることを示している。また、調理食塩、調理油、調理砂糖については、BDHQの質問票に記載はない。
本発明の他の態様は、ヒトのゲノムのSNP(一塩基多型)と、腸内細菌叢と、摂取栄養
素又は摂取食品との関係についての情報を用意し、該情報に基づいて、特定のSNPを有す
る対象者に対して腸内細菌叢の改善のための食餌アドバイスを提供する方法である。
本明細書において、「食餌アドバイス」とは、対象がこれから摂取する食餌に関するアドバイスを意味する。
本態様における、ヒトのゲノムのSNP(一塩基多型)と、腸内細菌叢と、摂取栄養素又
は摂取食品との関係についての情報とは、既に記載した先の態様に関する説明を援用する。
前記情報に基づいて、特定のSNPを有する対象者に対して腸内細菌叢の改善のための食
餌アドバイスを提供するのに際しては、先の態様に記載した、腸内細菌叢の改善により対象に生じる効果を踏まえて提供することが好ましい。
したがって、本態様に係る方法は、下記のいずれか又は任意の2以上を含むことが好ましい。
i)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象者に
おいて、存在することが好ましい細菌と正の相関を示す栄養素又は食品を、摂取すべき栄養素又は食品として提示する;
ii)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象者
において、存在することが好ましくない細菌と負の相関を示す栄養素又は食品を、摂取すべき栄養素又は食品として提示する;
iii)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象
者において、存在することが好ましい細菌と負の相関を示す栄養素又は食品を、摂取し過ぎることを控えた方がよい栄養素又は食品として提示する;及び
iv)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象者
において、存在することが好ましくない細菌と正の相関を示す栄養素又は食品を、摂取し過ぎることを控えた方がよい栄養素又は食品として提示する。
本態様において上記以外の事項については、既に記載した先の態様の説明を援用する。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1:SNP解析〕
1,083名(20-64歳)の日本人被験者から提供された唾液を試料として用い、各被験者のSNPを解析した。
まず、MagaZorb(登録商標)DNA Mini-Prep Kit(プロメガ社製)を用いて、試料から
ゲノムDNAの抽出・精製を行った。
次に、Human OmniExpress-24+ BeadChip(イルミナ社製)およびInfinium OmniExpress-24+ BeadChip(イルミナ社製)を用いてSNP解析を行った。詳細には、DNAを増幅・断片
化した後に、マイクロアレイ(ビーズチップ)上で断片化DNAとビーズ上のDNAとのハイブリダイゼーションを行い、ビーズチップに結合したDNAを蛍光標識して解析した。
その結果、rs9290264、rs3754189、又はrs2276064で指定されるSNPは、クオリティコントロールとして、コール率が0.95以上で、ハーディー・ワインバーグ平衡(HWE)がp>10-6であった。また、各SNPのminor allele frequency(MAF)は、公開データであるハプマ
ッププロジェクトの86人の日本人データ(JPT)と違いは認められず(p≧0.05, Chi-Square test)、高品質のデータであることが確認された。
尚、クオリティコントロールを満たした547,456のSNPを用いて、被験者のクオリティコントロールとして、identical by descent (IBD)の割合が0.185より大きい近縁ペアのう
ち一方の被験者9名を除外した。また、コール率が0.95以下の被験者2名、主成分分析(PCA)により外れ値(outlier)であると判定された被験者3名を以下の試験から除外した。
また、自己申告の性別と遺伝子型から判定される性別が一致しなかった被験者1名を以下
の試験から除外した。
〔実施例2:腸内細菌叢の解析〕
1,068名(20-64歳)の日本人被験者から提供された糞便からDNAを下記の方法で抽出し
た。糞便懸濁液500μlを測りとり、0.1mm径のガラスビーズ300mg、500μlのTE飽和フェ
ノール(和光純薬)を混合し、マルチビーズショッカー(安井器械(株)製)にて2,800rpm、3分の破砕処理を実施した。10,000gで10分間遠心後、400μlの上清を取り、250μlのフェノール・クロロホルム溶液(和光純薬)を加えて混合し、10,000gで10分間遠心後、250μlの上清を取得した。さらに2-プロパノールを250μl加え、イソプロパノール沈殿さ
せたものを100μlのTris-EDTAバッファー(pH8.0)に溶解し、DNA溶液とした。
次に細菌の16S rRNA遺伝子の第3〜4可変領域を増幅させるための1stプライマーセット
(FWD: CGCTCTTCCGATCTCTGTACGGRAGGCAGCAG(配列番号1)、REV: CGCTCTTCCGATCTGACGGACTACHVGGGTWTCTAAT(配列番号2))と、次世代シーケンサーMiseq(イルミナ社製)にて解析するために必要な2ndプライマーセット(アダプター領域並びに1度の解析で複数サ
ンプルを処理できるインデックス領域(Nで表示)を含む。FWD: AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACNNNNNNNNACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATCTCTG(配列番号3)、REV: CAAGCAGAAGACGGCATACGAGATNNNNNNNNGTGACTGGAGTTCAGACGTGTGCTCTTCCGATCTGAC(配列番号4))を
設計し、Thermo社のオリゴプライマー作成サービスによりプライマーを合成した。
鋳型DNA溶液および1stプライマーセットを含む総液量を20μlとした反応液をTaKaRa Ex
Taq HS kit (タカラバイオ社製)を用いて調製した。Veriti 200(Life Technologies社
製)により、94℃で3分の加熱後、94℃で30秒、50℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを30回行い、72℃で5分の加熱をするPCR反応を行った。得られたPCR産物をQIAXcel(QIAGEN社製)にて電気泳動し、バンドパターンを確認した。続いて、得られたPCR産物1μlを鋳型
とし、2ndプライマーセットを用いて上述した条件と同様にPCRを実施した。ただし、PCR
のサイクル数は30回ではなく8回とした。PCR産物はQIAquick 96 PCR Purification Kit(QIAGEN社製)にて精製を行い、Quant-iT PicoGreen dsDNA Assay kit(Life Technologies社製)にて濃度を測定した。同濃度のDNA溶液を混合したものをMiseq v3 Reagent kit(イルミナ社製)に供し、Miseqにてシークエンス解析を実施した。
得られたペアエンド配列はQIIME software(version 2.0)(http://qiime.org/)にて解析を実施し、各サンプルに含まれる腸内細菌の門、綱、目、科、属を特定し、更に門、網、目、科、属の各分類階級を基準とした腸内細菌の存在比率を決定した。95%以上の被
験者において検出された下記全21分類の細菌を以下の解析対象とした。
すなわち、Bifidobacterium属、Bacteroides属、Parabacteroides属、Prevotella属、Streptococcus属、Clostridiaceae科gen.、Clostridiales目fam.、Lachnospiraceae科[Ruminococcus]属、Lachnospiraceae科gen.、Blautia属、Coprococcus属、Dorea属、Lachnospiraceae科その他、Ruminococcaceae科gen.、Faecalibacterium属、Oscillospira属、Ruminococcus属、Clostridiales目その他、Erysipelotrichaceae科[Eubacterium]属、Erysipelotrichaceae科gen.、Sutterella属である。
〔実施例3:摂取栄養素又は摂取食品の解析〕
腸内細菌叢を解析した被験者には、便サンプルの提供と併せて、過去1ヶ月の食習慣に
関する「簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)」への回答をさせた。回答の解析は、株式会社ジェンダーメディカルリサーチ(EBNJAPAN)に委託した。栄養疫学的研究結果において結果の信頼性に問題がないとされている、下記の摂取栄養素(43項目)および摂取食品(58項目)に関する結果を解析に供した。なお、個人毎の摂取エネルギーにはばらつきがあるため、すべてのデータを1000kcalあたりのデータに換算した。
解析に供した前記43項目の栄養素は、エネルギー、たんぱく質、動物性たんぱく質、植物性たんぱく質、脂質、動物性脂質、植物性脂質、炭水化物、灰分、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、レチノール、βカロテン当量、レチノール当量、ビタミンD、αトコフェロール、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビタ
ミンC、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、コレステロール、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、総食物繊維、食塩相当量、アルコール、n−3系脂肪酸、n−6系脂肪酸である。
解析に供した前記58項目の食品は、低脂肪乳(*牛乳・ヨーグルト 低脂肪)、普通乳(*牛乳・ヨーグルト 普通・高脂肪)、鶏肉(*鶏肉)、豚肉・牛肉(*豚肉(ぶた肉)・牛肉)、ハム(*ハム・ソーセージ・ベーコン)、レバー(*レバー)、いか・たこ・えび・貝(*いか・たこ・えび・貝)、骨ごと魚(*骨ごと食べる魚)、ツナ缶(*ツナ缶)、干物(*魚の干物・塩蔵魚)、脂がのった魚(*脂が乗った魚)、脂が少ない魚(*脂が少なめの魚)、たまご(*たまご)、とうふ・油揚げ(*とうふ・油揚げ(豆乳など))、納豆(*納豆)、いも(*いも)、漬物(緑葉野菜)(*漬物 緑の濃い葉野菜)、漬物(その他)(*漬物 その他すべて)、生(レタス・キャベツ)(*生野菜 レタス・キャベツ千切り)、緑葉野菜(*緑の濃い葉野菜)、キャベツ(*キャベツ・白菜)、にんじん・かぼちゃ(*にんじん・かぼちゃ)、だいこん・かぶ(*だいこん・かぶ)、根菜(*その他の根菜すべて)、トマト(*トマト・トマトケチャップなど)、きのこ(*きのこ)、海草(*海草)、洋菓子(*洋菓子・クッキー・ビスケット)、和菓子(*和菓子)、せんべい(*せんべい・もち・お好み焼き)、アイスクリーム(*アイスクリーム)、柑橘類(*みかんなどの柑橘類)、かき・いちご(*かき・いちご・キウイ)、その他の果物(*その他すべての果物)、マヨネーズ(*マヨネーズ・ドレッシング)、パン(*パン)、そば(*そば)、うどん(*うどん・ひやむぎ・そうめん)、ラーメン(*らーめん・インスタントらーめん)、パスタ類(*スパゲティ・マカロニなど)、緑茶(*緑茶(お茶))、紅茶・ウーロン茶(*紅茶・ウーロン茶)、コーヒー(*コーヒー)、コーラ(*コーラ・ジュース)、100%ジュース(*100%果物ジュース・野菜ジュース)、砂糖(*コーヒー・紅茶の砂糖)、めし(*ごはん)、みそ汁(*みそ汁)、日本酒(*日本酒)、ビール(*ビール)、焼酎(*焼酎・酎ハイ・泡盛)、ウィスキー(*ウィスキー類)、ワイン(*ワイン)、めんスープ(*麺類のスープ・汁)、しょうゆ量(*しょうゆ・ソースの摂取量)、調理食塩、調理油、調理砂糖である。
〔実施例4:SNPと腸内細菌叢と摂取栄養素又は摂取食品との関係の解析〕
被験者1068名を、SNPの遺伝子型によって分類されるホモメジャーアレルグループ、ヘ
テログループ、ホモマイナーアレルグループの3グループに分類した。続いて、各グルー
プにおいて各腸内細菌叢における前記21分類の細菌の割合(ボックス−コックス変換により正規化したもの)と、摂取栄養素又は摂取食品との間で、SPSS(IBM社)を用いてピア
ソンの相関解析を実施した。その結果、次のように相関がみられた。
図1、図2に示すように、rs9290264で指定されるSNP(スクラーゼ−イソマルターゼ遺伝子のエクソン領域に存在するSNP)に関しては、ホモマイナーアレル群(A/A)のグループ(6人)で、総食物繊維摂取量とルミノコッカス(Ruminococcus)属細菌の割合との間
、および総食物繊維摂取量と Clostridiaceae科gen.に属する細菌の割合との間に正の相
関(それぞれ、相関係数R=0.943、0.943)があった。一方、ホモメジャーアレルグルー
プ(C/C)(856人)、ヘテログループ(C/A)(182人)では、総食物繊維摂取量とルミノコッカス(Ruminococcus)属細菌の割合との間の相関、および総食物繊維摂取量とClostridiaceae科gen.に属する細菌の割合との間の相関は小さかった。
図3に示すように、rs3754189で指定されるSNP(ラクターゼ遺伝子のエクソン領域に存在するSNP)に関しては、マイナーアレル群(A/A)のグループ(75人)で、乳製品摂取量(低脂肪乳(*牛乳・ヨーグルト 低脂肪)と普通乳(*牛乳・ヨーグルト 普通・高脂肪)の摂取量の合計値)とビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌の割合との
間に正の相関(相関係数R=0.311)があった。一方、ホモメジャーアレルグループ(G/G
)(529人)、ヘテログループ(G/A)(465人)では、乳製品摂取量(低脂肪乳(*牛乳
・ヨーグルト 低脂肪)と普通乳(*牛乳・ヨーグルト 普通・高脂肪)の摂取量の合計値)の摂取量とビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌の割合との間の相関は
小さかった。
図4に示すように、rs2276064で指定されるSNP(トレハラーゼ遺伝子のエクソン領域に存在するSNP)に関しては、マイナーアレル群(A/A)のグループ(285人)で、きのこ(
*きのこ)摂取量とフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属細菌の割合との間に正の相関(相関係数R= 0.274)があった。一方、ホモメジャーアレルグループ(G/G)(261人)、ヘテログループ(G/A)(522人)では、きのこ(*きのこ)摂取量とフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属細菌の割合との間の相関は小さかった。

Claims (6)

  1. ヒトのゲノムのSNP(一塩基多型)と、腸内細菌叢と、摂取栄養素又は摂取食品との関
    係を調べ、特定のSNPについて相関性が認められる腸内細菌と摂取栄養素又は摂取食品と
    の組み合わせを選択する、
    該SNPを有する対象に対して腸内細菌叢の改善に適した栄養素又は食品を選択する方法
  2. 前記SNPが、前記栄養素又は前記食品に由来する栄養素の消化もしくは吸収に関与する
    酵素又は輸送体をコードする遺伝子内に存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記酵素又は輸送体がスクラーゼ−イソマルターゼ、ラクターゼ、トレハラーゼ、マルターゼ−グルコアミラーゼ又はグルコーストランスポーターである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記SNPがrs9290264、rs3754189又はrs2276064で指定されるSNPである、請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の方法。
  5. ヒトのゲノムのSNP(一塩基多型)と、腸内細菌叢と、摂取栄養素又は摂取食品との関
    係についての情報を用意し、
    該情報に基づいて、特定のSNPを有する対象者に対して腸内細菌叢の改善のための食餌
    アドバイスを提供する方法。
  6. 下記のいずれか又は任意の2以上を含む、請求項5に記載の方法。
    i)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象者に
    おいて、存在することが好ましい細菌と正の相関を示す栄養素又は食品を、摂取すべき栄養素又は食品として提示する;
    ii)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象者
    において、存在することが好ましくない細菌と負の相関を示す栄養素又は食品を、摂取すべき栄養素又は食品として提示する;
    iii)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象
    者において、存在することが好ましい細菌と負の相関を示す栄養素又は食品を、摂取し過ぎることを控えた方がよい栄養素又は食品として提示する;及び
    iv)前記情報に基づいて、腸内細菌叢に含まれる細菌のうち、前記SNPを有する対象者
    において、存在することが好ましくない細菌と正の相関を示す栄養素又は食品を、摂取し過ぎることを控えた方がよい栄養素又は食品として提示する。
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