JP2021155349A - 腸内細菌叢改善用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】腸内細菌叢を改善する、より具体的にはクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合を減少させる方法を提供することを課題とする。【解決手段】ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)を有効成分として含有する、腸内細菌叢改善用組成物であって、前記菌叢改善は、クレブシエラ(Klebsiella)属細菌、ロティア(Rothia)属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合を減少させることを含む、組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)を有効成分と
して含有する、腸内細菌叢改善用組成物に関する。
ヒトの腸内には数多くの細菌が常在し、複雑な細菌叢(フローラ)を形成している。腸内細菌叢を構成する細菌のうち、いわゆる善玉菌は、腸管バリア機能、ビタミンの合成、外来病原菌の感染防御、免疫機能の増強等、ヒトに有益な働きをする。一方、いわゆる悪玉菌は、アンモニアやインドールのような腐敗産物や細菌毒素を産生し、大腸癌、動脈硬化、高血圧、肝臓障害、老化等の原因となる。また、乳幼児においては、クレブシエラ(Klebsiella)属細菌やロティア(Rothia)属細菌が、感染症の原因となることが報告されている。
腸内細菌叢は比較的安定した生態系となっているが、様々な因子の影響を受けて、その構成や活性が変化することもある。また、新生児、特に低出生体重児では腸内細菌叢が乱れており、それによる感染症の懸念が大きい。健康維持のためには、これら腸内細菌叢の細菌種のバランスが重要であることが近年明らかになってきている。
ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)は、近年プロバイオティ
クスのひとつとして注目されている(特許文献1等)。ビフィドバクテリウム・ブレーベを低出生体重児に投与すると、腸内で増殖し定着してビフィズス菌優位の腸内細菌叢が形成されることが報告されている(非特許文献1〜4)。
国際公開第2017/145415号
秋山和範ら、日本新生児学会雑誌 Vol.30: (1)、130-136、1994 秋山和範ら、日本新生児学会雑誌 Vol.30: (2)、257-262、1994 秋山和範ら、日本小児科学会雑誌 Vol.99: (8)、1436-1441、1995 井村総一、日本未熟児新生児学会雑誌 Vol.11: (1)、1-8、1999
腸内細菌叢を改善することの要請は高く、またそのための有効成分は種々提案されているが、クレブシエラ属細菌やロティア属細菌等の感染症の原因菌を腸内で減少させる成分は見出されていない。
かかる状況に鑑み、本発明は、腸内細菌叢を改善する、より具体的にはクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合を減少させる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ビフィドバクテリウム・ブレーベを投与した新生児において、クレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合が減少することを見出した。そして、ビフィドバクテリウム・ブレーベが腸内細菌叢改善用の組成物の有効成分となり得ることに想到し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)を有効成分として含有する、腸内細菌叢改善用組成物であって、前記菌叢改善は、
クレブシエラ(Klebsiella)属細菌、ロティア(Rothia)属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合を減少させることを含む、組成物である。
本態様において好ましくは、前記ビフィドバクテリウム・ブレーベは、ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V(NITE BP−02622)である。
本態様において好ましくは、前記菌叢改善は、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌の腸内細菌叢における存在割合を増加させることをさらに含む。
本態様において好ましくは、腸内細菌叢の改善が1ヶ月以上持続する。
本態様において好ましくは、前記腸内細菌叢は、少なくともクレブシエラ(Klebsiella)属細菌、ロティア(Rothia)属細菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細
菌、エンテロコッカス(Enterococcus)属細菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)
属細菌、エシェリヒア(Escherichia)属細菌、スタフィロコッカス(Staphylococcus)
属細菌、ラクトバチルス(Lactobacillus)属細菌、ツリシバクター(Turicibacter)属
細菌、クロストリジウム(Clostridium)属細菌、ルミノコッカス(Ruminococcus)属細
菌、ベイロネラ(Veillonella)属細菌、バクテロイデス(Bacteroides)属細菌、パラバクテロイデス(Parabacteroides)属細菌、及びラクトコッカス(Lactococcus)属細菌を含む。
本態様の組成物は、好ましくは飲食品である。
本態様の組成物は、好ましくは医薬品である。
本発明の別の態様は、腸内細菌叢改善用組成物の製造における、ビフィドバクテリウム・ブレーベの使用であって、前記菌叢改善は、クレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合を減少させることを含む、使用である。
本発明の別の態様は、腸内細菌叢改善における、ビフィドバクテリウム・ブレーベの使用であって、前記菌叢改善は、腸内細菌叢におけるクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の存在割合を減少させることを含む、使用である。
本発明の別の態様は、腸内細菌叢改善のために用いられる、ビフィドバクテリウム・ブレーベであって、前記菌叢改善は、腸内細菌叢におけるクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の存在割合を減少させることを含む、ビフィドバクテリウム・ブレーベである。
本発明の別の態様は、ビフィドバクテリウム・ブレーベを動物に投与することを含む、腸内細菌叢を改善する方法であって、前記菌叢改善は、腸内細菌叢におけるクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の存在割合を減少させることを含む、方法である。
本発明によれば、クレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合を減少させ、腸内細菌叢を改善することができる。また、ビフィドバクテリウム・ブレーベは腸内において増殖し定着するため、前記改善効果が長期に持続することが期待される。
投与終了1ヶ月後の糞便中のビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V菌数を示すグラフ。
次に、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されず、本発
明の範囲内で自由に変更することができるものである。
本発明の組成物は、ビフィドバクテリウム・ブレーベの菌体を有効成分として含有する。
本発明の組成物に含有し得るビフィドバクテリウム・ブレーベとしては、本発明の効果を奏し得る限り、特に制限されない。具体的には、M−16V(NITE BP−026
22)、FERM BP−11175、ATCC 15700、B632(DSMZ 24
706)、BB99(DSM 13692)、ATCC 15698、DSM 24732
、UCC2003、YIT4010、YIT4064、BBG−001、BR−03、C50、R0070等が挙げられる。これらの細菌は、例えば、American Type Culture Collection(ATCC, Address: 12301 Parklawn Drive, Rockville, Maryland 20852 P.O. Box 1549, Manassas, VA 20108, United States of America)、Belgian Coordinated Collections of Microorganisms(BCCM, Address: Rue de la Science 8, 1000 Brussels, Belgium)、又は各細菌が寄託された寄託機関から入手することができる。
本発明の組成物に含有し得るビフィドバクテリウム・ブレーベは、一種の株でもよく、二種又はそれ以上の株でもよい。
本発明の組成物に含有し得るビフィドバクテリウム・ブレーベは、ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16Vが特に好ましい。
ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16Vは、2018年1月26日付で、独立行
政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292−0818 千葉県木更
津市かずさ鎌足2−5−8 122号室)に、受託番号NITE BP−02622で、ブダペスト条約に基づく国際寄託がなされている。
なお、上記例示した細菌名で特定される細菌には、当該細菌名で所定の機関に寄託や登録がなされている株そのもの(以下、説明の便宜上、「寄託株」ともいう)に限られず、それと実質的に同等な株(「派生株」または「誘導株」ともいう)も包含される。すなわち、例えば、「ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V」には、受託番号NITE BP−02622の寄託番号で上記寄託機関に寄託されている株そのものに限られず、それと実質的に同等な株も包含される。各細菌について、「上記寄託株と実質的に同等の株」とは、上記寄託株と同一の種に属し、腸内細菌叢改善効果が得られ、さらにその16SrRNA遺伝子の塩基配列が、上記寄託株の16SrRNA遺伝子の塩基配列に対して、好ましくは99.86%以上、より好ましくは99.93%以上、さらに好ましくは100%の同一性を有し、かつ、好ましくは上記寄託株と同一の菌学的性質を有する株をいう。各細菌について、上記寄託株と実質的に同等の株は、例えば、当該寄託株を親株とする派生株であってよい。派生株としては、寄託株から育種された株や寄託株から自然に生じた株が挙げられる。育種方法としては、遺伝子工学的手法による改変や、突然変異処理による改変が挙げられる。突然変異処理としては、X線の照射、紫外線の照射、ならびにN−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、エチルメタンスルフォネート、およ
びメチルメタンスルフォネート等の変異剤による処理が挙げられる。寄託株から自然に生じた株としては、寄託株の使用の際に自然に生じた株が挙げられる。そのような株としては、寄託株の培養(例えば継代培養)により自然に生じた変異株が挙げられる。派生株は、一種の改変により構築されてもよく、二種またはそれ以上の改変により構築されてもよい。
本発明の組成物に含有し得るビフィドバクテリウム・ブレーベの菌体としては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。
市販品としては、例えば、森永乳業社製の「ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−1
6V」が挙げられる。
また、本発明の組成物に含有し得るビフィドバクテリウム・ブレーベの菌体は、前述の
ビフィドバクテリウム・ブレーベを培養することにより容易に取得することができる。培養方法は、ビフィドバクテリウム・ブレーベが増殖できる限り、特に制限されない。培養方法としては、例えば、ビフィドバクテリウム・ブレーベの培養に通常用いられる方法を、そのまま、あるいは適宜修正して、用いることができる。培養温度は、例えば、25〜50℃であってよく、35〜42℃であることが好ましい。培養は、好ましくは嫌気条件下で実施することができ、例えば、炭酸ガス等の嫌気ガスを通気しながら実施することができる。また、培養は、液体静置培養等の微好気条件下で実施することもできる。培養は、例えば、ビフィドバクテリウム・ブレーベが所望の程度に増殖するまで実施することができる。
培養に用いる培地は、ビフィドバクテリウム・ブレーベが増殖できる限り、特に制限されない。培地としては、例えば、ビフィドバクテリウム・ブレーベの培養に通常用いられる培地を、そのまま、あるいは適宜修正して、用いることができる。すなわち、炭素源としては、例えば、ガラクトース、グルコース、フルクトース、マンノース、セロビオース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デンプン、デンプン加水分解物、廃糖蜜等の糖類を資化性に応じて用いることができる。窒素源としては、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等のアンモニウム塩類や硝酸塩類を用いることができる。また、無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マンガン、硫酸第一鉄等を用いることができる。また、ペプトン、大豆粉、脱脂大豆粕、肉エキス、酵母エキス等の有機成分を用いてもよい。また、ビフィドバクテリウム・ブレーベの培養に通常用いられる培地として、具体的には、強化クロストリジア培地(Reinforced Clostridial medium)、MRS培地(de Man, Rogosa, and Sharpe medium)、mMRS培地(modified MRS medium)、TOSP培地(TOS propionate medium)、TOSP Mup培地(TOS propionate mupirocin medium)が挙げられる。
本発明の組成物に含有し得るビフィドバクテリウム・ブレーベとしては、ビフィドバクテリウム・ブレーベの菌体またはそれを含有する画分を、特に制限されず用いることができる。すなわち、ビフィドバクテリウム・ブレーベとしては、例えば、培養により得られた培養物をそのまま用いてもよく、培養物を希釈又は濃縮して用いてもよく、培養物から回収した菌体を用いてもよい。また、腸内細菌叢改善効果を損なわない限り、加熱や凍結乾燥等の種々の追加操作を培養後に行うことができる。追加操作は、菌体の生残性が高いものであるのが好ましい。すなわち、本発明の組成物に含有し得るビフィドバクテリウム・ブレーベとして、具体的には、ビフィドバクテリウム・ブレーベの培養物、又は前記培養物から回収した菌体、それらの処理物が挙げられ、前記処理物としては希釈物、濃縮物、又は乾燥物等が挙げられる。なお、菌体は、通常は生菌体を含有する形態で使用されるのが好ましい。菌体は、例えば、生菌体からなるものであってもよく、生菌体と死菌体の混合物であってもよい。
本発明の組成物におけるビフィドバクテリウム・ブレーベの含有量は、例えば、1×10cfu/g以上、1×10cfu/g以上、1×10cfu/g以上、または1×10cfu/g以上であってもよく、1013cfu/g以下、1012cfu/g以下、又は1×1011cfu/g以下であってもよく、それらの組み合わせの範囲であってもよい。また、本発明の組成物におけるビフィドバクテリウム・ブレーベの含有量は、例えば、1×10cfu/mL以上、1×10cfu/mL以上、1×10cfu/mL以上、または1×10cfu/mL以上であってもよく、1013cfu/mL以下、1012cfu/mL以下、または1×1011cfu/mL以下であってもよく、それらの組み合わせの範囲であってもよい。本発明の組成物におけるビフィドバクテリウム・ブレーベの含有量は、具体的には、例えば、1×10〜1×1013cfu/gまたは1×10〜1×1013cfu/mLであってもよく、1×10〜1×10
12cfu/gまたは1×10〜1×1012cfu/mLであってもよく、1×10〜1×1011cfu/gまたは1×10〜1×1011cfu/mLであってもよい。
また、本発明の組成物が後述の飲食品である場合におけるビフィドバクテリウム・ブレーベの含有量は、例えば、1×10〜1×1013cfu/gまたは1×10〜1×1013cfu/mLであることが好ましく、1×10〜1×1011cfu/gまたは1×10〜1×1011cfu/mLであることがより好ましい。
また、本発明の組成物が後述の飼料である場合におけるビフィドバクテリウム・ブレーベの含有量は、例えば、本発明の組成物に、1×10〜1×1012cfu/gまたは1×10〜1×1012cfu/mLであることが好ましく、1×10〜1×1011cfu/gまたは1×10〜1×1011cfu/mLであることがより好ましい。
また、本発明の組成物が後述の医薬品である場合におけるビフィドバクテリウム・ブレーベの含有量は、例えば、本発明の組成物に、1×10〜1×1013cfu/gまたは1×10〜1×1013cfu/mLであることが好ましく、1×10〜1×1011cfu/gまたは1×10〜1×1011cfu/mLであることがより好ましい。
なお、「cfu」は、colony forming unit(コロニー形成単位)を表す。
本発明の組成物は、腸内細菌叢を改善させるために用いられる。ここで、「菌叢改善」とは、クレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合を減少させることを含む。また、「菌叢改善」は、クレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合が減少する限りにおいて、他の悪玉菌の腸内細菌叢における存在割合を減少させることを含んでもよい。他の悪玉菌としては、ウェルシュ菌、サルモネラ属細菌、黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌等が挙げられる。
前記「存在割合」は、腸内細菌叢において検出された菌群全体に対する「占有率」とも言い換えることができる。
本発明において好ましくは、前記腸内細菌叢は、少なくともクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、ビフィドバクテリウム属細菌、エンテロコッカス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、エシェリヒア属細菌、スタフィロコッカス属細菌、ラクトバチルス属細菌、ツリシバクター属細菌、クロストリジウム属細菌、ルミノコッカス属細菌、ベイロネラ属細菌、バクテロイデス属細菌、パラバクテロイデス属細菌、及びラクトコッカス属細菌を含む。
したがって、本発明の好ましい態様において、少なくともクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、ビフィドバクテリウム属細菌、エンテロコッカス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、エシェリヒア属細菌、スタフィロコッカス属細菌、ラクトバチルス属細菌、ツリシバクター属細菌、クロストリジウム属細菌、ルミノコッカス属細菌、ベイロネラ属細菌、バクテロイデス属細菌、パラバクテロイデス属細菌、及びラクトコッカス属細菌に対する、クレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の存在割合(占有率)が減少していれば、腸内細菌叢における存在割合が減少しているとみなされる。
ここで、存在割合が減少する細菌は、クレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌である。また、存在割合が減少する細菌は、クレブシエラ属、又はロティア属に属する一部の種又は株であってもよい。
前記細菌の腸内細菌叢における存在割合の減少は、ビフィドバクテリウム・ブレーベによる前記細菌の増殖抑制作用、及び/又は前記細菌の腸内定着抑制作用を含む作用によるものと考えられる。
本発明において好ましくは、「菌叢改善」は、ビフィドバクテリウム属細菌の腸内細菌叢における存在割合を増加させることをさらに含む。ここでいう「存在割合」は前述の定義と同じである。
本発明の好ましい態様において、少なくともクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、ビフィドバクテリウム属細菌、エンテロコッカス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、エシェリヒア属細菌、スタフィロコッカス属細菌、ラクトバチルス属細菌、ツリシバクター属細菌、クロストリジウム属細菌、ルミノコッカス属細菌、ベイロネラ属細菌、バクテロイデス属細菌、パラバクテロイデス属細菌、及びラクトコッカス属細菌に属する細菌に対する、ビフィドバクテリウム属細菌の存在割合(占有率)が増加していれば、腸内細菌叢における存在割合が増加しているとみなされる。
ここで、存在割合が増加する細菌は、ビフィドバクテリウム属細菌であり、ビフィドバクテリウム属に属する一部の種又は株であってもよい。
ビフィドバクテリウム属細菌としては、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス、ビフィドバクテリウム・ビヒダム、ビフィドバクテリウム・カテニュラータム、ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム等が挙げられる。好ましい態様においては、本発明の組成物が含有するビフィドバクテリウム・ブレーベに限らず、他のビフィドバクテリウム属細菌もその存在割合が増加し得る。
本発明において好ましくは、腸内細菌叢の改善は1ヶ月以上持続する。前記改善効果が持続することは、本発明の組成物が含有するビフィドバクテリウム属細菌が腸内に定着して、投与(摂取)1ヶ月以上が経過した後も腸内細菌叢から1.0×10cells/
糞便g以上検出されることにより確認される。
本発明の組成物による腸内細菌叢改善効果により、投与された(摂取した)対象では、例えば、敗血症等のクレブシエラ属細菌又はロティア属細菌に起因する感染症が予防されうる。また、例えば、腸内での酢酸産生量の増加、腸内での大腸菌などの細菌の増加抑制、整腸、便秘解消、腸管バリア機能の向上、腸管の炎症の抑制、過敏性腸症候群(IBS)
や潰瘍性大腸炎(UC)の症状の軽減や緩和や改善、食物繊維の代謝改善、免疫機能の正常な発達、乳児期におけるアトピー性湿疹症状の改善等の効果も得られうる。
本発明の組成物を投与する(摂取させる)対象は、動物であれば特に限定されないが、ヒトが好ましい。また、成人、小児、乳児、新生児(低体重児を含む)等のいずれであってもよい。
本発明の別の側面は、腸内細菌叢改善用組成物の製造における、ビフィドバクテリウム・ブレーベの使用であって、前記菌叢改善は、クレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合を減少させることを含む、使用である。
本発明の別の側面は、腸内細菌叢改善における、ビフィドバクテリウム・ブレーベの使用であって、前記菌叢改善は、腸内細菌叢におけるクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の存在割合を減少させることを含む、使用である。
本発明の別の側面は、腸内細菌叢改善のために用いられる、ビフィドバクテリウム・ブレーベであって、前記菌叢改善は、腸内細菌叢におけるクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の存在割合を減少させることを含む、ビフィドバクテリウム・ブレーベである。
本発明の別の側面は、ビフィドバクテリウム・ブレーベを動物に投与することを含む、腸内細菌叢を改善する方法であって、前記菌叢改善は、腸内細菌叢におけるクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の存在割合を減少させることを含む、方法である。なお、「ビフィドバクテリウム・ブレーベを動物に投与すること」は、「動
物にビフィドバクテリウム・ブレーベを動物に摂取させること」と同義であってよい。摂取は、自発的なもの(自由摂取)であってもよく、強制的なもの(強制摂取)であってもよい。すなわち、投与工程は、具体的には、例えば、ビフィドバクテリウム・ブレーベを飲食品や飼料に配合して対象に供給し、以て対象にビフィドバクテリウム・ブレーベを自由摂取させる工程であってもよい。
本発明の組成物の摂取(投与)時期は、特に限定されず、投与対象の状態に応じて適宜選択することが可能である。
本発明の組成物の摂取(投与)量は、摂取(投与)対象の年齢、性別、状態、その他の条件等により適宜選択される。
本発明の組成物の摂取(投与)量は、ビフィドバクテリウム・ブレーベの摂取量として、例えば、2×10cfu/kg/日以上、2×10cfu/kg/日以上、または2×10cfu/kg/日以上であってもよく、1×1012cfu/kg/日以下、1×1011cfu/kg/日以下、または1×1010cfu/kg/日以下であってもよく、それらの組み合わせの範囲であってもよい。具体的には、ビフィドバクテリウム・ブレーベの摂取量として、例えば、2×10cfu/kg/日〜1×1012cfu/kg/日であることが好ましく、2×10cfu/kg/日〜1×1011cfu/kg/日であることがより好ましく、2×10cfu/kg/日〜1×1010cfu/kg/日であることがさらに好ましい。
なお、摂取(投与)の量や期間にかかわらず、本発明の組成物は1日1回又は複数回に分けて投与することができる。
本発明の組成物の摂取(投与)経路は、経口又は非経口のいずれでもよいが経口が好ましい。また、非経口摂取(投与)としては、経皮、静注、直腸投与、吸入等が挙げられる。
本発明の組成物を経口摂取される組成物とする場合は、飲食品の態様とすることが好ましい。
飲食品としては、本発明の効果を損なわず、経口摂取できるものであれば形態や性状は特に制限されず、ビフィドバクテリウム・ブレーベを含有させること以外は、通常飲食品に用いられる原料を用いて通常の方法によって製造することができる。
飲食品としては、液状、ペースト状、ゲル状固体、粉末等の形態を問わず、例えば、錠菓;流動食(経管摂取用栄養食);パン、マカロニ、スパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品;即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープ・シチュー、即席みそ汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズ・ドライ食品、その他の即席食品等の即席食品類;農産缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物、煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)等の農産加工品;水産缶詰め、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等の水産加工品;畜産缶詰め・ペースト類、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品;加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料類、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリーム、その他の乳製品等の乳・乳製品;バター、マーガリン類、植物油等の油脂類;しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類等の基礎調味料;調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その他の複合調味料等の複合調味料・食品類;素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等の冷凍食品;キャラメル、キャンディー、チューインガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、デザート菓子、ゼリー、その他の菓子などの菓子類;炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼
飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等の嗜好飲料類、ベビーフード、ふりかけ、お茶潰けのり等のその他の市販食品等;育児用調製粉乳;経腸栄養食;機能性食品(特定保健用食品、栄養機能食品)等が挙げられる。
また、飲食品の一態様として飼料とすることもできる。飼料としては、ペットフード、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
飼料の形態としては特に制限されず、ビフィドバクテリウム・ブレーベの他に例えば、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦、マイロ等の穀類;大豆油粕、ナタネ油粕、ヤシ油粕、アマニ油粕等の植物性油粕類;フスマ、麦糠、米糠、脱脂米糠等の糠類;コーングルテンミール、コーンジャムミール等の製造粕類;魚粉、脱脂粉乳、ホエイ、イエローグリース、タロー等の動物性飼料類;トルラ酵母、ビール酵母等の酵母類;第三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の鉱物質飼料;油脂類;単体アミノ酸;糖類等を含有するものであってよい。
本発明の組成物が飲食品(飼料を含む)の態様である場合、腸内細菌叢改善という用途が表示された飲食品として提供・販売されることが可能である。また、本明細書に係るビフィドバクテリウム・ブレーベは、これら飲食品等の製造のために使用可能である。
かかる「表示」行為には、需要者に対して前記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、前記用途を想起・類推させうるような表現であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、全て本発明における「表示」行為に該当する。
また、「表示」は、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により行われることが好ましい。具体的には、飲食品に係る商品又は商品の包装に前記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為等が挙げられる。
一方、表示内容としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示等)であることが好ましい。また、そのような表示内容を、包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等へ付することが好ましい。
また、「表示」には、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、医薬用部外品等としての表示も挙げられる。この中でも特に、消費者庁によって認可される表示、例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、若しくは機能性表示食品に係る制度、又はこれらに類似する制度にて認可される表示等が挙げられる。具体的には、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク減少表示、科学的根拠に基づいた機能性の表示等を挙げることができ、より具体的には、健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令(平成二十一年八月三十一年内閣府令第五十七号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)及びこれに類する表示が典型的な例である。
かかる表示としては、例えば、「腸内細菌叢の改善用」、「腸内フローラのバランスを良くしたい方に」、「感染症予防のために」等と表示することが挙げられる。
本発明の組成物は、医薬品の態様とすることもできる。
医薬品の投与経路は、経口又は非経口のいずれでもよいが経口が好ましい。また、非経
口摂取(投与)としては、経皮、静注、直腸投与、吸入等が挙げられる。
医薬品の形態としては、投与方法に応じて、適宜所望の剤形に製剤化することができる。例えば、経口投与の場合、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の固形製剤;溶液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤等の液剤等に製剤化することができる。また、非経口投与の場合、座剤、軟膏剤、注射剤等に製剤化することができる。
製剤化に際しては、ビフィドバクテリウム・ブレーベの他に、通常製剤化に用いられている賦形剤、pH調整剤、着色剤、矯味剤等の成分を用いることができる。また、他の薬効成分や、公知の又は将来的に見出される腸内細菌叢改善作用を有する成分や、抗生剤等の他の医薬を併用することも可能である。
加えて、製剤化は剤形に応じて適宜公知の方法により実施できる。製剤化に際しては、適宜、通常製剤化に用いる担体を配合して製剤化してもよい。かかる担体としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体;硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マクロゴール等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又はセルロース誘導体等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ピーガム、ゲイロウ等のワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸塩類;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪酸類;デンプン誘導体等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;塩化ベンザルコニウム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられる。
矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。
なお、経口投与用の液剤の場合に使用する担体としては、水等の溶剤等が挙げられる。
本発明の医薬品を摂取するタイミングは、例えば食前、食後、食間、就寝前など特に限定されない。
以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
在胎期間25〜37週で出生した出生体重1500g未満の極低出生体重児22名を被験者として試験を実施した。全被験者のうち12名(M−16V群)には、出生から退院するまでの1〜4ヶ月間、ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V(森永乳業社製
)を1日10億個投与した。全被験者のうち10名(対照群)にはビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16Vを投与しなかった。
退院後1ヶ月経過後に、各被験者から糞便サンプルを採取した。おむつに排泄された糞便の一部を採便管に回収し、冷凍保存した。後日に研究室に移し、その時点でディープフリーザーに入れ、−80℃で解析日まで保管した。
各糞便サンプルから、Sugaharaら(Sugahara , H., et al., Biosci. Microbiota. Food. Health. 2015,34:87-93)の方法にしたがってDNAを抽出した。
前記抽出DNAの増幅及びIllumina Miseq(Illumina, Inc., San Diego, CA, USA)によるシークエンス解析を、Odamakiら(Odamaki, T., et al., Sci. Rep. 2018, 8:85)の方法にしたがって行った。
得られたペアエンド配列より、Genome Reference Consortium human build 38 (GRCh38)およびphiXと一致する配列を除去した後、以下の通りQIIME2ソフトウェア(version 2017.10 (https://qiime2.org/))による菌叢解析を行った。DADA2パイプラインにて、フォ
ワード配列の3’側30塩基およびリバース配列の3’側90塩基の配列のトリミングと、エラー配列の除去を行った。Greengenes13.8を訓練データとしたNaive Bayes classifierアルゴリズムを用いて99%の相同性を有する配列ごとをOTU(Operational Taxonomy Unit)とし、系統分類の推定を行った。
以下の手順で、各糞便サンプル中のビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16Vの菌
数を定量した。表1に記載の組成の定量PCR反応液を調製した。プライマー1及びプライマー2はそれぞれ配列番号1及び2に示す塩基配列のDNAである。Applied Biosystems7500リアルタイムPCRシステム(Thermo Fisher SCIENTIFIC社)を用いて、95℃20秒間加温後、変性95℃3秒、アニーリング/伸長60℃30秒、40サイクルの条件で、リアルタイムPCRを行った。検量線用鋳型DNAとしては、ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16VのDNA(1.71×10〜1.71×10コピー/μL)
を用いた。なお、検出限界値は10コピー/g糞便である。
Figure 2021155349
糞便サンプルの細菌叢における検出菌群の占有率、及び糞便サンプル中のビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16Vの菌数について、SPSS(IBM社製)を用いる統計
解析によりM−16V群と対照群とで群間比較した。検定は、マン・ホイットニーのU検定にて行った。
投与終了1ヶ月後の糞便サンプルの細菌叢における検出菌群の占有率についての群間比較の結果を表2に示す。M−16V群では対照群と比較して、Bifidobacterium属細菌の
占有率が有意に高い一方、Klebsiella属細菌とRothia属細菌については占有率が有意に低かった。
Figure 2021155349
投与終了1ヶ月後の糞便サンプル中のビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16Vの
菌数についての群間比較の結果を図1に示す。投与終了後1ヶ月経過した時点においても
、M−16V群12名中10名の被験者からビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16
Vが検出され、腸内にビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16Vが定着していること
が確認された。一方、対照群からはビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16Vは検出
されなかった。なお、M−16V群では、Bifidobacterium属細菌のうちビフィドバクテ
リウム・ブレーベも、ビフィドバクテリウム・ブレーベ以外の細菌(ビフィドバクテリウム・ロンガムおよびビフィドバクテリウム・カテニュラータム)も、対照群に比べて高い菌数が認められた。

Claims (11)

  1. ビフィドバクテリウム・ブレーベを有効成分として含有する、腸内細菌叢改善用組成物であって、
    前記菌叢改善は、クレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合を減少させることを含む、組成物。
  2. 前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16
    V(NITE BP−02622)である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記菌叢改善が、ビフィドバクテリウム属細菌の腸内細菌叢における存在割合を増加させることをさらに含む、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 腸内細菌叢の改善が1ヶ月以上持続する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記腸内細菌叢は、少なくともクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、ビフィドバクテリウム属細菌、エンテロコッカス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、エシェリヒア属細菌、スタフィロコッカス属細菌、ラクトバチルス属細菌、ツリシバクター属細菌、クロストリジウム属細菌、ルミノコッカス属細菌、ベイロネラ属細菌、バクテロイデス属細菌、パラバクテロイデス属細菌、及びラクトコッカス属細菌を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 飲食品である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 医薬品である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 腸内細菌叢改善用組成物の製造における、ビフィドバクテリウム・ブレーベの使用であって、
    前記菌叢改善は、クレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の腸内細菌叢における存在割合を減少させることを含む、使用。
  9. 腸内細菌叢改善における、ビフィドバクテリウム・ブレーベの使用であって、
    前記菌叢改善は、腸内細菌叢におけるクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の存在割合を減少させることを含む、使用。
  10. 腸内細菌叢改善のために用いられる、ビフィドバクテリウム・ブレーベであって、
    前記菌叢改善は、腸内細菌叢におけるクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の存在割合を減少させることを含む、ビフィドバクテリウム・ブレーベ。
  11. ビフィドバクテリウム・ブレーベを動物に投与することを含む、腸内細菌叢を改善する方法であって、
    前記菌叢改善は、腸内細菌叢におけるクレブシエラ属細菌、ロティア属細菌、又はそれらの両方の細菌の存在割合を減少させることを含む、方法。
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