JP2020014066A - 受信機および受信機のノイズ低減方法 - Google Patents
受信機および受信機のノイズ低減方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】受信状況に応じた適切なノイズ除去を行うことができる受信機および受信機のノイズ低減方法を提供すること。【解決手段】実施形態に係る受信機は、分離部と、変更部とを備える。分離部は、受信信号を直交復調してI信号とQ信号とに分離する。変更部は、I信号およびQ信号に含まれるノイズを低減する適応フィルタのフィルタ係数の更新に使用する誤差信号の算出処理をI信号とQ信号との相関度に応じて変更する。【選択図】図5
Description
開示の実施形態は、受信機および受信機のノイズ低減方法に関する。
従来、AM(Amplitude Modulation)変調された受信信号(ラジオ放送波)を直交復調することで、受信信号をI信号(同相成分)およびQ信号(直交成分)に分離し、Q信号を用いてI信号からノイズを除去する受信機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来の受信機では、受信状況によっては適切なノイズ除去を行うことができない場合がある。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、受信状況に応じた適切なノイズ除去を行うことができる受信機および受信機のノイズ低減方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る受信機は、分離部と、変更部とを備える。分離部は、受信信号を直交復調してI信号とQ信号とに分離する。変更部は、前記I信号および前記Q信号に含まれるノイズを低減する適応フィルタのフィルタ係数の更新に使用する誤差信号の算出処理を前記I信号と前記Q信号との相関度に応じて変更する。
実施形態の一態様に係る受信機および受信機のノイズ低減方法は、受信状況に応じた適切なノイズ除去を行うことができる。
以下、添付図面を参照して、受信機および受信機のノイズ低減方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、実施形態に係る受信機1の構成の一例を示すブロック図である。
ここでは、実施形態に係る受信機1が車両に搭載されてAM(Amplitude Modulation)変調されたラジオ放送波(以下、受信信号という。)を受信する車載ラジオ受信装置である場合を例に挙げて説明する。なお、受信機1は、車載ラジオ受信装置に限定されるものではなく、AM変調された信号を受信可能な他の通信機器であってもよい。
図1に示すように、受信機1は、RF(Radio Frequency)/IF(Intermediate Frequency)部2と、A(Analog)/D(Digital)変換部3と、検波部4と、ノイズ除去装置5と、出力部6とを備える。また、受信機1には、アンテナ20が接続される。
アンテナ20は、様々なラジオ放送局から送信される複数の信号を受信する。アンテナ20によって受信される受信信号には、所定周波数(たとえば、RF帯)の搬送波、音声信号である信号波およびノイズ等が含まれる。
RF/IF部2は、アンテナ20によって受信した受信信号から受信すべき放送波の信号を抽出して増幅し、高周波信号(RF信号)増幅回路や、中間周波信号(IF信号)増幅回路等により構成され、その処理信号であるIF信号はA/D変換部3に出力される。
A/D変換部3は、RF/IF部2から入力されたアナログのIF信号をデジタルのIF信号に変換する。
検波部4は、A/D変換部3から入力されたIF信号を直交復調し、I信号およびQ信号に分離する分離部として機能する。検波部4は、搬送波と同じ周波数と位相の正弦波と、IF信号とをミキサで混合することで、IF信号からI信号を分離する。
また、検波部4は、搬送波と同じ周波数の正弦波の位相から90度ずらされた直交正弦波と、IF信号とをミキサで混合することで、IF信号からQ信号を分離する。ノイズ除去装置5には、検波部4からI信号およびQ信号が入力される。
ノイズ除去装置5は、入力されるI信号およびQ信号に含まれるノイズを適応フィルタによって低減し、I信号からQ信号を差し引いた出力信号を出力部6へ出力する。出力部6は、ノイズ除去装置5から出力された出力信号をアナログ信号に変換し、スピーカ等の外部装置へ出力する。
ここで、ノイズ除去装置5は、受信信号に対して一様な適応フィルタ処理を行うだけでは、受信状況に応じた適切なノイズ除去を行うことができない。このため、ノイズ除去装置5は、第1適応フィルタ処理および第2適応フィルタ処理という2種類のフィルタ処理が可能な構成を備える。
第1適応フィルタ処理および第2適応フィルタ処理は、I信号およびQ信号に含まれるノイズを低減する適応フィルタのフィルタ係数の更新に使用する誤差信号の算出処理の内容が異なる。
第1適応フィルタ処理では、例えば、Q信号にフィルタ係数を乗じてI信号との差分をとることで誤差信号を算出する。一方、第2適応フィルタ処理では、例えば、I信号にフィルタ係数を乗じてQ信号との差分をとることで誤差信号を算出する。
ただし、第1適応フィルタ処理および第2適応フィルタ処理には、それぞれにメリットとデメリットとがある。ここで、図2〜図4を参照し、第1適応フィルタ処理および第2適応フィルタ処理の特性について説明する。
図2は、実施形態に係る第1適応フィルタ処理および第2適応フィルタ処理の特性の説明図である。図3および図4は、実施形態に係る受信信号のI信号、Q信号、および相関度の一例を示す説明図である。
図2に示すように、受信機1の受信状況としては、例えば、弱電界、ノイズ周波数≒変調周波数、SFN(Single Frequency Network)、および温度変化大等の状況がある。ここでの弱電界は、受信信号の信号レベルが比較的低い状況のことである。
また、ノイズ周波数≒変調周波数は、受信信号に含まれるノイズの周波数が受信信号の変調周波数と非常に近い状況のことである。SFNは、受信機1が同一のAM放送の電波を複数の中継局から時間差で受信する状況のことである。また、温度変化大は、例えば、受信機1が搭載される車両の走行状況によって受信機1の温度が急激に変化(例えば、上昇)する状況のことである。
第1適応フィルタ処理は、弱電界の状況では、フロアノイズが増加する等の問題があるが、ノイズ周波数≒変調周波数、SFN、および温度変化大の状況では適切なノイズ除去を行うことができる。
一方、第2適応フィルタ処理は、ノイズ周波数≒変調周波数、SFN、および温度変化大の状況ではビートノイズを適切に除去できない場合があるが、弱電界の状況では、適切なノイズ除去を行うことができる。
このため、ノイズ除去装置5は、弱電界の状況では、受信信号に対して第2適応フィルタ処理を行い、ノイズ周波数≒変調周波数、SFN、および温度変化大の状況では、受信信号に対して第1適応フィルタ処理を行う。
具体的には、受信機1は、例えば、弱電界の状況で受信信号を受信する場合、図3の(a)に示すように、AM放送で使用される7.5kHz以下の周波数帯域(以下、「AM周波数帯域」と記載する)の全体に分布するI信号を検出する。また、かかる場合に、受信機1は、図3の(b)に示すように、ビートノイズの周波数f1近傍の周波数帯域にだけピークが現れるQ信号を検出する。
このため、図3の(c)に示すように、I信号とQ信号の相関度(例えば、コヒーレンス)は、周波数f1近傍の周波数帯域だけ高い値となり、それ以外の帯域では非常に低い値となる。その結果、AM周波数帯域全体でのコヒーレンスの平均値は、比較的低い値となる。
これに対して、受信機1は、例えば、SFNの状況で受信信号を受信する場合、図4(a)に示すように、AM周波数帯域全体に分布するI信号を検出する。また、かかる場合に、受信機1は、図4の(b)に示すように、AM周波数帯域全体に分布し、I信号のレベルが低下する周波数帯域f2〜F3、f4〜f5でレベルが高く、それ以外の帯域ではレベルが低いQ信号を検出する傾向がある。
このため、図4の(c)に示すように、I信号とQ信号の相関度(例えば、コヒーレンス)は、I信号のレベルが低下する周波数帯域f2〜F3、f4〜f5で高くなる傾向がある。
その結果、AM周波数帯域全体でのコヒーレンスの平均値は、弱電界の状況よりも高い値となる傾向がある。そして、かかる傾向は、ノイズ周波数≒変調周波数の状況および温度変化大の状況でも現れる。
そこで、ノイズ除去装置5は、例えば、AM周波数帯域の各周波数毎にI信号およびQ信号の相関度を算出し、相関度の平均値が所定の閾値以上である場合に、第1適応フィルタ処理を選択し、閾値未満の場合に第2適応フィルタ処理を選択する。そして、ノイズ除去装置5は、選択したフィルタ処理によって受信信号に含まれるノイズを低減する。
このように、ノイズ除去装置5は、I信号とQ信号との相関度に応じて第1適応フィルタ処理または第2適応フィルタ処理のいずれか一方を選択することによって、適応フィルタのフィルタ係数の更新に使用する誤差信号の算出処理を変更してノイズ除去を行う。これにより、ノイズ除去装置5は、弱電界、ノイズ周波数≒変調周波数、SFN、および温度変化大等の様々な受信状況で適切なノイズ除去を行うことができる。
なお、I信号とQ信号とに相関があり、Q信号が大きいと第2適応フィルタ処理ではフィルタ係数を大きくしようとするので音質劣化等の問題が発声する場合がある。この場合、第1適応フィルタ処理では上記した音質劣化等の問題は発生しない。
一方、I信号とQ信号とに殆ど相関がなく、I信号が大きいと第1適応フィルタ処理では、フィルタ係数を大きくしようとするので、フロアノイズの浮き等の問題が発声する場合がある。この場合、第2適応フィルタ処理では上記したフロアノイズの浮き等の問題は発生しない。
次に、図5を参照し、かかるノイズ除去装置5の構成の一例について説明する。図5は、実施形態に係るノイズ除去装置5の構成の一例を示す説明図である。図5に示すノイズ除去装置5は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。
ノイズ除去装置5は、CPUがROMに記憶されたプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することにより機能する第1適応フィルタ処理部51と、第2適応フィルタ処理部52と、コヒーレンス演算部53と、変更部54とを備える。
なお、ノイズ除去装置5が備える第1適応フィルタ処理部51、第2適応フィルタ処理部52、コヒーレンス演算部53、および変更部54は、一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
第1適応フィルタ処理部51は、ADF(Adaptive Digital Filter)部71と、減算部72と、LMS(Least Mean Square)部73とを備える。ADF部71は、検波部4(図1参照)から入力されるQ信号に対して、LMS部73によって順次更新されるフィルタ係数を乗じて減算部72へ出力する。
減算部72は、検波部4(図1参照)から入力されるI信号と、ADF部71から入力されるフィルタ係数が乗算されたQ信号との差分を誤差信号としてLMS部73へ出力する。このように、減算部72は、Q信号にフィルタ係数を乗じてI信号との差分をとることで誤差信号を算出する第1算出処理を行う。
かかる減算部72は、AM周波数帯域における時刻nの周波数のI信号をI(n)、Q信号のベクトルをQ、フィルタ係数をWとした場合に、時刻nの周波数の誤差信号Error(n)を下記式(1)によって演算し、LMS部73へ出力する。
また、減算部72は、LMS部73へ出力する誤差信号と同一の信号を出力信号として変更部54へ出力する。これにより、第1適応フィルタ処理部51から変更部54へ出力されるAM周波数帯域における時刻nの周波数の出力信号Output(n)は、下記式(2)で表される。
LMS部73は、減算部72から入力される誤差信号と、検波部4(図1参照)から入力されるQ信号とに基づき、LMSアルゴリズムと呼ばれる最適化アルゴリズムを用いてADF部71のフィルタ係数を自己適応するように更新する。
かかるLMS部73は、AM周波数帯域における時刻nの周波数のフィルタ係数をW(n)とした場合、時刻n+1の周波数のフィルタ係数W(n+1)を下記の式(3)によって演算してADF部71に設定する。なお、式(3)におけるμは、フィルタ係数の更新量を決定する正の定数(ステップサイズ)である。
第2適応フィルタ処理部52は、ADF部74と、減算部75と、LMS部76と、フィルタ部77と、減算部78とを備える。ADF部74は、検波部4(図1参照)から入力されるI信号に対して、LMS部76によって順次更新されるフィルタ係数を乗じて減算部75へ出力する。
減算部75は、検波部4(図1参照)から入力されるQ信号と、ADF部74から入力されるフィルタ係数が乗算されたI信号との差分を誤差信号としてLMS部76へ出力する。このように、減算部75は、I信号にフィルタ係数を乗じてQ信号との差分をとることで誤差信号を算出する第2算出処理を行う。
かかる減算部75は、AM周波数帯域における時刻nの周波数のQ信号をQ(n)、I信号のベクトルをI、フィルタ係数をWとした場合に、時刻nの周波数の誤差信号Error(n)を下記式(4)によって演算し、LMS部76へ出力する。
LMS部76は、減算部75から入力される誤差信号と、検波部4(図1参照)から入力されるI信号とに基づき、LMSアルゴリズムと呼ばれる最適化アルゴリズムを用いてADF部74のフィルタ係数を自己適応するように更新する。
かかるLMS部76は、AM周波数帯域における時刻nの周波数のフィルタ係数をW(n)とした場合、時刻n+1の周波数のフィルタ係数W(n+1)を下記の式(5)によって演算してADF部74に設定する。なお、式(5)におけるμは、フィルタ係数の更新量を決定する正の定数(ステップサイズ)である。
また、ADF部74は、LMS部76によって更新されるフィルタ係数をフィルタ部77に対して順次更新しながら設定する(図5に示す点線矢印参照)。フィルタ部77は、ADF部74によって順次更新されて設定されるフィルタ係数を検波部4(図1参照)から入力されるQ信号に乗じて減算部78へ出力する。
減算部78は、検波部4(図1参照)から入力されるI信号と、フィルタ部77から入力されるフィルタ係数が乗算されたQ信号との差分を出力信号として変更部54へ出力する。これにより、第2適応フィルタ処理部52から変更部54へ出力されるAM周波数帯域における時刻nの周波数の出力信号Output(n)は、下記式(6)で表される。
コヒーレンス演算部53は、検波部4(図1参照)から入力されるI信号およびQ信号の相関度(コヒーレンス)をAM周波数帯域の周波数毎に演算し、演算結果を変更部54へ入力する。
コヒーレンス演算部53は、周波数fにおけるI信号のオートパワースペクトルをPII(f)、Q信号のオートパワースペクトルをPQQ(f)、I信号およびQ信号のクロススペクトルをPIQ(f)とした場合に、下記式(7)によってI信号およびQ信号のコヒーレンスを演算する。
変更部54は、コヒーレンス演算部53から入力されるコヒーレンスのAM周波数帯域全体での平均値を算出する。そして、変更部54は、コヒーレンスの平均値が所定の閾値以上である場合、I信号とQ信号との相関度が高いとして、第1適応フィルタ処理部51による第1適応フィルタ処理の結果を選択して出力部6(図1参照)へ出力する。
また、変更部54は、コヒーレンスの平均値が所定の閾値未満である場合、I信号とQ信号との相関度が低いとして、第2適応フィルタ処理部52による第2適応フィルタ処理の結果を選択して出力部6(図1参照)へ出力する。
このように、変更部54は、AM周波数帯域全体でのコヒーレンスの平均値に応じて誤差信号の演算処理を変更する。これにより、変更部54は、特定周波数のQ信号のレベルに左右されることなく、AM周波数帯域全体としてのコヒーレンスの高さに応じて、適切な適応フィルタ処理を選択することができる。
また、変更部54は、Q信号にフィルタ係数を乗じてI信号との差分をとって誤差信号を算出する第1算出処理と、I信号にフィルタ係数を乗じてQ信号との差分をとって誤差信号を算出する第2算出処理とをI信号およびQ信号の相関度に応じて切替える。
これにより、ノイズ除去装置5は、I信号およびQ信号の相関度が比較的高くなるノイズ周波数≒変調周波数、SFN、および温度変化大の状況での受信信号に対して第1適応フィルタ処理を行うことで、受信状況に応じた適切なノイズ除去を行うことができる。
また、ノイズ除去装置5は、I信号およびQ信号の相関度が比較的低くなる弱電界の状況での受信信号に対しては、第2適応フィルタ処理を行うことで、受信状況に応じた適切なノイズ除去を行うことができる。
次に、図6を参照し、実施形態に係るノイズ除去装置5が実行する処理の一例について説明する。図6は、実施形態に係るノイズ除去装置5が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
ノイズ除去装置5は、検波部4からI信号およびQ信号の入力が開始されてからI信号およびQ信号の入力が終了されるまでの間、図6に示す処理を繰り返し実行する。具体的には、図6に示すように、ノイズ除去装置5は、まず、入力されるI信号およびQ信号に対して、第1適応フィルタ処理および第2適応フィルタ処理を並行して行う(ステップS101)。
そして、ノイズ除去装置5は、AM周波数帯域内の各周波数毎にI信号およびQ信号の相関度を算出し(ステップS102)、AM周波数帯域内における相関度の平均値を算出する(ステップS103)。続いて、ノイズ除去装置5は、算出した相関度が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS104)。
そして、ノイズ除去装置5は、相関度が閾値以上であると判定した場合(ステップS104,Yes)、第1適応フィルタ処理の処理結果を選択して出力部6へ出力し(ステップS105)、処理を終了する。その後、ノイズ除去装置5は、再度ステップS101から処理を開始する。
また、ノイズ除去装置5は、相関度が閾値未満であると判定した場合(ステップS104,No)、第2適応フィルタ処理の処理結果を選択して出力部6へ出力し(ステップS106)、処理を終了する。その後、ノイズ除去装置5は、再度ステップS101から処理を開始する。
なお、上述した実施形態では、誤差信号を算出する算出処理として、Q信号にフィルタ係数を乗じてI信号との差分をとる第1演算処理と、I信号にフィルタ係数を乗じてQ信号との差分をとる第2演算処理との何れか一方を選択したが、これは一例である。
誤差信号を算出する場合には、例えば、誤差信号の算出処理における上述した第1算出処理および第2算出処理の寄与度をI信号およびQ信号の相関度に応じて変更してもよい。次に、図7を参照し、誤差信号の算出処理における第1算出処理および第2算出処理の寄与度をI信号およびQ信号の相関度に応じて変更するノイズ除去装置5aの構成の一例について説明する。
図7は、実施形態の変形例に係るノイズ除去装置5aの構成の一例を示す説明図である。図7に示すように、ノイズ除去装置5aは、変更部8と、コヒーレンス演算部53と、ADF部91と、減算部92と、LMS部93と、フィルタ部94と、減算部95とを備える。
変更部8は、第1増幅部81と、第2増幅部82と、第3増幅部83と、第4増幅部84と、第1加算部85と、第2加算部86とを備える。コヒーレンス演算部53は、検波部4(図1参照)から入力されるI信号およびQ信号の相関度(コヒーレンス)を演算して変更部8の第1増幅部81、第2増幅部82、第3増幅部83、および第4増幅部84へ出力する。
第1増幅部81は、コヒーレンス演算部53から入力されるコヒーレンスに基づき、AM周波数帯域全体でのコヒーレンスの平均値に応じてゲインαを変更する。第2増幅部82は、コヒーレンスの平均値に応じてゲイン1−αを変更する。第3増幅部83は、コヒーレンスの平均値に応じてゲイン1−αを変更する。第4増幅部84は、コヒーレンスの平均値に応じてゲインαを変更する。
第1増幅部81、第2増幅部82、第3増幅部83、および第4増幅部84は、コヒーレンスの平均値が最大値の1(相関度最高)の場合に、α=0とし、コヒーレンスの平均値が最小値の0(相関度最低)の場合に、α=1とする。
また、第1増幅部81、第2増幅部82、第3増幅部83、および第4増幅部84は、0<コヒーレンスの平均値<1の場合には、コヒーレンスの平均値に応じて0<α<1とする。
第1増幅部81は、入力される1信号をα倍に増幅して第1加算部85へ出力する。第2増幅部82は、入力されるI信号を1−α倍に増幅して第2加算部86へ出力する。第3増幅部83は、入力されるQ信号を1−α倍に増幅して第1加算部85へ出力する。第4増幅部84は、入力されるQ信号をα倍に増幅して第2加算部86へ出力する。
第1加算部85は、第1増幅部81の出力信号と第3増幅部83の出力信号とを加算してADF部91およびLMS部93へ出力する。第2加算部86は、第2増幅部82の出力信号と第4増幅部84の出力信号とを加算して減算部92へ出力する。
ADF部91は、第1加算部85から入力される信号に対して、LMS部93によって順次更新されるフィルタ係数を乗じて減算部92へ出力する。減算部92は、第2加算部86から入力される信号と、ADF部91から入力されるフィルタ係数が乗算された信号との差分を誤差信号としてLMS部93へ出力する。
かかる減算部75は、AM周波数帯域における時刻nの周波数のI信号をI(n)、Q信号をQ(n)、I信号のベクトルをI、Q信号のベクトルをQ、フィルタ係数をWとした場合に、時刻nの周波数の誤差信号Error(n)を下記式(8)によって演算し、LMS部93へ出力する。
LMS部93は、減算部92から入力される誤差信号と、第1加算部85から入力される信号とに基づき、LMSアルゴリズムと呼ばれる最適化アルゴリズムを用いてADF部91のフィルタ係数を自己適応するように更新する。
かかるLMS部93は、AM周波数帯域における時刻nの周波数のフィルタ係数をW(n)とした場合、時刻n+1の周波数のフィルタ係数W(n+1)を下記の式(9)によって演算してADF部91に設定する。なお、式(9)におけるμは、フィルタ係数の更新量を決定する正の定数(ステップサイズ)である。
また、ADF部91は、LMS部93によって更新されるフィルタ係数をフィルタ部94に対して順次更新しながら設定する(図7に示す点線矢印参照)。フィルタ部94は、ADF部91によって順次更新されて設定されるフィルタ係数を検波部4(図1参照)から入力されるQ信号に乗じて減算部95へ出力する。
減算部95は、検波部4(図1参照)から入力されるI信号と、フィルタ部94から入力されるフィルタ係数が乗算されたQ信号との差分を出力信号として出力部6へ出力する。これにより、ノイズ除去装置5aから出力部6へ出力されるAM周波数帯域における時刻nの周波数の出力信号Output(n)は、下記式(10)で表される。
かかるノイズ除去装置5aは、コヒーレンスの平均値が最大値の1(相関度最高)となりα=0の場合、図5に示すノイズ除去装置5が第1適応フィルタ処理の処理結果を出力部6へ出力する場合と同一の処理を行う。
また、ノイズ除去装置5aは、コヒーレンスの平均値が最小値の0(相関度最低)となりα=1の場合、図5に示すノイズ除去装置5が第2適応フィルタ処理の処理結果を出力部6へ出力する場合と同一の処理を行う。
また、ノイズ除去装置5aは、0<コヒーレンスの平均値<1となり、コヒーレンスの平均値に応じて0<α<1となる場合には、誤差信号の算出処理における上述した第1算出処理および第2算出処理の寄与度をI信号およびQ信号の相関度に応じて変更する。
つまり、Q信号にフィルタ係数を乗じてI信号との差分をとる第1算出処理と、I信号にフィルタ係数を乗じてQ信号との差分をとる第2算出処理とが誤差信号算出処理に寄与する寄与度をI信号およびQ信号の相関度に応じて変更する。
これにより、ノイズ除去装置5aは、I信号およびQ信号の相関度に応じて受信信号の様々な受信状況に柔軟に対応した適切なノイズ除去を行うことができる。
なお、上述した実施形態では、AM周波数帯域全体での相関度の平均値に応じて、誤差信号の算出処理を変更する場合について説明したが、これは一例であり、種々の変形が可能である。
例えば、受信機1は、I信号およびQ信号を聴感上のフィルタにかけ、AM周波数帯域の中で聴感上の影響が大きい帯域における相関度の平均値を算出し、聴感上の影響が大きい帯域での相関度の平均値に応じて誤差信号の算出処理を変更してもよい。
これにより、受信機1は、AM周波数帯域全体における相関度の平均値に応じて誤差信号の算出処理を変更する場合に比べて、第1適応フィルタ処理および第2適応フィルタ処理の処理負荷を低減しつつ、ユーザにとって耳障りなノイズを適切に除去することができる。
また、受信機1は、AM周波数帯域全体における相関度の平均値に応じて誤差信号の算出処理を変更する場合、全帯域の中で聴感上の影響が大きな帯域におけるI信号およびQ信号の相関度の重みを他の帯域よりも重くして相関度の平均値を算出してもよい。これにより、受信機1は、ユーザにとって耳障りなノイズをより確実に除去することができる。
また、受信機1は、AM周波数帯域全体や聴感上の影響が大きい帯域におけるI信号およびQ信号の相関度の総和に基づいて、誤差信号の算出処理を変更する構成であってもよい。これによっても、受信機1は、上述した実施形態と同様に、受信状況に応じた適切なノイズ除去を行うことができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 受信機
2 RF/IF部
3 A/D変換部
4 検波部
5,5a ノイズ除去装置
51 第1適応フィルタ処理部
52 第2適応フィルタ処理部
53 コヒーレンス演算部
54,8 変更部
6 出力部
71,74,91 ADF部
72,75,78,92,95 減算部
73,76,93 LMS部
77,94 フィルタ部
81 第1増幅部
82 第2増幅部
83 第3増幅部
84 第4増幅部
85 第1加算部
86 第2加算部
2 RF/IF部
3 A/D変換部
4 検波部
5,5a ノイズ除去装置
51 第1適応フィルタ処理部
52 第2適応フィルタ処理部
53 コヒーレンス演算部
54,8 変更部
6 出力部
71,74,91 ADF部
72,75,78,92,95 減算部
73,76,93 LMS部
77,94 フィルタ部
81 第1増幅部
82 第2増幅部
83 第3増幅部
84 第4増幅部
85 第1加算部
86 第2加算部
Claims (6)
- 受信信号を直交復調してI信号とQ信号とに分離する分離部と、
前記I信号および前記Q信号に含まれるノイズを低減する適応フィルタのフィルタ係数の更新に使用する誤差信号の算出処理を前記I信号と前記Q信号との相関度に応じて変更する変更部と
を備えることを特徴とする受信機。 - 前記変更部は、
前記Q信号に前記フィルタ係数を乗じて前記I信号との差分をとることで前記誤差信号を算出する第1算出処理と、前記I信号に前記フィルタ係数を乗じて前記Q信号との差分をとることで前記誤差信号を算出する第2算出処理とを前記相関度に応じて切替える
ことを特徴とする請求項1に記載の受信機。 - 前記変更部は、
前記算出処理における前記第1算出処理および前記第2算出処理の寄与度を前記相関度に応じて変更する
ことを特徴とする請求項2に記載の受信機。 - 前記変更部は、
AM(Amplitude Modulation)放送で使用される周波数帯域の周波数毎に前記相関度を算出し、当該相関度の平均値に応じて前記算出処理を変更する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の受信機。 - 前記変更部は、
前記周波数帯域のうち聴感上の影響が大きい帯域における前記相関度の平均値を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の受信機。 - 受信信号を直交復調してI信号とQ信号とに分離する工程と、
前記I信号および前記Q信号に含まれるノイズを低減する適応フィルタのフィルタ係数の更新に使用する誤差信号の算出処理を前記I信号と前記Q信号との相関度に応じて変更する工程と
を含むことを特徴とする受信機のノイズ低減方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018133615A JP2020014066A (ja) | 2018-07-13 | 2018-07-13 | 受信機および受信機のノイズ低減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018133615A JP2020014066A (ja) | 2018-07-13 | 2018-07-13 | 受信機および受信機のノイズ低減方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020014066A true JP2020014066A (ja) | 2020-01-23 |
Family
ID=69169852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018133615A Pending JP2020014066A (ja) | 2018-07-13 | 2018-07-13 | 受信機および受信機のノイズ低減方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020014066A (ja) |
-
2018
- 2018-07-13 JP JP2018133615A patent/JP2020014066A/ja active Pending
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