JP2020013861A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

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Koji Shiozaki
宏司 塩崎
睦典 上沼
Mutsunori Uenuma
睦典 上沼
浦岡 行治
Yukiharu Uraoka
行治 浦岡
翔 曽根原
Sho Sonehara
翔 曽根原
哲生 成田
Tetsuo Narita
哲生 成田
大悟 菊田
Daigo Kikuta
大悟 菊田
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Abstract

【課題】低いゲート閾値電圧変動と高い絶縁破壊耐量を両立させる技術を提供すること。【解決手段】半導体層は、第1導電型の第1半導体領域と、第1導電型の第2半導体領域と、第1半導体領域と第2半導体領域の間に設けられており、第1半導体領域と第2半導体領域を隔てており、チャネルが形成される第2導電型の第3半導体領域と、を有している。絶縁膜は、チャネルが形成される位置の第3半導体領域に接しているチャネル対向ゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜とは異なる位置で半導体層に接する保護絶縁膜と、を有している。チャネル対向ゲート絶縁膜に含まれるカーボン濃度が、保護絶縁膜に含まれるカーボン濃度よりも低い。半導体装置がオフのときに、保護絶縁膜に加わる電界強度が、チャネル対向ゲート絶縁膜に加わる電界強度よりも高い。【選択図】図1

Description

本明細書が開示する技術は、絶縁ゲートを有する半導体装置とその製造方法に関する。
半導体装置は、絶縁ゲートを備えていることが多い。このような絶縁ゲートは、各種の半導体装置に採用されており、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)及びIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のパワーデバイスに採用されている。特許文献1は、カーボン濃度が異なる絶縁膜を積層させてゲート絶縁膜を形成する技術を開示する。
特開2016−18888号公報
本発明者らの検討によると、チャネルに対向するゲート絶縁膜のカーボン濃度が高いと、ゲート電圧を印加したときにゲート絶縁膜内に捕獲される電荷濃度が高くなり、ゲート閾値電圧の変動が大きくなることが分かってきた。このため、ゲート閾値電圧の変動を抑えるためには、ゲート絶縁膜内のカーボン濃度を低く抑えることが肝要である。一方、カーボン濃度の大きい絶縁膜は、絶縁破壊電圧が高いことも分かってきた。このため、絶縁膜の絶縁破壊電圧を高くするためには、絶縁膜内のカーボン濃度を高くすることが肝要である。
特許文献1の技術では、カーボン濃度が高い絶縁膜上にカーボン濃度が低い絶縁膜を積層させてゲート絶縁膜を構成している。このようなゲート絶縁膜では、チャネルに接する絶縁膜のカーボン濃度が高いこととなり、ゲート閾値電圧の変動を抑えることが難しい。本願明細書は、低いゲート閾値電圧変動と高い絶縁破壊耐量を両立させる技術を提供する。
本明細書が開示する半導体装置は、半導体層と、前記半導体層に接する絶縁膜と、を備えることができる。前記半導体層は、第1導電型の第1半導体領域と、第1導電型の第2半導体領域と、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域の間に設けられており、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域を隔てており、チャネルが形成される第2導電型の第3半導体領域と、を有することができる。前記絶縁膜は、前記チャネルが形成される位置の前記第3半導体領域に接しているチャネル対向ゲート絶縁膜と、前記チャネル対向ゲート絶縁膜とは異なる位置で前記半導体層に接する保護絶縁膜と、を有することができる。前記チャネル対向ゲート絶縁膜に含まれるカーボン濃度が、前記保護絶縁膜に含まれるカーボン濃度よりも低い。前記半導体装置がオフのときに、前記保護絶縁膜に加わる電界強度が、前記チャネル対向ゲート絶縁膜に加わる電界強度よりも高い。前記半導体装置の種類は、特に限定されるものではないが、例えばMOSFET(Metal Oxside Semiconductor Field Effect Transistor)及びIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が例示される。前記絶縁膜の材料は、特に限定されるものではないが、絶縁性の金属酸化物であってもよい。金属酸化物としては、例えば酸化アルミニウムが例示される。前記半導体層の材料は特に限定されるものではないが、例えば窒化物半導体層であってもよい。上記半導体装置では、チャネルに接する位置の絶縁膜にカーボン濃度が相対的に低いチャネル対向ゲート絶縁膜が配置されている。このため、上記半導体装置は、低いゲート閾値電圧の変動という特性を有することができる。さらに、上記半導体装置では、オフのときに高電界となる領域に対応した位置にカーボン濃度が相対的に高い保護絶縁膜が配置されている。このため、上記半導体装置は、高い絶縁破壊耐量を有することができる。このように、上記半導体装置は、低いゲート閾値電圧変動と高い絶縁破壊耐量を両立させることができる。
本明細書が開示する半導体装置の一実施形態では、前記第1半導体領域と前記第3半導体領域と前記第2半導体領域が前記半導体層の厚み方向に沿って並んでいてもよく、前記第2半導体領域と前記第3半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するトレンチが形成されていてもよく、前記トレンチの側面に接するように前記チャネル対向ゲート絶縁膜が設けられていてもよく、前記トレンチの底面に接するように前記保護絶縁膜が設けられていてもよい。
本明細書が開示する半導体装置の他の一実施形態では、前記半導体層の終端部に形成された溝によってベベル構造が構成されていてもよく、前記溝の側面に前記第1半導体領域と前記第3半導体領域のpn接合界面が露出していてもよく、前記保護絶縁膜は、前記溝の側面に露出する前記pn接合界面に接するように設けられていてもよい。
本明細書が開示する半導体装置の他の一実施形態では、フィールドプレートをさらに備えていてもよい。この実施形態では、前記半導体層の終端部に形成された溝によってベベル構造が構成されていてもよく、前記フィールドプレートは、前記溝の側面に対向するように設けられていてもよく、前記保護絶縁膜は、前記フィールドプレートの端部と前記溝の側面の間に設けられていてもよい。
本願明細書は、上記実施形態の半導体装置を製造する方法を提供することができる。この製造方法は、第1酸化剤を用いて第1有機金属化合物を酸化して前記チャネル対向ゲート絶縁膜を成膜する第1成膜工程と、第2酸化剤を用いて第2有機金属化合物を酸化して前記保護絶縁膜を成膜する第2成膜工程と、を備えることができる。第1有機金属化合物と第2有機金属化合物は、同一種類の有機金属化合物であってもよく、異なる種類の有機金属化合物であってもよい。前記第1酸化剤の酸化力が、前記第2酸化剤の酸化力よりも強い。この製造方法によると、前記チャネル対向ゲート絶縁膜に含まれるカーボン濃度を相対的に低く調整し、前記保護絶縁膜に含まれるカーボン濃度を相対的に高く調整することができる。
第1実施形態の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 絶縁膜内のカーボン濃度が高い場合と低い場合のそれぞれの電界とリーク電流の関係を示す。 図1の半導体装置のゲート絶縁膜を形成する一工程の要部断面図を模式的に示す。 図1の半導体装置のゲート絶縁膜を形成する一工程の要部断面図を模式的に示す。 図1の半導体装置のゲート絶縁膜を形成する一工程の要部断面図を模式的に示す。 図1の半導体装置のゲート絶縁膜を形成する一工程の要部断面図を模式的に示す。 図1の半導体装置のゲート絶縁膜を形成する一工程の要部断面図を模式的に示す。 第2実施形態の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 第2実施形態の変形例の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。
以下、縦型のMOSFETと称される種類の半導体装置を例示し、本願明細書が開示する技術について説明する。しかしながら、本願明細書が開示する技術は、縦型のMOSFETのみに有用なものではなく、絶縁ゲートを有する様々な種類の半導体装置に有用である。
(第1実施形態)図1に、第1実施形態の半導体装置1の要部断面図を模式的に示す。図1に示されるように、半導体装置1は、半導体基板10、窒化物半導体層20、半導体基板10の裏面を被覆するドレイン電極32、窒化物半導体層20の表面の一部を被覆するソース電極34及び窒化物半導体層20の表層部に設けられているトレンチ型の絶縁ゲート40を備えている。
半導体基板10は、窒化物半導体層20の下地基板であり、窒化物半導体層20が結晶成長可能な組成の材料で構成されている。半導体基板10は、例えばGaN基板、シリコン基板、サファイア基板又は炭化珪素基板である。ドレイン電極32は、半導体基板10の裏面にオーミック接触している。
窒化物半導体層20は、半導体基板10の表面上に設けられている。窒化物半導体層20は、例えば窒化ガリウム(GaN)である。窒化物半導体層20は、n型のドリフト領域22、p型のボディ領域24及びn+型のソース領域26を有している。ドリフト領域22とボディ領域24とソース領域26は、窒化物半導体層20の厚み方向に沿ってこの順で並んでいる。必要に応じて、これら半導体領域の間に他の半導体領域が介在してもよい。
ドリフト領域22は、半導体基板10の表面上に設けられている。ドリフト領域22は、エピタキシャル成長技術を利用して、半導体基板10の表面から結晶成長して形成される。なお、ドリフト領域22は、第1半導体領域の一例である。
ボディ領域24は、ドリフト領域22の表面上に設けられており、窒化物半導体層20の表層部に配置されている。ボディ領域24は、ドリフト領域22とソース領域26の間に設けられており、ドリフト領域22とソース領域26を隔てている。ボディ領域24は、絶縁ゲート40の側面に接している。ボディ領域24は、エピタキシャル成長技術を利用して、ドリフト領域22の表面から結晶成長して形成される。なお、ボディ領域24は、第3半導体領域の一例である。
ソース領域26は、ボディ領域24の表面上に設けられており、窒化物半導体層20の表層部に配置されており、窒化物半導体層20の表面に露出している。ソース領域26は、絶縁ゲート40の側面に接している。ソース領域26は、窒化物半導体層20の表面を被膜するソース電極34にオーミック接触している。ソース領域26は、イオン注入技術を利用して、窒化物半導体層20の表層部にシリコンを導入して形成される。なお、ソース領域26は、第2半導体領域の一例である。
絶縁ゲート40は、窒化物半導体層20の表面から深部に向けて伸びており、ゲート絶縁膜42及びゲート電極44を有している。絶縁ゲート40は、ソース領域26及びボディ領域24を貫通してドリフト領域22の一部に侵入するトレンチTR1内に設けられている。ゲート絶縁膜42は、膜中のカーボン濃度が相対的に低い第1ゲート絶縁膜42aと膜中のカーボン濃度が相対的に高い第2ゲート絶縁膜42bを有している。
第1ゲート絶縁膜42aは、トレンチTR1の側面を被覆しており、特に、ドリフト領域22とソース領域26の間に位置するボディ領域24に接触して配置されている。第1ゲート絶縁膜42aは、金属酸化物であり、例えば酸化アルミニウムである。第1ゲート絶縁膜42aのカーボン濃度は、第2ゲート絶縁膜42bのカーボン濃度よりも低く、約1017〜1020cm-3である。第1ゲート絶縁膜42aの厚みは、約40〜200nmである。このボディ領域24と接触する部分の第1ゲート絶縁膜42aは、チャネル対向ゲート絶縁膜の一例である。
第2ゲート絶縁膜42bは、トレンチTR1の底面に接触して配置されている。第2ゲート絶縁膜42bは、金属酸化物であり、例えば酸化アルミニウムである。第2ゲート絶縁膜42bのカーボン濃度は、第1ゲート絶縁膜42aのカーボン濃度よりも高く、約1020〜1022cm-3である。第2ゲート絶縁膜42bの厚みは、約40〜500nmである。この例では、トレンチTR1の底面において、第2ゲート絶縁膜42bと第1ゲート絶縁膜42aが積層して設けられている。この例に代えて、第2ゲート絶縁膜42bのみがトレンチTR1の底面に設けられていてもよい。第2ゲート絶縁膜42bは、保護絶縁膜の一例である。
ここで、図2に、窒化ガリウム(GaN)の窒化物半導体層の表面上に成膜した酸化アルミニウムの絶縁破壊電圧特性を示す。横軸が酸化アルミニウムに加えられた電界強度であり、縦軸が酸化アルミニウムを流れるリーク電流である。図2に示されるように、酸化アルミニウム中のカーボン濃度が高いと、高電界領域においてリーク電流が小さい。また、絶縁破壊するときの電界強度については、カーボン濃度が高い場合の方が、カーボン濃度が低い場合よりも向上している。このように、膜中のカーボン濃度が高い酸化アルミニウムは、高い絶縁破壊電圧特性を有することができる。この結果から、カーボン濃度が高い第2ゲート絶縁膜42bは、カーボン濃度が低い第1ゲート絶縁膜42aよりも高い絶縁破壊電圧特性を有していることが理解できる。
図1に戻る。ゲート電極44は、ゲート絶縁膜42によってソース領域26、ボディ領域24及びドリフト領域22から隔てられている。ゲート電極44は、ドリフト領域22とソース領域26の間に位置するボディ領域24の部分に対向しており、この対向部分に反転層のチャネルを形成するように構成されている。
次に、半導体装置1の動作を説明する。ドレイン電極32に正電圧が印加され、ソース電極34が接地され、絶縁ゲート40のゲート電極44が接地されていると、半導体装置1はオフである。このとき、半導体装置1では、絶縁ゲート40の底面近傍に電界が集中し、この部分が高電界領域となる。半導体装置1では、この高電界領域に対応して第2ゲート絶縁膜42bが選択的に設けられている。上記したように、第2ゲート絶縁膜42bは、カーボン濃度が高く調整されており、高い絶縁破壊電圧特性を有している。これにより、半導体装置1は、高い絶縁破壊耐量を有することができ、高い信頼性を有することができる。
ドレイン電極32に正電圧が印加され、ソース電極34が接地され、絶縁ゲート40のゲート電極44にソース電極34よりも正となる電圧が印加されていると、半導体装置1はオンである。このとき、半導体装置1では、ドリフト領域22とソース領域26の間に位置するボディ領域24にチャネルが形成され、そのチャネルを介してソース領域26からドリフト領域22に向けて電子が流れる。これにより、ドレイン電極32とソース電極34の間が導通する。背景技術で説明したように、チャネルを流れる電子がゲート絶縁膜内に捕獲されると、ゲート閾値電圧の変動が大きくなる。このような現象は、チャネルに接する位置のゲート絶縁膜の炭素濃度が濃いときに顕著に現れる。半導体装置1では、ボディ領域24に形成されるチャネルに接する位置に、カーボン濃度が低く調整された第1ゲート絶縁膜42aが選択的に設けられている。このため、半導体装置1は、ゲート閾値電圧の変動が小さいという特性を有しており、安定したオン動作を実行することができる。
上記したように、半導体装置1は、チャネルに接する位置にカーボン濃度が相対的に低い第1ゲート絶縁膜42aが設けられており、高電界領域に対応した位置にカーボン濃度の相対的に高い第2ゲート絶縁膜42bが設けられている。これにより、半導体装置1は、低いゲート閾値電圧変動と高い絶縁破壊耐量を両立させることができる。さらに、半導体装置1では、トレンチTR1の底面において、第2ゲート絶縁膜42bと第1ゲート絶縁膜42aが積層して設けられており、トレンチTR1の底面の絶縁膜の厚みが厚い。これにより、トレンチTR1の底面近傍の電界が良好に緩和されることから、この点においても、半導体装置1は、高い絶縁破壊耐量を有することができる。
次に、図3A〜図3Eを参照し、半導体装置1の絶縁ゲート40の製造方法について説明する。なお、半導体装置1の製造方法において、絶縁ゲート40の製造工程以外の工程については、従来公知の工程を採用することができる。このため、以下では、半導体装置1の絶縁ゲート40の製造方法についてのみを説明し、その他の工程についての説明は省略する。
まず、図3Aに示されるように、ドリフト領域22とボディ領域24とソース領域26が積層した窒化物半導体層20を準備する。なお、この例では、ソース領域26が既に形成されているが、必要に応じて、後の工程で形成してもよい。
次に、図3Bに示されるように、ドライエッチング技術を利用して、窒化物半導体層20の表面からソース領域26及びボディ領域24を貫通してドリフト領域22の一部に侵入する深さを有するトレンチTR1を形成する。
次に、図3Cに示されるように、化学気相蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)技術を利用して、トレンチTR1の内壁及び窒化物半導体層20の表面を被覆するように、第2ゲート絶縁膜42bを成膜する。この成膜工程では、酸素ガス又はオゾンを酸化剤として用いて原料である有機金属化合物を酸化して第2ゲート絶縁膜42bが成膜される。具体的には、有機金属化合物にトリメチルアルミニウムが用いられる。このため、第2ゲート絶縁膜42bの膜中には、有機金属化合物由来の不純物としてカーボンが残存する。また、第2ゲート絶縁膜42bの厚みは、成膜速度の異方性により、底面で厚く、側面で薄くなる。
次に、図3Dに示されるように、ウェットエッチング技術を利用して、トレンチTR1の側面及び窒化物半導体層20の表面を被覆する第2ゲート絶縁膜42bを選択的に除去する。これにより、トレンチTR1の底面に第2ゲート絶縁膜42bを選択的に残存させることができる。
次に、図3Eに示されるように、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)技術を利用して、第2ゲート絶縁膜42bの表面、トレンチTR1の側面及び窒化物半導体層20の表面を被覆するように、第1ゲート絶縁膜42aを成膜する。この成膜工程では、酸素プラズマ又は水プラズマを酸化剤として用いて原料である有機金属化合物を酸化して第1ゲート絶縁膜42aが成膜される。具体的には、有機金属化合物にトリメチルアルミニウムが用いられる。第1ゲート絶縁膜42aの成膜に用いられる酸化剤の酸素プラズマ又は水プラズマの酸化力は、第2ゲート絶縁膜42bの成膜に用いられる酸化剤の酸素ガス又はオゾンの酸化力よりも強い。このため、第1ゲート絶縁膜42aの膜中には、有機金属化合物由来の不純物としてカーボンが残存するものの、その濃度は第2ゲート絶縁膜42bに残存するカーボンの濃度よりも低い。最後に、トレンチTR1内にゲート電極44を充填して絶縁ゲート40が形成される。
上記したように、この製造方法によると、第1ゲート絶縁膜42aと第2ゲート絶縁膜42bを成膜するときに用いる酸化剤の種類を変更することで、第1ゲート絶縁膜42aに含まれるカーボン濃度と第2ゲート絶縁膜42bに含まれるカーボン濃度を調整することができる。これにより、トレンチTR1の側面(即ち、チャネルに接する位置)にカーボン濃度が相対的に低い第1ゲート絶縁膜42aを選択的に形成し、トレンチTR1の底面(即ち、高電界領域に対応する位置)にカーボン濃度の相対的に高い第2ゲート絶縁膜42bを形成することができる。なお、酸化剤の種類を同一とし、例えば成膜温度を変更することでカーボン濃度を変えてもよく、意図的にカーボンを含む原料を用いることでカーボン濃度を変えてもよい。また、必要に応じて、酸化剤の種類、成膜温度及び意図的なカーボンの導入を組み合わせて、カーボン濃度を変えてもよい。
(第2実施形態)図4に、第2実施形態の半導体装置2の要部断面図を模式的に示す。なお、図1に示す第1実施形態の半導体装置1と実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。図4に示されるように、半導体装置2は、プレーナ型の絶縁ゲート140を備えていること、窒化物半導体層20の終端部にベベル構造が形成されていること、を特徴としている。
絶縁ゲート140は、窒化物半導体層20の表面上に設けられており、ゲート絶縁膜142及びゲート電極144を有している。ゲート絶縁膜142は、窒化物半導体層20の表面を被覆しており、特に、ドリフト領域22とソース領域26を隔てる位置のボディ領域24に接触して配置されている。ゲート絶縁膜142は、金属酸化物であり、例えば酸化アルミニウムである。ゲート絶縁膜142のカーボン濃度は、後述する側面保護絶縁膜50のカーボン濃度よりも低く、約1017〜1020cm-3である。ゲート絶縁膜142の厚みは、約40〜200nmである。このボディ領域24と接触する部分のゲート絶縁膜142は、チャネル対向ゲート絶縁膜の一例である。
ゲート絶縁膜142は、ALD技術を利用して成膜される。この成膜工程では、酸素プラズマ又は水プラズマを酸化剤として用いて原料である有機金属化合物を酸化してゲート絶縁膜142が成膜される。具体的には、有機金属化合物にトリメチルアルミニウムが用いられる。
ベベル構造は、窒化物半導体層20の終端部に形成されている溝60によって構成されている。溝60の側面60sが窒化物半導体層20の表面から外周側に向けて傾斜しており、ドリフト領域22とボディ領域24のpn接合界面がその側面60sに露出している。このpn接合界面が露出する部分は、電界が集中する高電界領域である。ベベル構造では、溝60の側面60sがpn接合界面に対して傾斜しており、電界集中が緩和されている。
溝60の側面60sを被覆するように、側面保護絶縁膜50が設けられている。側面保護絶縁膜50は、金属酸化物であり、例えば酸化アルミニウムである。側面保護絶縁膜50のカーボン濃度は、ゲート絶縁膜142のカーボン濃度よりも高く、約1020〜1022cm-3である。側面保護絶縁膜50の厚みは、約100〜2000nmである。側面保護絶縁膜50は、保護絶縁膜の一例である。
側面保護絶縁膜50は、CVD技術を利用して成膜される。この成膜工程では、酸素ガス又はオゾンを酸化剤として用いて原料である有機金属化合物を酸化して側面保護絶縁膜50が成膜される。具体的には、有機金属化合物にトリメチルアルミニウムが用いられる。
上記したように、半導体装置2では、チャネルに接する位置にカーボン濃度が相対的に低いゲート絶縁膜142が選択的に設けられている。このため、半導体装置2は、ゲート閾値電圧の変動が小さいという特性を有しており、安定したオン動作を実行することができる。さらに、半導体装置2では、溝60の側面60sに露出するpn接合界面(即ち、高電界領域に対応する位置)に接してカーボン濃度が相対的に高い側面保護絶縁膜50が選択的に設けられている。このため、半導体装置2は、ベベル構造による電界緩和に加えて、高い絶縁破壊電圧特性を有する側面保護絶縁膜50の存在により、高い絶縁破壊耐量を有することができ、高い信頼性を有することができる。このように、半導体装置2は、低いゲート閾値電圧変動と高い絶縁破壊耐量を両立させることができる。
図5に、変形例の半導体装置3の要部断面図を模式的に示す。半導体装置3は、フィールドプレート36を有することを特徴としている。フィールドプレート36は、溝60の側面60sを被覆する側面保護絶縁膜50の表面上に沿って延びており、一端がソース電極34に接触しており、他端36aがドリフト領域22とボディ領域24のpn接合界面を超えて延びている。換言すると、フィールドプレート36の端部36aは、窒化物半導体層20の深さ方向において、ドリフト領域22とボディ領域24のpn接合界面よりも深い位置に存在している。
このようなフィールドプレート36が設けられていると、ドリフト領域22とボディ領域24のpn接合界面よりもフィールドプレート36の端部36aの近傍が高電界領域となる。半導体装置3では、このようなフィールドプレート36の端部36aと窒化物半導体層20の間にも側面保護絶縁膜50が設けられている。このため、半導体装置3は、高い絶縁破壊耐量を有することができる。
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
1:半導体装置
10:半導体基板
20:窒化物半導体層
22:ドリフト領域
24:ボディ領域
26:ソース領域
32:ドレイン電極
34:ソース電極
40:絶縁ゲート
42:ゲート絶縁膜
42a:第1ゲート絶縁膜
42b:第2ゲート絶縁膜
44:ゲート電極
TR1:トレンチ

Claims (8)

  1. 半導体層と、
    前記半導体層に接する絶縁膜と、を備えており、
    前記半導体層は、
    第1導電型の第1半導体領域と、
    第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第1半導体領域と前記第2半導体領域の間に設けられており、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域を隔てており、チャネルが形成される第2導電型の第3半導体領域と、を有しており、
    前記絶縁膜は、
    前記チャネルが形成される位置の前記第3半導体領域に接しているチャネル対向ゲート絶縁膜と、
    前記チャネル対向ゲート絶縁膜とは異なる位置で前記半導体層に接する保護絶縁膜と、を有しており、
    前記チャネル対向ゲート絶縁膜に含まれるカーボン濃度が、前記保護絶縁膜に含まれるカーボン濃度よりも低く、
    前記半導体装置がオフのときに、前記保護絶縁膜に加わる電界強度が、前記チャネル対向ゲート絶縁膜に加わる電界強度よりも高い、半導体装置。
  2. 前記第1半導体領域と前記第3半導体領域と前記第2半導体領域が前記半導体層の厚み方向に沿って並んでおり、
    前記第2半導体領域と前記第3半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するトレンチが形成されており、
    前記トレンチの側面に接するように前記チャネル対向ゲート絶縁膜が設けられており、
    前記トレンチの底面に接するように前記保護絶縁膜が設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記半導体層の終端部に形成された溝によってベベル構造が構成されており、
    前記溝の側面に前記第1半導体領域と前記第3半導体領域のpn接合界面が露出しており、
    前記保護絶縁膜は、前記溝の側面に露出する前記pn接合界面に接するように設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
  4. フィールドプレートをさらに備えており、
    前記半導体層の終端部に形成された溝によってベベル構造が構成されており、
    前記フィールドプレートは、前記溝の側面に対向するように設けられており、
    前記保護絶縁膜は、前記フィールドプレートの端部と前記溝の側面の間に設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記絶縁膜が、金属酸化物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 前記金属酸化物が、酸化アルミニウムである、請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記半導体層が、窒化物半導体層である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    第1酸化剤を用いて第1有機金属化合物を酸化して前記チャネル対向ゲート絶縁膜を成膜する第1成膜工程と、
    第2酸化剤を用いて第2有機金属化合物を酸化して前記保護絶縁膜を成膜する第2成膜工程と、を備えており、
    前記第1酸化剤の酸化力が、前記第2酸化剤の酸化力よりも強い、半導体装置の製造方法。
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