JP2020013808A - 熱処理装置及び基板滑り検出方法 - Google Patents

熱処理装置及び基板滑り検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板が熱板へ載置された際の当該基板の滑りの有無を検出する。【解決手段】基板を熱処理する熱処理装置であって、前記基板が載置され当該基板を加熱する熱板を有し、前記熱板は、当該熱板の中央部を除く外周部を周方向に分割した外周分割領域を含む複数の領域に区画され、且つ、前記領域毎に温度設定され、当該熱処理装置はさらに、前記熱板の前記外周分割領域それぞれに設けられ、前記熱板の当該外周分割領域の温度を測定する温度測定部と、前記基板が前記熱板へ載置された際の、前記温度測定部で測定された温度の設定温度からの降下量に基づいて、当該基板が前記熱板へ載置された際の当該基板の滑りの有無を推定する滑り推定部と、を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、熱処理装置及び基板滑り検出方法に関する。
特許文献1は、基板を加熱する加熱板上において基板が異物に乗り上げているかを判断するための構成を有する熱処理装置を開示している。この熱処理装置は、加熱板に、水平方向に互いに離間するように複数のヒータが設けられ、これらヒータに対応するように温度センサが配置されている。設定温度に設定された加熱板上に基板が載置された後、加熱板の温度が基板に吸熱されて下降し始めてから上記設定温度に戻るまでの間に測定された温度センサの温度測定値について標準偏差が算出される。この標準偏差と予め設定した閾値との比較結果に基づいて、基板が加熱板上において異物に乗り上げているか判断される。
特開2012−151247号公報
本開示にかかる技術は、基板が熱板へ載置された際の当該基板の滑りの有無を検出する。
本開示の一態様は、基板を熱処理する熱処理装置であって、前記基板が載置され当該基板を加熱する熱板を有し、前記熱板は、当該熱板の中央部を除く外周部を周方向に分割した外周分割領域を含む複数の領域に区画され、且つ、前記領域毎に温度設定され、当該熱処理装置はさらに、前記熱板の前記外周分割領域それぞれに設けられ、前記熱板の当該外周分割領域の温度を測定する温度測定部と、前記基板が前記熱板へ載置された際の、前記温度測定部で測定された温度の設定温度からの降下量に基づいて、当該基板が前記熱板へ載置された際の当該基板の滑りの有無を推定する滑り推定部と、を有する。
本開示によれば、基板が熱板へ載置された際の当該基板の滑りの有無を検出することができる。
第1実施形態にかかる基板処理システムの構成の概略を模式的に示す平面図である。 第1実施形態にかかる基板処理システムの内部構成の概略を示す側面図である。 第1実施形態にかかる基板処理システムの内部構成の概略を示す側面図である。 熱処理装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。 熱処理装置の構成の概略を示す横断面の説明図である。 熱処理装置の熱板の構成の概略を示す平面の説明図である。 搬送アームの構成の概略を示す平面の説明図である。 検出部の構成の概略を示す側面の説明図である。 第1実施形態にかかる制御部の構成の概略を模式的に示すブロック図である。 滑り推定部での推定方法の説明図であり、基板が滑った状態を示している。 滑り推定部での推定方法の説明図であり、基板が滑らなかった状態を示している。 滑り推定部での推定方法の説明図であり、基板が逆方向に滑った状態を示している。 滑り推定部での推定方法を説明するための、熱板における領域の温度の時間変化を示す図である。 滑り推定部での推定方法を説明するための、熱板における別の領域の温度の時間変化を示す図である。 熱板に対して設定された複数の方向の例を示す説明図である。 滑り方向推定用テーブルの一例を示す図である。 第2実施形態にかかる制御部の構成の概略を模式的に示すブロック図である。 昇降ピンの移動区間に対する高速域と低速域の位置の説明図である。 低速域の位置が不適切な場合における、低速域と熱板表面の位置関係を示す図である。 低速域の位置が不適切な場合における、熱板の温度変化を示す図である。
先ず、特許文献1に記載されている従来の熱処理装置について説明する。
半導体デバイス等の製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では、各種処理が行われ、基板としての半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上に、所定のレジストパターンが形成される。各種処理とは、ウェハW上にレジスト液を塗布しレジスト膜を形成する処理、レジスト膜を露光する処理、露光後にウェハを加熱しレジスト膜内の化学反応を促進させる処理(PEB(Post Exposure Bake)処理)、露光されたレジスト膜を現像する処理等である。
上述のPEB処理等の熱処理は、通常、ウェハが載置されて当該ウェハを加熱する熱板を有する熱処理装置で行われる。熱処理装置の熱板には、例えば、給電により発熱するヒータが内蔵されており、このヒータによる発熱により熱板は所定温度に調整されている。
加熱処理における熱処理温度は、最終的にウェハ上に形成されるレジストパターンの線幅に大きな影響を与える。そこで、加熱時のウェハ面内の温度を厳密に調整するために、上述の熱処理装置の熱板は、複数の領域に区画され、領域毎の独立したヒータ及び温度センサが内蔵され、領域毎に温度調整されている。
なお、上記熱板の各領域の処理温度を共通とすると、例えば当該熱板の各領域の熱抵抗の相違等により、熱板上のウェハ面内の温度がばらつき、この結果、レジストパターンの線幅がばらつくことがある。このため、熱板の各領域で個別に処理温度が設定されている。
また、熱処理の際は、熱板に対し昇降自在に設けられた昇降ピンの動作により、上記搬送アームとの動作により、熱板上にウェハが載置される。例えば、昇降ピンが上昇することにより、外部から熱処理装置内に挿入された基板搬送装置の搬送アームから昇降ピンへウェハが受け渡され、その後、搬送アームが退避してから、昇降ピンが下降することにより、昇降ピンから熱板へウェハが受け渡される。
熱処理装置内での処理に要する時間を短くするためには、昇降ピンを高速で昇降させることが好ましい。ただし、昇降ピンを高速で下降させると、昇降ピンから熱板へのウェハの受け渡しの際に当該ウェハが熱板上で滑ることがある。そこで、昇降ピンの移動区間には高速動作する区間と低速動作する区間とが設けられている。
しかし、使用ウェハの変更や、昇降ピンの駆動部であるシリンダ等の機械部品の経時変化によって、昇降ピンが低速動作する区間が、昇降ピンの昇降方向に関し、熱板の位置に対してずれることがある。その結果、昇降ピンから熱板へのウェハの受け渡しの際における昇降ピンの移動速度が低速とならずに高速のままとなり、ウェハが熱板へ載置された時にウェハが熱板上で滑ることがある。
このように滑りが生じると、ウェハのいずれかの部分の温度が目標温度から大きくずれ、最終的にウェハ上に形成されるレジストパターンの線幅に悪影響を及ぼすことがある。また、熱板へ基板が載置される際の速度又は加速度が想定よりも大きいために滑りが起こっていると考えられることから基板が想定以上の衝撃を受けている懸念もあり、追加の機能を求められる場合もある。追加の機能とは、例えば、熱処理後の基板が搬出時受渡される部材での落下防止の機能や次の処理の為の位置合せの機能である。
したがって、熱板へ載置された時の当該熱板上でのウェハの滑りの有無を検知することが肝要である。
特許文献1の熱処理装置は、基板を加熱する加熱板上において基板が異物に乗り上げているかを判断するものであるが、ウェハの滑りを検知するものではない。
以下、基板が熱板へ載置された際の当該基板の滑りの有無を検出する、本実施形態にかかる熱処理装置及び基板滑り検出方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる熱処理装置を備えた基板処理システム1の構成の概略を示す平面図である。図2及び図3は、各々基板処理システム1の内部構成の概略を模式的に示す、正面図と背面図である。なお、本実施の形態では、基板処理システム1がウェハWに対して塗布現像処理を行う塗布現像処理システムである場合を例にして説明する。
基板処理システム1は、図1に示すように、複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション10と、ウェハWに所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション11と、を有する。そして、基板処理システム1は、カセットステーション10と、処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接する露光装置12との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション13と、を一体に接続した構成を有している。
カセットステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、基板処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置するカセット載置板21が複数設けられている。
カセットステーション10には、X方向に延びる搬送路22上を移動自在なウェハ搬送装置23が設けられている。ウェハ搬送装置23は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板21上のカセットCと、後述する処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
処理ステーション11には、各種装置を備えた複数例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション11の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション11の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション11のカセットステーション10側(図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション11のインターフェイスステーション13側(図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
第1のブロックG1には、図2に示すように複数の液処理装置、例えば現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33が下からこの順に配置されている。現像処理装置30は、ウェハWを現像処理するものであり、下部反射防止膜形成装置31は、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜(以下「下部反射防止膜」という)を形成するものである。レジスト塗布装置32は、ウェハWにレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するものであり、上部反射防止膜形成装置33は、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜(以下「上部反射防止膜」という)を形成するものである。
例えば現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33は、それぞれ水平方向に3つ並べて配置されている。なお、これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33の数や配置は、任意に選択できる。
これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33では、例えばウェハW上に所定の塗布液を塗布するスピンコーティングが行われる。スピンコーティングでは、例えば塗布ノズルからウェハW上に塗布液を吐出すると共に、ウェハWを回転させて、塗布液をウェハWの表面に拡散させる。
第2のブロックG2には、図3に示すようにウェハWの加熱や冷却といった熱処理を行う熱処理装置40や、レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置41、ウェハWの外周部を露光する周辺露光装置42が設けられている。これら熱処理装置40、アドヒージョン装置41、周辺露光装置42は、上下方向と水平方向に並べて設けられており、その数や配置は、任意に選択できる。
例えば第3のブロックG3には、複数の受け渡し装置50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60、61、62と、基板検査装置としての検査装置63とが下から順に設けられている。検査装置63の構成については後述する。
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、基板搬送装置としてのウェハ搬送装置70が配置されている。
ウェハ搬送装置70は、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム70aを有している。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置にウェハWを搬送できる。ウェハ搬送装置70は、例えば図3に示すように上下に複数台配置され、例えば各ブロックG1〜G4の同程度の高さの所定の装置にウェハWを搬送できる。
また、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
シャトル搬送装置80は、例えば図3のY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置90が設けられている。ウェハ搬送装置90は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム90aを有している。ウェハ搬送装置90は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
インターフェイスステーション13には、ウェハ搬送装置100と受け渡し装置101が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム100aを有している。ウェハ搬送装置100は、例えば搬送アーム100aにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置、受け渡し装置101及び露光装置12との間でウェハWを搬送できる。
ここで、上述した熱処理装置40の構成について説明する。例えば熱処理装置40は、図4及び図5に示すように筐体120内に、ウェハWに対して熱処理としての加熱処理を行う加熱部121を備えている。筐体120の一側面には、ウェハWを搬入出するための搬入出口122が形成されている。
加熱部121は、図4に示すように上側に位置して上下動自在な蓋体130と、下側に位置してその蓋体130と一体となって処理室Sを形成する熱板収容部131を備えている。
蓋体130は、下面が開口した略筒形状を有している。蓋体130の上面中央部には、排気部130aが設けられている。処理室S内の雰囲気は、排気部130aから排気される。
熱板収容部131の中央には、ウェハWが載置され当該ウェハWを加熱する熱板132が設けられている。熱板132は、厚みのある略円盤形状を有しており、その内部に熱板132を加熱するヒータ140が設けられている。ヒータ140としては、例えば電気ヒータが用いられる。また、熱板132の上面には、ウェハWを熱板132上の所定位置にガイドするガイドピン133と、ウェハWの裏面を熱板132の上面から離間させて当該ウェハWを支持する支持ピン134とが設けられている。なお、ガイドピン133や支持ピン134の図示は図5では省略している。また、熱板132の温度制御にかかる構成については後述する。
熱板収容部131には、図4及び図5に示すように熱板132を厚み方向に貫通する受け渡し部としての昇降ピン141が設けられている。昇降ピン141は、シリンダ等の駆動部142により昇降自在である。昇降ピン141は、熱板132の上面に突出して、例えば搬入出口122から筐体120の内部に進入するウェハ搬送装置70との間でウェハWの受け渡しを行うことができる。
熱板収容部131は、熱板132を収容して熱板132の外周部を保持する環状の保持部材150と、その保持部材150の外周を囲む略筒状のサポートリング151を有している。
次に、熱板132の構成について詳述する。熱板132は、当該熱板132の中央部を除く外周部を周方向に分割した外周分割領域を含む複数の領域に区画されている。
図6の例では、平面視の中央部に設けられた1つの円形の領域Rと、平面視の外周部を周方向に4等分した円弧状の領域R、R、R、R(以下、「外周分割領域R、R、R、R」と言うことがある)との計5つの領域に区画されている。
熱板132の各領域R〜Rには、ヒータ140が個別に内蔵され、各領域R〜Rは個別に加熱できる。また、領域R〜Rそれぞれには、温度測定部としての温度センサ160が埋設されている。各温度センサ160は、当該温度センサ160が設けられた熱板132の領域R〜Rの温度を測定する。各領域R〜Rのヒータ140の発熱量は、例えば制御部200により、領域R〜R毎に、それぞれの温度センサ160で測定される温度が設定温度となるように、調整される。
続いて、熱処理装置40にウェハWを搬入出するウェハ搬送装置70の搬送アーム70aについて図7及び図8を用いて説明する。
ウェハ搬送装置70が有する、基板保持部としての搬送アーム70aは、当該装置70の基台(図示せず)から進退自在に設けられ、ウェハWを保持するものである。図7に示すように、搬送アーム70aには、ウェハWの周縁部が載置される保持爪71が例えば4つ設けられている。
また、搬送アーム70aがウェハWを保持した状態で後退しているときに、当該ウェハWの縁の位置を、それぞれ異なる位置で検出する3個以上(図の例では4つ)の検出部170(170A〜170D)が、搬送アーム70aに対して設けられている。検出部170(170A〜170D)は、搬送アーム70aが後退したときに、搬送アーム70aに保持されているウェハWの縁部と平面視において重なるように設けられている。
検出部170(170A〜170D)は、図8に示すように、光源171(171A〜171D)と、複数の受光素子が配列してなる受光部172(172A〜172D)との組み合わせにより構成されている。光源171(171A〜171D)は例えばLED(Light Emitting Diode)であり、受光部172(172A〜172D)は例えばリニアイメージセンサである。光源171(171A〜171D)と受光部172(172A〜172D)とは、後退している搬送アーム170が保持しているウェハWを間に挟んで対向するように設けられている。
上述の検出部170(170A〜170D)での検出結果に基づいて、搬送アーム70a内でのウェハWの位置、具体的には、ウェハWの中心位置を検出することができる。
以上の基板処理システム1には、図1に示すように制御部200が設けられている。制御部200は、例えばCPUやメモリ等を備えたコンピュータにより構成され、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、ウェハWが熱板132へ載置された際における当該ウェハWの熱板132上での滑りの有無を検出するプログラムを含む、基板処理システム1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから制御部200にインストールされたものであってもよい。
また、制御部200は、図9に示すように、記憶部210と、滑り推定部211と、滑り方向推定部212と、保持位置取得部213と、滑り決定部214とを有する。
記憶部210は、熱板132の各領域R〜Rの設定温度の情報や、滑り方向推定用テーブル等の各種情報を記憶する。
滑り推定部211は、ウェハWが熱板132へ載置された際における、当該ウェハWの熱板132上での滑りの有無を推定する。
ここで、ウェハWが熱板132へ載置された際、熱板132の温度は、ウェハWによる吸熱によって、設定温度から一旦下降し、その後、当該設定温度に戻る。
ただし、図10Aのように熱板132への載置の際にウェハWが領域R側に滑った場合、図10BのようにウェハWが滑らず熱板132の中央部に載置されたときに比べて、図11Aに示すように、熱板132の領域Rの設定温度からの最大下降量が大きくなる。また、ウェハWが領域R側に滑った場合、中央の領域Rを挟んで領域Rと対向する領域Rでは、図11Bに示すように熱板132の設定温度からの最大下降量が小さくなる。
一方、図10Cのように熱板132への載置の際にウェハWが領域R側に滑った場合、ウェハWが滑らず熱板132の中心に載置されたときに比べて、図11Bに示すように、熱板132の領域Rの設定温度からの最大下降量が大きくなる。また、ウェハWが領域R側に滑った場合、中央の領域Rを挟んで領域Rと対向する領域Rでは、図11Aに示すように熱板132の設定温度からの最大下降量が小さくなる。なお、以下では、「ウェハWが熱板132へ載置されたときの設定温度からの最大下降量」を「アンダーシュート量」と言うことがある。
上述のような知見を元に、滑り推定部211は、ウェハWが熱板132へ載置されている間の、温度センサ160での温度測定結果に基づいて、ウェハWが熱板132へ載置された際における、当該ウェハWの熱板132上での滑りの有無を推定する。なお、以下では、「ウェハWが熱板132へ載置された際の当該ウェハWの滑り」を「ウェハWの滑り」と省略して記載することがある。
滑り推定部211は、具体的には、以下の場合に、ウェハWの滑りがあったと推定する。すなわち、熱板132の外周分割領域R〜Rのいずれか1以上の領域で、アンダーシュート量が基準値を超えた場合である。ただし、上述の場合であって、且つ、上記いずれか1以上の領域と対向する外周分割領域R〜Rで、アンダーシュート量が基準値未満であった場合に、上記滑りがあったと推定してもよい。本例では、後者のようにしてウェハWの滑りがあったと推定する。
また、上記基準値は、外周分割領域R〜R毎に個別に設定されても、外周分割領域R〜Rで共通であってもよい。
さらに、上記基準値に幅を持たせ、基準域としてもよい。この場合、アンダーシュート量が「基準値を超える」とは、基準域における最大値を超えることを意味し、「基準値未満である」とは、基準域における最小値未満であることを意味し、「基準値である」とは、「基準域内に収まる」ことを意味する。
滑り方向推定部212は、ウェハWの滑りがあった場合に、その滑りの方向を推定するものである。ここで、ウェハWが熱板132へ載置されている間に、外周分割領域R〜Rのいずれかに設けられた温度センサ160において、測定した温度の設定温度からの最大下降量が基準値を超えたとする。この場合、滑り方向推定部212は、測定した温度の上記設定温度からの最大下降量が基準値を超えた温度センサ160が設けられた外周分割領域R〜Rに対応する方向を、ウェハWの滑り方向と推定する。つまり、滑り方向推定部212は、熱板132の外周分割領域R〜Rのいずれか1以上の領域で、アンダーシュート量が基準値を超えた場合に、当該いずれか1以上の領域に対応する方向を、ウェハWの滑り方向と推定する。ただし、滑り方向推定部212は、外周分割領域R〜Rのいずれか1以上の領域でアンダーシュート量が基準値を超え、当該外周分割領域と対向する領域で基準値未満であった場合、これらの外周分割領域に対応する方向を、ウェハWの滑り方向と推定してもよい。本例では、後者のようにして滑り方向を推定する。
滑り方向推定部212は、例えば、図12に示すように、熱板132に対して設定された複数の方向の中から1つの方向を選択し、当該方向を滑り方向と推定する。なお、図12の例では、外周分割領域R〜Rが設けられた熱板132に対して、4つの方向D1〜D4が設定されている。
また、滑り方向推定部212は、図13に示すような滑り方向推定用テーブルTを用いて、ウェハWの滑り方向を推定する。滑り方向推定用テーブルTは、上述の熱板132に対して設定された複数の方向それぞれと、アンダーシュート量が基準値を超えた外周分割領域及び基準値未満の外周分割領域とが対応付けられている。なお、上記テーブルT中、「deep」とは、基準値を超えた場合、「shallow」とは、基準値未満であった場合を意味する。図13の滑り方向推定用テーブルTでは、例えば、熱板132に対して設定された方向D1と、アンダーシュート量が基準値を超えた外周分割領域R、R及び基準値未満の外周分割領域R、Rとが対応付けられている。
保持位置取得部213は、ウェハWを保持して熱処理装置40へ搬入出するウェハ搬送装置70が有する搬送アーム70aにおける、ウェハWの保持位置を取得する。上記保持位置に係る情報は、例えば、ウェハ搬送装置70が有する検出部170(170A〜170D)の受光部172(172A〜172D)から取得される。上述の保持位置取得部213は、当該熱処理装置40での熱処理前と後とで、搬送アーム70aにおけるウェハWの保持位置を取得する。
滑り決定部214は、滑り方向推定部212の推定結果と、保持位置取得部213の取得結果とに基づいて、ウェハWの滑りの有無を決定する。より具体的には、滑り決定部214は、保持位置取得部213の取得結果に基づいて、当該熱処理装置40での熱処理前後で、搬送アーム70aでウェハWの保持位置がズレた方向(以下、「位置ズレ方向」という。)を算出する。そして、算出した位置ズレ方向と、滑り方向推定部212で推定された滑り方向とが一致するか否かに基づいて、ウェハWの滑りの有無を決定する。例えば、上記算出した位置ズレ方向と、滑り方向推定部212で推定された滑り方向とが一致する場合に、ウェハWの滑りがあったと決定する。
次に、基板処理システム1で行われるウェハWの処理について説明する。
ウェハWの処理においては、先ず、複数枚のウェハWを収容したカセットCがカセットステーション10の所定のカセット載置板21に載置される。その後、ウェハ搬送装置23によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション11の第3のブロックG3の例えば受け渡し装置53に搬送される。
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、温度調節される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって例えば第1のブロックG1の下部反射防止膜形成装置31に搬送され、ウェハW上に下部反射防止膜が形成される。その後ウェハWは、第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、加熱処理が行われる。
熱処理装置40での加熱処理の際、まず、ウェハWを保持したウェハ搬送装置70の搬送アーム70aが、熱処理装置40内に挿入される前の、後退した状態で、検出部170(170A〜170D)により、ウェハWの縁の位置が検出される。そして、熱処理装置40による熱処理前の、搬送アーム70aにおけるウェハWの保持位置に係る情報として、ウェハWの縁の位置の情報が、保持位置取得部213により取得される。
次いで、ウェハWを保持した搬送アーム70aが、熱板132の上方に移動される。次に、昇降ピン141が上昇され、搬送アーム70aのウェハWが昇降ピン141に受け渡される。その後、搬送アーム70aが熱板132上から退避され、昇降ピン141が下降され、熱板132上へウェハWが載置され、熱板132による加熱処理が開始される。
熱板132の領域R〜Rそれぞれを設定温度に制御するため、ウェハWが熱板132へ載置されている間は、領域R〜Rそれぞれの温度センサ160で当該外周分割領域の温度が測定され続ける。そして、熱板132の外周分割領域R〜Rのいずれかの領域で、熱板132の温度のアンダーシュート量が基準値を超え、その外周分割領域と対向する外周分割領域で上記アンダーシュート量が基準値未満であったか、滑り推定部211により判定される。その結果、熱板132の外周分割領域R〜Rのいずれかの領域でアンダーシュート量が基準値を超え、対向する外周分割領域でアンダーシュート量が基準値未満である場合、滑り推定部211により、ウェハWの滑りがあったと推定される。例えば、それ以外の場合は、ウェハWの滑りがなかったと推定される。
また、ウェハWの滑りがあったと推定された場合、滑り方向推定部212により、滑り方向推定用テーブルTを用いて、ウェハWの滑り方向が推定される。例えば、外周分割領域R、Rのアンダーシュート量が基準値を超え、外周分割領域R、Rのアンダーシュート量が基準値未満の場合、滑り方向推定用テーブルTに基づいて、方向D1が滑り方向と推定される。
所定時間ウェハWの加熱処理が行われると、昇降ピン141が上昇され、ウェハWが熱板132の上方に移動される。その後、搬送アーム70aがウェハWと熱板132との間に挿入された後に、昇降ピン141が下降され、昇降ピン141から搬送アーム70aにウェハWが受け渡される。
次いで、ウェハWを保持した搬送アーム70aが後退した状態になると、検出部170(170A〜170D)により、ウェハWの縁の位置が再度検出される。そして、熱処理装置40による熱処理後の、搬送アーム70aにおけるウェハWの保持位置に係る情報として、ウェハWの縁の位置の情報が、検出部170(170A〜170D)から送られ、保持位置取得部213により取得される。
次に、保持位置取得部213が取得した、熱処理前と後の、搬送アーム70aにおけるウェハWの保持位置に係る情報に基づいて、熱処理前後での搬送アーム70aにおけるウェハWの位置ズレ傾向が、滑り決定部214により算出される。そして、算出した上記位置ズレ方向と、滑り方向推定部212で推定された滑り方向とが一致するか否かに基づいて、ウェハWの滑りがあったか否か、滑り決定部214により決定される。
滑り決定部214により滑りがあったと決定された場合は、ウェハWの処理は中止され、当該ウェハWは例えばカセットCに戻される。
一方、滑り決定部214により滑りがなかったと決定された場合、ウェハWは、第3のブロックG3の受け渡し装置53に戻される。次いで、ウェハWは、ウェハ搬送装置90によって同じ第3のブロックG3の受け渡し装置54に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2のアドヒージョン装置41に搬送され、疎水化処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってレジスト塗布装置32に搬送され、ウェハW上にレジスト膜が形成される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、プリベーク処理される。なお、これ以降の加熱処理においても、上述のレジスト膜形成前の加熱処理と同様に、ウェハWの滑りの有無の推定や、ウェハWの滑り方向の推定、熱処理前後での位置ズレ方向の算出、ウェハWの滑りの有無の決定が行われる。
プリベーク処理後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置55に搬送される。
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって上部反射防止膜形成装置33に搬送され、ウェハW上に上部反射防止膜が形成される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、加熱され、温度調節される。その後、ウェハWは、周辺露光装置42に搬送され、周辺露光処理される。
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置56に搬送される。
次にウェハWは、ウェハ搬送装置90によって受け渡し装置52に搬送され、シャトル搬送装置80によって第4のブロックG4の受け渡し装置62に搬送される。
その後、ウェハWは、インターフェイスステーション7のウェハ搬送装置100によって露光装置12に搬送され、露光処理される。次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって第4のブロックG4の受け渡し装置60に搬送される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、露光後ベーク処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって現像処理装置30に搬送され、現像される。現像終了後、ウェハWは、ウェハ搬送装置90によって熱処理装置40に搬送され、ポストベーク処理される。
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置50に搬送され、その後カセットステーション10のウェハ搬送装置23によって所定のカセット載置板21のカセットCに搬送される。こうして、一連のフォトリソグラフィー処理が終了する。
本実施形態によれば、ウェハWの滑りと相関がある、熱板132の外周分割領域R〜Rの温度を温度センサ160で測定し、その測定結果を取得している。そのため、上記測定結果に基づいて、ウェハWの滑りの有無を精度良く推定することができる。
また、本実施形態によれば、ウェハWの滑り方向を推定すると共に、熱板132での熱処理前後での搬送アーム70aにおけるウェハWの位置ズレ傾向を取得する。そして、推定した滑り方向と上記位置ズレ方向とに基づいて、ウェハWの滑りの有無を決定する。したがって、ウェハWの滑りの有無をより正確に検知することができる。
以上の例では、滑り推定部211での推定結果を踏まえた、滑り決定部214での決定結果に基づいて、ウェハWの処理を中止するようにしていた。しかし、これに代えて、滑り決定部214や滑り方向推定部212を設けずに、滑り推定部211により滑りがあったと推定されたときに、ウェハWの処理を中止するようにしてもよい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、滑り決定部214によりウェハWの滑りがあったと決定した場合、または、滑り推定部211によりウェハWの滑りがあったと推定された場合、ウェハWの処理を中止していた。言い換えると、前述のように、昇降ピンの移動区間には高速動作する区間(高速域)と低速動作する区間(低速域)が設けられているところ、第1実施形態では、昇降ピン141の高速域と低速域の位置が適切でない場合、ウェハWの処理を中止していた。
それに対し、本実施形態では、図14に示すように、昇降ピン141を相対的に高速で移動させる高速域と昇降ピン141を相対的に低速で移動させる低速域とを設定する速度域設定部220を、制御部200aが有する。そして、本実施形態では、昇降ピン141の高速域と低速域の位置が適切でない場合、すなわち、滑り決定部214または滑り推定部211によりウェハWの滑りがあったと決定または推定された場合、速度域設定部220が低速域と高速域とを再設定する。なお、図15に示すように、高速域と高速域との間に、低速域が含まれている。
前述のように、ウェハWが熱板132へ載置された際、熱板132の温度は、設定温度から一旦下降し、その後、当該設定温度に戻る。
ただし、熱板132の表面(支持ピン134の上面)が、図16に示すように、昇降ピン141の移動区間において、設定された場所より相対的に上方に位置すると、熱板132への載置の際、ウェハWが熱板132からの輻射熱により熱せられる時間が短い。そのため、相対的に低温のウェハWが熱板132へ載置されるので、図17に示すように、熱板132のアンダーシュート量が大きくなる。一方、熱板132の表面が、受け渡しピン141が移動される区間において、設定された場所より相対的に下方に位置すると、熱板132へ載置される際に、ウェハWが熱板132からの輻射熱により熱せられる時間が長い。そのため、相対的に高温のウェハWが熱板132へ載置されるので、熱板132のアンダーシュート量が小さくなる。
上述のような知見を元に、速度域設定部220は、ウェハWが載置されたときの熱板132の温度に基づいて、高速域と低速域を再設定する。具体的には、高速域と低速域の位置が適切でない場合、アンダーシュート量が閾値を上回るか下回るか否かに応じて、高速域と低速域を再設定する。例えば、アンダーシュート量が閾値を上回る場合、低速域を上方に移動するよう再設定し、閾値を下回る場合、低速域が下方に移動するよう再設定する。なお、速度域設定部220は、ウェハWが載置されたときの、熱板132の中央部の温度変化に基づいて(例えば中央の領域Rのアンダーシュート量に基づいて)、高速域と低速域を設定してもよい。また、これに代えて、速度域設定部220は、ウェハWが載置されたときの熱板132全体の温度変化に基づいて(例えば領域R〜Rのアンダーシュート量に基づいて、高速域と低速域を設定してもよい。
なお、上記閾値に幅を持たせ、閾域としてもよい。この場合、アンダーシュート量が「閾値値を上回る」とは、閾域における最大値を超えることを意味し、「閾値を下回る」とは、閾域における最小値未満であることを意味する。
なお、低速域は、例えば図15に示すように低速駆動開始点から熱板132の表面までの距離を6割、上記表面から低速駆動終了点までを4割で設計されている。上記6割のうちの2/3である4割が、昇降ピン141から熱板132への受け渡し時の速度静定に要する領域として設けられており、1/3である2割が猶予分である。また、熱板132から昇降ピン141への受け渡し時の速度静定に要する領域として、低速域のうちの0.5割が割り当てられている。
したがって、速度域設定部220は、例えば、以下の(A)または(B)のようにして、高速域と低速域を再設定する。
(A)第1の再設定方法
本方法では、例えば、速度域設定部220は、アンダーシュート量が閾値を上回る場合、低速域を下側に上述の猶予分すなわち2割分スライドさせ、閾値値を下回る場合は、低速域を上側に2割分スライドさせる。
このように低速域を再設定する場合、再設定後も低速域の位置が適切でないときは、低速域を同じ方向に同じ量スライドさせる。
(B)第2の再設定方法
本方法では、速度域設定部220は、速度静定のためのマージンを考慮して、高速域と低速域を再設定する。例えば、アンダーシュート量が閾値を上回る場合、低速域を下側に4割分スライドさせる。また、例えばアンダーシュート量が判定値を下回る場合、上側に、(低速域全体−マージンの和)の差の分である5.5割分、低速域をスライドさせる。
このように低速域を再設定する場合、再設定後も低速域の位置が適切でないときは、低速域のズレが大き過ぎると考えられるため、その後、ウェハWの処理を停止させてもよい。
本実施形態によれば、適切でない低速域の位置を適切にすることができ、ウェハWの処理を止めることなく、ウェハWの滑りを解消することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)基板を熱処理する熱処理装置であって、
前記基板が載置され当該基板を加熱する熱板を有し、
前記熱板は、当該熱板の中央部を除く外周部を周方向に分割した外周分割領域を含む複数の領域に区画され、且つ、前記領域毎に温度設定され、
当該熱処理装置はさらに、
前記熱板の前記外周分割領域それぞれに設けられ、前記熱板の当該外周分割領域の温度を測定する温度測定部と、
前記基板が前記熱板へ載置された際の、前記温度測定部で測定された温度の設定温度からの降下量に基づいて、当該基板が前記熱板へ載置された際の当該基板の滑りの有無を推定する滑り推定部と、を有する熱処理装置。
前記(1)では、熱板へ載置された際の基板の滑りと相関がある、熱板の外周分割領域の温度を温度測定部で測定し、その測定結果を取得している。そのため、上記測定結果に基づいて、上記基板の滑りの有無を精度良く推定することができる。
(2)前記滑り推定部は、前記基板が前記熱板へ載置されている際に、前記外周分割領域のいずれかに設けられた前記温度測定部において、測定された温度の設定温度からの最大下降量が基準値を超えた場合、当該基板の滑りがあったと推定する、前記(1)に記載の熱処理装置。
(3)前記基板が前記熱板へ載置されている際に、前記外周分割領域のいずれかに設けられた前記温度測定部において、測定された温度の設定温度からの最大下降量が基準値を超えた場合、当該温度測定部が設けられた前記外周分割領域に対応する方向を、当該基板の滑り方向と推定する滑り方向推定部を有する、前記(1)または(2)に記載の熱処理装置。
(4)前記基板を保持して当該熱処理装置へ搬入出する基板搬送装置が有する基板保持部における、前記基板の保持位置を取得する保持位置取得部と、
前記滑りの有無を決定する滑り決定部と、を有し、
前記保持位置取得部は、当該熱処理装置による熱処理前と後とで、前記基板保持部における前記基板の前記保持位置を取得し、
前記滑り決定部は、前記滑り方向推定部の推定結果と前記保持位置取得部の取得結果と、に基づいて、前記滑りの有無を決定する前記(3)に記載の熱処理装置。
前記(3)では、基板の滑り方向を推定すると共に、熱板での熱処理前後での基板保持部における基板の保持位置を取得する。そして、推定した滑り方向と基板の保持位置の取得結果とに基づいて、基板の滑りの有無を決定する。したがって、基板の滑りの有無をより正確に検知することができる。
(5)前記熱板の基板搭載面と交差する方向へ移動し、前記熱板との間で前記基板を受け渡す受け渡し部と、
前記受け渡し部を駆動する駆動部と、
前記受け渡し部を高速で移動させる高速域と前記受け渡し部を低速で移動させる低速域とを設定する速度域設定部と、を有し、
前記速度域設定部は、前記基板が載置されたときの前記熱板の温度に基づいて、前記高速域と前記低速域を設定する前記(1)〜(4)のいずれか1に記載の熱処理装置。
上記(6)では、基板が載置されたときの熱板の温度に基づいて、高速域と低速域を設定する。したがって、適切でない低速域の位置を適切にすることができ、ウェハWの処理を止めることなく、ウェハWの滑りを解消することができる。
(6)前記速度域設定部は、前記基板が載置されたときの、前記熱板の中央部の温度の変化に基づいて、前記高速域と前記低速域を設定する前記(6)に記載の熱処理装置。
(7)前記速度域設定部は、前記基板が載置されたときの、前記熱板全体の温度の変化に基づいて、前記高速域と前記低速域を設定する前記(6)に記載の熱処理装置。
(8)熱板上での基板の滑りの有無を検知する基板滑り検知方法であって、
前記熱板は、当該熱板の中央部を除く外周部を周方向に分割した外周分割領域を含む複数の領域に区画され、且つ、前記領域毎に温度設定されると共に前記外周分割領域毎に温度測定部が設けられており、
当該基板滑り検知方法は、
前記基板が前記熱板へ載置された際の、前記温度測定部で測定された温度の設定温度からの降下量に基づいて、当該基板が前記熱板へ載置された際の当該基板の滑りの有無を推定する滑り推定工程、を有する。
40 熱処理装置
132 熱板
160 温度センサ
211 滑り推定部
〜R 外周分割領域

Claims (8)

  1. 基板を熱処理する熱処理装置であって、
    前記基板が載置され当該基板を加熱する熱板を有し、
    前記熱板は、当該熱板の中央部を除く外周部を周方向に分割した外周分割領域を含む複数の領域に区画され、且つ、前記領域毎に温度設定され、
    当該熱処理装置はさらに、
    前記熱板の前記外周分割領域それぞれに設けられ、前記熱板の当該外周分割領域の温度を測定する温度測定部と、
    前記基板が前記熱板へ載置された際の、前記温度測定部で測定された温度の設定温度からの降下量に基づいて、当該基板が前記熱板へ載置された際の当該基板の滑りの有無を推定する滑り推定部と、を有する熱処理装置。
  2. 前記滑り推定部は、前記基板が前記熱板へ載置されている際に、前記外周分割領域のいずれかに設けられた前記温度測定部において、測定された温度の設定温度からの最大下降量が基準値を超えた場合、当該基板の滑りがあったと推定する請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 前記基板が前記熱板へ載置されている際に、前記外周分割領域のいずれかに設けられた前記温度測定部において、測定された温度の設定温度からの最大下降量が基準値を超えた場合、当該温度測定部が設けられた前記外周分割領域に対応する方向を、当該基板の滑り方向と推定する滑り方向推定部を有する請求項1または2に記載の熱処理装置。
  4. 前記基板を保持して当該熱処理装置へ搬入出する基板搬送装置が有する基板保持部における、前記基板の保持位置を取得する保持位置取得部と、
    前記滑りの有無を決定する滑り決定部と、を有し、
    前記保持位置取得部は、当該熱処理装置による熱処理前と後とで、前記基板保持部における前記基板の前記保持位置を取得し、
    前記滑り決定部は、前記滑り方向推定部の推定結果と前記保持位置取得部の取得結果と、に基づいて、前記滑りの有無を決定する請求項3に記載の熱処理装置。
  5. 前記熱板の基板搭載面と交差する方向へ移動し、前記熱板との間で前記基板を受け渡す受け渡し部と、
    前記受け渡し部を駆動する駆動部と、
    前記受け渡し部を高速で移動させる高速域と前記受け渡し部を低速で移動させる低速域とを設定する速度域設定部と、を有し、
    前記速度域設定部は、前記基板が載置されたときの前記熱板の温度に基づいて、前記高速域と前記低速域を設定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  6. 前記速度域設定部は、前記基板が載置されたときの、前記熱板の中央部の温度の変化に基づいて、前記高速域と前記低速域を設定する請求項5に記載の熱処理装置。
  7. 前記速度域設定部は、前記基板が載置されたときの、前記熱板全体の温度の変化に基づいて、前記高速域と前記低速域を設定する請求項5に記載の熱処理装置。
  8. 熱板上での基板の滑りの有無を検知する基板滑り検知方法であって、
    前記熱板は、当該熱板の中央部を除く外周部を周方向に分割した外周分割領域を含む複数の領域に区画され、且つ、前記領域毎に温度設定されると共に前記外周分割領域毎に温度測定部が設けられており、
    当該基板滑り検知方法は、
    前記基板が前記熱板へ載置された際の、前記温度測定部で測定された温度の設定温度からの降下量に基づいて、当該基板が前記熱板へ載置された際の当該基板の滑りの有無を推定する滑り推定工程、を有する基板滑り検知方法。
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