JP2020012854A - シャッタ装置および撮像装置 - Google Patents

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和也 刈部
正弘 高山
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正弘 高山
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Abstract

【課題】より高精度に被駆動部材の駆動を可能とする。【解決手段】シャッタ装置(100)は、コイルに一定の電圧を印加して駆動を行うフルステップ駆動モードおよび前記コイルに印加する電圧を所定の区間(T1、T2、…)ごとに段階的に変化させながら駆動を行うマイクロステップ駆動モードを有するモータ(Ma、Mb)と、モータにより駆動される被駆動部材(109、119)と、被駆動部材が駆動されることに連動して開口を閉鎖する閉鎖状態と開口を開放する開放状態とに移動可能な遮光部材(106、116)と、モータの駆動を制御する制御部(13)とを有するシャッタ装置であって、制御部は、マイクロステップ駆動モードの際に、所定の区間においてコイルに印加する電圧を変更する。【選択図】図8

Description

本発明は、シャッタ装置を備えた撮像装置に関する。
従来、所定の時間間隔に従ってコイルの通電状態を切り替えるオープンループ駆動モードおよびロータの回転位置に応じてコイルの通電状態を切り替えるフィードバック駆動モードで駆動可能なモータを備えたシャッタ装置が知られている。特許文献1には、モータにより被駆動部材が駆動されても遮光部材が閉鎖状態または開放状態を維持する第1区間と、モータにより被駆動部材が駆動されることで遮光部材が閉鎖状態と開放状態との間で変化する第2区間とを有するシャッタ装置が開示されている。特許文献1に開示されたシャッタ装置において、被駆動部材が第1区間にて駆動されるとき、モータはオープンループ駆動モードで被駆動部材を駆動する。
国際公開第2015/071988号
しかしながら、特許文献1に開示されたシャッタ装置では、より高精度に被駆動部材を駆動することができない。
そこで本発明の目的は、より高精度に被駆動部材の駆動を可能とすることである。
本発明の一側面としてのシャッタ装置は、コイルに一定の電圧を印加して駆動を行うフルステップ駆動モードおよび前記コイルに印加する電圧を所定の区間ごとに段階的に変化させながら駆動を行うマイクロステップ駆動モードを有するモータと、前記モータにより駆動される被駆動部材と、前記被駆動部材が駆動されることに連動して開口を閉鎖する閉鎖状態と前記開口を開放する開放状態とに移動可能な遮光部材と、前記モータの駆動を制御する制御部とを有するシャッタ装置であって、前記制御部は、前記マイクロステップ駆動モードの際に、前記所定の区間において前記コイルに印加する前記電圧を変更する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、より高精度に被駆動部材の駆動が可能となる。
第1実施形態におけるシャッタ装置の駆動部のブロック図である。 第1実施形態におけるモータの外観斜視図である。 第1実施形態におけるロータの回転角度とモータのトルクとの関係図である。 第1実施形態におけるモータのヨークとマグネットとの位相を示す軸直角方向断面図である。 第1実施形態におけるフルステップ駆動でのモータのコイルヘの通電電流と経過時間との関係を示す図である。 第1実施形態におけるマイクロステップ駆動の際のコイルへの通電電流と回転子の位置との関係を示す図である。 比較例としてのマイクロステップ駆動の説明図である。 第1実施形態におけるマイクロステップ駆動の説明図である。 第1実施形態におけるフルステップ駆動およびマイクロステップ駆動のコイルへの通電電流と回転子の位置との関係を示す図である。 第1実施形態におけるマイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替えたときの通電電流と回転子の位置との関係を示す図である。 第1実施形態におけるフォーカルプレンシャッタの分解斜視図である。 第1実施形態におけるカムギアの平面図である。 第1実施形態における第1シャッタユニットの待機状態の説明図である。 第1実施形態における第1シャッタユニットのバネチャージ完了状態の説明図である。 第1実施形態における第1シャッタユニットのバネ加速完了状態の説明図である。 第1実施形態における第1シャッタユニットの羽根駆動直前状態の説明図である。 第1実施形態における第1シャッタユニットの羽根走行完了状態の説明図である。 第1実施形態における第1シャッタユニットの減速区間のバネチャージ開始状態の説明図である。 第1実施形態における第1シャッタユニットの減速区間のバネチャージ完了状態の説明図である。 第1実施形態における第2シャッタユニットの待機状態の説明図である。 第1実施形態における第2シャッタユニットのバネチャージ完了状態の説明図である。 第1実施形態における第2シャッタユニットのバネ加速完了状態の説明図である。 第1実施形態における第2シャッタユニットの羽根駆動直前状態の説明図である。 第1実施形態における第2シャッタユニットの羽根走行完了状態の説明図である。 第1実施形態における第2シャッタユニットの減速区間のバネチャージ開始状態の説明図である。 第1実施形態における第2シャッタユニットの減速区間のバネチャージ完了状態の説明図である。 第1実施形態および第2実施形態における第1シャッタユニットおよび第2シャッタユニットの一連の動作を示す図である。 第3実施形態におけるマイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替えたときの通電電流と回転子の位置との関係を示す図である。 第4実施形態におけるマイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替えたときの通電電流と回転子の位置との関係を示す図である。 第5実施形態における撮像装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態におけるシャッタ装置の駆動部について説明する。図1は、フォーカルプレンシャッタ(シャッタ装置)100の駆動部のブロック図である。図1において、Ma、Mbはモータである。モータMa、Mbはそれぞれ同構造である。このため、以下、モータMaに関してのみ説明する。
モータMaは、ロータ3、第1コイル4、第2コイル5、第1磁気センサ8、第2磁気センサ9、第3磁気センサ10、および、第4磁気センサ11を有する。13は制御回路(制御部)、14はモータMaのコイル(第1コイル4および第2コイル5)に通電を行うモータドライバ、15はモータMbのコイルに通電を行うモータドライバ、16はメモリである。
次に、図2を参照して、モータMa(Mb)の構成について説明する。図2は、モータMaの外観斜視図である。なお図2では、説明のため、一部の部品を破断して示している。ロータ3は、マグネット2を備え、制御回路13により回転可能に制御される。マグネット2は、円筒形状に形成され、外周面を周方向に分割して、異なる極に交互に多極着磁されている。本実施形態では、8分割すなわち8極に着磁されている。ただし本発明は、8極に限定されるものではなく、4極や12極に着磁してもよい。
第1コイル4は、マグネット2の軸方向の一端に配置されている。第1ヨーク6は、軟磁性材料で、マグネット2の外周面に隙間を持って対向して形成されている。また、第1ヨーク6は、円環状の本体部から軸方向に延出され、周方向に所定の間隔で配置された複数の第1磁極部6aを備えている。第1磁極部6aは、第1コイル4に通電されることで励磁される。第1コイル4、第1ヨーク6、および、複数の第1磁極部6aに対向するマグネット2により、第1ステータユニットが構成される。
第2コイル5は、マグネット2の第1コイル4が取り付けられた軸方向の一端と反対側の他端に配置されている。第2ヨーク7は、軟磁性材料で、マグネット2の外周面に隙間を持って対向して形成されている。また、第2ヨーク7は、円環状の本体部から軸方向に延出され、周方向に所定の間隔で配置された複数の第2磁極部7aを備えている。第2磁極部7aは、第2コイル5に通電されることで励磁される。第2コイル5、第2ヨーク7、および、複数の第2磁極部7aに対向するマグネット2により、第2ステータユニットが構成される。第1磁極部6aと第2磁極部7aに励磁される極(N極、S極)を切り替えることで、ロータ3に与えるトルクを変化させることができる。
第1磁気センサ(第1検出素子)8、第2磁気センサ(第2検出素子)9、第3磁気センサ(第3検出素子)10、第4磁気センサ(第4の検出素子)11は、検出手段を構成する。各磁気センサは、それぞれマグネット2の磁束を検出するホール素子であり、モータカバー12に固定される。モータカバー12は、第1磁極部6aと第2磁極部7aとがマグネット2の着磁位相に対して電気角で略90度ずれて配置されるように第1ヨーク6と第2ヨーク7を固定保持する。
ここで、電気角とは、マグネット磁力の1周期を360°として表したものであり、ロータの極数をM、機械角をθ0とすると、電気角θは以下の式(1)で表される。
θ=θ0×M/2 … (1)
本実施形態では、マグネット2の着磁は8極であるから電気角90度は機械角で22.5度となる。
次に、図3および図4を参照して、モータMa(Mb)の動作を説明する。図3は、モータMaのコイル(第1コイル4、第2コイル5)へ一定電流を流したときのロータ3の回転角度とモータMaのトルク(モータトルク)との関係図である。図3において、横軸は電気角(ロータ3の回転角度)、縦軸はモータトルク(T)をそれぞれ示している。モータトルクは、ロータ3を時計回りに回転させるトルクを正とする。図4は、各ヨーク(第1ヨーク6、第2ヨーク7)とマグネット2との位相関係を示すモータMaの軸直角方向断面図である。
第1コイル4に正方向の電流を流すと、第1磁極部6aがN極に磁化され、第2コイル5に正方向の電流を流すと、第2磁極部7aがN極に磁化されるとする。図4(a)の状態の位相を図3中に符号aとして示す。図4(a)は、マグネット2の着磁された極の中心と第1磁極部6aとの距離と、極の中心と第2磁極部7aとの距離が同じとなる状態である。図4(a)の状態では、回転位相を保持する力は発生しているが、マグネット2のS極が第1磁極部6aと第2磁極部7aに引きつけられて釣り合った状態であるため、回転駆動力は発生していない。
図4(a)の状態から第2磁極部7aを切り替えてS極に励磁すると、ロータ3は、図4(b)に示す状態になるまで回転する。図4(b)に示される状態おいて、図4(a)の状態と同様に、回転位相を保持する力は発生しているが、回転駆動力は発生していない。すなわち、マグネット2のS極が第1磁極部6aに引きつけられ、マグネット2のN極が第2ヨークの磁極部7aに引きつけられ釣り合った状態である。
メモリ16にはモータMaのコイル(第1コイル4および第2コイル5)の各相に通電する駆動周波数の組み合わせが記憶されている。以後、同様に、駆動周波数に従い第1コイル4と第2コイル5の通電方向を切り替えて、第1磁極部6aと第2磁極部7aの極性を切り替えることにより、ロータ3を回転させることができる。
以上は、一定の通電量で第1コイル4および第2コイル5への通電を切り替えるフルステップ駆動(フルステップ駆動モード)の説明である。図5は、フルステップ駆動でのモータMaの第1コイル4および第2コイル5ヘの通電電流と経過時間との関係を示す図であり、図5(a)は第1コイル4への通電、図5(b)は第2コイル5への通電の様子をそれぞれ示している。図5(a)、(b)において、横軸は時間、縦軸は電流値(通電電流)をそれぞれ示している。
また本実施形態のシャッタ装置は、第1コイル4および第2コイル5へ通電する電流値の比率を変化させることにより、図4(a)、(b)に示される位相の間の位置に回転子、すなわちマグネット2を停止させるマイクロステップ駆動が可能である。以下、図6乃至図10を参照して、マイクロステップ駆動(マイクロステップ駆動モード)について説明する。
図6は、マイクロステップ駆動の際における第1コイル4および第2コイル5の通電電流とステップ数(回転子(マグネット2)の位置)との関係を示す図である。図6において、横軸はステップ(回転子の位置)、縦軸は電流値(通電電流)をそれぞれ示している。
メモリ16には、マイクロステップ駆動の駆動周波数のテーブルとして、(A1、B1)、(A2、B2)、(A3、B3)、・・・、(Am、Bm)の第1コイル4および第2コイル5に通電する電流値の比率を示すテーブルが記憶されている。A1、A2、A3、…、Amは、第1コイル4へ通電する電流値の比率である。B1、B2、B3、…、Bmは、第2コイル5へ通電する電流値の比率である。電流値の変更の方式としては、印加電圧のパルス幅変調方式(PWM制御方式)があり、このような通電方式の場合、マイクロステップ駆動テーブルに記憶されている値は、通電のデューティー値に関するデータである。
図7は、比較例としてのマイクロステップ駆動の各ステップ(各区間)において、一定の実効電圧で駆動した際のコイルへの通電電流とコイルに流れる実効電流との関係を示す図である。図7において、横軸はステップ(区間)T1〜T5、縦軸は電流値の比率A1〜A5(100%)をそれぞれ示している。また図7において、実線は通電電流、破線は実効電流をそれぞれ示している。
マイクロステップ駆動では、第1コイル4および第2コイル5に通電する実効電圧(印加実効電圧)を変化させることにより、電流値の比率を変化させて駆動を行う。通電する電流値の比率が小さい場合、目標とする電流値の電流に達するまでの電流の上昇率は小さく、時間を要する。すなわち、マイクロステップ駆動で駆動する場合の電流値は、図7に示されるように、印加電圧に応じた通電電流に対して実際に第1コイル4および第2コイル5に通電される実効電流は傾きを持って変化している。また、比較的短時間で次のステップに切り替えを行うため、目標とする電流値に達する前に次のステップに切り替わってしまう場合がある。この場合、目標とする電流値に達していない区間においては、ロータ3を所望のトルクで駆動することができず、被駆動部材の制御性が低下する。
そこで本実施形態では、図8のように制御を行う。図8は、本実施形態におけるマイクロステップ駆動の各ステップ(各区間)において、複数の実効電圧で(各ステップにおいて実効電圧を変更して)駆動した際のコイルへの通電電流とコイルに流れる電流の実効電流との関係を示す図である。図8に示されるように、1ステップ(T1、T2、T3、…Tm)の中で、目標とする電流値の比率で駆動する前に、電流値の比率を100%または0%の状態で一定時間だけ通電した後、目標の電流値の比率で駆動する。例えば、図8において無通電状態(電流値の比率:0%)から電流値の比率A1へ上昇させる場合、電流値の比率100%で時間t1だけ駆動する。その後、目標とする電流値に達したところで電流値の比率を100%から比率A1に切り替え、残りの時間(T1−t1)だけ通電する。また、比率A6の通電状態から比率A7へ電流値を減少させる場合、電流値の比率0%で時間t7だけ駆動し、目標とする電流値に達したところで電流値の比率を0%からA7に切り替え、残りの時間(T7−t7)通電する。
この通電を、マイクロステップ駆動中、電流値の比率A1、A2、A3、…Amで繰り返し行う。以上により、マイクロステップ駆動の各ステップにおいて目標とする電流値に達するまでの時間を短くすることで、できるだけ長い時間、目標とする電流値の比率A1、A2、A3、…AmでモータMaを駆動することができる。その結果、より効果的に所望の回転速度に制御することが可能となる。
ここで、目標とする電流値の比率A1、A2、A3、…Amで通電する直前の電流値の比率が大きいほど、電流値の立ち上がりの傾きが大きいため、できるだけ短時間で所望の電流値に達するため100%で通電することが好ましい。ただし、電流値の比率は100%でなくてもよく、目標とする電流値の比率よりも大きい電流値の比率であれば電流値の立ち上がりの傾きは大きくなるため、所望の回転速度に制御する効果は期待できる。
例えば、目標とする電流値の比率A1に対し、1ステップ(1区間)の内の一定時間を電流値の比率A1よりも大きい電流値の比率A2、A3などで通電する。その後、目標とする電流値の比率A1に達したところで電流値の比率をA1に切り替える場合でも、1ステップの間、電流値の比率A1で駆動するよりも早く目標とする電流値の比率A1に達するため、回転の制御性向上の効果は期待できる。
また、マイクロステップ駆動は、第1コイル4および第2コイル5に通電する電流値の比率を下げて駆動しているため、フルステップ駆動に対して駆動力が小さい。しかし、モータの出力軸の回転の分解能は、マイクロステップ駆動のほうがフルステップ駆動よりも高いため、被駆動部材の制御性が向上する。このような理由で、被駆動部材を高精度に制御して駆動する場合、マイクロステップ駆動で所望の速度まで駆動し、一定の速度以上においてはフルステップ駆動でさらに高速に駆動していく方法により被駆動部材を滑らかに駆動することができる。
次に、図9を参照して、フルステップ駆動とマイクロステップ駆動の切り替えに関して説明する。図9は、フルステップ駆動およびマイクロステップ駆動のコイルへの通電電流と回転子の位置との関係を示す図である。マイクロステップ駆動からフルステップ駆動への切り替え、または、フルステップ駆動からマイクロステップ駆動への切り替えは、マイクロステップ通電時における各相の通電電流の絶対値が同一(または略同一)になるタイミングで行われる。このタイミングは、図9中のタイミングa、b、c、dに相当する。すなわち、マイクロステップ通電時における各相の通電電流の絶対値が略同一になるタイミングである。
図10は、マイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替えたときの通電電流と回転子の位置との関係を示す図であり、図9中のタイミングcでマイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替えた場合の通電電流の様子を示している。図10において、横軸はステップ(区間)、縦軸は電流値(電流値の比率)をそれぞれ示している。
マイクロステップ駆動テーブルは、連続して通電電流が変化する場合を除いて段階的に電流が変化する場合には各相の通電電流の絶対値が一致するという組み合わせのテーブルになるとは限らない。この場合、各相の通電電流の絶対値が略同一になるタイミング(すなわち、実質的に同一であると評価されるタイミング)で切り替えを行う。
これらのタイミングは、2つのコイルヘの通電電流の比が1対1または略1対1でフルステップ駆動時もマイクロステップ駆動時も同一または略同一であるため、ロータ回転位置は駆動モードの切り替えにより変化しない。これにより、マイクロステップ駆動からフルステップ駆動またはフルステップ駆動からマイクロステップ駆動への駆動モードの変更を行っても滑らかに回転が移行する。このため、駆動モードの切り替えを要因とする、滑らかに回転が変化していないことによる振動の発生や脱調を防止することができる。
次に、図11乃至図27を参照して、本実施形態におけるフォーカルプレンシャッタ(シャッタ装置)100の構成について説明する。図11は本実施形態のフォーカルプレンシャッタ100の分解斜視図である。101は、モータMaの出力軸に固着された第1ピニオンギヤである。102は、モータMaが固着されて第1カバー103にモータMaを固定するための第1モータ取り付け板であり、カムベース104に固定される。カムベース104はシャッタ地板105に固定される。シャッタ地板105は、撮像素子216(図30参照)へ被写体からの光を導く開口部105aを備える。
106は第1羽根群である。第1羽根群106は、第1羽根106a、106bを有し、後述の第1羽根アーム110と回転可能に連結されている。また第1羽根群106は、第1羽根アーム110の回転に応じて、シャッタ地板105の開口部105aを覆い、被写体からの光を撮像素子に届かないようにする遮光状態と、開口部105aから退避し被写体からの光を撮像素子に導く開放状態に移動可能である。本実施形態において、第1羽根群106および第1羽根アーム110をまとめて、第1羽根ユニットと総称する。
107は第1カムギアである。図12は、第1カムギア107の平面図である。第1カムギア107は、後述の第1付勢スプリング108の腕108a、腕108bと係合可能な突起部107aを有する。107bは、後述の第1駆動レバー109のカムフォロワ109aが摺動可能に嵌合するカム溝である。カム溝107bは、第1カム領域A、第2カム領域B、および、第3カム領域Cを有する。ここで、後述の第1駆動レバー109のカムフォロワ109aが、カム溝107bの第1カム領域Aと摺動する区間を助走区間、第2カム領域Bと摺動する区間を羽根駆動区間(走行区間)、第3カム領域Cと摺動する区間を減速区間という。第1カム領域Aおよび第3カム領域Cは、第1カムギア107の回転中心と同心上に形成されている。また、第1カムギア107は、カムベース104の軸104aと穴107cとが回転可能に嵌合している。第1カムギア107には、おもり107dが一体的に形成され、慣性質量が第1羽根群や第1駆動レバー109に対して大きい。
第1付勢スプリング108は、その内径部が第1カバー103の円筒部103cにガイドされ、腕108bが右回転方向に、腕108aが左回転方向に付勢力が発生するようにチャージされている。腕108bは第1カバー103の係止部103bに当接可能であり、図14に示される状態は、さらなる右回転方向への付勢力が係止された状態である。腕108aは、第1カバー103の係止部103aに当接可能であり、図19に示される状態は、さらなる左回転方向への付勢力が係止された状態である。
109は第1駆動レバーであり、カムベース104に回転可能に取り付けられ、カムフォロワ109aは第1カムギア107のカム溝107bと摺動可能に嵌合している。第1カムギア107の回転に応じて、カム溝107bと嵌合したカムフォロワ109aを介して第1駆動レバー109が回動される。第1羽根アーム110はメインアーム110a、サブアーム110bからなり、第1駆動レバー109の駆動ピン109bにより回転されるように、シャッタ地板105に取り付けられている。
以上の各要素により第1シャッタユニットが構成される。すなわち第1シャッタユニットは、モータMa、第1ピニオンギヤ101、第1モータ取り付け板102、第1カバー103、第1羽根群106、および、第1カムギア107を有する。また第1シャッタユニットは、第1付勢スプリング108、第1駆動レバー109、第1羽根アーム110、カムベース104、および、シャッタ地板105を有する。
111は、モータMbの出力軸に固着された第1ピニオンギヤである。112は、モータMbが固着されて第2カバー113にモータMbを固定するための第2モータ取り付け板であり、カムベース104に固定される。116は第2羽根群である。第2羽根群116は、第2羽根116a、116b、116cを有し、後述の第2羽根アーム120と回転可能に連結されている。第2羽根群116は、第2羽根アーム120の回転に応じて、シャッタ地板105の開口部105aを覆い、被写体からの光を撮像素子に届かないようにする遮光状態と、開口部105aから退避し被写体からの光を撮像素子に導く開放状態に移動可能である。本実施形態において、第2羽根群116および第2羽根アーム120をまとめて、第2羽根ユニットと総称する。
117は第2カムギアである。図12に示されるように、第2カムギア117は、後述の第2付勢スプリング118の腕118a、腕118bと係合可能な突起部117aを有する。117bは、後述の第2駆動レバー119のカムフォロワ119aが摺動可能に嵌合するカム溝である。カム溝117bは、第1カム領域A、第2カム領域B、および、第3カム領域Cを有する。ここで、後述の第2駆動レバー119のカムフォロワ119aが、カム溝117bの第1カム領域Aと摺動する区間を助走区間、第2カム領域Bと摺動する区間を羽根駆動区間、第3カム領域Cと摺動する区間を減速区間という。第1カム領域Aおよび第3カム領域Cは、第2カムギア117の回転中心と同心上に形成されている。また、第2カムギア117は、カムベース104の軸104bと穴117cとが回転可能に嵌合している。第2カムギア117には、おもり117dが一体的に形成され、慣性質量が第2羽根群や第2駆動レバー119に対して大きい。
第2付勢スプリング118は、その内径部が第2カバー113の円筒部113cにガイドされ、腕118bが右回転方向に、腕118aが左回転方向に付勢力が発生するようにチャージされている。腕118bは第2カバー113の係止部113bに当接可能であり、図21に示される状態は、さらなる右回転方向への付勢力が係止された状態である。腕118aは、第2カバー113の係止部113aに当接可能であり、図26に示される状態は、さらなる左回転方向への付勢力が係止された状態である。
119は第2駆動レバーであり、カムベース104に回転可能に取り付けられ、カムフォロワ119aは第2カムギア117のカム溝117bと摺動可能に嵌合している。第2カムギア117の回転に応じて、カム溝117bと嵌合したカムフォロワ119aを介して第2駆動レバー119が回動される。第2羽根アーム120はメインアーム120a、サブアーム120bからなり、第2駆動レバー119の駆動ピン119bにより回転されるように、シャッタ地板105に取り付けられている。
以上の各要素により第2シャッタユニットが構成される。すなわち第2シャッタユニットは、モータMb、第2ピニオンギヤ111、第2モータ取り付け板112、第2カバー113、第2羽根群116、および、第2カムギア117を有する。また第2シャッタユニットは、第2付勢スプリング118、第2駆動レバー119、第2羽根アーム120およびカムベース104、および、シャッタ地板105を有する。
以下、図13乃至図19を参照して第1シャッタユニットの動作を説明し、図20乃至図26を参照して、第2シャッタユニットの動作を説明する。
図13は、第1シャッタユニットの待機状態(遮光状態)の説明図である。図13の状態において、第1駆動レバー109のカムフォロワ109aは、第1カムギア107のカム溝107bの第1カム領域Aと嵌合し、第1羽根群106が開口105aを覆った状態で被写体からの光を撮像素子に届かないようにする遮光状態で保持される。この状態において、第1カムギア107の突起部107aは第1付勢スプリング108の腕108bからは右回転方向の付勢は受けていない。
図14は、第1シャッタユニットのバネチャージ完了状態(チャージ状態、遮光状態)の説明図である。制御回路(モータ制御手段)13は、図13の状態からモータMaを右回転させることで第1カムギア107は左回転していくが、その際に突起部107aは第1付勢スプリング108の腕108bに当接し、第1付勢スプリング108をチャージしていく。したがって、第1付勢スプリング108の付勢力に抗してモータMaを回転させる必要があるため、駆動力の大きいフルステップ駆動でモータMaを駆動する。
第1カムギア107が左回転する間、第1駆動レバー109のカムフォロワ109aが嵌合した第1カムギア107のカム溝107bは、回転中心107cと同心円状に形成された第1カム領域Aと嵌合しているため、第1駆動レバー109を回転させない。第1カムギア107の突起部107aが不図示のストッパーに当接することで、図14に示される位置に位置出しされる。
図15は、第1シャッタユニットのバネ加速完了状態(助走区間)の説明図である。制御回路13は、レリーズ信号に応じて、図14の状態からモータMaをマイクロステップ駆動で左回転させていく。ここで、この助走区間における電気信号と第1羽根ユニットとの位置ズレが小さい場合、羽根ユニットがモータにより位置制御された状態であるといえる。羽根ユニットの位置を制御することができれば、撮像素子への露光量を制御することができ、シャッタ精度が向上する。以上より、助走区間における電気信号と第2羽根ユニットとのズレを最小にすることが重要である。
また、電気信号と第1羽根ユニットとのズレは、1ステップのピッチによって制御性が変わり、ピッチが小さいほど電気信号と第1羽根ユニットの誤差は小さくなる。その為、助走区間においてモータMaをマイクロステップ駆動で駆動することは精度を向上させる上で、非常に有効である。
ここで、マイクロステップ駆動においては、電流値を上昇させる場合は1ステップの通電時間Tの内、一定時間tだけ電流値の比率を100%で通電し、残りの時間(T−t)だけ所望の通電比率で通電する。また、電流値を減少させる場合は1ステップの通電時間T´の内、一定時間t´だけ電流値の比率を0%で通電し、残りの時間(T´−t´)だけ所望の通電比率で通電する。以上によりモータを高制御に駆動することが可能である。
また、マイクロステップ駆動は、フルステップ駆動と比較して駆動力が小さい。ただし、図15に示される助走区間は、第1駆動レバー109を回動させることなく第1カムギア107が回転する領域であり、モータMaにかかる負荷が非常に小さい。したがって、比較的小さい駆動力であっても脱調することなく、駆動することが可能である。
この助走区間において、第1カムギア107は右回転していくが、第1付勢スプリング108の付勢力とモータMaの所定の駆動周波数により徐々に加速されていくとともに、所定の回転速度に対し誤差が少なくなっていく。さらに、第1付勢スプリング108の付勢力がモータMaの駆動力に追加されることにより大きな質量をもつ第1カムギア107は容易に高速回転される。また、図15の状態において、第1カムギア107は図13に示す回転位置と同様であるが、右回転方向に所定の速度で駆動中である。
図16は、第1シャッタユニットの羽根駆動直前状態(羽根駆動直前状態→羽根駆動区間)の説明図である。制御回路13は、図15の状態からさらに第1カムギア107を右回転させる。このときモータMaは、マイクロステップ駆動で駆動されており、コイル通電の切り替え周波数と同調して回転するため、その回転数は所望の回転数になる。
第1カムギア107は、図14に示される位置から図16に示される位置にある場合、カム溝107bの第1カム領域Aとカムフォロワ107bが嵌合しており、遮光部材である第1羽根ユニットを移動させることなく自らの回転を可能とする。図16に示される第1カムギア107の回転位置では、第1駆動レバー109のカムフォロワ109aは第1カムギア107のカム溝107bの第1カム領域Aと嵌合しているため、第1駆動レバー109を回転させない。第1駆動レバー109は、第1羽根群が開口105aを覆った状態で被写体からの光を撮像素子に届かないようにする遮光状態にある。
さらに図16から第1カムギア107が右回転していくと、第1カムギア107は走行区間に入り、第1駆動レバー109のカムフォロワ109aは第1カムギア107のカム溝107bの第2カム領域Bと嵌合することにより、左回転させられる。それに応じて、第1羽根アーム110が駆動され第1羽根群106は開口105aを覆った状態から開口部105aから退避し、被写体からの光を撮像素子に導く開放状態に移動していく。図16の状態までは、モータMaがマイクロステップ駆動で駆動されている。このため第1カムギア107は、速度が所望の回転速度に制御され、かつ高速で回転している。第1駆動レバー109が第1カムギア107により左回転させられる際、モータMaは、モータMaには第1カムギア107を介して大きな負荷が加わる。したがって、モータMaの駆動力も大きい必要がある。
また、図16の状態において、第1カムギア107は、おもり107dが一体的に形成されており、十分な慣性質量をもっている。そのため、第1カムギア107の回転の運動量が第1羽根ユニットや第1駆動レバー109の駆動の運動量に変換することで、マイクロステップ駆動ほどの高精度な制御がなくても、安定して駆動することが可能である。さらに、第1羽根ユニットおよび第1駆動レバー109の駆動精度やスピードは、第1カムギア107のカム溝107bにより第1駆動レバー109が回転し始めるときの第1カムギア107の回転状態(スピード、電気信号との同調具合)が大きな影響を与える。ただし、第1駆動レバー109が回転し始めて以降の工程においては、モータMaの回転駆動力の変化に対して影響は少ない。したがって、図16の状態からは、モータMaをフルステップ駆動で駆動する。このときの駆動の切り替えは、図9中のタイミングa、b、c、dであって、かつ助走区間の中であって羽根駆動区間より前のタイミングで行われる。
フルステップ駆動により駆動されたモータMaは、第1カムギア107を回転させ、第1駆動レバー109のカムフォロワ109aが第1カムギア107のカム溝107bの第2カム領域Bをトレースする。これにより、図15に示される第1羽根群106は、完全に開口105aから退避し、被写体からの光を撮像素子に導く開放状態に移動する。
図17は、第1シャッタユニットの羽根走行完了状態(開放状態、減速区間)の説明図である。図16の状態から図17の状態にモータMaをフルステップ駆動で駆動して、第1羽根ユニットを移動させる。このとき第1駆動レバー109のカムフォロワ109aは、第1カムギア107のカム溝107bの、回転中心107cと同心円状に形成されている第3カム領域Cにあるため、第1駆動レバー109を回転させない。したがって、第1羽根群106は、シャッタ地板105の開口105aを開放した開放状態となる。また、この減速区間においては、第1羽根ユニットを精度よく動かす必要はなく、減速のために大きな駆動力が必要なため、フルステップ駆動が効果的である。
図18は、第1シャッタユニットの減速区間のバネチャージ開始状態(開放状態、チャージ開始および減速)の説明図である。図17の状態から図18の状態に第1羽根ユニットを移動させた後、モータMaはフルステップ駆動でさらに回転し、第1カムギア107を回転させる。このとき、第1駆動レバー109のカムフォロワ109aは、第1カムギア107のカム溝107bの第3カム領域と嵌合しているため、第1駆動レバー109を回転させない。したがって、第1羽根群106は、シャッタ地板105の開口105aを開放した開放状態となる。
図19は、第1シャッタユニットの減速区間のバネチャージ完了状態(開放状態、チャージ完)の説明図である。制御回路13は、図18の状態からモータMaをそのままフルステップ駆動で左回転させていく。第1カムギア107もそのまま右回転していくが、その際に突起部107aは、第1付勢スプリング108の腕108aに当接し第1付勢スプリング108をチャージしていく。第1カムギア107は、第1付勢スプリング108の付勢力に抗して右回転していく。その間、第1駆動レバー109のカムフォロワ109aは、第1カムギア107のカム溝107bの第3カム領域Cと嵌合しているため、第1駆動レバー109を回転させない。第1カムギア107は、不図示のストッパーに当接することで図19に示される位置に位置出しされる。
第1カムギア107は、図17に示される位置から図19に示される位置にある状態の場合が第1カムギア107を減速させる減速区間である。この減速区間において、第1カムギア107は、第1羽根ユニットを移動させことなく、開口105aを開放状態に保持したまま自らの移動が可能である。
図20は、第2シャッタユニットの待機状態(開放状態、バネアシスト完了)の説明図である。図20の状態において、第2駆動レバー119のカムフォロワ119aは、第2カムギア117のカム溝117bの第1カム領域Aと嵌合している。このため第2羽根群116は、開口105aから退避し、被写体からの光を撮像素子に導く開放状態で保持されている。この状態において、第1カムギア107の突起部107aは第1付勢スプリング108の腕108bからは右回転方向の付勢は受けていない。
図21は、第2シャッタユニットのバネチャージ完了状態(開放状態、チャージ状態)の説明図である。制御回路13は、図20の状態からモータMbを右回転させることで、第2カムギア117は左回転していく。その際に突起部117aは、第2付勢スプリング118の腕118bに当接し、第2付勢スプリング118をチャージしていく。したがって、第2付勢スプリング118の付勢力に抗してモータMbを回転させる必要があるため、駆動力の大きいフルステップ駆動でモータMbを駆動する。
第2カムギア117が左回転していく間、第2駆動レバー119のカムフォロワ119aが嵌合している第2カムギア117のカム溝117bは、回転中心117cと同心円状に形成された第1カム領域Aと嵌合しているため、第2駆動レバー119を回転させない。第2カムギア117の突起部117aは、不図示のストッパーに当接することで、図21に示される位置に位置出しされる。
図22は、第2シャッタユニットのバネ加速完了状態(助走区間)の説明図である。制御回路13は、レリーズ信号に応じて、図21の状態からモータMbをマイクロステップ駆動で左回転させていく。ここで、この助走区間における電気信号と第2羽根ユニットとの位置ズレが小さい状態であれば、羽根ユニットがモータにより位置制御された状態であるといえる。羽根ユニットの位置を制御することができれば撮像素子への露光量を制御することができ、したがって、シャッタ精度が向上する。以上より、助走区間における電気信号と第2羽根ユニットとのズレを最小にすることが重要である。また、電気信号と第2羽根ユニットとのズレは、1ステップのピッチによって制御性が変わり、ピッチが小さいほど電気信号と第2羽根ユニットの誤差は小さくなる。その為、助走区間においてモータMbをマイクロステップ駆動で駆動することは精度を向上させる上で、非常に有効である。
ここで、マイクロステップ駆動においては、電流値を上昇させる場合は1ステップの通電時間Tの内、一定時間tだけ電流値の比率を100%で通電し、残りの時間(T−t)だけ所望の通電比率で通電する。また、電流値を減少させる場合は1ステップの通電時間T´の内、一定時間t´だけ電流値の比率を0%で通電し、残りの時間(T´−t´)だけ所望の通電比率で通電する。以上によりモータを高制御に駆動することが可能である。
またマイクロステップ駆動は、フルステップ駆動と比較して駆動力が小さい。ただし、図22に示される助走区間は、第2駆動レバー119を回動させることなく第2カムギア117が回転する領域であり、モータMbにかかる負荷が非常に小さい。したがって、比較的小さい駆動力であっても脱調することなく、駆動することが可能である。
この助走区間では、第2カムギア117は右回転していくが、第2付勢スプリング118の付勢力とモータMbの所定の駆動周波数により徐々に加速されていくとともに、所定の回転速度に対し誤差が少なくなっていく。さらに、第2付勢スプリング118の付勢力がモータMbの駆動力に追加されることにより大きな質量をもつ第1カムギア117は容易に高速回転される。また、図22の状態において、第2カムギア117は図20に示す回転位置と同様であるが、右回転方向に所定の速度で駆動中である。
図23は、第2シャッタユニットの羽根駆動直前状態((羽根駆動直前状態→羽根駆動区間))の説明図である。制御回路13は、図22の状態からさらに第2カムギア117を右回転させていく。このときモータMbは、マイクロステップ駆動で駆動されており、コイル通電の切り替え周波数と同調して回転するため、その回転数は所望の回転数になる。
第2カムギア117は、図21に示される位置から図23に示される位置にある場合、カム溝117bの第1カム領域Aとカムフォロワ117bが嵌合しており、遮光部材である第2羽根ユニットを移動させることなく自らの回転が可能である。
図23に示される第2カムギア117の回転位置では、第2駆動レバー119のカムフォロワ119aは第2カムギア117のカム溝117bの第1カム領域Aと嵌合しているため、第2駆動レバー119を回転させない。第2駆動レバー119のこの状態は、第2羽根群が開口105aから退避し、被写体からの光を撮像素子に導く開放状態にある。
さらに図23から第2カムギア117が右回転していくと、第2カムギア117は走行区間に入り、第2駆動レバー119のカムフォロワ119aは第2カムギア117のカム溝117bの第2カム領域Bと嵌合することにより、左回転させられる。それに応じて、第2羽根アーム120が駆動され、第2羽根群116は、開口105aから退避した状態から開口部105aを覆い、被写体からの光を撮像素子に届かない遮光状態に移動していく。
図23の状態までは、モータMbがマイクロステップ駆動で駆動されている。このため第2カムギア117は、速度が所望の回転速度に制御され、かつ高速で回転している。第2駆動レバー119が第2カムギア117により左回転させられる際、モータMbは、モータMbには第2カムギア117を介して大きな負荷が加わる。したがって、モータMbの駆動力も大きい必要がある。
また、図23の状態において、第2カムギア117は、おもり117dが一体的に形成されており、十分な慣性質量をもっている。そのため、第2カムギア117の回転の運動量が第2羽根ユニットや第2駆動レバー119の駆動の運動量に変換することで、マイクロステップ駆動ほどの高精度な制御がなくても、安定して駆動することが可能である。さらに、第2羽根ユニットおよび第2駆動レバー119の駆動精度やスピードは、第2カムギア117のカム溝117bにより第2駆動レバー119が回転し始める時の第2カムギア117の回転状態(スピード、電気信号との同調具合)が大きな影響を与える。ただし、第2駆動レバー119が回転し始めて以降の工程においては、モータMbの回転駆動力の変化に対して影響は少ない。したがって、図23の状態からは、モータMbをフルステップ駆動で駆動する。このときの駆動の切り替えは、図9におけるタイミングa、b、c、dであって、かつ助走区間の中であって羽根駆動区間より前のタイミングで行われる。
フルステップ駆動により駆動されたモータMbは、第2カムギア117を回転させ、第2駆動レバー119のカムフォロワ119aが第2カムギア117のカム溝117bの第2カム領域Bをトレースする。これにより、図24に示される第2羽根群116は、完全に開口105aを覆い、被写体からの光が撮像素子に届かない遮光状態に移動させる。
図24は、第2シャッタユニットの羽根走行完了状態(遮光状態、減速区間)の説明図である。図23の状態から図24の状態に第2羽根ユニットを移動させる。このとき第2駆動レバー119のカムフォロワ119aは、第2カムギア117のカム溝117bの、回転中心117cと同心円状に形成されている第3カム領域Cにあるため、第2駆動レバー119を回転させない。したがって、第2羽根群116は、シャッタ地板105の開口105aを遮光した遮光状態となる。この減速区間においては、第1羽根ユニットを精度よく動かす必要はなく、減速のために大きな駆動力が必要なため、フルステップ駆動が効果的である。
図25は、第2シャッタユニットの減速区間のバネチャージ開始状態(遮光状態、チャージ開始および減速)の説明図である。図24の状態から図25の状態に第2羽根ユニットを移動させた後、モータMbは、フルステップ駆動でさらに回転し、第2カムギア117を回転させる。このとき、第2駆動レバー119のカムフォロワ119aは、第2カムギア117のカム溝117bの第3カム領域Cと嵌合しているため、第2駆動レバー119を回転させない。したがって、第2羽根群116は、シャッタ地板105の開口105aを遮光した遮光状態となる。
図26は、第2シャッタユニットの減速区間のバネチャージ完了状態(遮光状態、チャージ完)の説明図である。制御回路13は、図25の状態からモータMbをそのままフルステップ駆動で左回転させていく。第2カムギア117もそのまま右回転していくが、その際に突起部117aは第2付勢スプリング118の腕118aに当接し第2付勢スプリング118をチャージしていく。第2カムギア117は、第2付勢スプリング118の付勢力に抗して右回転していく。その間、第2駆動レバー119のカムフォロワ119aは第2カムギア117のカム溝117bの第3カム領域Cと嵌合しているため、第2駆動レバー119を回転させない。第2カムギア117は、不図示のストッパーに当接することで、図26に示される位置に位置出しされる。
第2カムギア117は、図24の状態から図26の状態にある場合が第2カムギア107を減速させる減速区間である。この減速区間において、第2カムギア117は、第2羽根ユニットを移動させことなく、開口105aを遮光状態に保持したまま自らの移動が可能である。
次に、図27を参照して、第1シャッタユニットおよび第2シャッタユニットの一連の動作を説明する。図27は、第1シャッタユニットおよび第2シャッタユニットの一連の動作を示す図である。図27(a)は、第1シャッタユニットの第1羽根ユニットと第1カムギア107との動きを示すグラフである。図27(a)において、横軸は第1カムギア107の回転移動の位相角(位置)、縦軸は第1羽根ユニットの移動位置をそれぞれ示す。図27(b)は、第2シャッタユニットの第2羽根ユニットと第2カムギア117との動きを示すグラフである。図27(b)において、横軸は第2カムギア117の回転移動の位相角(位置)、縦軸は第2羽根ユニットの移動位置をそれぞれ示す。
図27(a)中の位置(1)は、図13に示される第1シャッタユニットの初期状態に相当する。位置(1)において、制御回路13は、図15の状態からモータMaをフルステップ駆動で、第1付勢スプリング108をチャージしながら右回転させていく。図27(a)中の位置(2)は、図14の状態に相当する。制御回路13は、位置(2)で待機している状態で、レリーズ信号に連動してマイクロステップ駆動でモータMaを回転駆動させる。図15の状態に相当する位置(3)までは、第1付勢スプリング108により十分に加速させられ、また、モータ駆動の電気信号とスピードとの同調が図られる。
一方、図27(b)に示される第2シャッタユニットは、第1シャッタユニットのモータMaと同時に、図20に相当する位置(1)から図21に相当する(2)に駆動され、位置(2)に保持されている。第2シャッタユニットは、被写体の輝度に応じて決められた所定の時間T1だけ第1シャッタユニットよりも遅れて、位置(2)から位置(3)への駆動を開始する。
その後、図27(a)に示される第1シャッタユニットは、図16に相当する位置(4)までマイクロステップ駆動で駆動される。そして位置(4)以降は、フルステップ駆動にて駆動される。第1シャッタ羽根は、開口部を露出するように移動を開始する。
その後、図27(b)に示される第2シャッタユニットは、図23に相当する位置(4)までマイクロステップ駆動で駆動される。そして位置(4)以降は、フルステップ駆動にて駆動される。第2羽根ユニットは、開口105aの露光を遮断する動作(移動)を、第1シャッタユニットの露出動作に対して所定の時間T2だけ遅れて開始する。このときの差(所定の時間T2)が撮像素子への露光時間になる。モータMaとモータMbの動作特性および加速特性や加速信号などが全く同じの場合、T1=T2となる。
第1シャッタユニットは、図27(a)中の位置(5)において、図17の状態になる。第2シャッタユニットは、図27(b)中の位置(5)において、図24に示す状態になる。また第1シャッタユニットのモータMaは、第1カムギア107を回転させていき、第2シャッタユニットのモータMbは第2カムギア117を回転させていくと、図18および図25に相当する位置(6)に駆動される。さらに、第1付勢スプリング108および第2付勢スプリング118をそれぞれチャージした図19、図26に相当する位置(7)まで駆動される。
次の駒のレリーズ信号が連続して入力された場合、位置(7)から位置(2)へ向かう方向に第2シャッタユニットが先行して駆動され、第1シャッタユニットが遅れ時間をもって駆動される。その際のモータ駆動方式は、モータMa、Mbともに位置(7)から位置(5)に向かう駆動の場合、マイクロステップ駆動で回転駆動される。位置(5)から位置(2)への駆動はフルステップ駆動で行われる。
(第2実施形態)
次に、図27を参照して、本発明の第2実施形態におけるフォーカルプレンシャッタについて説明する。なお、本実施形態のフォーカルプレンシャッタの構成は、第1実施形態のフォーカルプレンシャッタと同様であるため、差異のみを説明する。
第1実施形態では、図27中の位置(2)から位置(4)までの区間においてはマイクロステップ駆動で、それ以外の区間においてはフルステップ駆動でモータMa、Mbを駆動する。一方、本実施形態では、図27中の位置(2)から位置(3)までの区間においてはマイクロステップ駆動で、それ以外の区間においてはフルステップ駆動でモータMa、Mbを駆動する。
図27中の位置(3)までに、第1付勢スプリング108および第2付勢スプリング118の付勢力により、第1カムギア107および第2カムギア117は、所望の回転速度に対して十分な加速が終わっている。従って、マイクロステップ駆動による高精度な制御を行わなくても、羽根走行直前状態(図16、図23)において速度は一定となる。
(第3実施形態)
次に、図28を参照して、本発明の第3実施形態におけるフォーカルプレンシャッタについて説明する。なお、本実施形態のフォーカルプレンシャッタの構成は、第1実施形態のフォーカルプレンシャッタと同様であるため、差異のみを説明する。
本実施形態のフォーカルプレンシャッタは、マイクロステップ駆動においてはモータMa、Mbを実効電圧(印加電圧)Vaで駆動し、フルステップ駆動においてはモータMa、Mbを実効電圧(印加電圧)Vbで駆動する。
図28は、本実施形態におけるマイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替えたときの通電電流と回転子の位置との関係を示す図であり、図9中のタイミングcでマイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替えた場合の通電電流の様子を示している。図28において、横軸はステップ(区間)、縦軸は電流値(電流値の比率)をそれぞれ示している。
第1実施形態および第2実施形態にて説明したフォーカルプレンシャッタは、助走区間で蓄えたエネルギーを羽根ユニットの駆動に使い、動作させている。このため、シャッタの精度に対しては、この助走区間に蓄えるエネルギーが支配的である。従って、フルステップ駆動で駆動する実効電圧Vbは、マイクロステップ駆動で駆動する実効電圧Vaよりも小さくしてもシャッタ精度への影響はほとんどない。
従って、本実施形態では、図28に示されるように、マイクロステップ駆動時の最大電流よりもフルステップ駆動時の最大電流を小さくすることにより、省電力が可能である。なお、実効電圧Vbは、実効電圧Vaに対して印加電圧を低くすること、または、PWM駆動により実効電圧を小さくして駆動することのいずれでもよい。
(第4実施形態)
次に、図29を参照して、本発明の第4実施形態におけるフォーカルプレンシャッタについて説明する。なお、本実施形態のフォーカルプレンシャッタの構成は、第1実施形態のフォーカルプレンシャッタと同様であるため、差異のみを説明する。
本実施形態のフォーカルプレンシャッタは、マイクロステップ駆動においては実効電圧(印加電圧)Vaで駆動し、フルステップ駆動においては実効電圧(印加電圧)VcでモータMa、Mbを駆動する。
図29は、マイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替えたときの通電電流と回転子の位置との関係を示す図であり、図9中のタイミングcでマイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替えた場合の通電電流の様子を示している。図29において、横軸はステップ(区間)、縦軸は電流値(電流値の比率)をそれぞれ示している。図9中のタイミングcでの実効電圧をVdとするとき、フルステップ駆動においては、実効電圧Vdと同じ実効電圧Vc(Vc=Vd)でモータMa、Mbを駆動する。
マイクロステップ駆動からフルステップ駆動への切り替えの際に、電流値が急激に変化した場合、羽根ユニットを駆動する駆動力が急激に変化することとなり、シャッタ精度に影響する可能性がある。しかし、本実施形態によれば、通電電流を変化させることなくマイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替えることで、羽根ユニットを駆動する駆動力の連続性を保ったまま駆動を切り替えることができる。このため、シャッタ精度に影響することなく、スムーズに羽根ユニットを駆動することが可能である。なお本実施形態において、実効電圧Vcは、実効電圧Vaに対して印加電圧を下げるか、または、PWM駆動により実効電圧Vcを小さくすることにより実現可能である。
(第5実施形態)
次に、図30を参照して、本発明の第5実施形態における撮像装置の構成について説明する。図30は、撮像装置200の断面図である。撮像装置200は、カメラ本体(デジタル一眼レフカメラ本体)201と、カメラ本体201に着脱可能な交換レンズ(レンズ装置)301とを備えて構成される。ただし本発明は、これに限定されるものではなく、カメラ本体とレンズ装置とが一体的に構成された撮像装置にも適用可能である。
カメラ本体201に対して着脱可能な交換レンズ301は、カメラ本体201のマウント部202と交換レンズ301のマウント部302とにより固定される。交換レンズ301がカメラ本体201に装着されると、カメラ本体201の接点部203と交換レンズ301の接点部303とが接触する。これにより、カメラ本体201と交換レンズ301とが電気的に接続され、カメラ本体201は交換レンズ301が装着されたことを検知する。また、接点部203、303を介して、カメラ本体201から交換レンズ301へ電力の供給や交換レンズ301を制御するための通信を行う。
交換レンズ301の撮像レンズ(撮像光学系)304を透過した光束は、カメラ本体201の主ミラー204に入射する。主ミラー204は、ハーフミラーである。主ミラー204により反射された光束は、ファインダへ導かれる。また、主ミラー204を透過した光束は、サブミラー205により下方へ反射され、焦点検出ユニット206へ導かれる。焦点検出ユニット206は、撮像レンズ304のデフォーカス量を検出し、撮像レンズ304が合焦状態となるように撮像レンズ304を移動するためのレンズ駆動量を演算する。焦点検出ユニット206により演算されたレンズ駆動量は、接点部203、303を介して交換レンズ301へ送信される。交換レンズ301は、カメラ本体201から受信したレンズ駆動量に基づいてモータ(不図示)を制御し、撮像レンズ304の一部であるフォーカスレンズを光軸OAに沿った方向(光軸方向)に移動させて焦点調節を行う。
主ミラー204は、主ミラー保持枠207に固着され、回転軸部204bによって回動可能に軸支されている。サブミラー205は、サブミラー保持枠209に固着されている。サブミラー保持枠209は、ヒンジ軸(不図示)により主ミラー保持枠207に対して回動可能に軸支されている。主ミラー204によりファインダへ導かれた光束は、ピント板210に被写体像を結像する。ユーザは、ペンタプリズム211および接眼レンズ212を介して、ピント板210上の被写体像を観察することができる。
サブミラー205の後方にはフォーカルプレンシャッタ(シャッタ装置)100が配置されており、フォーカルプレンシャッタ100の第1羽根群106および第2羽根群116(遮光部材)は通常閉じた状態になっている。フォーカルプレンシャッタの後方には、光学ローパスフィルタ214が配置されている。光学ローパスフィルタ214の後方には、撮像素子216と、撮像素子216を保護するカバー部材217とが配置されている。撮像素子216は、ビス(不図示)により筐体に固定された撮像素子ホルダ215により保持されている。撮像素子216は、CMOSセンサやCCDセンサなどの撮像センサであり、撮像レンズ304を介して形成された光学像(被写体像)を光電変換して画像データを出力する。
ゴム部材218は、光学ローパスフィルタ214を保持すると共に、光学ローパスフィルタ214と撮像素子216との間の空間を密閉する。撮影の際に、光学ローパスフィルタ214を透過した光束は、撮像素子216へ入射する。
各実施形態において、シャッタ装置(フォーカルプレンシャッタ100)は、モータMa、Mb、被駆動部材(第1駆動レバー108、第2駆動レバー118)、遮光部材(第1羽根群106、第2羽根群116)、および、制御部(制御回路13)を有する。モータは、コイルに一定の電圧を印加して駆動を行うフルステップ駆動モードおよびコイルに印加する電圧を所定の区間(ステップT1、T2、…)ごとに段階的に変化させながら駆動を行うマイクロステップ駆動モードを有する。被駆動部材は、モータにより駆動される。遮光部材は、被駆動部材が駆動されることに連動して開口を閉鎖する閉鎖状態と開口を開放する開放状態とに移動可能である。制御部は、モータの駆動を制御する。また制御部は、マイクロステップ駆動モードの際に、所定の区間においてコイルに印加する電圧を変更する(すなわち、各ステップにおいて複数の電圧を印加して駆動を行う)。
好ましくは、制御部は、マイクロステップ駆動モードの際に、所定の区間のうち第1区間(t1、t2、…)において、目標電流とは異なる電流が流れるように第1電圧をコイルに印加する。また制御部は、所定の区間のうち、第1区間よりも後の第2区間(T1−t1、T2−t2、…)において、目標電流が流れるように第1電圧とは異なる第2電圧をコイルに印加する。より好ましくは、制御部は、マイクロステップ駆動モードの際に電流を増加させる場合、第1区間において、目標電流よりも大きい電流(例えば電流の比率100%)が流れるように第1電圧をコイルに印加する。また制御部は、第2区間において、目標電流が流れるように第1電圧よりも低い第2電圧をコイルに印加する。また好ましくは、制御部は、マイクロステップ駆動モードの際に電流を減少させる場合、第1区間において、目標電流よりも小さい電流(例えば電流の比率0%)が流れるように第1電圧をコイルに印加する。また制御部は、第2区間において、目標電流が流れるように第1電圧よりも高い第2電圧をコイルに印加する。
好ましくは、シャッタ装置は、モータに連結されたカムギア(第1カムギア107、第2カムギア117)を有する。被駆動部材は、カムギアのカム部(カム溝107b、117b)に摺動可能である。カム部は、カムギアの回動により被駆動部材を回動させる走行区間と、カムギアが回動しても被駆動部材が回動しない助走区間および減速区間とを有する。またカム部には、助走区間、走行区間、および、減速区間がそれぞれ順に形成されている。モータは、助走区間において、マイクロステップ駆動モードで駆動を行い、走行区間および減速区間のそれぞれにおいて、フルステップ駆動モードで駆動を行う。
好ましくは、シャッタ装置は、モータに連結されたカムギアと、カムギアの突起部107a、117aに係合可能なバネ部材(第1付勢スプリング108、第2付勢スプリング118)とを有する。モータは、助走区間のうち、カムギアの突起部とバネ部材とが接触する区間では、マイクロステップ駆動モードで駆動を行い、助走区間のうち、カムギアの突起部とバネ部材とが接触しない区間では、フルステップ駆動モードで駆動を行う。
好ましくは、モータは、マイクロステップ駆動モードにおいて、第1実効電圧(実効電圧Va)で駆動を行い、フルステップ駆動モードにおいて、第1実効電圧よりも低い第2実効電圧(実効電圧Vb)で駆動を行う(Va>Vb)。また好ましくは、モータは、第1相(A相)および第2相(B相)の2相のステッピングモータである。そしてモータは、マイクロステップ駆動モードにおいて第1実効電圧(実効電圧Va)で駆動を行い、フルステップ駆動モードにおいて第3実効電圧(実効電圧Vc)で駆動を行う。またモータは、マイクロステップ駆動モードにおける第1相と第2相の実効電圧が等しくなる位相での第4実効電圧(実効電圧Vd)は、第1実効電圧よりも低く、かつ第3実効電圧と等しい(Va>Vd、Vc=Vd)。
各実施形態によれば、カムギアの助走区間においてモータをマイクロステップ駆動で駆動することで、羽根群が動き出すまでのカム部材の速度を高精度にかつ制御性良く回動させることが可能であるため、シャッタの高精度化が可能である。このため各実施形態によれば、より高精度に被駆動部材の駆動が可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
100 フォーカルプレンシャッタ(シャッタ装置)
106 第1羽根群(遮光部材)
109 第1駆動レバー(被駆動部材)
116 第2羽根群(遮光部材)
119 第2駆動レバー(被駆動部材)
Ma、Mb モータ

Claims (9)

  1. コイルに一定の電圧を印加して駆動を行うフルステップ駆動モードおよび前記コイルに印加する電圧を所定の区間ごとに段階的に変化させながら駆動を行うマイクロステップ駆動モードを有するモータと、
    前記モータにより駆動される被駆動部材と、
    前記被駆動部材が駆動されることに連動して開口を閉鎖する閉鎖状態と前記開口を開放する開放状態とに移動可能な遮光部材と、
    前記モータの駆動を制御する制御部と、を有するシャッタ装置であって、
    前記制御部は、前記マイクロステップ駆動モードの際に、前記所定の区間において前記コイルに印加する前記電圧を変更することを特徴とするシャッタ装置。
  2. 前記制御部は、前記マイクロステップ駆動モードの際に、
    前記所定の区間のうち第1区間において、目標電流とは異なる電流が流れるように第1電圧を前記コイルに印加し、
    前記所定の区間のうち、前記第1区間よりも後の第2区間において、前記目標電流が流れるように前記第1電圧とは異なる第2電圧を前記コイルに印加することを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
  3. 前記制御部は、前記マイクロステップ駆動モードの際に前記電流を増加させる場合、
    前記第1区間において、前記目標電流よりも大きい電流が流れるように前記第1電圧を前記コイルに印加し、
    前記第2区間において、前記目標電流が流れるように前記第1電圧よりも低い第2電圧を前記コイルに印加することを特徴とする請求項2に記載のシャッタ装置。
  4. 前記制御部は、前記マイクロステップ駆動モードの際に前記電流を減少させる場合、
    前記第1区間において、前記目標電流よりも小さい電流が流れるように前記第1電圧を前記コイルに印加し、
    前記第2区間において、前記目標電流が流れるように前記第1電圧よりも高い第2電圧を前記コイルに印加することを特徴とする請求項2または3に記載のシャッタ装置。
  5. 前記モータに連結されたカムギアを更に有し、
    前記被駆動部材は、前記カムギアのカム部に摺動可能であり、
    前記カム部は、前記カムギアの回動により前記被駆動部材を回動させる走行区間と、前記カムギアが回動しても前記被駆動部材が回動しない助走区間および減速区間と、を有し、
    前記カム部には、前記助走区間、前記走行区間、および、前記減速区間がそれぞれ順に形成されており、
    前記モータは、
    前記助走区間において、前記マイクロステップ駆動モードで駆動を行い、
    前記走行区間および前記減速区間のそれぞれにおいて、前記フルステップ駆動モードで駆動を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシャッタ装置。
  6. 前記モータに連結されたカムギアと、
    前記カムギアの突起部に係合可能なバネ部材と、を更に有し、
    前記被駆動部材は、前記カムギアのカム部に摺動可能であり、
    前記カム部は、前記カムギアの回動により前記被駆動部材を回動させる走行区間と、前記カムギアが回動しても前記被駆動部材が回動しない助走区間および減速区間と、を有し、
    前記カム部には、前記助走区間、前記走行区間、および、前記減速区間がそれぞれ順に形成されており、
    前記モータは、
    前記助走区間のうち、前記カムギアの前記突起部と前記バネ部材とが接触する区間では、前記マイクロステップ駆動モードで駆動を行い、
    前記助走区間のうち、前記カムギアの前記突起部と前記バネ部材とが接触しない区間では、前記フルステップ駆動モードで駆動を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシャッタ装置。
  7. 前記モータは、
    前記マイクロステップ駆動モードにおいて、第1実効電圧で駆動を行い、
    前記フルステップ駆動モードにおいて、前記第1実効電圧よりも低い第2実効電圧で駆動を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシャッタ装置。
  8. 前記モータは、第1相および第2相の2相のステッピングモータであって、
    前記マイクロステップ駆動モードにおいて、第1実効電圧で駆動を行い、
    前記フルステップ駆動モードにおいて、第3実効電圧で駆動を行い、
    前記マイクロステップ駆動モードにおける前記第1相と前記第2相の実効電圧が等しくなる位相での第4実効電圧は、前記第1実効電圧よりも低く、前記第3実効電圧と等しいことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシャッタ装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシャッタ装置と、
    撮像光学系を介して形成された光学像を光電変換する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
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