JP2020012093A - ポリアミド樹脂組成物、キット、成形品の製造方法および成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物、キット、成形品の製造方法および成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP2020012093A
JP2020012093A JP2018244714A JP2018244714A JP2020012093A JP 2020012093 A JP2020012093 A JP 2020012093A JP 2018244714 A JP2018244714 A JP 2018244714A JP 2018244714 A JP2018244714 A JP 2018244714A JP 2020012093 A JP2020012093 A JP 2020012093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
polyamide
polyamide resin
mass
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018244714A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7197350B2 (ja
Inventor
岡元 章人
Akito Okamoto
章人 岡元
隆介 山田
Ryusuke Yamada
隆介 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Engineering Plastics Corp filed Critical Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Publication of JP2020012093A publication Critical patent/JP2020012093A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7197350B2 publication Critical patent/JP7197350B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】 難燃性を有し、かつ、光線透過率が高いポリアミド樹脂組成物、ならびに、キット、成形品の製造方法および成形品の提供。【解決手段】 半芳香族ポリアミド樹脂25〜50質量%と、臭素系難燃剤3〜20質量%と、錫酸亜鉛1.5〜10質量%と、光透過性色素を含む、ポリアミド樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物、キット、成形品の製造方法および成形品に関する。特に、レーザー溶着用に適したポリアミド樹脂組成物、ならびに、前記ポリアミド樹脂組成物を用いたキット、成形品の製造方法および成形品に関する。本発明の樹脂組成物は、レーザー溶着用の光を透過する側の樹脂組成物(光透過性樹脂組成物)として主として用いられる。
代表的なエンジニアリングプラスチックであるポリアミド樹脂は、加工が容易であり、さらに、機械物性、電気特性、耐熱性、その他の物理的・化学的特性に優れている。このため、車両部品、電気・電子機器部品、その他の精密機器部品等に幅広く使用されている。最近では形状の複雑な部品もポリアミド樹脂で製造されるようになって来ており、例えば、インテークマニホールドのような中空部を有する部品などの接着には、各種溶着技術、例えば、接着剤溶着、振動溶着、超音波溶着、熱板溶着、射出溶着、レーザー溶着技術などが使用されている。
しかしながら、接着剤による溶着は、硬化するまでの時間的ロスに加え、周囲の汚染などの環境負荷の問題がある。超音波溶着、熱板溶着などは、振動、熱による製品へのダメージや、摩耗粉やバリの発生により後処理が必要になるなどの問題が指摘されている。また、射出溶着は、特殊な金型や成形機が必要である場合が多く、さらに、材料の流動性が良くないと使用できないなどの問題がある。
一方、レーザー溶着は、レーザー光に対して透過性(非吸収性、弱吸収性とも言う)を有する樹脂部材(以下、「透過樹脂部材」ということがある)と、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂部材(以下、「吸収樹脂部材」ということがある)とを接触し溶着して、両樹脂部材を接合させる方法である。具体的には、透過樹脂部材側からレーザー光を接合面に照射して、接合面を形成する吸収樹脂部材をレーザー光のエネルギーで溶融させ接合する方法である。レーザー溶着は、摩耗粉やバリの発生が無く、製品へのダメージも少なく、さらに、ポリアミド樹脂自体、レーザー透過率が比較的高い材料であることから、ポリアミド樹脂製品のレーザー溶着技術による加工が、最近注目されている。
上記透過樹脂部材は、通常、光透過性樹脂組成物を成形して得られる。このような光透過性樹脂組成物として、特許文献1には、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、(B)23℃の屈折率が、1.560〜1.600である強化充填材1〜150質量部を配合してなるポリアミド樹脂組成物であって、前記(A)ポリアミド樹脂の少なくとも1種を構成する、少なくとも1種のモノマーが芳香環を含有することを特徴とする、レーザー溶着用ポリアミド樹脂組成物が記載されている。特許文献1の実施例では、ポリアミドMXD6とポリアミド66とのブレンド物、または、ポリアミド6I/6Tとポリアミド6とのブレンド物に、ガラス繊維と、着色剤を配合した樹脂組成物が開示されている。
一方、特許文献2〜4には、ポリアミド樹脂に難燃性を付与するために、臭素系難燃剤と酸化アンチモンを配合することが記載されている。
特開2008−308526号公報 特開2018−028038号公報 WO2017/061460号公報 特開2005−220240号公報
近年、レーザー溶着用の光を透過する側の樹脂組成物(光透過性樹脂組成物)についても、難燃性が求められる傾向にある。
ここで、上述の通り、臭素系難燃剤を用いる場合、難燃助剤として、三酸化アンチモンを用いることが一般的である。しかしながら、本発明者が検討を行ったところ、ポリアミド樹脂に、三酸化アンチモンを配合すると、黒ずんでしまう場合があることが分かった。このような黒ずみは、通常の用途では何ら問題にはならないが、光透過性部材として用いる場合には、光線透過率が低くなってしまう。このような光線透過率の低下は、レーザー溶着性が劣る原因となりえる。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、難燃性を有し、かつ、光線透過率が高いポリアミド樹脂組成物、ならびに、キット、成形品の製造方法および成形品を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、臭素系難燃剤として臭素系難燃剤を用い、かつ、難燃助剤として、錫酸亜鉛を用い、その配合比を適切に調整することにより、上記課題を解決しうることを見出した。具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<13>により、上記課題は解決された。
<1>半芳香族ポリアミド樹脂25〜50質量%と、臭素系難燃剤3〜20質量%と、錫酸亜鉛1.5〜10質量%と、光透過性色素を含む、ポリアミド樹脂組成物。
<2>前記半芳香族ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、
前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、<1>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<3>さらに、脂肪族ポリアミド樹脂を0.5〜10質量%含む、<1>または<2>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<4>前記脂肪族ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612およびポリアミド6/66から選択される少なくとも1種を含む、<3>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<5>前記臭素系難燃剤と前記錫酸亜鉛の合計含有量が、ポリアミド樹脂組成物の12〜25質量%である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<6>前記臭素系難燃剤と前記錫酸亜鉛の含有比率である、臭素系難燃剤/錫酸亜鉛が、1.5〜2.8である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<7>さらに、ガラス繊維を含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<8>前記臭素系難燃剤が、臭素化ポリスチレンを含む、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<9>前記ポリアミド樹脂組成物を、1mmの厚さに成形し、近赤外分光光度計で透過法による測定を行った際、波長1070nmにおける光線透過率が25%以上である<1>〜<8>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<10>前記ポリアミド樹脂組成物を、1.5mmの厚さに成形したとき、UL94燃焼性試験においてV−0に適合する、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
<11><1>〜<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物と、熱可塑性樹脂と光吸収性色素とを含む光吸収性樹脂組成物とを有するキット。
<12><1>〜<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された成形品と、熱可塑性樹脂と光吸収性色素とを含む光吸収性樹脂組成物から形成された成形品を、レーザー溶着させることを含む、成形品の製造方法。
<13><1>〜<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物、または、<11>に記載のキットから形成された成形品。
本発明により、難燃性を有し、かつ、光線透過率が高いポリアミド樹脂組成物、ならびに、キット、成形品の製造方法および成形品を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリアミド樹脂組成物(以下、単に、「樹脂組成物」ということがある)は、半芳香族ポリアミド樹脂25〜50質量%と、臭素系難燃剤3〜20質量%と、錫酸亜鉛1.5〜10質量%と、光透過性色素を含むことを特徴とする。このような構成とすることにより、黒ずみを抑制して、レーザー溶着用の光透過性部材として用いるに十分な光線透過率を維持しつつ、優れた難燃性を達成することが可能になる。
すなわち、臭素系難燃剤を用いる場合、難燃助剤として、三酸化アンチモンを用いることが一般的である。しかしながら、ポリアミド樹脂には、合成時に用いられるリン含有酸化物などが含まれており、三酸化アンチモンが、これらのリン含有酸化物と還元反応を起こし、黒ずんでしまう。この黒ずみは、通常の用途で問題になるレベルではないが、レーザー溶着用の光透過性部材のように、高い光線透過率を求められる用途に用いる場合には、必ずしも十分とは言えないことが分かった。そこで、本発明では、臭素系難燃剤を用い、かつ、難燃助剤として、錫酸亜鉛を用いることとした。
さらに、樹脂組成物中の臭素系難燃剤の量を多くすると、難燃性は高まるが、光透過性色素による染色が十分ではないことが分かった。これは、臭素系難燃剤の中に、光透過性色素は入り込まないため、光透過性色素による染色が不十分となってしまうと推測された。一方、ポリアミド樹脂成分(樹脂組成物に含まれるポリアミド樹脂のことをいう、以下同じ。)の含有量を多くすれば、不十分な染色の問題は解決するが、難燃性が劣ってしまう。本発明では、ポリアミド樹脂と臭素系難燃剤の量のバランスを図ることにより、この問題を回避した。
尚、本発明の樹脂組成物は、レーザー溶着用の光を透過する側の樹脂組成物(光透過性樹脂組成物)として主として用いられるが、これ以外でも、難燃性および高い光透過性が求められる用途に広く用いることができる。
<半芳香族ポリアミド樹脂>
本発明の樹脂組成物は、半芳香族ポリアミド樹脂を含む。
ここで、半芳香族ポリアミド樹脂とは、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位およびジカルボン酸由来の構成単位の合計構成単位の20〜80モル%が芳香環を含む構成単位であることをいう。このような半芳香族ポリアミド樹脂を用いることにより、得られる樹脂成形品の機械的強度を高くすることができる。
半芳香族ポリアミド樹脂としては、テレフタル酸系ポリアミド樹脂(ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10T)、後述するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂などが例示される。
本発明で用いる半芳香族ポリアミド樹脂は、少なくとも1種が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の30モル%以上がキシリレンジアミン(好ましくはメタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミン、より好ましくはメタキシリレンジアミン)に由来することが好ましい。以下、このような半芳香族ポリアミド樹脂を、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂ということがある。さらに、本発明では、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂が好ましい。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のジアミン由来の構成単位は、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上、一層好ましくは70モル%以上、より一層好ましくは80モル%以上、さらに一層好ましくは90モル%以上がキシリレンジアミンに由来する。キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のジカルボン酸由来の構成単位は、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、一層好ましくは90モル%以上、より一層好ましくは95モル%以上が、炭素数が4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の原料ジアミン成分として用いることができるメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の原料ジカルボン酸成分として用いるのに好ましい炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示でき、1種または2種以上を混合して使用できるが、これらの中でもキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の融点が成形加工するのに適切な範囲となることから、アジピン酸またはセバシン酸がより好ましく、アジピン酸がさらに好ましい。
上記炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸といったナフタレンジカルボン酸の異性体等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
本発明におけるキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の好ましい一実施形態として、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上(好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上)がメタキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上(好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上)がアジピン酸に由来するものが例示される。
また、本発明におけるキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の好ましい他の一実施形態として、ジアミン由来の構成単位の30モル%以上(好ましくは30〜70モル%)がメタキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上(好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上)がセバシン酸に由来するポリアミド樹脂が例示される。
このようなキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂は、結晶化速度が遅いため、無機結晶核剤の添加効果が顕著である。
なお、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を主成分として構成されるが、これら以外の構成単位を完全に排除するものではなく、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類由来の構成単位を含んでいてもよいことは言うまでもない。ここで主成分とは、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を構成する構成単位のうち、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位の合計数が全構成単位のうち最も多いことをいう。本発明では、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂における、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位の合計は、全構成単位の90%以上を占めることが好ましく、95%以上を占めることがより好ましい。
半芳香族ポリアミド樹脂の融点は、150〜350℃であることが好ましく、180〜330℃であることがより好ましく、200〜300℃であることがさらに好ましく、200〜260℃であることが一層好ましい。
融点は、示差走査熱量に従い、JIS K7121およびK7122に準じて測定できる。
半芳香族ポリアミド樹脂は、数平均分子量(Mn)の下限が、6,000以上であることが好ましく、8,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましく、15,000以上であることが一層好ましく、20,000以上であることがより一層好ましく、22,000以上であることがさらに一層好ましい。上記Mnの上限は、35,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、28,000以下がさらに好ましく、26,000以下が一層好ましい。このような範囲であると、耐熱性、弾性率、寸法安定性、成形加工性がより良好となる。
本発明の樹脂組成物における半芳香族ポリアミド樹脂の割合は、下限値が、25質量%以上であり、28質量%以上、30質量%以上であってもよい。前記含有量の上限値は、50質量%以下であり、42質量%以下、40質量%以下であってもよい。
半芳香族ポリアミド樹脂は1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<脂肪族ポリアミド樹脂>
本発明の樹脂組成物は、脂肪族ポリアミド樹脂を含んでいてもよい。
脂肪族ポリアミド樹脂としては、ラクタムの開環重合、アミノカルボン酸の重縮合、ジアミンと二塩基酸の重縮合により得られる酸アミド等のアミド結合で連結した構成単位とする高分子であって、原料モノマーの80モル%超(好ましくは90モル%以上)が非芳香族化合物であるものをいう。
本発明では、脂肪族ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位の70モル%以上(好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上)が、炭素数4〜20の脂肪族ジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上(好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上)が、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂が好ましい例として挙げられる。炭素数4〜20の脂肪族ジアミンとしては、炭素数4〜10の脂肪族ジアミンであることが好ましい。脂肪族ジアミンは、α,ω‐直鎖脂肪族ジアミンが一例として挙げられる。炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数4〜10のα,ω‐直鎖脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。脂肪族ジカルボン酸は、α,ω‐直鎖脂肪族ジカルボン酸が一例として挙げられる。
脂肪族ポリアミド樹脂を構成するジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等が例示される。
脂肪族ポリアミド樹脂を構成するジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸等が例示される。
本発明における脂肪族ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/66が挙げられ、ポリアミド66が好ましい。これらのポリアミドは、構成単位の20モル%未満の範囲において、さらには10モル%以下の範囲において、特には1モル%以下の範囲において、他のモノマー成分が共重合していてもよい趣旨である。他のモノマー成分は、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸等が例示される。
本発明の樹脂組成物における脂肪族ポリアミド樹脂の含有量は、含有する場合、下限値が0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることがさらに好ましい。前記含有量の上限値は、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下、4質量%以下であってもよい。
脂肪族ポリアミド樹脂は1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂成分を25〜60質量%含むことが好ましい。
本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミド樹脂成分の好ましい第一の実施形態は、半芳香族ポリアミド樹脂がポリアミド樹脂成分の95質量%超である形態であり、98質量%以上である形態がより好ましい。
本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミド樹脂成分の好ましい第二の実施形態は、ポリアミド樹脂成分が83〜95質量%の半芳香族ポリアミド樹脂と、5〜17質量%の脂肪族ポリアミド樹脂を含む形態である。
<他の樹脂成分>
本発明の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂成分以外の他の樹脂成分を含んでいてもよい。
他の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂成分以外の他の樹脂を実質的に配合しない構成としてもよく、例えば、他の樹脂が、樹脂組成物に含まれる樹脂成分全量の5質量%以下であることをいい、さらには、1質量%以下、特には、0.4質量%以下とすることもできる。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂成分が、樹脂組成物に含まれる樹脂成分の95質量%以上を占めることが好ましい。
<臭素系難燃剤>
本発明の樹脂組成物は、臭素系難燃剤を含む。臭素系難燃剤を含むことにより、難燃性を高くすることができる。
臭素系難燃剤としては、芳香族系化合物が挙げられ、具体的には、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン、臭素化ビスフェノールA、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、臭素化イミド(臭素化フタルイミド等)等が挙げられ、臭素化ポリスチレンが好ましい。
臭素化ポリスチレンは、ポリスチレンを臭素化するか、または、臭素化スチレンモノマーを重合することによって製造するかのいずれであってもよいが、臭素化スチレンを重合したものは遊離の臭素(原子)の量が少ないので好ましい。
また、臭素化ポリスチレンは、他のビニルモノマーが共重合された共重合体であってもよい。この場合のビニルモノマーとしてはスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、ブタジエンおよび酢酸ビニル等が挙げられる。
臭素化ポリスチレンの具体例としては、例えば、ポリ(4−ブロモスチレン)、ポリ(2−ブロモスチレン)、ポリ(3−ブロモスチレン)、ポリ(2,4−ジブロモスチレン)、ポリ(2,6−ジブロモスチレン)、ポリ(2,5−ジブロモスチレン)、ポリ(3,5−ジブロモスチレン)、ポリ(2,4,6−トリブロモスチレン)、ポリ(2,4,5−トリブロモスチレン)、ポリ(2,3,5−トリブロモスチレン)、ポリ(4−ブロモ−α−メチルスチレン)、ポリ(2,4−ジブロモ−α−メチルスチレン)、ポリ(2,5−ジブロモ−α−メチルスチレン)、ポリ(2,4,6−トリブロモ−α−メチルスチレン)およびポリ(2,4,5−トリブロモ−α−メチルスチレン)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物における臭素系難燃剤の含有量は、下限値が3質量%以上であり、4質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。前記含有量の上限値は、20質量%以下であり、18質量%以下であることが好ましく、17質量%以下、15質量%以下であってもよい。
臭素系難燃剤は1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明ではまた、臭素系難燃剤とポリアミド樹脂成分の質量比率である、臭素系難燃剤/ポリアミド樹脂成分が、0.25〜0.45であることが好ましく、0.3〜0.4であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、難燃性の向上と光線透過率の向上がより効果的にバランスよく発揮される。
<錫酸亜鉛>
本発明の樹脂組成物は、錫酸亜鉛を含む。錫酸亜鉛を含むことにより酸化アンチモンを含有しなくても、高い難燃性を達成することが可能になる。錫酸亜鉛は、通常、難燃助剤として働く。
錫酸亜鉛としては、三酸化スズ亜鉛(ZnSnO3)および六水酸化スズ亜鉛(ZnSn(OH)6)の少なくともいずれか一方を使用することが好ましい。
本発明の樹脂組成物における錫酸亜鉛の含有量は、下限値が1.5質量%以上であり、3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましい。前記含有量の上限値は、10質量%以下であり、9質量%以下であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、錫酸亜鉛を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、酸化アンチモンを実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、酸化アンチモンの含有量が、錫酸亜鉛の含有量の10質量%以下であることをいい、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、錫酸亜鉛以外の難燃助剤を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、錫酸亜鉛以外の難燃助剤の含有量が、錫酸亜鉛の含有量の10質量%以下であることをいい、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
本発明ではまた、臭素系難燃剤と前記錫酸亜鉛の合計含有量が、ポリアミド樹脂組成物の12〜25質量%であることが好ましく、15〜25質量%であることがより好ましく、15〜23質量%であることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、高い光線透過率を維持しつつ、難燃性に優れた樹脂組成物が得られる。
本発明ではさらに、臭素系難燃剤と錫酸亜鉛の含有比率である、臭素系難燃剤/錫酸亜鉛が、1.5〜2.8であることが好ましく、1.8〜2.5であることがより好ましい。
<光透過性色素>
本発明の樹脂組成物は、光透過性色素を含む。
本発明で用いる光透過性色素は、通常、黒色色素であり、具体的には、ニグロシン、ナフタロシアニン、アニリンブラック、フタロシアニン、ポルフィリン、ペリノン、クオテリレン、アゾ染料、アントラキノン、ピラゾロン、スクエア酸誘導体、およびインモニウム染料等が挙げられる。
市販品としては、オリエント化学工業社製の着色剤であるe−BIND(商品名) LTW−8731H(型番)、e−BIND(商品名) LTW−8701H(型番)、有本化学社製の着色剤であるPlast Yellow 8000、Plast Red M 8315、Oil Green 5602、LANXESS社製の着色剤であるMacrolex Yellow 3G、Macrolex Red EG、Macrolex Green 3等が例示される。
特に、光透過性色素として、ピラゾロン、ペリノンおよびアントラキノンの少なくとも1種を含むポリアミド樹脂組成物を用いると、得られる成形品の湿熱試験後の色移りを効果的に抑制できる。
本発明の樹脂組成物における光透過性色素の含有量は、樹脂組成物100質量部に対し、0.001質量部以上であることが好ましく、0.006質量部以上であることがより好ましく、さらには、0.018質量部以上、0.024質量部以上、0.030質量部以上、0.050質量部以上であってもよい。また、光透過性色素の含有量の上限値は、樹脂組成物の5.0質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部以下であることが一層好ましく、0.20質量部以下、0.10質量部以下、0.060質量部以下であってもよい。
本発明の樹脂組成物における光透過性色素の含有量は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、光透過性色素の含有量の上限値は、樹脂組成物の5.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%であることが一層好ましい。
光透過性色素は、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、カーボンブラックを実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、例えば、樹脂組成物の0.0001質量%以下であることをいう。
<ガラス繊維>
本発明の樹脂組成物は、ガラス繊維を含むことが好ましい。
ガラス繊維は、Aガラス、Cガラス、Eガラス、Rガラス、Sガラスなどのガラス組成からなり、特に、Eガラス(無アルカリガラス)が好ましい。
本発明の樹脂組成物に用いるガラス繊維は、単繊維または単繊維を複数本撚り合わせたものであってもよい。
ガラス繊維の形態は、単繊維や複数本撚り合わせたものを連続的に巻き取った「ガラスロービング」、カット長(数平均繊維長が)1〜10mmである「チョップドストランド」、粉砕長さ(数平均繊維長)10〜500μmである「ミルドファイバー」などのいずれであってもよい。かかるガラス繊維としては、旭ファイバーグラス社より、「グラスロンチョップドストランド」や「グラスロンミルドファイバー」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。ガラス繊維は、形態が異なるものを併用することもできる。
また、本発明ではガラス繊維として、異形断面形状を有するものも好ましい。この異形断面形状とは、繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD1とするときの長径/短径比(D2/D1)で示される扁平率が、例えば、1.5〜10であり、中でも2.5〜10、さらには2.5〜8、特に2.5〜5であることが好ましい。かかる扁平ガラスについては、特開2011−195820号公報の段落0065〜0072の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明におけるガラス繊維は、ガラスビーズであってもよい。ガラスビーズとは、外径10〜100μmの球状のものであり、例えば、ポッターズ・バロティーニ社より、商品名「EGB731」として市販されており、容易に入手可能である。また、ガラスフレークとは、厚さ1〜20μm、一辺の長さが0.05〜1mmの燐片状のものであり、例えば、日本板硝子社より、「フレカ」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
本発明で用いるガラス繊維は、特に、重量平均繊維径が1〜20μm、カット長(数平均繊維長)が1〜10mmのガラス繊維が好ましい。ここで、ガラス繊維の断面が扁平の場合、重量平均繊維径は、同じ面積の円における重量平均繊維径として算出する。
本発明で用いるガラス繊維は、集束剤で集束されていてもよい。この場合の集束剤としては、無水マレイン酸などを含む酸系や、ウレタン系集束剤が好ましい。
本発明の樹脂組成物におけるガラス繊維の含有量は、樹脂組成物中、20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましい。さらに、本発明の樹脂組成物におけるガラス繊維の含有量は、樹脂組成物中、60質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であってもよい。ガラス繊維を上記範囲で配合することにより、より極端に光線透過率を低下させない傾向にある。
本発明の樹脂組成物は、ガラス繊維を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<核剤>
本発明の樹脂組成物は、結晶化速度を調整するために、核剤を含んでいてもよい。核剤の種類は、特に、限定されるものではないが、タルク、窒化ホウ素、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、窒化珪素、チタン酸カリウムおよび二硫化モリブデンが好ましく、タルクおよび窒化ホウ素がより好ましく、タルクがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物が核剤を含む場合、その含有量は、ポリアミド樹脂成分100質量部に対し、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜8質量部がより好ましく、0.1〜6質量部がさらに好ましい。また、この範囲でタルクを添加しても極端に光線透過率は低下しない。
本発明の樹脂組成物は、核剤を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<滑剤>
本発明の樹脂組成物は、滑剤を含んでいてもよい。
滑剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸の塩、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイル、ケトンワックス、ライトアマイドなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は炭素数6〜36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸がより好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラトリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。また、脂肪族カルボン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩が例示される。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族または脂環式飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがより好ましい。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、脂肪族炭化水素の数平均分子量は好ましくは5,000以下である。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがより好ましい。
本発明の樹脂組成物が滑剤を含む場合、その含有量は、特定ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.05〜1質量部であることが好ましく、0.1〜0.8質量部がより好ましく、0.2〜0.6質量部がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、滑剤を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<他の成分>
本発明の樹脂組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の成分を含んでいてもよい。このような添加剤としては、ガラス繊維以外のフィラー、光安定剤、酸化防止剤、フォスファゼン系難燃剤以外の難燃剤、亜鉛金属酸化物以外の難燃助剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。これらの成分は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明の樹脂組成物は、各成分の合計が100質量%となるように、樹脂成分および光透過性色素、さらには、ガラス繊維や他の添加剤の含有量等が調整される。
<樹脂組成物の特性>
本発明の樹脂組成物は、1mmの厚さに成形し、近赤外分光光度計で透過法による測定を行った際、波長1070nmにおける光線透過率が25%以上であることが好ましく、27%以上であることがより好ましい。上限は、100%であってもよいが、実際には、50%以下、35%以下で十分に要求性能を満たす。
本発明の樹脂組成物は、2mmの厚さに成形し、近赤外分光光度計で透過法による測定を行った際、波長1070nmにおける光線透過率が10%以上であることが好ましく、13%以上であることがより好ましい。上限は、100%であってもよいが、実際には、30%以下、25%以下で十分に要求性能を満たす。光線透過率は、後述する実施例に記載の方法に従う。
また、本発明の樹脂組成物は、1.5mmの厚さに成形したとき、UL94燃焼性試験においてV−0に適合することが好ましい。UL94燃焼性試験の詳細は、後述する実施例に記載の方法に従う。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に制限されないが、ベント口から脱揮できる設備を有する1単軸または2軸の押出機を混練機として使用する方法が好ましい。上記ポリアミド樹脂成分、ガラス繊維および必要に応じて配合される他の添加剤は、混練機に一括して供給してもよいし、ポリアミド樹脂成分に他の配合成分を順次供給してもよい。ガラス繊維は、混練時に破砕するのを抑制するため、押出機の途中から供給することが好ましい。また、各成分から選ばれた2種以上の成分を予め混合、混練しておいてもよい。
本発明では、光透過性色素は、ポリアミド樹脂等で、マスターバッチ化したものをあらかじめ調製した後、他の成分(ポリアミド樹脂、ガラス繊維等)と混練して、本発明における樹脂組成物を調整してもよい。
本発明の樹脂組成物を用いた成形品の製造方法は、特に制限されず、熱可塑性樹脂について一般に使用されている成形方法、すなわち、射出成形、中空成形、押出成形、プレス成形などの成形方法を適用することができる。この場合、特に好ましい成形方法は、流動性の良さから、射出成形である。射出成形に当たっては、樹脂温度を250〜300℃にコントロールするのが好ましい。
<キット>
本発明は、また、上記樹脂組成物と、熱可塑性樹脂と光吸収性色素とを含む光吸収性樹脂組成物とを有するキットを開示する。本発明のキットは、レーザー溶着による成形品の製造に好ましく用いられる。
すなわち、キットに含まれる樹脂組成物は、光透過性樹脂組成物としての役割を果たし、光透過性樹脂組成物を成形してなる成形品は、レーザー溶着の際のレーザー光に対する透過樹脂部材となる。一方、光吸収性樹脂組成物を成形してなる成形品は、レーザー溶着の際のレーザー光に対する吸収樹脂部材となる。
<<光吸収性樹脂組成物>>
本発明で用いる光吸収性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と光吸収性色素とを含む。
熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等が例示され、樹脂組成物との相溶性が良好な点から、特に、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましく、ポリアミド樹脂がさらに好ましい。また、熱可塑性樹脂は1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
光吸収性樹脂組成物に用いるポリアミド樹脂としては、その種類等を定めるものではないが、上述キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂が好ましい。
無機フィラーは、ガラス繊維、炭素繊維、シリカ、アルミナ、タルク、カーボンブラックおよびレーザーを吸収する材料をコートした無機粉末等のレーザー光を吸収しうるフィラーが例示され、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維は、上記本発明の樹脂組成物に配合してもよいガラス繊維と同義であり、好ましい範囲も同様である。
光吸収性色素としては、照射するレーザー光波長の範囲、すなわち、本発明では、波長800nm〜1100nmの範囲に極大吸収波長を持つものであり、無機顔料(カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなど)などの黒色顔料、酸化鉄赤などの赤色顔料、モリブデートオレンジなどの橙色顔料、酸化チタンなどの白色顔料)、有機顔料(黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料など)などが挙げられる。なかでも、無機顔料は一般に隠ぺい力が強く好ましく、黒色顔料がさらに好ましい。これらの光吸収性色素は2種以上組み合わせて使用してもよい。光吸収性色素の含有量は、樹脂成分100質量部に対し0.01〜30質量部であることが好ましい。
本発明のキットは、樹脂組成物中の光透過性色素を除く成分と、光吸収性樹脂組成物中の光吸収性色素を除く成分の80質量%以上が共通することが好ましく、90質量%以上が共通することがより好ましく、95〜100質量%が共通することが一層好ましい。
<<レーザー溶着方法>>
次に、レーザー溶着方法について説明する。本発明では、本発明の樹脂組成物を成形してなる成形品(透過樹脂部材)と、上記光吸収性樹脂組成物を成形してなる成形品(吸収樹脂部材)を、レーザー溶着させて成形品を製造することができる。レーザー溶着することによって透過樹脂部材と吸収樹脂部材を接着剤を用いずに、強固に溶着することができる。
部材の形状は特に制限されないが、部材同士をレーザー溶着により接合して用いるため、通常、少なくとも面接触箇所(平面、曲面)を有する形状である。レーザー溶着では、透過樹脂部材を透過したレーザー光が、吸収樹脂部材に吸収されて、溶融し、両部材が溶着される。本発明の樹脂組成物の成形品は、レーザー光に対する透過性が高いので、透過樹脂部材として好ましく用いることができる。ここで、レーザー光が透過する部材の厚み(レーザー光が透過する部分におけるレーザー透過方向の厚み)は、用途、樹脂組成物の組成その他を勘案して、適宜定めることができるが、例えば5mm以下であり、好ましくは4mm以下である。
レーザー溶着に用いるレーザー光源としては、光吸収性色素の光の吸収波長に応じて定めることができ、波長800〜1100nmの範囲のレーザーが好ましく、例えば、半導体レーザーまたはファイバーレーザーが利用できる。
より具体的には、例えば、透過樹脂部材と吸収樹脂部材を溶着する場合、まず、両者の溶着する箇所同士を相互に接触させる。この時、両者の溶着箇所は面接触が望ましく、平面同士、曲面同士、または平面と曲面の組み合わせであってもよい。次いで、透過樹脂部材側からレーザー光を照射する。この時、必要によりレンズを利用して両者の界面にレーザー光を集光させてもよい。その集光ビームは、透過樹脂部材中を透過し、吸収樹脂部材の表面近傍で吸収されて発熱し溶融する。次にその熱は熱伝導によって透過樹脂部材にも伝わって溶融し、両者の界面に溶融プールを形成し、冷却後、両者が接合する。
このようにして透過樹脂部材と吸収樹脂部材を溶着された成形品は、高い溶着強度を有する。なお、本発明における成形品とは、完成品や部品の他、これらの一部分を成す部材も含む趣旨である。
本発明でレーザー溶着して得られた成形品は、機械的強度が良好で、高い溶着強度を有し、レーザー光照射による樹脂の損傷も少ないため、種々の用途、例えば、各種保存容器、電気・電子機器部品、オフィスオートメート(OA)機器部品、家電機器部品、機械機構部品、車両機構部品などに適用できる。特に、食品用容器、薬品用容器、油脂製品容器、車両用中空部品(各種タンク、インテークマニホールド部品、カメラ筐体など)、車両用電装部品(各種コントロールユニット、イグニッションコイル部品など)、モーター部品、各種センサー部品、コネクター部品、スイッチ部品、ブレーカー部品、リレー部品、コイル部品、トランス部品、ランプ部品などに好適に用いることができる。特に、本発明の樹脂組成物およびキットは、車載カメラモジュールに適している。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<原料>
ポリアミド樹脂
MXD6:ポリメタキシリレンアジパミド、三菱ガス化学社製、6000、リン原子濃度は350ppm
MP6:ポリメタパラキシリレンアジパミド、下記方法によって合成した。
PA66:ポリアミド66、ソルベイ社製、STAVAMID26AE1K
<MP6の合成例>
アジピン酸を窒素雰囲気下の反応缶内で加熱溶解した後、内容物を撹拌しながら、パラキシリレンジアミン(三菱ガス化学社製)とメタキシリレンジアミン(三菱ガス化学社製)のモル比が3:7の混合ジアミンを、加圧(0.35MPa)下でジアミンとアジピン酸(ローディア社製)とのモル比が約1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を270℃まで上昇させた。滴下終了後、0.06MPaまで減圧し10分間反応を続け分子量1,000以下の成分量を調整した。その後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化し、ポリアミド樹脂を得た。リン原子濃度は350質量ppmであった。
臭素系難燃剤
HP−3010:臭素化ポリスチレン、アルベマール日本社製
錫酸亜鉛
Flamtard S:日本軽金属社製
三酸化アンチモン
PATOX−M:日本精鉱社製
核剤
5000A、林化成社製、ミクロンホワイト5000A、タルク
ガラス繊維
T−211H:日本電気硝子社製
滑剤
CS−8CP:モンタン酸カルシウム、日東化成工業社製
光透過性色素
LTW−8701H:オリエント化学工業社製、e−BIND LTW−8701H、ポリアミド66と光透過性色素のマスターバッチ
実施例1
<コンパウンド>
後述する下記表1に記載の光透過部材形成用ペレット(樹脂組成物)を製造した。
具体的には、後述する下記表1に示す各成分であって、ガラス繊維以外の成分を表1に示す割合(単位は、質量%である)をそれぞれ秤量し、ドライブレンドした後、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)のスクリュー根元から2軸スクリュー式カセットウェイングフィーダ(クボタ社製、CE−W−1−MP)を用いて投入した。また、ガラス繊維については振動式カセットウェイングフィーダ(クボタ社製、CE−V−1B−MP)を用いて押出機のサイドから上述の二軸押出機に投入し、樹脂成分等と溶融混練し、光透過部材形成用ペレット(樹脂組成物)を得た。押出機の温度設定は、280℃とした。
上記で得られた光透過部材形成用ペレットを、120℃で4時間乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業社製、SE−50D)を用いて、光透過部材用試験片(1.0mm厚、2.0mm厚、1.5mm厚)をそれぞれ作製した。成形に際し、シリンダー温度は280℃、金型表面温度は130℃にて実施した。
また、上記で得られた光透過部材形成用ペレットを、120℃で4時間乾燥させた後、日精樹脂工業社製、NEX140IIIを用いて、4mm厚さのISO引張り試験片を射出成形した。成形に際し、シリンダー温度は280℃、金型表面温度は130℃にて実施した。
<光線透過率>
上記で得られた光透過部材用試験片(1.0mm厚、2.0mm厚)を用いて、ISO13468−1またはISO13468−2に従い波長1070nmにおける光線透過率(単位:%)を測定した。
<UL94燃焼性試験>
上記で得られた光透過部材用試験片(1.5mm厚)を用いて、UL94燃焼性試験(米国Under Writers Laboratories Incで定められた規格)の方法を用いて測定を行った。
難燃等級には、UL94垂直燃焼試験によって分類される難燃性のクラスを示した。分類方法の概要は以下の通りである。その他の詳細はUL94規格に準じる。
V−0:綿着火無し、最大燃焼時間10秒以下
V−1:綿着火無し、最大燃焼時間30秒以下
V−2:綿着火有り、最大燃焼時間30秒以下
V不適合:上記3項目に該当しないものや試験片を保持するクランプまで燃え上がってしまった場合
また、総燃焼時間(Total)、最大燃焼時間(max)についても表1に記載した。
<曲げ強さ>
ISO178に準拠して、上記ISO引張り試験片(4mm厚)を用いて、23℃の温度で曲げ強さ(単位:MPa)を測定した。
実施例2〜4、比較例1〜8
実施例1において、表1または表2に示す通り変更した他は同様に行った。下記表に結果を示す。
Figure 2020012093
Figure 2020012093
上記結果から明らかなとおり、本発明の樹脂組成物は、光線透過率が高く、かつ、難燃性にも優れていた。さらに、高い曲げ強さも維持していた。
一方、半芳香族ポリアミド樹脂の含有量が50質量%を超える場合(比較例1〜4、7)、難燃性が劣っていた。
また、難燃助剤として、三酸化アンチモンを用いた場合(比較例8)、難燃性には優れていたが、光線透過率が0%であった。
実施例1〜4の樹脂組成物において、光透過性色素を除き、代わりに、光吸収性色素として、カーボンブラック(三菱ケミカル社製、MA600B)を2質量%配合して、光吸収性樹脂組成物を得た。実施例1〜4と同様に成形して、1.5mm厚さの試験片(吸収樹脂部材)を得た。
上記実施例1〜4で作製した1.5mm厚の試験片(透過樹脂部材)と1.5mm厚さの試験片(吸収樹脂部材)を重ねあわせて溶着した。透過樹脂部材側から、レーザー照射を行った。レーザー照射は、ガルバノミラー式スキャン(販売元:株式会社ファインデバイス)を用い、プレス圧600N、溶着スポット径:直径2mm、レーザー出力30W〜200W、スキャン速度70〜2000mm/sec、幅レーザー16mm、溶着した際の総エネルギー投入量160Jにて行った。適切にレーザー溶着していることを確認した。

Claims (13)

  1. 半芳香族ポリアミド樹脂25〜50質量%と、
    臭素系難燃剤3〜20質量%と、
    錫酸亜鉛1.5〜10質量%と、
    光透過性色素を含む、ポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記半芳香族ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、
    前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. さらに、脂肪族ポリアミド樹脂を0.5〜10質量%含む、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記脂肪族ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612およびポリアミド6/66から選択される少なくとも1種を含む、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記臭素系難燃剤と前記錫酸亜鉛の合計含有量が、ポリアミド樹脂組成物の12〜25質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記臭素系難燃剤と前記錫酸亜鉛の含有比率である、臭素系難燃剤/錫酸亜鉛が、1.5〜2.8である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. さらに、ガラス繊維を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. 前記臭素系難燃剤が、臭素化ポリスチレンを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  9. 前記ポリアミド樹脂組成物を、1mmの厚さに成形し、近赤外分光光度計で透過法による測定を行った際、波長1070nmにおける光線透過率が25%以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  10. 前記ポリアミド樹脂組成物を、1.5mmの厚さに成形したとき、UL94燃焼性試験においてV−0に適合する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、熱可塑性樹脂と光吸収性色素とを含む光吸収性樹脂組成物とを有するキット。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された成形品と、熱可塑性樹脂と光吸収性色素とを含む光吸収性樹脂組成物から形成された成形品を、レーザー溶着させることを含む、成形品の製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物、または、請求項11に記載のキットから形成された成形品。
JP2018244714A 2018-07-06 2018-12-27 ポリアミド樹脂組成物、キット、成形品の製造方法および成形品 Active JP7197350B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018129286 2018-07-06
JP2018129286 2018-07-06

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020012093A true JP2020012093A (ja) 2020-01-23
JP7197350B2 JP7197350B2 (ja) 2022-12-27

Family

ID=69169406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018244714A Active JP7197350B2 (ja) 2018-07-06 2018-12-27 ポリアミド樹脂組成物、キット、成形品の製造方法および成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7197350B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112574557A (zh) * 2020-11-27 2021-03-30 珠海万通特种工程塑料有限公司 一种半芳香族聚酰胺组合物及其制备方法和应用
WO2021241382A1 (ja) 2020-05-25 2021-12-02 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 レーザー溶着用光透過性樹脂組成物、成形品、キット、および、成形品の製造方法
WO2022044697A1 (ja) * 2020-08-28 2022-03-03 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 樹脂組成物、キット、成形品、および、成形品の製造方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001220441A (ja) * 2000-02-09 2001-08-14 Mitsui Chemicals Inc 難燃性ポリアミド組成物およびその用途
JP2002309083A (ja) * 2001-04-10 2002-10-23 Kuraray Co Ltd ポリアミド組成物
JP2003082228A (ja) * 2001-09-14 2003-03-19 Kuraray Co Ltd ポリアミド組成物
WO2009017043A1 (ja) * 2007-08-01 2009-02-05 Kuraray Co., Ltd. ポリアミド組成物
WO2015056765A1 (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 ユニチカ株式会社 半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
WO2016092922A1 (ja) * 2014-12-09 2016-06-16 電気化学工業株式会社 燃焼時の耐ドリップ性に優れたポリアミド系人工毛髪用繊維
WO2018003512A1 (ja) * 2016-06-30 2018-01-04 ユニチカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
JP2018028038A (ja) * 2016-08-19 2018-02-22 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ペレット、ペレットブレンド物、成形品、ペレットの製造方法およびペレットブレンド物の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001220441A (ja) * 2000-02-09 2001-08-14 Mitsui Chemicals Inc 難燃性ポリアミド組成物およびその用途
JP2002309083A (ja) * 2001-04-10 2002-10-23 Kuraray Co Ltd ポリアミド組成物
JP2003082228A (ja) * 2001-09-14 2003-03-19 Kuraray Co Ltd ポリアミド組成物
WO2009017043A1 (ja) * 2007-08-01 2009-02-05 Kuraray Co., Ltd. ポリアミド組成物
WO2015056765A1 (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 ユニチカ株式会社 半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
WO2016092922A1 (ja) * 2014-12-09 2016-06-16 電気化学工業株式会社 燃焼時の耐ドリップ性に優れたポリアミド系人工毛髪用繊維
WO2018003512A1 (ja) * 2016-06-30 2018-01-04 ユニチカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
JP2018028038A (ja) * 2016-08-19 2018-02-22 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ペレット、ペレットブレンド物、成形品、ペレットの製造方法およびペレットブレンド物の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021241382A1 (ja) 2020-05-25 2021-12-02 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 レーザー溶着用光透過性樹脂組成物、成形品、キット、および、成形品の製造方法
KR20230016166A (ko) 2020-05-25 2023-02-01 미쓰비시 엔지니어링-플라스틱스 코포레이션 레이저 용착용 광 투과성 수지 조성물, 성형품, 키트, 및, 성형품의 제조 방법
WO2022044697A1 (ja) * 2020-08-28 2022-03-03 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 樹脂組成物、キット、成形品、および、成形品の製造方法
CN115885013A (zh) * 2020-08-28 2023-03-31 三菱工程塑料株式会社 树脂组合物、组合物组合、成型品、以及成型品的制造方法
CN112574557A (zh) * 2020-11-27 2021-03-30 珠海万通特种工程塑料有限公司 一种半芳香族聚酰胺组合物及其制备方法和应用
WO2022110677A1 (zh) * 2020-11-27 2022-06-02 珠海万通特种工程塑料有限公司 一种半芳香族聚酰胺组合物及其制备方法和应用
CN112574557B (zh) * 2020-11-27 2022-07-12 珠海万通特种工程塑料有限公司 一种半芳香族聚酰胺组合物及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP7197350B2 (ja) 2022-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6646795B1 (ja) 樹脂組成物、キット、樹脂組成物の製造方法、成形品の製造方法および成形品
JP6803855B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物、キット、成形品の製造方法および成形品
JP6691771B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物、キット、成形品の製造方法、成形品およびポリアミド樹脂組成物の製造方法
WO2020149398A1 (ja) 樹脂組成物、成形品、キットおよび成形品の製造方法
JP7197350B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物、キット、成形品の製造方法および成形品
JP7492517B2 (ja) 樹脂組成物、成形品、キット、および、成形品の製造方法
JP6941488B2 (ja) 樹脂組成物、キット、成形品の製造方法および成形品
JP7339480B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物および成形品
JP7300571B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物、成形品、キットおよび成形品の製造方法
JP6934756B2 (ja) 樹脂組成物、キット、成形品の製造方法および成形品
KR20230016166A (ko) 레이저 용착용 광 투과성 수지 조성물, 성형품, 키트, 및, 성형품의 제조 방법
KR102679770B1 (ko) 폴리아미드 수지 조성물 및 성형품
JP7459414B1 (ja) 樹脂組成物、キット、ペレット、成形品、および、成形品の製造方法
JP2023168132A (ja) 樹脂組成物、成形品、キット、および、成形品の製造方法
JP2023168133A (ja) 樹脂組成物、成形品、キット、および、成形品の製造方法
WO2021241381A1 (ja) レーザー溶着用光透過性樹脂組成物、キット、成形品、および成形品の製造方法
WO2024122241A1 (ja) 樹脂組成物、キット、ペレット、成形品、および、成形品の製造方法
CN113717519A (zh) 激光熔敷用透光性树脂组合物、成型品、组合物组合及成型品的制造方法
JP2021188029A (ja) レーザー溶着用光透過性樹脂組成物、成形品、キット、および、成形品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7197350

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350