JP2020011921A - 固形化粧料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固形化粧料を、中心体が露出しておらず使用しているうちに中心体と外層体とからなる化粧料であることを知り意外性をユーザに与えることができるものとする、および、そのような固形化粧料を簡単に製造する。【解決手段】固形化粧料を、第1の組成物からなる中心体2aと、中心体2aの全表面を覆う第2の組成物からなる外層体2bとで構成する。上下方向に延びる中心軸を有する上端開口の有底凹部4aを有する成形型4に第2の組成物を充填し、成形型4を中心軸周りに回転させて前記第2の組成物を有底凹部4aの内面に沿って層状に位置させて内側に空洞を有する外層部2Bを形成し、次いで前記空洞に第1の組成物を充填して中心部2Aを形成し、中心部2Aと外層部2Bを固化させて中心体2aと中心体2aの全表面を覆う外層体2bとからなる固形化粧料を製造する。【選択図】図7

Description

本発明は、固形化粧料およびその製造方法に関し、より詳細には、異なる原料組成の複数の材料からなる口紅等の固形化粧料およびその製造方法に関する。
従来より、固形化粧料として例えば口紅等の棒状化粧料が知られている。また、口紅として、中心体と該中心体の外側を覆う外層体とからなり、中心体を構成する材料と外層体を構成する材料とは異なる原料組成の材料、例えば色調が異なる材料を用いた2層口紅が知られている。
従来の2層口紅は、凹部を有する2つ割り金型と該金型の凹部の内径よりも小さい外径の中芯とを用い、金型の凹部の中心位置に中芯を挿入した状態で凹部内の中芯の外側に第1の材料を充填し、第1の材料が固化した後中芯を抜き出し、中芯が抜けた後の空洞部分に第2の材料を充填して固化させることにより製造していた。
従来の2層口紅は、口紅の先端に中心体が露出しており、口紅を先端側から見ると中心体と外層体とが二重円状に視認できる形態となっている。
なお、口紅を製造する方法としては、成形型に材料を充填して固化させる際、成形型を回転させながら材料を充填して固化させる方法が知られている。例えば特許文献1および特許文献2には、成形型を回転させながら2つの異なる組成の材料を同時に成形型の凹部に充填して、2つの材料が不均一に混在した模様を表面に有する所謂マーブル状の口紅を製造する方法が開示されている。
特開昭59−225108号公報 特開2000−229817号公報
しかしながら、従来の2層口紅は、上述の様に中芯を備えた金型を用いて製造されており、2つ割り金型を組み立て、凹部に中芯を挿入して第1の材料を充填し、第1の材料が固化した後中芯を抜き出し、その後中芯が抜けた後の空洞部分に第2の材料を充填して固化させるという、多くの行程を経て製造するものであり、製造作業が煩雑であり、製造工程数が多く、製造をより簡素化したいという要望があった。
また、従来の2層口紅は、中心体が口紅の先端に露出しており、口紅を先端側から見たときに中心体と外層体とが二重円状に視認できる形態であり、ユーザは使用開始前から中心体と外層体とからなる2層口紅であることを知り得るものであった。
本発明の目的は、上記事情に鑑み、中心体が露出しておらず使用しているうちに中心体と外層体とからなる化粧料であることを知ることができ意外感と面白味をユーザに与えることができる固形化粧料を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記事情に鑑み、中心体と外層体とからなる固形化粧料を簡単に製造することができる製造方法を提供することにある。
本発明にかかる固形化粧料は、第1の組成物からなる中心体と、該中心体の全表面を覆う第2の組成物からなる外層体とを備えたことを特徴とする。
ここで「全表面を覆う」とは、商品として販売するときの状態で露出している固形化粧料の外表面全体の95%以上が第2の組成物のみであることを意味する。残りの表面部分は、第1の組成物であっても第1の組成物と第2の組成物との混合物であっても良い。上記外表面全体の98%以上が第2の組成物のみであることがより好ましく、100%第2の組成物のみであることがさらに好ましい。
前記中心体と前記外層体との体積比が、5:1〜1:5であることが望ましい。体積比は、商品として販売される状態での中心体全体と外層体全体との体積比である。
前記外層体の硬度が5〜100であることが好ましい。硬度は、試料にレオメーターのアダプターを進入させた時の進入硬度であり、測定温度25℃で、1mmφのアダプターを30mm/minのスピードで上方から試料中に10mm進入させたときの応力のピーク値(単位はgf)である。
前記中心体と前記外層体との比重差が、0.05以下であることが好ましい。比重差は、第1の組成物および第2の組成物が固化した後の比重差、即ち中心体の比重と外層体の比重との差である。比重は中心体と外層体とでどちらが大きくても良い。
前記外層体の厚さの平均が、0.1mm〜3.0mmであることが好ましい。また、前記外層体の厚さの平均が、0.5mm〜1.5mmであることがより好ましい。ここでいう外層体の厚さは、固形化粧料が商品として販売される状態において露出している外表面全体における外層体の厚さの平均値を意味する。
前記固形化粧料の形状は、例えば口紅等のスティック状のものとすることができる。
本発明に係る固形化粧料の製造方法は、上下方向に延びる中心軸を有する上端開口の有底凹部を有する成形型に第2の組成物を充填し、前記成形型を前記中心軸周りに回転させて前記第2の組成物を前記有底凹部の内面に沿って層状に位置させて内側に空洞を有する外層部を形成し、次いで前記空洞に第1の組成物を充填して中心部を形成し、前記外層部と前記中心部を固化させることを特徴とする。
前記「中心部」および「外層部」は固化する前の溶融状態のものを意味する。また、前記第1の組成物は、前記成形型を回転しながら充填しても良いし回転を停止した状態で充填しても良い。
前記成形型の回転の回転速度は、500〜1500rpmであることが好ましい。また、前記成形型の回転の回転速度は、700〜900rpmであることがより好ましい。
本発明に係る固形化粧料は、中心体の全表面を外層体が覆っているので、ユーザは外層体のみを視認でき、内側に中心体が存在していることが分からない状態で化粧料の使用を開始し、使用後しばらくして先端部分の外層体が消費されると中心体が出現するので、ユーザに意外感や面白味を与えることができ、商品の差別化および商品価値の向上を図ることができる。
本発明に係る固形化粧料の製造方法は、成形型に第2の組成物を充填し、成形型を回転させて第2の組成物を遠心力により成形型の凹部内面に沿って層状に位置させ、この状態で層状になった第2の組成物の内側の空洞に第1の組成物を充填して固化させることにより製造するので、製造工程としては第2の組成物の充填、成形型の回転および第1の組成物の充填のみでよく、従来の2つ割り型を使用した製造方法のように、型組み合わせ、中芯挿入、中芯抜き出しの作業が不要であり、工程数が少なく製造工程の簡素化が図られ、安価に製造することができる。
本発明に係る固形化粧料の一実施の形態を備えた容器付口紅を示す斜視図 図1に示す容器付口紅の口紅部分を断面で示す部分断面正面図 本発明に係る固形化粧料の製造方法の一実施の形態に使用する成形型を示す断面図 図3に示す成形型を用いた製造方法における第1製造工程を説明する図 図3に示す成形型を用いた製造方法における第2製造工程を説明する図 図3に示す成形型を用いた製造方法における第3製造工程を説明する図 図3に示す成形型を用いた製造方法における第4製造工程を説明する図
以下、図面を参照して本発明に係る固形化粧料およびその製造方法の実施の形態について説明する。
以下に説明する実施の形態は、本発明に係る固形化粧料およびその製造方法をスティック状(棒状)の2層口紅体およびその製造方法に適用した例であり、図1は、本発明に係る固形化粧料の一実施の形態である2層口紅体2を備えた容器付2層口紅1を示す斜視図、図2は、図1に示す容器付2層口紅1の正面図であって、2層口紅体2を縦断面にして示す部分断面正面図である。
図1,2に示すように、2層口紅体2は、中心体2aと、中心体2aの全表面を覆う外層体2bとで構成されている。中心体2aは第1の組成物からなり、外層体2bは第1の組成物とは組成が異なる第2の組成物からなる。2層口紅体2は繰り出し容器3に収容されており、2層口紅体2と繰り出し容器3とで容器付2層口紅1が構成されている。
図3は、2層口紅体2を製造する際に使用する成形型の一例であるオジーブ4と繰り出し容器3とを組み合わせた状態で断面にして示す図である。図示のように、繰り出し容器3は、円筒状の外筒体10と、円筒状の内筒体11と、円筒状の中皿体12とで構成されている。外筒体10は、上端が開口し、下端に底板10aを有し、内面に螺旋溝10bを有し、底板10aはその中央に貫通孔10cを有している。内筒体11は、外筒体10内に、外筒体10から抜け出さないように、外筒体10に対して相対回転可能に挿入されており、かつ、上下端が開口し、軸方向(図中の上下方向)に延びる下端解放のスリット11aを備えている。中皿体12は、上下端が開口しており、内面に2層口紅体2の抜け出しおよび回転を防止するリブ12aを有している。また、中皿体12は、下端近傍の外周面に突起12bを有しており、この突起12bは、その径が内筒体のスリット11aの幅より僅かに小さく、外筒体の螺旋溝10bの溝幅よりも僅かに小さく形成されており、スリット11aを貫通して螺旋溝10b内に嵌入されている。
図示の繰り出し容器3においては、中皿体12は、突起12bが内筒体のスリット11aを貫通していることからスリット11aに沿って軸方向にのみ上下動可能であり、内筒体11に対して外筒体10を相対回転させることにより、螺旋溝10bにガイドされて突起12bが、ひいては中皿体12が内筒体11の中で上下方向に移動する。なお、図3は、繰り出し容器3の動きが理解できる程度に該容器3の構造を概略的に示したものである。
オジーブ4は、樹脂またはシリコンの成形型であり、図3中において下端に開口を有し、上端が徐々に細くなって閉じられた円筒状をなしており、内部に先端が徐々に細くなった略砲弾状の空洞部4aを有している。2層口紅体2を製造するに際しては、図3に示すように、オジーブ4の下端を繰り出し容器3の上端に当接させて両者を組み合わせ、この組合体5を図示しない製造ライン上の保持具に保持させて製造が行われる。
次に、図4〜図7を参照しながら、本発明の一実施の形態である2層口紅体の製造方法の一実施の形態について説明する。2層口紅体2の製造は、第2の組成物を貯留するAタンクを備えたステージAと、第1の組成物を貯留するBタンクを備えたステージBとで行われる。なお、図4〜図7においては、中皿体のリブ12aは一部を省略して示している。
まず、図3に示すオジーブ4と繰り出し容器3との組合体5をオジーブ4を下側にして図示しない保持具により保持し、保持具と共に組合体5をステージAに移送し、図4に示すようにAタンク6の下で停止させる。そして、Aタンク6から、Aタンク6内に貯留されている加熱溶融された第2の組成物を繰り出し容器の底板に形成された貫通孔10cを通してオジーブ4内に所定量注入充填する。第2の組成物のオジーブ4への充填は、適宜の流量で行うことができ、例えば流量3.7ml/1.2秒で行うことができる。
ステージAでオジーブ4に第2の組成物が所定量注入充填された後、組合体5を保持具と共にステージBに移送し、図5に示すように、Bタンク7の下で停止させ、この状態で保持具を回転させて組合体5をその中心軸(組合体5の上下方向に延びる中心軸)を中心として所定の回転速度で回転させる。
この回転により、図6に示すように、回転による遠心力の作用でオジーブ4内の第2の組成物をオジーブ4の内面に沿って層状に位置させ、第2の組成物の内側に空洞を形成させる。つまり、オジーブ4の内面に沿って層状になった内側に空洞を有する溶融状態の第2の組成物からなる外層部2Bを形成する。このとき、第2の組成物の上端部は中皿体のリブ12aの位置まで上昇している。この状態で組合体5の回転を継続させながら、第2の組成物の内側の空洞に、Bタンク7から加熱溶融された第1の組成物を所定量注入充填し、外層部2Bの内側に溶融状態の第1の組成物からなる中心部2Aを形成して図7の状態とする。第1の組成物の充填は、第2の組成物がオジーブ4に充填された組合体5を例えば1〜2秒間回転させた後に開始することができる。第1の組成物の充填は、適宜の流量で行うことができ、例えば流量2.2ml/1.2秒で行うことができる。
第1の組成物がオジーブ4に充填されて図7の状態になった後、回転を継続させながら強制冷却を開始する。回転は、少なくとも第1の組成物および第2の組成物が冷却されて回転させなくても第1の組成物および第2の組成物が図7に示す形状を維持できる状態となるまで継続する。例えば、第1の組成物がオジーブ4に充填された後直ちに強制冷却を開始すると共に、第1の組成物がオジーブ4に充填された後1〜2秒間回転を継続し、しかる後組合体5の回転を停止することができる。そして、最終的に第1の組成物(中心部2A)および第2の組成物(外層部2B)が冷却固化して中心体2aおよび外層体2bからなる2層口紅体2が形成された後、組合体5を保持具から取り出し、2層口紅体2からオジーブ4を取り外すことにより、図1に示すような容器付2層口紅1が製造される。
中心体2aと外層体2bの体積比は、5:1〜1:5であることが好ましい。ここで体積比は、固化した状態での中皿体12内に入っている部分も含めて、2層口紅体2の全体における体積比である。
外層体2bの硬度は、5〜100であることが好ましい。硬度の定義は前述の通りである。硬度が5以下の場合、柔らかいためオジーブ4から外層体2bを損傷させることなく綺麗に抜き出すことが困難であり外層体の良好な成形が難しくなる。一方で硬度が100以上の場合、硬いため塗布してもなかなか中心体2aが露出してこないため、中心体2aが露出してくることでのワクワク感を感じにくい傾向となる。
中心体2aと外層体2bとの比重差は、0.05以下であることが好ましく、比重差は0であっても良い。比重差の定義は前述の通りである。比重差が0.05より大きいと、外層体2bが不均一に形成されやすい。中心体2aと外層体2bとは、どちらの比重の方が大きくてもよいが、外層体2bの比重の方が大きい場合は、2層口紅体2の先端側に外層体2aが溜まりやすい傾向にある。
外層体2bの厚さの平均は0.1mm〜3.0mmであることが好ましく、0.5mm〜1.5mmであることが更に好ましい。厚さの平均の定義は前述の通りである。従来の前述した中芯を用いる金型成形の場合は、中芯を抜き出す関係上外層体の厚さは1.5mm程度が限度であって、それ以上薄くすることが困難であったが、本発明に係る製造方法によれば、中芯を抜き出す工程が不要であり、その結果、外層体2bの厚さの平均が1.5mm以下のものを製造可能である。
前記2層口紅体の製造方法において、ステージBで中心体2a用の第1の組成物を注入充填する際に組合体5を回転させながら注入充填したが、先に充填されている第2の組成物が遠心力によりオジーブ4の内面に沿って層状に位置した後その形状を維持し得る状態にある場合は、回転を停止して第1の組成物を注入充填することも可能である。
第2の組成物を充填して外層部2Bを成形しかつ第1の組成物を充填して中心部2Aを形成する際の組合体5の回転の回転速度は、500〜1500rpmが好ましく、700〜900rpmがさらに好ましい。回転速度が500rpm以下の場合には、第2の組成物がオジーブ4の先端側に溜まりやすく、成形された2層口紅体2の先端側に外層体2aが溜まりやすい傾向にある。一方、1500rpm以上の場合には、第1の組成物がオジーブ4の内面側に移動しかつ中皿体12から溢れ出てしまい、成形された2層口紅体2において中心体2aが表面に露出してしまう傾向にある。
本発明の製造方法においては、上記実施の形態では繰り出し容器3とオジーブ4との組合体5を使用して2層口紅体2を製造したが、繰り出し容器3は図示の構造のものに限らず、どのような構造の容器を用いても良い。もちろん、繰り出しタイプの容器である必要もない。また、必ずしも成形型と容器とを組み合わせた組合体を用いる必要もなく、成形型のみを用い、成形型に第1の組成物を充填し、その後成形型を回転させながら第1の組成物を成形型の有底凹部内面に沿わせて層状に位置させ、その後第2の組成物を充填しても良い。さらに、成形型としても、オジーブに限らず、種々の成形型を用いることができる。
本発明の固形化粧料は、上述の2層口紅に限定されず、3層以上の異なる組成の組成物からなる口紅であっても良い。3層以上の場合は、最外の層が外層体となり、最外の層の内側に位置する部分(最外の層の内側に位置する全ての層からなる部分)が中心体となる。この場合は、最外の層を構成する組成物を成形型に注入充填し、成形型を回転させながら順次異なる組成物を注入充填して各組成物を層状とし、最後に最も内側に位置すべき層の組成物を注入充填して冷却固化させることにより製造することができる。また、色は同じでも成分が異なる複数の組成物からなる口紅であっても良い。また、口紅に限らず、グロス、リップクリーム等の棒状化粧料、あるいは、棒状以外の各種化粧料であっても良い。さらに、口紅の場合、実施の態様に示す形状のものに限らず、例えば先端部分に傾斜面を有する形状のものであってもよい。
また、第1の組成物および第2の組成物も、以下に説明する実施例の組成物に限らず、種々の組成物を使用することができ、第1の組成物および第2の組成物の充填条件も、以下に説明する実施例の充填条件に限らず、種々の充填条件にて成形することができる。
次に、上記2層口紅体の製造方法の実施例について、表1、表2および表3を参照しながら説明する。表1、表2および表3中の各組成物における各成分(配合量合計100質量%)の数値は全体に対する質量%を示す。また、表1および表2において、「内層」は第1の組成物を、「外層」は第2の組成物を、「比率(内層:外層)」は第1の組成物と第2の組成物が固化した後のそれぞれの全体の体積比率(中心体2a全体と外層体2b全体との体積比率)を、「内層充填温度」および「外層充填温度」は第1の組成物および第2の組成物をそれぞれオジーブ4に充填するときの第1の組成物および第2の組成物の温度を、「回転速度」は第2の組成物からなる外層部2Bを形成すると共に外層部2Bの空洞に第1の組成物を充填して中心部2Aを形成する際の組合体5の回転速度を、「内外層分布状態」は第1の組成物と第2の組成物が冷却固化した後の中心体2aと外層体2bの分布状態を、「膜厚」は外層体2bの上述した厚さの平均を意味する。なお、表1,表2中の「比重」および「比重差」は第1の組成物および第2の組成物が固化した状態(中心体2aと外層体2b)での比重および比重差である。
表1、表2および表3に示す実施例においては、いずれも、外層体の材料である第2の組成物を加熱溶融して上述のステージAで組合体5に注入充填し、上述のステージBで回転させながら第2の組成物をオジーブ4の内面に沿わせて層状に位置させ、次いで層状に位置した第2の組成物の内側の空洞に加熱溶融した第1の組成物を注入充填し、その後強制冷却を開始して回転を停止し、両組成物を固化させて第1の組成物からなる中心体2aと第2の組成物からなる外層体2bを備えた容器付2層口紅1を製造した。
表1は、表1−1と表1−2からなり、表1−2に記載されている組成物1および組成物2をそれぞれ外層体2b用の第2の組成物および中心体2a用の第1の組成物として使用し、表1−1に記載されている17通りの充填条件で成形を行った場合の外層体2bの膜厚および中心体2aと外層体2bとの分布状態を示している。表1−1の膜厚の欄中の「−」は、膜厚を測定していないことを示す。なお、表1−2には、外層体2bと中心体2aの硬度および比重差も示されている。
表1−1に示されているように、回転速度が300rpmの場合第2の組成物からなる外層体が先端側に溜まり、回転速度が2000rpmの場合第1の組成物からなる中心体が表面に一部露出してまだら模様となり、回転速度が800rpmでも、第1の組成物と第2の組成物との比率(中心体と外層体との体積比率)が5:1〜1:5の範囲から外れて9:1や1:9である場合、中心体が露出したり2層状態にならないという不都合が生じた。それら以外の充填条件の場合、内外層分布状態の欄に○を記しているように、固化後の2層口紅体2における中心体2aと外層体2bとの分布は良好であり、混じり合いの少ない外層体2bをもつ2層構造の口紅体2が成形された。
表2は、表2−1と表2−2からなり、表2−1中の組成物1と組成物2、組成物3と組成物4、組成物5と組成物6、組成物7と組成物8および組成物9と組成物10の5組の組成物(組成物1,3,5,7,9が外層体用の第2の組成物、組成物2,4,6,8,10が中心体用の第1の組成物)を使用し、各組とも表2−2に記載されている同一の充填条件で成形を行った場合のそれぞれの内外層分布状態を示している。
表2−1には、各組成物の固化後の硬度、固化後の比重と共に、各組成物の組の固化後の比重差も示されている。組成物1,2の組、組成物3,4の組、組成物5,6の組および組成物9,10の組の場合、内外層分布状態は○、即ち固化後の2層口紅体2における中心体2aと外層体2bとの分布は良好であり、混じり合いの少ない外層体2bをもつ2層構造の口紅体2が成形された。また、組成物7,8の組の場合、内外層分布状態は△、即ち固化後の2層口紅体2における中心体2aと外層体2bとの分布は、比重差が0.08と少し大きいことから、外層体2bの均一性が低く、中心体2aと外層体2bとの分離がやや不明瞭であった。
表2−1から分かるように、組成物1,2の組、組成物3,4の組、組成物5,6の組および組成物9,10の組は、いずれも比重差が0.05以下であり、前3つの組はいずれも外層体2bの方が中心体2aより比重が大きく、最後の組は中心体2aの方が外層体2bより比重が大きいことから、中心体2aと外層体2bの比重の大小関係に関わらず、両者の比重差が0.05以下である場合、内外層分布状態は良好である。内外層分布状態は中心体2aと外層体2bの比重差の影響を受け、中心体2aおよび外層体2bの比重そのものの大きさには特に影響されない。なお、発明者は中心体2aおよび外層体2bとして比重が0.9−1.1の範囲のものを用いて比重差が0.05以下で内外層分布状態が良好であることを確認している。
表3に、中心体用の第1の組成物および外層体用の第2の組成物の組み合わせのさらなる例を示す。表3に示されている組成物の各組み合わせを用い、表2−2に記載されている充填条件にて成形することにより、内外層分布状態が良好な2層口紅体を成形することができた。
本発明に係る固形化粧料の上記実施例によれば、異なる2種類の組成物、例えば色調の異なる2種類の組成物あるいは使用感の異なる2種類の組成物からなる2層口紅体を、外層体が薄い形で、かつ、中心体と外層体との分布が良好な状態で、少ない工程数で容易に成形することができた。
1 容器付2層口紅
2 2層口紅体(固形化粧料)
2a 中心体
2b 外層体
3 容器
4 オジーブ(成形型)

Claims (8)

  1. 第1の組成物からなる中心体と、該中心体の全表面を覆う第2の組成物からなる外層体とを備えたことを特徴とする固形化粧料。
  2. 前記中心体と前記外層体との体積比が、5:1〜1:5である請求項1記載の固形化粧料。
  3. 前記外層体の硬度が5〜100である請求項1または2記載の固形化粧料。
  4. 前記中心体と前記外層体との比重差が、0.05以下である請求項1〜3いずれか1項記載の固形化粧料。
  5. 前記外層体の厚さの平均が、0.1mm〜3.0mmである請求項1〜4いずれか1項記載の固形化粧料。
  6. 形状がスティック状である請求項1〜5いずれか1項記載の固形化粧料。
  7. 上下方向に延びる中心軸を有する上端開口の有底凹部を有する成形型に第2の組成物を充填し、前記成形型を前記中心軸周りに回転させて前記第2の組成物を前記有底凹部の内面に沿って層状に位置させて内側に空洞を有する外層部を形成し、次いで前記空洞に第1の組成物を充填して中心部を形成し、前記外層部と前記中心部を固化させることを特徴とする固形化粧料の製造方法。
  8. 前記成形型の回転の回転速度が500〜1500rpmである請求項7記載の固形化粧料の製造方法。
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