JP2020011901A - ピロリジン化合物の製造方法 - Google Patents

ピロリジン化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020011901A
JP2020011901A JP2016206192A JP2016206192A JP2020011901A JP 2020011901 A JP2020011901 A JP 2020011901A JP 2016206192 A JP2016206192 A JP 2016206192A JP 2016206192 A JP2016206192 A JP 2016206192A JP 2020011901 A JP2020011901 A JP 2020011901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
formula
production method
compound represented
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016206192A
Other languages
English (en)
Inventor
孝之 愛宕
Takayuki Atago
孝之 愛宕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyowa Kirin Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Kirin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Kirin Co Ltd filed Critical Kyowa Kirin Co Ltd
Priority to JP2016206192A priority Critical patent/JP2020011901A/ja
Priority to PCT/JP2017/037921 priority patent/WO2018074566A1/ja
Publication of JP2020011901A publication Critical patent/JP2020011901A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D207/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D207/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom
    • C07D207/04Heterocyclic compounds containing five-membered rings not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D207/08Heterocyclic compounds containing five-membered rings not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hydrocarbon radicals, substituted by hetero atoms, attached to ring carbon atoms

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】ピロリジン化合物又はその塩の工業的な大量合成を志向した効率的な製造方法等を提供すること。【解決手段】式(II)で表される化合物又はその塩を、塩基の存在下、式(III)で表される化合物と反応させることを特徴とする、式(I):(式中、R1はC1-6アルキルを表し、R2はC12-24アルキル又はC12-24アルケニルを表し、Xはヒドロキシ又は塩素原子を表す)で表されるピロリジン化合物又はその塩の工業的な大量合成を志向した効率的な製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、ピロリジン化合物又はその塩の製造方法等に関する。
下記式
(式中、R1及びR2は炭素数12〜24の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル等を表し、X1及びX2は一緒になって単結合等を表し、X3は存在しないか、炭素数1〜6のアルキル等であり、Yは存在しないか、陰イオンであり、a及びbは0〜3を表し、L3は単結合等を表し、R3は炭素数1〜6のアルキル等を表し、L1及びL2は-O-CO-等を表す)で表されるピロリジン化合物又はその塩等は、核酸を細胞内等に導入することを容易にする脂質ナノ粒子を構成するためのカチオン性脂質として知られており、例えば式(I)
(式中、R1はC1-6アルキルを表し、R2はC12-24アルキル又はC12-24アルケニルを表す)で表されるピロリジン化合物等が例示されている(特許文献1、2)。
例えば式(IA)で表されるピロリジン化合物の製造方法としては、例えば下記の製造方法が知られている(特許文献1の実施例110参照)。
(式中、OEtはエトキシを表し、Bnはベンジルを表し、Bocはtert-ブトキシカルボニルを表し、DCCはジシクロヘキシルカルボジイミドを表し、DMAPは4-ジメチルアミノピリジンを表し、TFAはトリフルオロ酢酸を表し、NaBH(OAc)3はナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを表す)
国際公開第2011/136368号パンフレット 国際公開第2013/089152号パンフレット
本発明の目的は、ピロリジン化合物又はその塩の工業的な大量合成を志向した効率的な製造方法等を提供することにある。
例えばWO2011/136368等に記載されている方法では、工程数も多く、操作も煩雑であるため、工業的な大量合成を志向した製造方法には不向きであり、その改善が求められる。
本発明は、以下の(1)〜(13)に関する。
(1) 式(II)で表される化合物又はその塩を、塩基の存在下、式(III)で表される化合物と反応させることを特徴とする、式(I):
(式中、R1はC1-6アルキルを表し、R2はC12-24アルキル又はC12-24アルケニルを表し、Xはヒドロキシ又は塩素原子を表す)で表されるピロリジン化合物又はその塩の製造方法。
(2) R1がメチルである(1)に記載の製造方法。
(3) R2がC12-24アルケニルである(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4) R2がヘプタデカジエニルである(1)又は(2)に記載の製造方法。
(5) R2が(8Z,11Z)-ヘプタデカ-8,11-ジエニルである(1)又は(2)に記載の製造方法。
(6) Xがヒドロキシである(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7) Xが塩素原子である(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(8) 塩基がN-メチルイミダゾールである(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9) 式(II)で表される化合物又はその塩が、式(IV):
(式中、R1はC1-6アルキルを表し、R3はC1-6アルキルを表す)で表される化合物又はその塩を還元剤で処理させることにより得られる(1)〜(8)のいずれかに記載の製造方法。
(10) R3がエチルである(9)記載の製造方法。
(11) 還元剤が水素化アルミニウムリチウムである(9)又は(10)記載の製造方法。
(12) 式(IV)で表される化合物又はその塩が、式(V)で表される化合物及び式(VI):
(式中、R1及びR3はそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を反応させることにより得られる(9)〜(11)のいずれかに記載の製造方法。
(13) 式(I)で表されるピロリジン化合物が、式(IA):
で表されるピロリジン化合物である(1)〜(12)のいずれかに記載の製造方法。
本発明により、ピロリジン化合物又はその塩の工業的な大量合成を志向した効率的な製造方法等が提供される。
以下、式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)の各基の定義において、
C1-6アルキルとしては、例えば直鎖又は分岐状の炭素数1〜6のアルキルがあげられ、より具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等があげられ;
C12-24アルキルとしては、例えば直鎖又は分岐状の炭素数12〜24のアルキルがあげられ、より具体的にはドデシル、トリデシル、テトラデシル、2,6,10-トリメチルウンデシル、ペンタデシル、3,7,11-トリメチルドデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、6,10,14-トリメチルペンタデカン-2-イル、ノナデシル、2,6,10,14-テトラメチルペンタデシル、イコシル、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデシル、ヘニコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル等があげられ;
C12-24アルケニルとしては、例えば1〜3つの二重結合を含む直鎖又は分岐状の炭素数12〜24のアルケニルがあげられ、より具体的には(Z)-トリデカ-8-エニル、(Z)-テトラデカ-9-エニル、(Z)-ペンタデカ-8-エニル、(Z)-ヘキサデカ-9-エニル、(Z)-ヘプタデカ-5-エニル、(Z)-オクタデカ-6-エニル、(Z)-ヘプタデカ-8-エニル、(Z)-オクタデカ-9-エニル、(E)-ヘプタデカ-8-エニル、(E)-オクタデカ-9-エニル、(Z)-ヘプタデカ-10-エニル、(Z)-オクタデカ-11-エニル、(8Z,11Z)-ヘプタデカ-8,11-ジエニル、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル、(8Z,11Z,14Z)-オクタデカ-8,11,14-トリエニル、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエニル、(Z)-ノナデカ-10-エニル、(Z)-イコサ-11-エニル、(10Z,13Z)-ノナデカ-10,13-ジエニル、(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエニル、2,6,10-トリメチルウンデカ-1,5,9-トリエニル、3,7,11-トリメチルドデカ-2,6,10-トリエニル、2,6,10,14-テトラメチルペンタデカ-1-エニル、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカ-2-エニル等があげられる。
本発明における式(IA)で表される化合物は、下記式(SS-IA):
で表される(9Z,9'Z,12Z,12'Z)-((3S,4S)-1-メチルピロリジン-3,4-ジイル)ビス(メチレン) ビス(オクタデカ-9,12-ジエノアート)及び下記式(RR-IA):
で表される(9Z,9'Z,12Z,12'Z)-((3R,4R)-1-メチルピロリジン-3,4-ジイル)ビス(メチレン) ビス(オクタデカ-9,12-ジエノアート)の混合物である。なお、その混合比は1:1であり、ラセミ体である。
次に化合物(I)の製造方法について具体的に説明する。
製造方法1
(式中、R1、R2、R3及びXそれぞれ前記と同義である)
工程1
化合物(IV)は、適当な溶媒中、化合物(V)及び化合物(VI)をホルムアルデヒド試薬及び必要により、モレキュラーシブズ4Aの存在下で反応させることにより得ることができる。
化合物(VI)の使用量は特に限定されないが、例えば化合物(V)に対し、好ましくは1.2〜1.5当量用いられる。
ホルムアルデヒド試薬としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等があげられ、好ましくはパラホルムアルデヒド等があげられる。ホルムアルデヒド試薬の使用量は特に限定されないが、例えば化合物(V)に対し、好ましくは1.2〜1.5当量用いられる。また、ホルムアルデヒド試薬の代わりに、メタノールを酸化銅(II)又は白金により反応系中で酸化し、ホルムアルデヒドを発生させてもよい(例えばBulletin de la Societe Chimique de France, 29, 1903,p.939-943、Angewandte Chemie, International Edition, 51(32), 2012, p.7985-7989等参照)。
モレキュラーシブズ4Aの使用量は特に限定されないが、例えば化合物(V)に対し、好ましくは25〜35wt%用いられる。
溶媒としては、特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラン(THF)等のエーテル溶媒;N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒;ジクロロメタン等のハロゲン溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール等のアルコール溶媒等があげられ、これらを単独で、又は混合して用いられる。好ましくはトルエン等があげられる。溶媒の使用量には特に制限はないが、例えば化合物(V)に対して2〜50容量/重量(v/w)、好ましくは5〜20v/w用いられる。
反応は、好ましくは 70℃と110℃の間の温度で、より好ましくは90℃と100℃の間の温度で、通常5分間〜72時間行われ、好ましくは30分間〜4時間行われる。
化合物(V)は、市販品として、又は公知の方法(例えば、The Journal of Organic Chemistry, 44(7), 1979, p.1149-1154等)もしくはそれに準じた方法に従い得ることができる。
化合物(VI)は、市販品として、又は公知の方法(例えば、WO2001/092208等)もしくはそれに準じた方法に従い得ることができる。
工程2
化合物(II)は、適当な溶媒中、化合物(IV)を還元剤で処理することにより得ることができる。
溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール等のアルコール溶媒;THF等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等があげられ、これらを単独で、又は混合して用いられる。好ましくはTHF等があげられる。溶媒の使用量には特に制限はないが、例えば化合物(IV)に対して2〜50容量/重量(v/w)、好ましくは10〜20v/w用いられる。
反応は、好ましくは 0℃と100℃の間の温度で、より好ましくは20℃と50℃の間の温度で、通常5分間〜72時間行われ、好ましくは30分間〜4時間行われる。
なお、還元剤が水素化アルミニウムリチウムである場合、反応終了後に硫酸ナトリウム10水和物(Na2SO4・10H20)等の含水試薬で処理することにより、過剰量の水素化アルミニウムリチウムを不活性化することができ、析出した不溶物を濾別するだけで、純度良く化合物(II)を取得することができる。該化合物(II)は、他に精製操作を行うことなく、次工程に供することが可能である。工業的な大量合成を志向した場合、精製工程を少しでも省くことは非常に有用であり、本製造方法は優れた製造方法と言える。
工程3
化合物(I)は、化合物(II)及び化合物(III)を、塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。
(i)化合物(III)において、Xがヒドロキシの場合、化合物(I)は、適当な溶媒中、化合物(II)及び化合物(III)を、塩基及び添加剤の存在下で反応させることにより得ることができる。
各試薬の使用量は特に限定されないが、例えば化合物(II)に対し、化合物(III)は好ましくは2.0〜5.0当量、より好ましくは2.0〜2.2当量、塩基は好ましくは4.0〜8.0当量、より好ましくは5.5〜6.5当量、添加剤は好ましくは1.6〜2.6当量、より好ましくは2.0〜2.2当量用いられる。
溶媒としては、特に限定されないが、例えばアセトニトリル等のニトリル溶媒;THF、2-メチルテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒等があげられ、これらを単独で、又は混合して用いられる。好ましくはアセトニトリル等があげられる。溶媒の使用量には特に制限はないが、例えば化合物(II)に対して2〜100容量/重量(v/w)、好ましくは5〜30v/w用いられる。
塩基としては、例えばN-メチルイミダゾール、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、炭酸水素ナトリウム等があげられ、好ましくはN-メチルイミダゾール等があげられる。
添加剤としては、例えばパラトルエンスルホン酸クロリド、カルボニルジイミダゾール(CDI)等があげられ、好ましくはパラトルエンスルホン酸クロリド等があげられる。
反応は、好ましくは -10℃と80℃の間の温度で、より好ましくは0℃と10℃の間の温度で、通常5分間〜72時間行われ、好ましくは1時間〜5時間行われる。
化合物(III)は、市販品として、又は公知の方法(例えば、Tetrahedron Letters, 49(22), 2008, p.3600-3603等)もしくはそれに準じた方法に従い得ることができる。
(ii)化合物(III)において、Xが塩素原子の場合、化合物(I)は、適当な溶媒中、化合物(II)及び化合物(III)を、塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。
各試薬の使用量は特に限定されないが、例えば化合物(II)に対し、化合物(III)は好ましくは1.6〜2.6当量、より好ましくは2.0〜2.2当量、塩基は好ましくは4.0〜8.0当量、より好ましくは4.5〜5.5当量用いられる。
溶媒としては、特に限定されないが、例えば、THF等のエーテル溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒等があげられ、これらを単独で、又は混合して用いられる。好ましくはアセトニトリル等があげられる。溶媒の使用量には特に制限はないが、例えば化合物(II)に対して2〜100容量/重量(v/w)、好ましくは10〜30v/w用いられる。
塩基としては、例えばジプロピルエチルアミン、N-メチルイミダゾール、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、炭酸水素ナトリウム等があげられ、好ましくはピリジン等があげられる。
反応は、好ましくは 0℃と80℃の間の温度で、より好ましくは20℃と50℃の間の温度で、通常5分間〜72時間行われ、好ましくは1時間〜5時間行われる。
化合物(III)は、市販品として、又は公知の方法(例えば、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 13(12), 2003, p.1977-1980等)もしくはそれに準じた方法に従い得ることができる。
上記各工程の生成物や中間体は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。また、各工程の生成物や中間体は特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
各工程で得られる中間体及び生成物の中には、幾何異性体、光学異性体等の立体異性体、互変異性体等が存在し得るものもあるが、本発明における中間体及び生成物は、これらを含め、全ての可能な異性体及びそれらの混合物を包含する。
また、各工程で用いられる原料化合物、得られる中間体及び生成物は、塩や溶媒和物の形態であってもよい。
各工程で得られる中間体及び生成物の塩を取得したいとき、各工程で得られる中間体及び生成物が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、各工程で得られる中間体及び生成物を適当な溶媒に溶解又は懸濁し、酸又は塩基を加えることにより塩を形成させて単離、精製すればよい。
各工程で用いられる原料化合物、得られる中間体及び生成物の塩は、例えば酸付加塩等を包含する。該酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩等があげられる。
上記の製造方法により、化合物(I)を公知の方法(例えばWO2011/136368)より短工程で簡便に得ることができる。また、医薬品の原料の合成方法は不純物の混入量を低減させることが重要であり、該製造方法は化合物(I)を一定の品質で効率的に再現性よく製造することができ、工業的製造方法として好適である。
以下、本発明を実施例、及び参考例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。
なお、実施例及び参考例で用いられるプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)は、270 MHz又は300 MHzで測定されたものであり、化合物及び測定条件によって交換性プロトンが明瞭には観測されないことがある。なお、シグナルの多重度の表記としては通常用いられるものを用いる。
(9Z,9'Z,12Z,12'Z)-((3RS,4RS)-1-メチルピロリジン-3,4-ジイル)ビス(メチレン) ビス(オクタデカ-9,12-ジエノアート) (化合物(IA))の製造
(工程1)
窒素雰囲気下、粉末状のモレキュラーシーブ4A(27.0 g)をトルエン(630 mL)に懸濁し、室温下、フマル酸ジエチル(90.0 g, 0.52 mol)、N-メチルグリシン(60.5 g, 0.68 mol)、パラホルムアルデヒド(23.5 g, 0.78 mol)及びトルエン(270 mL)を加えた後、90℃で2時間撹拌した。60℃まで冷却し、反応混合物に水(270 mL)を加え、室温まで冷却した。反応混合物を濾過し、トルエン(180 mL)で洗浄した。得られた濾液に水(180 mL)を加え、室温で10分間撹拌した後、10分間静置した。水層と有機層を分離した後、得られた有機層の溶媒を減圧留去し、ジエチル (3RS,4RS)-1-メチルピロリジン-3,4-ジカルボキシラート(化合物MP)(116 g, 収率97.2%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 1.27 (t, J= 7.2 Hz, 6H), 2.33 (s, 3H), 2.70-2.80 (m, 2H), 2.82-2.92 (m, 2H), 3.40-3.49 (m, 2H), 4.17 (q, J = 7.2 Hz, 4H).
(工程2)
窒素雰囲気下、THF(114 mL)を5℃に冷却し、水素化アルミニウムリチウム(1 mol/L THF溶液, 53.7 mL, 53.7 mmol)を加えた。反応混合物に、工程1で得られた化合物MP(9.46 g, 41.3 mmol)をTHF(28.4 mL)で溶解した溶液を、内温を0-15℃に保ちながら滴下し室温で2時間撹拌した。反応混合物に硫酸ナトリウム10水和物(39.9 g, 124 mmol)をゆっくり加え、35℃で1時間撹拌した。反応混合物を、室温まで冷却した後、濾過し、残渣をTHF(56.8 mL)で洗浄した。得られた濾液をエバポレーターで液量が60 mL程度になるまで濃縮した。得られた溶液に、アセトニトリル(142 mL)を加えて、エバポレーターで液量が60 mL程度になるまで濃縮した。該アセトリニトルへの溶媒置換操作を、更に、2回行うことにより、((3RS,4RS)-1-メチルピロリジン-3,4-ジイル)ジメタノール(化合物MPM)のアセトニトリル溶液(56.8 mL)を得た。
(工程3)
窒素雰囲気下、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸(23.1 g, 82.5 mmol)をアセトニトリル(56.8 mL)に溶解し、N-メチルイミダゾール(20.3 g, 248 mmol)を加え、5℃に冷却した。反応混合物に、p-トルエンスルホニルクロリド(16.5 g, 86.6 mmol)のアセトニトリル(56.8 mL)溶液を滴下し、5℃で1時間撹拌した。反応混合物に、工程2で得られた化合物MPMのアセトニトリル溶液(56.8 mL)を滴下し、アセトニトリル(18.9 mL)を加え、5℃で3時間撹拌した。反応混合物に、水(56.8 mL)及びn-ヘプタン(56.8 mL)を加え、室温で10分間撹拌した後、10分間静置した。水層と有機層を分離した後、得られた有機層に水(28.4 mL)及びアセトニトリル(56.8 mL)を加え、室温で10分間撹拌した後、10分間静置した。水層と有機層を分離した後、得られた有機層に水(14.2 mL)及びアセトニトリル(28.4 mL)を加え、室温で10分間撹拌した後、10分間静置した。水層と有機層を分離し、得られた有機層にNHシリカゲル(45 g, 富士シリシア社製NH-DM1020)を加え、室温で0.5時間撹拌した。混合物を濾過し、NHシリカゲルを酢酸エチル(189 mL)で洗浄した。得られた濾液の溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン:酢酸エチル=30:1→0:1)精製した。次に、NHシリカゲルを用いて、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘプタン:酢酸エチル=10:1)精製をすることにより、化合物(IA) (17.0 g, 2工程トータル収率62%)を得た
ESI-MS m/z: 671 (M+H)+; 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 0.89 (t, J= 6.8 Hz, 6H), 1.22-1.42 (m, 28H), 1.55-1.68 (m, 4H), 2.05 (q, J = 6.8 Hz, 8H), 2.14-2.26 (m, 2H), 2.27-2.39 (m, 9H), 2.67 (dd, J = 9.2, 7.2 Hz, 2H), 2.77 (t, J = 5.9 Hz, 4H), 3.97-4.14 (m, 4H), 5.26-5.46 (m, 8H).
(9Z,9'Z,12Z,12'Z)-((3RS,4RS)-1-メチルピロリジン-3,4-ジイル)ビス(メチレン) ビス(オクタデカ-9,12-ジエノアート) (化合物(IA))の製造
窒素雰囲気下、実施例1の工程2に準じて得られる化合物MPM(12.0 g, 82.6 mmol)、ピリジン(33.4 mL, 413 mmol)及び(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸クロリド(55.8 mL, 174 mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応混合物に水(120 mL)及びn-ヘプタン(120 mL)を加え、室温で10分間撹拌した後、10分間静置した。水層と有機層を分離した後、得られた有機層の溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、NHシリカゲルを用いて、シリカゲルクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=100:1→3:7)精製した。得られた生成物にn-ヘプタン(290 mL)及び活性炭(870 mg)を加え、40℃で0.5時間撹拌した後、混合物を濾過し、n-ヘプタン(100 mL)で洗浄した。得られた濾液の溶媒を減圧留去し、化合物(IA)(27.8 g, 収率52.8%)を得た。
本発明により、ピロリジン化合物又はその塩の工業的な大量合成を志向した効率的な製造方法等が提供される。

Claims (13)

  1. 式(II)で表される化合物又はその塩を、塩基の存在下、式(III)で表される化合物と反応させることを特徴とする、式(I):
    (式中、R1はC1-6アルキルを表し、R2はC12-24アルキル又はC12-24アルケニルを表し、Xはヒドロキシ又は塩素原子を表す)で表されるピロリジン化合物又はその塩の製造方法。
  2. R1がメチルである請求項1に記載の製造方法。
  3. R2がC12-24アルケニルである請求項1 又は2に記載の製造方法。
  4. R2がヘプタデカジエニルである請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. R2が(8Z,11Z)-ヘプタデカ-8,11-ジエニルである請求項1 又は2に記載の製造方法。
  6. Xがヒドロキシである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. Xが塩素原子である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  8. 塩基がN-メチルイミダゾールである請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 式(II)で表される化合物又はその塩が、式(IV):
    (式中、R1はC1-6アルキルを表し、R3はC1-6アルキルを表す)で表される化合物又はその塩を還元剤で処理させることにより得られる請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. R3がエチルである請求項9記載の製造方法。
  11. 還元剤が水素化アルミニウムリチウムである請求項9 又は10記載の製造方法。
  12. 式(IV)で表される化合物又はその塩が、式(V)で表される化合物及び式(VI):
    (式中、R1及びR3はそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を反応させることにより得られる請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 式(I)で表されるピロリジン化合物が、式(IA):
    で表されるピロリジン化合物である請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法。
JP2016206192A 2016-10-20 2016-10-20 ピロリジン化合物の製造方法 Pending JP2020011901A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016206192A JP2020011901A (ja) 2016-10-20 2016-10-20 ピロリジン化合物の製造方法
PCT/JP2017/037921 WO2018074566A1 (ja) 2016-10-20 2017-10-20 ピロリジン化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016206192A JP2020011901A (ja) 2016-10-20 2016-10-20 ピロリジン化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020011901A true JP2020011901A (ja) 2020-01-23

Family

ID=62019532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016206192A Pending JP2020011901A (ja) 2016-10-20 2016-10-20 ピロリジン化合物の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2020011901A (ja)
WO (1) WO2018074566A1 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4104870A1 (de) * 1991-02-17 1992-08-27 Bayer Ag Verwendung von 3,(4)-substituierten pyrrolidinen als katalysatoren fuer das polyisocyanatpolyadditionsverfahren, verfahren zu ihrer herstellung sowie verfahren zur herstellung von polyurethan(harnstoff)en
WO2011074658A1 (ja) * 2009-12-18 2011-06-23 田辺三菱製薬株式会社 新規抗血小板薬
CA2858694A1 (en) * 2011-12-12 2013-06-20 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Lipid nano particles comprising combination of cationic lipids
JP6010970B2 (ja) * 2012-03-29 2016-10-19 東洋インキScホールディングス株式会社 硬化性樹脂組成物およびそれを用いてなる塗料および樹脂被覆金属板
JP2014122339A (ja) * 2012-11-26 2014-07-03 Hitachi Chemical Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、積層板、プリント配線板、及び実装基板、並びに熱硬化性樹脂組成物の製造方法
AU2014281511A1 (en) * 2013-06-19 2015-12-03 Seragon Pharmaceuticals, Inc. Estrogen receptor modulator and uses thereof
SG11201602256UA (en) * 2013-09-24 2016-04-28 Meiji Seika Pharma Co Ltd Production method for diazabicyclooctane derivative and intermediary body thereof
WO2015146861A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 ユニマテック株式会社 ポリフルオロアルキルポリマー、表面改質剤、撥水撥油層形成材料、防汚層形成材料及び離型層形成材料

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018074566A1 (ja) 2018-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2307393B1 (en) A process for the preparation of the apoptosis promoter abt-263
EP2346850B1 (en) Method for the preparation of dabigatran and its intermediates
EP3256444B1 (en) Process and intermediates for the preparation of nep inhibitors
EP2773611B1 (en) Method for producing optically active -hydroxy- -aminocarboxylic acid ester
JP2018058895A (ja) (2s,5r)−7−オキソ−6−スルホオキシ−2−[((3r)−ピロリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン
EP3421463A1 (en) New toxin and method for preparing intermediate thereof
JPWO2007099843A1 (ja) α,β−不飽和シクロヘキサノン誘導体及びその製造方法、並びにその中間体の製造方法
JP2020011901A (ja) ピロリジン化合物の製造方法
EP3074397B1 (en) A process for preparation of (2s, 5r)-7-oxo-n-[(2s)-pyrrolidin-2-yl-methyloxy]-6-(sulfooxy)-1,6-diazabicyclo[3.2.1]octane-2-carboxamide
US7268228B2 (en) Optically active aziridine-2-carboxylate derivatives and a process for preparing them
JP7515510B2 (ja) (3r,4r)-1-ベンジル-n,4-ジメチルピペリジン-3-アミンまたはその塩の製造方法、およびそれを使用したトファシチニブの製造方法
WO2018074568A1 (ja) 脂肪族3級アミン化合物の製造方法
KR100305152B1 (ko) C-치환디에틸렌트리아민의제조방법
JP2012240959A (ja) 光学活性β−アミノチオールまたは光学活性β−アミノスルホン酸誘導体の合成法
JP5485142B2 (ja) 鏡像異性体に富化したn−カルボン酸無水物の調製方法
US20090281332A1 (en) Process for producing ester or alcohol
EP0565969A1 (de) Tricyclische Lactole, ihre Verwendung als Racematspaltungsmittel und Verfahren zu ihrer Herstellung
JP2015136665A (ja) 新規ビスイミダゾリン触媒およびこれを用いる水中での光学活性プロパルギルアミンの製造方法
Avestro et al. Formation of a hetero [3] rotaxane by a dynamic component-swapping strategy
JP2014185091A (ja) 3−アミン−4−ピペリドン誘導体の製造方法
JP2014129345A (ja) 1−ピペリジルインダゾール誘導体の製造方法及びその中間体
JP2009046392A (ja) トリアザスマネン類、及び、その製造方法