JP2020011596A - 飲酒運転防止装置、及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】飲酒運転及び車両の乗り逃げを防止しつつ、利用者が原動機を始動させる際の利便性を向上させることが可能な飲酒運転防止装置、及びその制御方法を提供する。【解決手段】本発明の一つの実施形態に係る飲酒運転防止装置は、車両に搭載されたアルコールセンサを用いた運転者によるアルコール検査の実施状況を判定する飲酒判定部と、運転者が車両の運転席に着座していることを示す着座信号が車両の着座センサから出力されていない状態で車両の原動機の始動操作が行われた場合には、原動機の始動後に車両のドアが解錠されると原動機を停止させ、一方、着座信号が出力されている状態で車両の原動機の始動操作が行われた場合には、アルコール検査の状態にかかわらず原動機を始動させ、原動機の始動後に運転者の運転意思を示す車両機器の操作を検知すると、アルコール検査の状態に基づいて原動機を停止させるか否かを判定する車両機器制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、飲酒運転防止装置、及びその制御方法に関する。
近年、飲酒運転を防止するための車載用の飲酒運転防止装置が、国内外の自動車メーカー及び自動車部品メーカーによって開発されている。
例えば、特許文献1には、運転者のアルコール検査を実施するためのアルコールセンサを備え、基準値を超えるアルコールが検出された場合に運転者が車両を運転することを禁止する飲酒運転防止システムが記載されている。これにより、特許文献1に記載の飲酒運転防止システムでは、運転者が車両を運転するためには運転者がアルコール検査にパスすることが義務付けられるため、飲酒状態にある運転者による車両の運転が防止される。
また、特許文献1に記載の飲酒運転防止システムは、アルコール検査の結果にかかわらず、運転者が車内でくつろぐために空調機器等を利用することを目的としてエンジンを始動させるために操作されるアイドリングスイッチを備える。これにより、特許文献1に記載の飲酒運転防止システムでは、車両を運転する以外の目的でエンジンをアイドリングさせるためにはアルコール検査は義務付けられないため、運転者の利便性が向上する。
また、特許文献1には、飲酒運転防止システムの他の形態として、運転者が携帯するリモートエンジンスタータにアルコール検知機能を持たせることが記載されている。これにより、特許文献1では、運転者が車外から無線操作でアルコール検査及びエンジンの始動を行うことができるため、運転者の利便性が更に向上する。
特開2009−1101号公報
しかし、特許文献1に記載の飲酒運転防止システムでは、車両を運転するために操作される通常のエンジン始動スイッチに加えて、運転者が車内でくつろぐために操作されるアイドリングスイッチを新たに設ける必要があるため、部品コストが増加してしまう。特許文献1では、部品コストが増加することを避けるために、アイドリングスイッチを既存のエアコンのスイッチ等で代用することも提案されている。しかし、一つのスイッチに複数の機能を割り当てると、スイッチの操作及び状態が複雑化して、利用者が原動機を始動させる際の利便性が損なわれてしまう。
また、特許文献1に記載の飲酒運転防止システムの他の形態では、運転者が車外から無線操作でアルコール検査及びエンジンの始動を行った後は、車両が運転可能な状態となるため、第三者によって車両が乗り逃げされるおそれがある。
そこで、本発明は、飲酒運転及び車両の乗り逃げを防止しつつ、利用者が原動機を始動させる際の利便性を向上させることが可能な飲酒運転防止装置、及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一つの実施形態に係る飲酒運転防止装置は、車両に搭載されたアルコールセンサを用いた運転者によるアルコール検査の実施状況を判定するとともに、運転者がアルコール検査を実施済のときはアルコール検査において運転者について測定されたアルコール濃度に基づいて、運転者が車両を運転可能な状態である否かを判定する飲酒判定部と、運転者が車両の運転席に着座していることを示す着座信号が車両の着座センサから出力されていない状態で車両の原動機の始動操作が行われた場合には、原動機の始動後に車両のドアが解錠されると原動機を停止させ、一方、着座信号が出力されている状態で車両の原動機の始動操作が行われた場合には、アルコール検査の状態にかかわらず原動機を始動させ、原動機の始動後に運転者の運転意思を示す車両機器の操作を検知すると、アルコール検査の状態に基づいて原動機を停止させるか否かを判定する車両機器制御部と、を備える。
本発明の一つの実施形態に係る飲酒運転防止装置の制御方法は、車両に搭載されたアルコールセンサを用いた運転者によるアルコール検査の実施状況を判定するとともに、運転者がアルコール検査を実施済のときはアルコール検査において運転者について測定されたアルコール濃度に基づいて、運転者が車両を運転可能な状態である否かを判定するステップと、運転者が車両の運転席に着座していることを示す着座信号が車両の着座センサから出力されていない状態で車両の原動機の始動操作が行われた場合には、原動機の始動後に車両のドアが解錠されると原動機を停止させ、一方、着座信号が出力されている状態で車両の原動機の始動操作が行われた場合には、アルコール検査の状態にかかわらず原動機を始動させ、原動機の始動後に運転者の運転意思を示す車両機器の操作を検知すると、アルコール検査の状態に基づいて原動機を停止させるか否かを判定するステップと、を有する。
本発明によれば、飲酒運転及び車両の乗り逃げを防止しつつ、利用者が原動機を始動させる際の利便性を向上させることが可能な飲酒運転防止装置、及びその制御方法が提供される。
第1実施形態に係る飲酒運転防止装置の構成を、それを搭載する車両の構成とともに示したブロック図である。 飲酒していない運転者が原動機を始動させ、アルコール検査を実施した後に車両を運転しようとしたときの、車両及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートである。 飲酒している運転者が原動機を始動させ、アルコール検査を実施した後に車両を運転しようとしたときの、車両及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートである。 飲酒していない運転者が原動機を始動させ、アルコール検査を実施中に車両を運転しようとしたときの、車両及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートである。 飲酒している運転者が原動機を始動させ、アルコール検査を実施中に車両を運転しようとしたときの、車両及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートである。 第1実施形態に係る飲酒運転防止装置の制御方法における原動機の始動処理を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る飲酒運転防止装置の制御方法におけるシフト操作部のシフト処理を示すフローチャートである。 運転者が車外から無線操作によって原動機を始動させた後、第三者が車両を乗り逃げしようとして車両のドアを車外から不正に解錠させたときの、車両及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートである。 運転席に着座している運転者が車内の始動スイッチを操作して原動機を始動させた後、運転者が車両のドアを車内から手動で解錠させたときの、車両及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートである。 第1実施形態に係る飲酒運転防止装置の制御方法における乗り逃げ防止処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る飲酒運転防止装置の構成を、それを搭載する車両の構成とともに示したブロック図である。
本発明の飲酒運転防止装置は、運転者が車両の運転席に着座していることを示す着座信号が車両の着座センサから出力されていない状態で車両の原動機の始動操作が行われた場合には、その後車両のドアが解錠されると原動機を停止させる。これにより、運転者が車外から無線操作でエンジンの始動を行った後に、第三者が車両2を乗り逃げしようとしても、飲酒運転防止装置によって車両の原動機が停止されるため、車両の乗り逃げが防止される。
また、本発明の飲酒運転防止装置は、着座信号が車両の着座センサから出力されている状態で車両の原動機の始動操作を検知すると、アルコール検査の状態にかかわらず原動機を始動させる。その後、飲酒運転防止装置は、運転者の運転意思を示す車両機器の操作を検知すると、アルコール検査の状態に基づいて原動機を停止させるか否かを判定する。
これにより、運転者が車内でくつろぐために空調機器等を利用することを目的として原動機をアイドリングさせたいときは、運転者はアルコール検査を実施することなく、車両の原動機の始動スイッチを操作して原動機を始動させることができる。このため、利用者が原動機を始動させる際の利便性が向上する。また、飲酒している運転者が車両の運転意思を示す車両機器の操作を行うと、飲酒運転防止装置が運転者のアルコール検査の状態に基づいて、必要に応じて原動機を停止させるため、飲酒運転が防止される。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、各図において同一、又は相当する機能を有するものは、同一符号を付し、その説明を省略又は簡潔にすることもある。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る飲酒運転防止装置1の構成を、それを搭載する車両2の構成とともに示したブロック図である。車両2は、飲酒運転防止装置1、アルコールセンサ11、着座センサ12、原動機20、スタータモータ21、始動スイッチ22、始動信号受信機23、シフト操作部30、空調機器40、ドア解施錠装置60、及び解錠信号受信機61等の車両機器を備える。
飲酒運転防止装置1は、例えば、車両2のECU(Engine Control Unit)とすることができる。飲酒運転防止装置1は、制御部10を備える。制御部10は、上述の車両機器と車内LAN等を介して接続される。
制御部10は、飲酒判定部101及び車両機器制御部102を有する。制御部10は、飲酒判定部101及び車両機器制御部102が行う制御及び演算のプログラムを実行するプロセッサとすることができる。この場合、飲酒判定部101及び車両機器制御部102は、例えば、制御部10によって実行されるソフトウェアモジュール、又はファームウェアとして実現される。
或いは、制御部10は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成することもできる。この場合、飲酒判定部101及び車両機器制御部102は、FPGA又はASICに形成される論理回路として実現される。
制御部10の飲酒判定部101及び車両機器制御部102が行う制御及び演算については、この後で図2〜図10を参照しながら説明するため、ここでは簡単に説明する。
飲酒判定部101は、アルコールセンサ11を用いたアルコール検査の実施状況を判定するとともに、運転者がアルコール検査を実施済のときは、アルコール検査において運転者について測定されたアルコール濃度に基づいて、運転者が車両2を運転可能な状態である否かを判定する。そして、運転者のアルコール検査状態を、未実施、実施中、運転可、運転不可のいずれか一つと判定する。
車両機器制御部102は、運転者のアルコール検査状態に応じて、原動機20、スタータモータ21、シフト操作部30、及び空調機器40等の車両機器を制御する。
アルコールセンサ11は、運転者によって操作され、運転者の呼気中又は血液中のアルコール濃度を測定して制御部10に出力する。例えば、アルコールセンサ11は、運転席の周辺に配置され、運転者がアルコールセンサ11の吹き込み口に吹き込んだ呼気中のアルコール濃度を測定する。この場合、アルコールセンサ11は、吹き込み口に吹き込まれた呼気に対して光を照射し、呼気中のアルコール成分によって吸収された光の吸収量に基づいて運転者の呼気中のアルコール濃度を測定する。
或いは、アルコールセンサ11は、ステアリングのグリップ部に配置され、ステアリングを握る運転者の指を流れる血液中のアルコール濃度を測定してもよい。この場合、アルコールセンサ11は、運転者の指に対して光を照射し、指の血管を流れる血液中のアルコール成分によって吸収された光の吸収量に基づいて運転者の呼気中のアルコール濃度を測定する。
また、アルコールセンサ11は、運転者がアルコール検査を実施中であることを示す信号を制御部10に出力する。例えば、アルコールセンサ11は、アルコール検査を実施中の運転者によって操作されるボタンを有し、このボタンが押下されているときは、運転者がアルコール検査を実施中であることを示す信号を制御部10に出力する。
或いは、アルコールセンサ11が運転者の呼気中のアルコール濃度を測定する方式の場合には、アルコールセンサ11は、吹き込み口に吹き込まれる呼気圧が所定の基準値以上であるときに運転者がアルコール検査を実施中であることを示す信号を出力してもよい。
着座センサ12は、運転者が車両2の運転席に着座していることを検知して制御部10に着座信号を出力する。着座センサ12は、例えば、車両2の運転席に設置された圧力センサとすることができる。この場合、着座センサ12は、運転席に着座している運転者の重量による座圧が所定の閾値以上であるときに、制御部10に着座信号を出力する。
或いは、着座センサ12は、運転席に向けて照射された赤外線が運転席に着座している運転者によって遮断又は反射されたことを検知して、着座信号を制御部10に出力する赤外線センサであってもよい。また、或いは、着座センサ12は、運転者自身の体熱によって放射される赤外線の量が所定の閾値以上であるときに、着座信号を制御部10に出力する赤外線センサであってもよい。
原動機20は、車両2を走行させるためのトルクを発生するエンジンとすることができる。原動機20は、燃焼室の燃料噴射量及び点火タイミングが制御部10によって制御されて、トルク及び回転数が制御される。この際、原動機20は、原動機20に設置された回転数センサによって測定された原動機20の回転数の実測値が目標値に追随するように、制御部10によってフィードバック制御される。制御部10は、原動機20の回転数センサから出力される原動機20の回転数から、原動機20が動作しているか停止しているかを知ることができる。
スタータモータ21は、不図示のバッテリから供給される電力を利用して、原動機20の始動を補助する。
始動スイッチ22は、運転者によって操作され、原動機20を始動させるための始動信号を制御部10に出力する。始動スイッチ22から始動信号を受信した制御部10は、必要に応じてスタータモータ21を利用して、原動機20を始動させる。始動スイッチ22は、一般にはオン状態とオフ状態の二状態を有し、運転者による始動操作中はオン状態とされて始動信号を出力し、そうでないときはオフ状態とされて始動信号を出力しない。
始動スイッチ22は、例えば、車両2のイグニッションキーシリンダーにあるスタータスイッチとすることができる。運転者が車両2のイグニッションキーシリンダーにエンジンキーを差し込んで回転させてイグニッションオンとし、さらに回転させると、スタータスイッチがオンとなり、スタータスイッチは、始動信号を制御部10に出力する。或いは、始動スイッチ22は、車両2のパワースイッチとすることもできる。運転者がパワースイッチをオン操作すると、パワースイッチは、始動信号を制御部10に出力する。
始動信号受信機23は、運転者が携帯するリモートスタータから発信される無線信号を受信して、原動機20を始動させるための始動信号を制御部10に出力する。リモートスタータは、例えば、運転者が車外から無線操作によって原動機20を始動させたいときに運転者によって操作されて、無線信号を発信する。
始動信号受信機23の種類によっては、始動信号受信機23は、始動スイッチ22が制御部10に出力する始動信号と同じ始動信号を疑似的に生成して制御部10に出力することで、原動機20を始動させる。この場合、制御部10は、始動信号が、始動スイッチ22から出力されたのか、始動信号受信機23から出力されたのかを判別することができない。そこで、このような場合には、制御部10は、上述の着座センサ12から出力される着座信号に基づいて、運転者が運転席で始動スイッチ22を操作して原動機20を始動させたのか、リモートスタータによる無線操作で原動機20を始動させたのかを判別する。
シフト操作部30は、原動機20の発生するトルクを車両2の車軸に伝達するためのギヤ及びクラッチ等の変速機のレンジ状態をシフトさせるために、運転者により操作される。シフト操作部30は、例えば、車両2のシフトレバーとすることができる。運転者は、原動機20を始動した後に、シフト操作部30を走行レンジにシフトさせることで、車両2を運転することが可能となる。
例えば、車両2がAT(Automatic Transmission)車の場合、一般的なシフトレバーは、少なくともD(Drive)、R(Reverse)、N(Neutral)、及びP(Parking)のレンジ状態を有する。Dレンジ及びRレンジは、運転者が車両2をそれぞれ前方及び後方に走行させるための走行レンジである。Nレンジは、クラッチが切られて原動機20のトルクが車軸に伝達されなくなる非走行レンジである。Pレンジは、運転者が車両2を駐車させるときの非走行レンジである。一般的なAT車では、車両2が急発進しないように、シフト操作部30が非走行レンジのときにのみ原動機20の始動が許可される。シフト操作部30のレンジ状態は、制御部10に出力される。
空調機器40は、車室内の空調を行う。空調機器40のコンプレッサは、車室内を冷暖房するときに原動機20の発生するトルクを利用する。また、空調機器40が車室内を暖房するときは原動機20の排熱が利用される。このため、空調機器40を利用するためには、原動機20が動作している必要がある。
ドア解施錠装置60は、車両2のドアの解施錠を行う。ドア解施錠装置60は、運転者等によって手動で解施錠される他に、制御部10からの制御によっても解施錠される。そのために、ドア解施錠装置60は、制御部10によって電気的に制御されて車両2のドアを解施錠するためのアクチュエータを備える。ドア解施錠装置60は、車両2のドアの解施錠の状態を示す信号を制御部10に出力する。制御部10は、この信号に基づいて車両2のドアの解施錠の状態を知ることができる。
解錠信号受信機61は、運転者が携帯するリモートキーから発信される無線信号を受信して、ドア解施錠装置60を解錠させるための解錠信号を制御部10に出力する。リモートキーは、例えば、運転者が車外から無線操作によってドア解施錠装置60を解錠させたいときに運転者によって操作されて、無線信号を発信する。解錠信号受信機61から解錠信号を受信した制御部10は、ドア解施錠装置60を制御して車両2のドアを解錠する。制御部10は、ドア解施錠装置60が運転者等によって手動で解錠されたか、或いは、解錠信号受信機61を介して無線操作によって解錠されたかを、解錠信号受信機61から出力される解錠信号に基づいて判別することができる。
図2及び図3は、第1実施形態に係る飲酒運転防止装置1を搭載する車両2及びその車両機器の状態変化の一例を示すタイミングチャートである。図2には、上から順に、始動スイッチ22の状態201、原動機20の状態202、アルコール検査の状態203、シフト操作部30の状態204、車両2の運転許可の状態205が示されている。また、図3には、上から順に、始動スイッチ22の状態301、原動機20の状態302、アルコール検査の状態303、シフト操作部30の状態304、車両2の運転許可の状態305が示されている。図2及び図3の横軸は、時間を示している。
図2は、飲酒していない運転者が原動機20を始動させ、アルコール検査を実施した後に車両2を運転しようとしたときの、車両2及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートを示している。時刻t1において、始動スイッチ22が運転者によってオン操作されると、車両機器制御部102は、運転者のアルコール検査状態にかかわらず原動機20を始動させる。
時刻t2において、運転者が、アルコールセンサ11を用いてアルコール検査の実施を開始し、時刻t3において、アルコール検査を終了する。すると、飲酒判定部101は、運転者がアルコール検査を終了した時刻t3において、アルコールセンサ11から出力される運転者のアルコール濃度の測定値の大きさに基づいて運転者の飲酒判定を行う。図2の場合、飲酒していない運転者のアルコール濃度の測定値は、運転者が車両2を運転することが可能であるアルコール濃度の上限値である所定の基準値未満となり、飲酒判定部101は、運転者のアルコール検査状態を運転可と判定する。この結果、車両機器制御部102は、運転者が車両2を運転することを許可する。
この際、車両機器制御部102は、車両2の運転が許可されたことを、車両2のインストルメントパネル又はカーナビゲーションのディスプレイに表示して運転者に通知してもよい。
その後、時刻t4において、運転者は、シフト操作部30を操作して、例えばシフトレバーの状態を非走行レンジから走行レンジにシフトさせて車両2を運転する。
一方、図3は、飲酒している運転者が原動機20を始動させ、アルコール検査を実施した後に車両2を運転しようとしたときの、車両2及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートを示している。時刻t2までの動作は図2と同じであるため説明は省略する。
時刻t3において、運転者は、アルコール検査を終了する。図3の場合、飲酒している運転者のアルコール濃度の測定値は、所定の基準値以上となり、飲酒判定部101は、運転者のアルコール検査状態を運転不可と判定する。この結果、車両機器制御部102は、運転者が車両2を運転することを禁止する。
この際、車両機器制御部102は、車両2の運転が禁止されたことを、車両2のインストルメントパネル又はカーナビゲーションのディスプレイに表示して運転者に通知してもよい。
その後、時刻t4において、運転者がシフト操作部30を操作して、例えばシフトレバーの状態を非走行レンジから走行レンジにシフトさせて、車両2の運転意思を示す。車両機器制御部102は、運転者の運転意思を示す車両機器の操作を検知すると、原動機20を停止させて運転者が車両2を運転できないようにする。
図4及び図5は、第1実施形態に係る飲酒運転防止装置1を搭載する車両2及びその車両機器の状態変化の他の一例を示すタイミングチャートである。図4には、上から順に、始動スイッチ22の状態401、原動機20の状態402、アルコール検査の状態403、シフト操作部30の状態404、車両2の運転許可の状態405が示されている。また、図5には、上から順に、始動スイッチ22の状態501、原動機20の状態502、アルコール検査の状態503、シフト操作部30の状態504、車両2の運転許可の状態505が示されている。図4及び図5の横軸は、時間を示している。
図4は、飲酒していない運転者が原動機20を始動させ、アルコール検査を実施中に車両2を運転しようとしたときの、車両2及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートを示している。時刻t2までの動作は図2と同じであるため説明は省略する。
時刻t3において、運転者は、アルコール検査を実施中にシフト操作部30を操作し、シフト操作部30の状態を非走行レンジから走行レンジにシフトさせて車両2を運転しようとする。すると、車両機器制御部102は、運転者のアルコール検査が終了するまでは、原動機20を動作させたまま、原動機20のトルクが車軸に伝達されないように、又は原動機20がトルクを発生しないようにする。
時刻t4において、運転者が、アルコール検査を終了する。図4の場合、飲酒していない運転者のアルコール濃度の測定値は、所定の基準値未満となり、飲酒判定部101は、運転者のアルコール検査状態を運転可と判定する。この結果、車両機器制御部102は、運転者が車両2を運転することを許可して、原動機20からのトルクが車軸に伝達されるように、又は原動機20がトルクを発生するようにする。
この際、シフト操作部30の状態が走行レンジになっていると、車両2が急発進するおそれがある。このため、車両機器制御部102は、シフト操作部30の物理的な状態を、原動機20のトルクが車軸に伝達されないNレンジに強制的にシフトさせてもよい。その後、運転者は車両2を運転する。
このように、運転者のアルコール検査が終了するまでは、原動機20を動作させたままとすることで、飲酒状態にない運転者は、その後車両2を運転するために原動機20を再始動させる手間がなくなるため、運転者の利便性が向上する。また、原動機20が停止されたり始動されたりする回数が減少するため、スタータモータ21、原動機20、及びスタータモータ21の電力供給元であるバッテリが長寿命化する。
なお、時刻t3において、車両機器制御部102は、原動機20のトルクを遮断等する代わりに、シフト操作部30のシフト操作を物理的にロックして、シフトレバーの走行レンジへのシフトを禁止してもよい。この場合でも同様の効果が得られる。そのために、例えば、一般的な車両2のシフトレバーが有するシフトロック機能が利用される。この場合、車両機器制御部102は、車両2の運転を許可した後に、シフト操作部30のシフト操作をアンロックして、シフトレバーの走行レンジへのシフトを許可する。
一方、図5は、飲酒している運転者が原動機20を始動させ、アルコール検査を実施中に車両2を運転しようとしたときの、車両2及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートを示している。時刻t2までの動作は図2と同じであるため説明は省略する。
時刻t3において、運転者は、アルコール検査を実施中にシフト操作部30を操作し、シフト操作部30の状態を非走行レンジから走行レンジにシフトさせて車両2を運転しようとする。すると、車両機器制御部102は、運転者のアルコール検査が終了するまでは、原動機20を動作させたまま、原動機20のトルクが車軸に伝達されないように、又は原動機20がトルクを発生しないようにする。
時刻t4において、運転者が、アルコール検査を終了する。図5の場合、飲酒している運転者のアルコール濃度の測定値は、所定の基準値以上となり、飲酒判定部101は、運転者のアルコール検査状態を運転不可と判定する。この結果、車両機器制御部102は、運転者が車両2を運転することを禁止し、原動機20を停止させて、運転者が車両2を運転できないようにする。
図6は、第1実施形態に係る飲酒運転防止装置1の制御方法における原動機20の始動処理を示すフローチャートである。図6を参照しながら、図2〜図5に示したタイミングチャート上の時刻t1における原動機20の始動処理について詳しく説明する。図2〜図5と重複する内容については説明を省略することもある。
飲酒判定部101は、運転者がアルコールセンサ11を用いてアルコール検査を実施中か否かを判定する(ステップS601)。飲酒判定部101は、運転者がアルコール検査を実施中のときは(ステップS601:Yes)、運転者がアルコール検査を終了するまで待機する。
次に、飲酒判定部101は、運転者がアルコール検査を実施済であるか否かを判定する(ステップS602)。
運転者がアルコール検査を未実施のとき(ステップS602:No)、車両機器制御部102は、シフト操作部30の状態が走行レンジであるか否かを判定する(ステップS603)。シフト操作部30が走行レンジのとき(ステップS603:Yes)、車両機器制御部102は、車両2が急発進しないように、原動機20を停止させたまま、原動機20の始動処理を終了する。
運転者がアルコール検査を実施済のとき(ステップS602:Yes)、飲酒判定部101は、アルコールセンサ11から出力される運転者のアルコール濃度の測定値に基づいて、運転者のアルコール検査状態が運転可か否かを判定する(ステップS604)。
運転者のアルコール検査状態が運転不可のとき(ステップS604:No)、車両機器制御部102は、運転者が車両2を運転することを禁止し(ステップS605)、原動機20を停止させたまま、原動機20の始動処理を終了する。
一方、運転者のアルコール検査状態が運転可のとき(ステップS604:Yes)、車両機器制御部102は、運転者が車両2を運転することを許可する(ステップS606)。
車両2の運転が許可されたとき、又は、運転者がアルコール検査を未実施でシフト操作部30が非走行レンジのとき(ステップS603:No)、車両機器制御部102は、原動機20の始動操作が行われたか否かを判定する(ステップS607)。車両機器制御部102は、原動機20の始動操作が行われるまで、ステップS607を繰り返す。原動機20の始動操作が行われると(ステップS607:Yes)、車両機器制御部102は、原動機20を始動させて(ステップS608)、原動機20の始動処理を終了する。
図7は、第1実施形態に係る飲酒運転防止装置1の制御方法におけるシフト操作部30のシフト処理を示すフローチャートである。図7を参照しながら、図2〜図3に示したタイミングチャート上の時刻t4(又は図4〜図5に示したタイミングチャート上の時刻t3)におけるシフト操作部30のシフト処理について詳しく説明する。図2〜図5と重複する内容については説明を省略することもある。
まず、先の図6に示したフローチャートに従って、車両2の原動機20が始動される(ステップS701)。
その後、車両機器制御部102は、運転者の運転意思を示す車両機器の操作、例えば、シフトレバーの操作、が検知されたか否かを判定する(ステップS702)。車両機器制御部102は、運転者の運転意思を示す車両機器の操作が検知されるまで、ステップS702を繰り返す。
運転者の運転意思を示す車両機器の操作が検知されると(ステップS702:Yes)、飲酒判定部101は、運転者がアルコールセンサ11を用いてアルコール検査を実施中か否かを判定する(ステップS703)。
運転者がアルコール検査を実施中のとき(ステップS703:Yes)、車両機器制御部102は、シフト操作部30の状態が走行レンジであるか否かを判定する(ステップS704)。シフト操作部30が走行レンジであるとき(ステップS704:Yes)、車両機器制御部102は、原動機20を動作させたまま、原動機20のトルクが車軸に伝達されないように、又は原動機20がトルクを発生しないようにする(ステップS705)。車両機器制御部102は、運転者のアルコール検査が終了するまで、ステップS703〜ステップS705を繰り返す。
次に、飲酒判定部101は、運転者がアルコール検査を実施済であるか否かを判定する(ステップS706)。
運転者がアルコール検査を実施済のとき(ステップS706:Yes)、飲酒判定部101は、アルコールセンサ11から出力される運転者のアルコール濃度の測定値に基づいて、運転者のアルコール検査状態が運転可か運転不可かを判定する(ステップS707)。
運転者のアルコール検査状態が運転可のとき(ステップS707:Yes)、車両機器制御部102は、運転者が車両2を運転することを許可し(ステップS708)、シフト操作部30のシフト操作処理を終了する。
一方、運転者のアルコール検査状態が運転不可のとき(ステップS707:No)、又は、運転者がアルコール検査を未実施のとき(ステップS706:No)、車両機器制御部102は、運転者が車両2を運転することを禁止する(ステップS709)。そして、車両機器制御部102は、原動機20を停止させて(ステップS710)、シフト操作部30のシフト操作処理を終了する。これにより、飲酒状態にある運転者による車両2の運転が防止される。
図8及び図9は、第1実施形態に係る飲酒運転防止装置1の制御方法における乗り逃げ防止処理の一例を示すタイミングチャートである。図8には、上から順に、始動信号受信機23から出力される始動信号の状態801、原動機20の状態802、着座センサ12から出力される着座信号の状態803、ドア解施錠装置60の状態804、車両2の運転許可の状態805が示されている。また、図9には、上から順に、始動スイッチ22から出力される始動信号の状態901、原動機20の状態902、着座センサ12から出力される着座信号の状態903、ドア解施錠装置60の状態904、車両2の運転許可の状態905が示されている。図8及び図9の横軸は、時間を示している。
図8は、運転者が車外から無線操作によって原動機20を始動させた後、第三者が車両2を乗り逃げしようとして車両2のドアを車外から不正に解錠させたときの、車両2及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートを示している。
時刻t1において、運転者が携帯するリモートスタータをオン操作すると、始動信号受信機23は、リモートスタータから発信される無線信号を受信して、始動信号を制御部10に出力する。始動信号を受信した制御部10の車両機器制御部102は、原動機20を始動させる。このとき、運転者は、車両2の運転席に着座していないため、着座センサ12は、着座信号を出力していない。運転者は、その後車外の車両2から離れた場所で、例えば空調機器40によって車室内が空調されて快適な空間になるのを待つ。
時刻t2において、第三者が車両2を乗り逃げしようとして車両2のドアを車外から不正に解錠させる。すると、車両機器制御部102は、このように(時刻t1において)着座信号が出力されていない状態で車両2の原動機20の始動操作が行われた後で、(時刻t2において)車両2のドアが解錠された場合には、原動機20を停止させる。これにより、第三者によって車両2が乗り逃げされることが防止される。
なお、時刻t2において、解錠信号受信機61から解錠信号を受信して車両2のドアを解錠した場合は、運転者自身が携帯するリモートキーを操作して車両2のドアを解錠したことが明らかであるため、車両機器制御部102は、原動機20を停止させない。これにより、運転者は、車両2を運転するために原動機20を再始動させる手間がなくなるため、車両2の乗り逃げを防止しつつ、利用者が原動機20を始動させる際の利便性が向上する。
一方、図9は、運転席に着座している運転者が車内の始動スイッチ22を操作して原動機20を始動させた後、運転者が車両2のドアを車内から手動で解錠させたときの、車両2及びその車両機器の状態変化のタイミングチャートを示している。
時刻t1において、運転席に着座している運転者が、始動スイッチ22をオン操作すると、始動スイッチ22は、始動信号を制御部10に出力する。始動信号を受信した制御部10の車両機器制御部102は、原動機20を始動させる。このとき、運転者は、車両2の運転席に着座しているため、着座センサ12は、着座信号を出力している。
時刻t2において、運転席に着座している運転者は、車両2のドアを車内から手動で解錠させる。すると、車両機器制御部102は、このように(時刻t1において)着座信号が出力されている状態で車両2の原動機20の始動操作が行われた後で、(時刻t2において)車両2のドアが解錠された場合には、上述の図7に示した処理を行う。これにより、運転手の飲酒運転を防止しつつ、利用者が原動機20を始動させる際の利便性が向上する。
図10は、第1実施形態に係る飲酒運転防止装置1の制御方法における乗り逃げ防止処理を示すフローチャートである。図10を参照しながら、乗り逃げ防止処理について詳しく説明する。この乗り逃げ防止処理は、図7に示したシフト操作部30のシフト処理と並行して又は前後して実行されることができる。図7〜図9と重複する内容については説明を省略することもある。
まず、先の図6に示したフローチャートに従って、車両2の原動機20が始動される(ステップS1001)。原動機20が始動されたとき、車両機器制御部102は、着座センサ12から着座信号が出力されていたか否かを判定する(ステップS1002)。
着座信号ありで原動機20が始動された場合(ステップS1002:Yes)、車両機器制御部102は、運転者が運転席に着座していると判断する。この場合、乗り逃げのおそれはないため、車両機器制御部102は、乗り逃げ防止処理を終了する。
一方、着座信号なしで原動機20が始動された場合(ステップS1002:No)。車両機器制御部102は、その後車両2のドアが解錠されたか否かを判定する(ステップS1003)。車両機器制御部102は、車両2のドアが解錠されるまで、ステップS1003を繰り返す。車両2のドアが解錠されると(ステップS1003:Yes)、車両機器制御部102は、車両2のドアが、車外から無線操作によって解錠されたか否かを判定する(ステップS1004)。
車両2のドアが、車外から無線操作によって解錠された場合(ステップS1004:Yes)、運転者自身が携帯するリモートキーを操作して車両2のドアを解錠したことが明らかであるため、車両機器制御部102は、乗り逃げ防止処理を終了する。
一方、車両2のドアが、手動によって解錠された場合(ステップS1004:No)、車両機器制御部102は、第三者が車両2のドアを車外から不正に解錠させたおそれがあると判断する。この場合、乗り逃げのおそれがあるため、車両機器制御部102は、車両2の運転を禁止し(ステップS1005)、原動機20を停止して(ステップS1006)、乗り逃げ防止処理を終了する。
以上のように、本実施形態の飲酒運転防止装置は、運転者が車両の運転席に着座していることを示す着座信号が車両の着座センサから出力されていない状態で車両の原動機の始動操作が行われた場合には、その後車両のドアが解錠されると原動機を停止させる。これにより、運転者が車外から無線操作でエンジンの始動を行った後に、第三者が車両2を乗り逃げしようとしても、飲酒運転防止装置によって車両の原動機が停止されるため、車両の乗り逃げが防止される。
また、本実施形態の飲酒運転防止装置は、着座信号が出力されていない状態で原動機が始動された後に、車両のドアを解錠させるための無線信号がリモートキーから発信されたことを車両の解錠信号受信機から受信したときは、原動機を停止させない。これにより、運転者は、車両を運転するために原動機を再始動させる手間がなくなるため、運転者の利便性が向上する。また、原動機が停止されたり始動されたりする回数が減少するため、スタータモータ、原動機、及びスタータモータの電力供給元であるバッテリが長寿命化する。
また、本実施形態の飲酒運転防止装置は、着座信号が車両の着座センサから出力されている状態で車両の原動機の始動操作を検知すると、アルコール検査の状態にかかわらず原動機を始動させる。その後、飲酒運転防止装置は、運転者の運転意思を示す車両機器の操作を検知すると、アルコール検査の状態に基づいて原動機を停止させるか否かを判定する。
これにより、運転者が車内でくつろぐために空調機器等を利用することを目的として原動機をアイドリングさせたいときは、運転者はアルコール検査を実施することなく、車両の原動機の始動スイッチを操作して原動機を始動させることができる。このため、利用者が原動機を始動させる際の利便性が向上する。また、飲酒している運転者が車両の運転意思を示す車両機器の操作を行うと、飲酒運転防止装置が運転者のアルコール検査の状態に基づいて、必要に応じて原動機を停止させるため、飲酒運転が防止される。
[第2実施形態]
図11は、第2実施形態に係る飲酒運転防止装置1の構成を、それを搭載する車両2bの構成とともに示したブロック図である。本実施形態の飲酒運転防止装置1は、原動機20bがモータである点が第1実施形態と異なる。その他については第1実施形態と同じであるため、第1実施形態と異なる点について説明する。
車両2bは、飲酒運転防止装置1、アルコールセンサ11、着座センサ12、原動機20b、始動スイッチ22、始動信号受信機23、シフト操作部30、空調機器40、バッテリ50、電力供給スイッチ51、ドア解施錠装置60、及び解錠信号受信機61等の車両機器を備える。
原動機20bは、車両2bを走行させるためのトルクを発生するモータである。原動機20bは、モータコイルに駆動電流を流すためのインバータのスイッチング素子が制御部10によって制御されて、トルク及び回転数が制御される。この際、原動機20bは、原動機20bに設置された電流センサ及び回転数センサによって測定された原動機20bのトルク及び回転数の実測値が目標値に追随するように、制御部10によってフィードバック制御される。制御部10は、原動機20bの回転数センサから出力される原動機20bの回転数から、原動機20bが動作しているか停止しているかを知ることができる。
始動スイッチ22は、車両2bのパワースイッチとすることができる。運転者がパワースイッチをオン操作すると、パワースイッチは、始動信号を制御部10に出力する。始動スイッチ22から始動信号を受信した制御部10は、後述の電力供給スイッチ51をオン状態にする。この結果、原動機20bが始動可能となるとともに、空調機器40が利用可能となる。
シフト操作部30は、制御部10によって制御される原動機20bのトルク及び回転数のレンジ状態をシフトさせるために、運転者により操作される。運転者は、原動機20bを始動した後に、シフト操作部30を走行レンジにシフトさせることで、車両2bを運転することが可能となる。
但し、原動機20bがモータである場合のシフト操作部30のNレンジは、原動機20がエンジンである場合とは異なり、モータコイルに流される駆動電流を生成するインバータのスイッチング制御が停止されることで、原動機20bが駆動されないようにされる。シフト操作部30のレンジ状態は、制御部10に出力される。
バッテリ50は、原動機20bを駆動させるための電力を供給するとともに、空調機器40が車室内の空調を行うための電力を供給する。
電力供給スイッチ51は、バッテリ50と原動機20b及び空調機器40とを接続する電力線上に設けられ、制御部10によって制御され、バッテリ50から原動機20b及び空調機器40への電力供給のオン及びオフを切り替える。電力供給スイッチ51が制御部10によってオン状態にされると、原動機20bが始動可能となるとともに、空調機器40が利用可能となる。
このように、原動機20bがモータである構成によっても、第1実施形態の原動機20がエンジンである構成と同様の効果が得られる。すなわち、運転者は、車両2bの空調機器40を利用したいときは、アルコール検査を実施することなく、始動スイッチ22を操作して電力供給スイッチ51をオン状態にし、原動機20b及び空調機器40を利用可能な状態にすることができる。このため、利用者が原動機20bを始動させる際の利便性が向上する。また、飲酒している運転者が車両2bの運転意思を示す車両機器の操作を行うと、飲酒運転防止装置1が運転者のアルコール検査の状態に基づいて、必要に応じて原動機20bを停止させるため、飲酒運転が防止される。
上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
例えば、他の変形例によれば、運転者の運転意思を示す車両機器の操作は、運転者によるシフトレバーの操作に限定されない。運転者の運転意思を示す車両機器の操作は、例えば、運転者が車両2のステアリングを所定の角度以上回転させる操作、又は運転者が車両2のアクセルペダルに足を置く操作であってもよい。運転者が車両2のステアリングを所定の角度以上回転させたか否かは、車両2のステアリング回転軸に設けられた角度センサの出力値に基づいて判定される。また、運転者が車両2のアクセルペダルに足を置いたか否かは、アクセルペダルの踏み込み量を測定するセンサの出力値、又はアクセルペダルの踏み込み量と連動して開閉動作するエンジンのスロットル開度に基づいて判定される。これにより、運転者の運転意思を様々な方法で検知して、飲酒運転を防止することができる。
1 飲酒運転防止装置
2、2b 車両
10 制御部
11 アルコールセンサ
12 着座センサ
20、20b 原動機
21 スタータモータ
22 始動スイッチ
23 始動信号受信機
30 シフト操作部(シフトレバー)
40 空調機器
50 バッテリ
51 電力供給スイッチ
60 ドア解施錠装置
61 解錠信号受信機
101 飲酒判定部
102 車両機器制御部

Claims (5)

  1. 車両に搭載されたアルコールセンサを用いた運転者によるアルコール検査の実施状況を判定するとともに、前記運転者が前記アルコール検査を実施済のときは前記アルコール検査において前記運転者について測定されたアルコール濃度に基づいて、前記運転者が前記車両を運転可能な状態である否かを判定する飲酒判定部と、
    前記運転者が前記車両の運転席に着座していることを示す着座信号が前記車両の着座センサから出力されていない状態で前記車両の原動機の始動操作が行われた場合には、前記原動機の始動後に前記車両のドアが解錠されると前記原動機を停止させ、一方、前記着座信号が出力されている状態で前記車両の前記原動機の始動操作が行われた場合には、前記アルコール検査の状態にかかわらず前記原動機を始動させ、前記原動機の始動後に前記運転者の運転意思を示す車両機器の操作を検知すると、前記アルコール検査の状態に基づいて前記原動機を停止させるか否かを判定する車両機器制御部と、
    を備える飲酒運転防止装置。
  2. 前記車両機器制御部は、前記着座信号が出力されていない状態で前記原動機が始動された後に、前記車両のドアを解錠させるための無線信号がリモートキーから発信されたことを前記車両の解錠信号受信機から受信したときは、前記原動機を停止させない、
    請求項1に記載の飲酒運転防止装置。
  3. 前記車両機器制御部は、前記原動機の始動後に前記運転者の運転意思を示すシフトレバーの操作を検知すると、前記アルコール検査の状態に基づいて前記原動機を停止させる、
    請求項1又は2に記載の飲酒運転防止装置。
  4. 前記飲酒判定部は、前記アルコール検査の状態を、未実施、実施中、運転可、運転不可のうちのいずれか一つと判定し、
    前記車両機器制御部は、前記原動機の始動後に前記シフトレバーの操作を検知すると、前記アルコール検査の状態が未実施又は運転不可のときに、前記原動機を停止させる、
    請求項3に記載の飲酒運転防止装置。
  5. 車両に搭載されたアルコールセンサを用いた運転者によるアルコール検査の実施状況を判定するとともに、前記運転者が前記アルコール検査を実施済のときは前記アルコール検査において前記運転者について測定されたアルコール濃度に基づいて、前記運転者が前記車両を運転可能な状態である否かを判定するステップと、
    前記運転者が前記車両の運転席に着座していることを示す着座信号が前記車両の着座センサから出力されていない状態で前記車両の原動機の始動操作が行われた場合には、前記原動機の始動後に前記車両のドアが解錠されると前記原動機を停止させ、一方、前記着座信号が出力されている状態で前記車両の前記原動機の始動操作が行われた場合には、前記アルコール検査の状態にかかわらず前記原動機を始動させ、前記原動機の始動後に前記運転者の運転意思を示す車両機器の操作を検知すると、前記アルコール検査の状態に基づいて前記原動機を停止させるか否かを判定するステップと、
    を有する飲酒運転防止装置の制御方法。
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