JP2020011471A - ガラスフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】擦過による擦過痕だけでなく、接触あるいは落下による衝撃から電子機器の画像表示部を保護すると共に良好な透視性を備えるガラスフィルムを提供することを目的とする。【解決手段】ガラスフィルムAは、画像表示部Dに貼付した際の表面側から、表剥離シート1、基層の一例である強化ガラス層2、第1の粘着層30、TPU層31、第2の粘着層32、PET層33、第3の粘着層34、接着層4、裏剥離シート5の9つの層から成る。【選択図】図1
Description
本発明はガラスフィルムに関する。詳しくは、周辺物との接触による擦過痕だけでなく、接触あるいは落下による衝撃から電子機器の画像表示部を保護すると共に良好な透視性を備えるガラスフィルムに係るものである。
液晶画面等の画像表示部を有する電子機器端末は広く流通しており、主に可搬式の電子機器端末は、室内に限らず屋外など様々な場面で使用することが可能である。このため、電子機器端末の画像表示部に周辺物が接触することで画像表示部に擦過痕が生じる、あるいは画像表示部への落下物などの衝撃により画像表示部が破損することがある。
これを防ぐため、耐衝撃性を備えた画像表示部の保護用のシート材が既に商品化されている。このシート材を用いる事で、画像表示部の擦過痕、あるいは衝撃による破損を抑止している。
例えば、特許文献1に示すように、強化ガラスフィルムに接着層を介して積層されたPET層と、PET層を携帯用電子機器の表面に貼り付ける粘着層と備える「強化ガラスを用いた携帯用電子機器の保護フィルム」が考案されている。この保護フィルムは、強化ガラスフィルムを用いたこと、及びその角部を削って切削部を設けることで、電子機器端末が落下した際、その角部が受ける衝撃により強化ガラスフィルムが破損することを防ぐものである。
また、特許文献2に示すように、樹脂フィルム層を介在して積層された少なくとも2層の衝撃吸収層を設けた「衝撃吸収フィルム」が考案されている。この衝撃吸収フィルムに設けられた第1衝撃吸収層及び第2衝撃吸収層はゲル状エラストマーからなることにより、フィルムの面に落下物による衝撃が加わった場合には、衝撃を吸収することができる構造になっている。
しかし、特許文献1の発明は、角部に衝撃が加わった場合に衝撃を吸収しやすい構造となっているが、ガラスフィルムの面全体への衝撃を吸収する構造とはなっていない。このため、例えば、角部ではなくガラスフィルムの面に落下物による衝撃が加わった場合には破損するおそれがある。
また、特許文献2の発明は、表面フィルム層の下に設けられた衝撃吸収層はゲル状エラストマーを素材としていることから衝撃吸収性には優れると考えられるが、良好な透視性が保たれないおそれがある。
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであり、詳しくは、擦過による擦過痕だけでなく、接触あるいは落下による衝撃から電子機器の画像表示部を保護すると共に良好な透視性を備えるガラスフィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のガラスフィルムは、透視性、透光性を有するガラス素材からなる基層と、
該基層の一方の面と対向して設けられると共に、光学用粘着剤から成る第1の粘着層を介して同基層に積層される、熱可塑性ポリウレタン素材から成るTPU層と、
該TPU層の前記基層と対向する面と反対側の面に対向して設けられると共に、光学用粘着剤から成る第2の粘着層を介して同TPU層に積層される、PET素材から成るPET層と、
該PET層の前記TPU層と対向する面と反対側の面に対向して設けられると共に、光学用粘着剤から成る第3の粘着層を介して同PET層に積層される、電子機器の表示部に接着する接着層とを備える。
該基層の一方の面と対向して設けられると共に、光学用粘着剤から成る第1の粘着層を介して同基層に積層される、熱可塑性ポリウレタン素材から成るTPU層と、
該TPU層の前記基層と対向する面と反対側の面に対向して設けられると共に、光学用粘着剤から成る第2の粘着層を介して同TPU層に積層される、PET素材から成るPET層と、
該PET層の前記TPU層と対向する面と反対側の面に対向して設けられると共に、光学用粘着剤から成る第3の粘着層を介して同PET層に積層される、電子機器の表示部に接着する接着層とを備える。
ここで、透視性、透光性を有するガラス素材からなる基層によって、透視性、透光性により良好な透視性を備えることができる。
また、基層の一方の面と対向して設けられると共に、第1の粘着層を介して基層に積層される、熱可塑性ポリウレタン素材から成るTPU層によって、第1の粘着層を介して基層にTPU層を接着させることができる。
また、光学用粘着剤から成る第1の粘着層によって、第1の粘着層は透明性を備えることから、電子機器の画像表示部に表示された画像の透視性を良好に保つことができる。また、ガラスなどの素材への密着性に優れることから基層とTPU層を接着することができる。
また、TPU層は柔らかく、衝撃吸収性を備えると共に、第1の粘着層にも一定の衝撃吸収性が備わっている。このため、基層が受けた衝撃を基層だけでなくTPU層と第1の粘着層とで吸収することができ、基層が破損することを抑止するだけでなく、電子機器の画像表示部に衝撃が伝わるのを抑止することができる。
更に、TPU層は画像表示部での指先を使った操作による静電容量の変化に対する感度が高いことから、基層にTPU層を積層することで、タッチパネル式の画像表示部に指先の操作を的確に伝えることができるので、操作性を良好に保つことができる。
そして、TPU層の基層と対向する面と反対側の面に対向して設けられると共に、第2の粘着層を介してTPU層に積層される、PET素材から成るPET層によって、第2の粘着層を介してTPU層にPET層を接着させることができる。
また、光学用粘着剤から成る第2の粘着層によって、第2の粘着層は透明性を備えることから、電子機器の画像表示部に表示された画像の透視性を良好に保つことができる。また、密着性に優れることからTPU層とPET層を接着することができる。
また、PET層は衝撃吸収性を備えると共に、第2の粘着層にも一定の衝撃吸収性が備わっている。このため、基層及びTPU層が受けた衝撃を基層及びTPU層だけでなくPET層と第2の粘着層とで吸収することができ、基層が破損するのを抑止するだけでなく、電子機器の画像表示部に衝撃が伝わるのを抑止することができる。
更に、PET層のTPU層と対向する面と反対側の面に対向して設けられると共に、第3の粘着層を介してPET層に積層される、電子機器の画像表示部に接着する接着層によって、電子機器の表示部にガラスフィルムを接着させることができる。
また、光学用粘着剤から成る第3の粘着層によって、第3の粘着層は透明性を備えることから、電子機器の画像表示部に表示された画像の透視性を良好に保つことができる。また、密着性に優れることからPET層と接着層を接着することができる。
加えて、第1の粘着層、TPU層、第2の粘着層、PET層及び第3の粘着層の順に積層されることで、これらの5層が一体となって高い衝撃吸収性を備える衝撃吸収部が形成される。衝撃吸収部に伝わった衝撃は、まず、衝撃吸収部の第1の粘着層を介してTPU層に伝わる。第1の粘着層及びTPU層は一定の衝撃吸収性を有するので、第1の粘着層に達した衝撃は、第1の粘着層及びTPU層を通過する際、徐々に減衰する。また、第2の粘着層及びPET層も一定の衝撃吸収性を有するので、第2の粘着層に達した衝撃は、第2の粘着層及びPET層を通過する際、徐々に減衰する。そして、第3の粘着層も一定の衝撃吸収性を有するので、第3の粘着層に達した衝撃は、第3の粘着層を通過する際、徐々に減衰する。これにより、基層が受けた衝撃を衝撃吸収部で吸収することができ、基層が破損することだけでなく、電子機器の画像表示部に衝撃が伝わって破損するのを防止することができる。
また、基層を形成するガラス素材が強化ガラスである場合には、衝撃吸収性が増し、基材がさらに破損しにくくなる。
また、接着層はシリコン素材から成る場合には、接着力に優れているので、ガラスフィルムを画像表示部に貼り付けることができる。
PET層のTPU層と対向する面と反対側の面に対向して設けられると共に、PET層に第3の粘着層を介して積層され、かつ、接着層に対して光学用粘着剤から成る第4の粘着層を介して積層される第2のPET層若しくは第2のTPU層を備える場合には、衝撃吸収部に第4の粘着層及び第2のPET層若しくは第2のTPU層が積層されることで、さらに高い衝撃吸収性を備えることになり、基層が受けた衝撃を吸収することができ、基層が破損することを抑止するだけでなく、電子機器の画像表示部に衝撃が伝わって破損するのを抑止することができる。
基層のTPU層と対向する面に第5の粘着層を介して積層され、かつ、第1の粘着剤層に対して積層される第3のPET層若しくは第3のTPU層を備える場合には、衝撃吸収部に、第5の粘着層及び第3のPET層若しくは第3のTPU層が積層されることで、非常に高い衝撃吸収性を備えることになり、さらに基層が受けた衝撃を吸収することができ、基層が破損することを抑止するだけでなく、電子機器の画像表示部に衝撃が伝わって破損するのを抑止することができる。
基層のTPU層と対向する面と反対側の面に第1の剥離フィルムが設けられた場合には、搬送時の摩擦や摩耗から基層の表面を保護することができる。
接着層の第3の粘着層と対向する面と反対側の面に第2の剥離フィルムが設けられた場合には、搬送時の摩擦や摩耗から接着層を保護することができると共に、接着層に埃などが付着するのを抑止することができる。
本発明に係るガラスフィルムは、擦過による擦過痕だけでなく、接触あるいは落下による衝撃から電子機器の画像表示部を保護すると共に良好な透視性を備えるガラスフィルムとなっている。
以下、本発明のガラスフィルムについて図1乃至図6を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
〔第1の実施の形態〕
まず、本発明の第1の実施の形態であるガラスフィルムAの構成について図1及び図2を用いて説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態であるガラスフィルムAの構成について図1及び図2を用いて説明する。
ガラスフィルムAは、図2に示すように、電子機器Eの画像表示部Dに貼付して使用するものであり、図1に示すように、層状の構造を有する。
ガラスフィルムAは、画像表示部Dに貼付した際の表面側から、表剥離シート1、基層の一例である強化ガラス層2、第1の粘着層30、TPU層31、第2の粘着層32、PET層33、第3の粘着層34、接着層4、裏剥離シート5の9つの層から成る。
そして、表剥離シート1は、厚みが0.05mmであり、PET(polyethylene terephthalate)素材から成る。表剥離シート1は、強化ガラス層2の上面20に貼り付けられ、強化ガラス層2を搬送時の摩擦により擦過痕が生じるのを抑止する働きをする。また、表剥離シート1は、容易に剥離することができるので、ガラスフィルムAを画像表示部Dに貼付する際剥がして使用する。
更に、強化ガラス層2は、厚みが0.33mmであり、強化ガラス素材から成る。通常のガラス層よりも耐衝撃性を備えているため、落下物による衝撃により画像表示部Dが破損することや、あるいは画像表示部Dに擦過痕が生じるのを抑止することができる。
加えて、第1の粘着層30は、厚みが0.07mmであり、光学的に均一で、かつ透明性を備えた光学用粘着剤の一例であるOCA糊が用いられている。また、第1の粘着層30により、強化ガラス層2と後述するTPU層31を貼り合わせることができる。
また、TPU層31は、厚みが0.1mmであり、熱可塑性ポリウレタン(Thermoplastic Polyurethane)素材から成り、第1の粘着層30を介して強化ガラス層2に積層される。TPU層31は衝撃吸収性を備えており、また第1の粘着層にも一定の衝撃吸収性が備わっている。このため、強化ガラス層2が受けた衝撃を、強化ガラス層2だけでなくTPU層31と第1の粘着層30とで吸収することができ、強化ガラス層2が破損することを抑止するだけでなく、電子機器Eの画像表示部Dに衝撃が伝わるのを抑止することができる。
また、TPU層31は、光の屈折による画像のゆがみが生じにくく、画像表示部での指先を使った操作による静電容量の変化に対する感度が高いため、タッチパネル式の画像表示部に貼付しても、操作速度に遅れが生じにくい。
そして、第2の粘着層32は、厚みが0.037mmであり、光学用粘着剤であることから光学的に均一で、かつ透明性を備えたOCA糊が用いられている。第2の粘着層32により、TPU層31とPET層33を貼り合わせることができる。
更に、PET層33は、厚みが0.05mmであり、PET素材より成り、衝撃吸収性を備える。PET層は衝撃吸収性を備えており、また第2の粘着層にも一定の衝撃吸収性が備わっている。このため、強化ガラス層2及びTPU層31が受けた衝撃を、強化ガラス層2及びTPU層31だけでなくPET層33と第2の粘着層32とで吸収することができ、強化ガラス層2及びTPU層31が破損することを抑止するだけでなく、電子機器Eの画像表示部Dに衝撃が伝わるのを抑止することができる。
加えて、第3の粘着層34は、厚みが0.037mmであり、光学的に均一で、かつ透明性を備えたOCA糊が用いられている。第3の粘着層34により、PET層33と接着層4を貼り合わせることができる。
また、接着層4は、厚みが0.025mmであり、シリコン素材より成る。接着性に優れ、画像表示部DにガラスフィルムAを接着することができると同時に、容易に剥がすこともできる。
そして、裏剥離シート5は、厚みが0.05mmであり、PET素材から成る。接着層4の下面40に貼り付けられ、搬送時の摩擦により擦過痕が生じるのを抑止すると共に、接着面にごみやほこりなどが付着するのを抑止する働きをする。また、裏剥離シート5は、容易に剥離することができるため、ガラスフィルムAを画像表示部Dに貼付する際、裏剥離シート5を剥がして、接着層4を露出させてから貼付ける。
また、TPU層31及びPET層33は衝撃吸収性を備えており、第1の粘着層30、第2の粘着層32、第3の粘着層34も一定の衝撃吸収性を備えている。そうすると、第1の粘着層30、TPU層31、第2の粘着層32、PET層33、第3の粘着層34が積層されることにより、これらの5つの層が一体となって衝撃を吸収する衝撃吸収部3が形成される。
次に、ガラスフィルムAを電子機器Eの画像表示部Dに貼り付けた際に、画像表示部Dに落下物などの衝撃が加わった際の衝撃の伝わり方を説明する。
ガラスフィルムAを貼付けた画像表示部Dが落下物や周辺物との接触により衝撃を受けた際、その衝撃は、まず、ガラスフィルムAの表面に位置する強化ガラス層2に伝わる。
強化ガラス層2はガラス素材から成るため、一定の硬さを有しており、強化ガラス層2は、衝撃を受けると強化ガラス層2自体が破損する場合もある。或いは、破損しなくても、衝撃吸収性はTPU層31やPET層33に比べて劣るため、衝撃を吸収することが出来ず、その衝撃は衝撃吸収部3に伝わる。
衝撃吸収部3に伝わった衝撃は、まず、衝撃吸収部3の最上位層である第1の粘着層30を介してTPU層31に伝わる。第1の粘着層30及びTPU層31は一定の衝撃吸収性を有するので、衝撃吸収部3に達した衝撃は、第1の粘着層30及びTPU層31を通過する際、徐々に減衰する。
また、第1の粘着層30及びTPU層31によって吸収されなかった衝撃は、第2の粘着層32を介してPET層33に伝わる。第2の粘着層32及びPET層33も一定の衝撃吸収性を有するので、第2の粘着層32に達した衝撃は、第2の粘着層32及びPET層33を通過する際、徐々に減衰する。
また、第2の粘着層32及びPET層33によって吸収されなかった衝撃は、第3の粘着層34に伝わる。第3の粘着層34も一定の衝撃吸収性を有するので、第3の粘着層34に達した衝撃は第3の粘着層34を通過する際、徐々に減衰する。
このように、強化ガラス層2が受けた衝撃は、衝撃吸収部3を通過する間に徐々に減衰され、接着層4に達する際には大部分が減衰され、僅かな衝撃のみが接着層4に伝わる。これにより、接着層4が接着する画像表示部Dには、さらにわずかな衝撃のみが伝わるので、画像表示部Dが破損することを抑止することができる。
〔ガラスフィルムAの衝撃吸収性を検証する試験I〕
ガラスフィルムAの衝撃吸収性を検証する試験Iでは、従来のガラスフィルムNを用いたテスト1−1、及び衝撃吸収性を備えたガラスフィルムAを用いたテスト1−2を行った。図4を用いて説明する。
ガラスフィルムAの衝撃吸収性を検証する試験Iでは、従来のガラスフィルムNを用いたテスト1−1、及び衝撃吸収性を備えたガラスフィルムAを用いたテスト1−2を行った。図4を用いて説明する。
テスト1−1では、未加工の板状ガラスフィルム(強化処理を施していないガラスフィルム)Vの上に、従来のガラスフィルムNを重ね、高さ(h)35cmから重さ約64gのステンレス製の球体Sを自由落下させた。また、テスト1−2では、未加工のガラスフィルムVの上に、ガラスフィルムAを重ね、高さ(h)35cmから重さ約64gの球体Sを自由落下させた。この時の実験結果を図4に表す。
なお、従来のガラスフィルムN、ガラスフィルムA及び未加工ガラスフィルムVはいずれも、ガラスフィルムの一部を構成するガラス層の厚さは、0.33mmである。
テスト1−1では未加工の板状ガラスフィルムVが破損した。これは、球体Sの自由落下による衝撃を従来のガラスフィルムNでは、吸収しきれなかったために、衝撃が未加工のガラスフィルムVに減衰されることなく伝わってしまったので破損したと考えられる。
テスト1−2では、未加工の板状ガラスフィルムVは破損しなかった。これは、球体Sの自由落下による衝撃をガラスフィルムAで充分に吸収したために、僅かな衝撃のみが未加工のガラスフィルムVに伝わったことで破損しなかったと考えられる。
以上の結果により、ガラスフィルムAは、従来のガラスフィルムNよりも高い衝撃吸収性を備えていることが確認できた。
〔ガラスフィルムAの衝撃吸収性を検証する試験II〕
ガラスフィルムAの衝撃吸収性を検証する実験IIでは、従来のガラスフィルムNを用いたテスト2−1、及び衝撃吸収性を備えたガラスフィルムAを用いたテスト2−2、及びテスト2−3を行った。この時の実験結果を図5に表す。
ガラスフィルムAの衝撃吸収性を検証する実験IIでは、従来のガラスフィルムNを用いたテスト2−1、及び衝撃吸収性を備えたガラスフィルムAを用いたテスト2−2、及びテスト2−3を行った。この時の実験結果を図5に表す。
テスト2−1では、未加工の板状ガラスフィルムVの上に、従来のガラスフィルムNを重ね、高さ(h)35cmから重さ約64gの球体Sを自由落下させた。また、テスト2−2では、未加工のガラスフィルムVの上に、ガラスフィルムAを重ね、高さ(h)65cmから重さ約64gのステンレス製の球体Sを自由落下させた。そして、テスト2−3では、未加工のガラスフィルムVの上に、ガラスフィルムAを重ね、高さ(h)70cmから重さ約64gの球体Sを自由落下させた。
なお、従来のガラスフィルムN、ガラスフィルムA及び未加工ガラスフィルムVは、いずれもガラスフィルムの一部を構成するガラス層の厚さは、0.33mmである。
テスト2−1では未加工の板状ガラスフィルムVが破損した。これは、球体Sの自由落下による衝撃を従来のガラスフィルムNでは、吸収しきれなかったために、衝撃が未加工のガラスフィルムVに直接伝わってしまい、破損したと考えられる。
テスト2−2では、未加工の板状ガラスフィルムVは破損しなかった。これは、球体Sの自由落下による衝撃をガラスフィルムAで充分に吸収したために、僅かな衝撃のみが未加工のガラスフィルムVに伝わったので、破損しなかったためと考えられる。
テスト2−3では、未加工の板状ガラスフィルムVは破損した。これは、球体Sの自由落下による衝撃が強すぎてガラスフィルムAで吸収しきれず、ガラスフィルムAの耐力を超える衝撃が未加工のガラスフィルムVに伝わったので、破損したと考えられる。
上記の実験IIの結果により、ガラスフィルムAは、70cmの高さからの球体Sの落下による衝撃を吸収することはできないが、65cmの高さからの球体Sの落下による衝撃は吸収することができることが明らかになった。
そして、従来のガラスフィルムが、落下物による衝撃を吸収することができる高さは35cmであり、今回の試験においてはガラスフィルムAが衝撃を吸収できる上限の高さは65cmである。即ち、ガラスフィルムAを用いる事で、従来のガラスフィルムと比較して約185.7%の高さからの球体Sの落下による衝撃を吸収できる衝撃吸収性を有することが明らかとなった。
〔ガラスフィルムAの使用方法〕
ガラスフィルムAの使用方法について説明する。
図1に示すように、ガラスフィルムAには、強化ガラス層2の表面側を覆う表剥離シート1が貼付されており、また、接着層4を覆う裏剥離シート9が貼付されている。表剥離シート1は、搬送時に強化ガラス層2に擦過痕などが生じるのを防ぐためのシートである。そして、裏剥離シート9は、接着層4に埃などが付着しないよう保護するためのシートである。
ガラスフィルムAの使用方法について説明する。
図1に示すように、ガラスフィルムAには、強化ガラス層2の表面側を覆う表剥離シート1が貼付されており、また、接着層4を覆う裏剥離シート9が貼付されている。表剥離シート1は、搬送時に強化ガラス層2に擦過痕などが生じるのを防ぐためのシートである。そして、裏剥離シート9は、接着層4に埃などが付着しないよう保護するためのシートである。
まず、裏剥離シート9を剥がし、接着層4を露出させる。その後、接着層4を電子機器Eの画像表示部Dを覆うように貼付ける。接着層4と画像表示部Dの間に気泡が含まれていないことを確認する。また、表剥離シート1を剥がして強化ガラス層2を露出させる。
これにより、ガラスフィルムAは、電子機器Eの画像表示部Dに貼付されるので、ガラスフィルムAに周辺の物が接触したり、落下したりすることにより衝撃が加えられても、ガラスフィルムAが衝撃吸収性を備えているため、画像表示部Dが破損するのを抑止することができる。
〔第2の実施の形態〕
まず、図6(a)を用いて、本願発明に係る第2の実施の形態であるガラスフィルムBの構成について説明する。なお、ガラスフィルムAと同一の構成を有する部分については説明を省略する。
まず、図6(a)を用いて、本願発明に係る第2の実施の形態であるガラスフィルムBの構成について説明する。なお、ガラスフィルムAと同一の構成を有する部分については説明を省略する。
ガラスフィルムBは、第3の粘着層34と接着層4の間に、第2のPET層60及び第4の粘着層61が設けられている。第2のPET層60は厚みが0.05mmであり、第3の粘着層34を介してPET層33に積層される。
第4の粘着層61は、厚みが0.037mmであり、光学的に均一であり、かつ透明性を備えたOCA糊が用いられている。第4の粘着層61により、第2のPET層60と接着層4を貼り合わせることができる。
第2のPET層60はPET素材より成り、衝撃吸収性を備えており、第4の粘着層61も一定の弾力性を備えていることから、衝撃吸収部3に第2のPET層60及び第4の粘着層61が積層されることで、ガラスフィルムBの衝撃吸収性が高まり、より衝撃を吸収しやすくなる。
〔第3の実施の形態〕
また、図6(b)を用いて、本願発明に係る第3の実施の形態であるガラスフィルムCの構成について説明する。なお、ガラスフィルムAと同一の構成を有する部分については説明を省略する。
また、図6(b)を用いて、本願発明に係る第3の実施の形態であるガラスフィルムCの構成について説明する。なお、ガラスフィルムAと同一の構成を有する部分については説明を省略する。
ガラスフィルムCは、強化ガラス層2と第1の粘着層30の間に、第5の粘着層70及び第3のPET層71が設けられている。第3のPET層71は、第5の粘着層70を介して強化ガラス層2に積層される。
第5の粘着層70は、厚みが0.037mmであり、OCA糊が用いられている。第5の粘着層70により、強化ガラス層2と第3のPET層71を貼り合わせることができる。
第3のPET層71は厚みが0.05mmのPET素材より成り、衝撃吸収性を備えている。また、第5の粘着層70も一定の弾力性を備えていることから、衝撃吸収部3に第5の粘着層70及び第3のPET層71が積層されることで、ガラスフィルムCの衝撃吸収性が高まり、より衝撃を吸収しやすくなる。
このように本願発明は、擦過による擦過痕だけでなく、接触あるいは落下による衝撃から電子機器の画像表示部を保護すると共に良好な透視性を備えるガラスフィルムとなっている。
1 表剥離シート(第1の剥離フィルム)
2 強化ガラス層(基層)
30 第1の粘着層
31 TPU層
32 第2の粘着層
33 PET層
34 第3の粘着層
4 接着層
5 裏剥離シート(第2の剥離フィルム)
60 第2のPET層
61 第4の粘着層
70 第5の粘着層
71 第3のPET層
A、B、C ガラスフィルム
D 画像表示部
E 電子機器
2 強化ガラス層(基層)
30 第1の粘着層
31 TPU層
32 第2の粘着層
33 PET層
34 第3の粘着層
4 接着層
5 裏剥離シート(第2の剥離フィルム)
60 第2のPET層
61 第4の粘着層
70 第5の粘着層
71 第3のPET層
A、B、C ガラスフィルム
D 画像表示部
E 電子機器
Claims (7)
- 透視性、透光性を有するガラス素材からなる基層と、
該基層の一方の面と対向して設けられると共に、光学用粘着剤から成る第1の粘着層を介して同基層に積層される、熱可塑性ポリウレタン素材から成るTPU層と、
該TPU層の前記基層と対向する面と反対側の面に対向して設けられると共に、光学用粘着剤から成る第2の粘着層を介して同TPU層に積層される、PET素材から成るPET層と、
該PET層の前記TPU層と対向する面と反対側の面に対向して設けられると共に、光学用粘着剤から成る第3の粘着層を介して同PET層に積層される、電子機器の画像表示部に接着する接着層とを備える
ガラスフィルム。 - 前記基層を形成するガラス素材は強化ガラスである
請求項1に記載のガラスフィルム。 - 前記接着層はシリコン素材から成る
請求項1又は請求項2に記載のガラスフィルム。 - 前記PET層の前記TPU層と対向する面と反対側の面に対向して設けられると共に、同PET層に前記第3の粘着層を介して積層され、かつ、前記接着層に対して光学用粘着剤から成る第4の粘着層を介して積層される第2のPET層若しくは第2のTPU層を備える
請求項1、請求項2又は請求項3に記載のガラスフィルム。 - 前記基層の前記TPU層と対向する面に第5の粘着層を介して積層され、かつ、前記第1の粘着剤層に対して積層される第3のPET層若しくは第3のTPU層を備える
請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載のガラスフィルム。 - 前記基層の前記TPU層と対向する面と反対側の面に第1の剥離フィルムが設けられた
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載のガラスフィルム。 - 前記接着層の前記第3の粘着層と対向する面と反対側の面に第2の剥離フィルムが設けられた
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6に記載のガラスフィルム。
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---|---|---|---|
JP2018135968A JP2020011471A (ja) | 2018-07-19 | 2018-07-19 | ガラスフィルム |
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