JP2007108553A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃吸収性と薄型化を両立できる表面保護体を有し、表面保護体の塑性変形を防止して表面凹みを回避しつつ表面硬度や耐衝撃性を確保し製造コストも抑制できる電気光学装置を提供する。
【解決手段】電気光学装置100は電気光学パネル110の視認側表面上に配置された透明保護体130を有し、透明保護体は、視認側表面上にハードコート層132を備えた第1樹脂シート131と、第1樹脂シートの電気光学パネル側に配置された第2樹脂シート133と、第1樹脂シートと第2樹脂シートとを接着する接着層134とを有し、第1樹脂シートの降伏応力x1、第1樹脂シートの厚みy1、第2樹脂シートの降伏応力x2、第2樹脂シートの厚みy2、ハードコート層の厚みdのとき、y1+y2≧-69.52(y1・ln[x1]+y2・ln[x2])/(y1+y2)+z、z=-5.3333d+501.31が成立する。
【選択図】図1

Description

本発明は電気光学装置及び電子機器に係り、特に、電気光学装置の表面を保護するための表面保護体の構成に関する。
一般に、電気光学装置として、液晶表示装置、有機ルミネッセンス表示装置、プラズマディスプレイ装置などが知られているが、これらにはガラス基板やプラスチック基板等が用いられているため、衝撃を受けた場合、ガラス基板が割れたり、プラスチック基板等が変形して、表示体が破損したり、表示特性に影響を与えたりするという問題点がある。
上記の電気光学装置を内蔵した電子機器の一般的な筐体構造としては、筐体に固定された窓部材と、液晶表示パネルの視認側表面との間に間隙を設け、外部の衝撃が窓部材に加わっても、液晶表示パネルには直接に伝達されないようになっていた。
しかしながら、小型の表示体を内蔵した携帯型情報端末、携帯電話などの携帯型電子機器では、携帯時に表示画面を何かにぶつけたり、或いは、機器を落下させたりする場合が多く、このような場合には衝撃が大きいために機器が回復不可能な損傷を受けることが多い。
そこで、液晶表示パネルを透明部材に対して透明弾性樹脂を介して保持した構造、或いは、偏光板の周囲に液晶表示パネルより外側に延長された延長部を設け、この延長部を筐体の支持部に挟持させた構造などが提案されている(例えば、以下の特許文献1及び2参照)。
また、表示体の前面に配置される表面保護材としては、基材フィルムの表面に直接に、或いは、緩衝層を介してハードコート層を積層し、表面硬度を高めた表面保護シート(例えば、以下の特許文献3及び4参照)、液晶表示用光学フィルムの表面に下塗り層を介してガラス割れ防止粘着剤層が設けられ、その上に表面処理フィルムが設けられてなるガラス割れ防止積層体(例えば、以下の特許文献5参照)、透明ポリマーからなる剛性層の下側にアクリル系粘着層からなる緩和層が密着してなる積層シート(例えば、以下の特許文献6参照)などが知られている。
特開平11−174417号公報 特開2000−284270号公報 特開平11−300873号公報 特開2000−326447号公報 特開2005−173462号公報 特開2005−179481号公報
しかしながら、前述の液晶表示パネルの支持構造では、液晶表示パネルがその視認側に配置された透明材料に支持された状態となっているため、この透明材料に或る程度の剛性を持たせないと、液晶表示パネルの支持力を得ることができないことから、衝撃吸収性を必ずしも充分に確保することができず、耐衝撃性の向上に限度があるという問題点がある。また、上記の支持構造では、衝撃吸収性を得るために透明材料に充分な厚みが必要であることから、或いは、液晶表示パネルを偏光板のみで支持するために液晶表示パネルの背後に空間が必要となることから、液晶表示パネルを搭載する電子機器の厚みを充分に低減できないという問題点がある。
一方、上記の各種の表面保護材では、表面硬度を高くすると衝撃割れが発生しやすくなり、逆に衝撃割れを防止しようとすると、表面硬度が低下するというジレンマがある。また、表面硬度の向上と衝撃割れの防止を図る方法としてハードコート層を形成する方法が知られているが、ハードコート層の厚みは限られているため、表面保護材の樹脂基材に降伏が生じて表面の凹みが発生し、これが外観や表示品位を低下させるという問題点もある。さらに、表面硬度の向上、衝撃割れの防止、表面凹みの防止を図るには素材や構造の選択の余地が限られ、製造コストが増大するという問題点もある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、衝撃吸収性と薄型化を両立できる表面保護体を有するとともに、表面保護体の塑性変形を防止して表面凹みを回避しつつ表面硬度や耐衝撃性を確保し、さらに製造コストも抑制できる電気光学装置及びこれを搭載した電子機器を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の電気光学装置は、電気光学パネルと、該電気光学パネルの視認側表面上に配置された透明保護体とを有する電気光学装置において、前記透明保護体は、視認側表面上にハードコート層を備えた第1樹脂シートと、該第1樹脂シートの前記電気光学パネル側に配置された第2樹脂シートと、前記第1樹脂シートと前記第2樹脂シートとを接着する接着層とを有し、前記第1樹脂シートの降伏応力をx1[MPa]、前記第1樹脂シートの厚みをy1[μm]、前記第2樹脂シートの降伏応力をx2[MPa]、前記第2樹脂シートの厚みをy2[μm]、ハードコート層の厚みをd[μm]としたとき、y1+y2≧−69.52(y1・ln[x1]+y2・ln[x2])/(y1+y2)+z、z=−5.3333d+501.31(ただし、1≦d≦30)が成立することを特徴とする。
通常、表面にハードコート層を形成した樹脂シートでは、樹脂シートに加わった応力がフィルム素材の降伏応力を超えた場合、塑性変形を生ずるので、表面に凹みが発生する。したがって、表面に凹みを生じないようにするには、樹脂シートの厚みyを、そのフィルム素材の降伏応力x及びハードコート層の厚みdに応じた所定の厚みより大きくする必要がある。4Hの鉛筆を500gの荷重で表面に適用すると、凹みが発生しにくい領域として、y≧−69.52×ln[x]+z、z=−5.3333d+501.31(ただし、1≦d≦30)が得られた。ここで、ln[x]はxの自然対数である。本発明においては、第1樹脂シートの降伏応力x1に起因する成分と、第2樹脂シートの降伏応力x2に起因する成分とを、それぞれの厚さの比y1/(y1+y2)、y2/(y1+y2)で重み付けして加算することにより形成した、上記の式に対応する式である「y1+y2≧−69.52(y1・ln[x1]+y2・ln[x2])/(y1+y2)+z」が成立すれば、それぞれのフィルム素材が共に降伏しにくくなり、表面に凹みが発生しにくくなる。
次に、本発明の別の電気光学装置は、電気光学パネルと、該電気光学パネルの視認側表面上に配置された透明保護体とを有する電気光学装置において、前記透明保護体は、視認側表面上にハードコート層を備えた第1樹脂シートと、該第1樹脂シートの前記電気光学パネル側に配置された第2樹脂シートと、前記第1樹脂シートと前記第2樹脂シートとを接着する接着層とを有し、前記接着層は0.1〜10μmの範囲内の厚みを有する接着剤で構成されることを特徴とする。
この発明によれば、ハードコート層を視認側表面に備えた第1樹脂シートを、接着層を介して第2樹脂シートに接着したことにより、良好な表面硬度を確保できるとともに透明保護体の耐衝撃性を確保できる。特に、接着層が0.1〜10μmの範囲内の厚みを有することによって、第1樹脂シートと第2樹脂シートとの一体性が確保されるため、第1樹脂シートの厚みを増した場合と同様の表面硬度を得ることが可能になり、また、第1樹脂シートの塑性変形による表面の凹みも防止することができる。
本発明において、前記第1樹脂シートがトリアセチルセルロースで構成されていることが好ましい。本発明ではトリアセチルセルロースからなる第1樹脂シート上にハードコート層を形成することにより、第1樹脂シート自体の耐衝撃性を確保しつつ、表面硬度の低下を抑制できる。また、ハードコート層の厚みは製法上の理由や密着性を維持するために1〜30μm程度に制限されるところ、この程度の厚みのハードコート層を付けた場合には、表面硬度を確保するために、或いは、表面凹みを防止するために、トリアセチルセルロースからなる第1樹脂シートでは100μm以上の厚みが必要となる。一般には100μm以上の厚みを有するトリアセチルセルロースのフィルムは入手性が悪く、コストも高いが、本発明では、第1樹脂シートに接着層を介して第2樹脂シートを接着したことにより、第1樹脂シートが100ミクロン以下の厚みでも充分な表面硬度を得ることができ、また、表面凹みの防止を図ることが可能になる。
本発明において、前記第2樹脂シートがトリアセチルセルロースで構成されていることが好ましい。第2樹脂シートもまたトリアセチルセルロースで構成されることにより、耐衝撃性を維持しつつ、比較的薄い構成で充分な表面硬度を得ることが可能になる。
本発明において、前記接着層の代わりに、接着基材フィルムの表裏両面上に、それぞれ0.1〜10μmの範囲内の厚みを有する接着層を備えた接着シートを用いる場合もある。接着基材フィルムの表裏両面上にそれぞれ薄い接着剤を有する構成でも、透明保護体に充分な表面硬度を与えることができる。例えば、ポリビニルアルコールの15〜25μm程度の厚みを有する接着基材フィルムの両面にそれぞれ0.1〜10μmの厚みを有するアクリル系接着剤を配置したものが挙げられる。また、表裏両面に接着層を備えた接着シートを用いることで、第1樹脂シートと第2樹脂シートの接着工程を容易に行うことが可能になる。
本発明において、前記接着層は0.1〜10μmの範囲内の厚みを有する接着剤で構成されることが好ましい。接着剤の厚みが0.1μm未満では充分な接着力を得ることが難しく、しかも、剥離や気泡の発生等が生ずる虞が高くなる。接着剤の厚みが10μmを超えると、接着剤の硬度により透明保護体の表面硬度が影響を受けやすくなり、特に、一般的なアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤を用いる場合には透明保護体の表面硬度が低下し、また、表面の凹みも生じやすくなる。特に、接着剤の厚みが0.5〜8μmの範囲内であることがさらに望ましい。
本発明において、前記第2樹脂シートの前記電気光学パネル側に配置され、前記第1樹脂シート及び前記第2樹脂シートより周波数1〜10Hz域の動的弾性率が小さい第3層をさらに有することが好ましい。これによれば、背後には、一般的な衝撃等に対する動的弾性率が小さい第3層が配置されるので、透明保護体の衝撃吸収性を高めることができ、電気光学パネルに伝達される応力を低減することができる。すなわち、この場合には、第1樹脂シートと第2樹脂シートを接着してなる積層体が衝撃拡散作用を有する層となり、その背後に配置された第3層が衝撃吸収作用を有する層となる。
本発明において、周波数1〜10Hz域において、前記第1樹脂シート及び第2樹脂シートの動的弾性率が1.0〜15.0GPaの範囲内であり、前記第3層の動的弾性率が0.01MPa〜0.1GPaの範囲内であることが好ましい。このようにすると、携帯型電子機器などの常用の状況下で効果的な耐衝撃性を充分に確保しつつ、従来よりも大幅に薄型化を図ることができる。
この場合に、前記第3層の厚みが0.15〜0.8mm以下であることが好ましい。この範囲であれば、改善された耐衝撃性を確保しつつ、従来よりも厚みを大幅に低減できる。特に、0.2〜0.5mmの範囲内であれば、耐衝撃性と厚みの低減をさらに高いレベルで両立できる。
また、前記第1樹脂シート及び第2樹脂シートの厚みはいずれも60〜100μm程度の範囲であることが好ましく、特に、それぞれ70〜90μmの範囲内であることが寄り望ましい。この発明によれば、透明保護体の単位厚み当たりの耐衝撃性の向上率を従来よりも高くすることができるので、耐衝撃性の向上と、薄型化とを両立させることができる。
本発明において、前記透明保護体のハードコート層の表面は鉛筆硬度3H〜5Hの硬度を有することが好ましい。これによれば、通常の使用態様における必要充分な硬度とすることができる。
次に、本発明の電子機器は、上記の電気光学装置を格納する筐体を有し、該筐体は前記電気光学装置の前記ハードコート層を露出する窓部を有することを特徴とする。これによれば、透明保護体による衝撃吸収効果を最も効果的に発揮することができる。本発明の電子機器としては何ら限定されるものではなく、コンピュータ装置、家庭用受像機などにも適用することができるが、特に、携帯電話、携帯型情報端末、携帯型コンピュータ装置、電子時計などの携帯型電子機器として構成する場合に高い効果を発揮することができる。
[第1実施形態]
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、本実施形態の全体構成について、従来構造の一つを比較例として参照しつつ説明する。図1は本実施形態の電気光学装置を電子機器の筐体内に設置した様子を示す概略構成図である。
本実施形態では、図1に示すように、電気光学パネルの一例としての液晶表示パネル110と、この液晶表示パネル110の背後に配置された照明装置120(バックライト)とを有する電気光学装置が電子機器の筐体1の内部に配置された基板2上に固定されている。液晶表示パネル110は、ガラスやプラスチック等からなる透明基板111と112をシール材113を介して貼り合わせ、これらの基板間に電気光学物質である液晶114を封入したものである。透明基板111及び112の内面(相互に対向する面)には複数の電極がそれぞれ形成され、これらの電極が平面的に交差する領域が表示態様を独立に制御可能な画素を構成する。基板111及び112の外面上にはそれぞれ偏光板115及び116が配置されている。
上記の透明基板111,112の厚みは、例えば無機ガラスで構成する場合、0.3〜1.2mm程度のものが用いられる。ただし、近年はパネルの薄型化を図るために0.3〜0.8mm程度の厚みを有するものが一般的であり、厚みは今後さらに薄くなる可能性がある。
なお、電気光学パネルとしては、上記の液晶表示パネルに限らず、有機ルミネッセンスパネル、電気泳動表示パネル、フィールドエミッション表示パネルなど、種々の表示体を用いることができる。また、液晶表示パネルにおいても、駆動方式で言えば、画素の駆動にスイッチング素子を用いない単純マトリクス液晶表示パネルやスタティック駆動液晶表示パネル、TFT等の三端子スイッチング素子やMIM等の二端子スイッチング素子を用いるアクティブマトリクス液晶表示パネル、電気光学特性で言えば、TN形、STN形、ゲストホスト形、相転移形、強誘電形など、種々のパネル構造を用いることができる。
一方、照明装置120は、照明ユニット121と、この照明ユニット121の光出射面上に配置された光学シート(集光シート若しくは拡散シート、或いはこれらの双方)とから構成される。照明ユニット121としては、例えば、サイド部にLEDや冷陰極管等の光源を配置し、この光源から放出された光を端面で受けて内部を伝播させながら、光出射面から放出する導光板を有する、サイドライト型ユニットを用いることができる。
本実施形態では、上記の液晶表示パネル110及び照明装置120を有する電気光学装置100において、液晶表示パネル110の視認側の表面上に透明保護体130が配置されている。この透明保護体130では、視認側に第1樹脂シート131が配置され、この第1樹脂シート131の視認側表面上にはハードコート層132が形成されている。また、第1樹脂シート131の液晶表示パネル110側には第2樹脂シート133が配置されている。そして、第1樹脂シート131と、この第2樹脂シート133とは接着層134で接着されている。
また、第2樹脂シート133と液晶表示パネル110との間には、上記第1樹脂シート131及び第2樹脂シート133よりも周波数1〜10Hz域の動的弾性率の小さい第3層135が配置されている。この第3層は粘着性を有し、偏光板116と第2樹脂シート133との間に配置されて液晶表示パネル110と透明保護体130とを接着していることが好ましい。
図示例の場合、電気光学装置100は、筐体1と、その内部に配置された基板2との間に保持された状態となっている。具体的には、筐体1は、上記透明保護体130の表面に当接し、この透明保護体130を介して電気光学パネル110を保持している。なお、筐体1と透明保護体130との間にガスケットなどの緩衝部材或いは密着部材を介在させることが望ましい。透明保護体130は、電気光学パネル110の光を透過するものであればよく、無色透明でなく多少着色していても構わない。特に、本実施形態の場合には、電気光学パネル110の表示画面が視認可能となるものであればよい。
第1樹脂シート131及び第2樹脂シート133は、外力を受けて表面方向に分散させる働きをする衝撃拡散作用を果たす部分であり、一般的には、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチル(メタ)アクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレン、アクリルニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート等のポリカーボネート系ポリマーなどで構成される。
第1樹脂シート131、接着層134及び第2樹脂シート133の積層体に要求される特性としては、外力に起因して生ずる応力の分散特性を有していること、及び、通常加えられる程度の衝撃に対して割れや変形等を生じない耐衝撃性を有していることが挙げられる。特に、第1樹脂シート131においては、上記に加えて、ハードコート層132の密着性や製造容易性を有していること、及び、ハードコート層を充分に支持して充分な鉛筆硬度を実現可能なことが要求される。これらの観点からすると、第1樹脂シート131及び第2樹脂シートはセルロース系ポリマーであることが好ましい。特に、第1樹脂シート131は上記四つの条件を満たす素材としてセルロース系ポリマーを用いることが有利であり、特に、トリアセチルセルロースが最も望ましい。
また、応力の分散特性を確保するには、周波数1〜10Hz域での動的弾性率G′が第3層135よりも高いもの(好ましくは10倍以上)であることが好ましく、例えば、常温(−10〜50℃)において、周波数1〜10Hz域の動的弾性率が1.0〜15.0GPaの範囲内であることが好ましい。第1樹脂シート131及び第2樹脂シート133の動的弾性率が上記範囲を下回ると、応力を分散(衝撃を拡散)する効果が得られにくくなり、応力が局部に集中して液晶表示パネル110に及ぶ虞が高くなるとともに、硬度も低下するので、表面に損傷(擦り傷など)を受けやすくなる。逆に、第1樹脂シート131及び第2樹脂シート133の動的弾性率が上記範囲を越えると、第3層135の応力吸収特性(衝撃吸収力)を充分に生かすことができなくなる。例えば、常温25℃で、トリアセチルセルロースの弾性率は約2GPa、ポリエチレンテレフタレートの弾性率は約4GPaである。
ハードコート層132は、透明保護体130の表面の傷つき等の損傷を防止するためのものであり、厚みは、形成方法や密着性の観点から見て1〜30μmの範囲内であることが好ましく、特に、5〜20μmの範囲内であることが望ましい。上記範囲を下回ると、後述する第2実施形態で示すように第3層を設けない場合には、外力によって凹みが生じやすくなり、表面画面の平坦性を確保しにくくなるとともに、層自体の耐久性にも支障がでる。また、上記範囲を上回ると、外力を受けたときに剥離しやすくなる。
ハードコート層132は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂等といった、紫外線や電子線等で硬化する電離放射線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂で構成されることが好ましい。これらの樹脂は架橋度合を調整することによって3H〜5H程度の鉛筆硬度を容易に実現することができる。電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、ポリエステルアクリレートやウレタンアクリレート等のアクリレート系官能基を有するものが挙げられる。ポリエステルアクリレートとしては、ポリエステル系ポリオールのオリゴマーのアクリレート又はメタクリレート、或いは、これらの混合物であることが好ましい。また、ウレタンアクリレートとしては、ポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるオリゴマーをアクリレート化したものであることが好ましい。ただし、ウレタンアクリレートは一般に硬度を高めることが難しいので、ポリエステルアクリレートと混合して用いることが望ましい。
上記のハードコート層132としては、3H以上の鉛筆硬度(JIS K−5400で規定する試験方法による。以下同様。)を有するものであることが好ましく、特に、材料選択性を考慮すると3H〜5H程度の鉛筆硬度を有するものが望ましい。
接着層134を構成する素材としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等を用いることができる。これらの接着剤の接着後の特性として、通常、第1樹脂シート131及び第2樹脂シート133よりも周波数1〜10Hz域の動的弾性率が小さい。したがって、第1樹脂シート131と第2樹脂シート133の機械的一体性を確保するには、接着層134を0.1〜10μmの範囲内の厚みとなるように薄く形成する必要がある。厚みが0.1μmを下回ると、接着力の確保や耐久性の確保が難しくなり、剥離や気泡の発生などが生じやすくなる。また、厚みが10μmを越えると、透明保護膜130の表面のハードコート層132に加わった外力が第1樹脂シート131にのみ加わりやすくなり、透明保護体130の表面硬度が低下するとともに、その表面に凹みが生じやすくなる。特に、上記厚みは0.5〜8μmの範囲内であることが望ましい。さらには、1〜6μm程度であることが最も望ましい。
透明保護体130の第3層135は、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アルファゲル(登録商標)などのゲル材料等を用いて構成することができる。素材としては、周波数1〜10Hz域での動的弾性率G′が低いものであることが好ましく、例えば、常温(−10〜50℃)において、周波数1〜10Hz域の動的弾性率が0.01MPa〜0.1GPaの範囲内であることが好ましい。第3層135の動的弾性率が上記範囲を下回ると、厚みを充分に確保しないと第1樹脂シート131及び第2樹脂シート133の変形により液晶表示パネル110に直接応力が加わる可能性が高くなり、逆に、第3層135の動的弾性率が上記範囲を越えると、衝撃を充分に吸収することができなくなり、衝撃を液晶パネル110に伝達してしまう。
透明保護体130では、上記第2樹脂シート133と第3層135が相互に接着されていることが好ましい。また、透明保護体130(第3層135)は液晶表示パネル110(偏光板116)にも接着されていることが好ましい。ここで、第3層135としては、接着剤などの接着機能をも有するもの、粘着性を備えたものなどを用いることが好ましい。このようにすると、第3層135によって液晶表示パネル110と第2樹脂シート133を接着することができるため、接着剤や接着層を別途設ける必要がなくなる。
第3層135の素材(ゴム材料)の動的粘弾性特性としては、粘弾性特性のうちの貯蔵せん断弾性率である動的弾性率G′が上記範囲内であることが好ましいが、さらに、損失せん断弾性率G″が或る程度大きいことが好ましい。例えば、エネルギーを熱に変換することのできる度合を示す損失係数tanδが0.10〜1であることが好ましく、0.10〜0.25程度であることが最も望ましい。損失係数が上記範囲を越えると、外部応力による変形が顕著となり、上記範囲を下回ると、衝撃の吸収効率が低下する。
第3層135は0.15〜0.8mmの範囲内の厚みを有することが好ましく、特に、0.2〜0.5mmの範囲内の厚みを有することが望ましい。この範囲内では、衝撃吸収力を確保しつつ、表面保護体130の薄肉化を図ることができる。すなわち、上記範囲を下回ると充分な衝撃吸収力を得ることができず、上記範囲を上回ると透明保護体130の衝撃吸収力が携帯型電子機器等に要求されるレベルに対して過剰になるとともに、無駄な厚みの増加を招くことになる。
本実施形態では、液晶表示パネル110の前面に配置される透明保護体130において、ハードコート層132を備えた第1樹脂シート131と第2樹脂シート133とを接着層134によって接着した構造を有することにより、所望の表面硬度を確保しつつ、表面の凹みを防止することが可能であり、しかも、応力分散性を確保しつつ透明保護体130に充分な耐衝撃性を与えることができるため、透明保護体130の割れなどを防止することもできる。また、第2樹脂シート133の背後に動的弾性率の小さい第3層を配置することで、外部から受ける衝撃に基づく応力を吸収緩和することができるので、液晶表示パネル110の基板の割れを防止することができる。
さらに、本実施形態では、第1樹脂シート131と第2樹脂シート133とを接着層134で接着しているので、第1樹脂シート131として、ハードコート層132に対する密着性等を得ることができ、しかも、所要の耐衝撃性や応力分散性を得ることの可能な素材を選択した上で、当該素材の入手性を確保することができる。例えば、トリアセチルセルロースの樹脂シートとしては、厚みが38〜80μm程度のものが一般的に入手可能であるが、それ以上の厚みのシートを入手することは困難で、入手してもコスト高となってしまう。
ところが、以下の実施例で説明するように、一般的な厚みのハードコート層を形成した場合、トリアセチルセルロースの樹脂シートを用いると、表面硬度の確保や表面凹みの防止を図るには、少なくとも100μmを越える厚みが要求される。そこで、本願発明者はトリアセチルセルロースの第1樹脂シート131と第2樹脂シート133を薄い接着層134で接着することによって、所要の特性を確保し、しかも、素材の入手を可能にしたのである。
トリアセチルセルロースを第1樹脂シート131及び第2樹脂シート133の素材として用いる場合には、第1樹脂シート131及び第2樹脂シート133の厚みは60〜100μmの範囲内とすることが好ましく、特に、70〜90μmの範囲内とすることが望ましい。
[第2実施形態]
次に、上記とは異なる別の実施形態について図2を参照して説明する。この実施形態において、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
本実施形態の透明保護体130′は、上記と同様の第1樹脂シート131、ハードコート層132、第2樹脂シート133、接着層134を備えているが、上記の第3層を介在させずに、第2樹脂シート133が液晶表示パネル110上に配置されている。図示例の場合、第2樹脂シート133は接着層136によって液晶表示パネル110の偏光板116に接着されている。接着層136は上記接着層134と同様の素材で同様の厚みに構成されることが好ましい。
本実施形態では、上記第1実施形態の第3層による衝撃吸収力を発揮することはできないが、表面硬度の確保や透明保護体130′の耐衝撃性を確保することができる。また、第3層が存在しないことにより、第1実施形態よりも薄型化を図ることができる。
[第3実施形態]
図3は第1実施形態又は第2実施形態と基本的に同様の構造を有するが、第1樹脂シート131の素材と第2樹脂シート133′の素材とが相互に異なる例を示すものである。この実施形態では、例えば、第1樹脂シート131として第1実施形態と同様のトリアセチルセルロースを用い、第2樹脂シート133として例えばポリエチレンテレフタレートを用いることができる。この場合、第2樹脂シート133は接着層134を介して第1樹脂シート131を下支えするとともに、外部応力に対して第1樹脂シート131とともに一体に機能するものであるので、素材を変えることによって機械的特性も異なることとなるため、第2樹脂シート133′の好ましい厚みの範囲も変化することになる。一般的には、後述するように、第2樹脂シート133′の降伏応力が高くなれば、厚みを薄くしても足りることになる。
[第4実施形態]
図4は、第1実施形態又は第2実施形態の透明保護体130,130′に用いられている第2樹脂シート133の背後にさらに第3樹脂シート137を配置し、この第3樹脂シート137を接着層138を介して第2樹脂シート133に接着したものである。ここで、第3樹脂シート137は第2樹脂シート133,133′と同じ素材で構成できる。また、接着層138は接着層134と同様に0.1〜10μmの範囲の厚みを有することが好ましく、特に、0.5〜8μmの範囲の厚みを有することが望ましい。
この実施形態は、特に、透明保護体の応力分散性や表面硬度を確保するためにさらに厚みが必要となる場合の構成例を示している。すなわち、本発明には、必要に応じて3層以上の樹脂シートを接着層で接着した構成も含まれる。
[第5実施形態]
図5は、第1実施形態又は第2実施形態の透明保護体130,130′に用いられる接着層134の代わりに、接着樹脂基材134Sの表裏両面に接着層134A及び134Bを配置した接着シート134′を設けたものである。このような構成でも、接着層134A及び134Bが0.1〜10μmの厚みを有する接着剤で構成されていれば、基本的に上記実施形態と同様の作用を得ることができる。
接着シート134′の例としては、接着樹脂基材134Sとして15〜25μm程度の厚みを有するポリビニルアルコールを用い、接着層134A及び134Bとしては、上記第1実施形態の接着層134と同様のものを用いることができる。
本実施形態では、接着樹脂基材134Sの両面に接着層134A,134B(粘着層)を備えた接着シート134′、すなわち両面接着フィルムを用いることができる点で、生産性を向上させることができるという利点を備えている。すなわち、両面接着フィルムで第1樹脂シートと第2樹脂シートとを接着することができるので、接着剤の塗布工程を省略し、また、ラミネート工程を簡略化することができる。
[実施例]
次に、上記第1実施形態乃至第5実施形態に対応する各実施例及び比較例について説明する。以下の表1には、第1実施形態に相当する実施例1乃至3と、これに対比されるべき比較例1乃至9、並びに、第2実施形態に相当する実施例4乃至6と、これに対比されるべき比較例10乃至16の層構成及び各種特性を示す。
Figure 2007108553
なお、表1において、各欄上段は材料名を簡略化して示し、各欄下段は厚みを単位[μm]で表す数字を示してある。HCはポリエチレンアクリレートとウレタンアクリレートの混合系のハードコート層、TACはトリアセチルセルロース、PVAはポリビニルアルコール、PETはポリエチレンテレフタレート、PMAはポリメチルメタクリレート、PCはポリカーボネート、PUはポリウレタン、CRは「CR−39」(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート)をそれぞれ示す。
また、各種特性のうち、硬度はJIS K−5400に規定される鉛筆硬度試験の方法で実施し、概ね4H以上を◎、3H〜4Hを○、3H未満を△、2H未満を×で示した。
表面凹みは、4Hの鉛筆を荷重500gで表面に当て、表面に凹みが残留するか否かを見た。ここで、全く残留がない場合を◎、多少の残留は見られるが実質的な問題がない程度である場合を○、明らかな残留がある場合を△とした。なお、この表面凹みは、第1実施形態に対応する例では、衝撃吸収層となる第3層135が設けられているために生じにくいことから、評価から除外した。
衝撃割れは、上方から150gの先端鋼球付き(半径10mm)錘を試料に落下させ、第1樹脂シート又は第2樹脂シートの割れ若しくは変質が生ずるか否かを目視で確認し、割れるまで高さを上昇させ、割れ、変質を記録した。上方10cmから落下させても全く割れや変質が生じないものを◎、上方10cmから落下させた条件では割れや変質が生ずるが上方5cmから落下させた場合には割れや変質が生じないものを○、いずれの場合でも割れか変質が生ずるものを×とした。なお、第2実施形態に対応する例では、衝撃拡散層の変形が少ないために衝撃割れの問題は生じにくいことから、評価から除外した。
コストは、材料コスト及び入手性の双方を勘案して評価した。材料コストと入手性のいずれにも問題がない場合には◎、いずれか一方に問題がある場合には△、双方に問題がある場合には×とした。
表1に示すように、実施例1〜3においては、表面硬度、衝撃割れ、コストのいずれにおいても優れており、少なくともいずれか一つで評価の低い比較例1〜9に較べて、高い評価を与えることができることがわかる。
また、実施例4〜6においては、表面硬度、表面凹み、コストのいずれにおいても優れており、少なくとも一つ以上で評価の低い比較例10〜16に較べて、きわめて実用的であることがわかる。
次に、各種の素材で構成された樹脂シートの表面に上記と同じハードコート層を付け、その表面に4Hの鉛筆を荷重500gで当てて表面凹みの有無を調べた。その結果を図6及び図7に示す。図6はハードコート層の厚みを20μmとした場合、図7はハードコート層の厚みを5μmとした場合を示す。そして、上記の試験結果を、厚みと降伏応力の関係を示すグラフ上に表してある。ここで、◎は表面凹みが全く見られない場合、○は多少の凹みが見られるが実質的に問題がない場合、△は表面の凹みが残留する場合を示している。
表面凹みは、外部応力に基づいて樹脂シートに加わった応力が樹脂シートの降伏応力を超えた場合に生ずるものと考えられることから、樹脂シートの厚みが大きくなるほど表面凹みは発生しにくくなり、また、樹脂シートを構成する素材の降伏応力が大きくなるほど表面凹みが発生しにくくなる。上記結果に基づいて、表面凹みの発生しない樹脂シートの厚みy[μm]と降伏応力x[MPa]の関係を求めると、ハードコート層が20μmの場合には、y≧−69.521・ln[x]+394.64となり、ハードコート層が5μmの場合にはy≧−69.521・ln[x]+474.64となった。ここで、ln[x]はxの自然対数を示す。また、これらの式の切片zは、ハードコート層の厚みdを変えることによって、図8に示すように、z=−5.3333d+501.31(ただし、1≦d≦30)となることが判明した。
したがって、表面凹みをなくすためには、一般的に、樹脂シート素材の降伏応力x及びハードコート層の厚みdに応じて、樹脂シートの厚みyを、y≧−69.521・ln[x]+z、z=−5.3333d+501.31(ただし、1≦d≦30)を満たす範囲とすればよいことがわかる。
すなわち、上記の式は、樹脂シートの厚みyが、その素材の降伏応力に対応する項と、ハードコート層の厚みdに対応する項との和によって定まる所定の厚みを超えれば、表面凹みが生じにくくなることを示している。したがって、単一の樹脂シートの代わりに、上記実施形態のように第1樹脂シート131と第2樹脂シート133とを接着層134を介して接着した積層体を用いる場合でも、接着層134が充分に薄く、第1樹脂シート131と第2樹脂シート133とが外部応力を一体的に受ける状態とみなすことができる状態であれば、両シートのそれぞれの素材の降伏応力に基づく項の寄与を、厚みの比に対応する重み付けで加算する以下の式によって定まる範囲で表面凹みが生じにくくなる。
y1+y2≧−69.521(y1・ln[x1]+y2・ln[x2])/(y1+y2)+z、z=−5.3333d+501.31(ただし、1≦d≦30)
ここで、第1樹脂シート131の厚みをy1、第1樹脂シート131の降伏応力をx1、第2樹脂シート133の厚みをy2、第2樹脂シート133の降伏応力をx2としてある。
以上のように、本実施形態では、視認側表面上にハードコート層を備えた第1樹脂シートと、第2樹脂シートとを接着層を介して貼り合わせることによって、表面硬度の向上、表面凹みの防止、衝撃割れの防止、コストの低減といった各観点をバランスよく実現することができるため、実用的な透明保護体を構成することができる。したがって、液晶表示パネル110を保護することができるとともに、透明保護体の表面自体に傷が付きにくく、また、凹みも生じにくいため、表示品位や外観にも影響を与えにくい高品位の装置を低コストで提供することができる。
最後に、図9を参照して、上記電気光学装置100を搭載した電子機器の例について説明する。図9は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機300は、複数の操作ボタン301a,301b及び送話口などを備えた操作部301と、表示画面302aや受話口などを備えた表示部302とを有し、表示部302の内部に上記の電気光学装置100が組み込まれてなる。そして表示部302の表示画面302aにおいて電気光学装置100により形成された表示画像を視認することができるようになっている。この場合、携帯電話機300の内部には、上記電気光学装置100を制御する表示制御回路が設けられる。この表示制御回路は、電気光学装置100に対して映像信号その他の入力データや所定の制御信号を送り、その動作態様を決定するように構成されている。
上記の電子機器300においては、表示画面302aに上記の透明保護体130,130′が露出して外面を構成していること、すなわち、ハードコート層132が表示画面302aの表面そのものであることが好ましい。このようにすると、本願実施形態の透明保護体の効果を発揮することができるとともに電子機器の薄型化を図ることが可能になる。
尚、本発明の電気光学装置及び電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本発明は電気光学パネル上に透明保護体を配置するものであれば、電気光学装置を如何なる態様で設置する場合にも適用できるものであり、図1又は図2に示すような筐体に対する電気光学装置の固定態様に限定されるものではない。
第1実施形態の電気光学装置を電子機器の筐体内に設置した様子を示す概略縦断面図。 第2実施形態の電気光学装置を電子機器の筐体内に設置した様子を示す概略縦断面図。 異なる透明保護体の構成を示す拡大部分縦断面図。 別の透明保護体の構成を示す拡大部分縦断面図。 さらに別の透明保護体の構成を示す拡大部分縦断面図。 20μmの厚みのハードコート層を備えた樹脂シートの厚みと降伏応力との関係を表面凹みの検査結果とともに示すグラフ。 5μmの厚みのハードコート層を備えた樹脂シートの厚みと降伏応力との関係を表面凹みの検査結果とともに示すグラフ。 ハードコート層の厚みと、図6及び図7に示す式の切片との関係を示すグラフ。 電子機器の一例を示す概略斜視図。
符号の説明
100…電気光学装置(液晶表示装置)、110…電気光学パネル(液晶表示パネル)、120…照明装置(バックライト)、130…透明保護体、131…第1樹脂シート、132…ハードコート層、133、133′…第2樹脂シート、134…接着層、134′…接着シート、135…第3層、1…筐体、2…基板、3…窓材

Claims (9)

  1. 電気光学パネルと、該電気光学パネルの視認側表面上に配置された透明保護体とを有する電気光学装置において、
    前記透明保護体は、視認側表面上にハードコート層を備えた第1樹脂シートと、該第1樹脂シートの前記電気光学パネル側に配置された第2樹脂シートと、前記第1樹脂シートと前記第2樹脂シートとを接着する接着層とを有し、
    前記第1樹脂シートの降伏応力をx1[MPa]、前記第1樹脂シートの厚みをy1[μm]、前記第2樹脂シートの降伏応力をx2[MPa]、前記第2樹脂シートの厚みをy2[μm]、ハードコート層の厚みをd[μm]としたとき、y1+y2≧−69.52(y1・ln[x1]+y2・ln[x2])/(y1+y2)+z、z=−5.3333d+501.31(ただし、1≦d≦30)が成立することを特徴とする電気光学装置。
  2. 電気光学パネルと、該電気光学パネルの視認側表面上に配置された透明保護体とを有する電気光学装置において、
    前記透明保護体は、視認側表面上にハードコート層を備えた第1樹脂シートと、該第1樹脂シートの前記電気光学パネル側に配置された第2樹脂シートと、前記第1樹脂シートと前記第2樹脂シートとを接着する接着層とを有し、
    前記接着層は0.1〜10μmの範囲内の厚みを有する接着剤で構成されることを特徴とする電気光学装置。
  3. 前記第1樹脂シートがトリアセチルセルロースで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記第2樹脂シートがトリアセチルセルロースで構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記接着層の代わりに、接着基材フィルムの表裏両面上にそれぞれ0.1〜10μmの範囲内の厚みを有する接着層を備えた接着シートを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記第2樹脂シートの前記電気光学パネル側に配置され、前記第1樹脂シート及び前記第2樹脂シートより周波数1〜10Hz域の動的弾性率が小さい第3層をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 周波数1〜10Hz域において、前記第1樹脂シート及び前記第2樹脂シートの動的弾性率が1.0〜15.0GPaの範囲内であり、前記第3層の動的弾性率が0.01MPa〜0.1GPaの範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
  8. 前記透明保護体の表面は鉛筆硬度3H〜5Hの硬度を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置を格納する筐体を有し、
    前記筐体は前記電気光学装置の前記ハードコート層を露出する窓部を有することを特徴とする電子機器。
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