JP2020011243A - 中空金属製品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性に優れ、深孔を備える中空金属製品を安価に製造可能な製造方法を提供する。【解決手段】素材を鍛造し、軸部及び下穴を備える膨出部を形成する前工程(ステップS−1〜S−3)と、前工程(ステップS−1〜S−3)で得られる部材を鍛造型にセットし、膨出部を非拘束状態としてポンチで下穴を軸部の軸心方向に押し出し、中空軸を形成する熱間後方押出し工程(ステップS−4)と、熱間後方押出し工程(ステップS−4)で得られる部材を鍛造型にセットし、ポンチにより中空軸の底部のバリを除去するトリム工程(ステップS−5)と、を含み、熱間後方押出し工程(ステップS−4)及びトリム工程(ステップS−5)において、ポンチをガイドするガイド孔を備えるストリッパーガイドを用い、ポンチの芯振れを許容範囲内に収め、中空軸の仕上げ工程を省略する。【選択図】図1

Description

本発明は、熱間鍛造を用いた中空金属製品の製造方法及び製造装置に関する。
スリーブヨークのような一端に拡大部のある中空金属製品を、熱間鍛造により製造する方法が知られている。中空金属製品を熱間鍛造により製造する場合、軸部の伸長には前方押出し方式、後方押出し方式のいずれも採用されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1に記載の中空金属製品の製造方法は、軸部の伸長に後方押出し方法を採用すると拡大部の形状維持が困難であるとし前方押出し方式を採用し、保持ガイドを使用することで穴あけポンチの横ぶれを防ぎ、さらにバックアップ圧力の負荷によりくびれや変形を防ぐことでドリルによる切削加工することなくピアシング成形を行っている。
一方、特許文献2に記載の中空金属製品の製造方法は、軸部の伸長に前方押出し方法を採用するとくびれやちぎれが生ずることがあるとし後方押出しを採用し、予めヨーク部の形状を仕上形状にまで加工しておき、仕上鍛造工程においては、深孔の底部にまで達しない短い仕上ポンチを用いることでいわゆるチョコ停を解消する。
特開平6−328179号公報 特開平11−5137号公報
中空金属製品の生産性を高めるには、工程数が少なく迅速に製造できることが重要である。また生産性を高めるには、工具の寿命も重要である。工具が短期間内に摩耗すると、装置の稼働時間が短くなり生産性が低下する。さらに工具が摩耗すると加工精度が低下するため、余分な後処理が必要となり生産性が低下する。ポンチによる穴あけ加工は、ドリルによる切削加工に比較して迅速に穴あけ加工ができる一方で、ポンチの破損、摩耗等による寿命低下及び加工精度の低下が懸念される。
特に深孔をポンチで穴あけ加工する場合には、ポンチ自体の長さが長くなるので破損、摩耗し易くなる。熱間鍛造において押込み長さ/孔径が2を超えると、ポンチの温度上昇が大きくなり寿命が低下するとの指摘もある。深い孔をポンチで穴あけ加工する場合、複数回に分けて穴あけを行うことでポンチの破損、摩耗等を抑制する方法もあるが、この方法では工程数が多くなり、さらに穴が真直ぐにならないため別途、仕上げ工程が必要となるという問題がある。
以上のように従来の熱間鍛造を用いポンチによる穴あけ加工を行い中空金属製品を製造する方法においては、生産性を高めるための改善が必要であり、特に深孔を備える中空金属製品の場合には、一層の改善が必要である。
本発明の目的は、生産性に優れ、深孔を備える中空金属製品を安価に製造可能な製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明は、中空軸の一端部に膨出部を備える熱間鍛造を用いた中空金属製品の製造方法であって、素材を鍛造し、軸部及び下穴を備える前記膨出部を形成する前工程と、前記前工程で得られる部材を鍛造型にセットし、前記膨出部を非拘束状態としてポンチで前記下穴を前記軸部の軸心方向に押し出し、中空軸を形成する熱間後方押出し工程と、前記熱間後方押出し工程で得られる部材を鍛造型にセットし、ポンチにより前記中空軸の底部のバリを除去するトリム工程と、を含み、前記熱間後方押出し工程及び前記トリム工程において、前記ポンチをガイドするガイド孔を備えるストリッパーガイドを用い、前記ポンチの芯振れを許容範囲内に収め、前記中空軸の仕上げ工程を省略したことを特徴とする中空金属製品の製造方法である。
本発明の中空金属製品の製造方法において、前記中空金属製品は、前記中空軸の内径Dが10〜60mmであり、中空軸の長さLと中空軸の内径Dとの比L/Dが2〜10であり、前記熱間後方押出し工程における突き量Hと突き径Dとの比H/Dが1〜5であることを特徴とする。
本発明は、熱間後方押出しにより中空軸を加工可能な中空金属製品の製造装置であって、上型と下型とを含む鍛造型と、軸部と軸部の外径よりも大きい外径の先端部とを備え、前記軸部と前記先端部とが着脱可能に構成されたポンチと、前記上型に取付けられ前記ポンチの芯振れを許容範囲内に収めるストリッパーガイドと、前記ポンチの先端部に離型剤を噴霧する離型剤噴霧手段と、を備え、前記ストリッパーガイドは、前記ポンチの軸部が挿通するガイド孔を備え、前記ガイド孔の内径は、前記ポンチの先端部の外径よりも小さく、前記ポンチは、前記上型に取付けられ、前記軸部が前記ガイド孔に挿通され使用されることを特徴とする中空金属製品の製造装置である。
本発明の中空金属製品の製造装置において、前記ポンチの先端部は、軸部に比べて硬度が高い材質からなることを特徴とする。
本発明の中空金属製品の製造装置において、前記離型剤噴霧手段は、前記上型に取付けられた前記ポンチに対して、下方に位置し前記ポンチの先端部に上向きに離型剤を噴霧する第1噴霧手段と、前記ストリッパーガイドに設けられ前記ポンチの先端部に下向きに離型剤を噴霧する第2噴霧手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば生産性に優れ、深孔を備える中空金属製品を安価に製造可能な製造方法及び製造装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法の工程を示す図である。 本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法の前工程を説明するための図である。 本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法の熱間後方押出し工程を説明するための図である。 本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法のトリム工程を説明するための図である。 本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法により製造される中空金属製品の一例である。 本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法を実施可能な製造装置1の要部構成図である。
図1は、本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法の工程を示す図であり、図2は、本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法の前工程を、図3及び図4は、本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法の熱間後方押出し工程及びトリム工程を説明するための図である。図5は、本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法により製造される中空金属製品の一例であり、図6は、本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法を実施可能な製造装置1の要部構成図である。
本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法は、中空軸の一端部に膨出部を備える中空金属製品の製造方法であって、素材を鍛造し、軸部及び下穴を備える膨出部を形成する前工程と、前工程で得られる部材を熱間後方押出しにより中空軸を形成する熱間後方押出し工程と、熱間後方押出し工程で得られる部材のバリを除去するトリム工程とを含む。
本発明の中空金属製品の製造方法は、中空軸の一端部に膨出部を備える幅広い中空金属製品の製造に適用可能であり、中空金属製品としては、例えば図5に示すピニオンギア100が挙げられる。ここで膨出部は拡大部と言い換えてもよい。中空金属製品の寸法は、特に限定されるものではないが、深孔を備える中空金属製品の製造に好適に使用することができる。材料は、特に限定されるものではなく炭素鋼を使用することができる。
例えば図5に示す中空金属製品100において、中空軸101の内径Dが小さく、中空軸100の長さLが長いものは、従来、鍛造のみで製造することはできず、鍛造後にドリルによる仕上げ工程が必要であったが、本発明の中空金属製品の製造方法を用いることでDが10〜60mm、L/Dが2〜10である中空軸を備える中空金属製品を熱間鍛造のみで製造することができる。
以下、図5に示す中空軸101の一端部に膨出部102を備える中空金属製品100の製造を例として、本実施形態の中空金属製品(以下、製品と記す)の製造方法を詳細に説明する。前工程は、図1及び図2に示すように据込工程(ステップS−1)、荒地工程(ステップS−2)、外形仕上工程(ステップS−3)で構成され、素材105を熱間鍛造し、軸部112及び下穴103を備える膨出部102を形成し、中間部材111を製造する。前工程の各工程は、公知の方法を適用可能であり、前方押出しによる熱間鍛造を用いることができる。
荒地工程(ステップS−2)では密閉鍛造により荒地材106を製造し、外形仕上工程(ステップS−3)では密閉鍛造により製品100の膨出部102であるB部、軸部112であるC〜E部、さらにB部の上部に位置するA部が成形され、中間部材111が得られる(図2(C)参照)。製品100の膨出部102は、後の工程では成形することができないので外形仕上工程で成形される。
また外形仕上工程では、中空軸101を形成するための所定の深さの下穴103が設けられる(図2(C)参照)。ここで所定の深さの下穴103とは、中間部材111を次の熱間後方押出し工程(ステップS−4)で使用する下型31のキャビティ37に嵌め込んだとき、下穴103の底104が下型の上面36よりも下に位置するものである(図3参照)。
熱間後方押出し工程(ステップS−4)は、鍛造装置1を用いて前工程で得られた中間部材111に中空軸101を形成する工程であり、中空軸形成工程あるいは中空軸加工工程ということができる。鍛造装置1は、図3及び図6に示すように、上型21と下型31とを備える鍛造型11と、ポンチ41と、ストリッパーガイド51と、ポンチ41に離型剤を噴霧する離型剤噴霧手段61とを備える。
上型21は、No1上型22、No2上型23、No3上型24及びこれらを連結する枠25を含み、上からNo1上型22、No2上型23、No3上型24の順に配置される。No3上型24には、ポンチ41の頭部44が嵌り嵌り込む収容孔26が設けられている。下型31は、No1下型32、No2下型33、No3下型34を備え、上からNo3下型34、No2下型33、No1下型32の順に配置される。No1下型32、No2下型33及びNo3下型34で、中間部材111が嵌り込むキャビティ37が形成され、No3下型34の内壁38には、製品100の外観を形成する形状面39が設けられている。
ポンチ41は、軸部43の基端部に頭部44が設けられ、軸部43の先端に位置する先端部45が軸部43に対して着脱可能に構成される。本実施形態のポンチ41では、軸部43と先端部45とは着脱可能な構造により連結されている。ポンチ先端部45の外径d1は、ポンチ軸部43の外径d2に比較して僅かに大きくなっている。またポンチ先端部45は、軸部44に比較して硬度が高く、耐摩耗性に優れる。
ポンチ先端部45が摩耗すると穴の直進性が低下し、穴振れが発生し易くなるが、本実施形態のポンチ41では、先端部45に耐摩耗性に優れる材料を使用することで摩耗を抑制し、中空軸101の精度を高めている。耐摩耗性に優れる材料は、一般的に高価であるが、本実施形態のポンチ41は、先端部45のみに耐摩耗性に優れる材料を使用するのでポンチ41のコストを抑えることができる。また耐命数が少ないポンチ先端部45を取替え可能な構造とすることで交換時間を短縮することができる。
ストリッパーガイド51は、ポンチ41の芯振れを防止するためものであり、サポートピン55を介して上型21の下部に取付けられる。サポートピン55は、上型21に設けられた挿通孔に摺動可能に挿通され上下動が可能である。ストリッパーガイド51は、サポートピン55の下端に固定され、サポートピン55と一体となって上下動する。サポートピン55は、中空のパイプ状部材であり、離型剤Rの供給路としての機能も有する。
ストリッパーガイド51は、中央部にポンチ軸部43が摺動自在に挿通するガイド孔52が設けられている。上型21に取付けられたポンチ41は、軸部43をガイド孔52に挿通させる。ガイド孔52の内径d3は、ポンチ先端部45の外径d1よりも小さくなっており、ポンチ先端部45は、ガイド孔52を通過することはできない。ポンチ41は、長くなるほど芯ずれを起こし易い。芯ずれを起こしたポンチは破損し易いが、本製造装置1ではストリッパーガイド51が、ポンチ41の芯振れ・芯ずれを防ぐのでポンチを長時間使用することができる。
上記ストリッパーガイド51とポンチ41とにおいて、ポンチ先端部45が軸部43と一体化されていると、ストリッパーガイド51に対するポンチ41の取付け、あるいは摩耗した際のポンチ41の交換が難しくなるが、本実施形態のポンチ41は、ポンチ先端部45が軸部43に対して着脱可能なためストリッパーガイド51に対するポンチ41の取付け、交換が容易である。
またストリッパーガイド51の底部には、最も上に位置するNo3下型34の上部に設けられた凸部35に嵌合する凹部54が設けられている。ストリッパーガイド51は、プレス機(図示省略)と連結し、プレス機が下死点となったとき凹部54がNo3下型34の凸部35に嵌り込む。これにより下型31に対するポンチ41の位置決め、位置ずれが防止される。
離型剤噴霧手段61は、上型21に取付けられたポンチ41に対して離型剤Rを噴霧するものであり、離型剤Rを噴霧する第1噴霧手段62及び第2噴霧手段65からなる。第1噴霧手段62は、ポンチ41の下方に位置する噴霧ノズル63を備え、ポンチ先端部45に上向きに離型剤Rを噴霧する。噴霧ノズル63は、移動式であり、プレス機(図示省略)が上死点に達し上型21が最も上昇したときに離型剤Rを噴霧する。
第2噴霧手段65は、ストリッパーガイド51に設けられた噴霧ノズル66からポンチ先端部45に対して下向きに離型剤Rを噴霧する。噴霧ノズル66は、ストリッパーガイド51に斜め下向きに形成され、ストリッパーガイド51内に穿設された離型剤供給路68と繋がる。離型剤供給路68は、サポートピン55と連通し、サポートピン55を介して離型剤Rが供給される。
第2噴霧手段65も第1噴霧手段62と同様に、上型21が最も上昇したときにポンチ先端部45に離型剤Rを噴霧する。離型剤Rは、公知の離型剤を使用することができるが、高潤滑タイプのものが好ましい。なお離型剤Rは、潤滑剤とも呼ばれる。
ポンチは、熱を持ったままだと変形し易くなるため十分に冷却することが好ましい。離型剤Rを長時間にわたり噴霧すればポンチを十分に冷却することができるが生産性が低下する。本実施形態の製造装置1では、ポンチ先端部45に対して上下方向から離型剤Rを噴霧することで短時間内にポンチ41を十分に冷却する。これによりポンチ41の寿命が延び、また生産性が向上する。
本実施形態の製造装置1では、上型21の下方にストリッパーガイド51を備え、上型21が最も上昇したときに離型剤Rを噴霧するため、第1噴霧手段62から離型剤Rを噴霧したときストリッパーガイド51が邪魔となり、ポンチ先端部45に離型剤Rが十分に掛らない恐れがある。このため第1噴霧手段62の他に第2噴霧手段65を設けている。
第1噴霧手段62のみでポンチ41を十分に冷却することができれば、第2噴霧手段65を省略してもよいが、ポンチ先端部45の冷却速度、安全性を考えれば第2噴霧手段65を設けることが好ましい。第1噴霧手段62と第2噴霧手段65とを設ける場合、必ずしもそれぞれの噴霧手段から同量の離型剤Rを噴霧する必要はなく、第2噴霧手段65を補助的に使用してもよい。
熱間後方押出し工程(ステップS−4)における中空軸101の形成要領を説明する。前工程で得られた中間部材111は、軸部112を下にして下型31のキャビティ37に嵌め込まれる。キャビティ37に嵌め込まれた中間部材111のB部は、キャビティ37と僅か隙間を有している。またプレス機が下死点となったとき、中間部材111のA部上端とストリッパーガイド51との間には空間部があり、下型31のキャビティ37に嵌め込まれた中間部材111のうちA部及びB部は非拘束状態である。一方、下型31のキャビティ37に嵌め込まれた中間部材111のうちC部、D部及びE部は拘束状態にある。
下型31のキャビティ37に嵌め込まれた熱間状態の中間部材111の下穴103にポンチの先端部45を宛がい、下穴103を軸部112の軸心方向に押し出すと、軸部112に深孔が形成されるとともに中間部材111のA部及びB部がポンチ41の押し出し方向とは反対の上方に伸長する。このときポンチ41は、軸部43に比較して先端部45の直径が大きいので、ポンチ軸部43への製品の張り付きも少なく一工程で深孔の穴あけ加工が可能となる。
また熱間後方押出し工程では、中間部材111のうちA部及びB部が非拘束状態で中空軸101を加工するため、ポンチ41への圧力は先端部45に集中する。これによりポンチ軸部43へ加わる圧力が小さく、深孔用の長いポンチ41であってもポンチの寿命を長く保つことができる。ポンチ先端部45は、圧力が集中するため摩耗し易いが、ポンチ先端部45には硬度が高く摩耗し難い材料が使用されているため寿命を延ばすことができる。摩耗した場合であってもポンチ先端部45は、軸部43に対して着脱可能なため交換も容易である。
熱間後方押出し工程では、ポンチの軸部43がストリッパーガイド51のガイド孔52にガイドされ、ポンチ41の芯振れが許容範囲内に抑えられているので一工程で深孔の穴抜き加工を行うことができる。このようにして形成された中空軸101は、後に中空軸101の矯正・サイジング等の仕上げを行う必要はない。ポンチ41の芯振れの許容範囲は、中空軸101に要求される寸法誤差範囲内である。
トリム工程(ステップS−5)は、鍛造装置2を用いて熱間後方押出し工程(ステップS−4)で得られる部材の中空軸101の底部に残るバリ取りを行う。トリム工程で使用する鍛造装置2は、図4に示すように熱間後方押出し工程で使用する鍛造装置1と比較して下型及びポンチの形状が異なるものの、他の構成は鍛造装置1と同じである。トリム工程で使用する鍛造装置2のうち鍛造装置1と同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
トリム工程(ステップS−5)では、中空軸101の底部に位置するNo1下型に、中心部に孔が穿設されたダイ40を、またポンチ42に熱間後方押出し工程で使用するポンチ41に比較して全長の長いポンチを使用する。ここで使用するポンチ42も先端部45が軸部43に対して着脱可能に構成され、熱間後方押出し工程と同様に、ポンチ42の軸部43をストリッパーガイド51のガイド孔52に挿通して使用する。よってポンチ42の芯振れが防止され、中空軸101の底部のバリ113をきれいに、また確実に取り除くことができる。
以上のように本発明の中空金属製品の製造方法は、熱間鍛造のみで中空金属製品を製造可能なため生産性に優れる。また工具の寿命を延ばすことが可能なため製造装置の稼働時間が長くなり生産性が高まる。また本発明の中空金属製品の製造方法により得られる中空軸を備える中空金属製品は、後述の実施例に示すように寸法精度が高く、中空軸を加工後に中空軸の矯正・サイジング等の仕上げを行う必要がない。このため従来の方法に比べて大幅なコストダウンが図れ、特に深孔を有する中空部材の製造には好適である。
本発明に係る中空金属製品の製造方法及び製造装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変更して使用することができる。以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法及び製造装置1、2を使用し、素材に炭素鋼を用い、熱間鍛造のみで図5に示す中空金属製品100を製造した。中空金属製品100の代表寸法は、全長145mm、膨出部102の外径が68mm、軸部E部の外径が38mm、中空軸の内径Dが15mm、トリム径Dが14mmである。熱間後方押出し工程での突き径Dは15mm、突き量Hは70mmである。このとき中空軸の孔の振れ精度は、芯ずれで0.3mmであった。
同様に、本発明の第1実施形態の中空金属製品の製造方法及び製造装置1、2を使用し、素材に炭素鋼を用い、熱間鍛造のみで中空金属製品A〜Gを製造した。このときの突き量H、突き径D及びL/Dは、表1に示すように突き量Hが40〜100mm、突き径Dが15〜54mm、L/Dが0.83〜4.67であった。
Figure 2020011243
1、2 鍛造装置
11 鍛造型
21 上型
31 下型
41、42 ポンチ
43 軸部
45 先端部
51 ストリッパーガイド
52 ガイド孔
61 離型剤噴霧手段
62 第1噴霧手段
65 第2噴霧手段
100 中空金属製品,製品
101 中空軸
102 膨出部
103 下穴
104 下穴の底
111 中間部材
112 軸部
113 バリ
D 中空軸の内径,突き径
H 突き量
L 中空軸の長さ

Claims (5)

  1. 中空軸の一端部に膨出部を備える熱間鍛造を用いた中空金属製品の製造方法であって、
    素材を鍛造し、軸部及び下穴を備える前記膨出部を形成する前工程と、
    前記前工程で得られる部材を鍛造型にセットし、前記膨出部を非拘束状態としてポンチで前記下穴を前記軸部の軸心方向に押し出し、中空軸を形成する熱間後方押出し工程と、
    前記熱間後方押出し工程で得られる部材を鍛造型にセットし、ポンチにより前記中空軸の底部のバリを除去するトリム工程と、
    を含み、
    前記熱間後方押出し工程及び前記トリム工程において、前記ポンチをガイドするガイド孔を備えるストリッパーガイドを用い、前記ポンチの芯振れを許容範囲内に収め、
    前記中空軸の仕上げ工程を省略したことを特徴とする中空金属製品の製造方法。
  2. 前記中空金属製品は、前記中空軸の内径Dが10〜60mmであり、中空軸の長さLと中空軸の内径Dとの比L/Dが2〜10であり、
    前記熱間後方押出し工程における突き量Hと突き径Dとの比H/Dが1〜5であることを特徴とする請求項1に記載の中空金属製品の製造方法。
  3. 熱間後方押出しにより中空軸を加工可能な中空金属製品の製造装置であって、
    上型と下型とを含む鍛造型と、
    軸部と軸部の外径よりも大きい外径の先端部とを備え、前記軸部と前記先端部とが着脱可能に構成されたポンチと、
    前記上型に取付けられ前記ポンチの芯振れを許容範囲内に収めるストリッパーガイドと、
    前記ポンチの先端部に離型剤を噴霧する離型剤噴霧手段と、
    を備え、
    前記ストリッパーガイドは、前記ポンチの軸部が挿通するガイド孔を備え、
    前記ガイド孔の内径は、前記ポンチの先端部の外径よりも小さく、
    前記ポンチは、前記上型に取付けられ、前記軸部が前記ガイド孔に挿通され使用されることを特徴とする中空金属製品の製造装置。
  4. 前記ポンチの先端部は、軸部に比べて硬度が高い材質からなることを特徴とする請求項3に記載の中空金属製品の製造装置。
  5. 前記離型剤噴霧手段は、前記上型に取付けられた前記ポンチに対して、
    下方に位置し前記ポンチの先端部に上向きに離型剤を噴霧する第1噴霧手段と、
    前記ストリッパーガイドに設けられ前記ポンチの先端部に下向きに離型剤を噴霧する第2噴霧手段と、
    を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の中空金属製品の製造装置。
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