JP2020010085A - 信号伝達装置 - Google Patents

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昌彦 有村
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Abstract

【課題】多発送受信方式での信号遅延を低減する。【解決手段】信号伝達装置100は、入力信号Siの論理レベルに応じて送信パルス信号S11及びS12の一方に複数発のパルスを生成するパルス生成回路110と、入出力間を絶縁しつつ送信パルス信号S11及びS12をそれぞれ受信パルス信号S21及びS22として伝達する絶縁回路120と、受信パルス信号S21及びS22に重畳する同相ノイズをマスクしてクロック信号CLKH及びCLKLを生成するノイズキャンセル回路150と、クロック信号CLKH及びCLKLそれぞれのパルス数をカウントして受信パルス信号S30の論理レベルを切り替えるパルス受信回路130と、を有する。パルス受信回路130は、クロック信号CLKHに応じてクロック信号CLKLのパルス数をリセットし、クロック信号CLKLに応じてクロック信号CLKHのパルス数をリセットする。【選択図】図6

Description

本明細書中に開示されている発明は、信号伝達装置に関する。
従来、入出力間を電気的に絶縁しつつパルス信号を伝達する信号伝達装置は、様々なアプリケーション(電源装置やモータ駆動装置など)に用いられている。
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1〜特許文献4を挙げることができる。
特開2014−007502号公報 特開2018−014549号公報 特開2014−003515号公報 特開2010−010762号公報
しかしながら、従来の信号伝達装置では、多発送受信方式での信号遅延について、更なる改善の余地があった。
本明細書中に開示されている発明は、本願の発明者により見出された上記課題に鑑み、多発送受信方式での信号遅延を低減し得る信号伝達装置を提供することを目的とする。
そこで、本明細書中に開示されている信号伝達装置は、入力信号の論理レベルに応じて第1送信パルス信号及び第2送信パルス信号の一方に複数発のパルスを生成するパルス生成回路と、入出力間を絶縁しつつ前記第1送信パルス信号及び前記第2送信パルス信号をそれぞれ第1受信パルス信号及び第2受信パルス信号として伝達する絶縁回路と、前記第1受信パルス信号及び前記第2受信パルス信号に重畳する同相ノイズをマスクして第1クロック信号及び第2クロック信号を生成するノイズキャンセル回路と、前記第1クロック信号及び前記第2クロック信号それぞれのパルス数をカウントして受信パルス信号の論理レベルを切り替えるパルス受信回路を有し、前記パルス受信回路は、前記第1クロック信号に応じて前記第2クロック信号のパルス数をリセットし、前記第2クロック信号に応じて前記第1クロック信号のパルス数をリセットする構成(第1の構成)とされている。
なお、上記第1の構成から成る信号伝達装置において、前記パルス受信回路は、セット信号とリセット信号の入力を受け付けて前記受信パルス信号を出力するRSフリップフロップと;前記第1クロック信号のパルス数をカウントし、そのカウント値が所定値に達したときに前記セット信号を出力する一方、前記第2クロック信号にパルスが生成されたときにカウント値が初期値に戻される第1カウンタと;前記第2クロック信号のパルス数をカウントし、そのカウント値が所定値に達したときに前記リセット信号を出力する一方、前記第1クロック信号にパルスが生成されたときにカウント値が初期値に戻される第2カウンタと;を含む構成(第2の構成)にするとよい。
また、上記第1または第2の構成から成る信号伝達装置において、前記ノイズキャンセル回路は、前記第1受信パルス信号に応じて第1受信信号を生成する第1受信信号生成部と、前記第2受信パルス信号に応じて第2受信信号を生成する第2受信信号生成部と、前記第2受信パルス信号に応じて第1マスク信号を生成する第1マスク信号生成部と、前記第1受信パルス信号に応じて第2マスク信号を生成する第2マスク信号生成部と、前記第1受信信号と前記第1マスク信号とを論理演算して前記第1クロック信号を生成する第1論理ゲートと、前記第2受信信号と前記第2マスク信号とを論理演算して前記第2クロック信号を生成する第2論理ゲートと、を含む構成(第3の構成)にするとよい。
また、第3の構成から成る信号伝達装置において、前記第1受信信号生成部は、前記第1受信パルス信号にパルスが生成されたときに第1パルス幅を持つ前記第1受信信号を生成し、前記第2受信信号生成部は、前記第2受信パルス信号にパルスが生成されたときに前記第1パルス幅を持つ前記第2受信信号を生成し、前記第1マスク信号生成部は、前記第2受信パルス信号にパルスが生成されたときに前記第1パルス幅よりも大きい第2パルス幅を持つ前記第1マスク信号を生成し、前記第2マスク信号生成部は、前記第1受信パルス信号にパルスが生成されたときに前記第2パルス幅を持つ前記第2マスク信号を生成する構成(第4の構成)にするとよい。
また、本明細書中に開示されている信号伝達装置は、前記受信パルス信号に応じた出力信号を生成する出力駆動回路をさらに有する構成(第5の構成)にするとよい。
本明細書中に開示されている信号伝達装置であれば、多発送受信方式での信号遅延を低減することが可能となる。
信号伝達装置の第1実施形態を示す図 信号伝達装置の第2実施形態を示す図 ノイズキャンセル回路の基本動作を示すタイミングチャート 第2実施形態のパルス受信動作(ノイズなし)を示すタイミングチャート 第2実施形態のパルス受信動作(ノイズあり)を示すタイミングチャート 信号伝達装置の第3実施形態を示す図 第3実施形態のパルス受信動作(ノイズあり)を示すタイミングチャート
<信号伝達装置(第1実施形態)>
図1は、信号伝達装置の第1実施形態を示す図である。本実施形態の信号伝達装置100は、パルス生成回路110と、絶縁回路120と、パルス受信回路130と、出力駆動回路140と、を含む。
パルス生成回路110は、入力信号Siに応じた送信パルス信号S11及びS12を生成する。より具体的に述べると、パルス生成回路110は、入力信号Siがハイレベルである旨を通知するときには、送信パルス信号S11のパルス駆動(単発または複数発の送信パルス出力)を行い、入力信号Siがローレベルである旨を通知するときには、送信パルス信号S12のパルス駆動を行う。すなわち、パルス生成回路110は、入力信号Siの論理レベルに応じて、送信パルス信号S11及びS12の一方をパルス駆動する。
絶縁回路120は、トランスなどの絶縁素子121及び122を用いて入出力間を絶縁しつつ、送信パルス信号S11及びS12をそれぞれ受信パルス信号S21及びS22としてパルス受信回路130に伝達する。
パルス受信回路130は、受信パルス信号S21及びS22に応じた受信パルス信号S30を生成する。より具体的に述べると、パルス受信回路130は、受信パルス信号S21のパルス駆動を受けて受信パルス信号S30をハイレベルに立ち上げる一方、受信パルス信号S22のパルス駆動を受けて受信パルス信号S30をローレベルに立ち下げる。すなわち、パルス受信回路130は、入力信号Siの論理レベルに応じて受信パルス信号S30の論理レベルを切り替える。
出力駆動回路140は、パルス受信回路130から入力される受信パルス信号S30に応じて出力信号Soを生成する。より具体的に述べると、出力駆動回路140は、受信パルス信号S30がハイレベルであるときに出力信号Soをハイレベルとし、受信パルス信号S30がローレベルであるとき出力信号Soをローレベルとする。
<信号伝達装置(第2実施形態)>
図2は、信号伝達装置100の第2実施形態を示す図である。本実施形態の信号伝達装置100は、先出の第1実施形態(図1)をベースとしつつ、多発送受信方式の信号伝達を実現するための手段として、パルス生成回路110、絶縁回路120、及び、パルス受信回路130それぞれの回路構成が具体化されている。
また、本実施形態の信号伝達装置100には、絶縁回路120とパルス受信回路130との間にノイズキャンセル回路150が設けられている。なお、本図では、出力駆動回路140の描写を割愛したが、これを含むか否かについては任意である。以下では、それぞれの回路ブロックについて詳述する。
パルス生成回路110は、シュミットトリガ116と、入力ノイズマスク部117と、発振器118と、ドライバ119H及び119Lと、を含み、入力信号Siの論理レベルに応じて送信パルス信号S11及びS12の一方に複数発のパルスを生成する。
シュミットトリガ116は、入力信号Siに応じてその出力レベルが所定のヒステリシスを持って変動するバッファないしはインバータである。
入力ノイズマスク部117は、シュミットトリガ116を介して伝達される入力信号Siのノイズ成分をマスクする。なお、入力ノイズマスク部117としては、例えば、ローパスフィルタなどを好適に用いることができる。
発振器118は、入力ノイズマスク部117を介して伝達される入力信号Siの論理レベルに応じて、ドライバ119H及び119Lの一方に所定周波数の駆動パルス信号を出力する。より具体的に述べると、発振器118は、入力信号Siのハイレベル期間において、ドライバ119Hに所定周波数の駆動パルス信号を出力する一方、入力信号Siのローレベル期間において、ドライバ119Lに所定周波数の駆動パルス信号を出力する。
ドライバ119Hは、発振器118からの駆動パルス信号に応じて送信パルス信号S11(=出力パルス信号OUTH)のパルス駆動を行う。すなわち、入力信号Siがハイレベルであるときには、送信パルス信号S11に複数発のパルスが周期的に生成される。
ドライバ119Lは、発振器118からの駆動パルス信号に応じて送信パルス信号S12(=出力パルス信号OUTL)のパルス駆動を行う。すなわち、入力信号Siがローレベルであるときには、送信パルス信号S12に複数発のパルスが周期的に生成される。
絶縁回路120は、トランスなどの絶縁素子121及び122を用いて入出力間を絶縁しつつ、送信パルス信号S11及びS12をそれぞれ受信パルス信号S21及びS22としてノイズキャンセル回路150に伝達する。
ノイズキャンセル回路150は、絶縁素子121及び122から並列入力される受信パルス信号S21及びS22をそれぞれ入力信号INH及びINLとしており、それぞれに重畳する瞬時過渡同相ノイズ(いわゆるCMTI[common mode transient immunity]ノイズであり、以下では単に同相ノイズと略称する)をマスクしたクロック信号CLKH及びCLKL(=ノイズキャンセル済みの受信パルス信号に相当)を生成してパルス受信回路130に出力する。なお、ノイズキャンセル回路150は、その構成要素として、受信信号生成部151及び152と、マスク信号生成部153及び154と、NORゲート155及び156と、を含む。
受信信号生成部151は、入力信号INHに応じて受信信号RCVHを生成する。具体的に述べると、受信信号生成部151は、入力信号INHがハイレベルに立ち上がったときに、所定のパルス幅W1を持つ受信信号RCVHを生成する。なお、本実施形態において、受信信号RCVHは、入力信号INHの論理反転信号とされている。
受信信号生成部152は、入力信号INLに応じて受信信号RCVLを生成する。具体的に述べると、受信信号生成部152は、入力信号INLがハイレベルに立ち上がったときに、所定のパルス幅W1を持つ受信信号RCVLを生成する。なお、本実施形態において、受信信号RCVLは、入力信号INLの論理反転信号とされている。
上記した受信信号生成部151及び152での波形整形処理により、入力信号INH及びINLのパルス幅が非常に狭くても、パルス受信回路130でのパルス受信処理(=カウンタ132及び133でのパルスカウント、延いては、RSフリップフロップ131のセット/リセット)を確実に行うことが可能となる。
マスク信号生成部153は、入力信号INLに応じてマスク信号MSKHを生成する。具体的に述べると、マスク信号生成部153は、入力信号INLがハイレベルに立ち上がったときに、パルス幅W1よりも大きいパルス幅W2を持つマスク信号MSKHを生成する。
マスク信号生成部154は、入力信号INHに応じてマスク信号MSKLを生成する。具体的に述べると、マスク信号生成部154は、入力信号INHがハイレベルに立ち上がったときに、パルス幅W1よりも大きいパルス幅W2を持つマスク信号MSKLを生成する。
NORゲート155は、受信信号RCVHとマスク信号MSKHとの否定論理和演算を行うことによりクロック信号CLKHを生成する。従って、マスク信号MSKHがローレベルであるときには、受信信号RCVHの論理反転信号がクロック信号CLKHとして出力される。一方、マスク信号MSKHがハイレベルであるときには、受信信号RCVHの論理レベルに依ることなくクロック信号CLKHがローレベルに固定される。
NORゲート156は、受信信号RCVLとマスク信号MSKLとの否定論理和演算を行うことによりクロック信号CLKLを生成する。従って、マスク信号MSKLがローレベルであるときには、受信信号RCVLの論理反転信号がクロック信号CLKLとして出力される。一方、マスク信号MSKLがハイレベルであるときには、受信信号RCVLの論理レベルに依ることなくクロック信号CLKLがローレベルに固定される。
図3は、ノイズキャンセル回路150の基本動作を示すタイミングチャートであり、上から順に、入力信号INH及びINL(=受信パルス信号S21及びS22)、受信信号RCVH及びRCVL、マスク信号MSKH及びMSKL、並びに、クロック信号CLKH及びCLKL(=ノイズキャンセル済みの受信パルス信号)が描写されている。
時刻t31において、入力信号INHに正規パルス(=絶縁素子121から入力される正当なパルス)が立ち上がると、パルス幅W1を持つ受信信号RCVH(時刻t32〜t33)と、パルス幅W2を持つマスク信号MSKL(時刻t31〜t34)がそれぞれ生成される。一方、時刻t31では、入力信号INLにパルスが立ち上がっていないので、受信信号RCVLとマスク信号MSKHは、それぞれ、定常時の論理レベルに維持されたままとなる。
先にも述べたように、マスク信号MSKHがローレベルであるときには、受信信号RCVHの論理反転信号がクロック信号CLKHとして出力される。また、マスク信号MSKLがハイレベルであるときには、受信信号RCVLの論理レベルに依ることなくクロック信号CLKLがローレベルに固定される。なお、クロック信号CLKLは、元々ローレベルに維持されているべきなので、何ら不整合は生じない。
また、時刻t35において、入力信号INLに正規パルス(=絶縁素子122から入力される正当なパルス)が立ち上がると、パルス幅W1を持つ受信信号RCVL(時刻t36〜t37)と、パルス幅W2を持つマスク信号MSKH(時刻t35〜t38)がそれぞれ生成される。一方、時刻t35では、入力信号INHにパルスが立ち上がっていないので、受信信号RCVHとマスク信号MSKLは、それぞれ、定常時の論理レベルに維持されたままとなる。
先にも述べたように、マスク信号MSKLがローレベルであるときには、受信信号RCVLの論理反転信号がクロック信号CLKLとして出力される。また、マスク信号MSKHがハイレベルであるときには、受信信号RCVHの論理レベルに依ることなくクロック信号CLKHがローレベルに固定される。なお、クロック信号CLKHは、元々ローレベルに維持されているべきなので、何ら不整合は生じない。
続いて、入力信号INH及びINLの双方に同相ノイズが重畳した場合を考える。例えば、時刻t39において、入力信号INH及びINLの双方にノイズパルスが立ち上がった場合には、パルス幅W1を持つ受信信号RCVH及びRCVL(時刻t40〜t41)と、パルス幅W2を持つマスク信号MSKH及びMSKL(時刻t39〜t42)がそれぞれ生成される。
ここで、マスク信号MSKHがハイレベルであるときには、受信信号RCVHの論理レベルに依ることなく、クロック信号CLKHがローレベルに固定される。同様に、マスク信号MSKLがハイレベルであるときには、受信信号RCVLの論理レベルに依ることなく、クロック信号CLKLがローレベルに固定される。従って、入力信号INH及びINLの双方に重畳した同相ノイズを適切にキャンセルすることが可能となる。
なお、同相ノイズを確実にキャンセルするには、ノイズ重畳に起因する受信信号RCVH及びRCVLのパルス幅W1よりも、マスク信号MSKH及びMSKLのパルス幅W2の方が広く、かつ、パルス幅W2がパルス幅W1に対して完全にオーバーラップしていることが望ましい。
すなわち、本図で示したように、マスク信号MSKH及びMSKLがハイレベル(=マスク時の論理レベル)に立ち上がってから、受信信号RCVH及びRCVLがローレベル(=パルス生成時の論理レベル)に立ち下がり、かつ、受信信号RCVH及びRCVLがハイレベル(=定常時の論理レベル)に立ち上がってから、マスク信号MSKH及びMSKLがローレベル(=マスク解除時の論理レベル)に立ち下がるように、受信信号RCVH及びRCVL、並びに、マスク信号MSKH及びMSKLを生成することが望ましい。
なお、送信側のパルス生成回路110には、送信パルス信号S11及びS12の一方をパルス駆動してから、少なくともマスクキャンセル回路150のマスク時間(=マスク信号MSKH及びMSKLのパルス幅W2)が経過するまでの間、送信パルス信号S11及びS12の他方のパルス駆動を待機しなければならないという制約がある。
図2に戻り、信号伝達装置100各部の説明を続ける。パルス受信回路130は、RSフリップフロップ131と、カウンタ132及び133を含み、クロック信号CLKH及びCLKLそれぞれのパルス数をカウントして受信パルス信号S30(延いては出力信号So)の論理レベルを切り替える。
RSフリップフロップ131は、カウンタ132から入力されるセット信号Sと、カウンタ133から入力されるリセット信号Rの双方に基づいて、受信パルス信号S30の論理レベルを決定する。具体的に述べると、RSフリップフロップ131は、セット信号Sがハイレベルに立ち上がったときに、受信パルス信号S30をハイレベルにセットし、リセット信号Rがハイレベルに立ち上がったときに、受信パルス信号S30をローレベルにリセットする。
カウンタ132は、DフリップフロップDFF1及びDFF2とインバータINV1を含み、クロック信号CLKHのパルス数をカウントしてセット信号Sを生成する。
DフリップフロップDFF1及びDFF2それぞれのクロック端は、クロック信号CLKHの印加端に接続されている。DフリップフロップDFF1のデータ端(D)は、ハイレベル信号の印加端(=電源端)に接続されている。DフリップフロップDFF1の出力端(Q)は、DフリップフロップDFF2のデータ端(D)に接続されている。DフリップフロップDFF2の出力端(Q)は、セット信号Sの出力端として、RSフリップフロップ131のセット端(S)に接続されている。
また、DフリップフロップDFF1及びDFF2それぞれのリセット端は、リセット信号RSTHの印加端に接続されている。リセット信号RSTHは、マスク信号MSKHの論理反転信号であり、インバータINV1により生成される。
上記構成から成るカウンタ132は、クロック信号CLKHのパルス数が所定値(例えば2)に達したときにセット信号Sをハイレベルに立ち上げる。なお、上記の所定値は、Dフリップフロップの段数を変更することにより任意に設定することが可能である。
また、カウンタ132は、リセット信号RSTHがローレベルに立ち下がったときにリセットされて、そのカウント値CNTHが初期値(=0)に戻される。なお、先にも述べたように、リセット信号RSTHは、マスク信号MSKHの論理反転信号であり、入力信号INLに正当なパルスが生成されたときだけでなく、同相ノイズが重畳したときにもローレベルに立ち下がる。従って、カウンタ132は、入力信号Siのローレベル期間だけでなく、同相ノイズが重畳したときにもリセットされる。
カウンタ133は、DフリップフロップDFF3及びDFF4とインバータINV2を含み、クロック信号CLKLのパルス数をカウントしてリセット信号Rを生成する。
DフリップフロップDFF3及びDFF4それぞれのクロック端は、クロック信号CLKLの印加端に接続されている。DフリップフロップDFF3のデータ端(D)は、ハイレベル信号の印加端(=電源端)に接続されている。DフリップフロップDFF3の出力端(Q)は、DフリップフロップDFF4のデータ端(D)に接続されている。DフリップフロップDFF4の出力端(Q)は、リセット信号Rの出力端として、RSフリップフロップ131のリセット端(R)に接続されている。
また、DフリップフロップDFF3及びDFF4それぞれのリセット端は、リセット信号RSTLの印加端に接続されている。リセット信号RSTLは、マスク信号MSKLの論理反転信号であり、インバータINV2により生成される。
上記構成から成るカウンタ133は、クロック信号CLKLのパルス数が所定値(例えば2)に達したときに、リセット信号Rをハイレベルに立ち上げる。なお、上記の所定値は、Dフリップフロップの段数を変更することにより任意に設定することが可能である。
また、カウンタ133は、リセット信号RSTLがローレベルに立ち下がったときにリセットされて、そのカウント値CNTLが初期値(=0)に戻される。なお、先にも述べたように、リセット信号RSTLは、マスク信号MSKLの論理反転信号であり、入力信号INHに正当なパルスが生成されたときだけでなく、同相ノイズが重畳したときにもローレベルに立ち下がる。従って、カウンタ133は、入力信号Siのハイレベル期間だけでなく、同相ノイズが重畳したときにもリセットされる。
図4は、第2実施形態の信号伝達装置100(特にパルス受信回路130)におけるパルス受信動作(ノイズなし)を示したタイミングチャートであり、上から順に、入力信号Si、入力信号INH及びINL、クロック信号CLKH及びCLKL、リセット信号RSTH及びRSTL、カウント値CNTH及びCNTL、並びに、受信パルス信号S30(延いては出力信号So)が描写されている。
時刻t71において、入力信号Siがハイレベルに立ち上がると、送信遅延時間Tdの経過後、入力信号INHがパルス駆動される状態となる(時刻t72〜t76を参照)。
ここで、入力信号INHがハイレベルに立ち上がる毎に、クロック信号CLKHもハイレベルに立ち上がる。従って、カウント値CNTHは、初期値(=0)から1つずつインクリメントされていく。そして、CNTH=2となった時点で、受信パルス信号S30がハイレベルにセットされる。
また、クロック信号CLKHがハイレベルに立ち上がる毎に、リセット信号RSTLがローレベルに立ち下がる。従って、カウント値CNTLは、初期値(=0)に戻される。
時刻t77において、入力信号Siがローレベルに立ち下がると、送信遅延時間Tdの経過後、入力信号INLがパルス駆動される状態となる(時刻t78〜t82を参照)。
ここで、入力信号INLがハイレベルに立ち上がる毎に、クロック信号CLKLもハイレベルに立ち上がる。従って、カウント値CNTLは、初期値(=0)から1つずつインクリメントされていく。そして、CNTL=2となった時点で、受信パルス信号S30がローレベルにリセットされる。
また、クロック信号CLKLがハイレベルに立ち上がる毎に、リセット信号RSTHがローレベルに立ち下がる。従って、カウント値CNTHは、初期値(=0)に戻される。
なお、時刻t83以降についても、上記と同様のパルス受信動作が繰り返される。
このように、入力信号INH及びINL双方に同相ノイズが重畳しないときには、入力信号INH及びINLそれぞれに2発目のパルスが生成された時点で、受信パルス信号S30の論理レベルが切り替わる。
図5は、第2実施形態の信号伝達装置100(特にパルス受信回路130)におけるパルス受信動作(ノイズあり)を示したタイミングチャートであり、先の図4と同じく、上から順に、入力信号Si、入力信号INH及びINL、クロック信号CLKH及びCLKL、リセット信号RSTH及びRSTL、カウント値CNTH及びCNTL、並びに、受信パルス信号S30(延いては出力信号So)が描写されている。
本図では、時刻t7x(=時刻t71で入力信号Siがハイレベルに立ち上がった後、時刻t72で入力信号INHに1発目のパルスが生成されてから、時刻t73で入力信号INHに2発目のパルスが生成されるまでの間)において、入力信号INH及びINLの双方に同相ノイズが重畳している。
このとき、クロック信号CLKH及びCLKLについては、先述したノイズキャンセル回路150の働き(図3を参照)により、ノイズ起因の不必要なパルスがマスクされる。従って、カウント値CNTH及びCNTLの意図しないインクリメントは生じない。
一方、リセット信号RSTH及びRSTLは、マスク信号MSKH及びMSKLの論理反転信号であり、入力信号INH及びINLの双方に同相ノイズが重畳したときには、リセット信号RSTH及びRSTLにノイズ起因のパルスが生成される。従って、カウント値CNTH及びCNTLがいずれも初期値(=0)に戻される。
なお、カウント値CNTLは、時刻t7x以前に初期値(=0)に戻されているので、特段の影響はない。しかしながら、カウント値CNTHについては、そのインクリメントが最初からやり直しとなる。従って、受信パルス信号S30は、ノイズ起因のカウンタリセット後、入力信号INHに改めて2発のパルスが生成されるまで、すなわち、最初から数えて3発目のパルスが生成されるまで、ハイレベルに立ち上がらない。
このように、第2実施形態の信号伝達装置100では、同相ノイズの重畳により、信号遅延時間(=入力信号Siの論理レベルが切り替わってから出力信号Soの論理レベルが切り替わるまでの所要時間)が伸びてしまう。以下では、この点を改善した第3実施形態について提案する。
<信号伝達装置(第3実施形態)>
図6は、信号伝達装置100の第3実施形態を示す図である。本実施形態の信号伝達装置100は、先出の第2実施形態(図2)をベースとしつつ、リセット信号RSTHとして、マスク信号MSKHの論理反転信号ではなく、クロック信号CLKLの論理反転信号が用いられている。また、リセット信号RSTLとして、マスク信号MSKLの論理反転信号ではなく、クロック信号CLKHの論理反転信号が用いられている。
すなわち、クロック信号CLKLにパルスが生成されたときには、カウンタ132のカウント値CNTHが初期値(=0)に戻され、クロック信号CLKHにパルスが生成されたときには、カウンタ133のカウント値CNTLが初期値(=0)に戻される。
なお、先にも述べたように、入力信号INH及びINLの双方に同相ノイズが重畳しても、ノイズキャンセル回路150の働きにより、ノイズ起因のパルスがクロック信号CLKH及びCLKLに生成されることはない。
従って、カウンタ132は、入力信号Siのローレベル期間(=クロック信号CLKLに正当なパルスが生成される期間)にはリセットされるが、同相ノイズが重畳してもリセットされない。また、カウンタ133は、入力信号Siのハイレベル期間(=クロック信号CLKHに正当なパルスが生成される期間)にはリセットされるが、同相ノイズが重畳してもリセットされない。
図7は、第3実施形態の信号伝達装置100(特にパルス受信回路130)におけるパルス受信動作(ノイズあり)を示したタイミングチャートであり、先の図4や図5と同じく、上から順に、入力信号Si、入力信号INH及びINL、クロック信号CLKH及びCLKL、リセット信号RSTH及びRSTL、カウント値CNTH及びCNTL、並びに、受信パルス信号S30(延いては出力信号So)が描写されている。
なお、同相ノイズが重畳しないときのパルス受信動作については、先出の図4と何ら変わりがないので、重複した説明を割愛し、以下では、本図を参照しながら、同相ノイズが重畳したときのパルス受信動作について重点的な説明を行う。
本図では、先の図5と同じく、時刻t7x(=時刻t71で入力信号Siがハイレベルに立ち上がった後、時刻t72で入力信号INHに1発目のパルスが生成されてから、時刻t73で入力信号INHに2発目のパルスが生成されるまでの間)において、入力信号INH及びINLの双方に同相ノイズが重畳している。
このとき、クロック信号CLKH及びCLKLについては、先述したノイズキャンセル回路150の働き(図3を参照)により、ノイズ起因の不必要なパルスがマスクされる。従って、カウント値CNTH及びCNTLの意図しないインクリメントは生じない。
また、クロック信号CLKH及びCLKLにノイズ起因のパルスが生成されない以上、それらの論理反転信号であるリセット信号RSTH及びRSTLにもノイズ起因のパルスは生成されない。従って、同相ノイズの重畳により、カウント値CNTH及びCNTLが初期値(=0)に戻されることはなく、カウント値CNTHのインクリメントがそのまま継続される。その結果、受信パルス信号S30は、同相ノイズが重畳しない場合(図4)と同様、入力信号INHに2発目のパルスが生成された時点でハイレベルに立ち上がる。
このように、第3実施形態の信号伝達装置100であれば、多発送受信方式の入力信号INH及びINLに同相ノイズが重畳しても、信号遅延時間(=入力信号Siの論理レベルが切り替わってから出力信号Soの論理レベルが切り替わるまでの所要時間)が不必要に伸びなくなる。
<その他の変形例>
なお、本明細書中に開示されている信号伝達装置は、入出力間を電気的に絶縁しながら信号伝達を行う必要のあるアプリケーション全般(例えば、高電圧を取り扱う絶縁ゲートドライバ、モータドライバ、アイソレータ、若しくは、その他ICなど)に広く適用することが可能である。
また、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。例えば、バイポーラトランジスタとMOS電界効果トランジスタとの相互置換や、各種信号の論理レベル反転は任意である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本明細書中に開示されている発明は、入出力間を電気的に絶縁しながら信号伝達を行う必要のあるアプリケーション全般に利用することが可能である。
100 信号伝達装置
110 パルス生成回路
116 シュミットトリガ
117 入力ノイズマスク部
118 発振器
119H、119L ドライバ
120 絶縁回路
121、122 絶縁素子
130 パルス受信回路
131 RSフリップフロップ
132、133 カウンタ
140 出力駆動回路
150 ノイズキャンセル回路
151、152 受信信号生成部
153、154 マスク信号生成部
155、156 NORゲート
DFF1、DFF2、DFF3、DFF4 Dフリップフロップ
INV1、INV2 インバータ

Claims (5)

  1. 入力信号の論理レベルに応じて第1送信パルス信号及び第2送信パルス信号の一方に複数発のパルスを生成するパルス生成回路と、
    入出力間を絶縁しつつ前記第1送信パルス信号及び前記第2送信パルス信号をそれぞれ第1受信パルス信号及び第2受信パルス信号として伝達する絶縁回路と、
    前記第1受信パルス信号及び前記第2受信パルス信号に重畳する同相ノイズをマスクして第1クロック信号及び第2クロック信号を生成するノイズキャンセル回路と、
    前記第1クロック信号及び前記第2クロック信号それぞれのパルス数をカウントして受信パルス信号の論理レベルを切り替えるパルス受信回路と、
    を有し、
    前記パルス受信回路は、前記第1クロック信号に応じて前記第2クロック信号のパルス数をリセットし、前記第2クロック信号に応じて前記第1クロック信号のパルス数をリセットすることを特徴とする信号伝達装置。
  2. 前記パルス受信回路は、
    セット信号とリセット信号の入力を受け付けて前記受信パルス信号を出力するRSフリップフロップと;
    前記第1クロック信号のパルス数をカウントし、そのカウント値が所定値に達したときに前記セット信号を出力する一方、前記第2クロック信号にパルスが生成されたときにカウント値が初期値に戻される第1カウンタと;
    前記第2クロック信号のパルス数をカウントし、そのカウント値が所定値に達したときに前記リセット信号を出力する一方、前記第1クロック信号にパルスが生成されたときにカウント値が初期値に戻される第2カウンタと;
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の信号伝達装置。
  3. 前記ノイズキャンセル回路は、
    前記第1受信パルス信号に応じて第1受信信号を生成する第1受信信号生成部と、
    前記第2受信パルス信号に応じて第2受信信号を生成する第2受信信号生成部と、
    前記第2受信パルス信号に応じて第1マスク信号を生成する第1マスク信号生成部と、
    前記第1受信パルス信号に応じて第2マスク信号を生成する第2マスク信号生成部と、
    前記第1受信信号と前記第1マスク信号とを論理演算して前記第1クロック信号を生成する第1論理ゲートと、
    前記第2受信信号と前記第2マスク信号とを論理演算して前記第2クロック信号を生成する第2論理ゲートと、
    を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号伝達装置。
  4. 前記第1受信信号生成部は、前記第1受信パルス信号にパルスが生成されたときに第1パルス幅を持つ前記第1受信信号を生成し、
    前記第2受信信号生成部は、前記第2受信パルス信号にパルスが生成されたときに前記第1パルス幅を持つ前記第2受信信号を生成し、
    前記第1マスク信号生成部は、前記第2受信パルス信号にパルスが生成されたときに前記第1パルス幅よりも大きい第2パルス幅を持つ前記第1マスク信号を生成し、
    前記第2マスク信号生成部は、前記第1受信パルス信号にパルスが生成されたときに前記第2パルス幅を持つ前記第2マスク信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の信号伝達装置。
  5. 前記受信パルス信号に応じた出力信号を生成する出力駆動回路をさらに有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の信号伝達装置。
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