以下では、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1にかかる記録制御装置110を含む記録装置100の全体構成を示すブロック図である。記録装置100は、例えば車両に搭載されるドライブレコーダとして用いられる。記録装置100は、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行することによって動作するコンピュータ装置など、様々な形態の装置として実現可能である。記録装置100は、例えば、車両に後付けまたは可搬可能なドライブレコーダなど本実施の形態の機能を実現可能な記録装置、車両に予め装着されている単体または他の装置の機能として実現可能な記録装置などである。プロセッサは、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、もしくはCPU(Central Processing Unit)である
。メモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであって、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成されてもよい。プロセッサは、以降の図面を用いて説明される処理をコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
記録装置100は、記録制御装置110、カメラ120、マイクロフォン130、記録部140、センサ150、記憶部160、表示部170及びスピーカ180を備えている。記録制御装置110は、位置情報取得機器200と接続している。記録制御装置110と、カメラ120、マイクロフォン130、記録部140、センサ150、記憶部160、表示部170、スピーカ180及び位置情報取得機器200とは、所定のケーブル等を用いて直接接続されてもよく、車内ネットワークであるCAN(Controller Area Network)を介して接続されてもよい。
位置情報取得機器200は、記録装置100の現在の位置情報を定期的に取得し、記録制御装置11へ出力する外部機器である。位置情報取得機器200は、例えば、GPS(Global Positioning System)情報の取得機能を備えた装置であり、記録装置100及び位置情報取得機器200を搭載した車両のGPS情報を取得できる。尚、位置情報取得機器200は、例えば、車両に設けられたカーナビゲーションシステムに内蔵された構成を用いてもよい。
カメラ120は、車両外の周囲を撮影した映像データを生成する。例えば、カメラ120は、車両外の前方のみを撮影する1台のカメラであってもよく、車両外の前方及び後方を撮影する2台のカメラであってもよい。さらに、カメラ120は、車両外及び車両内を撮影する2台のカメラであってもよい。また、車両外および車両内を撮影するカメラは、周囲360度を撮影可能な全周カメラであってもよい。
マイクロフォン130は、車両内又は車両外の音声を収集して音声データを生成する。
記録部140は、少なくとも映像データを含む撮影ファイルを記録する。撮影ファイルには、音声データが含まれていてもよい。記録部140は、例えば、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、カード型メモリ等のハードウェアによって構成されている。記録部140は、通常記録部141と、イベント記録部142とを有している。通常記録部141及びイベント記録部142は、記録部140内にアドレスの異なるメモリ領域として構成されてもよく、異なるハードウェアとして構成されてもよい。また、記録部140内に記録された撮影データのヘッダやペイロード等に書き込まれた情報に基づく仮想アドレス又はフラグのことを、通常記録部141及びイベント記録部142と称してもよい。また、記録部140は、図示しない通信機能によって撮影データが送信される、外部の記録装置であってもよい。
センサ150は、例えば、加速度センサであり、車両の前後方向、左右方向又は上下方向の速度変化すなわち加速度を検知する。つまり、センサ150は、記録装置100を搭載した車両が事故を起こした場合又は事故に巻き込まれた場合に発生する衝撃等により発生する加速度を検知する。また、センサ150は、車両の速度を検知してもよい。そして、センサ150は、検知した情報を通知するための通知信号、又は、検知した情報が所定のイベントが発生したことを示すイベント検知信号等を記録制御装置110へ出力する。
記憶部160は、記録部140と同様の記憶装置である。尚、記憶部160は、記録制御装置110に内蔵されていてもよい。記憶部160は、少なくとも地図情報161を記憶する。地図情報161は、記録装置100を搭載した車両が走行する走行路に対応する地図情報を含むものである。そして、地図情報161は、走行路の変化点の位置を予め定義した情報を含むものとする。ここで、走行路の変化点とは、例えば、複数の道路が交差する地点である交差点、信号機が設置された地点、すなわち、一時停止義務がある地点、信号機がなくとも一時停止義務がある地点、他の道路との合流又は複数の道路への分岐等のT字路の地点等であるが、これらに限定されない。地図情報161は、記録制御装置110により読み出されて後述する変化点判定部115へ入力される。
表示部170は、記録部140に記録された映像データを再生するディスプレイである。スピーカ180は、記録部140に記録された音声データを再生する。スピーカ180は、図示しない音声増幅部や音声処理部を含み、スピーカ180と記載した場合であってもこれらを含む。
続いて、記録制御装置110の構成例について説明する。記録制御装置110は、撮影データ取得部111、バッファメモリ112、映像処理部113、イベント検出部114、変化点判定部115、記録制御部116及び再生制御部117を備える。記録制御装置110を構成する各構成要素は、例えば、メモリに格納されたソフトウェアである。また、記録制御装置110を構成する各構成要素は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。また、記録制御装置110を構成する各構成要素は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせであってもよい。
撮影データ取得部111は、カメラ120において生成された映像データ及びマイクロフォン130において生成された音声データを取得する。映像データ及び音声データを含むデータは、撮影データと称されてもよい。撮影データ取得部111は、映像データ取得部と、音声データ取得部とが含まれているということができる。この場合、映像データ取得部は、カメラ120により撮影された映像データを取得するということができる。そして、撮影データ取得部111は、カメラ120及びマイクロフォン130から撮影データを取得する。映像データは、例えば、H.264もしくはH.265等の方式を用いて生成される。また、音声データは、例えば、PCM(Pulse Code Modulation)方式等を用いて生成されてもよく、映像データ及び音声データを含んだ動画像データである撮影データは、MPEG(Moving Picture Experts Group)2−TS(Transport Stream)またはAVI(Audio Video Interleave)等を用いて生成されてもよい。撮影データ取得部111は、映像データ及び音声データを含む撮影データをバッファメモリ112へ出力する。
バッファメモリ112は、撮影データ取得部111が出力した撮影データを一時的に記憶する。バッファメモリ112は、記録制御装置110内に内蔵される内蔵メモリと称されてもよい。一時的に記憶するとは、例えば、バッファメモリ112が予め設定された期間を経過した撮影データを消去することであってもよい。又は、一時的に記憶するとは、撮影データ取得部111から出力されるデータを、バッファメモリ112内のデータに上書きして記憶することであってもよい。又は、一時的に記憶するとは、バッファメモリ112が、撮影データ取得部111から出力された撮影データを映像処理部113へ出力した場合に、出力した撮影データを消去することであってもよい。バッファメモリ112は、一時的に記憶した撮影データを映像処理部113へ出力する。
映像処理部113は、記録制御部116の指示を受け、バッファメモリ112が出力した撮影データを処理して撮影ファイルを生成し、記録部140へ出力する。すなわち、映像処理部113は、例えば、バッファメモリ112が出力した撮影データを処理し、予め設定された時間の撮影ファイルを生成してもよい。また、映像処理部113は、バッファメモリ112が出力した撮影データを処理し、予め設定された画角の撮影ファイルを生成してもよい。また、映像処理部113は、バッファメモリ112が出力した撮影データを処理し、予め設定された時間又は予め設定された画角の撮影データを生成し、ファイル名称等のヘッダ情報等を付加して、撮影ファイルを生成してもよい。さらに、映像処理部113は、バッファメモリ112が出力した撮影データを処理し、撮影データのノイズ除去や歪み補正等を行ってもよく、撮影データに時刻情報、車両の速度情報又は車両の位置情報などを表示した撮影データを生成してもよい。
イベント検出部114は、センサ150から出力された情報を用いてイベントの発生を検出する。例えば、加速度センサとして動作するセンサ150において検出した衝撃レベルが予め設定された値を超えている場合に、イベント検出部114は、急ブレーキ、危険運転又は交通事故等のイベントが発生したことを検出する。衝撃レベルが予め設定された値を超えるとは、加速度が予め設定された値を超えると言い換えられてもよい。つまり、イベント検出部114は、車両における予め定められたイベントの発生を検出するものである。そして、イベント検出部114は、イベントの発生を検出した場合、イベントが発生したことを示す情報であるイベント検出信号を記録制御部116へ出力する。イベントが発生したことを示す情報には、イベントが発生した時刻、つまり、イベントの発生が検出された時刻であるイベント検出時刻が含まれてもよい。尚、イベント検出時刻は、イベントの検出時点を特定する情報といえる。さらに、イベントが発生したことを示す情報には、イベントが発生した時刻から予め設定された期間を遡った時点から、イベントが発生した時刻までの加速度の値等が含まれてもよい。尚、イベント検出部114は、センサ150から上述したイベント検知信号を受け付けた場合、イベント検知信号に応じてイベントが発生したことを検出してもよい。
変化点判定部115は、車両の現在位置情報に基づき、車両が走行路の変化点を通過したか否かを判定する。具体的には、変化点判定部115は、位置情報取得機器200から出力された記録装置100の現在位置情報と地図情報161とを照合し、現在位置情報が地図情報161に定義された走行路の変化点の位置に該当するか否かを判定する。そして、現在位置情報が変化点の位置に該当すると判定された後、続いて取得された現在位置情報が走行路の変化点の位置から外れたと判定され場合に、変化点判定部115は、記録装置100を搭載した車両が、走行路の変化点を通過したと判定する。そして、変化点判定部115は、車両が走行路の変化点を通過したか否かの判定結果を示す変化点通過判定信号を記録制御部116へ出力する。
記録制御部116は、イベント検出部114からのイベント検出信号及び変化点判定部115からの変化点通過判定信号に応じて、映像処理部113に指示を送り、映像処理部113にバッファメモリ112内の撮影データの少なくとも一部の範囲を処理させて撮影ファイルを生成させる。そして、記録制御部116は、映像処理部113に指示を送り、生成した撮影ファイルを記録部140へ出力させる。
ここで、生成される撮影ファイルには、通常記録ファイルとイベント記録ファイルとがある。通常記録ファイルは、イベント検出部114においてイベントの発生が検出されていない間に生成される撮影ファイルである。ここで、通常記録ファイルは、最小時間Tmin以上、かつ、最大時間Tmax未満の期間の撮影データがファイル化されたものである。例えば、通常記録ファイルは、イベントの発生が検出されていない間に、車両が通過した変化点と変化点の間を期間とした撮影データについて生成される撮影ファイルである。また、通常記録ファイルは、イベントの発生が検出されていない間に、車両が変化点を通過する度に、生成される。また、通常記録ファイルは、イベントの発生が検出されず、かつ、変化点判定部115により最大時間Tmax以上変化点を通過していないと判定された場合、前回のファイル区切り点から最小時間Tminの期間ごとの撮影データについて生成される撮影ファイルである。
また、イベント記録ファイルは、イベント検出部114においてイベントの発生が検出された際に、イベント検出時点より前の所定期間である第1期間と、イベント検出時点より後の所定期間である第2期間とにおける撮影データがファイル化されたものである。ここで、第1期間は、少なくとも最小時間Tmin以上の期間である。
そのため、記録制御部116は、イベント検出信号及び変化点通過判定信号に応じて、映像処理部113に対して、通常記録ファイル又はイベント記録ファイルを生成させる。そして、記録制御部116は、映像処理部113に指示を送り、生成された通常記録ファイルを通常記録部141へ出力させる。また、記録制御部116は、映像処理部113に指示を送り、生成されたイベント記録ファイルをイベント記録部142へ出力させる。記録制御部116は、例えば、撮影ファイルを生成するためのヘッダ情報として、ファイル名称やファイル種別情報等を映像処理部113へ出力してもよい。また、記録制御部116は、撮影ファイルの開始時刻及び終了時刻を決定し、映像処理部113に出力してもよい。
また、記録制御部116は、イベント記録ファイルと通常記録ファイルとを区分して記録部140へ記録させるということもできる。イベント記録ファイルと通常記録ファイルとを区分して記録部140へ記録させるとは、記録制御部116が、イベント記録ファイルのヘッダもしくはペイロードにイベント記録ファイルであることを示すフラグ情報等を設定することであってもよい。また、記録制御部116は、通常記録ファイルのヘッダもしくはペイロードに通常記録ファイルであることを示すフラグ情報等を設定してもよく、フラグ情報を設定しなくてもよい。つまり、フラグ情報が設定されていない撮影データは、通常記録ファイルと認識されてもよい。これとは反対に、通常記録ファイルのヘッダもしくはペイロードに通常記録ファイルであることを示すフラグ情報が設定される場合、イベント記録ファイルにはフラグ情報が設定されなくてもよい。
また、記録制御部116は、イベント記録ファイルを上書き禁止のデータとして記録部140へ記録してもよい。例えば、記録制御部116は、データの上書きを禁止する記録部140内のメモリ領域のアドレスを指定して、イベント記録ファイルを記録部140へ記録してもよい。もしくは、記録制御部116は、イベント記録ファイルのヘッダもしくはペイロードに上書き禁止を示すフラグ情報等を設定してもよい。データの上書きを禁止する記録部140内のメモリ領域とイベント記録ファイルを記録する記録部140内のメモリ領域のアドレスとは一致していてもよく、いずれか一方のメモリ領域が、他方のメモリ領域に含まれていてもよい。
さらに、記録制御部116は、通常記録ファイルを上書き可能のデータとして記録部140へ記録してもよい。例えば、記録制御部116は、データの上書きを可能とする記録部140内のメモリ領域のアドレスを指定して、通常記録ファイルを記録部140へ記録してもよい。もしくは、記録制御部116は、通常記録ファイルのヘッダもしくはペイロードに上書き可能を示すフラグ情報等を設定してもよい。データの上書きを可能とする記録部140内のメモリ領域と通常記録ファイルを記録する記録部140内のメモリ領域のアドレスとは一致していてもよく、いずれか一方のメモリ領域が、他方のメモリ領域に含まれていてもよい。また、記録制御部116は、通常記録ファイルを上書き可能のデータとして記録部140へ記録するとともに、イベント記録データを図示しない通信機能を用いて外部の記録装置に送信してもよい。
また、記録制御部116は、イベント検出部114がイベントの発生を検出した場合に、イベントの検出時点から第1の時間(例えば、最小時間Tmin)以上前に通過した変化点の通過時点を開始時点とし、イベントの検出時点を終了時点として、この開始時点から終了時点までの期間を第1期間として決定し、決定された第1期間を含む映像データを上書き禁止にして記録部140に記録するものといえる。これにより、イベント発生時の映像データを記録する際に、イベント検出時点より前の固定期間だけを記録するだけでなく、固定期間以上前に通過した変化点の通過時点からの映像データをイベント記録ファイルに含めることができる。つまり、交差点の通過から比較的短い時間内にイベントが発生した場合には、その交差点の通過前後がイベント発生に起因する可能性が高いため、イベント記録ファイルには含まれる。一方で、イベント発生よりある程度以上前で、かつ、交差点等の通過前であれば、イベント発生の原因となる事象が含まれていない可能性が高い。そこで、本実施の形態では、イベント発生よりある程度以上前で、かつ、交差点等の通過後の時点を開始時点とし、開始時点からイベント発生時までを第1期間とし、イベント記録ファイルに少なくとも第1期間を含めるようにしたものである。そのため、交通事故等のきっかけとなる事象を適切に記録することができる。
特に、記録制御部116は、イベントの検出時点から第1の時間以上前に通過した変化点のうち、直近に通過した変化点における通過時点を、第1期間の開始時点とすることが望ましい。車両は、走行中に複数の変化点を通過することが多いため、イベント発生よりある程度以上前であることを前提とした上で、その中で最も近くに通過した変化点であれば、イベント発生との関係性が低いと考えられる。そのため、イベント発生に起因する事象を高い確率で含みつつ、イベント記録ファイルのサイズを抑制することができる。
また、記録制御部116は、第1期間が、第1の時間より長い第2の時間(例えば、最大時間Tmax)以上前である場合、イベントの検出時点から第1の時間以上かつ第2の時間未満の時点を第1期間の開始時点とする。これにより、イベント記録ファイルのサイズを適切なサイズに抑えることができる。
また、記録制御部116は、イベント検出部114がイベントの発生を検出した場合に、イベントの検出時点から所定時間経過するまでの期間を第2期間として決定し、第1期間に加えて、第2期間をさらに含めた映像データを上書き禁止にして記録部140に記録するとよい。これにより、事故等の発生直後の状況もイベント記録ファイルに含めることができ、事故原因の解析精度を向上できる。
さらに、記録制御部116は、車両が変化点を通過する度に、映像データの記録範囲が第1の時間以上となるように、映像データの境界となる境界時刻を決定する。そして、記録制御部116は、第1の時間より長い第3の時間(例えば、最大時間Tmax)以内にイベントの発生が検出されなかった場合に、直近の隣接した境界時刻の間の映像データを上書き可能なファイルとして記録部140に記録するとよい。これにより、変化点の通過を区切りとした通常記録ファイルを生成できる。そして、イベント検出時においても、第1期間の開始時点を、第1の時間以上前の境界時刻の中から容易に選択することができ、適切な第1期間を決定することができる。
再生制御部117は、記録部140に記録されている撮影データを取得し、取得した撮影データに基づく映像データを表示部170へ出力し、取得した撮影データに基づく音声データをスピーカ180等へ出力する。再生制御部117は、記録装置100を操作するユーザが入力した撮影ファイルの再生指示情報を受け取ると、記録部140内のメモリ領域から、ユーザが再生を希望する撮影ファイルを取得する。
続いて、図2のフローチャートを参照して本実施の形態1にかかる記録制御処理の流れを説明する。ここで、以降の説明において、「ファイル区切り点」とは、撮影ファイルにおける記録範囲の開始時刻又は終了時刻を示すものとする。つまり、ファイル区切り点は、上述した境界時刻の一例といえる。尚、ファイル区切り点は、時刻情報に限らず、映像データ内の画像フレームを特定するポインタ等であってもよい。また、記録装置100内のメモリは、現在のファイル区切り点の値、次のファイル区切り点の値、1以上の過去のファイル区切り点の値、経過時間TA、経過時間TB、第1期間の開始時点及び終了時点、並びに、第2期間の開始時点及び終了時点を保持する記憶領域を確保しているものとする。また、記録装置100内のメモリは、最小時間Tmin、最大時間Tmax、及び、第2期間の設定値が予め設定されているものとする。例えば、最小時間Tminは60秒、最大時間Tmaxは120秒、第2期間は60秒とするが、これらに限定されない。
まず、記録制御装置110は、記録制御処理の開始時に、開始時刻を現在のファイル区切り点に設定する(S101)。例えば、記録制御装置110は、内蔵するタイマ等から現在時刻を取得し、記録装置100内のメモリの現在のファイル区切り点に、取得した現在時刻を保存する。尚、記録制御処理の開始時とは、例えば、記録装置100の電源が投入された時やユーザの操作等により、記録装置100に対して記録制御処理の開始が指定された時である。そして、記録制御処理の開始時には、少なくとも、カメラ120及びマイクロフォン130が稼働を開始しているものとする。
記録制御装置110は、位置情報取得機器200から車両の現在位置情報を取得する(S102)。具体的には、記録制御装置110内の変化点判定部115は、位置情報取得機器200から出力される現在位置情報を受け付ける。また、変化点判定部115は、地図情報161を参照する。
次に、変化点判定部115は、現在位置情報及び地図情報161に基づいて、車両が変化点を通過したか否かを判定する。そして、変化点判定部115は、変化点通過判定信号を記録制御部116へ出力する。また、イベント検出部114は、センサ150から出力された情報に基づき、イベントの発生を検出し、イベント発生が検出された場合にイベント検出信号を記録制御部116へ出力する。
ここで、変化点通過判定信号が、車両が変化点を通過したことを示す場合(S103でYES)、かつ、イベント検出信号が出力されていない場合、記録制御部116は、変化点通過時処理を行う(S105)。変化点通過時処理の詳細については、図4を用いて後述する。
また、変化点通過判定信号が、車両が変化点を通過していないことを示す場合(S103でNO)、かつ、イベント検出信号が出力された場合(S104でYES)、記録制御部116は、イベント検出時処理を行う(S106)。イベント検出時処理の詳細については、図5を用いて後述する。
また、変化点通過判定信号が、車両が変化点を通過していないことを示す場合(S103でNO)、かつ、イベント検出信号が出力されていない場合(S104でNO)、記録制御部116は、通常記録処理を行う(S107)。通常記録処理の詳細については、図3を用いて後述する。
ステップS105、S106又はS107後、記録制御装置110は、記録を終了するか否かを判定する(S108)。例えば、記録装置100の電源が落とされた時やユーザの操作等により、記録装置100に対して記録制御処理の終了が指定された時には、記録制御装置110は、記録を終了する(S108でYES)。一方、記録を終了しない場合(S108でNO)、一定時間経過後に、ステップS102へ戻る。
図3は、本実施の形態1にかかる記録制御処理内の通常記録処理(S107)の流れを示すフローチャートである。また、適宜、図6の例を用いて通常記録処理を具体的に説明する。図6は、本実施の形態1にかかる通常記録ファイルの生成における位置、時刻及びファイルの関係を示す図である。
図6では、車両の走行に伴う走行路上の通過位置を、通過順に位置p0、p1、p2として示す。尚、位置p0〜p2は交差点等の走行路の変化点ではないものとする。そして、各位置を通過した時点において取得された現在時刻を、時刻t0、t1、t2として示す。尚、時刻t0〜t2のそれぞれは、車両が位置p0〜p2を通過した際に、カメラ120により撮影された映像データ内の1フレームの画像データの撮影時刻とも対応する。つまり、時刻t0〜t2は、走行路上で車両が位置p0〜p2を通過した通過時点であり、かつ、通過時点において撮影された映像データ内の画像データを特定する情報である。
そして、ここでは、記録制御処理は、位置p0において開始され、ステップS101により現在のファイル区切り点に時刻t0が設定されたものとする。その後、車両が走行した場合のステップS107の通常記録処理について説明する。まず、記録制御部116は、現在のファイル区切り点からの経過時間TAを算出する(S111)。例えば、記録制御部116は、現在時刻から現在のファイル区切り点に設定された境界時刻を減算して経過時間TAを算出する。そして、記録制御部116は、経過時間TAが最小時間Tmin未満か否かを判定する(S112)。例えば、車両が位置p1に至る前であれば、経過時間TAは最小時間Tmin未満となり(S112でYES)、通常記録処理を終了し、ステップS108へ進む。一方、車両が位置p1を通過していれば、経過時間TAは最小時間Tmin以上となり(S112でNO)、記録制御部116は、経過時間TAが最大時間Tmax未満か否かを判定する(S113)。このとき、車両が位置p1を通過後かつ位置p2に至る前であれば、経過時間TAが最大時間Tmax未満となり(S113でYES)通常記録処理を終了し、ステップS108へ進む。
また、車両が位置p2に至った場合、経過時間TAが最大時間Tmaxとなり(S113でNO)、記録制御部116は、現在のファイル区切り点である時刻t0から最小時間Tmin経過後の時刻t1を、次のファイル区切り点として設定する(S114)。そして、記録制御部116は、現在のファイル区切り点から次のファイル区切り点までの映像データを通常記録ファイルとして生成する(S115)。具体的には、記録制御部116は、時刻t0を開始時点、時刻t1を終了時点として決定し、開始時点と終了時点とを記録範囲とした指示を映像処理部113へ行い、バッファメモリ112内の映像データのうち指示した記録範囲のものを通常記録ファイルf0として生成させる。そして、記録制御部116は、通常記録ファイルf0を通常記録部141へ記録させるように、映像処理部113へ指示する。つまり、上書き可能な通常記録ファイルf0が通常記録部141に保存される。
その後、記録制御部116は、次のファイル区切り点の値を現在のファイル区切り点として設定する(S116)。具体的には、まず、前処理として、記録制御部116は、メモリ内の現在のファイル区切り点に設定された時刻t0を、過去のファイル区切り点の値に設定する。尚、過去のファイル区切り点が複数保持されている場合は、未設定の領域に設定する。また、複数の過去のファイル区切り点の全てに値が設定済みの場合、より古い時刻が設定された過去のファイル区切り点の値に上書きする。以後も同様である。そして、記録制御部116は、メモリ内の次のファイル区切り点に設定された時刻t2を、現在のファイル区切り点の値に設定し、次のファイル区切り点の値をクリアする。その後、通常記録処理を終了し、ステップS108へ進む。
尚、ステップS112の判定処理は、省略してもよい。または、ステップS112でNOの場合に、次のファイル区切り点が未設定の場合に限り、予めステップS114を実行してもよい。そして、その場合、ステップS113でNOの場合のステップS114は不要となる。
図4は、本実施の形態1にかかる記録制御処理内の変化点通過時処理の流れを示すフローチャートである。また、適宜、図7又は図8の例を用いて変化点通過時処理を具体的に説明する。図7は、本実施の形態1にかかる交差点通過時の通常記録ファイルの生成における位置、時刻及びファイルの関係を示す図である。
図7は、上述した図6の続きの例である。例えば、車両が位置p2を通過後に最小時間Tmin経過して位置p3に至り、通常記録ファイルf1が生成されたことを示す。その後、車両が交差点p4を通過したものとする。このとき、ステップS105の変化点通過時処理が実行される。尚、この時点では、現在のファイル区切り点には時刻t2が設定されていることとなる。
変化点通過時処理において、まず、記録制御部116は、現在のファイル区切り点からの経過時間TAを算出する(S121)。そして、記録制御部116は、経過時間TAが最小時間Tmin未満か否かを判定する(S122)。経過時間TAが最小時間Tmin未満である場合(S122でYES)、変化点通過時処理を終了し、ステップS108へ進む。一方、ここでは、車両が交差点p4を通過しており、現在時刻が時刻t4であるため、経過時間TAが最小時間Tmin以上である(S122でNO)。そこで、記録制御部116は、変化点である交差点p4の通過時刻である時刻t4を次のファイル区切り点として設定する(S123)。そして、記録制御部116は、現在のファイル区切り点から次のファイル区切り点までの映像データを通常記録ファイルとして生成する(S124)。具体的には、記録制御部116は、時刻t2を開始時点、時刻t4を終了時点として決定し、開始時点と終了時点とを記録範囲とした指示を映像処理部113へ行い、バッファメモリ112内の映像データのうち指示した記録範囲のものを通常記録ファイルf2として生成させる。そして、記録制御部116は、通常記録ファイルf2を通常記録部141へ記録させるように、映像処理部113へ指示する。つまり、上書き可能な通常記録ファイルf2が通常記録部141に保存される。ここで、通常記録ファイルf2は、開始時点が変化点以外であり、終了時点が変化点である例である。
その後、記録制御部116は、次のファイル区切り点の値を現在のファイル区切り点として設定する(S125)。具体的には、まず、前処理として、記録制御部116は、メモリ内の現在のファイル区切り点に設定された時刻t2を、過去のファイル区切り点の値に設定する。そして、記録制御部116は、メモリ内の次のファイル区切り点に設定された時刻t4を、現在のファイル区切り点の値に設定し、次のファイル区切り点の値をクリアする。その後、変化点通過時処理を終了し、ステップS108へ進む。
尚、図7では、車両が位置p2から交差点p4へ至るまでの経過時間TAが最大時間Tmax未満となっているが、仮に、交差点p4がより遠くにあり、交差点p4の通過時の経過時間TAが最大時間Tmaxを超える場合について補足する。この場合には、位置p3以降で交差点p4より手前の位置を通過し、経過時間TAが最大時間Tmaxを超えた段階で、時刻t2と時刻t3の間の通常記録ファイルが生成される。それに伴い、現在のファイル区切り点が時刻t2から時刻t3へ更新される。そのため、その後、交差点p4を通過した時点で経過時間TAを算出すると、やはり最大時間Tmax未満となる。そのため、通常記録ファイルの記録範囲は、最小時間Tmin以上かつ最大時間Tmax以内となる。これにより、各通常記録ファイルのサイズを一定範囲に抑制でき、イベント発生時以外であっても、記録の追跡が容易となる。
また、図8は、本実施の形態1にかかる交差点間の通常記録ファイルの生成における位置、時刻及びファイルの関係を示す図である。図8は、上述した図7の続きの例である。例えば、車両が交差点p4を通過後に最小時間Tmin経過して位置p5を通過し、通常記録処理において、現在のファイル区切り点である時刻t4から時刻t5までの経過時間TAが最小時間Tmin以上かつ最大時間Tmax未満となり、ステップS113でYESとなる。よって、この段階では、通常記録ファイルは生成されない。その後、車両が交差点p6を通過し、変化点通過時処理が実行され、通常記録ファイルf4が生成される。その後、車両が交差点p7を通過し、変化点通過時処理が実行されるが、時刻t6から時刻t7までの経過時間TAが最小時間Tmin未満であるため、ステップS122でYESとなる。よって、この段階では、通常記録ファイルは生成されない。その後、車両が位置p8を通過するが、上述した位置p5の通過時と同様に、通常記録ファイルは生成されない。その後、車両が交差点p9を通過し、変化点通過時処理が実行され、通常記録ファイルf6が生成される。ここで、通常記録ファイルf4及びf6は、開始時点及び終了時点が変化点、つまり、記録範囲が変化点の間である例である。
図5は、本実施の形態1にかかる記録制御処理内のイベント検出時処理の流れを示すフローチャートである。また、適宜、図9から図12の例を用いてイベント検出時処理を具体的に説明する。図9は、本実施の形態1にかかる交差点を開始時点とするイベントファイルの生成における位置、時刻及びファイルの関係を示す図である。
図9は、上述した図8の続きの例である。例えば、車両が交差点p9を通過後に交差点p10を通過し、通常記録ファイルf9が生成されたことを示す。その後、車両がイベント発生地点p11に至った際に、イベントが検出されたものとする。このとき、ステップS106のイベント検出時処理が実行される。尚、この時点では、現在のファイル区切り点には時刻t10が設定されていることとなる。
イベント検出時処理において、まず、記録制御部116は、現在のファイル区切り点からの経過時間TAを算出する(S131)。そして、記録制御部116は、経過時間TAが最小時間Tmin未満か否かを判定する(S132)。図9の場合、経過時間TAは、時刻t10からイベント検出時刻t11までの時間であるため、最小時間Tmin以上となり(S132でNO)、記録制御部116は、現在のファイル区切り点である時刻t10を第1期間の開始時点に設定する(S134)。併せて、記録制御部116は、イベント検出時刻t11を第2期間の開始時点に設定する。
そして、記録制御部116は、イベント検出時刻からの経過時間TBを算出する(S135)。イベント検出時刻は、センサ150においてイベントの発生が検出された際の現在時刻、又は、イベント検出部114においてイベントの発生が検出された際の現在時刻としてイベント検出信号に含まれている。または、イベント検出時刻は、記録制御部116がイベント検出信号を検出した際の現在時刻であってもよい。尚、図9の場合、イベント検出時刻をt11とする。
その後、記録制御部116は、経過時間TBが予め設定された第2期間の設定値を経過したか否かを判定する(S136)。経過時間TBが第2期間を経過していないと判定された場合(S136でNO)、所定時間待機後、再度、ステップS135を実行する。ステップS135において経過時間TBが第2期間を経過したと判定された場合(S136でYES)、記録制御部116は、現在時刻を第2期間の終了時点に設定する。例えば、車両が位置p12を通過した時、経過時間TBが第2期間を経過したと判定され、時刻t12が第2期間の終了時点として設定される。
そして、記録制御部116は、第1期間及び第2期間の映像データをイベント記録ファイルとして生成する(S137)。具体的には、記録制御部116は、第1期間の開始時点である時刻t10を記録範囲の開始時点、第2期間の終了時点である時刻t12を記録範囲の終了時点として決定し、決定した開始時点と終了時点とを記録範囲とした指示を映像処理部113へ行い、バッファメモリ112内の映像データのうち指示した記録範囲のものをイベント記録ファイルf10として生成させる。そして、記録制御部116は、イベント記録ファイルf10をイベント記録部142へ記録させるように、映像処理部113へ指示する。つまり、上書き禁止のイベント記録ファイルf10がイベント記録部142に保存される。ここで、イベント記録ファイルf10は、開始時点が変化点であるイベント記録ファイルの例である。
その後、記録制御部116は、第2期間の終了時点を現在のファイル区切り点として設定する(S138)。具体的には、まず、前処理として、記録制御部116は、メモリ内の第1期間の開始時点に設定された時刻t10を、過去のファイル区切り点の値に設定する。そして、記録制御部116は、メモリ内の第2期間の終了時点に設定された時刻t12を、現在のファイル区切り点の値に設定し、第1期間及び第2期間のそれぞれの開始時点及び終了時点の値をクリアする。その後、イベント検出時処理を終了し、ステップS108へ進む。
また、図10は、本実施の形態1にかかる直近の交差点がイベント検出時刻と近い場合のイベントファイルの生成における位置、時刻及びファイルの関係を示す図である。図10は、図9等とは異なる例である。例えば、車両が交差点p13を通過後に交差点p14を通過し、変化点通過時処理が実行され、通常記録ファイルf13が生成される。その後、車両が交差点p15を通過し、変化点通過時処理が実行され、通常記録ファイルf14が生成される。その後、車両がイベント発生地点p16に至った際に、イベントが検出されたものとする。このとき、ステップS106のイベント検出時処理が実行される。尚、この時点では、現在のファイル区切り点には時刻t15が設定されていることとなる。
イベント検出時処理において、図10では、経過時間TAが時刻t15からイベント検出時刻t16までの時間であるため、最小時間Tmin未満となり(S132でYES)、記録制御部116は、イベント検出時刻から最小時間Tmin以上前、かつ、直近のファイル区切り点を第1期間の開始時点に設定する(S133)。例えば、記録制御部116は、メモリ内の複数の過去のファイル区切り点の中から、イベント検出時刻t16から最小時間Tmin以上前のものを選出する。そして、記録制御部116は、選出された過去のファイル区切り点のうち、イベント検出時刻t16から最も近い時刻のファイル区切り点を直近のファイル区切り点として特定する。図10では、過去のファイル区切り点である時刻t13や時刻t14の中から、イベント検出時刻t16から最も近い時刻t14が直近のファイル区切り点として特定される。よって、時刻t14が第1期間の開始時点として設定される。併せて、記録制御部116は、イベント検出時刻t16を第2期間の開始時点に設定する。
そして、記録制御部116は、ステップS135及びS136を繰り返し、車両が位置p17を通過した時、経過時間TBが第2期間を経過したと判定される(S136でYES)。そして、時刻t17が第2期間の終了時点として設定される。
そして、記録制御部116は、第1期間の開始時点である時刻t14から第2期間の終了時点である時刻t17を記録範囲の終了時点としたイベント記録ファイルf16を生成させ(S137)、上書き禁止のイベント記録ファイルf16をイベント記録部142に記録させる。以降は、図9の場合と同様である。ここで、イベント記録ファイルf16は、第1期間内に変化点(現在のファイル区切り点)が含まれ、開始時点が最小時間Tmin以上前の直近の変化点であるイベント記録ファイルの例である。
また、図11は、本実施の形態1にかかる交差点以外を開始点とするイベントファイルの生成における位置、時刻及びファイルの関係を示す図である。図11は、図10等とは異なる例である。例えば、車両が交差点p18を通過後に最小時間Tmin経過後、位置p19を通過し、さらに最小時間Tmin経過後、位置p20を通過し、通常記録処理が実行され、通常記録ファイルf18が生成される。その後、同様に、通常記録ファイルf19が生成される。その後、車両がイベント発生地点p21に至った際に、イベントが検出されたものとする。このとき、ステップS106のイベント検出時処理が実行される。尚、この時点では、現在のファイル区切り点には時刻t20が設定されていることとなる。
イベント検出時処理において、図11では、経過時間TAが時刻t20からイベント検出時刻t21までの時間であるため、最小時間Tmin以上となる(S132でNO)。そして、記録制御部116は、現在のファイル区切り点である時刻t20を第1期間の開始時点に設定する(S134)。併せて、記録制御部116は、イベント検出時刻t21を第2期間の開始時点に設定する。つまり、図9との違いとしては、第1期間の開始時点が交差点等の変化点ではない、位置p20の通過時の時刻t20となる点である。これ以降は、図9の場合と同様である。つまり、車両が位置p22を通過して経過時間TBが第2期間を経過し、時刻t20から時刻t22までの上書き禁止のイベント記録ファイルf21が記録される。ここで、イベント記録ファイルf21は、開始時点が変化点以外であるイベント記録ファイルの例である。
また、図12は、本実施の形態1にかかる直近の交差点がイベント検出時刻と近い場合の交差点以外を開始点とするイベントファイルの生成における位置、時刻及びファイルの関係を示す図である。図12は、図11等とは異なる例であり、図11におけるイベント検出より前に、交差点p23を通過し、変化点通過時処理が実行され、通常記録ファイルf20が生成される。その後、車両が交差点p23を通過後から最小時間Tmin未満に、車両がイベント発生地点p24に至り、イベントが検出された場合を示す。このとき、ステップS106のイベント検出時処理が実行される。尚、この時点では、現在のファイル区切り点には時刻t23が設定されていることとなる。
イベント検出時処理において、図12では、経過時間TAが時刻t23からイベント検出時刻t24までの時間であるため、最小時間Tmin未満となる(S132でYES)。そして、記録制御部116は、イベント検出時刻t24から最小時間Tmin以上前、かつ、直近のファイル区切り点である時刻t20を第1期間の開始時点に設定する(S133)。つまり、図10との違いとしては、第1期間の開始時点が交差点等の変化点ではない、位置p20の通過時の時刻t20となる点である。これ以降は、図10の場合と同様である。つまり、車両が位置p25を通過して経過時間TBが第2期間を経過し、時刻t20から時刻t25までの上書き禁止のイベント記録ファイルf24が記録される。ここで、イベント記録ファイルf24は、第1期間内に変化点が含まれ、開始時点が変化点以外であり、最小時間Tmin以上前であるイベント記録ファイルの例である。
また、本実施の形態は次のように捉えることもできる。イベントの発生が検出されない間において、記録制御装置110は、変化点の通過の判定結果に応じて、ファイル区切り点を決定している。例えば、変化点を通過していない場合には、記録制御装置110は、現在のファイル区切り点から最小時間Tmin以上経過後に、現在のファイル区切り点から最小時間Tmin経過した時刻を次のファイル区切り点として決定する。そして、現在のファイル区切り点から最大時間Tmax以上経過した場合に、記録制御装置110は、時刻が隣接する現在と次のファイル区切り点の間の映像データを、上書き可能な通常記録ファイルとして記録する。また、変化点を通過した場合には、記録制御装置110は、現在時刻を次のファイル区切り点として決定し、現在のファイル区切り点から現在時刻である次のファイル区切り点までの間の映像データを、上書き可能な通常記録ファイルとして記録する。そして、ファイル区切り点の1以上の履歴を保存しておく。
また、イベント検出時には、記録制御装置110は、直近のファイル区切り点を開始時点とし、イベント検出時点から所定期間経過後を終了時点として、開始時点と終了時点との間の映像データを、上書き禁止のイベント記録ファイルとして記録する。但し、交差点の通過から短い期間、つまり、最小時間Tmin未満でイベントが検出された場合に、直近の交差点の通過時点、つまり、現在のファイル区切り点を開始時点としてしまうと、事故原因等が記録されないおそれがある。よって、イベント検出時には最小時間Tmin以上前のファイル区切り点を特定する必要がある。そこで、イベント検出時の現在のファイル区切り点が最小時間Tmin未満の場合には、上述したファイル区切り点の履歴を参照することで、最小時間Tmin以上前の中で直近のファイル区切り点を特定することができる。
このように、イベントの発生が検出されない通常の走行時において、交差点の通過を考慮したファイル区切りをしておくことで、イベント検出時にもファイル区切り点を用いて適切な記録範囲に容易に調整することができる。
<実施の形態2>
本実施の形態2は、実施の形態1の変形例である。図13は、本実施の形態2にかかる記録制御装置110aを含む記録装置100aの全体構成を示すブロック図である。図13では、カーナビゲーションシステム300において、変化点の検出が行われるものである。そして、カーナビゲーションシステム300は、地図情報161を内部で保持しており、位置情報取得機器200から車両の現在位置情報を取得する。カーナビゲーションシステム300は、現在位置情報と地図情報161とを照合し、現在位置情報が地図情報161に定義された走行路の変化点の位置に該当するか否かを判定する。そして、カーナビゲーションシステム300は、判定結果を示す通知信号を記録装置100aへ出力する。
記録装置100aは、上述した記録装置100と比べて、地図情報161を不要とし、記録制御装置110が記録制御装置110aに変更されたものである。記録制御装置110aは、変化点判定部115が判定部115aに変更されたものである。判定部115aは、カーナビゲーションシステム300からの通知信号に応じて、車両が走行路の変化点を通過したか否かの判定結果を示す変化点通過判定信号を記録制御部116へ出力する。例えば、判定部115aは、通知信号が、車両の現在位置情報が変化点と一致することを示した後に、変化点と一致しないことを示した場合に、車両が走行路の変化点を通過したことを示す変化点通過判定信号を出力する。
このように、本実施の形態2においても上述した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
<他の実施の形態>
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
上記の実施形態においては、変化点判定部115は、車両の現在位置情報と地図情報とに基づき交差点などの道路の変化点を通過したか否かを判定した。但し、変化点判定部115による道路の変化点の判定は、これに限らない。例えば、CAN等を介して車両のステアリング情報を取得し、ステアリングが所定角度以上の操舵角となったときに道路の変化点としてもよい。また、ステアリング情報に加えて車両の現在位置情報に基づき、ステアリングが所定角度以上の操舵角となったことに加えて車両の進行方向が変化したときに道路の変化点としてもよい。さらには、CAN等を介して車両のウィンカ情報を取得し、ウィンカの動作とともにステアリングが所定角度以上の操舵角となったときや、ウィンカの動作とともに車両の進行方向が変化したときなど、様々な情報の組み合せによって判定してもよい。
また、上述の誘導装置の任意の処理は、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
また、コンピュータが上述の実施の形態の機能を実現するプログラムを実行することにより、上述の実施の形態の機能が実現される場合だけでなく、このプログラムが、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)もしくはアプリケーションソフトウェアと共同して、上述の実施の形態の機能を実現する場合も、本発明の実施の形態に含まれる。さらに、このプログラムの処理の全てもしくは一部がコンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットによって行われて、上述の実施の形態の機能が実現される場合も、本発明の実施の形態に含まれる。