以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(システム及び装置の構成)
図1を用いて、本実施形態に係るシステムの構成例について説明する。本システムは、情報処理装置101と印刷装置151とを含んで構成され、情報処理装置101が用意した印刷データを、ネットワークを介して印刷装置151に送信することによって印刷処理が実行される。なお、情報処理装置101と印刷装置151との間の通信は、例えば、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線LANによって、アクセスポイント131を介して行われうる。なお、以下では、アクセスポイント131を用いたネットワーク構成に基づく実施形態について説明するが、情報処理装置101と印刷装置151とが相互に通信可能となる他の構成が用いられてもよい。例えば、情報処理装置101と印刷装置151は、不図示の有線回線を介して接続されてもよい。また、情報処理装置101の機能と印刷装置151の機能との両方を有する装置が用いられてもよく、この場合、情報処理装置101と印刷装置151との間の情報のやり取りは装置内のバス等を介して行われうる。また、図1に示す複数のブロックが1つのブロックに統合されてもよいし、1つのブロックが複数のブロックに分割されてもよい。また、図1に示される以外のブロックが追加されてもよいし、図1に示すブロックのうちの1つ以上が省略されてもよい。
情報処理装置101は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、携帯端末、ノートPC、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)等、印刷対象データを印刷データに変換可能な演算装置である。印刷装置151は、情報処理装置101等の外部装置から印刷データを取得して印刷処理を実行可能な任意のプリンタである。印刷装置151による印刷は、本実施形態ではインクジェット方式で実行されるものとするが、例えば電子写真方式等の他の任意の方式で印刷が実行されてもよい。また、印刷装置151は、複写機能、FAX機能、印刷機能等の複数の機能を有する複合機であってもよい。
情報処理装置101は、例えば、入力インタフェース102、CPU103、ROM104、RAM105、外部記憶装置106、出力インタフェース107、通信部109、及び近距離無線通信部110を含んで構成される。ここで、CPU、ROM、及びRAMは、それぞれ、Central Processing Unit、Read Only Memory、及びRandom Access Memoryの頭字語である。CPU103、ROM104、RAM105等によって、情報処理装置101のコンピュータが形成される。なお、図1では、情報処理装置101が外部のディスプレイ等の表示装置(表示部108)に情報を表示させる場合の例を示しているが、情報処理装置101内部に表示部108が含まれてもよい。
入力インタフェース102は、ユーザからのデータ入力や動作指示を受け付けるためのインタフェースである。入力インタフェース102は、例えば、物理キーボード、ボタン、タッチパネル等によって構成される。なお、画面の出力とユーザからの操作の受け付けとを共通のハードウェアを用いて行うように、後述の出力インタフェース107と入力インタフェース102とが統合されてもよい。
CPU103は、システム制御部であり、情報処理装置101の全体を制御する。ROM104は、CPU103が実行する制御プログラムやデータテーブル、組み込みオペレーティングシステム(以下、「OS」と呼ぶ。)プログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM104に格納されている各制御プログラムは、ROM104に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウェア実行制御を行う。RAM105は、バックアップ電源を必要とするSRAM(Static Random Access Memory)等で構成される。なお、RAM105は、不図示のデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されるため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、情報処理装置101の設定情報や管理データ等を格納するメモリエリアも、RAM105に設けられうる。また、RAM105は、CPU103の主メモリ及びワークメモリとして、用いられうる。
外部記憶装置106は、印刷実行機能を提供するアプリケーション、印刷装置151が解釈可能な印刷情報を生成する印刷情報生成プログラム等を保存する。また、外部記憶装置106は、通信部109を介して接続している他装置(例えば印刷装置151)との間で情報を送受信するための制御プログラム等の各種プログラムや、これらのプログラムが使用する各種情報を保存しうる。
出力インタフェース107は、表示部108がデータの表示や情報処理装置101の状態の情報の提示のための制御を行うインタフェースである。出力インタフェース107は、例えば、表示部108に情報を表示させるための制御情報及び表示対象情報を出力する。表示部108は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)等を含んで構成され、データの表示や情報処理装置101の状態をユーザに通知する。なお、表示部108上に、数値入力キー、モード設定キー、決定キー、取り消しキー、電源キー等のキーを含んだソフトキーボードを表示させ、そのソフトキーボードを介してユーザからの入力を受け付けてもよい。
通信部109は、印刷装置151等の外部装置と接続してデータ通信を実行するためのベースバンド回路や無線周波数(RF)回路等を含んで構成される。例えば、通信部109は、情報処理装置101や印刷装置151とは別個に存在するアクセスポイント131を介して、印刷装置151と通信しうる。アクセスポイント131は、例えば、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線通信方式に従って動作する無線LANルータ等の機器でありうる。また、通信部109は、Wi−Fi(Wireless Fidelity) Direct(登録商標)等のプロトコルに従って、印刷装置151と直接接続を確立してもよい。さらに、印刷装置151が不図示のアクセスポイントを含んでいる場合、通信部109は、そのアクセスポイントに接続することにより、印刷装置151との直接接続を確立してもよい。なお、通信部109は、Wi−Fi(登録商標)で通信を行うように構成されうるが、Bluetooth(登録商標)等の他の無線通信方式によって通信を行うようにしてもよい。
近距離無線通信部110は、印刷装置151(外部装置)が所定の近距離範囲内に進入したことに少なくとも基づいて、印刷装置151の近距離無線通信部157と無線接続を確立してデータ通信を実行する。近距離無線通信部110は、例えばBluetooth Low Energy(BLE)やNear Field Communication(NFC)などの、通信部109とは異なる通信方式によって通信を行う。
印刷装置151は、例えば、ROM152、RAM153、CPU154、プリントエンジン155、通信部156、近距離無線通信部157を含んで構成される。
通信部156は、情報処理装置101等の外部装置と接続するためのベースバンド回路や無線周波数(RF)回路等を含んで構成される。通信部156は、情報処理装置101の通信部109と対応し、例えばWi−FiやBluetooth等の無線通信方式によって通信を行う。通信部156は、例えば、上述のように、アクセスポイントとして機能し又は所定のプロトコルに従って、情報処理装置101の通信部109と直接接続してもよいし、外部のアクセスポイント131等を介して接続してもよい。通信部156は、アクセスポイントとして機能する場合、アクセスポイントとして機能するためのハードウェアを有してもよいし、アクセスポイントとして機能することを可能とするソフトウェアを利用してもよい。なお、情報処理装置101と印刷装置151は、図1の例では1つのアクセスポイント131に接続されているが、それぞれが、ネットワークに接続された別個のアクセスポイントに接続し、ネットワークを介して接続してもよい。
近距離無線通信部157は、情報処理装置101(外部装置)が所定の近距離範囲内に進入したことに少なくとも基づいて、情報処理装置101の近距離無線通信部157と無線接続を確立してデータ通信を実行する。近距離無線通信部157は、情報処理装置101の近距離無線通信部157と対応し、例えばBLE等の無線通信方式によって通信を行う。なお、例えば、情報処理装置101等から送信される印刷情報は、データ量が大きく、高速大容量通信が要求されるため、近距離無線通信部157よりも高速に通信可能な通信部156を介して受信される。
RAM153は、RAM105と同様のメモリである。RAM153には、印刷装置151の設定情報や管理データ等を格納するメモリエリアが設けられる。また、RAM153は、CPU154の主メモリとワークメモリとしても用いられ、情報処理装置101等から受信した印刷情報を一時的に保存するための受信バッファとして機能し、また、各種の情報を保存する。ROM152は、CPU154が実行する制御プログラムやデータテーブル、OSプログラム等の固定データを格納する。ROM152に格納されている各制御プログラムがCPU154によって実行されることにより、ROM152に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウェア実行制御が実行されうる。CPU154は、システム制御部であり、印刷装置151の全体を制御する。なお、印刷装置151には、外付けHDDやSDカード等のメモリがオプション機器として装着されてもよく、印刷装置151に保存される情報は、そのようなメモリに保存されてもよい。
プリントエンジン155は、RAM153に保存された情報や情報処理装置101等から受信した印刷情報に基づいて、インク等の記録剤を用いて紙等の記録媒体上に画像を形成して、印刷結果を出力する。
図2は、情報処理装置101の機能構成例を示す図である。情報処理装置101は、その機能構成として、例えば、後述の処理を実行する製本アプリケーション201と、印刷装置151が解釈可能な印刷データを生成するプリンタドライバ202とを有する。後述の製本アプリケーション201の画面において印刷指示がユーザによって入力された場合に、プリンタドライバ202は、製本アプリケーション201から出力されたアプリケーションデータを受信し、印刷データを生成する。そして、プリンタドライバ202が、製本アプリケーション201によって生成された印刷データを印刷装置151に送信することにより、印刷装置151において印刷処理が実行される。
(製本アプリケーションの動作の概要)
続いて、上述の製本アプリケーション201によって実行される動作の流れの例について説明する。図3は、情報処理装置101のCPU103が、例えばROM104や外部記憶装置106に記憶された製本アプリケーション201に対応するプログラムを実行することによって、表示部108に表示される基本設定画面の例を示している。基本設定画面300は、一例として、製本後のイメージ301と、プリンタ選択領域302と、用紙サイズ選択領域303と、綴じ方設定領域304と、綴じ方向設定領域305と、表紙の用紙に関する設定領域306とを含む。
プリンタ選択領域302は、使用する印刷装置を選択する領域である。プリンタ選択領域302のプルダウンボタンがユーザ操作によって押下されると、情報処理装置101が使用可能な印刷装置のリストが表示され、ユーザは、この製本アプリケーション201による冊子の作成に用いる印刷装置を選択することができる。なお、プリンタ選択領域302のプルダウンボタンを押下された場合に表示される印刷装置の一覧は、製本アプリケーション201に対応可能な印刷装置のみが表示されうる。ただしこれに限られず、例えば、製本アプリケーション201への対応可否によらず、情報処理装置101が使用可能な印刷装置が全て表示されてもよい。
用紙サイズ選択領域303は、印刷に使用する用紙のサイズを選択する領域である。用紙サイズ選択領域303のプルダウンボタンがユーザ操作によって押下されると、プリンタ選択領域302において選択されている印刷装置が使用可能な用紙サイズのリストを表示する。ユーザは、表示された用紙サイズのリストから、作成する冊子のサイズに応じたサイズを1つ選択することができる。なお、プリンタ選択領域302において選択されている印刷装置が使用可能な用紙サイズの情報は、その印刷装置から、例えばプリンタドライバ202を介して取得することができる。
綴じ方設定領域304は、冊子の綴じ方を設定する領域である。綴じ方設定領域304のプルダウンボタンがユーザ操作によって押下されると、例えば「平綴じ」と「中綴じ」とが選択可能に表示される。「平綴じ」は、冊子の背の部分から所定距離だけ離れた位置に、ステープル等の綴じ部材を取り付けることで製本する綴じ方である。「中綴じ」は、二つ折りにされた用紙の折り目の部分に、ステープル等の綴じ部材を取り付けることで製本する綴じ方である。「中綴じ」が選択されると、用紙が二つ折りにされることが前提となるため、2in1印刷設定が自動的に選択されうる。なお、「中綴じ」が選択された場合には、1in1以外の、例えば4in1等の設定が選択可能に表示されてもよい。なお、「平綴じ」が選択された場合には、1in1印刷設定が自動的に選択されうる。ただし、この場合にも、2in1や4in1等の設定が選択可能に表示されてもよい。なお、「中綴じ」の場合に2in1が選択されなかった場合や「平綴じ」の場合に1in1が選択されなかった場合には、それに応じて、後述のページ割り付けが異なることとなる。なお、Nin1印刷設定とは、N個の画像データに基づくN個の画像を1ページ分の用紙(一枚の用紙)に印刷するための印刷設定である。
綴じ方向設定領域305は、冊子の綴じ方向を設定する領域である。綴じ方向設定領域305のプルダウンボタンがユーザ操作によって押下されると、例えば「右綴じ」と「左綴じ」とが選択可能に表示される。場合によっては、「天綴じ」が選択可能に表示されてもよい。「右綴じ」は、表表紙の右側を綴じる綴じ方向であり、「左綴じ」は、表表紙の左側を綴じる綴じ方向である。また、「天綴じ」は、表紙の上部を綴じる綴じ方向である。綴じ方向設定領域305の「綴じ方向」の文字は、「開き方向」等に置き換えられてもよい。右開きが右綴じに対応し、左開きが左綴じに対応する。この領域の設定により、作成される冊子のページが右から左へ進行するか、左から右へ進行するかが定まる。
表紙の用紙に関する設定領域306は、表紙の用紙をどのようにするかを設定する領域である。例えば、表紙と本文とを同じ種類の用紙で作成する項目と、異なる種類の用紙で作成する項目とを選択可能とするラジオボタンが表示される。なお、設定領域306において、表紙と本文とを同じ種類の用紙で作成する場合は、本文の用紙種類(例えば「普通紙」等)が、表紙の用紙種類として設定されるため、表紙の用紙種類を選択可能とする領域については選択できないようにグレーアウトされうる。一方、設定領域306において、表紙と本文とを別の種類の用紙で作成する設定が選択された場合は、この表紙の用紙種類を選択可能とする領域がアクティブ化される。そして、表紙の用紙種類を設定する領域におけるプルダウンボタンが押下された場合に、選択可能な用紙種類(例えば、光沢紙、普通紙等)が一覧表示される。なお、例えば「普通紙」が選択された場合に「フチなし印刷はできません」という文字列等が表示されうる。また、「普通紙」以外の種類の用紙(例えば「光沢紙」)が選択された場合に「フチなし印刷ができます」という文字列等が表示されうる。これは、普通紙には、顔料を含む記録剤を用いた印刷が行われうるが、顔料を含む記録剤を用いた印刷において、フチなし印刷は実行できないためである。この他にも、用紙種類ごとに必要な情報が設定され、ユーザ操作によって選択された用紙種類に応じた文字列が表示されるようにしてもよい。また、表紙と本文とを別の種類の用紙で作成する設定が選択された場合、「表紙/本文、別々の用紙をセットして印刷する必要があります」等のメッセージが表示されてもよい。
図3の基本設定画面において「OK」が押下されると、編集画面に遷移する。編集画面は、ユーザ指示を受け付けて、各ページを編集するための画面である。編集画面にて編集された結果に基づいて、各ページを印刷するための印刷データが生成される。編集画面は、綴じ方と表紙の用紙の種類を本文の用紙と同じにするか否か等の設定項目に応じて異なりうる。そこで、以下では、これらの基本設定に対応する編集画面の例について説明する。
[平綴じ、表紙と本文が同じ種類の用紙で作成される場合]
図4に、綴じ方が平綴じ(1in1)かつ右綴じで、表紙と本文とが同じ種類の用紙を用いるような設定が行われた場合の編集画面の例を示している。なお、図4の例では、既に8つの(「A」と書かれた画像を表す原稿データから「H」と書かれた画像を表す原稿データまで)の原稿データ(画像データ)が読み込まれた状態の例を示している。原稿データが読み込まれる前の段階において、編集領域401及び原稿データ領域402は、原稿データが読み込まれていないことをユーザが認識可能な所定の状態(例えば空白の状態)となる。なお、例えば原稿データが読み込まれる前の段階において、編集領域401に「冊子に載せる原稿データを読み込んでください」等のメッセージを表示してもよく、さらに、データの読み込み方をユーザに通知するメッセージが表示されてもよい。なお、このようなメッセージは原稿データ領域402に表示されてもよい。また、ダイアログの表示など、別の手法で原稿データの読み込みを促してもよい。
ユーザが「読み込み」ボタン403をクリックすると、例えばファイル選択ダイアログが表示され、ユーザは、表示されたファイル一覧から、冊子の作成に用いるファイルを選択する。ファイルが選択されると、そのファイルの内容(ファイルに含まれる原稿データ)が原稿データ領域402に展開される。また、ファイルが選択されると、ファイルに含まれる原稿データを、印刷されるページに自動で割り付け(紐付け)する処理である自動ページ割り付けが行われた結果が、編集領域401に表示されうる。なお、自動ページ割り付けにおいて、いずれのページにいずれの原稿データが割り付けられるかは、任意に決定されてよい。ここでは、原稿データに番号が割り振られているものとし、番号が若い原稿データが、番号が若いページに割り付けられるものとする。図4の編集領域401は、このようにして自動ページ割り付けが行われた場合の例を示している。展開されたファイルのうち、1番目の原稿データである「A」が書かれている画像を表す原稿データが、1番目のページである表表紙に設定される。そして、2番目の原稿データである「B」が書かれている画像を表す原稿データが、2番目のページである裏表紙に設定される。そして、3番目の原稿データである「C」が書かれている画像を表す原稿データが、3番目のページである表表紙の内側に、4番目の原稿データである「D」が書かれている画像を表す原稿データが、4番目のページである裏表紙の内側に、それぞれ設定される。なお、裏表紙や裏表紙の内側の番号より、それ以外のページの番号が若いものとしてもよい。すなわち、ファイル中の1番目の原稿データと2番目の原稿データが、それぞれ「表表紙」及び「表表紙の内側」に割り付けられるようにしてもよい。そして、ファイル中の最後の原稿データと最後から2番目の原稿データが、それぞれ「裏表紙」及び「裏表紙の内側」に割り付けられるようにしてもよい。なお、図4及び以下のいくつかの例は右綴じの場合の例を示しており、表表紙が最右端に表示され、裏表紙が最左端に表示されているが、左綴じが選択されている場合には、表表紙が最左端に表示され、裏表紙が最右端に表示される。
なお、ファイルの内容が原稿データ領域402に展開される際に、例えば「自動ページ割り付けをしますか?」等の確認メッセージを表示して、ページの割り付けを自動で行うか否かのユーザによる判断を受け付けてもよい。この場合、ユーザが自動ページ割り付けを承認した場合に、自動ページ割り付けが行われた結果が編集領域401に表示され、自動ページ割り付けが承認されなかった場合には、編集領域401は空白のままとしてもよい。また、ユーザの判断によらずに、自動ページ割り付けを行わず、選択されたファイルの内容が原稿データ領域402に展開されるだけとしてもよい。なお、自動ページ割り付けが行われない場合であっても、ユーザが「すべてを追加」ボタン404をクリックすることにより、原稿データ領域402に展開されている原稿データの自動ページ割り付けが行われうる。なお、ユーザは、原稿データ領域402に展開されている原稿データを、編集領域401にドラッグ&ドロップすることで、手動でページ割り付けを行うこともできる。すなわち、ユーザは、いずれの原稿データをいずれのページに割り付けるかを、任意に決定することが可能である。なお、手動によるページ割り付けは、自動ページ割り付けが行われていない状態において実行されてもよいし、自動ページ割り付けが行われた後、割り付けの内容を変更するために実行されてもよい。
なお、複数のファイルが読み出された場合、原稿データ領域402には、その複数のファイルの内容の全てが展開される。このとき、展開される原稿データの順序を、プルダウンメニュー405によって決定することができる。例えば、図4に示すように「読み込み順」が選択されている場合、先に選択されたことにより先に読み込まれたファイルのデータであるほど左側に表示されるような順序で、データが原稿データ領域402に展開される。これに対して、例えば「ファイル名順」(不図示)が選択されている場合、ファイル名が昇順(又は降順)となるように、データが展開される。例えば、「B.pdf」という名称のファイルの後に「A.pdf」という名称のファイルが開かれた場合、「読み込み順」の場合には、「B.pdf」のデータが表示される位置の右側に「A.pdf」のデータが表示される。一方、「ファイル名順」の場合には、「B.pdf」の方が先に開かれていても、「A.pdf」のデータが表示される位置の右側に「B.pdf」のデータが表示される。なお、並び順は、読み込み順とファイル名順に限定されず、例えばファイルの作成日(更新日)順や、本アプリケーションでの使用頻度順、ファイルの容量順等の様々な順序が用いられうる。なおここでは、pdf形式のデータが読み込まれる例を説明したが、この形態に限定されない。例えば、jpg形式のデータが読み込まれてもよい。また、pdf形式の1つのデータに複数のページに相当する複数の原稿データが含まれることがある。複数の原稿データを含むpdf形式のデータを読み込んだ場合は、当該pdf形式のデータに含まれる複数の原稿データをそれぞれ区別して、原稿データ領域402に展開する。また、各原稿データが展開される順番は、pdf形式のデータにおいて定義されているページ順となる。
編集領域401には、各ページが印刷される記録媒体の大きさを示す用紙領域(媒体領域)417と、各ページに割り付けられた原稿データが表す画像とが表示される。用紙領域417は、完成後の冊子のページ順で編集領域401に表示される。また、見開きページに含まれる2つのページの間の距離は、隣接するが見開きページではない他のページとの距離よりも小さくなるように表示が行われる。これにより、見開きページとそうでないページとをユーザが容易に判別することができる。なお、見開きページとは、1つの原稿データによって表される1つの画像を、2のページにまたがって印刷するためのページである。そのため、見開きページに含まれる2つのページは、隣接し且つ別々の用紙に印刷されるページである。図4の例では、「C」と書かれたページと「E」と書かれたページとの間の距離が十分に小さいことによって、これらのページが見開きの関係にあることが分かる。一方、「E」と書かれたページと「F」と書かれたページとの間の距離が、「C」と書かれたページと「E」と書かれたページとの間の距離に対して相対的に大きいことによって、これらのページは隣接しているが見開きの関係にはないことが分かる。このようにして、編集領域401に冊子に含められるページの全てが表示される。なお、図4の例では、冊子に含められる全てのページの全体を表示できている場合の例を示しているが、このように全ページを表示する状態を維持したままページ数が多くなると、各ページのサイズが小さくなってしまいうる。このため、この製本アプリケーションは、各ページの拡大縮小表示が可能なように構成されうる。このとき、編集領域401に全てのページが表示できない場合は、例えば編集領域401の下部にスクロールバーを表示させるなどによって、表示範囲を移動できるようにしうる。
なお、平綴じが選択されている場合、編集領域401に表示されている画像が用紙に印刷された後、当該用紙がステープル等の綴じ部材の取り付けによって綴じられる位置を示す綴じ位置406も、用紙領域に表示される。この綴じ位置406は、ページ内において例えば所定の色(例えば赤)によってユーザが認識可能なように表示されうる。この綴じ位置406は、用紙領域に表示されているようにしてそのまま印刷される。これにより、ユーザは、冊子を綴じる際にステープルを取り付ける位置を把握ことができる。なお、綴じ位置406は、表紙および裏表紙には印刷が行われて、それ以外のページには印刷が行われない形態であってもよい。また、冊子を綴じるための綴じ部材は、ステープルに限定されず、例えば、紐やプラスチックバンド等であってもよい。また、用紙領域における綴じ位置406の配置位置の指定がユーザから受け付けられることで、任意の位置に綴じ位置406が位置しうる。
また、編集領域401に表示される用紙領域417には、画像を印刷可能な領域を示す印刷領域407が表示される。図において印刷領域407が示す線は、印刷領域と、必ず余白が設けられる(すなわち、必ず画像が印刷されない)余白領域との境界を示す。そして、ユーザがページ設定408の領域内の各設定値を入力することにより、その設定値に基づいて原稿データが用紙領域417内に配置される。例えば、ユーザは、ページ設定408において、編集領域401に配置される画像の拡大・縮小方法を設定する。具体的には、「余白に合わせる」が選択された場合、印刷領域407に合わせるようにして画像を拡縮し、「用紙に合わせる」が選択された場合、用紙領域417に合わせるようにして画像を拡縮/拡大する。「原寸大」が選択された場合、画像を拡縮/拡大しないで、原寸大のまま表示する。なお、画像における、印刷領域407からはみ出している部分は、印刷されないため、当該部分は半透明にされて表示される。また、例えば、ユーザは、ページ設定408において、画像の位置の設定を行う。ここで、画像の上下又は左右の位置として、例えば、負の値が入力されると、用紙領域417内に配置される画像の位置を上方向又は左方向に移動させる。また、画像の上下又は左右の位置として、例えば、正の値が入力されると、用紙領域417内に配置される画像の位置を下方向又は右方向に移動させる。これにより、原稿データにより表される画像が用紙領域417内でどのように配置されるかをユーザが詳細に設定することができる。なお、これらの設定は、ページ単位で適用されうる。例えば、編集領域401において「E」が書かれたページが選択された状態で、ページ設定408において設定値が入力されると、その設定値は、この選択されているページにのみ適用されうる。なお、ページ設定408において、「全ページに適用」が選択されることにより、入力された設定が全ページに対して一括で適用される。なお、このとき、ユーザは、「E」が書かれたページに対応する用紙領域417枠がページ枠409として強調表示されることにより、現在選択されているページを認識することができる。また、ユーザは、例えばアイコン410を押下することにより、選択されているページを編集領域401から削除することができる。
また、ユーザは、「見開き」チェックボックス415を選択することにより、1つの原稿データを、2ページにわたり割り付けることができる。「見開き」チェックボックス415を選択することにより、見開きページでないページを、見開きページに変えることを、「見開き化」と呼ぶ。図4のように「E」が書かれた画像が配置されているページが選択された状態で「見開き」チェックボックス415が選択された場合の表示例を、図5に示す。「見開き」チェックボックス415が選択されると、選択されたページに配置されていた画像が2ページにわたって配置される。本文の偶数ページ(右綴じの場合は見開きの右側のページ、左綴じの場合は見開きの左側のページ)が選択された状態で「見開き」チェックボックス415が選択されると、その選択されているページが見開きの中央に表示される。そして、そのページより後のページが1ページずつ後ろにずれるようにページの再割り付けが行われる。すなわち、この場合、選択されたページの後ろに1ページ分追加されて、1つのページに対して見開きが割り付けられる。
一方、図4で「E」が書かれたページのように、本文の奇数ページ(右とじの場合は見開きの左側のページ、左とじの場合は見開きの右側のページ)が選択される場合、その選択されたページの次のページは、選択されたページと異なる見開きのページとなる。このため、単に選択されたページの後ろに1ページを追加して2ページ分の領域に1つのページを割り付けるだけでは、そのページを見開きで表示することができなくなる。このため、例えば図5のように、本文の奇数ページが選択された状態で「見開き」チェックボックス415が選択されると、その選択されたページの後ろのみならず前にも1ページを追加しうる。これにより、選択されたページが確実に見開きに割り付けられるようにすることができる。なお、この場合、選択されたページより後のページが2ページずつ後ろにずれるようにページの再割り付けが行われる。
奇数ページが選択された状態で「見開き」チェックボックス415が選択された場合に、ユーザに対して、その選択されたページの前に1ページが追加されることを通知するメッセージを表示してもよい。そして、ユーザがページの追加を承認した場合に、見開きへの割り付け処理を実行するようにしてもよい。これにより、ユーザが意図しないページが追加されることを防ぐことができる。なお、ユーザがページの追加を承認しなかった場合、見開きへの割り付け処理を実行しなくてもよいし、選択されたページの後に1ページ分のスペースを追加して2ページ分の領域に選択されたページを割り付けてもよい。また、奇数ページが選択された状態で「見開き」チェックボックス415が選択された場合に、上述のようなメッセージを表示せずに、選択されたページの後に1ページ分のスペースを追加して2ページ分の領域に選択されたページを割り付けてもよい。なお、このような割り付けを行う場合、そのままでは見開きで印刷されないことを示すメッセージを表示してもよい。
また、ページが見開きに割り付けられた後に「見開き」チェックボックス415を解除することにより、そのページを見開きに割り付けた際に追加された(前後の)ページが削除され、そのページより後のページの再割り付けが行われる。なお、例えば奇数ページが見開きに割り付けられる際に追加された白紙ページ等のページについて、削除してよいか否かを示すメッセージが表示されてもよい。
なお、横長の原稿データが編集領域401にドラッグ&ドロップされた場合(又は自動割り付けされた場合)に、自動で見開きを割り付ける処理が行われてもよい。この場合、「見開き」チェックボックス415は自動的にチェックが入った状態となる。また、このページの挿入位置が奇数ページである場合は、上述のように、そのページの前に空白ページ等が挿入(追加)されてもよいし、所定のエラー表示等が行われてもよい。また、横長のページが見開きに割り付けられた後に、「見開き」チェックボックス415が解除されることにより、見開きへの割り付けが解除され、片側のページに(例えば縮小や回転により)割り付けられうる。なお、横長のページを自動で見開きに割り付けずに、縦長のページと同様に、片側のページに割り付けられるようにしてもよい。図4に戻り、選択されたページについて、そのページが含まれる見開きの製本後のイメージが冊子プレビュー411として表示されることにより、ユーザが、冊子完成後の選択中のページの状態を容易に認識することができる。なお、プレビュー中の「<」又は「>」が選択されることにより、隣接する隣接ページ間の見開きのプレビューが表示されうる。このとき、選択中のページも連動して移動してもよいし、選択中のページとプレビューとを同期させずにプレビューだけページ移動させてもよい。
上述したように、ユーザは、手動のページ割り付けにより、原稿データ領域402に展開されたデータを、ページ単位で操作することができる。図4では、原稿データ領域402に展開されたデータのうち「C」と書かれた画像を表す原稿データが選択されている状態を示している。このように選択された原稿データは、編集領域401の任意の位置にドラッグ&ドロップされると、ドロップされた位置に対応するページに割り付けられる。例えば、編集領域401の「F」と書かれたページと「G」と書かれたページとの間の所定の範囲に「C」と書かれた画像を表す原稿データがドラッグ&ドロップされると、「F」のページと「G」のページの間に「C」と書かれたページが挿入される。なお、このようなページ挿入が行われると、それに応じて、ページ番号及び見開きの関係が再構成される。すなわち、「C」と書かれたページの番号が、挿入前の「G」と書かれたページの番号となり、「G」と書かれたページ以降のページの番号が1つ後ろになる。そして、「F」のページと新たに追加された「C」のページとが見開きの関係となり、「G」のページは「C」のページの追加に伴って「H」のページと見開きの関係となる。
また、ユーザは、「白ページを追加」ボタン412を押下することにより、白紙のページを追加することができる。本実施形態において、白紙のページとは、ユーザによって選択された原稿データが割り付けられていないページ、すなわち、ユーザによって選択された原稿データに基づく画像が配置されていないページを指す。例えば、編集領域401における「C」と書かれたページが選択された状態で「白ページを追加」ボタン412が押下された場合に、「C」と書かれたページと「E」と書かれたページとの間に白紙のページが追加される。また、事前に定められたルールによって選択中のページの右若しくは左に、又は2つのページが選択された場合にその間に、白紙のページを追加するようにしてもよい。これにより、表紙の裏面を白紙にしたい等のユーザの嗜好に従って、冊子中の任意の位置に白紙のページを追加することができる。
なお、原稿データ領域402内のデータが、編集領域401内のページに割り付けられている場合に、それを特定する情報が原稿データ領域402内の各データの左上に付される。図4では、例えば、「A」と書かれた画像を表す原稿データと「C」と書かれた画像を表す原稿データに、表表紙に割り付けられていることを示すアイコンが付されている。これにより、例えば、冊子内のページに割り付けるべきデータが割り付けられていないことや、冊子内のページに割り付けるべきでないデータが割り付けられてしまっていること、表紙に割り付けているデータが適切であるか否かを、ユーザが認識することができる。また、ユーザは、原稿データ領域402において、冊子作成に使用しないデータを削除することができる。例えば、選択状態にあるデータの右上に表示されるアイコン413をユーザが選択することにより、この選択されたデータを原稿データ領域402から削除することができる。これにより、原稿データ領域402内に多数の使用されないデータが存在することに起因して編集作業が煩雑となることを防ぐことができる。
また、原稿データ領域402において、複数のデータを選択して一括して操作することができる。例えば、「C」と書かれた画像を表す原稿データと「D」と書かれた画像を表す原稿データとを一括して選択し、そのデータをまとめて編集領域401にドラッグ&ドロップすることにより、これらのデータを2つの連続するページに割り付けることができる。3つ以上のデータが選択された場合も同様である。また、複数のデータが選択された状態で「複数を削除」ボタン414が押下されると、これらの複数のデータを一括して原稿データ領域402から削除することができる。なお、「複数を削除」ボタン414は、1つのデータが選択されている場合又はデータが選択されていない場合は、例えばグレーアウトされるなど、無効化されうる。
ユーザは、以上のようにして冊子の編集を完了すると、印刷設定ボタン416を押下し、編集領域401に表示されている各ページの印刷を実行することができる。なお、平綴じ(1in1)の印刷設定がなされている状態においては、nを1以上の整数とした場合に、(2n−1)ページ目と2nページ目とが表裏の関係となるような両面印刷が行われる。なお、表表紙とその裏面、及び、裏表紙とその裏面が表裏の関係となるように両面印刷が行われる。
[中綴じ、表紙と本文が同じ種類の用紙で作成される場合]
続いて、綴じ方が中綴じ(2in1)で、表紙と本文とが同じ種類の用紙を用いるような設定が行われた場合の編集画面の例について、図6を用いて説明する。この場合の編集画面は、図4の場合とほとんど同様である。ただし、中綴じの場合、綴じ位置がページとページとの間となるため、図6の画面例600に示すように綴じ位置を示すマークが表示されなくとも良い。なお、紙面へ印刷した場合に、ページとページとの間の所定の位置に綴じ位置のマークが表示されてもよいし、されなくともよい。また例えば、全ての用紙に綴じ位置のマークが印刷されるのではなく、冊子として
なお、綴じ方が中綴じ(2in1)の場合、2in1で両面印刷がされるため、1枚の紙面当たりのページ数は4ページとなる。このため、編集領域401に追加されたページ数が4の倍数でない場合、総ページ数が4の倍数となるように、例えば最後尾に白紙等のページが自動で追加されうる。なお、白紙のページが追加されるタイミングは、例えば、編集画面が表示されたタイミングや、編集画面表示中にページが追加されたタイミング、プレビュー画面を表示するタイミング、印刷指示が実行されて印刷データを生成するタイミング等である。
なお、中綴じ(2in1)かつ右綴じの印刷設定がなされている状態においては、1枚の用紙に対して、表面に、(N/2+2m+2)ページ目が右側で(N/2−2m−1)ページ目が左側となる面が印刷される。上述の関係性においてページ総数がN、0以上の整数がmである。そして、その裏面に、(N/2−2m)ページ目が右側で(N/2+2m+1)ページ目が左側となる面が印刷される。例えば、N=8の場合、6ページ目が右側で3ページ目が左側の表面と、4ページ目が右側(3ページ目の裏側)で5ページ目が左側(6ページ目の裏側)の裏面とが両面印刷される。同様に、8ページ目が右側で1ページ目が左側の表面と、2ページ目が右側(1ページ目の裏側)で7ページ目が左側(8ページ目の裏側)の裏面とが両面印刷される。また、裏表紙が右側で表表紙が左側に配置される表面と、表表紙の裏面が右側で裏表紙の裏面が左側に配置される裏面とが両面印刷される。なお左綴じの場合については、上述の右側と左側との関係が逆転する点を除いて同様である。
[平綴じ、表紙と本文が別の種類の用紙で作成される場合]
続いて、綴じ方が平綴じ(1in1)で、表紙と本文とで別の種類の用紙を用いるような設定が行われた場合の編集画面の例について、図7及び図8を用いて説明する。表紙と本文とで別の種類の用紙を用いる場合、図7のような表紙用の編集画面700と、図8のような本文用の編集画面800とが用いられる。なお、必ずしもこのような形態でなければならないわけではないが、少なくとも印刷を表紙と本文とで別個に行うことができるように構成される。表紙用の編集画面700と本文用の編集画面800とが別個である場合、それらの切り替えのためのボタンが、例えば、図7の表紙選択ボタン701と本文選択ボタン702のように、編集領域401の内部に表示される。表紙選択ボタン701がユーザによって選択されると、図7のような表紙用の編集画面700が表示され、本文選択ボタン702がユーザによって選択されると、図8のような本文用の編集画面800が表示される。なお、これらのボタンは、編集領域401の外部に表示されてもよい。また、ボタンの形式ではなく、例えばタブ形式で、表紙用の編集画面のためのタブと本文用の編集画面のためのタブとを表示し、いずれかのタブを選択することによって画面を切り替えられるようにしてもよい。
表紙用の編集画面では、図7のように、表表紙及び裏表紙のみが表示される。なお、表表紙と裏表紙は、背表紙側から冊子を見た場合の形式で表示される。すなわち、右綴じの場合、左側に表表紙が表示され、右側に裏表紙が表示される。一方、左綴じの場合は、右側に表表紙が表示され、左側に裏表紙が表示される。平綴じが用いられる場合は綴じ位置が表示されるが、このような表紙用の編集画面では、図7に示すように、表表紙と裏表紙とが並べて配置されている中心側にこの綴じ位置が表示されることとなる。このように、表紙用の編集画面700では、図4や図6のような表紙と本文とが一括で編集される編集画面と比して、表表紙と裏表紙との位置関係が反転する。このような表示を行うことにより、製本後の冊子を開いたときに背表紙側からどのように見えるかをユーザが容易に認識することが可能となる。
なお、本実施形態では、表紙と本文とが別の種類の用紙を用いる場合には、表表紙の裏面や裏表紙の裏面が使用されない(すなわち白紙となる)ものとするが、これに限られない。表表紙の裏面や裏表紙の裏面が使用される場合、表紙用の編集画面において、例えば表表紙の隣に表表紙の裏面が表示され、裏表紙の隣に裏表紙の裏面が表示される。図7の例では、表表紙の左側に表表紙の裏面が表示され、裏表紙の右側に裏表紙の裏面が表示されうる。
本文用の編集画面では、図8のように、表表紙及び裏表紙(並びにそれらの裏面)を除いた本文が編集領域に表示される。図8の編集画面は、表表紙及び裏表紙とそれらの裏面が含まれない点以外は図4と同様である。
[中綴じ、表紙と本文が別の種類の用紙で作成される場合]
中綴じが選択されており、表紙と本文とで別の種類の用紙を用いるような設定が行われた場合の編集画面は、綴じ位置のマークは表示されない点を除いて、図7及び図8と同様である。なお、中綴じの場合、上述のようにページ数が4の倍数である必要があるが、表紙と本文とで別の種類の用紙を用いる場合は、本文のページ数が4の倍数である必要がある。すなわち、上述の例では、表紙と本文とを合わせたページ数が4の倍数となるような調整が行われるように説明したが、本例では、本文のみのページ数が4の倍数となるような調整が行われる。この結果、本例では、表紙の裏面が片面印刷であるとすると、表紙と本文とを合わせたページ数は4の倍数にはならない(aを整数とすると、総ページ数は4a+2となる)。例えば、本文が6ページ分のデータを含むような編集が行われた場合、本文のページ数を4の倍数とするように、2ページ分の白紙ページ等の挿入が行われる。なお、この時挿入されるページは、白紙ページに限定されず、例えば、定型文や定型図、定型模様等が含まれるページであってもよい。
なお、普通紙以外の用紙(例えば光沢紙)を使用することによって、フチなし印刷をすることができる。この場合の編集画面の例を図9に示す。なお、表紙と本文とで別の種類の用紙を用いる設定が行われた場合、表紙に関する編集画面と、本文に関する編集画面が別々で表示される。表紙に関する編集画面と、本文に関する編集画面のうちどちらを表示するかは、編集画面に含まれるタブを選択することによって切り替えることができる。図9は、フチなし印刷設定である状態の表紙に関する編集画面の例である。フチなし印刷をする場合、印刷が行われる用紙のよりも印刷対象の画像が、幅と高さの少なくとも一方において大きくなるように制御する処理である、いわゆる「塗り足し」をする必要がある。このため、光沢紙等のフチなし印刷可能な用紙が選択された場合には、塗り足しを含んだサイズの印刷領域902と、その説明文903とが表示されうる。また、原稿データに基づく画像を、塗り足しを含んだサイズへ合わせるようにして拡縮するための選択肢901が表示される。これにより、ユーザは、簡単な操作を行うだけで、表紙をフチなし印刷で作成することが可能となる。
そして、ユーザは、図4から図9に示される画面を使って編集処理が完了した場合、これらの画面に含まれる印刷設定ボタンを選択する。ユーザは、印刷設定ボタンを選択することで選択される印刷設定画面を使って更なる印刷設定処理を行い、印刷実行を選択する。この処理により製本アプリケーションにより生成されたアプリケーションデータが図3において選択したプリンタに対応するプリンタドライバに送付され、プリンタドライバがアプリケーションデータに基づく印刷データを生成する。なお、表紙と本文とを同一の種類の紙に印刷する場合、アプリケーションデータには表紙に配置されるページと本文に配置されるページの両者が含まれる。すなわち、アプリケーションデータに基づく印刷データによって、表紙に配置されるページと本文に配置されるページの両者が印刷されることになる。一方、表紙と本文を別の種類の紙に印刷する場合、表紙に配置されるページと本文に配置されるページとが別々に印刷されることになる。このため、上述した印刷設定画面が、印刷対象として表紙または本文を選択するための選択肢を用意する。ここでユーザが表紙を選択した状態で印刷を指示した場合、アプリケーションデータには表紙に配置されるページのみが含まれ、表紙用の印刷データがプリンタドライバにより生成される。一方、ユーザが本文を選択した状態で印刷を指示した場合、アプリケーションデータには本文に配置されるページのみが含まれ、本文用の印刷データがプリンタドライバにより生成される。
<第1の実施形態>
[ステープルと画像の配置]
本実施形態に係る綴じ位置と画像の配置について説明する。図10は、上述した製本アプリケーション201の編集領域401に表示されるページの一部を示す。図10に示す2対のページは、見開きの関係にある。すなわち、2枚のページの番号は連続しているが、1枚の用紙の裏表にそれぞれのページが印刷されるのではなく、それぞれ異なる用紙にそれぞれのページが印刷される。図10(a)に示すページは、綴じ設定として「平綴じ」設定がなされており、画面上では、綴じ位置1001が示されている。また、印刷可能な領域と余白領域との境界を境界線1002にて示している。すなわち、境界線1002は、印刷領域の大きさを示す。
図10(b)において、領域1003は、綴じ位置1001においてステープが行われることで、各ページが印刷された印刷物が冊子として製本された場合に、ユーザに視認されない領域である。つまり、冊子を開いた際に、領域1003の部分はユーザから見えなくなる。そのため、領域1003に画像が配置された場合、その画像のうち領域1003に含まれている領域は隠れてしまう。そして、ユーザから見えない領域にまで印刷が行われると、印刷に用いられる記録剤が無駄に消費されてしまう。そこで、本実施形態では、ユーザから見えない領域に印刷が行われることを抑制する形態について説明する。
なお、以下の説明において、綴じ位置よりも背側(例えば、図10の例の場合見開きの中央側)を、綴じ位置の「内側」とも称する。したがって、本実施形態では、綴じ位置の内側に画像が印刷されてしまうと、記録剤が無駄に消費されてしまう可能性があるとして、綴じ位置の内側に画像が配置されないように、印刷領域を特定するものとする。また、本実施形態では、綴じ位置の内側に画像が配置されている場合には、製本物の品質を低下させる可能性があるとして、その旨をユーザが認識可能な状態で通知を行うものとする。
[印刷範囲]
本実施形態にかかる印刷範囲について説明する。なお、図11A〜図11Dにおいて、見開きページではないページは、左ページを例にして示している。図11A〜図11Dに示す領域が、編集画面に表示されうる。
図11A(a)〜図11A(c)は、見開きページでなく、平綴じ且つフチあり設定がなされているページにおける印刷範囲を示す。図11A(a)〜図11A(c)において、上余白幅1104は、用紙領域1101の上辺と印刷領域1103の上辺と間の幅であり、下余白幅1105は、用紙領域1101の下辺と印刷領域1103の下辺と間の幅である。また、右余白幅1106は、用紙領域1101の右辺と印刷領域1103の右辺と間の幅であり、左余白幅1107は、用紙領域1101の左辺と印刷領域1103の左辺と間の幅である。各余白幅は、編集画面にてページ毎に任意の値をユーザが設定可能である。
図11A(a)は、従来の印刷領域を示す図である。従来のフチあり印刷において、印刷領域1103の大きさや位置は、用紙領域1101の大きさ、上余白幅1104、下余白幅1105、右余白幅1106、左余白幅1107に基づいて決定される。すなわち、従来のフチあり印刷において、印刷領域1103の大きさや位置は、綴じ位置1102の位置に応じていない。そのため、例えば、図11A(a)に示すように、右余白幅1106の設定によっては、印刷領域1103が、綴じ位置1102より内側(図面において右側)を含んでしまうことがある。
図11A(b)は、本実施形態に係る印刷領域を示す図である。本実施形態では、綴じ位置1102の位置に応じて、印刷領域1103の範囲(大きさや位置)を切り替える。具体的には、用紙領域1101における綴じ位置1102の位置よりも内側の領域を、印刷領域1103が含まないように、印刷領域1103の幅及び位置を決定する。より具体的には、印刷領域1103の右辺以外の辺の位置は、上余白幅1104や下余白幅1105、左余白幅1107に基づいて従来通り決定される。しかし、印刷領域1103の右辺の位置は、綴じ位置1102と同じとなるように、すなわち、印刷領域1103の右辺と綴じ位置1102との間の幅が0(もしくは、略0)になるように決定される。そのため、例えば、編集画面におけるユーザ設定により、綴じ位置1102の位置が変化した場合には、印刷領域1103の大きさも変化する。なお、例えば、「平綴じ」設定及び「フチあり印刷」設定がなされているページについては、右余白幅1106をユーザが任意に設定できない構成としてもよい。
なお上述の形態に限定されず、例えば、印刷領域1103が、図11A(c)のようにして決定されてもよい。すなわち、用紙領域1101における綴じ位置1102の位置よりも内側の領域を、印刷領域1103が含まない形態であれば、印刷領域1103の右辺と綴じ位置1102との間の幅が生じていてもよい。このとき、印刷領域1103の右辺と綴じ位置1102との間の幅は、ユーザによって右余白幅1106として設定された値と同じになることが好ましい。
図11A(d)〜図11A(f)は、見開きページでなく、平綴じ且つフチあり設定がなされているページにおける印刷範囲を示す。図11A(d)〜図11A(f)において、上はみだし幅1108は、用紙領域1101の上辺と印刷領域1103の上辺と間の幅であり、下はみだし幅1109は、用紙領域1101の下辺と印刷領域1103の下辺と間の幅である。また、右はみだし幅1110は、用紙領域1101の右辺と印刷領域1103の右辺と間の幅であり、左はみだし幅1111は、用紙領域1101の左辺と印刷領域1103の左辺と間の幅である。各はみだし幅は、印刷を実行させる印刷装置から取得される能力情報に基づいて決定される。
図11A(d)は、従来の印刷領域を示す図である。上述したようにフチなし印刷においては、用紙のフチの部分に白筋等が生じないように、印刷領域1103は、用紙領域1101のサイズよりも大きくなるように設定される。従来のフチなし印刷において、印刷領域1103の大きさや位置は、用紙領域1101の大きさ、上はみだし幅1108、下はみだし幅1109、右はみだし幅1110、左はみだし幅1111に基づいて決定される。すなわち、印刷領域1103の大きさや位置や、用紙領域1101に対する印刷領域1103のはみだし幅が、綴じ位置1102の位置に応じていない。
図11A(e)は、本実施形態に係る印刷領域を示す図である。本実施形態では、綴じ位置1102の位置に応じて、印刷領域1103の範囲を切り替える。具体的には、本実施形態では、印刷領域1103の右辺以外の辺の位置は、従来通り、用紙領域1101の右辺以外の辺の位置や、印刷を実行させる印刷装置から取得される能力情報に基づいて決定される各はみだし幅に基づいて決定される。しかし、印刷領域1103の右辺(綴じ位置1102方向の辺)は、用紙領域1101の右辺からではなく、綴じ位置1102から所定の量はみ出すように、位置が決定される。なおこのとき、綴じ位置1102より内側の領域において、綴じ位置1102からははみ出すが、用紙領域1101からははみ出さないように、印刷領域1103の右辺の位置が設定されることが好ましい。より具体的には、用紙領域1101の綴じ位置1102側の辺と、綴じ位置1102との間の少なくとも一部の領域を含まないように印刷領域1103が設定されることが好ましい。これにより、綴じ位置1102にて綴じ部材が取り付けられることで冊子が作成された時にユーザが視認可能な範囲において白筋を生じさせず、且つ印刷における記録剤の消費量を抑制することができる。
なお上述の形態に限定されず、例えば、印刷領域1103が、図11A(f)のようにして決定されてもよい。すなわち、用紙領域1101における綴じ位置1102の位置よりも内側の少なくとも一部の領域を、印刷領域1103が含まない形態であればよく、印刷領域1103の右辺と綴じ位置1102との間の幅が0であってもよい。
図11B(a)〜図11B(c)は、見開きページであり、平綴じ且つフチあり設定がなされているページにおける印刷範囲を示す。見開きページにおいては、用紙領域1101は、見開きページに含まれる2ページ分の用紙領域が合わさったものとする。同様に、印刷領域1103は、見開きページに含まれる2ページ分の印刷領域が合わさったものとする。
図11B(a)は、従来の印刷領域を示す図である。従来のフチあり印刷において、印刷領域1103の大きさや位置は、用紙領域1101の大きさ、上余白幅1104、下余白幅1105、右余白幅1106、左余白幅1107に基づいて決定される。すなわち、従来のフチあり印刷において、印刷領域1103の大きさや位置は、綴じ位置1102に応じていない。
図11B(b)は、本実施形態に係る印刷領域を示す図である。本実施形態では、綴じ位置1102の位置に応じて、印刷領域1103の範囲を切り替える。具体的には、本実施形態では、見開きページのうち左ページの印刷領域1103の右辺以外の辺の位置は、上余白幅1104や下余白幅1105、左余白幅1107に基づいて従来通り決定される。しかし、見開きページのうち左ページの印刷領域1103の右辺は、綴じ位置1102と同じとなるように、すなわち、印刷領域1103の右辺と綴じ位置1102との間の幅が0(もしくは、略0)になるように決定される。そして、見開きページのうち右ページの印刷領域1103の左辺以外の辺の位置は、上余白幅1104や下余白幅1105、右余白幅1106に基づいて従来通り決定される。しかし、見開きページのうち右ページの印刷領域1103の左辺は、綴じ位置1102と同じとなるように、すなわち、印刷領域1103の左辺と綴じ位置1102との間の幅が0(もしくは略0)になるように決定される。そのため、例えば、編集画面におけるユーザ設定により、綴じ位置1102の位置が変化した場合には、印刷領域1103の大きさも変化する。なお、それぞれのページの印刷領域1103は接していないが、印刷領域1103に原稿データに基づく画像が配置される際は、分割された画像がそれぞれのページに配置される。そのため、それぞれのページが印刷されて、平綴じで製本された際は、分割された画像が繋がっているようにユーザに視認される。
なお上述の形態に限定されず、例えば、印刷領域1103が、図11B(c)のようにして決定されてもよい。すなわち、用紙領域1101における綴じ位置1102の位置よりも内側の少なくとも一部の領域を、印刷領域1103が含まない形態であればよく、当該内側の一部の領域を、印刷領域1103が含んでいてもよい。これにより、綴じ位置にて綴じ部材が取り付けられることで冊子が作成された時に閉じ位置周辺において白筋を生じさせず、且つ印刷における記録剤の消費量を抑制することができる。また、綴じ位置より内側の領域においては、左ページと右ページとで、同じ画像が印刷されるように制御してもよい。これにより、白筋の発生が抑制され、綴じ位置にて綴じ部材が取り付けられることで作製された冊子のユーザの視認性が向上する。このように、見開きページでないページのフチあり印刷については、印刷領域が綴じ位置から少しもはみ出さないように制御し、見開きページのフチあり印刷については、印刷領域が綴じ位置から少しはみ出すように制御してもよい。
図11C(a)〜図11C(c)は、見開きページであり、平綴じ且つフチなし設定がなされているページにおける印刷範囲を示す。
図11C(a)は、従来の印刷領域を示す図である。従来のフチなし印刷において、印刷領域1103の大きさや位置は、用紙領域1101の大きさ、印刷を実行させる印刷装置から取得される能力情報に基づいて決定される各はみだし幅に基づいて決定される。すなわち、従来のフチなし印刷において、印刷領域1103の大きさや位置は、綴じ位置1102の位置に応じていない。
図11C(b)は、本実施形態に係る印刷領域を示す図である。本実施形態では、綴じ位置1102の位置に応じて、印刷領域1103の範囲を切り替える。具体的には、本実施形態では、見開きページのうち左ページの印刷領域1103の右辺以外の辺の位置は、上はみだし幅1108や下はみだし幅1109、左はみだし幅1111に基づいて従来通り決定される。しかし、見開きページのうち左ページの印刷領域1103の右辺は、用紙領域1101の右辺からではなく、綴じ位置1102から所定の量はみ出すように、位置が決定される。なおこのとき、綴じ位置1102より内側の領域において、綴じ位置1102からははみ出すが、用紙領域1101からははみ出さないように、印刷領域1103の右辺の位置が設定されることが好ましい。そして、見開きページのうち右ページの印刷領域1103の左辺以外の辺の位置は、上はみだし幅1108や下はみだし幅1109、右はみだし幅1110に基づいて従来通り決定される。しかし、見開きページのうち右ページの印刷領域1103の左辺は、用紙領域1101の左辺からではなく、綴じ位置1102から所定の量はみ出すように、位置が決定される。なおこのとき、綴じ位置1102より内側の領域において、綴じ位置1102からははみ出すが、用紙領域1101からははみ出さないように、印刷領域1103の左辺の位置が設定されることが好ましい。そのため、例えば、編集画面におけるユーザ設定により、綴じ位置1102の位置が変化した場合には、印刷領域1103の大きさも変化する。
なお上述の形態に限定されず、例えば、印刷領域1103が、図11C(c)のようにして決定されてもよい。すなわち、用紙領域1101における綴じ位置1102の位置よりも内側の少なくとも一部の領域を、印刷領域1103が含まない形態であればよい。見開きページのうち左ページの印刷領域1103の右辺と綴じ位置1102との間の幅や、見開きページのうち右ページの印刷領域1103の左辺と綴じ位置1102との間の幅が0(もしくは、略0)であってもよい。
これにより、平綴じ印刷において、綴じ位置1102にて綴じ部材が取り付けられることで冊子が作成された時にユーザが視認可能な範囲において白筋を生じさせず、且つ印刷における記録剤の消費量を抑制することができる。
図11D(a)は、見開きページでなく、中綴じ且つフチあり設定がなされているページにおける本実施形態の印刷範囲を示す。なお、中綴じ設定がなされているページにおいて、綴じ位置1102は、用紙領域1101の見開き中央側の辺(右ページであれば左辺、左ページであれば右辺)上に位置する。印刷領域1103の大きさや位置は、用紙領域1101の大きさ、上余白幅1104、下余白幅1105、右余白幅1106、左余白幅1107に基づいて決定される。
図11D(b)は、見開きページでなく、中綴じ且つフチなし設定がなされているページにおける印刷範囲を示す。印刷領域1103の大きさや位置は、用紙領域1101の大きさ、上はみだし幅1108、下はみだし幅1109、右はみだし幅1110、左はみだし幅1111に基づいて決定される。
図11D(c)は、見開きページであり、中綴じ且つフチあり設定がなされているページにおける印刷範囲を示す。なお、中綴じ設定がなされているページにおいて、綴じ位置1102は、用紙領域1101の見開き中央に位置する。印刷領域1103の大きさや位置は、用紙領域1101の大きさ、上余白幅1104、下余白幅1105、右余白幅1106、左余白幅1107に基づいて決定される。
図11D(d)は、見開きページであり、中綴じ且つフチあり設定がなされているページにおける印刷範囲を示す。印刷領域1103の大きさや位置は、用紙領域1101の大きさ、上はみだし幅1108、下はみだし幅1109、右はみだし幅1110、左はみだし幅1111に基づいて決定される。
上述のように、本実施形態では、中綴じ設定がなされているページの印刷においては、印刷領域1103の大きさや位置は、綴じ位置1102の位置に応じていない。本実施形態では、平綴じ設定がなされているページの印刷においてのみ、印刷領域1103の大きさや位置は、綴じ位置1102の位置に応じて特定する。
また、上述では、綴じ位置に応じて印刷領域を変更する形態を説明したが、この形態が、全てのページに適用されなくてもよい。例えば、冊子における一番外側のページである表紙と裏表紙においては、綴じ位置より内側の領域もユーザは視認可能である。そのため例えば、表紙と裏表紙以外のページにおいてのみ上述の形態を適用し、表紙と裏表紙においては、綴じ位置に応じて印刷領域を変更することなく、従来と同様に用紙領域の大きさ等に応じて印刷領域を決定してもよい。
[フィッティング]
図12は、本実施形態に係るフィッティングを説明するための図である。図12(a)に示す画像がユーザによって選択されており、当該画像が、図12(b)に示すページに配置されるケースについて説明する。
図4にて示したページ設定408において「余白に合わせる」が選択された場合、ユーザによって選択された画像が、アスペクト比が維持されたまま、印刷領域内に収まるように拡縮されて配置される。すなわち、「余白に合わせる」が選択されたことによるフィッティング結果は、図12(c)である。
一方、図4にて示したページ設定408において「用紙に合わせる」が選択された場合、ユーザによって選択された画像が、アスペクト比が維持されたまま、用紙領域内に収まるように拡縮されて配置される。すなわち、「用紙に合わせる」が選択されたことによるフィッティング結果は、図12(d)である。
一方、図4にて示したページ設定408において「原寸大」が選択された場合、ユーザによって選択された画像が、原寸大のまま、用紙領域に配置される。すなわち、フィッティングが行われない。「用紙に合わせる」が選択されたことによる画像の配置結果は、図12(e)である。
上述のようにしてフィッティングや画像の配置が行われた後にも、ユーザは、直接画像を操作することによって、画像の大きさ、アスペクト比、位置等を任意に変更可能である。
[トリミング]
図13は、本実施形態に係るトリミングを説明するための図である。上述のようにして画像が配置された後、実際に印刷されるのは、印刷領域内に配置されている画像のみであるため、印刷領域外の画像がトリミングされる。例えば、図12(c)のページにおいては、画像が印刷領域をはみ出していないため、トリミングは行われない。一方、図12(d)のページにおいては、画像が印刷領域をはみ出しているため、図13(a)に示す領域1301がトリミングされる。同様に、図12(e)のページにおいても、画像が印刷領域をはみ出しているため、図13(b)に示す領域1302がトリミングされる。トリミングは、例えば、プレビュー画面の表示指示が行われたことに基づいて実行される。そして、プレビュー画面において、トリミングされた状態のページが表示される。また、トリミングは、例えば、印刷指示が行われたことに基づいて実行される。そして、トリミングされた状態のページが印刷される。
[処理フロー]
本実施形態に係る処理について、図14を用いて説明する。図14に示す処理フローは、製本アプリケーション201が動作する情報処理装置101のCPU103が、製本アプリケーション201に対応するプログラムを外部記憶装置106等から読み出して実行することにより実現される。本処理は、例えば、製本アプリケーション201によって、編集画面が表示される際や、ページ設定値が変更されて、編集画面の内容を変更する際に実行されるものとする。また、本処理は、表紙や裏表紙を含む各ページに実行される。すなわち、本処理が繰り返されることによって、各ページの印刷領域決定された後、編集画面が表示される。
S1401にて、CPU103は、編集画面に表示されるページであり且つ印刷領域が特定されていないページの中から、処理対象のページを特定する。
S1402にて、CPU103は、処理対象のページに設定されている綴じ方に関する設定情報を取得する。ここでの綴じ方としては、例えば、「中綴じ」「平綴じ」などが挙げられる。
S1403にて、CPU103は、処理対象のページに設定されている綴じ方が平綴じか否かを判定する。CPU103は、平綴じである場合は(S1403にてYES)S1404へ進み、それ以外の設定(例えば、中綴じ)である場合は(S1403にてNO)S1405へ進む。
S1404にて、CPU103は処理対象のページが、表表紙又は裏表紙かを判定する。CPU103は、表表紙又は裏表紙である場合は(S1404にてYES)S1405へ進み、それ以外の設定である場合は(S1404にてNO)S1408へ進む。
S1403にてNOである場合、及び、S1404にてYESである場合は、CPU103は、綴じ位置に応じずに、印刷領域を特定することとなる。
S1405にて、CPU103は、処理対象のページのフチあり/フチなし設定に関する設定情報を取得する。フチあり/フチなし設定は、図3に示す基本設定画面300や図4に示すページ設定408などにて設定される。なお、編集画面が表示されておらず、フチあり/フチなし設定に関する入力がユーザによって行われていないデフォルトの状態では、全てのページに対してフチあり設定がなされているものとする。
S1406にて、CPU103は、処理対象のページが見開きページか否かに関する設定情報を取得する。なお、編集画面が表示されておらず、見開きページの設定に関する入力がユーザによって行われていないデフォルトの状態では、全てのページが見開きページでないものとする。
S1407にて、CPU103は、S1405とS1406にて取得した設定情報に基づいて、処理対象のページにおける印刷領域を特定する。処理対象のページは中綴じ設定であるため、このとき特定される印刷領域は、図11D(a)〜図11D(d)にて示した印刷領域のいずれかとなる。その後、S1412へ進む。
S1403にてYES且つS1404にてNOである場合は、CPU103は、綴じ位置に応じて、印刷領域を特定することとなる。
S1408にて、CPU103は、処理対象のページの綴じ位置に関する設定情報を取得する。当該設定情報は、例えば、処理対象のページに対応する用紙領域における綴じ位置の座標や、綴じ位置の個数、綴じ位置の長さに関する情報である。
S1409にて、CPU103は、処理対象のページのフチあり/フチなし設定に関する設定情報を取得する。本処理は、S1405と同様である。
S1410にて、CPU103は、処理対象のページが見開きページか否かに関する設定情報を取得する。本処理は、S1406と同様である。
S1411にて、CPU103は、S1408〜S1410にて取得した設定情報に基づいて、処理対象のページにおける印刷領域を特定する。処理対象のページは平綴じ設定であるため、このとき特定される印刷領域は、図11A(b)〜(f)、図11B(b)〜(c)、図11C(b)〜(c)にて示した印刷領域のいずれかとなる。
S1412にて、CPU103は、S1401にて特定した処理対象のページが、編集領域に表示されるページのうち、全てのページの印刷領域を特定したか否かを判定する。全てのページの印刷領域を特定した場合は(S1412にてYES)S1413へ進み、全てのページの印刷領域を特定していない場合は(S1412にてNO)S1401へ戻る。
次に、S1413にて、CPU103は、編集画面を表示する。このとき表示される編集画面には、各ページに対応する用紙領域と、各ページに対応し、上述の処理において特定された印刷領域と、が表示される。
その後、各用紙領域において原稿データに基づく画像が配置された状態で、ユーザによって印刷指示がなされた場合、上述の処理において特定された印刷領域の大きさや位置に応じて、印刷データが生成される。このとき、印刷領域外に画像が配置されている場合は、上述したように、画像における印刷領域外の部分は印刷されないようにトリミングされる。そして、生成された印刷データが印刷装置151に送信されることによって記録媒体(用紙)に印刷がなされる。このとき生成される印刷データは、上述の処理によって特定された印刷領域に対応する領域内において画像が形成されるように制御するためのデータである。また、このとき生成される印刷データは、上述の処理によって特定された印刷領域に対応する領域外において、綴じ位置を示すオブジェクト以外の画像が形成されないように制御するためのデータである。
このような形態とすることで、冊子に製本された際にユーザに視認されない部分(綴じ位置より内側の部分)において印刷をしない、又は、当該部分における印刷量を減らすことができる。ひいては、印刷において無駄に記録剤を消費することを抑制することができる。
また、編集領域において予め印刷領域を表示することで、綴じ位置より内側の部分における印刷が抑制されていることをユーザに視認させることができる。
上記の処理フローでは、各設定情報を都度取得するような構成であったが、処理の初めにまとめて取得するような構成であってもよい。
また、上記の実施形態では、綴じ設定として「平綴じ」が設定されている場合に、綴じ位置に応じた印刷領域を特定する例を説明したが、これに限定するものではない。例えば、「天綴じ」設定がなされている場合にも、綴じ位置に応じた印刷領域を特定する同様の処理を行うような構成であってもよい。
また、上記の例では、2か所にステープルを行う例を示して説明したが、これに限定するものではない。例えば、1か所にステープルを行う設定がなされていた場合には、2か所のステープルの場合とは異なる範囲に対して、印刷領域を決定してよい。
<その他の実施形態>
本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。