JP2020007728A - 接合構造物、杭式構造物ならびに杭式構造物の撤去方法 - Google Patents
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(1−1)第1実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造
図1は、本発明の第1実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造を用いて構築された洋上風力発電設備90の正面図であり、図2は、洋上風力発電設備90の下部構造である杭式構造物28(本発明の第1実施形態に係る杭式構造物28)の部位を拡大して示す正面図であり、図3は、杭式構造物28の接合構造の部位をさらに拡大して示す正面図である。図4〜図6は、本発明の第1実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造を構築する手順を模式的に示す図であり、接合構造の部位を拡大して示す縦断面図(外挿鋼管12の中心軸を通る鉛直面で切断した断面図)である。
本発明の第1実施形態に係る杭式構造物28は、図1に示すように、洋上風力発電設備90の下部構造である。
図4〜図6は、本発明の第1実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造を構築する手順を模式的に示す図であり、接合構造の部位を拡大して示す縦断面図(外挿鋼管12の中心軸を通る鉛直面で切断した断面図)である。
予定設置地点までジャケット92(図1、図2参照)を台船(図示せず)で輸送する。
必要に応じてジャケット92の予定設置地点の水底地盤102上を均した後、台船(図示せず)上のクレーン(図示せず)でジャケット92を吊り上げて、予定設置地点における水底地盤102上の所定の位置に、ジャケット92を沈設する(図4参照)。ジャケット92のレグ92Aには、予め工場において外挿鋼管12が連結鋼材94(上フランジ94A、下フランジ94B、ウェブ94C)を介して取り付けられており、ジャケット92の沈設と同時に、外挿鋼管12も所定の位置に配置される。
予定設置地点における所定の位置にジャケット92を沈設した後、ジャケット92に連結された外挿鋼管12内に、鋼管杭100を配置し、所定の深さまで鋼管杭100を水底地盤102に打設する(図5参照)。ジャケット92に連結された外挿鋼管12がテンプレートの役割も果たすため、鋼管杭100の配置の際に、テンプレートを用いることは不要である。
外挿鋼管12の内面と鋼管杭100の外面との間の隙間16にグラウト14を充填する(図6参照)。グラウト14は、グラウトシール22よりも上方の隙間16内に充填される。また、外挿鋼管12の上部に配置された排出管(図示せず)からグラウト14が流れ出るまでグラウト14を隙間16内に充填し、外挿鋼管12の上端までグラウト14を十分に充填する。したがって、グラウト充填部18の範囲は、グラウトシール22の上端から外挿鋼管12の上端までの範囲となる。なお、前述した通り、グラウト充填部の位置の調整は、必ずしもグラウトシールを用いることを必須とするものではない。つまり、充填されるグラウトの粘度や充填工程におけるグラウト充填速度や圧力等の充填制御により、特にグラウトシールを用いなくても経験的に所望の位置までグラウト充填を行うことは可能である。
ジャケット92に接続された外挿鋼管12の全てについて、前記「(1−3)第1実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造の構築方法」のステップS1〜S4の手順を実施することにより、第1実施形態に係る杭式構造物28(図1、図2参照)を構築することができる。
本発明の第1実施形態に係る杭式構造物の撤去方法は、本発明の第1実施形態に係る接合構造物11を備える杭式構造物28を撤去する方法である。
図7(A)は、撤去作業着手前の杭式構造物28の状態を示す模式的に示す正面図であり、図7(B)は、撤去作業着手前の杭式構造物28の接合構造の部位を拡大して示す縦断面図(外挿鋼管12の中心軸を通る鉛直面で切断した断面図)である。図7(A)、(B)に示すように、杭式構造物28は水底地盤102に安定した状態で固定されている。
図8(A)、(B)に示すように、外挿鋼管12の撤去時切断部20の部位を横断方向に切断し、外挿鋼管上部12Bと外挿鋼管下部12Cとに切り分ける。これにより、連結鋼材94を介してジャケット92と連結している外挿鋼管下部12Cは、グラウト充填部18との縁が切れ、鋼管杭100とジャケット92との縁が切れる。
ステップS12で切断した外挿鋼管12の部位に対応する同一高さ位置の鋼管杭100の部位を、鋼管杭100の内面側からカッターで切断する(図9(A)、(B)参照)。これにより、鋼管杭100の杭頭部100Aは、グラウト充填部18とともに、水底地盤102に埋め込まれた鋼管杭100の本体部(杭頭部100A以外の鋼管杭100の部位のことである。以下、鋼管杭本体部100Bと称することとする。)から切り離される。
ステップS13の完了により、グラウト充填部18を含む杭頭部100Aは、ジャケット92および水底地盤102に埋め込まれた鋼管杭本体部100Bから切り離されている(図9(A)、(B)参照)ので、容易に撤去が可能な状態になっている。そこで、図10(A)、(B)に示すように、本ステップS14において、グラウト充填部18を含む杭頭部100Aを撤去する。
ステップS14により、グラウト充填部18を含む杭頭部100Aの撤去を完了させた後、図11(A)、(B)に示すように、本ステップS15において、ジャケット92を上方に上昇させて撤去する。
ステップS15の完了により、ジャケット92の撤去が完了し、杭頭部100Aを除く鋼管杭本体部100Bの部位のみが水底地盤102に残された状態なっている。そこで、図12(A)、(B)に示すように、本ステップS16において、水底地盤102に残された鋼管杭本体部100Bを水底地盤102から引き抜き、撤去する。
本発明の第1実施形態に係る杭式構造物の撤去方法の変形例は、先に「(1−5)第1実施形態に係る杭式構造物の撤去方法」のステップS12の最終段落で記載したように、第1実施形態に係る杭式構造物の撤去方法のステップS12の後、鋼管杭100をグラウト充填部18もろとも上方に引き抜いて撤去する撤去方法であり、鋼管杭100を切断しない撤去方法である。また、鋼管杭100を引き抜いて撤去した後にジャケット92を撤去する方法であり、鋼管杭100の撤去とジャケット92の撤去の順番が、第1実施形態に係る杭式構造物の撤去方法とは逆になっている。
図7(A)は、撤去作業着手前の杭式構造物28の状態を示す模式的に示す正面図であり、図7(B)は、撤去作業着手前の杭式構造物28の接合構造の部位を拡大して示す縦断面図(外挿鋼管12の中心軸を通る鉛直面で切断した断面図)である。図7(A)、(B)に示すように、杭式構造物28は水底地盤102に安定した状態で固定されている。
図8(A)、(B)に示すように、外挿鋼管12の撤去時切断部20の部位を横断方向に切断し、外挿鋼管上部12Bと外挿鋼管下部12Cとに切り分ける。これにより、鋼管杭100を上方に引き抜く力はジャケット92に伝達されなくなるので、鋼管杭100をグラウト充填部18もろとも引き抜いて撤去しても、ジャケット92には力は伝達されない。
ステップS22の完了により、鋼管杭100を上方に引き抜く力はジャケット92に伝達されなくなっているので、本第1実施形態に係る杭式構造物の撤去方法の変形例においては、本ステップS23で、図13に示すように、鋼管杭100をグラウト充填部18もろとも上方に引き抜いて撤去する。
ステップS23で、グラウト充填部18および鋼管杭100の撤去を完了させた後、図14(A)、(B)に示すように、本ステップS24において、ジャケット92を上方に上昇させて撤去する。
本第1実施形態に係る接合構造物11においては、外挿鋼管12の撤去時切断部20を切断することにより、連結されているジャケット92を容易に撤去することができる。
(2−1)第2実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造
図15は、本発明の第2実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造の部位を拡大して示す正面図である。図16〜図18は、本発明の第2実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造を構築する手順を模式的に示す正面図である。
本発明の第2実施形態に係る杭式構造物は、第1実施形態に係る杭式構造物28において、第1実施形態に係る接合構造物11を、第2実施形態に係る接合構造物31に置き換えてなる構造である。図示は省略する。
図16〜図18は、本発明の第2実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造を構築する手順を模式的に示す図であり、接合構造の部位を拡大して示す縦断面図(外挿鋼管32の中心軸を通る鉛直面で切断した断面図)である。
予定設置地点までジャケット92(図1、図2参照)を台船(図示せず)で輸送する。
必要に応じてジャケット92の予定設置地点の水底地盤102上を均した後、台船(図示せず)上のクレーン(図示せず)でジャケット92を吊り上げて、予定設置地点における水底地盤102上の所定の位置に、ジャケット92を沈設する(図16参照)。ジャケット92のレグ92Aには、予め工場において外挿鋼管32が連結鋼材94(上フランジ94A、下フランジ94B、ウェブ94C)を介して取り付けられており、ジャケット92の沈設と同時に、外挿鋼管32も所定の位置に配置される。なお、外挿鋼管32は、継手構造38による連結がなされた状態である。
予定設置地点における所定の位置にジャケット92を沈設した後、ジャケット92に連結された外挿鋼管32内に、鋼管杭100を配置し、所定の深さまで鋼管杭100を水底地盤102に打設する(図17参照)。ジャケット92に連結された外挿鋼管32がテンプレートの役割も果たすため、鋼管杭100の配置の際に、テンプレートを用いることは不要である。
外挿鋼管32の内面と鋼管杭100の外面との間の隙間16にグラウト14を充填する(図18参照)。グラウト14は、グラウトシール22よりも上方の隙間16内に充填される。また、外挿鋼管32の上部からグラウト14が流れ出るまでグラウト14を隙間16内に充填し、外挿鋼管32の上端までグラウト14を十分に充填する。したがって、グラウト充填部34の範囲は、グラウトシール22から外挿鋼管32の上端までの範囲となる。
ジャケット92に接続された外挿鋼管32の全てについて、前記「(2−3)第2実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造の構築方法」のステップS31〜S34の手順を実施することにより、第2実施形態に係る杭式構造物(図示せず)を構築することができる。
本発明の第2実施形態に係る杭式構造物の撤去方法は、本発明の第2実施形態に係る接合構造物31を備える杭式構造物を撤去する方法である。
図18は、撤去作業着手前の杭式構造物(接合構造物31を備える杭式構造物)の状態を示す模式的に示す正面図であり、撤去作業着手前の杭式構造物(接合構造物31を備える杭式構造物)の接合構造の部位を拡大して示す縦断面図(外挿鋼管32の中心軸を通る鉛直面で切断した断面図)である。図18に示すように、撤去対象の杭式構造物(接合構造物31を備える杭式構造物)は水底地盤102に安定した状態で固定されている。
図19に示すように、接合構造物31を備える杭式構造物の継手構造38において、ボルト38Bを取り外す。これにより、継手構造38は、対向するフランジ面38A1、38A2を引き離す方向に加わる上下方向の力を伝達できなくなる。鋼管杭100をグラウト充填部34もろとも引き抜いて撤去しても、ジャケット92には力は伝達されない。
ステップS42の完了により、鋼管杭100を上方に引き抜く力はジャケット92に伝達されなくなっているので、本第2実施形態に係る杭式構造物の撤去方法においては、本ステップS43で、図20に示すように、鋼管杭100をグラウト充填部34もろとも水底地盤102から引き抜いて撤去する。
ステップS43で、グラウト充填部34および鋼管杭100の撤去を完了させた後、図21に示すように、本ステップS44において、ジャケット92を上方に上昇させて撤去する。
本発明の第2実施形態に係る杭式構造物の撤去方法の変形例は、第2実施形態に係る杭式構造物の撤去方法のステップS42(継手構造38のボルト38Bを取り外すステップ)の前に、撤去時分離部36に対応する鋼管杭100の部位を、鋼管杭100の内側から横断方向に切断し、その後、ステップS42で継手構造38のボルト38Bを取り外し、水底地盤102に埋め込まれた鋼管杭100の部位から、鋼管杭100の頭部および外挿鋼管32の上側鋼管32Aを切り離し、切り離した鋼管杭100の頭部および外挿鋼管32の上側鋼管32Aを撤去する。そして、その後、ジャケット92を上方に上昇させて撤去する。ジャケット92を撤去した後、水底地盤102に残った鋼管杭100の部位を水底地盤102から引き抜いて撤去する。
本第2実施形態に係る接合構造物31においては、外挿鋼管32の撤去時分離部36の継手構造38のボルト連結を解除することにより、外挿鋼管32の上側鋼管32Aと下側鋼管32Bとを簡易に分離することができ、連結されているジャケット92を容易に撤去することができる。
(3−1)第3実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造
図22は、本発明の第3実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造を用いて構築された洋上風力発電設備96の正面図であり、図23は、洋上風力発電設備96の下部構造である杭式構造物50(本発明の第3実施形態に係る杭式構造物50)の部位を拡大して示す正面図であり、図24は、杭式構造物50の接合構造の部位をさらに拡大して示す正面図であり、図25は、図24のXXV−XXV線断面図である。図26〜図28は、本発明の第3実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造を構築する手順を模式的に示す図であり、接合構造の部位を拡大して示す縦断面図(外挿鋼管42の中心軸を通る鉛直面で切断した断面図)である。
本発明の第3実施形態に係る杭式構造物50は、図22に示すように、洋上風力発電設備96の下部構造である。
図26〜図28は、本発明の第3実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造を構築する手順を模式的に示す図であり、接合構造の部位を拡大して示す縦断面図(外挿鋼管42の中心軸を通る鉛直面で切断した断面図)である。
予定設置地点までジャケット92(図22、図23参照)を台船(図示せず)で輸送する。
必要に応じてジャケット92の予定設置地点の水底地盤102上を均した後、台船(図示せず)上のクレーン(図示せず)でジャケット92を吊り上げて、予定設置地点における水底地盤102上の所定の位置に、ジャケット92を沈設する(図26参照)。ジャケット92のレグ92Aには、予め工場において外挿鋼管42が連結鋼材94(上フランジ94A、下フランジ94B、ウェブ94C)を介して取り付けられており、ジャケット92の沈設と同時に、外挿鋼管42も所定の位置に配置される。なお、外挿鋼管42は、継手構造48による連結がなされた状態である。
予定設置地点における所定の位置にジャケット92を沈設した後、ジャケット92に連結された外挿鋼管42内に、鋼管杭100を配置し、所定の深さまで鋼管杭100を水底地盤102に打設する(図27参照)。ジャケット92に連結された外挿鋼管42がテンプレートの役割も果たすため、鋼管杭100の配置の際に、テンプレートを用いることは不要である。
外挿鋼管42の内面と鋼管杭100の外面との間の隙間16にグラウト14を充填する(図28参照)。グラウト14は、グラウトシール22よりも上方の隙間16内に充填される。また、外挿鋼管42の上部からグラウト14が流れ出るまでグラウト14を隙間16内に充填し、外挿鋼管42の上端までグラウト14を十分に充填する。したがって、グラウト充填部44の範囲は、グラウトシール22の上端から外挿鋼管42の上端までの範囲となる。
ジャケット92に接続された外挿鋼管42の全てについて、前記「(3−3)第3実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造の構築方法」のステップS51〜S54の手順を実施することにより、第3実施形態に係る杭式構造物50(図22、図23参照)を構築することができる。
本発明の第3実施形態に係る杭式構造物の撤去方法は、本発明の第3実施形態に係る杭式構造物50を撤去する方法である。
図28は、撤去作業着手前の杭式構造物50の接合構造の部位を拡大して示す縦断面図(外挿鋼管42の中心軸を通る鉛直面で切断した断面図)である。図28に示すように、杭式構造物50は水底地盤102に安定した状態で固定されている。
図29に示すように、継手構造48の中間部材48Cを取り外す。
ステップS62で継手構造48の中間部材48Cを取り外すことにより、その部位の鋼管杭100の外周面が外部に露わになる。本ステップS63では、露わになった鋼管杭100の外周面を横断方向に切断する(図30参照)。
ステップS63の完了により、グラウト充填部44を含む杭頭部100Cは、ジャケット92および水底地盤102に埋め込まれた鋼管杭本体部100Dから切り離されている(図30参照)ので、容易に撤去が可能な状態になっている。そこで、図31に示すように、本ステップS64において、グラウト充填部44を含む杭頭部100Cを撤去する。
ステップS64により、グラウト充填部44を含む杭頭部100Cの撤去を完了させた後、図32に示すように、本ステップS65において、ジャケット92を上方に上昇させて撤去する。
ステップS65の完了により、ジャケット92の撤去が完了し、杭頭部100Cを除く鋼管杭本体部100Dの部位のみが水底地盤102に残された状態なっている。そこで、図33に示すように、本ステップS66において、水底地盤102に残された鋼管杭本体部100Dを水底地盤102から引き抜き、撤去する。
本発明の第3実施形態に係る杭式構造物の撤去方法の変形例は、先に「(3−5)第3実施形態に係る杭式構造物の撤去方法」のステップS62の最終段落で記載したように、第3実施形態に係る杭式構造物の撤去方法のステップS62の後、鋼管杭100をグラウト充填部44もろとも上方に引き抜いて撤去する撤去方法であり、鋼管杭100を切断しない撤去方法である。また、鋼管杭100を引き抜いて撤去した後にジャケット92を撤去する方法であり、鋼管杭100の撤去とジャケット92の撤去の順番が、第3実施形態に係る杭式構造物の撤去方法とは逆になっている。
図28は、撤去作業着手前の杭式構造物50の接合構造の部位を拡大して示す縦断面図(外挿鋼管12の中心軸を通る鉛直面で切断した断面図)である。図28に示すように、杭式構造物50は水底地盤102に安定した状態で固定されている。
図29に示すように、継手構造48の中間部材48Cを取り外す。
ステップS72の完了により、鋼管杭100を上方に引き抜く力はジャケット92に伝達されなくなっているので、本第3実施形態に係る杭式構造物の撤去方法の変形例においては、本ステップS73で、図34に示すように、鋼管杭100をグラウト充填部44もろとも水底地盤102から引き抜いて撤去する。
ステップS73で、グラウト充填部44および鋼管杭100の撤去を完了させた後、図35に示すように、本ステップS74において、ジャケット92を上方に上昇させて撤去する。
本第3実施形態に係る接合構造物41においては、外挿鋼管42の撤去時分離部46の継手構造48のボルト連結を解除して、中間部材48Cを取り外すことにより、鋼管杭100の外周面を簡単に露出することができる。それにより、連結されているジャケット92を容易に撤去することができる。
(4−1)第4実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造
図36は、本発明の第4実施形態に係る鋼管杭とジャケットとの接合構造の部位を拡大して示す正面図であり、図37は、図36のXXXVII−XXXVII線断面図である。図38は、第4実施形態に係る接合構造の継手構造68を取り付ける前の状態を模式的に示す、側方から見た分解図である。
本発明において、鋼管杭と外挿される外挿鋼管との隙間に充填されるグラウトは、鋼管杭に外挿される外挿鋼管の接続部位上端よりも上側の所定位置以上の部位にのみ実質的に充填されたものであればよい。つまり、当該所定位置より下側にグラウトが充填されたものであっても、その充填はわずかであって鋼管杭と外挿される外挿鋼管とを接合するのに必要な接合は当該所定位置から上側の部位で実質得られているような場合など、実質的に本発明の効果に影響を及ぼさないような態様を排除するものではない。勿論、グラウトを上方から当該所定位置まで充填する過程で、当該所定位置より下側にわずかにグラウトが漏れ出てしまうような態様も同様に排除するものでもない。
12、32、42、62…外挿鋼管
12A…スペーサ
12B…外挿鋼管上部
12C…外挿鋼管下部
12D…切断部
13、33、43、63…接続部位
14…グラウト
16…隙間
18、34、44、64…グラウト充填部
18A、18B…シアキー
20…撤去時切断部
22…グラウトシール
28、50…杭式構造物
32A、42A、62A…上側鋼管
32B、42B、62B…下側鋼管
36、46、66…撤去時分離部
38、48、68…継手構造
38A…フランジ部
38A1、38A2、48A1、48A2、48B1、48B2、48D1、48D2…フランジ面
38B、48A3、48B3、48D3…ボルト
48A、48B…長手方向直交フランジ部
48C…中間部材
48C1、48C2…半円状部材
48D…周方向直交フランジ部
68A、68B…鋼管側嵌合部
68C…外側締め付け部材
68D、68E…外側嵌合部
68F…貫通孔
68G…ワイヤ
90、96…洋上風力発電設備
92…ジャケット
92A…レグ
92B…マッドマット
94…連結鋼材
94A…上フランジ
94B…下フランジ
94C…ウェブ
100…鋼管杭
100A、100C…杭頭部
100B、100D…鋼管杭本体部
102…水底地盤
Claims (21)
- 鋼管杭と、前記鋼管杭に外挿され、一部にジャケットとの接続部位が形成されている外挿鋼管と、を有し、外挿される前記外挿鋼管と前記鋼管杭との隙間にグラウトを充填させて接合した接合構造物であって、
外挿される前記外挿鋼管と前記鋼管杭との隙間のグラウトは、前記外挿鋼管の前記接続部位上端よりも上側の所定位置から上方にのみ充填されていることを特徴とする接合構造物。 - 鋼管杭と、前記鋼管杭に外挿され、一部にジャケットとの接続部位が形成されている外挿鋼管と、を有し、前記鋼管杭と外挿される前記外挿鋼管との隙間にグラウトを充填させて接合した接合構造物であって、
外挿される前記外挿鋼管と前記鋼管杭との隙間のグラウトは、前記外挿鋼管の前記接続部位上端よりも上側の所定位置から上方にのみ充填されており、
且つ、前記接続部位上端とグラウトが充填されている前記所定位置との間には、継手構造が設けられていて、該継手構造は、前記鋼管杭との隙間に充填されたグラウトにより接合された前記外挿鋼管の部位と、前記鋼管杭との隙間にグラウトが充填されておらず、グラウトによる接合がなされていない前記外挿鋼管の部位と、を分離可能に連結することを特徴とする接合構造物。 - 前記継手構造は、前記外挿鋼管の長手方向と直交するフランジ面同士をボルトで連結したフランジ部を有することを特徴とする請求項2に記載の接合構造物。
- 前記継手構造は、前記外挿鋼管の一部を形成する中間部材と、前記中間部材の上下に位置する前記外挿鋼管の他の一部を前記中間部材に連結させる第1及び第2の連結構造とを有し、
前記中間部材は、ボルトにて接合された複数部材で構成されていて、前記鋼管杭の外周面を覆っており、取り外すことにより前記鋼管杭の外周面を露出させることができ、また、前記中間部材と前記第1及び第2の連結構造の各々とは、前記外挿鋼管の長手方向と直交するフランジ面同士がボルトで連結されており、
前記中間部材と前記第1及び第2の連結構造とのボルト連結を解除し、前記中間部材のボルト接合を解除することで、前記中間部材を前記鋼管杭から取り外し可能に構成したことを特徴とする請求項2に記載の接合構造物。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の接合構造物と、前記外挿鋼管の接続部位に接続された連結部材を介して接続されたジャケットと、を有することを特徴とする杭式構造物。
- 前記ジャケットは、下方に延びるレグを備えていて、該レグの端部には水底地盤に設置可能な接地面が形成されており、
前記レグの一部と前記外挿鋼管の接続部位とは前記連結部材を介して接続されていて、前記ジャケットが立設されていることを特徴とする請求項5に記載の杭式構造物。 - ジャケットと、鋼管杭と、前記鋼管杭に外挿され、連結部材を介して前記ジャケットと接続する接続部位が一部に形成されている外挿鋼管と、を有し、外挿される前記外挿鋼管と前記鋼管杭との隙間のグラウトが、前記外挿鋼管の前記接続部位上端よりも上側の所定位置から上方にのみ充填された杭式構造物の撤去方法であって、
前記接続部位上端とグラウトが充填されている前記所定位置との間にある前記外挿鋼管の部位を横断方向に切断して、前記鋼管杭と、前記接続部位に前記連結部材を介して接続している前記ジャケットと、を切り離す外挿鋼管切断工程を有することを特徴とする杭式構造物の撤去方法。 - 前記ジャケットは、下方に延びるレグを備えていて、該レグの端部には水底地盤に設置可能な接地面が形成されており、
前記レグの一部と前記外挿鋼管の接続部位とは連結部材を介して接続されていて、前記ジャケットが立設されていることを特徴とする請求項7に記載の杭式構造物の撤去方法。 - 前記接続部位上端とグラウトが充填されている前記所定位置との間にある前記鋼管杭の部位を横断方向に切断する鋼管杭切断工程と、
前記外挿鋼管切断工程と前記鋼管杭切断工程の後、切断された前記鋼管杭から、前記連結部材を介して前記ジャケットが接続された前記外挿鋼管の部位を引き抜いて、前記ジャケットを撤去するジャケット撤去工程と、
を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の杭式構造物の撤去方法。 - 前記ジャケット撤去工程の後、少なくとも一部が地盤に埋め込まれた状態にある前記鋼管杭の部位を地盤から引き抜いて撤去する鋼管杭撤去工程を有することを特徴とする請求項9に記載の杭式構造物の撤去方法。
- 前記外挿鋼管切断工程および前記鋼管杭切断工程は、前記外挿鋼管及び前記鋼管杭の部位をワイヤーソーで横断方向に連続して切断して、前記鋼管杭と前記ジャケットとを切り離す連続切断工程であることを特徴とする請求項9または10に記載の杭式構造物の撤去方法。
- 前記外挿鋼管切断工程の後、前記鋼管杭を、グラウト接合されている前記外挿鋼管の部位と共に地盤から引き抜いて撤去する鋼管杭撤去工程と、
前記鋼管杭撤去工程の後、前記ジャケットを撤去するジャケット撤去工程と、
を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の杭式構造物の撤去方法。 - ジャケットと、鋼管杭と、前記鋼管杭に外挿され、連結部材を介して前記ジャケットと接続する接続部位が一部に形成されている外挿鋼管と、を有し、外挿される前記外挿鋼管と前記鋼管杭との隙間のグラウトが、前記外挿鋼管の前記接続部位上端よりも上側の所定位置から上方にのみ充填され、且つ前記接続部位上端とグラウトが充填されている前記所定位置との間に、前記鋼管杭との隙間に充填された前記グラウトにより接合された前記外挿鋼管の部位と、前記鋼管杭との隙間にグラウトが充填されておらず、グラウトによる接合がなされていない一方、前記接続部位が形成されている前記外挿鋼管の部位と、を分離可能に連結する継手構造を有する杭式構造物の撤去方法であって、
前記継手構造による連結を解除して、前記鋼管杭と、前記接続部位に前記連結部材を介して接続している前記ジャケットと、を分離する外挿鋼管分離工程を有することを特徴とする杭式構造物の撤去方法。 - 前記継手構造は、前記外挿鋼管の長手方向と直交するフランジ面同士をボルトで連結したフランジ部を有し、前記外挿鋼管分離工程は、前記継手構造の前記ボルトを取り外して、前記フランジ部における連結を解除することにより行うことを特徴とする請求項13に記載の杭式構造物の撤去方法。
- 前記外挿鋼管分離工程の後、前記鋼管杭を、グラウトにより接合している前記外挿鋼管の部位と共に地盤から引き抜いて撤去する鋼管杭撤去工程と、
前記鋼管杭撤去工程の後、前記ジャケットを撤去するジャケット撤去工程と、
を有することを特徴とする請求項14に記載の杭式構造物の撤去方法。 - 前記接続部位上端とグラウトが充填されている前記所定位置との間において、前記鋼管杭を内側から横断方向に切断する鋼管杭切断工程と、
前記外挿鋼管分離工程と前記鋼管杭切断工程の後、切断された前記鋼管杭から、前記連結部材を介して前記ジャケットが接続された前記外挿鋼管の部位を引き抜いて、前記ジャケットを撤去するジャケット撤去工程と、
前記ジャケット撤去工程の後、少なくとも一部が地盤に埋め込まれた状態にある前記鋼管杭の部位を地盤から引き抜いて撤去する鋼管杭撤去工程と、
を有することを特徴とする請求項14に記載の杭式構造物の撤去方法。 - 前記継手構造は、前記外挿鋼管の一部を形成する中間部材と、前記中間部材の上下に位置する前記外挿鋼管の他の一部を前記中間部材に連結させる第1及び第2の連結構造とを有し、前記中間部材は、ボルトにて接合された複数部材で構成されていて、前記鋼管杭の外周面を覆っており、取り外すことにより前記鋼管杭の外周面を露出させることができ、また、前記中間部材と前記第1及び第2の連結構造の各々とは、前記外挿鋼管の長手方向と直交するフランジ面同士がボルトで連結された構成であって、
前記外挿鋼管分離工程は、前記中間部材と前記第1及び第2の連結構造とのボルト連結を解除し、前記中間部材を構成する複数部材のボルト接合を解除することで、前記中間部材を前記鋼管杭から取り外して行うことを特徴とする請求項13に記載の杭式構造物の撤去方法。 - 前記外挿鋼管分離工程で前記中間部材を取り外した後、前記中間部材によって覆われていた前記鋼管杭の外周面の部位を横断方向に切断する鋼管杭切断工程と、
前記鋼管杭切断工程の後、前記ジャケットを撤去するジャケット撤去工程と、
前記ジャケット撤去工程の後、少なくとも一部が地盤に埋め込まれた状態にある前記鋼管杭の部位を地盤から引き抜いて撤去する鋼管杭撤去工程と、
を有することを特徴とする請求項17に記載の杭式構造物の撤去方法。 - 前記外挿鋼管分離工程で前記中間部材を取り外した後、前記鋼管杭を、グラウト接合されている前記外挿鋼管の部位と共に地盤から引き抜いて撤去する鋼管杭撤去工程と、
前記鋼管杭撤去工程の後、前記ジャケットを撤去するジャケット撤去工程と、
を有することを特徴とする請求項17に記載の杭式構造物の撤去方法。 - 前記接続部位上端とグラウトが充填されている前記所定位置との間にある前記鋼管杭の部位を横断方向に切断する鋼管杭切断工程と、
前記外挿鋼管分離工程と前記鋼管杭切断工程の後、切断された前記鋼管杭から、前記連結部材を介して前記ジャケットが接続された前記外挿鋼管の部位を引き抜いて、前記ジャケットを撤去するジャケット撤去工程と、
を有することを特徴とする請求項13、14及び17のいずれかに記載の杭式構造物の撤去方法。 - 前記ジャケット撤去工程の後、少なくとも一部が地盤に埋め込まれた状態にある前記鋼管杭の部位を地盤から引き抜いて撤去する鋼管杭撤去工程を有することを特徴とする請求項20に記載の杭式構造物の撤去方法。
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