JP2005232908A - 杭頭部の接合構造及び杭の築造方法 - Google Patents

杭頭部の接合構造及び杭の築造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、簡略な構成で施工性が良く、低コストで高耐力化できる杭頭部の接合構造、及び杭頭部の接合構造を有する杭体を上杭部に備える杭の築造方法を提供する。
【解決手段】 拡径部材2を鋼管1aの頭部に設置し、鋼管1aを場所打ちコンクリート杭17を構成する鉄筋かご17aの上部に固定して、地盤11中の杭孔12に建て込む。鉄筋かご17aを埋設するように杭孔12にコンクリート22を打設して下杭部となる場所打ちコンクリート杭17を構築し、鋼管1aと孔壁との隙間に周辺固定液14を注入する。鋼管1a内にコンクリート22を充填して上杭部となる杭体1を構築し、杭体1周辺を掘削して基礎底面13を形成した後、アンカー部材を露出させる。アンカー部材の他端3bが基礎水平部材や上部構造体等に埋設されて、杭体1の杭頭部には、基礎水平部材や上部構造体等との接合構造が形成される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、杭頭部の接合構造及び杭の築造方法に関する。
従来より、コンクリート充填鋼管杭や鋼管杭等の鋼管を用いた杭体と、基礎梁等の基礎水平部材とを接合する際の杭頭部の接合構造には、例えば特許文献1に示すように、杭頭部の外周面に複数のカップラーを設置し該カップラーに対して前記基礎水平部材に他端が固定もしくは定着されるアンカー筋の一端を固定するカップラー方式、杭頭部の外周面にアンカー筋の一端を直接溶接するひげ筋方式、杭頭部より杭体の内方にアンカー筋の一端を挿入して固定する内籠方式、さらには特許文献2や特許文献3に示すように、前記杭体と比較して断面径の大きい外鋼管を杭頭部の外周に配置し、該外鋼管と杭体との間にコンクリートを充填して、該コンクリートにアンカー筋の一端を埋め込む二重鋼管方式等様々な構成が提案されている。
なかでも、二重鋼管方式は、杭頭部が拡径されることからアンカー筋を環状に配置する際の配置径を杭体自身の径より大きくできるため、杭頭に生じる断面力を効率よく処理できる方法として広く知られている。
特公平03−54736号公報(第2図参照) 特開平11−13139号公報(第1図参照) 特開2000−297472号公報(第5図参照)
しかし、上述するような杭頭部の接合構造は、内籠方式では、アンカー筋が平面視で杭体の内部に配置されるから、大きな曲げモーメントが生じる場合、アンカー筋が過密配筋となり、施工性に劣る。また、曲げに対してのアンカー筋の断面効率が悪いため、杭頭固定時に生じる杭頭応力に対処できない場合が多い。
ひげ筋方式では、アンカー筋が杭体の外周面に溶接されるから、内籠方式と比較して断面効率が高いものの、現場での施工性や溶接品質に課題があるだけでなく、杭頭曲げ応力が大きくなると必要数のアンカー筋を配置しきれず杭頭固定時の杭頭応力を処理できない場合がある。
カップラー方式では、アンカー筋の取り付けが容易なことから施工性及び品質ともに向上するものの、カップラーが高価なため工費が増大しやすい。また、杭頭曲げ応力が大きくなると必要数のアンカー筋を配置しきれず、杭頭固定時の杭頭応力を処理できない場合がある。
さらに、二重鋼管方式であっても、内籠方式やひげ筋方式またはカップラー方式と比較して、杭体の中立軸からアンカー筋までの距離が大幅には大きくならないため、アンカー筋の軸力負担が軽減されず、また、鋼管杭頭部に生じる大きな曲げモーメントをアンカー筋で処理することが多いため、大地震時に杭頭を剛接合するにはアンカー筋が密になりやすく、施工性に劣る。さらに、アンカー筋を外鋼管と杭体との間にあるコンクリートに定着することから、定着長を確保するために外鋼管の長さが長くなり、コストアップの要因となり易い。
上記事情に鑑み、本発明は、簡略な構成で施工性が良く、低コスト化を図りながら無理なく大地震時下における杭頭部と基礎水平部材もしくは上部構造体との接合部の高耐力化を図ることができる杭頭部の接合構造、及びこのような杭頭部の接合構造を有する杭体を少なくとも上杭部に備える杭の築造方法を提供することを目的としている。
請求項1記載の杭頭部の接合構造は、少なくとも杭頭部近傍に鋼管を備える杭体を、基礎水平部材もしくは上部構造体に接合するための杭頭部の接合構造であって、前記杭体の杭頭を拡径する拡径部材と、鉛直方向に延在し少なくとも一端を前記拡径部材に固着され、他端を前記基礎水平部材もしくは上部構造体に埋め込まれる複数のアンカー部材とを備えてなり、前記拡径部材が、前記杭体の外径と比較して内径が大きく、杭頭部を内包するように配置される外鋼管と、前記外鋼管の上端面及び下端面を閉塞するように水平に設置され、外周面を前記外鋼管の内周面に固定されるとともに、中央部に前記杭体の外径に等しい径の杭貫通孔を有し、該杭貫通孔に前記杭体を挿通させて孔縁を固定される上ダイアフラム及び下ダイアフラムと、前記外鋼管及び前記杭体に囲まれる領域に充填される硬化材により構成されることを特徴としている。
請求項2記載の杭頭部の接合構造は、前記アンカー部材の一端が、前記拡径部材を構成する前記外鋼管の外周面に固着されることを特徴としている。
請求項3記載の杭頭部の接合構造は、前記下ダイアフラムが、杭貫通孔に前記杭体を挿通した際の杭体との孔縁に、テーパー面を有しており、該テーパー面と前記杭体の外周面との隙間に楔部材を嵌合して孔縁を固定することを特徴としている。
請求項4記載の杭頭部の接合構造は、前記上ダイアフラムが、複数の鋼板を平面上に組み合わせて構成されることを特徴としている。
請求項5記載の杭頭部の接合構造は、前記上ダイアフラムに、前記硬化材の充填時に用いる充填孔もしくは空気孔として機能する貫通孔が備えられることを特徴としている。
請求項6記載の杭頭部の接合構造は、前記下ダイアフラムの前記上ダイアフラムの貫通孔と鉛直方向同軸となる位置に、前記上ダイアフラムと同様の貫通孔が備えられることを特徴としている。
請求項7記載の杭の築造方法は、あらかじめ、前記杭体を構成する鋼管の頭部に、前記アンカー部材を所定位置に固着した拡径部材を一体的に製作しておき、該拡径部材が設置されている鋼管の下端部近傍を場所打ちコンクリート杭を構成する鉄筋かごの上部に固定し、これを地盤中の削孔に吊り込む第1の工程と、前記鉄筋かごを埋設するように削孔内にコンクリートを打設して下杭部となる場所打ちコンクリート杭を構築する第2の工程と、前記鋼管と孔壁との隙間に周辺固定液を注入した後、前記鋼管内にコンクリートを充填して上杭部となる杭体を構築し、また、該コンクリートを余盛りする第3の工程と、前記杭体周りの基礎底面を掘削し、アンカー部材を露出させる第4の工程とにより構成されることを特徴としている。
請求項8記載の杭の築造方法は、第3の工程で、周辺固定液を用いることなく、前記鋼管内にコンクリートを充填して上杭部となる前記杭体を構築し、該コンクリートをオーバーフローさせて前記鋼管と孔壁との隙間を充填し余盛りすることを特徴としている。
請求項9記載の杭の築造方法は、前記削孔の地盤面から杭天端近傍に至る高さ範囲に、孔壁を覆うケーシングがあらかじめ設置されており、第4の工程で、該ケーシングを撤去した後に杭体周りの基礎底面を掘削し、アンカー部材を露出させることを特徴としている。
請求項10記載の杭の築造方法は、第1の工程で、前記アンカー部材を所定位置に固着した外鋼管、上ダイアフラム及び下ダイアフラムを組立てて、これをあらかじめ前記杭体を構成する鋼管の頭部に一体的に製作しておき、該鋼管の下端部近傍を場所打ちコンクリート杭を構成する鉄筋かごの上部に固定して、地盤中の削孔に吊り込み、第4の工程で、前記杭体周りの基礎底面を掘削しアンカー部材を露出させた後、前記外鋼管と前記杭体を構成する鋼管との間に硬化材を充填して、上部杭となる杭体に拡径部材を形成することを特徴としている。
請求項1から6に記載の杭頭部の接合構造によれば、前記拡径部材もしくは拡径部材を構成する外鋼管の外周面にアンカー部材を固着するから、環状に配置されたアンカー部材の配置径は、杭頭部自身にアンカー部材を配置していた従来のひげ筋方式や内籠方式と比較して大きい径を確保でき、またその大きさは、前記拡径部材に適用する前記外鋼管の断面径によって自在に調整できるため、過密配筋を解消できる。これにより、杭頭部の曲げ耐力や引抜き耐力を容易に増大することができるため、上部構造体や基礎水平部材に対して剛に接合した場合にも、地震等の発生により杭頭接合部が破壊する現象を防止することができ、無理なく杭頭部の接合構造の高耐力化を図ることが可能となる。
なお、拡径部材は、コンクリート充填鋼管杭、外郭鋼管付きコンクリート杭、鋼管杭、鋼管巻きPHC杭(SC杭)等、杭頭部近傍に鋼管を備えた構成であればいずれの杭体に対しても適用することが可能である。
また、前記アンカー部材を拡径部材に固着する際に、従来の二重鋼管方式のような杭体と外鋼管との隙間に充填される硬化材にアンカー部材の一端を埋設する必要がない。このため、アンカー部材の径に応じて外鋼管の長さを調整する煩雑な工程を省略することが可能となり、施工性及び品質をより向上することが可能となる。加えて、前記外鋼管の部材長に、アンカー部材を前記硬化材に定着させる際の定着長さを確保する必要がないため、外鋼管の長さを短くすることが可能となる。
さらに、前記杭体の杭頭部に配置される拡径部材には、中央部に有する杭貫通孔に前記杭体を挿通させて孔縁を固定した状態で外鋼管に設置されている上ダイヤフラム及び下ダイヤフラムを備えることから、従来より杭頭部の接合構造に用いられている二重鋼管方式と比較して上部構造体や基礎水平部材から杭体への応力伝達がより確実でスムーズに行われることとなる。
このため、前記杭体の杭頭部を内包する前記外鋼管の部材長を短くすることができ、経済性とともに施工性を大幅に向上することが可能となる。また、外鋼管の板厚をも薄くできることから、製造コストを大幅に削減でき、より経済性を向上することが可能となる。
請求項3に記載の杭頭部の接合構造によれば、前記下ダイアフラムが、前記杭体の外周面との隙間に楔部材を嵌合して孔縁を固定されることから、煩雑な作業となる溶接工程を下ダイアフラムの設置に際し省略できるため、工費削減及び工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
請求項4もしくは5に記載の杭頭部の接合構造によれば、前記上ダイアフラムが、複数の鋼板を平面上に組み合わせて構成される、または、前記上ダイアフラムに、充填孔もしくは空気孔として機能する貫通孔が備えられることから、施工の条件や作業状況に応じて拡径部材を構成する硬化材の打設作業を工場及び現場の何れにおいても適宜実施することが可能となる。
請求項6に記載の杭頭部の接合構造によれば、前記下ダイアフラムには、前記上ダイアフラムの貫通孔と鉛直方向同軸となる位置に、前記上ダイアフラムと同様の貫通孔が備えられている。これにより、拡径部材を備えた杭体を地盤中に築造するにあたり、上ダイアフラム及び下ダイアフラムの貫通孔に注入管を貫通させ、該注入管を用いて杭体を構成する鋼管と孔壁との隙間に周辺固定液を注入できるため、上杭部となる杭体の頭部に杭体と比較して径の大きい拡径部材が設置されていても作業性を損なうことがなく、効率よく杭の築造作業を実施することが可能となる。
請求項7から9に記載の杭の築造方法によれば、あらかじめ杭の上杭部を構成する前記杭体に拡径部材を一体的に設置することから、該拡径部材を構成する硬化材にコンクリートを用いる場合にはその作業をPC工場において気中コンクリートで打設することができるため、品質管理された高強度コンクリートを使用することが可能になるとともに、現場での作業量を大幅に削減でき工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
請求項10に記載の杭の築造方法によれば、外鋼管と杭体の間隙に充填される硬化材が基礎底面を掘削後に打設されることから、拡径部材が設置された鋼管の重量を小さくできるため、現場への搬送が効率的となり、また、削孔への吊り込みの際の扱いを容易とすることが可能となる。
また、基礎水平部材や上部構造体の構築に使用するコンクリートを外鋼管と杭体の間隙に充填される硬化材に用いることにより、コンクリートの打設を一度にまとめて行うことができ、作業効率化やコスト合理化を図ることが可能となる。
請求項7から10に記載の杭の築造方法によれば、あらかじめ前記アンカー部材が拡径部材を構成する外鋼管に固着された上で杭体の打設作業が行われることから、杭体を打設した後に従来のひげ筋方式のようなアンカー部材を設置することを目的とした杭頭部周辺の地盤掘削作業を実施する必要がないため、アンカー部材と拡径部材との接合部の信頼性が高まり、施工時の安全性を向上できるとともに施工性を大幅に向上でき、工費削減、工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
また、従来より一般に実施されている場所打ちコンクリート拡頭杭の施工方法が踏襲できることから、特別な機器や設備が不要で容易に杭体を築造することが可能となる。
本発明の杭頭部の接合構造及び杭の築造方法を、図1から図7に示す。本発明は、少なくとも杭頭部近傍にコンクリート充填鋼管を備える杭体の杭頭部に、杭頭部を内包する外鋼管と、中央部の杭貫通孔に杭体を挿通させて孔縁を固定した状態で前記外鋼管の上端面及び下端面を閉塞する上ダイアフラム及び下ダイアフラムを備える拡径部材を配置し、該拡径部材の外鋼管に上部構造体もしくは基礎水平部材との接合に用いるアンカー部材を接合する。
これにより、杭頭部の接合構造を簡略化し施工性を向上するとともに、拡径部材に板厚や長さの小さい部材を用いて低コスト化を図りながら、無理なく杭頭部の接合構造の高耐力化を図るものである。
図1(a)に示すように、鋼管1aとその中空部に充填されているコンクリート22を備える充填コンクリート鋼管造の杭体1の杭頭部には、拡径部材2とアンカー部材3が備えられており、図1(b)に示すように、該拡径部材2は、外鋼管4、上ダイアフラム5、下ダイアフラム7、及び硬化材10により構成されている。
なお、前記鋼管1aの上端部の内周面にはリブ1bが形成されており、中空部に充填されているコンクリート22との付着力を高める構成となっている。
前記外鋼管4は、前記杭体1を構成する鋼管1aの外径Dと比較してその内径が大きい鋼管よりなり、その部材長Lは、前記鋼管1aの外径Dの約0.5〜1.0倍程度を確保している。
前記上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7は、柱や梁等の接合部において取り合い部材として一般に広く用いられている鋼板であり、前記外鋼管4の内断面と略等しい面積を有している。また、図1(b)に示すように、鋼管1aに対して中央部に杭体1の外径と同径の杭貫通孔5a、7aを有するいわゆる外ダイアフラムであり、該杭貫通孔5a、7aに鋼管1aつまり杭体1が挿通される。
これらは、図1(b)(c)に示すように、前記外鋼管4が前記杭体1に対して同軸上でかつ杭頭部近傍を内包するように配置されており、また、前記上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7が前記杭貫通孔5a、7aに杭体1を挿通された状態で前記外鋼管4の上端面及び下端面各々を閉塞するように配置され、杭貫通孔5a、7aの孔縁と前記杭体1を構成する鋼管1aの外周面、及び前記外鋼管4の上端部近傍の内周面及び下端部近傍の内周面と前記上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7の外側面5b、7bどうしはそれぞれ溶接等の固着手段を介して固着されている。
このとき、前記上ダイアフラム5の表面5cが前記杭体1の杭頭面及び上ダイアフラム5の天端面とほぼ同一水平面を形成する高さに位置するよう、外鋼管4及び下ダイアフラム7も配置されている。
このような構成により、前記杭体1の杭頭部近傍には前記外鋼管4、上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7に囲まれた空隙が形成され、該空隙に硬化材10が充填されて拡径部材2が形成されることとなる。これら拡径部材2は、杭頭を拡径できるのみでなく、杭頭部近傍を補剛する機能をも有している。
本実施の形態では、硬化材10にコンクリートを用いているが、必ずしもこれにこだわるものではなく、ソイルモルタル、モルタル等前記外鋼管4、上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7に囲まれた空隙を充填できるものであれば、何れを用いても良い。
なお、図1(c)に示すように、前記上ダイアフラム5には、該杭貫通孔5aの周囲に貫通孔6が備えられており、該貫通孔6を利用して前記硬化材10を充填する構成となっている。これら、前記上ダイアフラム5に、前記硬化材10の打設時に用いる充填孔及び空気孔として機能する貫通孔6が備えられていることにより、施工の条件や作業状況に応じて、拡径部材2を構成する硬化材10の打設作業を工場及び現場の何れにおいても適宜実施することが可能となるものである。
なお、上ダイアフラム5の貫通孔6は、必ずしもこれにこだわるものではない。例えば、図2(a)に示すように、上ダイアフラム5を複数の鋼板9が平面上に組み合わされた構成とし、この鋼板9間の隙間からもしくは鋼板9の1片を取り外すことで硬化材10を充填できる構成としても良い。
また、前記下ダイアフラム7は、必ずしも杭貫通孔7aを鋼管1aの外周面に直接的に固着する構成にこだわるものではない。例えば、図2(b)に示すように、杭貫通孔7aの鋼管1aとの孔縁に鉛直下方向に広がるテーパー面を形成し、鋼管1aの外周面と杭貫通孔7aのテーパー面との間に楔部材15を嵌合することで下ダイアフラム7を鋼管1aに固定しても良い。
ここで用いる楔部材15は、鋼管1aの外周面及び杭貫通孔7aのテーパー面各々に面どうしで接する形状に成形された内周面及び外周面を有するリング状の部材を用いているが、その形状は必ずしもこれにこだわるものではなく、上述した形状のリングを複数に分割したピースとしてもよい。この場合には、鋼管1aの外周面と杭貫通孔7aのテーパー面との間に、ピース状の楔部材15を所定の離間間隔をもって複数配置すればよい。
さらに、本実施の形態において、拡径部材2を、コンクリート充填鋼管の前記杭体1に適用したが、必ずしもこれにこだわるものではなく、該杭体1は、外郭鋼管付きコンクリート杭、鋼管杭、鋼管巻きPHC杭(SC杭)等、杭頭部近傍に鋼管を備えた構成であればいずれの杭体1に適用してもよい。
ところで、上述する拡径部材2には、前記アンカー部材3が備えられている。該アンカー部材3は、図1(a)(b)に示すように鉛直方向に延在しており、他端3bが前記拡径部材2から外鋼管4と同軸方向に突出するように一端3aを前記外鋼管4の外周面に溶接等の固着手段により固着されて、図1(c)に示すように前記外鋼管4の外周面、つまり拡径部材2の外周縁に沿うように所定の離間間隔をもって環状に複数配置されている。
該アンカー部材3は、少なくとも他端3bが前記杭体1の上方に構築される基礎水平部材や上部構造体等に埋設されるもので、このような構成により、前記杭体1の杭頭部には、基礎水平部材や上部構造体等と一体化された接合構造が形成される。
なお、本実施の形態ではアンカー部材3として、一般に広く用いられている細鉄筋を用いているが、必ずしもこれにこだわるものではない。例えば、図2(c)に示すようなカプラーを用いる構成等、後に前記杭体1の上部に構築される基礎水平部材や上部構造体等と接合する際のアンカー部材3として機能するものであれば、いずれを用いてもよい。ただし、該アンカー部材3にカプラーを用いる場合には、カプラーにねじ節鉄筋等のアンカー筋が嵌合されることとなる。
また、前記アンカー部材3には、基礎水平部材や上部構造体等に埋設される他端が拡径されている頭部付き鉄筋やプレートナット工法を使用しても良く、これによりアンカー長さを短くすることもできる。
さらに、本実施の形態では前記アンカー部材3の一端3aを拡径部材2を構成する外鋼管4の外周面に固着する構成を示したが、必ずしもこれにこだわるものものではない。例えば、杭体1の築造時に実施する杭頭のはつり作業に係る施工性を向上すべくアンカー部材3の一端3aを上ダイアフラム5の表面5cに固着する等、拡径部材2であれば何れの位置に固着する構成としても良い。
このような構成の杭頭部の接合構造は、前記拡径部材2を構成する上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7が前記杭体1を構成する鋼管1aの外周面に固定されることから、従来の二重鋼管方式と比較して上部構造体や基礎水平部材から杭体1への応力伝達がより確実でスムーズに行われる。このため、従来では外径Dの2倍程度を必要としていた外鋼管4の部材長を0.5〜1.0倍程度に短小化できるものである。
なお、前記アンカー部材3の一端3aは前記拡径部材2の外鋼管4に固着されていることから、前記硬化材10に埋設する必要がない。このため、アンカー部材3の径に応じて調整する前記硬化材10への定着長さに対応すべく、前記外鋼管4の部材長を考慮する煩雑な作業も不要となる。
また、前記拡径部材2は前記杭体1の杭頭部を拡径する機能を有し、該拡径部材2の外鋼管4の外周面に前記アンカー部材3が固着されることから、図1(b)に示すように環状に配置されたアンカー部材3の配置径Dを杭体1自身に固着する場合と比較して大きくとれるため杭頭接合部の曲げ耐力も大きく取れ、地震等が生じた際に生じやすい杭頭接合部の破壊を防止することができるものである。
なお、アンカー部材3の配置径Dは、拡径部材2を構成する外鋼管4の断面径を調整することでその大きさを適宜調整でき、また過密配筋を防止できる。これに伴い杭頭接合部の引抜き耐力を増大できるだけでなく曲げ耐力も容易に増大させることができる。この結果、靱性に劣る杭頭接合部でなく、変形性能の大きい杭体1の一般部で曲げ降伏させることができるものである。
上述する構成の杭頭部の接合構造を有する杭体1は、コンクリート充填鋼管造の杭として用いることもできるが、本実施の形態では、該杭体1を上杭部、場所打ちコンクリート杭17を下杭部に備えるハイブリッド構造の杭16を例に挙げて、その築造方法を図3から図5を参照しながら以下に示す。
(第1の工程)
第1の工程では、図3(a)に示すように、前記上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7を前記外鋼管4の上端部の内周面及び下端部の内周面各々に溶接等の固着手段を介して固着する。この後、図3(b)に示すように上ダイアフラム5の表面5cが杭頭面とほぼ同一水平面を形成する高さに位置するように上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7の杭貫通孔5a、7aに前記杭体1を挿通し、杭貫通孔5a、7aの孔縁と杭体1を構成する鋼管1aの外周面とを溶接等の固着手段を介して固着する。
なお、前述したように前記楔部材15を介して下ダイアフラム7を杭体1に固定する場合には、楔部材15を鋼管1aの外周面に溶接等の固着手段を介して一体化した後、上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7の杭貫通孔5a、7aに前記杭体1を挿通して下ダイアフラム7と楔部材15とを嵌合し、上ダイアフラム5の杭貫通孔5aの孔縁と杭体1を構成する鋼管1aの外周面とを溶接等の固着手段を介して固着すればよい。
次に、図3(b)に示すように、前記上ダイアフラム5に備えられた貫通孔6を利用して杭体1、外鋼管4、上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7の間に形成された空隙部に硬化材10を充填し、拡径部材2を製造する。このとき、前記上ダイアフラム5には前記貫通孔6が複数設けられていることから、これらが空気孔として機能して上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7、鋼管1a及び外鋼管4に挟まれた空隙部に隙間無く均質に硬化材10を充填できる。
なお、前述したように前記上ダイアフラム5が複数の鋼板9を組み合わせて形成されている場合には、鋼板9間の隙間を充填用開口として利用するか、少なくとも1枚の鋼板9を取り除いて開口を形成し、該開口から前記硬化材10を充填すればよい。このとき、前記硬化材10を充填した後の鋼板9は、溶接等により隣接する鋼板9間の隙間の全てを平面上に固着してもよいが、歩留まりの向上によるコストダウン効果を考慮して、平面上に並べておくのみでも良い。
これらの作業は、現場に搬送される前にあらかじめ工場等にて実施されるものであり、前記拡径部材2を備えた鋼管1aは、工場等で製造されるプレキャスト部材となる。したがって、硬化材10としてコンクリートを用いる場合にPC工場で気中コンクリートが打設できることから、拡径部材2を構成する硬化材10を品質管理された高強度コンクリートとすることもできる。
次に、図3(c)に示すように、現場にて地盤11中の所定位置に図示しない支持地盤に達する深さまで杭孔12を削孔する。なお、前記杭孔12の削孔は、従来より一般に行われている場所打ちコンクリート拡頭杭を築造する場合と同様の手順で実施すればよい。ここで、本実施の形態では、杭孔12の地盤面から後に構築するハイブリッド構造の杭17の杭天端近傍に至る高さ範囲に、孔壁を覆うケーシング19を配置する。これは、下杭部となる場所打ちコンクリート杭17を築造する際に一般に用いられるものであり、杭孔12の崩壊を防止することを目的としているが、地盤によっては必ずしも用いる必要はない。
次いで、前記拡径部材2と同様に、あらかじめハイブリッド構造の杭17の下杭部となる場所打ちコンクリート杭17を構成する鉄筋かご17aを組み立てておき、図4(a)に示すように、前記拡径部材2が杭頭部に一体的に設置された鋼管1aを現場に搬送し、該鋼管1aの下端部近傍を前記鉄筋かご17aの上部に固定手段を介して固定し、図4(b)に示すように、これを前記杭孔12に吊り込む。
なお、前記鉄筋かご17aは、場所打ちコンクリート杭17を構成する複数の主筋と帯筋をかご状に組み立てたものであり、本実施の形態では該鉄筋かご17aの断面外径を鋼管1aの外径と比較して大きく形成している。
また、該鋼管1aの下端部に鉛直方向に突出して延在する複数のアンカー筋18を設置しておき、図4(b)に示すように、鋼管1aの下端部を鉄筋かご17aの上部から内方に挿入して、鉄筋かご17aとアンカー筋18との間に重ね継ぎ手を形成させた上で結束等により両者を固定している。しかし、鉄筋かご17aに鋼管1aを固定する方法は必ずしもこれにこだわるものではない。
(第2の工程)
第2の工程では、前記鉄筋かご17aを埋設するように杭孔12にコンクリート22を打設して下杭部となる場所打ちコンクリート杭17を構築する。
このとき、拡径部材2が杭頭部に一体的に設置された前記鋼管1aとこれに固定された鉄筋かご17aは、図4(c)に示すように、前記ケーシング19に架設された受け台20を介して支持されて、杭孔12内で鉛直を保持しているが、杭孔12と同軸状で鉛直を保持できるように建て込むことのできる構成であれば、必ずしも受け台20を用いる必要はない。
また、コンクリート22の打設作業は、図5(a)に示すように、トレミー管21aを前記鋼管1aの中空部より挿入して実施し、前記鋼管1aのアンカー筋18と鉄筋かご17aにより形成された重ね継ぎ手が埋設される深さまで打設する。
(第3の工程)
第3の工程では、前記鋼管1aと杭孔12の孔壁との隙間に周辺固定液14を注入した後、前記鋼管1a内にコンクリート22を充填して上杭部となる杭体1を構築し、また、該コンクリート22を余盛りする。
本実施の形態において、拡径部材2の下ダイアフラム7には図2(d)に示すように、上ダイアフラム5に設けられた貫通孔6と鉛直方向で同軸となる位置に、上ダイアフラム5の貫通孔6と同様の貫通孔8を設ける構成としており、また、これらと同軸状に位置する硬化材10に空洞が形成されて、鉛直方向に貫通できる構成を有している。
なお、上ダイアフラム5が複数の鋼板9を組み合わせた構成を有している場合には、鋼板9の数片に貫通孔6を設けておき、鋼板9どうしを溶接等の固着手段を介して固着する構成としてもよい。
したがって、鋼管1aと杭孔12の孔壁との隙間に周辺固定液14を打設する際には、周辺固定液14打設用のトレミー管21bを図5(b)に示すように、上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7の貫通孔6及び貫通孔8に挿通させる、つまり拡径部材2を貫通させることで、前記鋼管1aと比較して径の大きい拡径部材2が備えられていても、周辺固定液14の打設に係る作業性を損われることはない。
これらの作業の後、図5(c)に示すように、周辺固定液14打設用のトレミー管21bを撤去した上で、第2の工程で場所打ちコンクリート杭17を構築する際に用いたトレミー管21aを利用して、前記鋼管1a内にコンクリート22を充填する。
なお、周辺固定液14の注入方法は必ずしも上述するものにこだわるものではなく、何れの方法を用いても良い。
(第4の工程)
第4の工程では、図5(d)に示すように、杭体1周辺の地盤11を掘削して基礎底面13を形成した後、前記拡径部材2を構成する上ダイアフラム5の表面5c及び前記アンカー部材3の他端3bを露出させる。
これにより上杭部に杭体1、下杭部に場所打ちコンクリート杭17を備えるハイブリッド構造の杭16が地盤11中に築造されることとなる。
なお、第1の工程で述べたように、杭孔12の地盤面から後に構築するハイブリッド構造の杭16の杭天端近傍に至る高さ範囲には、孔壁を覆うケーシング19を配置していることから、該ケーシング19及びこれに仮設した受け台20を撤去した後、杭体1周辺の地盤11を掘削する。
また、本実施の形態では、第3の工程で上杭部となる杭体1の構築に際し鋼管1aと孔壁との間に周辺固定液14を打設する方法を示したが、必ずしもこれにこだわるものではない。
図6(a)に示すように、杭孔12にコンクリートを打設して下杭部となる場所打ちコンクリート杭17を構築する第2の工程から連続して、図6(b)に示すように第3の工程で、前記鋼管1a内にコンクリート22を充填して上杭部となる杭体1を構築し、また図6(c)に示すように、該コンクリート22をオーバーフローさせる。つまり、鋼管1aと孔壁との間を周辺固定液14に代わりコンクリート22で充填する方法である。
さらに、本実施の形態では、第1の工程で拡径部材2を製造し、前記鋼管1aの頭部にあらかじめ設置しているが、必ずしもこれにこだわるものではない。
第1の工程で拡径部材2の外郭である上ダイアフラム5、下ダイアフラム7及び外鋼管4を鋼管1aの頭部に設置しておき、第4の工程で上ダイアフラム5の表面5cが露出した後、上ダイアフラム5、下ダイアフラム7及び外鋼管4に囲われた空隙部に前記硬化材10を充填して拡径部材2を製造しても良い。この場合には、上ダイアフラム5、下ダイアフラム7及び外鋼管4に囲われた空隙部に土等の異物が入らないよう、第1の工程であらかじめ貫通孔6をパテやテープ等で塞ぐ養生処理を施しておく。
さらには、拡径部材2の寸法や基礎底面13付近の地盤条件によって可能であれば、杭体1を構成する鋼管1aとは別に拡径部材2を製作しておき、杭体1の築造並びに基礎底面13の掘削後に、杭体1周辺の地盤11をさらに必要深さだけ掘り下げて、あらかじめ製作しておいた前記拡径部材2を杭体1の杭頭付近の所定位置に固定することにより、本発明の杭頭部の接合構造を形成することもできる。
このとき、外鋼管4および上ダイアフラム5、下ダイアフラム7により構成される空間に硬化材10をあらかじめ充填し、硬化させた拡径部材2を杭体1の杭頭部に固定しても良いし、外鋼管4と上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7よりなる外郭部分のみを杭頭付近に固定した後、外鋼管4と上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7、杭体1により形成される空間に硬化材10を充填しても良い。
上述する構成の杭頭部の接合構造によれば、前記拡径部材2を構成する外鋼管4の外周面にアンカー部材3を環状に固着するから、その配置径Dは杭頭部自身にアンカー部材3を配置していた従来のひげ筋方式や内籠方式と比較して大きい径を確保でき、またその大きさは、前記拡径部材2に適用する前記外鋼管4の断面径によって自在に調整することができるため、過密配筋を解消できる。
これにより、杭頭部の曲げ耐力や引抜き耐力を容易に増大することができるため、上部構造体や基礎水平部材に対して杭頭部を剛に接合した場合にも、地震等の発生により杭頭接合部が破壊する現象を防止することができ、無理なく杭頭部の接合構造の高耐力化を図ることが可能となる。
また、本実施の形態では、あらかじめアンカー部材3を拡径部材2に固定しておく構成としているが必ずしもこれにこだわるものではなく、作業性や品質管理等必要に応じて、アンカー部材3のない拡径部材2が一体に取り付けられた杭体1を地盤11中に構築し、基礎底面13の掘削後にアンカー部材3を拡径部材2の所定位置に溶接やカプラー等の固着手段を介して固定しても良い。
ここで、前記杭貫通孔5a、7aに前記杭体1を挿通させて孔縁を固定した状態の上ダイヤフラム5及び下ダイアフラム7が外鋼管4に設置される構成の拡径部材2を杭頭部に備えた杭体1について、杭頭部に何も設置されていない杭体式との構造性能の相違を定量的に比較した。
具体的には、図1(b)に示す杭体1及び拡径部材2を参照し、杭径Dが1000mm、板厚が16mmの弾性杭について、杭頭部に拡径部材2を設置した場合と設置しない場合とについて水平荷重及び鉛直引張を作用させた際の荷重−変位関係を検討した。
なお、拡径部材2には、杭径が1.5D、部材長Lが1.0Dに成形された外鋼管4、前記硬化材10には、fc=30N/mmの完全弾塑性体と仮定したコンクリートを用いることとし、該外鋼管4、上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7の板厚を9〜28mmの間で複数設定するとともに、硬化材10の充填した場合及び充填しない場合についても荷重−変位関係を比較した。
杭頭部に拡径部材2を設置した場合と設置しない場合の杭体1について、水平荷重を作用させた際の変位量を図7(a)に、鉛直引張荷重を作用させた際の変位量を図7(b)に示す。図7(a)(b)を見ると拡径部材2を設置した杭体1は、拡径部材2の中空部に硬化材10が充填された場合において、外鋼管4の板厚が9mmしかない場合でも、拡径部材2を設置しない杭体1の耐力より大幅に向上することができる様子がわかる。
このとき、拡径部材2を構成する前記外鋼管4は、先にも述べたように部材長Lを1.0Dと設定している。従来より杭頭部の接合構造に用いられている二重鋼管方式では、部材長Lに2.0Dとを必要としていたことと比較すると、前記杭体1の杭頭部を内包する前記外鋼管4の部材長を大幅に短くしつつ、上部構造体や基礎水平部材から杭体への応力伝達をより確実でスムーズに行うことができる様子がわかる。
したがって、杭頭部に拡径部材2を設置して接合構造を構成した杭体1は、十分な耐力を確保しながら経済性とともに施工性を大幅に向上することが可能となる。
このような外鋼管4の部材長Lを短くできる上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7を用いた拡径部材2は、前記アンカー部材3の一端3aを杭体1と外鋼管4との隙間に充填される硬化材10に埋設し、定着長さに応じて外鋼管4の部材長を調整する必要のある従来の二重鋼管方式のような構成よりも、拡径部材2の外周面に固着する構成に適した形状でであるといえる。
本実施の形態において前記アンカー部材3の一端3aは、前記外鋼管4の外周面に固着しているから、外鋼管4の部材長を短くできる構成を効果的に活用しているものである。
なお、これら外鋼管4の外周面にアンカー部材3を固着する構成は、従来の二重鋼管方式で必要となっていたアンカー部材3の径に応じて外鋼管4の長さを調整する煩雑な工程をも省略することが可能となり、経済性、施工性及び品質をより向上することが可能となる。これに合わせて、図7(a)(b)からもわかるように、外鋼管4、上ダイアフラム5及び下ダイアフラム7の板厚も薄くできることから、製造コストを大幅に削減でき、より経済性を向上することが可能となる。
さらに、前記下ダイアフラム7を、前記杭体1つまり鋼管1aの外周面との隙間に楔部材15を嵌合して固定すれば、杭体1に設置されるから、煩雑な作業となる溶接工程を下ダイアフラム7の設置に際し省略できるため、工費削減及び工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
上述する拡径部材2を上杭部として用いた杭頭部の接合構造を有する杭体1を備えたハイブリッド構造の杭17の築造方法によれば、あらかじめ前記杭体1の鋼管1aに拡径部材2を一体的に設置しておくことにより、拡径部材2を構成する硬化材10としてコンクリートを用いる場合には、その作業をPC工場において気中コンクリートで打設することができるため、硬化材10に品質管理された高強度コンクリートを使用することが可能になるとともに、現場での作業量を大幅に削減でき工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
このように、前記杭体1を構成する鋼管1aを杭頭部にアンカー部材3及び拡径部材2が一体的に備えられたプレキャスト部材として構成することにより、高品質で信頼性の高い杭頭部の接合構造を形成することが可能となる。
さらに、あらかじめ前記アンカー部材3を拡径部材2を構成する外鋼管4に固着した上で杭体1の打設作業を行うことにより、杭体1を打設した後に従来のひげ筋方式のようにアンカー部材3を設置することを目的とした杭頭部周辺の地盤掘削作業を実施する必要がないため、アンカー部材3と拡径部材2との接合部の信頼性が高まり、施工時の安全性を向上できるとともに施工性を大幅に向上でき、工費削減、工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
また、従来より一般に実施されている場所打ちコンクリート拡頭杭の施工方法が踏襲できることから、特別な機器や設備が不要で容易に杭体を築造することが可能となる。
本発明に係る杭頭部の接合構造(第1の実施の形態)の詳細を示す図である。 本発明に係る杭頭部の接合構造(第1の実施の形態)の他の事例詳細を示す図である。 本発明に係る杭頭部の接合構造(第1の実施の形態)を備える杭体の築造方法を示す図である。 本発明に係る杭頭部の接合構造(第2の実施の形態)の詳細を示す図である。 本発明に係る杭頭部の接合構造(第3の実施の形態)の詳細を示す図である。 本発明に係る杭頭部の接合構造(第3の実施の形態)を備える杭体の築造方法を示す図である。 本発明に係る杭頭部の接合構造に水平載荷及び鉛直引張を作用させた際の荷重−変位関係を示すグラフである。
符号の説明
1 杭体
2 拡径部材
3 アンカー部材
4 外鋼管
5 上ダイアフラム
6 貫通孔
7 下ダイアフラム
8 貫通孔
9 鋼板
10 硬化材
11 地盤
12 杭孔
13 基礎底面
14 周辺固定液
15 楔部材
16 杭
17 場所打ちコンクリート杭
18 アンカー筋
19 ケーシング
20 受け台
21a トレミー管
21b トレミー管
22 コンクリート



Claims (10)

  1. 少なくとも杭頭部近傍に鋼管を備える杭体を、基礎水平部材もしくは上部構造体に接合するための杭頭部の接合構造であって、
    前記杭体の杭頭を拡径する拡径部材と、鉛直方向に延在し少なくとも一端を前記拡径部材に固着され、他端を前記基礎水平部材もしくは上部構造体に埋め込まれる複数のアンカー部材とを備えてなり、
    前記拡径部材が、前記杭体の外径と比較して内径が大きく、杭頭部を内包するように配置される外鋼管と、
    前記外鋼管の上端面及び下端面を閉塞するように水平に設置され、外周面を前記外鋼管の内周面に固定されるとともに、中央部に前記杭体の外径に等しい径の杭貫通孔を有し、該杭貫通孔に前記杭体を挿通させて孔縁を固定される上ダイアフラム及び下ダイアフラムと、
    前記外鋼管及び前記杭体に囲まれる領域に充填される硬化材により構成されることを特徴とする杭頭部の接合構造。
  2. 請求項1に記載の杭頭部の接合構造において、
    前記アンカー部材の一端が、前記拡径部材を構成する前記外鋼管の外周面に固着されることを特徴とする杭頭部の接合構造。
  3. 請求項1または2に記載の杭頭部の接合構造において、
    前記下ダイアフラムが、杭貫通孔に前記杭体を挿通した際の杭体との孔縁に、テーパー面を有しており、
    該テーパー面と前記杭体の外周面との隙間に楔部材を嵌合して孔縁を固定することを特徴とする杭頭部の接合構造。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の杭頭部の接合構造において、
    前記上ダイアフラムが、複数の鋼板を平面上に組み合わせて構成されることを特徴とする杭頭部の接合構造。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の杭頭部の接合構造において、
    前記上ダイアフラムに、前記硬化材の充填時に用いる充填孔もしくは空気孔として機能する貫通孔が備えられることを特徴とする杭頭部の接合構造。
  6. 請求項5に記載の杭頭部の接合構造において、
    前記下ダイアフラムの前記上ダイアフラムの貫通孔と鉛直方向同軸となる位置に、前記上ダイアフラムと同様の貫通孔が備えられることを特徴とする杭頭部の接合構造。
  7. 請求項1から6いずれかに記載の杭頭部の接合構造を有する杭体を上杭部、場所打ちコンクリート杭を下杭部に備えた杭の築造方法であって、
    あらかじめ、前記杭体を構成する鋼管の頭部に、前記アンカー部材を所定位置に固着した拡径部材を一体的に製作しておき、該拡径部材が設置されている鋼管の下端部近傍を場所打ちコンクリート杭を構成する鉄筋かごの上部に固定し、これを地盤中の削孔に吊り込む第1の工程と、
    前記鉄筋かごを埋設するように削孔内にコンクリートを打設して下杭部となる場所打ちコンクリート杭を構築する第2の工程と、
    前記鋼管と孔壁との隙間に周辺固定液を注入した後、前記鋼管内にコンクリートを充填して上杭部となる杭体を構築し、また、該コンクリートを余盛りする第3の工程と、
    前記杭体周りの基礎底面を掘削し、アンカー部材を露出させる第4の工程とにより構成されることを特徴とする杭の築造方法。
  8. 請求項7に記載の杭の築造方法において、
    第3の工程で、周辺固定液を用いることなく、前記鋼管内にコンクリートを充填して上杭部となる前記杭体を構築し、該コンクリートをオーバーフローさせて前記鋼管と孔壁との隙間を充填し余盛りすることを特徴とする杭の構築方法。
  9. 請求項7または8に記載の杭の築造方法において、
    前記削孔の地盤面から杭天端近傍に至る高さ範囲に、孔壁を覆うケーシングがあらかじめ設置されており、
    第4の工程で、該ケーシングを撤去した後に杭体周りの基礎底面を掘削し、アンカー部材を露出させることを特徴とする杭の築造方法。
  10. 請求項7から9のいずれかに記載の杭の築造方法において、
    第1の工程で、前記アンカー部材を所定位置に固着した外鋼管、上ダイアフラム及び下ダイアフラムを組立てて、これをあらかじめ前記杭体を構成する鋼管の頭部に一体的に製作しておき、該鋼管の下端部近傍を場所打ちコンクリート杭を構成する鉄筋かごの上部に固定して、地盤中の削孔に吊り込み、
    第4の工程で、前記杭体周りの基礎底面を掘削しアンカー部材を露出させた後、前記外鋼管と前記鋼管との間に硬化材を充填して、上部杭となる杭体に拡径部材を形成することを特徴とする杭の築造方法。
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