JP2020007026A - 洗浄用アダプタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ビールホースの洗浄力が向上した洗浄用アダプタを提供する。【解決手段】洗浄水ボトル21と、洗浄水ボトル21に設けられた洗浄水の給水口に取付可能であり、これにディスペンスヘッド6が着脱自在に構成されたボトルヘッド23と、ボトルヘッド23から洗浄水ボトル21の内部に垂下するように設けられ、ガスボンベから洗浄水ボトル21の内部の気相部に供給された炭酸ガスによって洗浄水ボトル21に貯留された洗浄水をビールホース7に圧送するための流体ホース25とを備え、流体ホース25は、洗浄水ボトル21の気相部に供給された炭酸ガスを、該流体ホース25の内部に直接的に導入するガス導入口26を備えるとともに、洗浄水ボトル21に貯留された洗浄水の全量のうちビールホース7を一回洗浄するために必要な所定量だけをビールホース7に圧送可能な長さに構成され、洗浄水ボトル21は、所定量より多い洗浄水を貯留可能に構成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、ビールを注出するサーバ本体と、前記サーバ本体に供給されるビールが充填されたビール樽と、前記ビール樽に充填されたビールを前記サーバ本体に圧送するための炭酸ガスを前記ビール樽に供給する炭酸ガス供給源と、を有し、前記ビール樽から少なくとも前記サーバ本体にビールを通液するビールホースと、前記炭酸ガス供給源から前記ビール樽に前記炭酸ガスを通気するガスホースと、前記ビールホース及び前記ガスホースが接続されるとともに、前記ビール樽に着脱自在なディスペンスヘッドとを備えたビールサーバシステムの、前記ビールホースの洗浄時に、前記ビール樽に代えて前記ディスペンスヘッドに着脱自在に構成された洗浄用アダプタに関する。
ビアホール、居酒屋等の店舗においては、店員がビールサーバシステムからビールをジョッキに注いで客に提供している。
このようなビールサーバシステムは、サーバコックを前面に備えるとともに冷却装置が内蔵されたサーバ本体と、サーバ本体に供給するビールが詰められたビール樽と、ビール樽に供給する炭酸ガスが充填されているガスボンベ等、が備えられている。
ビール樽には、ガスボンベからの炭酸ガスが供給されるガスホースと、ビール樽内のビールをサーバコックへ供給するためのビールホースとが接続されている。ガスボンベから所定圧力に調整された炭酸ガスがガスホースを介してビール樽に供給され、ビール樽内においては、炭酸ガスによってビールの液面上の空洞部分の気圧が高められ、ビールの液面が押圧された状態となっている。サーバコックの操作により、ビール樽内のビールは、ビールホースに圧送され、冷却装置を通過する際に冷却され、該サーバコックからジョッキに注出される。
このようなビールサーバシステムにおいては、経時的に、ポリエチレンのような可撓性樹脂から構成されるビールホース内に、ビールに含まれる酵母に由来して汚れ成分が発生付着する。この汚れ成分によって、ビールホースの見た目や注出されるビールの風味が損なわれる虞がある。そこで、店舗においては、例えば一日一回程度、ビールホースに洗浄水を通水し、一週間に一回程度、ビールホースに洗浄用のスポンジを通流させる洗浄作業が行われていた。
しかし、洗浄用のスポンジによるビールホースの洗浄作業は手間と時間がかかるため、洗浄用のスポンジによる洗浄作業をなくしたいという要望があった。
そこで、本発明の目的は、上に例示した従来技術が与える課題に鑑み、ビールホースの洗浄力が向上した洗浄用アダプタを提供することにある。
上述の目的を達成するための、本発明による洗浄用アダプタの特徴構成は、ビールを注出するサーバ本体と、前記サーバ本体に供給されるビールが充填されたビール樽と、前記ビール樽に充填されたビールを前記サーバ本体に圧送するための炭酸ガスを前記ビール樽に供給する炭酸ガス供給源と、を有し、前記ビール樽から少なくとも前記サーバ本体にビールを通液するビールホースと、前記炭酸ガス供給源から前記ビール樽に前記炭酸ガスを通気するガスホースと、前記ビールホース及び前記ガスホースが接続されるとともに、前記ビール樽に着脱自在なディスペンスヘッドとを備えたビールサーバシステムの、前記ビールホースの洗浄時に、前記ビール樽に代えて前記ディスペンスヘッドに着脱自在に構成された洗浄用アダプタであって、前記ビールホースを洗浄するための洗浄水を貯留可能な洗浄水ボトルと、前記洗浄水ボトルに設けられた前記洗浄水の給水口に取付可能であり、これに前記ディスペンスヘッドが着脱自在に構成されたボトルヘッドと、前記ボトルヘッドから前記洗浄水ボトルの内部に垂下するように設けられ、前記炭酸ガス供給源から前記ガスホース、前記ディスペンスヘッド及び前記ボトルヘッドを介して前記洗浄水ボトルの内部の気相部に供給された前記炭酸ガスによって前記洗浄水ボトルに貯留された前記洗浄水を前記ビールホースに圧送するための流体ホースとを備え、前記流体ホースは、前記気相部に供給された前記炭酸ガスを、該流体ホースの内部に直接的に導入するガス導入口を備えるとともに、前記洗浄水ボトルに貯留された前記洗浄水の全量のうち前記ビールホースを一回洗浄するために必要な所定量だけを前記ビールホースに圧送可能な長さに構成され、前記洗浄水ボトルは、前記所定量より多い前記洗浄水を貯留可能に構成されている点にある。
発明者らは、鋭意研究の結果、ビールホースに、液体と気体とが混合された気液混合流体を通流させると、該ビールホースの内面に発生付着した汚れ成分を効果的に洗浄することができるという知見を得た。
気液混合流体とは、液体と、気泡の径が目視可能な大きさの気体とが不均一に混合された流体である。ただし、液体と、気泡の径が極めて小さい気体とが均一に混合された流体、いわゆるマイクロバルブは含まない。
気液混合流体は、洗浄水ボトルの気相部の炭酸ガスが、流体ホースに備えられたガス導入口を介して流体ホースの内部に直接的に導入されることによって、流体ホースを流れる洗浄水と、導入された炭酸ガスとから容易に生成される。
このように生成された気液混合流体をビールホースに通流させると、ビールホースの内面に発生付着した汚れ成分に、炭酸ガスによって分断された洗浄水が断続的に接触し、この衝撃によって汚れ成分はビールホースの内面から剥離される。これはマイクロバブルのような疎水性を利用した汚れ成分の除去メカニズムとは異なる。
上述のように気液混合流体の生成には、ビール樽のビールをサーバ本体に圧送するために使用される炭酸ガス供給源の炭酸ガスが用いられるので、ビールの圧送のための炭酸ガス供給源とは別に、気液混合流体を生成するための炭酸ガス供給源を用意する必要はない。
ところで、流体ホースが洗浄水ボトルの底部まで至る長さであると、洗浄水ボトルに貯留された洗浄水の全量を圧送し終えるまで、洗浄が終了しない。所定の洗浄時間、洗浄水量を実現するために、洗浄ボトル内に貯留する洗浄水の貯留量をあらかじめ減らすと、気液混合流体の圧送に不具合が生じ、特に、洗浄水の水位が、洗浄水ボトルの底部に近づくにつれて、気液混合流体がビールコックからだらだらと吐出されるため、ビールホースの洗浄が終了したことを確認しづらいことが判明した。
これに対して、流体ホースを、例えば洗浄水ボトルの底部まで至らない途中の長さに設定することによって、洗浄水の貯留量をあらかじめ調節しなくても、所定の洗浄時間、所定の洗浄水量を使用した時点で、洗浄を終えることができる。具体的には、洗浄水の水位が、流体ホースの下端まで低下した時点で、該下端からは炭酸ガスのみが導入され、洗浄水が流れなくなるため、ビールコックから吐出される気液混合流体が炭酸ガスに切り替わったことをもって、ビールホースの洗浄が終了したことを容易に確認することができる。
なお、ビールホースを一回洗浄するとは、洗浄の1サイクルをいう。洗浄用アダプタは、日常的にはビールサーバシステムに対して、1サイクルの洗浄を行えば十分であるように設計される。
本発明においては、前記ガス導入口は、前記流体ホースのうち、前記ボトルヘッドの近傍の複数箇所に設けられた孔部から構成されていると好適である。
発明者らの鋭意研究の結果、ガス導入口は、流体ホースのうち、ボトルヘッドの近傍の複数箇所、例えば16箇所、好ましくは20箇所に設けられた孔部から構成されていると、生成される気液混合流体の洗浄力の向上と、洗浄時間の短縮とが可能となるという知見が得られた。
本発明においては、前記ボトルヘッドは、前記流体ホースに代えて、前記ガス導入口が設けられていないホースであって、前記ボトルヘッドから前記洗浄水ボトルの内部において底部に至るまで垂下し、前記炭酸ガス供給源から供給される前記炭酸ガスによって前記洗浄水ボトルに貯留された前記洗浄水を前記ビールホースに圧送するための長尺ホースを設けることができるように構成され、前記洗浄水ボトルは、前記ボトルヘッドに前記長尺ホースが設けられているときに、前記ビールホースを一回洗浄するために必要な量の前記洗浄水を貯留可能に構成されていると好適である。
上述の構成によると、洗浄用アダプタは、流体ホースを用いて洗浄水ボトルに貯留された洗浄水の一部を気液混合流体として使用してビールホースを洗浄すること可能であり、長尺ホースを用いて洗浄水ボトルに貯留された洗浄水の全量を使用してビールホースを洗浄すること可能である。
流体ホースを用いて気液混合流体をビールホースに通流させると、ビールホースの内面に発生付着した汚れ成分に、炭酸ガスによって分断された洗浄水が断続的に接触する。長尺ホースを用いて洗浄水をヒールホースに通流させると、ビールホースの内面に発生付着した汚れ成分に、洗浄水が連続的に接触する。このように、同一の洗浄水ボトルでありながら、流体ホースと長尺ホースとを使い分けることによって、異なる洗浄効果を発揮することができる。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、ビールサーバシステム1は、ビールをジョッキに注出するためのサーバコック3が備えられたサーバ本体4と、サーバ本体4に供給されるビールが充填されたビール樽2と、ビール樽2に充填されたビールをサーバ本体4に圧送するための炭酸ガスをビール樽2に供給する炭酸ガス供給源であるガスボンベ5と、を有する。
ビール樽2には、着脱自在なディスペンスヘッド6が接続されている。ディスペンスヘッド6には、ガスボンベ5からビール樽2に炭酸ガスを通気するガスホース8と、ビール樽2からサーバ本体4へビールを通液するビールホース7と、が接続されている。
ガスボンベ5から、圧力調整器9によって所定の圧力に調圧された炭酸ガスがガスホース8及びディスペンスヘッド6を介して、ビール樽2の内部に供給されると、ビール樽2の気相部の内圧が高められ、この内圧がビール樽2内のビール液面に作用し、ビールはディスペンスヘッド6及びビールホース7を介してサーバ本体4へ圧送される。
ビールホース7は、少なくとも内面、好ましくは全体が、例えば、ポリエチレンやポリフッ化ビニリデンのような合成樹脂から構成された可撓性の材料から構成されている。ビールホース7の長さは、該ビールサーバシステム1の設置状況に応じてさまざまだが、概ね2〜3mである。
サーバ本体4の内部には、冷却装置によって冷却された冷却槽10が備えられている。冷却槽10には、ビールホース7とサーバコック3とを連通する冷却配管11が浸漬配置されている。ビール樽2から圧送されたビールは冷却槽10に浸漬配置された冷却配管11を通過する際に冷却される。なお、ビールホース7と冷却配管11とは、単一の配管であってもよい。この場合は、ビールホース7がディスペンスヘッド6とサーバコック3とを連通し、その一部が冷却槽10に浸漬配置される。
サーバコック3は、ビールノズルと泡ノズルとが備えられたコック本体に、ビールを発泡させる発泡機構と、操作レバーの操作に連動してビールの通液経路の開閉及び切り替えを行う弁機構が内蔵されている。店員が該操作レバーを手前に傾倒操作するとビールノズルからビールが注出され、該操作レバーを奥へ傾倒操作すると泡ノズルから、発泡機構によって発泡させられた泡が注出される。
なお、本発明において、「ビール」とは、上面発酵、下面発酵、自然発酵のもの、発泡酒等のビール風味の発泡アルコール飲料、ノンアルコールビール等のビールテイスト飲料等を広く含む概念であって、ビール樽2に充填され、上記ビールサーバシステム1によってサーバ本体4のサーバコック3から注出し得る飲料であればよく、なんらか特定の種類や銘柄を排除するものではない。
ところで、ビールサーバシステム1は、さらに、ビールホースの洗浄時に使用される洗浄用アダプタ20を備えている。洗浄用アダプタ20は、ビール樽2に代えてディスペンスヘッド6に着脱自在に構成されている。
洗浄用アダプタ20は、洗浄水としての水道水を貯留する洗浄水ボトル21と、洗浄水ボトル21に設けられた洗浄水の給水口22に取付可能であり、これにディスペンスヘッド6が着脱自在に構成されたボトルヘッド23とを備えている。
洗浄水ボトル21は、内容量が約2Lのボトルである。洗浄水ボトル21には、ボトルヘッド23を取り外した状態であるときに、給水口22から洗浄水を注ぎ入れることができる。
ボトルヘッド23には、洗浄水ボトル21の内部に垂下するように流体ホース25が設けられている。流体ホース25も、ビールホース7と同様に、少なくとも内面、好ましくは全体が、例えば、ポリエチレンやポリフッ化ビニリデンのような合成樹脂から構成された可撓性の材料から構成されている。
流体ホース25は、ボトルヘッド23と洗浄水ボトル21に貯留された洗浄水との水面との間にガスホース8から供給された炭酸ガスを、流体ホース25の内部に導入するガス導入口26が設けられている。この流体ホース25及びガス導入口26が、ディスペンスヘッド6から供給される炭酸ガスによって、ビールホース7に圧送される洗浄水に炭酸ガスを混合させる気液混合部24を構成する。
流体ホース25は、内径が約1.5cmであり、洗浄水ボトル21に貯留された洗浄水の全量である約2Lのうち所定量、例えば約0.7Lだけをビールホース7に圧送可能な長さ、例えば洗浄水ボトル21の深さの約1/3の長さに構成されている。これにより、洗浄水の水位が流体ホース25の下端以下となったときに流体ホース25には洗浄水が流れない。
ガス導入口26は、流体ホース25のうち、上端から約2cmの高さ位置の周方向の20カ所に設けられた各直径が約1.0mmの孔部から構成されている。
このような構成により、洗浄水ボトル21に貯留された洗浄水を、流体ホース25に圧送する際に、洗浄水ボトル21の気相部の炭酸ガスが、ガス導入口26を介して流体ホース25の内部に直接的に導入されることによって、流体ホース25を流れる洗浄水と、導入された炭酸ガスとから気液混合流体が生成される。
なお、ガス導入口26は、所定の流路断面積の流体ホース25に対して、生成される気体混合流体が所定の気液混合比となるように、単位時間あたりに所定量の炭酸ガスを導入可能な大きさであればよく、その形状、数、位置、段数等は適宜設定される。
流体ホース25に設けられるガス導入口26の孔部の個数の違いによる、洗浄力の違いを確認するため、以下の実験1を行った。
まず、3台のビールサーバシステム1を用意し、各ビールサーバシステム1に対応させて、3つの洗浄用アダプタ20を用意した。
実験例1に係る洗浄用アダプタ20は、ガス導入口26が流体ホース25のうち、上端から約2cmの高さ位置の周方向の16カ所に設けられた、各直径が約1.0mmの孔部から構成されている。該洗浄用アダプタ20を用いたときには、ビールホース7は気液混合流体による洗浄が行われる。
実験例2に係る洗浄用アダプタ20は、ガス導入口26が流体ホース25のうち、上端から約2cmの高さ位置の周方向の20カ所に設けられた、各直径が約1.0mmの孔部から構成されている。該洗浄用アダプタ20を用いたときには、ビールホース7は気液混合流体による洗浄が行われる。
比較例に係る洗浄用アダプタ20は、流体ホース25にガス導入口26が設けられていない。該洗浄用アダプタ20を用いたときには、ビールホース7は洗浄水による洗浄が行われる。
そして、3台のビールサーバシステム1に対して、サーバコック3からビールを排出すること、及び、上述した各洗浄用アダプタ20を用いてビールホース7の洗浄をすることを、同じ期間だけ繰り返した。
所定の期間が経過した後の、各ビールサーバシステム1に備えられた各ビールホース7に対して、洗浄用のスポンジによる洗浄を実施し、排出された洗浄水の濁度の評価を行った。この結果を図3に示す。また、排出された洗浄水に含まれる汚れ成分の重量を測定した。この結果を図4に示す。
図3及び図4に示されるように、実験例1及び2は、比較例に対して、排出された洗浄水の濁度が低く、排出された洗浄水の重量が軽かった。このことから、気液混合流体による洗浄は、洗浄水による洗浄に比べて洗浄力が向上していることが確認できた。
なお、実験例2は、実験例1よりも洗浄力が向上していることが確認できた。実験例2は、比較例に対しては、排出された洗浄水の濁度が略半減し、排出された洗浄水の重量が略半減していることから、洗浄力が略倍増していることが確認できた。
ところで、上述の実験例1や実験例2のように、気液混合流体によるビールホース7の洗浄においては、ガスボンベ5から供給される炭酸ガスは、洗浄水ボトルに貯留されている洗浄水をビールホース7に圧送するためのみならず、洗浄水から気液混合流体を生成するためにも使用される。これに対して、比較例のように、洗浄水のみによるビールホース7の洗浄においては、ガスボンベ5から供給される炭酸ガスは、洗浄水ボトルに貯留されている洗浄水をビールホース7に圧送するためにのみ使用される。
気液混合流体による洗浄は、洗浄力の向上というメリットがあるものの、炭酸ガスの使用量の増大によってランニングコストが高まるというデメリットを含み得る。そこで、上記実験1の実験例2及び比較例に係る各洗浄用アダプタ20について、炭酸ガスの使用量を測定するために、実験2を行った。
該実験2においては、実験1における実験例2及び比較例に係る各洗浄用アダプタ20を用いて、複数回(5〜10回)行い、洗浄前後のガスボンベ5の重量変化を測定し、そこから炭酸ガスの使用量の平均を算出した。その結果を図5に示す。
なお、実験2においては、各ビールサーバシステム1に備えられるビールホース7の長さを2mとし、各ガスボンベ5から各洗浄用アダプタ20に供給される炭酸ガスの圧力を3.5kgf/cm2とし、各洗浄水ボトル21には2Lの洗浄水を貯留し、ビールホース7の洗浄にあたってその全量を使用した。なお、全量を使用とは、洗浄水ボトル21の底部に洗浄水が残ってしまうことを含む。したがって、洗浄水ボトル21に意図的に洗浄水を残すことを含まない。
図5に示されるように、実験例2においては、炭酸ガスの使用量は、0.204kg/回であった。また、2Lの洗浄水の全量を使用して洗浄し終えるまで220秒を要した。
これに対して比較例においては、炭酸ガスの使用量は、0.020kg/回であった。また2Lの洗浄水の全量を使用して洗浄し終えるまで40秒を要した。
このように、実験例2は、比較例に対して、炭酸ガスの使用量が約10倍と多く、また洗浄時間も大幅に増える結果となった。これは、洗浄におけるランニングコストが大幅に高くなる原因となる。
ここで、該実験例2に係る洗浄用アダプタを用いて、洗浄時間を20秒、40秒、60秒、220秒と異ならせたときの、洗浄力を評価する実験3を行った。
該実験3において、各洗浄時間における洗浄力の評価は、同じ程度の汚れ成分を内面に発生付着させたビールホース7に対して、気液混合流体によって各洗浄時間だけの洗浄を行ったあとに、洗浄用のスポンジによる洗浄を実施し、排出された洗浄水の濁度を測定することによって行った。その結果を図6に示す。なお、比較例に係る洗浄用アダプタを用いて洗浄水によってビールホース7を40秒間洗浄したあとに、洗浄用のスポンジによる洗浄を実施し、排出された洗浄水の濁度を測定したところ約60度であった。
図6に示されるように、実験例2に係る洗浄用アダプタ20を用いた洗浄においては、洗浄時間が20秒のときは洗浄水の濁度が約54度であり、洗浄時間が40秒のときは洗浄水の濁度が約48度であり、洗浄時間が60秒のときは洗浄水の濁度が約46度であり、洗浄時間が220秒のときは洗浄水の濁度が約46度であった。
つまり、実験例2の洗浄用アダプタ20であれば、洗浄時間が40秒もあれば、ビールホース7の洗浄が略終了しているとみなせることが確認できた。このとき、洗浄水の使用量は約0.7Lであり、炭酸ガスの使用量は約0.26kgであった。
すなわち、実験2における比較例と同じ40秒という洗浄時間でありながら、すなわち少ない洗浄水で、十分に洗浄力の向上が見込め、したがって炭酸ガスの使用量も比較例に対して1.3倍しか増加しないことが確認できた。したがって、気液混合流体によって洗浄する際には洗浄時間を短縮することによって、洗浄におけるランニングコストの高まりを抑制することができることが判明した。
実験3の結果から、洗浄水は約0.7Lもあれば十分である。ここで、約0.7Lの洗浄水を使用するにあたって、以下の2つの態様が考えられる。
すなわち、洗浄水の貯留量の最大が約2.0Lの洗浄水ボトル21に対して、流体ホース25の長さを洗浄水ボトル21の深さの約1/3の長さにし、約2.0Lの洗浄水を貯留しながら、そのうち約0.7Lを洗浄水として使用する態様と、洗浄水の貯留量の最大が約2.0Lの洗浄水ボトル21に対して、ボトルヘッドから洗浄水ボトルの内部において底部に至るまで垂下した長尺ホースを用いながら、貯留する洗浄水の全量を減らし、この貯留された洗浄水を使用する態様とが考えられる。なお、後者においては、洗浄水ボトル21に、約0.7Lよりやや多い、約1.0Lの洗浄水を貯留した。
前者の場合は、洗浄用アダプタ20からビールホース7へ洗浄水としての気液混合流体の圧送を開始すると、サーバ本体4のサーバコック3からは、時間の経過とともに吐出量がやや低下するものの、勢い良く気液混合流体が排出された。圧送の開始後40秒の時点で約0.7Lの洗浄水を使用し、気液混合流体の排出が終了した。なお、気液混合流体の排出の終了の際には、サーバコック3から大きな空気音とともに、勢いよく炭酸ガスと洗浄水とか吐き出された。このような挙動に注目することによって、洗浄の終了の確認が容易に可能となる。
後者の場合は、洗浄用アダプタ20からビールホース7へ洗浄水の圧送を開始すると、サーバ本体4のサーバコック3からは、洗浄水が排出された。その後、時間の経過とともに吐出量が低下する傾向が見られ、圧送の開始後40秒あたりから吐出量の低下が見られ、圧送の開始後140秒の時点で0.88Lの洗浄水を使用した。なお、洗浄水の排出の終了の際には、サーバコック3から、すでに吐出量が低下した洗浄水の流れが完全に止まるだけであり、大きな空気音は確認されなかった。気液混合流体による洗浄の場合にくらべて、洗浄の終了の確認が困難であった。
前者の場合は、洗浄水ボトル21に炭酸ガスを導入すると、内部に充満した炭酸ガスによって、洗浄水の液面が押圧(外圧)される。同時に、流体ホース25に設けられたガス導入口26から入った炭酸ガスによって、流体ホース25の内部において、洗浄水の液面が押圧(内圧)される。このとき、炭酸ガスがガス導入口26を構成する孔部を通過する際に生じる圧力損失により、内圧は外圧よりも低くなる。この内圧と外圧との圧力差が、洗浄水を流体ホース25に送り込む原動力となって、洗浄水が流体ホース25の内部に送り込まれ、洗浄用アダプタ20からビールホース7へと圧送される。
一方、その際に、流体ホース25の内部には洗浄水による柱(水柱)が形成されることから、該水柱によって、炭酸ガスによる外圧を押し返す力(水圧)も同時に発生する。「外圧」が「内圧」と「水圧」との合計より大きければ大きいほど、洗浄水が流体ホース25の中に大量に送り込まれ、吐出される洗浄水の量が多くなる。
なお、ガス導入口26を構成する孔部は、流体ホース25のうち、ボトルヘッド23の近傍の設けられており、洗浄水の液面よりも上方に位置することから、常時炭酸ガスを流体ホース25の内部に直接的に導入できる形態になっているため、形成された水柱が、ガス導入口26を構成する孔部が設けられている部分を境として途切れる。
通常、洗浄水ボトル21の内部の炭酸ガスの圧力(外圧)は一定であることから、洗浄水ボトル21から圧送される洗浄水量は、水柱の高さ、すなわち液面から孔部までの距離に依存する。
例えば、洗浄水ボトル21から同じ量の洗浄水を圧送させる場合においては、後者の場合のように、内容量が約2Lである洗浄水ボトルに、約1Lの洗浄水を貯留し、長尺ホースを用いて排出する場合に比べて、前者の場合のように、内容量が約2Lの洗浄水ボトルに、約2Lの洗浄水を貯留し、洗浄水ボトル21に貯留された洗浄水の全量である約2Lのうち所定量、例えば約0.7Lだけをビールホース7に圧送可能な長さ、例えば洗浄水ボトル21の深さの約1/3の長さの流体ホースを用いる場合のほうが、洗浄水の孔部までの距離が短くなるため、形成される水柱の高さが低くなる、すなわち、水柱による水圧が小さくなる。
そのため、同じ量の洗浄水を圧送させる場合であっても、長尺ホースに比べて、長さの短い流体ホース25を用いることによって、炭酸ガスによる「外圧」が「内圧」と「水圧」との合計に対して相対的に大きくなり、洗浄水がより流体ホース25に大量に送り込まれるため、排出される洗浄水の量が大きくなると考えられる。
このように、洗浄用アダプタ20からビールホース7に対して約0.7Lの気液混合流体を圧送するにあたって、流体ホース25を、ボトルヘッド23と洗浄水ボトル21に貯留された洗浄水との水面との間に、洗浄水ボトル21の内部に供給された炭酸ガスを、該流体ホース25の内部に直接的に導入するガス導入口26が設けられるとともに、洗浄水ボトル21に貯留された洗浄水の全量のうちビールホース7を一回洗浄するために必要な所定量だけをビールホース7に圧送可能な長さに構成することが重要であることが確認された。
上述した実施形態は、いずれも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更設計可能である。
1 :ビールサーバシステム
2 :ビール樽
4 :サーバ本体
5 :ガスボンベ(炭酸ガス供給源)
6 :ディスペンスヘッド
7 :ビールホース
8 :ガスホース
20 :洗浄用アダプタ
21 :洗浄水ボトル
22 :給水口
23 :ボトルヘッド
24 :気液混合部
25 :流体ホース
26 :ガス導入口
2 :ビール樽
4 :サーバ本体
5 :ガスボンベ(炭酸ガス供給源)
6 :ディスペンスヘッド
7 :ビールホース
8 :ガスホース
20 :洗浄用アダプタ
21 :洗浄水ボトル
22 :給水口
23 :ボトルヘッド
24 :気液混合部
25 :流体ホース
26 :ガス導入口
Claims (3)
- ビールを注出するサーバ本体と、前記サーバ本体に供給されるビールが充填されたビール樽と、前記ビール樽に充填されたビールを前記サーバ本体に圧送するための炭酸ガスを前記ビール樽に供給する炭酸ガス供給源と、を有し、
前記ビール樽から少なくとも前記サーバ本体にビールを通液するビールホースと、
前記炭酸ガス供給源から前記ビール樽に前記炭酸ガスを通気するガスホースと、
前記ビールホース及び前記ガスホースが接続されるとともに、前記ビール樽に着脱自在なディスペンスヘッドとを備えたビールサーバシステムの、前記ビールホースの洗浄時に、
前記ビール樽に代えて前記ディスペンスヘッドに着脱自在に構成された洗浄用アダプタであって、
前記ビールホースを洗浄するための洗浄水を貯留可能な洗浄水ボトルと、前記洗浄水ボトルに設けられた前記洗浄水の給水口に取付可能であり、これに前記ディスペンスヘッドが着脱自在に構成されたボトルヘッドと、前記ボトルヘッドから前記洗浄水ボトルの内部に垂下するように設けられ、前記炭酸ガス供給源から前記ガスホース、前記ディスペンスヘッド及び前記ボトルヘッドを介して前記洗浄水ボトルの内部の気相部に供給された前記炭酸ガスによって前記洗浄水ボトルに貯留された前記洗浄水を前記ビールホースに圧送するための流体ホースとを備え、
前記流体ホースは、前記気相部に供給された前記炭酸ガスを、該流体ホースの内部に直接的に導入するガス導入口を備えるとともに、前記洗浄水ボトルに貯留された前記洗浄水の全量のうち前記ビールホースを一回洗浄するために必要な所定量だけを前記ビールホースに圧送可能な長さに構成され、
前記洗浄水ボトルは、前記所定量より多い前記洗浄水を貯留可能に構成されていることを特徴とする洗浄用アダプタ。 - 前記ガス導入口は、前記流体ホースのうち、前記ボトルヘッドの近傍の複数箇所に設けられた孔部から構成されている請求項1に記載の洗浄用アダプタ。
- 前記ボトルヘッドは、前記流体ホースに代えて、前記ガス導入口が設けられていないホースであって、前記ボトルヘッドから前記洗浄水ボトルの内部において底部に至るまで垂下し、前記炭酸ガス供給源から供給される前記炭酸ガスによって前記洗浄水ボトルに貯留された前記洗浄水を前記ビールホースに圧送するための長尺ホースを設けることができるように構成され、
前記洗浄水ボトルは、前記ボトルヘッドに前記長尺ホースが設けられているときに、前記ビールホースを一回洗浄するために必要な量の前記洗浄水を貯留可能に構成されている請求項1又は2に記載の洗浄用アダプタ。
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