JP2020007017A - 飲料容器 - Google Patents

Abstract

【課題】ストロー部からの飲料漏れを防止しつつ、飲みやすい弁体構造を備えた飲料容器の提供を目的とする。【解決手段】飲料を入れるための開口部を有する容器本体部と、前記容器本体部の開口部を塞ぐ蓋体とを備え、前記蓋体は先端側に飲み口を有するストロー部１４を備え、前記ストロー部１４は内部に弾性材からなる弁体部１４ｂを有し、前記弁体部１４ｂは前記飲み口側が凸面となる略球面体であって、十字形状の切込部を有することを特徴とする。【選択図】図１

Description

本発明は、飲み口となるストロー部を備えた飲料容器に関し、特にストロー部の内部に設けた弁体の構造に係る。

幼児等が飲みやすく、持ち運び等に便利であるストロー部を有する飲料容器が各種提案されている。
この種の飲料容器においては、ストロー部から飲料が漏れ出ないようにストロー部の内部に弁体を設けたものも提案されている。

例えば特許文献１には、同公報図１６，１７に示すようにストロー部の内部に十文字状のスリットを入れた弁体を開示する。
しかし、同公報に開示する弁体は、フラットのため簡単には開かない。
そこで、使用者がミルクを飲むためにストローを口に咥えて押しつぶすことで、弁体を開倣すると記載されている。
これでは、幼児等にストローを口で噛みつぶすことで、飲料を飲むことができることを教えることになり、幼児教育上全く好ましくない。

特許文献２は、円筒状の飲み口に凸面形状の弁体を開示するが、一本線のスリットになっている点及び可撓性のストロー部に設けたものでないために、やはり弁体が開きにくいものである。

特許第５１００３９２号公報 ＵＳ２０１５／０１０２０２９号公報

本発明は、ストロー部からの飲料漏れを防止しつつ、飲みやすい弁体構造を備えた飲料容器の提供を目的とする。

本発明に係る飲料容器は、飲料を入れるための開口部を有する容器本体部と、前記容器本体部の開口部を塞ぐ蓋体とを備え、前記蓋体は先端側に飲み口を有するストロー部を備え、前記ストロー部は内部に弾性材からなる弁体部を有し、前記弁体部は前記飲み口側が凸面となる略球面体であって、十字形状の切込部を有することを特徴とする。
ここで、飲み口側が凸面となる略球面体の弁体部と表現したのは、十字形状に切り込まれた４枚の弁片にて飲み口側が凸面で、その裏側が凹面となり、全体として球面形状の弁を形成していることをいう。
よって、ストロー部の飲み口側が凸面形状で、その裏面側が凹面形状であれば、必ずしも真円状の球面である必要はない。

本発明において、弁体の凸面形状を球に近似した半径を寸法Ｒと表現すると、略球面体は寸法Ｒが前記ストロー部の内径Ｄに対して１／２Ｄよりも大きく、２Ｄ以下であるのが好ましい。
この場合に、弁体部はシリコン樹脂からなり、厚みが０．２〜０．６ｍｍの範囲であってよい。
本発明者らが検討した結果、弁体部の厚みが０．２ｍｍ未満であると、飲料が漏れやすくなり、０．６ｍｍを超えると飲料を吸い込む際にやや強く吸う必要があった。

本発明に係る飲料容器にあっては、ストロー部の内部に設けた弁体部を飲み口側が凸面となる略球面体にしたので、通常は十字形状の切込部が弁体に有している弾性力にて相互に切込み先端部が接した状態にシールされているので、飲み口から飲料が漏れるのを防止している。
幼児等の使用者が飲み口から飲料を吸い上げると、十字形状の切込部が飲み口側が凸面で、その裏面が凹面になっているので、容易に開く。
これにより、幼児等は特許文献１と相違し、ストロー部を噛みつぶす必要が無く、教育上好ましい。

（ａ）はストロー部の弁体部拡大図を示し、（ｂ）は本発明に係る飲料容器の断面図を示す。 （ａ）はストロー部及び通気部の平面図を示し、（ｂ）はＡ−Ａ線断面図を示す。 （ａ）は図２のＢ−Ｂ線断面端面図を示し、（ｂ）はＣ視図を示す。（ｃ）は部分断面斜視図を示す。

本発明に係る飲料容器の構造例を以下図に基づいて説明する。
本発明に係る飲料容器１０は、飲料を入れるための容器本体部１１と、この容器本体部１１の開口部１１ａを塞ぐために蓋体１２を有する。
蓋体１２は、飲料が漏れないように開口部１１ａを塞ぐことができれば、容器本体部への取付構造に制限はない。
例えば嵌め込み構造でもよいが、本実施例は容器本体部１１の開口部の外周に設けたおねじ部１１ｂに、蓋体１２に設けためねじ部１２ａをねじ込む構造になっている。

蓋体１２は、ストロー部１４と通気部１５とが一体的に成形された弾性体が、この蓋体１２を上下に貫通するように取り付けられている。
本実施例は、蓋体１２の取付孔の内周部に設けた凸部１２ｃと、弾性体の外周部に設けた凹部１５ｄとを嵌着する構造例になっている。
これにより、弾性体を取り外して洗浄しやすくなる。

蓋体１２は、枢着部１３ａにて開閉可能に取り付けられたカバー部材１３を有し、カバー部材１３を閉じると、押圧片部１３ｃがストロー部１４を折れ曲がるように、このストロー部１４の側部に当たり、蓋体１２に設けた支点凸部１２ｂを曲げ起点として、ストロー部の内部が塞がれた状態に収容される。
この状態が保持されるように、蓋体１２に設けた係止爪部１６がカバー部材１３の開倣側先端部に設けた被係止部１３ｂに係止される。
係止爪部１６は、係止方向にスプリング１６ｂにて付勢された状態にて、枢着部１６ａにて枢着されている。

飲料容器１０は、カバー部材１３を閉じると、ストロー部１４が密閉状態に折り曲げ収容されるので、飲料が漏れることなく持ち運びが便利である。
幼児等が飲料を飲む場合には、係止爪部１６を押圧解除し、カバー部材１３を開くと可撓性のストロー部１４が起立する。

このストロー部（弾性体）は、シリコン樹脂で製作されていて、裏面側に差し込み凹部１４ｄを形成し、ストロー１４ｅを差し込んである。
ストロー部１４の内部には、カバー部材１３が開いた状態で飲料容器１０が倒れたり傾いたりしても、ストロー部１４を通じて飲料が漏れないように、弁体部１４ｂを設けてある。
この弁体部１４ｂは、飲料の漏れを防止しつつ、幼児等が飲み口１４ａに口をつけ吸い込むと、簡単に開くように飲み口１４ａ側が凸面となり、裏面側（反対側）が凹面となるように略球面体に形成してあるとともに、球面部に沿って十字形状の切込部１４ｃを形成してある。
この状態を図３に示す。
図３（ａ）は、図２のＢ−Ｂ線断面端面図を示し、図３（ｂ）はＣ視図を示す。
また、図３（ｃ）は、部分的に切断した斜視図を示す。
十字形状の切込部１４ｃは、切り込まれた４枚の弁片からなり、使用者が吸い込まない状態では、各片の切込部が相互に接しているようにカッターにて切り込んである。

本発明者らが試作検討した結果、この弁体部１４ｂの球面形状は、図１（ａ）に示すようにストロー部１４の内径Ｄに対して、球面に近似させた半径Ｒの値が内径Ｄの内接球となる１／２Ｄよりも大きく、２Ｄよりも小さい範囲が飲料が飲みやすかった。
本実施例では、図３（ａ）に示すようにストロー部１４の曲げ方向が安定するように、曲げ方向との直交方向が長円（Ｄ_０）で、曲げ方向が短円（Ｄ_１）の楕円断面形状になっている。
（Ｄ_０＋Ｄ_１）×１／２＝Ｄの平均径で３〜５ｍｍ、弁体部の厚みは０．２〜０．６ｍｍの範囲が好ましい。
十字形状の切込み長さは、ストロー部の内側の基部から０．２〜０．６ｍｍの切り残し部１４ｆを有している。

使用者がストロー部１４の飲み口１４ａから飲料を吸い上げ飲むと、容器本体１１の内部が負圧になる恐れがある。
そこで本実施例は、図２示すように弾性体に通気部１５を形成してある。
通気部１５は、裏面側に通気孔１５ａを形成し、内部に通気弁１５ｂを有する。
通気弁１５ｂは、飲料容器の内部側が凸面となる略球面形状になっていて、一文字形状の切込み１５ｃを有している。
これにより、内部が負圧になると通気弁が開き、外気が入る。

１０ 飲料容器
１１ 容器本体部
１２ 蓋体
１３ カバー部材
１３ａ 枢着部
１３ｂ 被係止部
１４ ストロー部
１４ａ 飲み口
１４ｂ 弁体部
１４ｃ 切込部（十字形状）
１５ 通気部
１６ 係止爪部

Claims (3)

1. 飲料を入れるための開口部を有する容器本体部と、前記容器本体部の開口部を塞ぐ蓋体とを備え、
   前記蓋体は先端側に飲み口を有するストロー部を備え、前記ストロー部は内部に弾性材からなる弁体部を有し、
   前記弁体部は前記飲み口側が凸面となる略球面体であって、十字形状の切込部を有することを特徴とする飲料容器。
2. 前記略球面体は寸法Ｒが前記ストロー部の内径Ｄに対して１／２Ｄよりも大きく、２Ｄ以下であることを特徴とする請求項１記載の飲料容器。
3. 前記弁体部はシリコン樹脂からなり、厚みが０．２〜０．６ｍｍの範囲であることを特徴とする請求項１又は２記載の飲料容器。

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