JP2020006593A - マイクロ波接合用組成物、物品および物品の製造方法 - Google Patents

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由紀子 中村
Yukiko Nakamura
由紀子 中村
幹雄 高橋
Mikio Takahashi
幹雄 高橋
貴純 田和
Takasumi Tawa
貴純 田和
和人 神野
Kazuto Jinno
和人 神野
真美 坂本
Masami Sakamoto
真美 坂本
橋本 賀之
Yoshiyuki Hashimoto
賀之 橋本
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Abstract

【課題】樹脂の劣化および変性がなく、接合強度と保存安定性に優れたマイクロ波接合用組成物を提供すること。樹脂の劣化および変性がなく、接合強度に優れた物品および物品の製造方法を提供すること。【解決手段】所定の温度で昇温が停止するフェライト粉と、バインダー樹脂と、セルロースナノファイバーと、を含む、マイクロ波接合用組成物。前記マイクロ波接合用組成物を用いた、物品。第1の部材、第2の部材および前記マイクロ波接合用組成物を準備する工程と、第1の部材にマイクロ波接合用組成物を適用する工程と、第1の部材に適用されたマイクロ波接合用組成物に、第2の部材を接触させて、仮止め体を形成する工程と、仮止め体のマイクロ波接合用組成物にマイクロ波を照射して、第1の部材と第2の部材を接合する工程と、を含む、物品の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、マイクロ波接合用組成物、物品および物品の製造方法に関する。
自動車など車両の燃費向上の要請に伴い、車両の軽量化が進展する中で、車両部品や車載部品(以下、車両部品と車載部品をまとめて、「車両部品」という)のうち、金属製の部品をより軽い樹脂製の部品へ置き換えることが期待されている。
複雑な形状の車両部品の場合、単一工程でその車両部品を直接製造することが難しいため、車両部品を構成する複数の部材を分けて成形し、後工程で、それら複数の部材を一体化して目的の車両部品を製造する方法がある。
複数の部材を一体化する場合に、接着剤で部材同士を接着する方法が知られている。しかし、通常の接着剤では、経年劣化によって接着強度が低下して、接着した部材が分離してしまうおそれがある。また、車両部品などの製造現場では、油を使用する現場もあるが、耐油性に劣る接着剤の場合、油と接着剤が接触すると接着剤が溶けたり、劣化したりすることもある。
これらの問題に対して、マイクロ波による融着方法が提案されている。例えば、特許文献1には、被着体の間に、ポリオレフィン樹脂と炭素粉末とを必須成分としてなる高周波融着材を挟み、高周波を印加することによって、被着体を融着する接着方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、マイクロ波の照射により、特定の温度まで昇温すると当該昇温が停止する材料からなる発熱粒子と、前記成型体接合部の母材と同一の熱可塑性樹脂からなり、前記成型体接合部の母材と溶け合うことにより溶着する溶着接合材と、前記発熱粒子及び前記溶着接合材を結合する熱硬化性樹脂からなるバインダーとを含むマイクロ波誘電溶着体が開示されている。
特開昭62−39221号公報 特開2014−180778号公報
しかし、特許文献1のマイクロ波誘電溶着体は、炭素粉末がマイクロ波を吸収して、急激に高温まで発熱するために溶着(接合)対象の樹脂および溶着体(組成物)の樹脂の劣化や変質を引き起こしたり、局所的にマイクロ波を吸収してスパークを発生したりするなどの問題があった。
また、特許文献2のマイクロ波誘電溶着体では、接合対象の樹脂と樹脂または接合対象の樹脂とマイクロ波誘電溶着体との接合強度が低いという問題があった。
また、本発明者らが検討した結果、フェライト粉を用いたマイクロ波接合用組成物では、保存安定性が低いという問題があることもわかった。
そこで、本発明は、樹脂の劣化および変性がなく、接合強度と保存安定性に優れたマイクロ波接合用組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、樹脂の劣化および変性がなく、接合強度に優れた物品を提供することを目的とする。また、本発明は、樹脂の劣化および変性がなく、接合強度に優れた物品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るマイクロ波接合用組成物は、
所定の温度で昇温が停止するフェライト粉と、
バインダー樹脂と、
セルロースナノファイバーと、を含む、マイクロ波接合用組成物である。
本発明に係るマイクロ波接合用組成物では、前記バインダー樹脂が、水溶性高分子および熱可塑性樹脂からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
本発明に係るマイクロ波接合用組成物では、溶媒をさらに含むことが好ましい。
本発明に係る物品は、上記いずれかのマイクロ波接合用組成物を用いた、物品である。
本発明に係る物品の製造方法は、
第1の部材、第2の部材および上記いずれかのマイクロ波接合用組成物を準備する工程と、
前記第1の部材に前記マイクロ波接合用組成物を適用する工程と、
前記第1の部材に適用されたマイクロ波接合用組成物に、前記第2の部材を接触させて、仮止め体を形成する工程と、
前記仮止め体のマイクロ波接合用組成物にマイクロ波を照射して、前記第1の部材と前記第2の部材を接合する工程と、を含む、物品の製造方法である。
本発明に係る物品の製造方法では、前記第1の部材および第2の部材が、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明によれば、樹脂の劣化および変性がなく、接合強度と保存安定性に優れたマイクロ波接合用組成物を提供することができる。また、本発明によれば、樹脂の劣化および変性がなく、接合強度に優れた物品を提供することができる。また、本発明によれば、樹脂の劣化および変性がなく、接合強度に優れた物品の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。これらの記載は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
本発明において、マイクロ波は、周波数0.2GHz〜111GHzの範囲の電磁波をいう。一実施形態では、マイクロ波の周波数は、2.45GHzである。
(マイクロ波接合用組成物)
本発明に係るマイクロ波接合用組成物は、
所定の温度で昇温が停止するフェライト粉と、
バインダー樹脂と、
セルロースナノファイバーと、を含む、マイクロ波接合用組成物である。
以下、本発明に係るマイクロ波接合用組成物の必須成分である、フェライト粉、バインダー樹脂およびセルロースナノファイバーと、任意成分を例示説明する。
<フェライト粉>
本発明に係るマイクロ波接合用組成物のフェライト粉は、マイクロ波の照射によって高周波磁気損失で発熱して、キュリー温度で磁気損失が消失して昇温を停止する性質を有する。
フェライト粉としては、例えば、上記性質を有する粉末を適宜選択して用いることができ、例えば、スピネル構造のNi系フェライト(例えば、特開2013−117367号公報および特開2013−159527号公報を参照)、Mg系フェライト(例えば、特開2015−211019号公報および特開2014−024692号公報を参照)、Mn系フェライト、六方晶フェライトなどの粉末が挙げられる。これらの基本組成を調整することで、室温から500℃までの広い範囲で昇温が停止する温度を調整することができる。フェライト粉は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Ni系フェライト粉の場合、基本組成は、例えば以下のとおりである。Ni系フェライト粉の場合、ZnOの量を増やすとキュリー温度を下げることができ、NiOの量を増やすとキュリー温度を上げることができる。
鉄酸化物(Fe23換算):46〜51mol%、
銅酸化物(CuO換算):3〜14mol%、
亜鉛酸化物(ZnO換算):0mol%より多く、38mol%以下、
残部:ニッケル酸化物(NiO換算)0mol%より多く、46mol%以下および不可避的不純物。
Ni系フェライト粉の場合、好ましい基本組成は、以下のとおりである。
鉄酸化物(Fe23換算):48〜49.8mol%、
銅酸化物(CuO換算):4〜8mol%、
亜鉛酸化物(ZnO換算):10〜35mol%、
残部:ニッケル酸化物(NiO換算)10〜35mol%および不可避的不純物。
Mg系フェライト粉の場合、基本組成は、例えば以下のとおりである。Mg系フェライト粉の場合、ZnOの量を増やすとキュリー温度を下げることができ、MgOの量を増やすとキュリー温度を上げることができる。
鉄酸化物(Fe23換算):46〜51mol%、
銅酸化物(CuO換算):2〜15mol%、
亜鉛酸化物(ZnO換算):3〜33mol%、
残部:マグネシウム酸化物(MgO換算)1〜30mol%および不可避的不純物。
Mg系フェライト粉の場合、好ましい基本組成は、以下のとおりである。
鉄酸化物(Fe23換算):48〜49.8mol%、
銅酸化物(CuO換算):4〜9mol%、
亜鉛酸化物(ZnO換算):15〜28mol%、
残部:マグネシウム酸化物(MgO換算)18〜30mol%および不可避的不純物。
Mg系フェライト粉の場合、基本組成に加えて、副成分としてBi23(ビスマス酸化物)を添加してもよい。例えば、基本組成100質量部に対して、Bi23換算で1〜8質量部を添加する。
フェライト粉の粒径は特に限定されず、適宜調節すればよい。フェライト粉は1次粒子の凝集した2次粒子を用いてもよい。フェライト粉の粒径(2次粒子の粒径を含む)は、例えば、0.1〜500μmの範囲とすることができ、2〜250μmの範囲が好ましい。例えば、昇温速度と昇温の上限温度(これらをまとめて、「発熱性能」ということがある)の観点からは、フェライト粉の粒径は大きい方が好ましく、一方、マイクロ波接合用組成物の塗布(適用)性の観点からは、フェライト粉の粒径は小さい方が好ましい。フェライト粉の粒径は、レーザー回折式粒度分布計を用いて、50%粒径値(D50)で評価することができる。
一実施形態では、フェライト粉は、焼結体および圧粉体ではない。これにより、生産性が高まる。
本発明では、フェライト粉は、所定の温度、すなわちキュリー温度で昇温が停止する性質を有する。このキュリー温度は、適宜設定すればよく、例えば、熱可塑性樹脂製の部材を接合する場合やバインダー樹脂が熱可塑性樹脂を含む場合などは、その熱可塑性樹脂製の部材やバインダー樹脂の溶融温度などを考慮して設定すればよい。例えば、所定の温度(キュリー温度)は、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高く設定する。具体的には、所定の温度(キュリー温度)は、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも30〜100℃高く設定する。
マイクロ波接合用組成物におけるフェライト粉の含有量は、適宜調節すればよい。フェライト粉の含有量が増えると、マイクロ波接合用組成物の発熱性能が高まる。フェライト粉の含有量は、例えば、フェライト粉とバインダー樹脂の固形分の合計質量に対して、30〜92質量%であり、好ましくは、60〜90質量%である。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)などの熱可塑性樹脂;熱硬化性樹脂;水溶性高分子などから適宜選択することができる。バインダー樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂のうち汎用プラスチックとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン(AS)、ポリメチルメタアクリル(PMMA)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂のうちエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂のうちスーパーエンプラとしては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、ジアリルフタレート樹脂、ケイ素樹脂、ビニルエステル樹脂などが挙げられる。
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、天然由来のデンプン、ゼラチン;半合成のカルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース誘導体;ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリエチレンオキシド(PEO)などが挙げられる。
好ましいバインダー樹脂としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)などが挙げられる。
本発明に係るマイクロ波接合用組成物では、前記バインダー樹脂が、水溶性高分子および熱可塑性樹脂からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
マイクロ波接合用組成物におけるバインダー樹脂の含有量は、適宜調節すればよく、例えば、フェライト粉とバインダー樹脂の固形分の合計質量に対して、8〜70質量%であり、好ましくは、10〜40質量%である。
<セルロースナノファイバー>
セルロースナノファイバーは、マイクロ波接合用組成物の保存安定性および接合強度を高める働きを有する。この理由については現在調査中であり、理論に拘束されることを望むものではないが、セルロースナノファイバーがマイクロ波接合用組成物中のフェライト粉の分散性を改善すること、および分散性の改善により、均一にマイクロ波接合用組成物を適用(塗布)することができ、被着材の表面の微細な凹凸にバインダー樹脂とフェライト粉が入り込み、被着材とマイクロ波接合用組成物の密着性が高まるためと推測される。
セルロースナノファイバーは、ナノサイズの公知の微細繊維状セルロースを適宜選択して用いることができる。セルロースナノファイバーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
セルロースナノファイバーとしては、例えば、特開2018-044097号公報、特開2017-082202号公報、特開2017-020074号公報、特開2012-126788号公報、特開2012-126787号公報、特開2012-126786号公報、特開2011-057746号公報、特許第5872099号公報、特許第5872098号公報、特許第5872097号公報などに記載のセルロースナノファイバー、特開2017-025468号公報に記載のリン酸化セルロースナノファイバー、特許第6199858号公報に記載のカルボキシメチル化セルロースナノファイバー、Shinichiro Iwamoto, Takashi Endo, ACS Macro letters, 4(1), 80-83 (2015), "3nm Thick Lignocellulose Nanofibers Obtained from Esterified Wood with Maleic Anhydride"に記載のマレイン酸変性セルロースナノファイバー、特開2013-244736号公報に記載の機械解繊セルロースナノファイバーなどが挙げられる。
セルロースナノファイバーの平均繊維径、平均アスペクト比、結晶構造、変性基(アニオン性基)などは特に限定されず、適宜選択すればよい。
平均繊維径としては、例えば、2〜500nmであり、2〜100nmが好ましい。
平均アスペクト比としては、例えば、10〜1000であり、50〜300が好ましい。
結晶構造としては、例えば、I型結晶構造が挙げられる。セルロースナノファイバーが、I型結晶構造を有することは、例えば、広角X線回折像測定により得られる回折プロファイルにおいて、2シータ=14〜17°付近と、2シータ=22〜23°付近の2つの位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。
変性基としては、例えば、カルボキシル基、ホスホニウム基、スルホニウム基などのアニオン性官能基が挙げられ、カルボキシル基が好ましい。
セルロースにカルボキシルを導入する方法としては、例えば、セルロースの水酸基にカルボキシル基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物の酸無水物およびそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を反応させる方法、セルロースの水酸基を酸化してカルボキシル基に変換する方法などが挙げられる。
上記セルロースの水酸基を酸化してカルボキシル基に変換する方法としては、例えば、以下の酸化反応工程が挙げられる。
・酸化反応工程
天然セルロースとN−オキシル化合物とを水(分散媒体)に分散させた後、共酸化剤を添加して、反応を開始する。反応中は0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10〜11に保ち、pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なす。ここで、共酸化剤とは、直接的にセルロース水酸基を酸化する物質ではなく、酸化触媒として用いられるN−オキシル化合物を酸化する物質のことである。
上記天然セルロースは、植物、動物、バクテリア産生ゲル等のセルロースの生合成系から単離した精製セルロースを意味する。より具体的には、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ、コットンリンター、コットンリント等の綿系パルプ、麦わらパルプ、バガスパルプ等の非木材系パルプ、バクテリアセルロース(BC)、ホヤから単離されるセルロース、海草から単離されるセルロース等を挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでも、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ、コットンリンター、コットンリント等の綿系パルプ、麦わらパルプ、バガスパルプ等の非木材系パルプが好ましい。上記天然セルロースは、叩解等の表面積を高める処理を施すと、反応効率を高めることができ、生産性を高めることができるため好ましい。また、上記天然セルロースとして、単離、精製の後、乾燥させない(ネバードライ)で保存していたものを使用すると、ミクロフィブリルの集束体が膨潤しやすい状態であるため、反応効率を高め、微細化処理後の数平均繊維径を小さくすることができるため好ましい。
上記反応における天然セルロースの分散媒体は水であり、反応水溶液中の天然セルロース濃度は、試薬(天然セルロース)の充分な拡散が可能な濃度であれば任意である。通常は、反応水溶液の重量に対して約5%以下であるが、機械的撹拌力の強い装置を使用することにより反応濃度を上げることができる。
また、上記N−オキシル化合物としては、例えば、一般に酸化触媒として用いられるニトロキシラジカルを有する化合物があげられる。上記N−オキシル化合物は、水溶性の化合物が好ましく、なかでもピペリジンニトロキシオキシラジカルが好ましく、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシラジカル(TEMPO)または4−アセトアミド−TEMPOが好ましい。上記N−オキシル化合物の添加は、触媒量で充分であり、好ましくは0.1〜4mmol/L、さらに好ましくは0.2〜2mmol/Lの範囲で反応水溶液に添加する。
上記共酸化剤としては、例えば、次亜ハロゲン酸またはその塩、亜ハロゲン酸またはその塩、過ハロゲン酸またはその塩、過酸化水素、過有機酸等があげられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム等のアルカリ金属次亜ハロゲン酸塩が好ましい。そして、上記次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合は、反応速度の点から、臭化ナトリウム等の臭化アルカリ金属の存在下で反応を進めることが好ましい。上記臭化アルカリ金属の添加量は、上記N−オキシル化合物に対して約1〜40倍モル量、好ましくは約10〜20倍モル量である。
上記反応水溶液のpHは約8〜11の範囲で維持されることが好ましい。水溶液の温度は約4〜40℃において任意であるが、反応は室温(25℃)で行うことが可能であり、特に温度の制御は必要としない。所望のカルボキシル基量等を得るためには、共酸化剤の添加量と反応時間により、酸化の程度を制御する。通常、反応時間は約5〜120分、長くとも240分以内に完了する。
カルボキシル基を有する化合物としては特に限定されないが、例えば、ハロゲン化酢酸が挙げられ、ハロゲン化酢酸としては、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸などが挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物の酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水イタコン酸などのジカルボン酸化合物の酸無水物が挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物の誘導体としては、例えば、カルボキシル基を有する化合物の酸無水物のイミド化物、カルボキシル基を有する化合物の酸無水物の誘導体などが挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物の酸無水物のイミド化物としては、例えば、マレイミド、コハク酸イミド、フタル酸イミドなどのジカルボン酸化合物のイミド化物が挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物の酸無水物の誘導体としては、例えば、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、ジフェニルマレイン酸無水物などのカルボキシル基を有する化合物の酸無水物の少なくとも一部の水素原子が置換基(例えば、アルキル基、フェニル基など)で置換されたものが挙げられる。
セルロースナノファイバーの市販品としては、例えば、第一工業製薬社製のレオクリスタ(登録商標) I−2SX、I−2AX、I−2AE、C−2SPなどが挙げられる。
マイクロ波接合用組成物におけるセルロースナノファイバーの含有量は、適宜調節すればよく、例えば、マイクロ波接合用組成物の合計質量に対して、0.01〜0.3質量%であり、好ましくは、0.02〜0.2質量%である。
マイクロ波接合用組成物は、上記必須成分の他、溶媒、防腐剤、界面活性剤、でんぷん類、アルギン酸などの多糖類、ゼラチン、ニカワ、カゼインなどの天然たんぱく質、タンニン、ゼオライト、セラミックスなどの無機化合物、着色剤、可塑剤、香料、顔料、流動調整剤、レベリング剤、導電剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、紫外線分散剤、消臭剤などの添加剤を含んでいてもよい。
本発明に係るマイクロ波接合用組成物では、溶媒をさらに含むことが好ましい。
<溶媒>
マイクロ波接合用組成物は、塗布(適用)性や粘度の調製のために溶媒を含んでいてもよい。溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、1−ペンタノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、2−メチル−1−プロパノールグリセリンなどのアルコール;酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン、オレイン酸、リノレン酸、乳酸、安息香酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボン酸;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、流動パラフィンなどの炭化水素;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトアニリドなどのアミド;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノンなどのケトン;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどのハロゲン;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酪酸メチル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸トリクレジル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどのエステル;ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのポリエーテル類;ポリジメチルシロキサンなどのシリコーンオイル類;ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、エステル油、軽油、灯油、原油、サラダ油、大豆油、ヒマシ油、トリグリセライド、ポリイソプレン、フッ素変性油などなどが挙げられる。
好ましい溶媒は、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、1−ペンタノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、2−メチル−1−プロパノールグリセリンなどのアルコールであり、さらに好ましくは、水である。
マイクロ波接合用組成物における溶媒の含有量は、特に限定されず、塗布性などを考慮して適宜調節すればよい。
マイクロ波接合用組成物の調製方法は、特に限定されず、上述した成分を混合すればよい。
(物品)
本発明に係る物品は、上記いずれかのマイクロ波接合用組成物を用いた、物品である。このような物品としては、例えば、樹脂成型品、自動車や電車などの車両の部品(樹脂成型品など);航空機の機体、船舶の船体の内装および外装;建築物の内装および外装;家具、建具;ディスプレイ、モニター、冷蔵庫などの電化製品の筺体などが挙げられる。
(物品の製造方法)
本発明に係る物品の製造方法は、
第1の部材、第2の部材、および上記いずれかのマイクロ波接合用組成物を準備する工程(以下、準備工程ということがある)と、
前記第1の部材に前記マイクロ波接合用組成物を適用する工程(以下、適用工程ということがある)と、
前記第1の部材に適用されたマイクロ波接合用組成物に、前記第2の部材を接触させて、仮止め体を形成する工程(以下、仮止め工程ということがある)と、
前記仮止め体のマイクロ波接合用組成物にマイクロ波を照射して、前記第1の部材と前記第2の部材を接合する工程(以下、接合工程ということがある)と、を含む、物品の製造方法である。
<準備工程>
準備工程では、第1の部材、第2の部材およびマイクロ波接合用組成物を準備する。
第1の部材および第2の部材としては、物品(最終製品だけでなく、最終製品に使用される部品も含む)の構成部材であり、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂(例えば、PPS樹脂、ナイロン)などの樹脂製;ガラス製;アルミニウム、鉄などの金属製;セラミック製;木材製などの構成部材が挙げられる。
本発明に係る物品の製造方法では、前記第1の部材および第2の部材が、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
第1の部材および第2の部材は、寸法および形状は、特に限定されず、適宜選択すればよい。
第1の部材および第2の部材は、材質、寸法、形状が、それぞれ、同じでもよいし、異なっていてもよい。
<適用工程>
適用工程では、第1の部材にマイクロ波接合用組成物を適用する。
第1の部材に適用するマイクロ波接合用組成物の量は、特に限定されず、適宜調節すればよい。
第1の部材におけるマイクロ波接合用組成物の適用箇所は特に限定されず、第1の部材の一面または一部であってもよいし、全体であってもよい。
マイクロ波接合用組成物の適用手段は特に限定されず、ローラー、刷毛、スプレー、浸漬など公知の塗布手段を用いることができる。
また、予め、接合部分に適合する所望の形状とした固形物状(例えば、板状、フレーム状など)のマイクロ波接合用組成物を、第1の部材と第2の部材に挟みこんで適用してもよい。この場合、適用工程と仮止め工程が同時に行われることになる。
<仮止め工程>
仮止め工程では、第1の部材に適用されたマイクロ波接合用組成物に、第2の部材を接触させて、仮止め体を形成する。
仮止め工程では必要に応じて、第1の部材と第2の部材のいずれかまたは両方を、支持ないし保持手段などで支持ないし保持してもよい。
仮止め工程では必要に応じて、第1の部材、第2の部材、およびマイクロ波接合用組成物の1つ以上に、熱および/または圧力を加えてもよい。
<接合工程>
接合工程では、仮止め体のマイクロ波接合用組成物にマイクロ波を照射して、第1の部材と第2の部材を接合する。マイクロ波の照射時間などは適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、照射時間は、10秒〜180秒である。
<その他の工程>
本発明に係る物品の製造方法では、上述した準備工程、適用工程、仮止め工程および接合工程を含めばよく、任意に、形成した仮止め体を乾燥する工程(乾燥工程)などのその他の工程を含んでいてもよい。乾燥温度などは適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、乾燥温度は、30〜110℃である。
また、本発明に係る物品の製造方法では、上述した準備工程、適用工程、仮止め工程および接合工程を含めばよく、部材の数は特に限定されない。例えば、第1の部材に仮止めないし接合する部材は、1つの部材(第2の部材)のみでもよいし、複数の部材(例えば、第2の部材、第3の部材)でもよい。
また、本発明に係る物品の製造方法では、上述した準備工程、適用工程、仮止め工程および接合工程を含めばよく、部材の組合せや順序は限定されない。例えば、第1の部材に第2の部材を仮止めないし接合し、さらに第2の部材に第3の部材を仮止めないし接合してもよいし、第1の部材に第2の部材と第3の部材を同時に仮止めないし接合してもよい。また、第1の部材に第2の部材を仮止めし、次いで、第1の部材に第3の部材を仮止めし、先に、第1の部材と第3の部材を接合した後、第1の部材と第2の部材を接合してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。特に断らない限り、配合量は質量部である。
実施例では、電子レンジ(出力500W、周波数2.45GHz)のマイクロ波を使用した。
実施例で使用した材料は、以下のとおりである。
<バインダー樹脂>
ポリビニルピロリドン(PVP、水溶性高分子)、第一工業製薬社製の商品名ピッツコール(登録商標)K−90
<セルロースナノファイバー>
第一工業製薬社製の商品名レオクリスタ(登録商標)C−2SP
<その他>
防腐剤:第一工業製薬社製の商品名フェノキシエタノールSP
<第1の部材および第2の部材>
ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂(熱可塑性樹脂)、寸法:縦40mm、横30mm、厚9mm
ポリメチルメタアクリル(PMMA)樹脂(熱可塑性樹脂)、寸法:縦40mm、横30mm、厚9mm
ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂(熱可塑性樹脂)、寸法:縦40mm、横30mm、厚9mm
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂(熱可塑性樹脂)、寸法:縦40mm、横30mm、厚9mm
ポリアセタール(POM)樹脂(熱可塑性樹脂)、寸法:縦40mm、横30mm、厚9mm
ポリアミド(PA)樹脂(熱可塑性樹脂)、寸法:縦40mm、横30mm、厚9mm
(フェライト粉の調製)
以下の基本組成で原料を混合し、1000℃で焼成、解砕、分級してNi系フェライト粉を得た。このフェライト粉の粒径(50%粒径値(D50))は、30μmであった。
Fe23:49mol%
NiO:23mol%
ZnO:22mol%
CuO:6mol%
(フェライト粉の発熱特性の測定)
上記のように調製したフェライト粉単体にマイクロ波を100秒照射して発熱特性を調べたところ、約300℃で昇温停止したことを確認した。
(実施例1〜7)
表1に示す配合で、材料を混合してマイクロ波接合用組成物を調製した。
(発熱特性測定用の試料作製)
調製したマイクロ波接合用組成物をガラス皿に流し込み、40℃で一晩乾燥させて、縦40mm、横40mm、厚さ0.5mmの板状試料を作製した。乾燥後の組成物中の成分比は、フェライト粉78質量%、PVP20.8質量%、セルロースナノファイバー0.1質量%、防腐剤1.0質量%であった。この板状試料単体にマイクロ波を照射して発熱特性を調べたところ、照射後40秒で200℃まで昇温し、照射後60秒で約250℃で昇温が停止し、それ以降は温度が保持されることを確認した。
(接合強度測定用試料の作製)
表1に示す種類の第1の部材および第2の部材と、調製したマイクロ波接合用組成物を準備した。次いで、第1の部材にマイクロ波接合用組成物を塗布した。次いで、第2の部材をその塗布したマイクロ波接合用組成物に接触させて、マイクロ波接合用組成物を第1の部材および第2の部材で挟み込んで、仮止め体を形成した。次いで、その仮止め体にマイクロ波を60秒間照射して、第1の部材および第2の部材を接合して、接合体を得た。
(比較例1〜2)
表1に示すように、配合を変更して、比較用マイクロ波接合用組成物を調製した。すなわち、比較例1ではセルロースナノファイバーを用いず、比較例2では、フェライト粉を用いなかった。そして、実施例1と同様にして、板状試料と接合体を得た。比較例1の板状試料単体にマイクロ波を照射して発熱特性を調べたところ、実施例1と同様に約250℃で昇温停止した。比較例2の板状試料単体にマイクロ波を照射して発熱特性を調べたところ、ほとんど昇温しなかった。
Figure 2020006593
(評価)
実施例および比較例で得られたマイクロ波接合用組成物に対して、以下のように、保存安定性を評価した。また、実施例および比較例で得られた接合体に対して、以下のように、被着材の樹脂の劣化の有無、接合強度を評価した。
<保存安定性>
マイクロ波接合用組成物または比較用マイクロ波接合用組成物を常温で60日間静置した。そして、以下の基準で、保存安定性を評価した。
良好:静置後にフェライト粉の沈降がなく、かつ、溶媒中でフェライト粉の凝集がない
不良:静置後にフェライト粉の沈降がある、または、溶媒中でフェライト粉の凝集がある
<樹脂の劣化の有無>
接合体の接合部の外観を目視により観察して、樹脂の劣化の有無を評価した。
<接合強度>
実施例および比較例で得られたマイクロ波接合用組成物を用い、試験片が直交するようにして接合体を調製した。接合体の第1の部材を固定し、第2の部材に重りを付けることで力を加えて、以下の基準で、接合強度を評価した。
〇:5kgf以上の力を加えても第1の部材と第2の部材が引き剥がれない
△:3kgf以上、5kgf未満の力を加えると第1の部材と第2の部材が引き剥がれる
×:3kgf未満の力を加えると第1の部材と第2の部材が引き剥がれる
表1に示すように、実施例では、マイクロ波接合用組成物の保存安定性が良好で、接合体の樹脂の劣化の有無がなく、接合強度も良好であった。
本発明によれば、樹脂の劣化および変性がなく、接合強度と保存安定性に優れたマイクロ波接合用組成物を提供することができる。また、本発明によれば、樹脂の劣化および変性がなく、接合強度に優れた物品を提供することができる。また、本発明によれば、樹脂の劣化および変性がなく、接合強度に優れた物品の製造方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 所定の温度で昇温が停止するフェライト粉と、
    バインダー樹脂と、
    セルロースナノファイバーと、を含む、マイクロ波接合用組成物。
  2. 前記バインダー樹脂が、水溶性高分子および熱可塑性樹脂からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載のマイクロ波接合用組成物。
  3. 溶媒をさらに含む、請求項1または2に記載のマイクロ波接合用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロ波接合用組成物を用いた、物品。
  5. 第1の部材、第2の部材および請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロ波接合用組成物を準備する工程と、
    前記第1の部材に前記マイクロ波接合用組成物を適用する工程と、
    前記第1の部材に適用されたマイクロ波接合用組成物に、前記第2の部材を接触させて、仮止め体を形成する工程と、
    前記仮止め体のマイクロ波接合用組成物にマイクロ波を照射して、前記第1の部材と前記第2の部材を接合する工程と、を含む、物品の製造方法。
  6. 前記第1の部材および第2の部材が、熱可塑性樹脂である、請求項5に記載の物品の製造方法。
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