JP2020005430A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】パワーモジュールを備えるユニットを複数備えても、複数のユニットの有効寿命が均一になるようにした電力変換装置を提供する。【課題解決手段】パワーモジュールの温度と記周囲温度との差分を求め、差分に応じて、複数のユニットのうち第1ユニットのパワーモジュールの通流電流が減少するように当該第1ユニットの駆動回路を制御し、前記複数のユニットのうち第2ユニットのパワーモジュールの通流電流が増加するように当該第2ユニットの駆動回路を制御する。【選択図】図7

Description

本発明は、パワーモジュールを備えるユニットを複数備えても、複数のユニットの有効寿命が均一になるようにした電力変換装置に関する。
電力変換装置は、UPS(Uninterruptible Power-supply System:無停電電源装置)、PCS(Power Conditioning System)、ACドライブ等の産業用電力変換装置、ハイブリッド車、電気自動車等の車載用電力変換装置、そして、家電用電力変換装置に多用されている。
そして、電力変換装置として、電力変換用パワーデバイスとしてのMOSFETや絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT) を組み込んだパワーモジュールに、パワーデバイスの駆動回路を組み合わせたユニットから構成されるものが知られている。
この種の電力変換装置では長寿命化が望まれており、例えば、特許文献1には、並列動作する複数のトランジスタ等のスイッチング素子の有効寿命を均一させるために、複数のトランジスタの平均温度と各々のトランジスタの測定温度との温度差に基づいて、各トランジスタを熱的にバランスさせるように通電電流を制御する電力変換装置が開示されている。
さらに、電力変換装置の長寿命化に伴って、特許文献2には、電力変換装置のインバータ、コンバータを構成するスイッチング素子の劣化度を正確に評価するために、スイッチング素子の構成部材間の熱抵抗を求めて構成部材の劣化度を評価し、劣化を温度・熱抵抗との関係で判断することが開示されている。
特開2015−159712号公報 特開2009−225541号公報
パワーモジュールを備えるユニットを複数組み合わせることにより、電力変換装置を大容量化しても、ユニットの一部のパワーモジュールが劣化すればユニットそのものを交換しなければならないという課題がある。そこで、複数のユニットの間でパワーモジュールの熱疲労が均等に進むようにして電力変換装置を動作させることが望まれるが、これは容易なことではないこととして従来から行われてこなかった。
本発明は、パワーモジュールを備えるユニットを複数備えても、複数のユニットの有効寿命が均一になるようにした電力変換装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、パワーモジュールを備えるユニットの複数を並列接続した電力変換装置であって、前記複数のユニットの夫々は、前記パワーモジュールの温度を検出する第1の温度センサと、周囲温度を検出する第2の温度センサと、前記パワーモジュールの駆動回路と、前記パワーモジュールのゲートに、調整された電圧を供給することにより、前記パワーモジュールに通流される電流を制御する駆動回路と、前記第1の温度センサの出力信号と、前記第2の温度センサの出力信号と、に基づいて前記駆動回路を制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記複数のユニットの夫々について、前記パワーモジュールの温度と前記周囲温度との差分を求め、当該差分に応じて、前記複数のユニットのうち第1ユニットのパワーモジュールの通流電流が減少するように当該第1ユニットの駆動回路を制御し、前記複数のユニットのうち第2ユニットのパワーモジュールの通流電流が増加するように当該第2ユニットの駆動回路を制御する、ことを特徴とするものである。
本発明によれば、パワーモジュールを備えるユニットを複数備えても、複数のユニットの有効寿命が均一になるようにし、これによって電力変換装置の性能を向上させることができる。
図1は、本発明の電力変換装置に適用されるパワーモジュールの実施形態に係る回路図の一例である。 図2は図1のパワーモジュールを上から俯瞰する斜視図である。 図3は図2のA−A’断面図である。 図4は、ユニット(電力変換ユニット)の模式図の一例である。 図5は電力変換ユニットの実装品を斜め上から俯瞰した斜視図である。 図6は、電力変換ユニットのブロック図の一例である。 図7は電力変換装置のブロック図の一例を示す。 図8は制御回路の機能ブロック図の一例である。 制御回路の動作フローチャートの一例である。 パワーモジュールを電流制御するための管理テーブルの一例である。 パワーモジュールのゲート電圧の調整の前後でのパワーモジュールの特性の変化に係るグラフである。
次に、本発明の実施形態について説明する。図1は、複数のパワーデバイスを組み込み、インバータとして機能するパワーモジュールの回路図の一例であり、図2はパワーモジュールを上から俯瞰する斜視図であり、図3は図2のA−A’断面図である。
図1において、パワーモジュール100は、パワーデバイスとしてのIGBT102とダイオード104とが反平行に電気的に接続されたアームを上下に有する。上アーム106のエミッタ電極122と下アーム108のコレクタ電極124とがパワーモジュール内部で電気的に接続されている。
そして、上アームのコレクト電極126、下アームのエミッタ電極128、および、上アームのエミッタ電極122(下アームのコレクタ電極124)は、パワーモジュール外部と接続可能なように銅バーなどで引き回されることにより、それぞれ、P端子(正極端子)110、N端子(負極端子)114、AC端子(中間電源端子)112が形成されている。IGBTのゲート電極130もまた、銅バーなどで引き回され、駆動回路からの駆動信号が入力されるゲート信号端子120が形成されている。
さらに、パワーモジュール100は、パワーモジュール内の温度をモニタするサーミスタ等温度センサ116を備える。温度センサ116はパワーモジュール外部と接続可能なように銅バーなどで引き回され、温度信号端子118が形成されている。
図2に示すように、矩形状であるベースプレート200上にパワーデバイスが形成され、これはパッケージケース202によって被覆又は封止されている。パッケージケース202の平面には、P端子(正極端子)110、N端子(負極端子)114、AC端子(中間電源端子)112が表出している。なお、ゲート信号端子と温度信号端子の図示は省略されている。
図3に示すように、ベースプレート200上に絶縁基板302が積層されている。そして、絶縁基板302上には配線パターン300が形成され、配線パターンに上アーム106と下アーム108とが形成されている。304は配線パターンと上アーム106の電極とを接続する金属ワイヤであり、306は配線パターンと下アーム108の電極とを接続する金属ワイヤである。温度センサ116は、ベースプレート200上に載置されて、パッケージケース202内の温度を監視する。
図4は、橋桁状の放熱器400の平面402に、複数のパワーモジュール100U、100V、100Wを並列接続されたユニット(電力変換ユニット)410の模式図を示す。図4は、電力変換ユニットを斜め上から俯瞰した斜視図である。放熱器400の平面402の一部には、放熱器400の温度を検出する温度センサ406が設けらている。
放熱器400の底面からは、複数の放熱用のフィン404が直角に突出されている。放熱器400の温度は、パワーモジュールの温度(温度センサ116)に対して、周囲温度となるものであって、放熱器400の温度(温度センサ406)とパワーモジュール100の温度(温度センサ116)との差分がパワーモジュール100の上昇温度、即ち、温度負荷である。
パワーモジュールのケース内温度を周囲温度と比較することにより、パワーモジュール100の実質の温度上昇分を正確に評価することができる。
図5は電力変換ユニット410の実装品を斜め上から俯瞰した斜視図である。電力変換ユニット410から3相交流が出力されるもので、符号508Uはパワーモジュール100UのU相交流の出力部であり、符号508Vはパワーモジュール100VのV相交流の出力部であり、符号508Wはパワーモジュール100WのW相交流の出力部である。
符号506は、複数のパワーモジュールにゲート信号を出力する駆動回路を示す。駆動回路506は、駆動信号伝達配線510Uを介してパワーモジュール100Uに、駆動信号伝達配線510Vを介してパワーモジュール100Vに、駆動信号伝達配線510Wを介してパワーモジュール100Wに、夫々ゲート信号を出力する。
駆動回路506は変換ユニット外の制御回路に配線502を介して接続する。符号500は主回路用配線であって、P端子用の端子520とN端子用の端子522とをその側端に備える。符号504はコンバータから出力される直流電圧を平滑化するコンデンサである。放熱器の温度センサ406から出力される温度検出信号、そして、パワーモジュール100U、100V、100W夫々の温度センサ116から出力される温度検出信号は駆動回路506を介して、電力変換ユニット外の制御回路に出力される。
図6は、電力変換ユニット410のブロック図の一例である。既述の通り、電力変換ユニットはパワーモジュールを3個備え、3個のパワーモジュール100U、100V、100Wは夫々U相、V相、W相を担う三相インバータとして機能する。駆動回路506はゲート電圧調整回路600と温度検出回路602とを備える。ゲート電圧調整回路600は、上位回路(制御回路610)からの制御信号に基づいてパワーモジュール100U、100V、100W夫々に駆動信号を供給して、パワーモジュール100U、100V、100W夫々は、P極110とN極114から入力された直流電力をUVW相を通して三相交流電力に変換する。
さらに、温度検出回路602は、パワーモジュール100U、100V、100W夫々温度信号端子118から温度検出信号を受信して、これを制御回路610に出力する。放熱器400の温度センサ406の出力も温度検出回路602に供給される。
温度検出回路602として、駆動回路506の余剰領域を利用することにより、温度検出のための回路を新たに設ける必要がない。
図7は電力変換装置700のブロック図の一例を示す。電力変換装置700は、複数の電力変換ユニット(第1の電力変換ユニット410)、第2の電力変換ユニット410、・・・・・第nの電力変換ユニット410を並列に接続する。電力変換装置700は各電力変換ユニットの同相の交流電力を連結点702で合成することにより、大容量化された3相交流電力を出力することができる。
ここで、パワーモジュールの熱劣化について説明する。パワーデバイスの動作に伴って、パワーデバイスが高温状態と低温状態とを繰り返すと、熱サイクルがパワーモジュールに加わりパワーモジュールを劣化させる。パワーモジュールを構成する複数の層の夫々は、熱膨張係数が互いに異なる複数の材料、例えば、銅配線、半田、シリコンチップ、樹脂等の絶縁部材、アルミ等金属ケース等から構成されているため、熱膨張、熱収縮の繰り返しによる熱応力の発生によって、半田にクラックや、絶縁層の剥離等の物理的障害が生じて、パワーモジュールの絶縁特性、放熱特性(熱抵抗特性といってもよい)が低下ないし劣化する。
ベースプレート200(図3)と絶縁層302と間の半田層に加わる熱疲労をサーマルサイクル疲労といい、パワーデバイス106、108と配線300との間に加わる熱疲労をパワーサイクル疲労という。
パワーデバイスの品質や出力責務は、パワーデバイスの製造上のばらつき等の初期的な要因と、パワーデバイスの周囲温度等の設置環境のばらつき等により均一にはならない。特定のパワーデバイスに電流が集中すると、このパワーデバイスを備えるパワーモジュールの熱疲労が進行し、ひいては、このパワーモジュールを備える特定の電力変換ユニットの寿命を低下させる。
出力電力容量を規格化した電力変換ユニットを、並列に接続して大容量化した電力変換装置(図7)においては、複数の電力変換ユニット夫々の寿命にばらつきがあると、電力変換ユニットが故障するタイミングが分散し、結局のところ、電力変換装置の寿命が、最も短寿命な電力変換ユニットによって制限されてしまうという課題がある。
そこで、制御回路610は、特定の電力変換ユニットの熱疲労の進行を緩和して、電力変換装置の複数の電力変換ユニットの寿命を均等にする制御を実行する。制御回路610は、この制御を進める過程で、複数の電力変換ユニットを備える電力変換装置の電力容量を低下させないようにすることが好ましい。
図8は、制御回路610の機能ブロック図の一例である。制御回路610はマイコンによって構成されてよい。制御回路610は、演算モジュール800と、記憶領域802を備える。演算モジュールはCPU(コントローラ)がメモリのプログラムを実行することによって実現される。記憶領域はメモリ内に存在する。演算モジュール800は、温度差演算サブモジュール804と、温度差バランス判定モジュール806と、ゲート信号生成サブモジュール808と、を備える。演算モジュール800の動作を、各サブモジュールの説明を兼ねて、図9のフローチャートに基づいて説明する。演算モジュールは、図9のフローチャートを所定時間毎に繰り返し実行する。
温度差演算サブモジュール804は、電力変換ユニット1(U1)について、U相の交流電力を出力するパワーモジュール(PU)の温度センサ116の検出信号(Tc)を取り込み(900)、そして、U1の放熱器の温度センサ406の検出信号(Tf)を取り込み(902)、これら信号に基づいて、PUの温度とU1の放熱器の温度との差分(ΔTU1)を演算して(904)、これを記憶領域内の管理テーブル(図10)に登録する。
そして、温度差演算サブモジュール804は、U1について、V相の交流電力を出力するパワーモジュール(PV)の温度センサの検出信号(Tf)を取り込み(902)、PVの温度とU1の放熱器の温度との差分(ΔTV1)を演算して(904)、これを記憶領域内の管理テーブル(図10)に登録する。
さらに、温度差演算サブモジュール804は、U1について、W相の交流電力を出力するパワーモジュール(PW)の温度センサの検出信号(Tf)を取り込み、PWの温度とU1の放熱器の温度との差分(ΔTW1)を演算して、これを記憶領域内の管理テーブル(図10)に登録する。
温度差演算サブモジュール804は、この差分計算、及び、管理テーブルへの登録を、電力変換装置を構成する残りの電力変換ユニット(U2・・・Un)のU相、V相、W相夫々のパワーモジュールについて実行する。
次に、温度差バランス判定サブモジュール806は、管理テーブル(図10)の記録情報を順番に走査して、温度差分と閾値とを比較する(906)。温度差バランス判定サブモジュール804は、閾値以上のパワーモジュールについて、パワーモジュールの通流電流を減少させるためのフラグ(通流電流減少フラグ)をセットする。温度差分を閾値と比較することによって、温度差分が電流を減少させなければならない範囲のものかを高精度に判定できる。
管理テーブル(図10)は、例えば、電力変換ユニット1(U1)のU相のパワーモジュールと、電力変換ユニット3(U3)のV相のパワーモジュールと、電力変換ユニット2(U2)のW相のパワーモジュールとの夫々に対して通流電流減少フラグが設定されることを示している。
次に、温度差バランス判定サブモジュール806は、通流電流減少フラグが設定されたパワーモジュールの電流減少分を補うために、通流電流が増加されるべき、同相のパワーモジュールにフラグ(通流電流増加フラグ)をセットする。図10は、電力変換ユニット6(U6)のU相のパワーモジュールと、電力変換ユニット1(U1)のV相のパワーモジュール・電力変換ユニット5(U5)のV相のパワーモジュールと、電力変換ユニット8(U8)のW相のパワーモジュールとの夫々に対して通流電流増加フラグが設定されることを示している。なお、異相のパワーモジュール間で電流の増減を行うと、増減幅が共に同じでも、電力容量が規定値から変化してしまうおそれがある。同相のパワーモジュール間で電流の増減を行い、かつ増減幅が共に同じであれば、電力容量を規定値に維持することができる。
通流電流増加フラグが設定されるパワーモジュールは、通流電流減少フラグが設定されたパワーモジュールが属する電力変換ユニット以外の電力変換ユニットの同相のパワーモジュールであれば特に限定されない。例えば、同相に属する複数のパワーモジュールのうち最も温度差分が小さいパワーモジュール、又は、温度差分が所定値以下のパワーモジュールであってよい。さらにまた、例えば、通流電流の増加処理の履歴が最も少ないパワーモジュールを選択してもよい。
ゲート信号生成サブモジュール808は、同相に属するパワーモジュールにおいて、通流電流減少フラグが設定されたパワーモジュールのゲート電極に対して、記憶領域802の電流−ゲート電圧データテーブル810を参照して、電流を減少させるためのゲート電圧値に調整したPWM信号を生成して送出し、通流電流増加フラグが設定されたパワーモジュールのゲート電極に対して、電流−ゲート電圧データテーブル810を参照して、電流を増加させるためのゲート電圧値に調整したPWM信号を生成して送出する(908)。
ゲート信号生成サブモジュール808は、パワーモジュールの電流の減少分とパワーモジュールの電流の増加分を同じにして、ゲート電圧の調整前後で合計の電流量が変わらないようにして、複数の電力変換ユニットが並列接続されたことによる合計の電力容量が変化しないようにすればよい。
電流が減少されたパワーモジュールにおいては、熱疲労が緩和される一方、電流が増加されたパワーモジュールでは熱疲労が進むおそれがあるが、図9のフローチャートを所定時間毎に繰り返し実行することによって、熱疲労の進展が抑えられため、同相の複数のパワーモジュールの熱疲労が均等になり、その結果、複数の電力変換ユニットの寿命が均質化される。
次に、図11を用いて、パワーモジュールのゲート電圧の調整の前後でのパワーモジュールの特性の変化を説明する。(1)はパワーモジュールの温度差の変化を説明するグラフであり、(2)はパワーモジュールの電流の変化を説明するグラフである。1100は通流電流減少フラグが設定されるパワーモジュールの特性であり、1102は通流電流増加フラグが設定されるパワーモジュールのグラフである。
パワーモジュール1100、1102には、t1以前、同じ値の電流が通流されているものの(図11(2))、電力変換の進展に従って、パワーモジュール1100の既述の温度差が漸増し(図11(1))、t1の時点で第1の閾値(C)以上に至ると、パワーモジュール1100の電流がIに減少され(図11(2))、パワーモジュール1102の電流がI3に増加される。
パワーモジュール1100の電流が減少されるとパワーモジュール1100の温度差が第2の閾値Cに至ることなくピークPを迎え、その後漸減して第1の閾値Cを下回るようになる(図11(2))。一方、パワーモジュール1102の温度差は電流の増加後漸増し、パワーモジュール1100の温度差がパワーモジュール1102の温度差を下回るようになる。
なお、パワーモジュール1100の電流値を減少させないと、パワーモジュールの1100の温度差は第1の閾値Cを超えて第2の閾値Cに到達する。パワーモジュール1100の温度差が第2の閾値Cに至ると、パワーモジュール1100は余寿命なしと判定され、パワーモジュール1100を備える電力変換ユニットは交換対象に分類される。
図11(2)において、I4はパワーモジュール1100とパワーモジュール1102との合計の電流の値を示す。電流の減少幅と電流の増加幅とは同じ値(±ΔI)であるため、合計の電流の値は、パワーモジュールの電流の増減の前後で変化がない。さらに、Iは電流の合計値の上限であって、合計の電流値はこれを越えないように調整される。
なお、一つの通流電流フラグが設定されたパワーモジュール対して、通流電流増加フラグが設定されたパワーモジュールは複数あってよい。この場合、例えば、電流の増加分が複数のパワーモジュールに対して均等割りしてよい。
既述の実施例では、パワーモジュールの温度センサ116をベースプレート200上に設けている(図3)。これに代えて、あるいはこれと共に、温度センサとして、例えば、半導体素子のジャンクション温度を取得するため、オンチップタイプとして適用可能な温度センサ素子、例えば、シリンコンダイオード温度センサをパワーデバイスのチップ上に設けてもよい。
ジャンクション温度はワイヤーボンディングとパワーデバイスとの接合部の熱疲労、および、パワーデバイスと銅バーとの接合部の熱疲労であるパワーサイクル疲労に深く関与している。したがって、ジャンクション温度と放熱器温度との差分に基づいて、パワーモジュールの電流の増減を行うことによって、ワイヤーボンディングとパワーデバイスとの接合部、および、パワーデバイスと銅バーとの接合部のように熱疲労に対して敏感な箇所の疲労を抑制して、電力変換装置の余寿命をより確かに推定でき、そして、余寿命が向上した電力変換装置を提供することができる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100、100U、100V、100W:パワーモジュール
116:温度センサ(パワーモジュール)
400:放熱器
406:温度センサ(放熱器)
410:電力変換ユニット
506:駆動回路
610:制御回路

Claims (7)

  1. パワーモジュールを備えるユニットの複数を並列接続した電力変換装置であって、
    前記複数のユニットの夫々は、
    前記パワーモジュールの温度を検出する第1の温度センサと、
    周囲温度を検出する第2の温度センサと、
    前記パワーモジュールの駆動回路と、
    前記パワーモジュールのゲートに調整された電圧を供給することにより、当該パワーモジュールに通流される電流を制御する駆動回路と、
    前記第1の温度センサの出力信号と、前記第2の温度センサの出力信号と、に基づいて前記駆動回路を制御する制御回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記複数のユニットの夫々について、前記パワーモジュールの温度と前記周囲温度との差分を求め、
    当該差分に応じて、前記複数のユニットのうち第1ユニットのパワーモジュールの通流電流が減少するように当該第1ユニットの駆動回路を制御し、前記複数のユニットのうち第2ユニットのパワーモジュールの通流電流が増加するように当該第2ユニットの駆動回路を制御する、
    電力変換装置。
  2. 前記ユニットは、前記複数のパワーモジュールを支持する放熱器を備え、
    前記第2の温度センサは前記放熱器の温度を前記周囲温度として検出する、
    請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記制御回路は、前記第1ユニットの前記差分が所定の閾値を超えた際に、前記第1ユニットのパワーモジュールの通流電流を減少させ、そして、前記第2ユニットのパワーモジュールの通流電流を増加させる、
    請求項1記載の電力変換装置。
  4. 前記複数のユニットの夫々は、
    直流電力をU相の交流電力に変換する第1のパワーモジュールと、
    直流電力をV相の交流電力に変換する第2のパワーモジュールと、
    直流電力をW相の交流電力に変換する第3のパワーモジュールと、
    を備え、
    前記第1ユニットの通電電流が減少されるパワーモジュールと前記第2ユニットの通電電流が増加されるパワーモジュールとは、前記直流電力を同じ相の交流電流変換する、
    請求項1記載の電力変換装置。
  5. 前記第1ユニットのパワーモジュールにおける通電電流の減少幅と前記第2ユニットのパワーモジュールにおける通電電流の増加幅が等しい、
    請求項4記載の電力変換装置。
  6. 前記第1の温度センサからの温度検出信号と前記第2の温度センサからの温度検出信号は、前記駆動回路を介して前記制御回路に出力される、
    請求項1記載の電力変換装置。
  7. 前記第1の温度センサは前記パワーモジュールのケース温度、及び/又は、ジャンクション温度を検出する、
    請求項1記載の電力変換装置。
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