JP2020004615A - 面状発熱体、および面状発熱体の製造方法 - Google Patents

面状発熱体、および面状発熱体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐熱性、高い導電性、良好な柔軟性の全てを兼ね備えた面状発熱体、そのような面状発熱体を得ることができる、面状発熱体の製造方法を提供すること。【解決手段】少なくとも有機系耐熱繊維とカーボンナノチューブを含み、有機系耐熱繊維の周囲を該カーボンナノチューブが覆うことによって有機系耐熱繊維同士が結着されるとともに導電経路が形成される。有機系耐熱繊維が、平均すると有機系耐熱繊維の直径以下の距離に配置され、有機系耐熱繊維が、全芳香族ポリアミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維の群から選ばれる少なくとも一種を含有し、カーボンナノチューブの平均直径が20nm以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンナノチューブを用いた面状発熱体、およびその製造方法に関する。
近年、曲面形状ディスプレイ製造時における加熱加工、航空機補修時の加温、建築用鋼材溶接時の予熱等、曲面を高温で均一に加熱するための面状発熱体の需要が高まっている。
高温に加熱するためには高い耐熱性が求められ、また、低い電圧で高温に加熱するためには高い導電性が必要である。そして、曲面を均一に加熱するためには良好な柔軟性が必要となる。しかしながら、従来の面状発熱体は、高い耐熱性、高い導電性、良好な柔軟性の全てを兼ね備えているとは言い難い。
例えば、特許文献1記載の面状発熱体は、カーボンナノチューブとナノサイズの銀粒子を含む分散液をコピー用紙にスクリーン印刷することで得られるが、基材がコピー用紙のため、高い耐熱性を備えているとは言い難い。
特開2017−4761号公報
本発明の目的は、高い耐熱性、高い導電性、良好な柔軟性の全てを兼ね備えた面状発熱体、およびその製造方法を提供することである。
上記目的を解決する本発明の面状発熱体は、
少なくとも有機系耐熱繊維とカーボンナノチューブを含み、該有機系耐熱繊維の周囲を該カーボンナノチューブが覆うことによって該有機系耐熱繊維同士が結着されるとともに導電経路が形成されていることを特徴とする。
本発明の面状発熱体は、有機系耐熱繊維の周囲をカーボンナノチューブが覆い有機系耐熱繊維同士を結着することによって高い耐熱性と柔軟性を確保し、カーボンナノチューブが電気的な導通を確保し高い導電性を発揮する機能を果たしている。したがって、本発明の面状発熱体は、高い耐熱性、高い導電性、良好な柔軟性の全てを兼ね備えたものである。
前記有機系耐熱繊維は、前記カーボンナノチューブよりも柔らかく、また、無機系繊維よりも柔らかい傾向にある。
また、「該有機系耐熱繊維の周囲を該カーボンナノチューブが覆う」とは、該有機系耐熱繊維同士が結着されるとともに導電経路が形成されていればよく、該有機系耐熱繊維の周囲の一部しか該カーボンナノチューブが覆っていないものがあってもよい。また、該有機系耐熱繊維のうち表面に露出している部分については、全部が該カーボンナノチューブに覆われていてもよい。
また、カーボンナノチューブによって有機系耐熱繊維同士が結着されることで、面状発熱体の強度が確保されている。
さらに、有機系耐熱繊維は、1種類の繊維であってもよいし、複数種類の繊維であってもよい。例えば、耐熱性が相対的に高い繊維と、柔軟性が相対的に高い繊維を組み合わせて用いてもよい。
また、
隣り合う有機系耐熱繊維が、平均すると、該有機系耐熱繊維の直径以下の距離に配置されていることがより好ましい。
すなわち、有機系耐熱繊維と有機系耐熱繊維の間に介在するカーボンナノチューブの集合体の厚さ(カーボンナノチューブの結着層の厚さ)が、前記有機系耐熱繊維の直径以下であることが好ましい。言い換えれば、隣り合う有機系耐熱繊維が直径を超えた距離まで離れてしまうと、有機系耐熱繊維が、多数のカーボンナノチューブを含む結着層の中に点在している傾向が強くなる。カーボンナノチューブの結着層は有機系耐熱繊維と比較して硬いため、柔軟性は有機系耐熱繊維に劣る。本発明の面状発熱体では、隣り合う有機系耐熱繊維の間には、カーボンナノチューブが存在しているが、隣り合う有機系耐熱繊維が直径を超えた距離まで離れてしまうと、カーボンナノチューブの結着層の硬さによって面状発熱体全体としての硬さが上昇してしまい、柔軟性が劣ってしまう。
また、
有機系耐熱繊維として、全芳香族ポリアミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維の群から選ばれる少なくとも一種を用いることで、耐熱性と柔軟性がさらに向上する。
また、
前記カーボンナノチューブの平均直径が20nm以下であることも好ましい。
同じ質量であれば、直径の細いカーボンナノチューブの方が、直径の太いカーボンナノチューブよりも、電気抵抗が低く、柔軟性も優れるため、前記平均直径が20nm以下であれば、得られる導電体の導電性と柔軟性はより優れたものになる。
また、
面状発熱体の全質量中における前記カーボンナノチューブの占める割合が3質量%以上40質量%以下であることも好ましい。
カーボンナノチューブの配合量がこの範囲内にあることによって、柔軟性を損なわずに導電性を高めることが可能となる。
また、
前記有機系耐熱繊維を含む不織布又は織布に前記カーボンナノチューブが担持されていてもよい。
上記目的を解決する本発明の第1の面状発熱体の製造方法は、
有機系耐熱繊維を用いて抄造された不織布にカーボンナノチューブの分散液を含浸または塗布した後、該不織布を乾燥させることを特徴とする。
上記目的を解決する本発明の第2の面状発熱体の製造方法は、
カーボンナノチューブの分散液が添加された有機系耐熱繊維スラリーから、該カーボンナノチューブが抄き込まれた不織布を湿式抄造した後、該不織布を乾燥させることを特徴とする。
ここで、カーボンナノチューブの分散液を用いることで、有機系耐熱繊維と有機系耐熱繊維の間にカーボンナノチューブが均一に入り込み、有機系耐熱繊維の周囲を該カーボンナノチューブで均一に覆うことが可能になる。
本発明の第1の面状発熱体の製造方法によっても、本発明の第2の面状発熱体の製造方法によっても、高い耐熱性、高い導電性、良好な柔軟性の全てを兼ね備えた面状発熱体を製造することができる。
本発明によれば、高い耐熱性、高い導電性、良好な柔軟性の全てを兼ね備えた面状発熱体、そのような面状発熱体を得ることができる、面状発熱体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、有機系耐熱繊維とカーボンナノチューブを含有する面状発熱体であり、分散状態の良好なカーボンナノチューブによって有機系耐熱繊維同士が結着されることによって、有機系耐熱繊維間に柔軟で強固な物理的・電気的接続が形成され、高い耐熱性、高い導電性、良好な柔軟性の両立が可能となる。
本実施形態における有機系耐熱繊維の種類に特に制限はなく、有機系の耐熱繊維であれば一種または複数種の繊維を用いることができるが、全芳香族ポリアミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維の群から選ばれる少なくとも一種を使用することが好ましい。繊維の形状に特に制限はなく、チョップドファイバー状、パルプ状等、いずれも用いることができる。平均繊維径(繊維幅)と平均繊維長にも特に制限はないが、平均繊維径は1μm以上100μm以下であることが好ましく、平均繊維長は0.1mm以上20mm以下であることが好ましい。
本実施形態において、カーボンナノチューブの種類も特に制限はなく、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブいずれも用いることができる。カーボンナノチューブの製法には、触媒化学気相合成法(CCVD法)、レーザー蒸発法、アーク放電法等があるが、本実施形態においては、いずれの製法で製造されたカーボンナノチューブも使用できる。コスト的には多層カーボンナノチューブを使用することが好ましい。カーボンナノチューブの直径にも特に制限はないが、直径の細いカーボンナノチューブの方が、直径の太いカーボンナノチューブよりも、電気抵抗が低く、柔軟性も優れるため、平均直径が20nm以下のカーボンナノチューブを用いることにより、得られる面状発熱体の導電性と柔軟性はより優れたものになる。カーボンナノチューブの長さにも特に制限はないが、短いと有機系耐熱繊維間の物理的接続(結着性)および電気的接続(導電性)が不十分となる可能性があるので、長さは0.5μm以上であることが好ましい。
本実施形態において、面状発熱体の全質量中におけるカーボンナノチューブの占める質量割合に特に制限はないが、有機系耐熱繊維間の物理的・電気的接続を確保することを考慮すると、面状発熱体の全質量中におけるカーボンナノチューブの占める割合は3質量%以上40質量%以下であることが好ましい。カーボンナノチューブの占める質量割合が低すぎると、有機系耐熱繊維を結着する物理的機能が低下してしまう。また、有機系耐熱繊維同士間でカーボンナノチューブによる電気的な接続機能も低下してしまう。カーボンナノチューブの結着層は有機系耐熱繊維と比較すると、有機系耐熱繊維の方が柔軟性は高い。カーボンナノチューブの占める質量割合が高すぎると、隣り合う有機系耐熱繊維が離れすぎてしまう。すなわち、カーボンナノチューブの結着層が厚くなってしまい、結着層における柔軟性の低さが作用して、面状発熱体全体としての柔軟性が劣ってしまう。
本実施形態の面状発熱体の製造方法を説明する。
本実施形態の面状発熱体の第一の製造方法は、有機系耐熱繊維から成る不織布を基材として、カーボンナノチューブ分散液を含浸または塗布した後、乾燥させる方法を用いる。有機系耐熱繊維から成る不織布は湿式抄造、乾式抄造、いずれの方法でも製造することができる。
有機系耐熱繊維は、一種または複数種の繊維であってもよい。複数種の繊維としては、耐熱性が相対的に高い繊維(例えば、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維)と、柔軟性が相対的に高い繊維(例えば、メタアラミド繊維)を組み合わせてもよい。
カーボンナノチューブは、非常に凝集しやすい性質をもっているため、予め溶媒中にカーボンナノチューブを分散し、分散液の状態にしておくことが好ましい。分散は、超音波ホモジナイザー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル、コロイドミル、高圧噴射式分散機、ロールミル等を用いて行うことができる。必要に応じて分散剤を添加して分散を行うこともできる。また、分散液中にバインダー樹脂等を添加し、有機系耐熱繊維から成る不織布への密着性等を高めることもできる。
本実施形態において、有機系耐熱繊維から成る不織布にカーボンナノチューブ分散液を含浸する方法に特に制限はないが、カーボンナノチューブ分散液で満たされた含浸パンに有機系耐熱繊維から成る不織布を浸漬した後、ニップローラー間に通して、余分なカーボンナノチューブ分散液を落としてから乾燥する方法が好ましい。また、面状発熱体の柔軟性や風合いを損なわない範囲において、このような工程を複数回繰り返すことによって、より多くのカーボンナノチューブ分散液が有機系耐熱繊維から成る不織布に担持されるようになり、得られる面状発熱体の導電性をさらに高めることができる。ただし、カーボンナノチューブ分散液におけるカーボンナノチューブの濃度を高める等すれば、含浸工程は1回ですむ場合もある。
本実施形態において、有機系耐熱繊維から成る不織布にカーボンナノチューブ分散液を塗布する方法に特に制限はないが、カーボンナノチューブ分散液をワイヤーバーコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター、コンマコーター等を用いて有機系耐熱繊維から成る不織布に塗布した後、乾燥する方法が好ましい。また、面状発熱体の柔軟性や風合いを損なわない範囲において、このような工程を複数回繰り返すことによって、より多くのカーボンナノチューブ分散液が有機系耐熱繊維から成る不織布に担持されるようになり、得られる面状発熱体の導電性をさらに高めることができる。ただしここでも、カーボンナノチューブ分散液におけるカーボンナノチューブの濃度を高める等すれば、塗布工程も1回ですむ場合もある。
本実施形態の面状発熱体の第二の製造方法は、有機系耐熱繊維を用いて不織布を湿式抄造する際に、カーボンナノチューブ分散液を添加することによって、カーボンナノチューブを不織布中に抄き込んだ後、乾燥させる方法を用いる。
湿式抄造は一種または複数種の繊維を水に分散してスラリーとし、スラリーをワイヤー上に展開し、スラリーを展開した面と反対側の面からスラリー中の水の一部を除去し、残る水を加熱乾燥により除去する不織布の製造方法である。複数種の繊維としては、耐熱性が相対的に高い繊維(例えば、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維)と、柔軟性が相対的に高い繊維(例えば、メタアラミド繊維)を組み合わせてもよい。
本実施形態において、有機系耐熱繊維を用いて不織布を湿式抄造する方法に特に制限はないが、湿式抄造法に用いられる装置(以下、「抄紙機」と記す場合がある)としては、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜型抄紙機、傾斜短網抄紙機、これらの複合機を用いて湿式抄造することが好ましい。抄造時に分散剤、紙力増強剤、ろ水性向上剤、消泡剤等の各種薬品を添加しても良い。得られた不織布には、熱処理、カレンダー処理、熱カレンダー処理、水流交絡処理等の後処理を施しても良い。
本実施形態の面状発熱体の第二の製造方法において、カーボンナノチューブ分散液を添加する箇所に特に制限はないが、有機系耐熱繊維を離解するパルパー、原料スラリー移送ポンプ、ヘッドボックス等、有機系耐熱繊維とカーボンナノチューブが均一に混合される箇所で、且つ抄紙機のワイヤー上で湿紙が形成される前工程であればいずれでも良い。
なお、以上の説明では、基材として不織布を例にあげて説明したが、基材は織布であってもよい。織布は、糸状の有機系耐熱繊維を織った布であれば特に制限はなく、経糸と緯糸にそれぞれ異なる有機系耐熱繊維を用いても良い。
本実施形態の面状発熱体では、有機系耐熱繊維が絡み合っている中にカーボンナノチューブの集合体が存在している。すなわち、絡み合った有機系耐熱繊維と有機系耐熱繊維の間に、カーボンナノチューブの結着層が存在し、それらの有機系耐熱繊維の周囲はカーボンナノチューブによって一部又は全部が覆われている。有機系耐熱繊維は、耐熱性があるばかりでなく、柔軟性に富んでおり、この有機系耐熱繊維によって基材が構成されているため、面状発熱体は良好な柔軟性を得ている。一方、カーボンナノチューブによって、その柔軟性を損なわずに良好な導電性が確保されているとともに、有機系耐熱繊維が結着され機械的強度も確保されている。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。さらに、実施例及び比較例におけるカーボンナノチューブの分散処理の目安は、カーボンナノチューブの粒径がレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(MT−3300EX;日機装製)を使用して測定したメジアン径で0.10〜80μmとした。
(カーボンナノチューブ分散液1の調製)
カーボンナノチューブ(商品名NC7000、Nanocyl社製、平均直径9.5nm、長さ1.5μm)を100部、分散剤を固形分で33部用意した。次に、溶媒として867部の蒸留水に分散剤を添加して、攪拌機で1〜2分攪拌した。さらに、この水溶液にカーボンナノチューブを添加し、超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所製 US−600fcat)で分散処理を行い、カーボンナノチューブ分散液1を得た。
(カーボンナノチューブ分散液2の調製)
カーボンナノチューブ(商品名CNTs20型、SUSN社製、平均直径20nm、長さ5〜12μm)を60部、分散剤を固形分で20部用意した。次に、溶媒として920部の蒸留水に分散剤を添加して、攪拌機で1〜2分攪拌した。さらに、この水溶液にカーボンナノチューブを添加し、超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所製 US−600fcat)で分散処理を行い、カーボンナノチューブ分散液2を得た。
(カーボンナノチューブ分散液3の調製)
平均直径21nm、長さ5〜12μmのカーボンナノチューブを60部、分散剤を固形分で20部用意した。次に、溶媒として920部の蒸留水に分散剤を添加して、攪拌機で1〜2分攪拌した。さらに、この水溶液にカーボンナノチューブを添加し、超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所製 US−600fcat)で分散処理を行い、カーボンナノチューブ分散液3を得た。
(実施例1)
有機系耐熱繊維としてp−アラミド繊維(商品名トワロン、帝人株式会社製)を用いて得られた不織布を用意した。これをカーボンナノチューブ分散液1を蒸留水で1.67倍に希釈した液に浸漬し、120℃で1分間乾燥させ、面状発熱体を得た。浸漬する前の不織布の質量と、完成した面状発熱体の質量から、添加した分散剤等の質量も考慮して、面状発熱体の全質量中におけるカーボンナノチューブの占める割合(CNT含有量)を求めた(実施例8及び9を除いて以下、同じ。)。
(実施例2)
有機系耐熱繊維としてポリフェニレンサルファイド繊維(商品名グラディオ、KBセーレン株式会社製)を用いて得られた不織布を用いた他は実施例1と同様にして面状発熱体を得た。
(実施例3)
有機系耐熱繊維としてポリイミド繊維(商品名P84、東洋紡株式会社製)を用いて得られた不織布を用いた他は実施例1と同様にして面状発熱体を得た。
(実施例4)
有機系耐熱繊維としてポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維(商品名ザイロン、東洋紡株式会社製)を用いて得られた不織布を用いた他は実施例1と同様にして面状発熱体を得た。
(実施例5)
カーボンナノチューブ分散液2を原液で用いた他は実施例1と同様にして面状発熱体を得た。
(実施例6)
カーボンナノチューブ分散液1を蒸留水で5倍に希釈して用いた他は実施例1と同様にして面状発熱体を得た。
(実施例7)
カーボンナノチューブ分散液1を蒸留水で1.1倍に希釈して用いた他は実施例1と同様にして面状発熱体を得た。
(実施例8)
有機系耐熱繊維としてp−アラミド繊維(商品名トワロン、帝人株式会社製)を用いて得られた不織布を用意した。これにカーボンナノチューブ分散液1を蒸留水で1.67倍に希釈した液をバー塗工し、120℃で1分間乾燥させ、面状発熱体を得た。塗布する前の不織布の質量と、完成した面状発熱体の質量から、添加した分散剤等の質量も考慮して、CNT含有量を求めた。
(実施例9)
有機系耐熱繊維としてp−アラミド繊維(商品名トワロン、帝人株式会社製)を用いて手抄き紙を作製する際、有機系耐熱繊維スラリーにカーボンナノチューブ分散液1を原液のまま添加してからJIS P 8222に従って手抄き紙を作製し、120℃で1分間乾燥させ、面状発熱体を得た。抄造におけるカーボンナノチューブの歩留まりからCNT含有量を求めた。
(実施例10)
カーボンナノチューブ分散液3を原液で用いた他は実施例1と同様にして面状発熱体を得た。
(実施例11)
カーボンナノチューブ分散液1を蒸留水で6倍に希釈して用いた他は実施例1と同様にして面状発熱体を得た。
(実施例12)
カーボンナノチューブ分散液1を原液で用いた他は実施例1と同様にして面状発熱体を得た。
(比較例1)
耐熱繊維としてセラミック繊維を用いた他は実施例1と同様にして面状発熱体を得た。
(評価方法)
(1)耐熱性
面状発熱体を6cm×2cmの大きさに裁断し、長手方向の両端全幅をワニ口クリップで挟んで通電し、340℃に昇温させた。通電5分間の後、非通電5分間のサイクルを100回繰り返し、昇温の程度と面状発熱体の外観を観察し耐熱性を評価した。面状発熱体は、常温から340℃におよそ1分程度で達し、通電中は340℃に保持した。一方、通電を止めると瞬時に常温まで低下した。
◎100回のサイクル後も昇温温度と外観に変化なし
〇昇温温度に変化はないが外観に変形あり
△昇温温度が10度以上低下し外観に変形あり
×焼損が発生し断線
(2)面状発熱体の表面抵抗率
株式会社三菱化学アナリテック製ロレスタAX MCP−T370 簡易型低抵抗率計を用いてJIS K 7194−1994に準拠してシート状導電体の表面抵抗率を測定した。測定は1試験片あたり9箇所測定しその算術平均値を取って当該試験片の表面抵抗率とした。表面抵抗率が低いほど導電性が高い。
(3)柔軟性
面状発熱体を曲率半径1cmに屈曲させた後、表面抵抗率を測定し、「100×屈曲後の値/屈曲前の値−100」を抵抗上昇率とした。この値が小さいほど柔軟性(耐屈曲性)に優れた面状発熱体と言うことができる。
◎抵抗上昇率が5%以下
○抵抗上昇率が5%より大きく10%以下
△抵抗上昇率が10%より大きく20%以下
×抵抗上昇率が20%より大きい
評価結果を表1に示す。
Figure 2020004615
なお、表1中の「PSS」はポリフェニレンサルファイドを表し、「PBO」はポリパラフェニレンベンズオキサゾールを表し、「CNT」はカーボンナノチューブを表す。
比較例1では、屈曲後の抵抗が測定不能であった。これは、無機系の耐熱繊維であるセラミック繊維を用いたことから柔軟性が著しく劣り、断線してしまったと考えられる。
一方、各実施例は、耐熱性、導電性、柔軟性の全てが比較例よりも優れていることがわかる。
本発明の面状発熱体は、耐熱性、導電性、柔軟性に優れているので、曲面を均一且つ高温に温める産業用ヒーターに用いることができる。

Claims (8)

  1. 少なくとも有機系耐熱繊維とカーボンナノチューブを含み、該有機系耐熱繊維の周囲を該カーボンナノチューブが覆うことによって該有機系耐熱繊維同士が結着されるとともに導電経路が形成されていることを特徴とする面状発熱体。
  2. 隣り合う前記有機系耐熱繊維が、平均すると、該有機系耐熱繊維の直径以下の距離に配置されていることを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  3. 前記有機系耐熱繊維が、全芳香族ポリアミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維の群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  4. 前記カーボンナノチューブの平均直径が20nm以下であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の面状発熱体。
  5. 面状発熱体の全質量中における前記カーボンナノチューブの占める割合が3質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項記載の面状発熱体。
  6. 前記有機系耐熱繊維を含む不織布又は織布に前記カーボンナノチューブが担持されていることを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  7. 有機系耐熱繊維を用いて抄造された不織布にカーボンナノチューブの分散液を含浸または塗布した後、該不織布を乾燥させることを特徴とする面状発熱体の製造方法。
  8. カーボンナノチューブの分散液が添加された有機系耐熱繊維スラリーから、該カーボンナノチューブが抄き込まれた不織布を湿式抄造した後、該不織布を乾燥させることを特徴とする面状発熱体の製造方法。
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