JP2020004557A - 電子顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度とビーム電流をユーザーの望む最適な優先割合で使用できる電子顕微鏡を提供する。【解決手段】ビーム電流と輝度の両方を制御する電子顕微鏡制御システム210により、引き出し電圧などの電子顕微鏡の輝度に関係する調整可能な電子光学系のパラメータを変化させ、ファラデーカップ129と電流計127でビーム電流を検出し、コンピューター200が検出したビーム電流に基づき輝度を算出し、検出したビーム電流と算出した輝度に基づき輝度ビーム電流最適照射光学条件を決定し、決定した輝度ビーム電流最適照射光学条件を電子顕微鏡の照射光学条件として設定する。【選択図】図1

Description

本発明は電子顕微鏡に係り、特にその輝度ビーム電流、あるいは分解能ビーム電流の最適化技術に関する。
大きいビーム電流か高い輝度のビームかの切り替えが、動作状態で行なえる粒子光学装置が特許文献1に記載されている。この特許文献1には、「放射源組立体は、第1の粒子レンズと陽極との間に配置された少なくとも1つの更なる粒子レンズが設けられ、ビーム制限ダイアフラムは更なる粒子レンズの領域又は下流側に配置され、上記装置は第1のレンズと更なる粒子レンズに、互いに独立してエネルギーを与えるエネルギー付与手段が設けられること」が開示されている。
特表2003−502823号公報
電界放出電子源は高輝度ビームが得られることが特徴で、高分解能の透過型電子顕微鏡や走査電子顕微鏡に利用されてきた。近年ホログラフィー電子顕微鏡や各種検査装置への適用が広がるにつれて高輝度かつ大プローブ電流が要求されるようになってきた。しかし電界放出電子源で大電流を発生させると電子源表面近傍で電子の速度が小さい状態で高密度に電子が存在することにより、互いのクーロン反発力で電子軌道がずれ、エネルギー幅も広がる。前者により仮想光源径が増大し輝度が低下する。後者は放出電子のエネルギー幅の異常増大を引き起こし、ベルシェ(Boersch)効果として知られている。そのため、電界放出電子源における輝度と電流は二者択一的で両立が不可能と考えられてきた。
特許文献1には、大きいビーム電流か高い輝度のビームかの切り替えが、動作状態で行なえる粒子光学装置が記載されている。特に電子源から電子を発生させ、所定のエネルギーまで加速する部分について詳細に記載されている。しかし電子顕微鏡の像の良否は、試料面を大きいビーム電流あるいは高い輝度のビームで照射できることに依存している。そのためには、電子源から電子を発生させ、所定のエネルギーまで加速する部分である電子銃と、特許文献1では言及されていない、加速された電子ビームを望む形に成形して試料面上に照射するコンデンサーレンズ群の影響を同時に考慮する必要がある。たとえば電子銃を出た直後のビームが高い輝度を持っていても、試料面上に照射するときにコンデンサーレンズ群で強縮小しなければならない場合、コンデンサーレンズの収差で実効的な輝度が損なわれてしまうことがある。一方、特許文献1では大きいビーム電流か高い輝度のビームか、どちらかを選択する手段を開示しているが、実用上からは大きいビーム電流かつ高い輝度のビームが必要な場合も多い。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、試料観察目的に応じて最適なビーム電流と輝度の組み合わせが決定できる電子顕微鏡を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記の課題を解決し、試料観察目的に応じて最適なビーム電流と分解能の組み合わせが決定できる電子顕微鏡を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明においては、電子顕微鏡であって、電子光学系と、電子光学系のビーム電流と輝度を制御する制御部と、ビーム電流を検出する検出部と、を備え、制御部は、電子顕微鏡の輝度に関係する電子光学系のパラメータを変化させ、検出部で検出したビーム電流に基づき輝度を算出し、検出したビーム電流と算出した輝度に基づき輝度ビーム電流最適照射光学条件を決定し、電子顕微鏡の照射光学条件に設定する構成の電子顕微鏡を提供する。
また、上記の他の目的を達成するため、電子顕微鏡であって、電子光学系と、電子光学系のビーム電流と分解能を制御する制御部と、ビーム電流を検出するビーム電流検出部と、2次電子を検出する2次電子検出部と、を備え、制御部は、電子光学系のパラメータを変化させ、2次電子検出部で検出した2次電子に基づき分解能を算出し、検出したビーム電流と算出した分解能に基づき分解能ビーム電流最適使用条件を決定し、電子顕微鏡の照射光学条件に設定する構成の電子顕微鏡を提供する。
ビーム電流増大に伴い発生する輝度低下等を検出して、観察目的に応じた最適のビーム電流と輝度あるいは分解能の組み合わせを選択できる。
実施例1に係る、透過型電子顕微鏡の概略構成図。 実施例1に係る、電子銃、加速管の部分の断面図。 実施例1に係る、無磁場試料面位置でのビームの集束を示す模式図。 実施例1に係る、自動化プロセスを示すフローチャート図。 実施例1に係る、ビーム電流を増加させたときの輝度の変化をあらわすグラフ図。 実施例2に係る、透過型電子顕微鏡の概略構成図。 実施例2に係る、無磁場試料面位置近傍でのビームの集束と広がりを示す模式図。 実施例2に係る、丸穴絞りによるFresnel縞の模式図。 実施例2に係る、丸穴絞りによるFresnel縞のラインプロファイルと可干渉距離の模式図。 実施例3に係る、走査電子顕微鏡の概略構成図。 実施例3に係る、自動化プロセスを示すフローチャート図。 実施例4に係る、ビーム電流に応じた換算輝度の変化のシミュレーション図。 実施例5に係る、輝度/ビーム電流最適化設定作業を行うためのモニター画面の一例を示す図。 実施例5に係る、輝度測定初期条件の設定画面の一例を示す図。
以下、本発明を実施するための各種の形態を、図面に従い説明する。なお、本明細書において「輝度」という表現は、単位面積、単位立体角あたりに放射される電流のことであるが、特別に断らない限り、面積と立体角が無限小の極限で定義される軸上輝度とは異なり、有限の面積、立体角あたりに放射される電流として測定可能な、平均輝度の意味で使用する。
実施例1は透過型電子顕微鏡に関する実施例である。すなわち、電子顕微鏡であって、電子光学系と、電子光学系のビーム電流と輝度を制御する制御部と、ビーム電流を検出する検出部と、を備え、制御部は、電子顕微鏡の輝度に関係する電子光学系のパラメータを変化させ、検出部で検出したビーム電流に基づき輝度を算出し、検出したビーム電流と算出した輝度に基づき輝度ビーム電流最適照射光学条件を決定し、電子顕微鏡の照射光学条件に設定する構成の電子顕微鏡の実施例である。
以下、実施例1に係る透過型電子顕微鏡を、図1−図4を用いて説明する。図1は実施例1に係る透過型電子顕微鏡の概略構成図、図2は図1の透過型電子顕微鏡に搭載される電界放出電子銃7および加速管10の部分の断面図である。電界放出電子銃7ではタングステン(310)方位の単結晶チップを電解研磨した後、電子銃内の真空中にて通電加熱(フラッシング)し、チップ先端の曲率半径を100 nmから250 nm程度に丸めたものを電界放出電子源1として使用している。
図2に示すように、電界放出電子源1は電子銃磁界レンズ2の上磁極近傍のレンズ軸上に位置する。電界放出電子源1近傍の空間はイオンポンプ3と非蒸発ゲッターポンプ4とで10-9Pa台の真空度に排気されている。電界放出電子源1と電子銃磁界レンズ2との間に3〜5kVの引き出し電圧V1が印加されると、電界放出電子源1の先端から強い電界により電子が引き出される。放出直後の電子は電子銃磁界レンズ2により集束され、穴径0.1から0.2mmの電子銃絞り5で制限されて、下流の電子銃非点補正・偏向器6へと進む。電子銃非点補正・偏向器6により電子銃磁界レンズ2で生ずる非点収差の補正および電子銃磁界レンズ2と静電レンズ8の光軸あわせができる。電界放出電子銃7を出た電子は加速管10内の初段の静電レンズ8で強い集束作用を受ける。その後、複数の電極8に印加された電圧により、最終的に所定のエネルギーまで加速されて加速管10を出る。
図1に示す本実施例の透過型電子顕微鏡では、電子銃7で発生した電子ビームは、加速管10で所定のエネルギーまで加速された後、偏向器102で方向を変えられて、コンデンサー絞り104で広がりを制限された後、第1コンデンサーレンズ105および第2コンデンサーレンズ106で拡大または縮小されて適当な明るさに広げられ、試料ホールダ107の先端部にセットされた試料108を照射する。試料108は対物レンズ109で発生するレンズ磁界内に置かれ、試料108の透過像は対物レンズ109に続く複数のレンズ110で拡大され、最終的に撮像部である電子顕微鏡用カメラ111の撮像面上に結像する。電子顕微鏡用カメラ111で撮像された試料の拡大透過像は表示部であるモニター201上で観察し、画像ファイルとしてコンピューター200内のメモリに保存しておくことができる。本実施例の透過型電子顕微鏡では対物レンズ109の上の位置に、無磁場試料ホールダ120が設置され、無磁場試料位置121での試料観察が可能である。また、電流計127と共にビーム電流を検出する検出部を構成するファラデーカップ129が拡大レンズの下側に設置されており、可動ホールダ140で光軸上に出入可能である。検出部で検出されたビーム電流はコンピューター200に送られ、メモリに保存される。
図1に示す制御部を構成する電子顕微鏡制御システム210から鏡体に向かう太い矢印は電子顕微鏡制御システム210から鏡体中のレンズ、偏向器や排気ポンプ、可動絞り、試料微動機構、電流計、真空計など操作される電子顕微鏡の各部分へ信号および電力のやりとりをおこなうための接続ケーブルを単純化して表記したものである。同様に電子銃部分やフラッシング電源221と高電圧電源220の間の矢印は高電圧電源220から供給される高電圧、電子銃磁界レンズや電子銃偏向器駆動用の電力、イオンポンプ駆動用電力などの接続ケーブルをまとめて示したものである。制御部を構成するコンピューター200には電子顕微鏡の操作環境が組み込まれており、操作者は電子顕微鏡の運用状態をモニター201に示される画面で見ながら、キーボード215を使って必要な設定を入力することにより、電子顕微鏡を操作することができる。なお、このモニター201に表示される画面等については後で実施例5として図示、説明する。本明細書において、コンピューター200と電子顕微鏡制御システム210を総称して制御部と呼ぶ場合がある。
次に本実施例の透過型電子顕微鏡における、輝度の簡便な評価について説明する。まず、コンデンサーレンズ105のみを用いて無磁場試料位置121に集束プローブを形成し、そこでの輝度を測定する。この輝度に関係する調整可能な電子光学系のパラメータとして、引き出し電圧V1、電子銃磁界レンズ2の電流Im、静電レンズ8の強さ、コンデンサー絞り104の穴径、コンデンサーレンズ105の励磁がある。電子銃磁界レンズ2を使用しないタイプの透過型電子顕微鏡の場合は、電流Imは零とする。
図3に無磁場試料面121上へコンデンサーレンズ105で集束プローブを形成する様子を模式的に示す。ここでコンデンサー絞り104の穴径は2Bで、無磁場試料位置121との距離はAとすると、Aにくらべコンデンサー絞り104と第一コンデンサーレンズ105のギャップ中心間の距離は小さいので、無磁場試料位置121を見込む立体角ΔΩは、式1とみなせる。

ΔΩ=πα2=π(B/A)2 ・・・(式1)

無磁場試料面121上での半径rの集束プローブは、検出部を構成するファラデーカップ129の位置で拡大倍率MでM倍に拡大されている。同じく検出部を構成する電流計127で測定される電流はファラデーカップ129の穴に入った分である。これはファラデーカップ129の穴径を2Cとすると、無磁場試料位置では半径(C/M)の円形領域に含まれるプローブ電流iであるから輝度Bは式2で求められる。

B = i/ΔS/ΔΩ= i/π(C/M)2/π(B/A)2 ・・・(式2)

ただし実際は無磁場試料面121上での集束プローブの強度分布は一様でないので、ファーカップ129の穴径や拡大倍率によって輝度Bの値が変化する。よってこれは輝度Bの概算値とみなすべきである。しかし本実施例の構成では輝度Bの絶対値は不要であり、この概算値を使って問題はない。
以下図4のフローチャート図を使って、本実施例における輝度ビーム電流最適照射条件決定のための自動化プロセスを説明する。なお、以下の説明においては、輝度に関係する調整可能な電子光学系のパラメータとして、引き出し電圧V1を使って説明するが、上述した他の調整可能な電子光学系のパラメータも同様の自動化プロセスを行うことができる。
401)モニター201画面上で輝度ビーム電流最適化設定を選択しプロセスをスタートさせる。
402)ユーザーである操作者は輝度とビーム電流どちらを重視して観察するかをあらかじめ設定する。そのため、キーボード215などから輝度優先割合を示す輝度優先度X(Xは0以上1以下)を入力する。この場合、ビーム電流優先割合を示すビーム電流優先度は自動的に(1−X)となる。又、操作者は調査したい範囲のビーム電流最大値Imaxを入力し、引き出し電圧V1の増分Vstepを入力する。
403)コンピューター200のメモリには輝度測定用の電子光学系パラメータの初期設定ファイルがあり、401)でプロセスがスタートするとそのファイルがロードされ、電子顕微鏡制御システム210に送られて電子銃磁界レンズ2の励磁、コンデンサー絞り104の穴径選択、第1コンデンサーレンズ105の励磁、対物レンズ109のデフォーカス量、拡大倍率などを自動で初期設定値の状態にする。第1コンデンサーレンズ105の励磁は無磁場試料位置121に集束プローブを形成するように初期設定される。拡大倍率Mはファラデーカップ129の穴径より、拡大された集束プローブが十分大きくなる倍率、好ましくは拡大された集束プローブ径がファラデーカップ129の穴径の5倍以上に初期設定される。
404)電流計127が検出する初期プローブ電流値i0の数値を使って、式2より初期輝度B0を算出する。次に拡大倍率を十分小さく、好ましくは拡大倍率Mの1/10以下にして集束プローブをすべてファラデーカップ129の穴に入れて初期ビーム電流I0を測定、記録する。次に引き出し電圧V1(負電圧)の絶対値をたとえば100V減ずる。この100Vは初期設定で操作者は別の値にも変更できる。
405) 引き出し電圧V1を変えたとき、集束プローブの位置が変わらないように、電子銃磁界レンズ2の励磁ILN/√V1と静電レンズの強さV2/V1が不変になるようにレンズ電流ILと第二陽極電位V2が引き出し電圧V1に連動して変化する。ただしNは電子銃磁界レンズ2の巻き数である。これで第一コンデンサーレンズ105により形成される集束プローブの位置は無磁場試料位置で不変のままになる。これら照射条件設定値をコンピューター200上に保存する。ファラデーカップ129でビーム電流Inを測定する。再び拡大倍率をMに戻してプローブ電流inを測定し輝度Bnを算出する。(In,Bn)のデータをメモリに保存する。
406)ビーム電流Inと402)で設定したImaxと比較し、Imaxを超えないとき、
407)引き出し電圧V1の絶対値をVstepだけ増加させる。そして405)のプロセスを繰り返す。
408) ビーム電流が402)で設定したImaxを超えたとき、そのときまで保存していた(In,Bn)のデータを使って図5に示すようなビーム電流−輝度グラフをモニター201に表示する。
そして、操作者が求める輝度とビーム電流の最適動作条件は、例えば評価式である式3の最大値を与える(Bm,Im)をコンピューター200が算出する。

(X×(Bn/B0)2+(1−X)×(In/I0)2) ・・・(式3)

算出された値が操作者の求める電子顕微鏡の最適使用条件となる。そして、電子顕微鏡の照射条件を、(Bm,Im)で保存された照射条件に設定する。
409) 輝度ビーム電流最適化プロセスを終了する。
なお輝度とビーム電流の最適評価の重み付けは、評価式(式3)を重み係数により変更することにより、操作者自身が設定することができる。
以上詳述したように、観察目的に応じ最適のビーム電流と輝度の組み合わせで使用する透過型電子顕微鏡の実施例を示した。本実施例の構成によれば、ビーム電流増大にともない発生する、電子放出面でのクーロン相互作用を原因とする輝度低下を検出することにより、観察目的に応じた最適のビーム電流と輝度の組み合わせで使用できる透過型電子顕微鏡を提供することができる。
実施例2として、他の構成の透過型電子顕微鏡の実施例を説明する。実施例1との相違点は、本実施例の透過型型電子顕微鏡においては、輝度はフレネル(Fresnel)縞のコントラストから算出する点にある。
図6は実施例2の透過型電子顕微鏡の構成図である。図1と異なり無磁場試料ホールダ125は長軸方向に2つの固定位置を持ち、ひとつはファラデーカップ126、もうひとつは試料を電子顕微鏡の光軸上に置く事ができる。本実施例では、これをもちいて無磁場試料位置121を照射するビームの輝度を測定する。
図7に本実施例における無磁場試料面121へのビーム照射の模式図を示す。無磁場試料面121の上方Lに形成した半径r、電流Iの電子ビームのクロスオーバーで照射した場合、光軸上Pでの輝度Bは式4で表される。

B = I/ΔΩ/ΔS= I/πR2/πβ2 ・・・(式4)

これは幾何学的関係R=Lαとr=Lβからクロスオーバー位置での輝度と等しい。
I/πr2 /πα2・・・(式5)

実施例1と同様に、引き出し電圧V1、電子銃磁界レンズ2の励磁ILN/√V1、静電レンズ8の強さV2/V1をV1に連動させて、クロスオーバー位置Lを不変にすることができる。コンデンサー絞り104の穴径を固定して集束角αを決めれば、電流Iと試料照射角βを測ると式4により輝度がわかる。無磁場試料ホールダ125の先端部には小型のファラデーカップ126が組みこまれており、電流計127をつなげてこのファラデーカップに流れ込む電流Iを測定することができる。
一方試料照射角βで照射される面上でビームの可干渉距離Wはλ/2β(λは電子線の波長)の程度となり試料照射角βに反比例する。つまりビーム電流Iと可干渉距離Wの大きさを測定できれば間接的に輝度の大小がわかる。可干渉距離WはFresnel縞が見える距離を測定すればよい。無磁場試料ホールダ125の無磁場試料位置121にはエッジのきれいな、モリブデン製薄板の丸穴絞りがセットしてある。対物レンズ109のデフォーカス量をあらかじめ期待されるβの値から予想される値に調整すると、図8にその一例を示すような絞りの縁から生ずるFresnel縞が観察できる。Fresnel縞の認められる可干渉距離Wは丸穴絞りの直径がわかっているので決定できる。本実施例ではこれらの作業を自動化したシステムを構築する。
以下その自動化プロセスで図4と異なる輝度測定部分を説明する。以下、図4と異なる輝度測定部分である403改)−405改)を順次説明する。
403改)コンピューター200内には輝度測定用の電子光学系パラメータの初期設定ファイルがあり、401)でプロセスがスターとするとそのファイルがロードされ、電子顕微鏡制御システム210に送られて電子銃磁界レンズ2の励磁、コンデンサー絞り104の穴径選択、第1コンデンサーレンズ105の励磁、対物レンズ109のデフォーカス量、拡大倍率などを自動で初期設定値の状態にする。第1コンデンサーレンズ105の励磁は無磁場試料位置121上方Lの位置に集束プローブを形成するように初期設定される。試料ホールダ125にはあらかじめ標準試料として穴径のわかったエッジのきれいな、モリブデン薄板の丸穴絞りがセットしてある。
404改)モリブデン薄板の丸穴絞りのFresnel縞を電子顕微鏡用カメラ111で自動撮像し、コンピューター200に保存する。コンピューター200では、図9に示すようなFresnel縞画像のラインプロファイルを検出し、Fresnel縞によるコントラストの変動が消失する位置を検出して可干渉距離Wおよび照射角βを算出する。次にファラデーカップ126を光軸上に移動し電流計127が検出する初期ビーム電流値I0の数値を使って(数4)式から初期輝度B0を算出する。次に引き出し電圧V1(負電圧)の絶対値をたとえば100V減ずる。この100Vは初期設定で操作者は別の値にも変更できる。
405改)引き出し電圧V1を変えたとき、集束プローブの位置が変わらないように、電子銃磁界レンズ2の励磁ILN/√V1と静電レンズの強さV2/V1が不変になるようにレンズ電流ILと第二陽極電位V2がV1に連動して変化する。ただしNは電子銃磁界レンズ2の巻き数である。これで第一コンデンサーレンズ105により形成される集束プローブの位置は無磁場試料位置121の上方Lで不変のままになる。これら照射条件設定値をコンピューター200上に保存する。ファラデーカップ126でビーム電流Inを測定する。再び光軸上にモリブデン薄板の丸穴絞りを入れ、Fresnel縞の画像から可干渉距離Wと照射角βを求め、輝度Bnを算出する。(In,Bn)のデータを保存する。
以上詳述したように、実施例2として、Fresnel縞を使って観察目的に応じ最適のビーム電流と輝度の組み合わせで使用する透過型電子顕微鏡の実施例を示した。本実施例においても、実施例1同様、電子放出面でのクーロン相互作用を原因とする輝度低下を検出することにより、観察目的に応じた最適のビーム電流と輝度の組み合わせで使用できる透過型電子顕微鏡を提供することができる。
実施例3は、観察目的に応じた最適のビーム電流と分解能の組み合わせで使用できる走査電子顕微鏡の実施例である。すなわち、電子顕微鏡であって、電子光学系と、電子光学系のビーム電流と分解能を制御する制御部と、ビーム電流を検出するビーム電流検出部と、2次電子を検出する2次電子検出部と、を備え、制御部は、電子光学系のパラメータを変化させ、2次電子検出部で検出した2次電子に基づき分解能を算出し、検出したビーム電流と算出した分解能に基づき分解能ビーム電流最適使用条件を決定し、電子顕微鏡の照射光学条件に設定する構成の電子顕微鏡の実施例である。
以下、図10を用いて電界放出走査電子顕微鏡に適用した場合を説明する。図10において、図1−図7と同一符号は同一の機能を持った部分を示すので、再度の説明は省略する。高分解能観察用に使われる電界放出走査電子顕微鏡では必要なビーム電流は数pAから数十pAであり、分解能を決めるプローブ径に仮想光源の大きさが影響することはない。しかしX線分析や半導体検査などの用途では1nA以上の大ビーム電流が必要とされる。この場合は高分解能用のように対物レンズを強縮小では使えず、仮想光源の大きさが分解能に影響するようになる。大ビーム電流による観察でも焦点深度や分解能は変化してほしくない。しかしビーム電流を増やすために引き出し電圧を上げると、ある時点で電子源近傍のクーロン相互作用の増大により仮想光源の大きさが大きくなり、ビーム電流は増えても分解能は大きく落ちてしまう。
そこで観察対象によりビーム電流と分解能(プローブ径)を最適化することが走査電子顕微鏡の能力を最大限発揮するために必要になる。この最適化は、角度αを一定にして像の焦点深度を変えない条件では、式1からわかるように実施例1での輝度とビーム電流の最適化と同様になる。走査電子顕微鏡ではプローブ径が分解能に比例するので、走査電子顕微鏡の分解能を測定し、ビーム電流をファラデーカップで測定して、ビーム電流と分解能(プローブ径)の最適化が可能である。実施例1にならってビーム電流と分解能(プローブ径)の最適化を自動化した実施例を説明する。
図11に本実施例の分解能プローブ電流最適化の自動化フローチャートを示す。
501) モニター201画面上で分解能ビーム電流最適化を選択しプロセスをスタートさせる。
502)操作者は分解能とビーム電流どちらを重視して観察するかをあらかじめ決めておき、分解能優先割合を示す分解能優先度X(Xは0以上1以下)を入力する。ビーム電流優先度は自動的に(1−X)となる。調査したい範囲のビーム電流最大値Imaxを入力する。引き出し電圧V1の増分Vstepを入力する。
503)コンピューター200内には分解能測定用の電子光学系パラメータのデフォルト設定ファイルがあり、電子顕微鏡操作者が分解能ビーム電流最適化モードを選択すると、そのファイルがロードされ、電子顕微鏡制御システム210に送られて電子銃磁界レンズ2の励磁、コンデンサー絞り104の穴径選択、第1コンデンサーレンズ105の励磁、試料ステージ305上にある分解能測定用標準試料304の選択、対物レンズ109のフォーカス量、鏡体倍率などを自動で初期設定する。
504)たとえばカーボン上の金微粒子などの標準試料304上をビームが走査したときに発生する2次電子を、2次電子検出部である2次電子増倍管300をもちいて収集し2次電子像としてコンピューター200に保存する。コンピューター200内にある分解能計測ソフトがその2次電子像から像の分解能を決定し初期条件での分解能R0を決定する。次にファラデーカップ306が組み込まれている位置まで試料ステージ305を移動して、ファラデーカップ306と共にビーム電流検出部を構成する電流計127が検出する初期ビーム電流値I0の数値を記録する。次にステージ位置を標準試料にもどし、引き出し電圧V1(負電圧)の絶対値をたとえば100V減ずる。この100Vは初期設定で操作者は別の値にも変更できる。
505)引き出し電圧V1を変えたとき、集束プローブの位置が変わらないように、電子銃磁界レンズ2の励磁ILN/√V1と静電レンズの強さV0/V1が不変になるようにレンズ電流ILと第二陽極電位V0がV1に連動して変化する。ただしNは電子銃磁界レンズ2の巻き数である。これで第一コンデンサーレンズ105の物点位置が不変になり、2次電子像のフォーカスはほぼ変わらない。さらに第一コンデンサーレンズ105を微調整することにより2次電子像のフォーカスを一定に保つ。これら照射条件設定値をコンピューター200上に保存する。2次電子像を取得、保存し分解能Rnを算出する。次にファラデーカップ306でビーム電流Inを測定し、(In, Rn)のデータをメモリに保存する。
506)ビーム電流が502)で設定したImaxを超えないとき、
507)引き出し電圧V1の絶対値をVstepだけ増加させる。そして505)のプロセスを繰り返す。
508) ビーム電流が502)で設定したImaxを超えたとき、そのときまでにメモリに保存した(In,Rn)のデータを使ってビーム電流−分解能グラフを表示する。
操作者が望む最適動作条件は評価式たとえば式6の最大値を与える(Rm,Im)をコンピューター200が選び出す。

(X×(R0/Rn)2 +(1-X)×(In/I0)2) (式6)

この条件が操作者の求める走査電子顕微鏡の分解能ビーム電流最適使用条件となる。走査電子顕微鏡の照射条件を(Rm,Im)を得た照射条件に設定する。
509) 分解能ビーム電流最適化プロセスを終了する。
以上、本実施例によれば、観察目的に応じて焦点深度を変えない条件で最適のビーム電流と分解能の組み合わせで使用できる走査電子顕微鏡を提供することができる。
実施例1から3は電子銃、加速管、コンデンサーレンズからなる電子顕微鏡の照射系の輝度や分解能にかかわる場合を説明してきたが、実施例4として電界放出電子銃単体でクーロン相互作用の影響を抑える構成を説明する。なお、電子銃単体の輝度性能の指標は輝度を引き出し電圧で割った換算輝度Brを使う。これはビーム電流を増加させるときに引き出し電圧を上げるため、単なる輝度では比較できないからである。
図12に電界放出電子源のチップ先端曲率半径rと電子源の仕事関数φを変えて、換算輝度Brをビーム電流Iの関数としてシミュレーションした一例を示す。チップ先端曲率半径rは150nmと250nm、仕事関数φは清浄なタングステン(310)面の場合の0.43 eVと表面が一層水素で覆われた5.0 eVの場合をシミュレーションして図示した。具体的にはビーム電流Iは引き出し電圧V1の関数なので、V1を増やしてビーム電流Iを増加させたときの換算輝度Brの変化をシミュレーションした。
仮想光源径は電子放出面でのクーロン相互作用が無視できるときは、チップ先端曲率半径rに比例するので、ビーム電流Iが小さいとき、換算輝度Brはrの小さい電子源のほうが高い。しかし引き出し電圧を増やして電子放出面での電界強度を上げビーム電流を増加させると電子放出面でのクーロン反発力が大きくなり軌道変位のために仮想光源径が増大し、換算輝度が頭打ちの後減少に転ずる。先端曲率半径rが小さいと、クーロン相互作用の影響を受けやすく、図12に示すようにビーム電流の大きいところでは輝度が上がらない。チップ先端曲率半径rを変化させたシミュレーションによればr=200 nm未満ではビーム電流10nAのときに換算輝度はピークを過ぎて減少してしまうので、ビーム電流10nA以上で最大換算輝度を得るにはr=200nm以上の太い先端を持つ電子源が好ましい。またrが 300 nm以上になると、ビーム電流10nA以上を得るのに引き出し電圧が5kV以上に大きくなってしまい、引き出し電圧源の部品の耐電圧に特別な配慮が必要になる。
そこで実施例1から3の電子顕微鏡には、電子源が電界放出電子源の場合、前記電界放出電子源のチップ先端曲率半径r= 200 nm 〜 300 nmで使用するのが望ましい。この範囲ならビーム電流 10 nA程度をとったとき換算輝度はピークを超えずに、引き出し電圧も5kVを超えないので特別な耐圧部品を使用する必要はない。電界放出電子源では清浄化操作(フラッシング:電子源へ短時間通電加熱し、電子源表面の吸着物質を脱離させる)のときに通電電流を増やして加熱温度を上げたり、時間を長くする強いフラッシングをおこなうことにより、その先端曲率半径rを増大させることができる。電子源交換直後の先端曲率半径rは小さいので、大ビーム電流をとったときの輝度はクーロン相互作用のために低くなりがちである。実施例1および2では輝度評価データをコンピューター200のメモリに蓄積しておき、電子源交換後に所望の輝度値に達しないときは輝度評価データを比較しながら強いフラッシングをおこなうことにより、所望のビーム電流のとき所望の輝度が得られる先端曲率半径rを選定することができる。
電子源近傍の真空度が10-10Pa台の極高真空の場合、フラッシングをして電子源表面を清浄化した状態が8時間以上継続する。このときは仕事関数の値はタングステン(310)清浄表面の4.3 eVのままである。この状態では低い引き出し電圧で放出電流密度が大きくなるのでクーロン相互作用の効果は大きく、輝度は低下しやすい(図12中、黒丸印と白丸印)。電子放出面のタングステン(310)面の表面が一層水素で覆われると仕事関数は5.0 eVに上がり、放出電流密度が上がりにくくなるためクーロン相互作用の影響は減じ、輝度は仕事関数が4.3eVのときより上昇する(図12中、黒三角印と白三角印)。輝度の観点からは電子源のタングステン(310)表面が一層の水素で覆われる状態が推奨される。このために実施例1と2で好ましくは電子顕微鏡使用開始時に毎回フラッシングをおこなうのではなく、数回はフラッシングをおこなわずに使用する。フラッシングの間隔の空け方は電子源近傍の真空度により異なるので、実施例にある輝度評価値の毎回の推移をコンピューターが記憶、比較して、最適の間隔でフラッシングを自動でおこなう。以上は特に輝度への要求が優先されるホログラフィー電子顕微鏡などの、透過型電子顕微鏡に推奨される。
次に、実施例5として、コンピューター200に接続された表示部を構成するモニター201を使ったグラフィカルユーザインタフェース(Graphical User Interface、GUI)の実施例を説明する。
図13に図4のフローチャートに従い輝度/ビーム電流最適化設定作業を行うためのコンピューターのモニター画面のGUIの一例を示す。図1のコンピューター200のモニター201上に示される電子顕微鏡の制御ウィンドウ(図示せず)上で、輝度/ビーム電流最適化設定を選択すると図13に示す輝度/ビーム電流最適化設定画面130がオープンする。
そして、図13の輝度/ビーム電流最適化設定画面130上の番号に沿って、1.輝度優先度、2.最大ビーム電流、3.V1(引き出し電圧)の変化幅を入力し、Enterボタンを押して数値を確定する。そして、4.輝度測定初期条件で設定ボタンを押すと、図14の輝度測定初期条件画面140がオープンする。ここで照射系の諸条件、引出電圧の初期値と最大値、静電レンズ強度、電子銃磁界レンズ励磁、試料ホールダの選択、ファラデーカップ位置での倍率を設定あるいは確認した後、“戻る”ボタンを押して図13の輝度/ビーム電流最適化設定画面130に戻る。
次に5番の計測“開始”ボタンを押すと図4のフローチャートに従い自動で輝度計測が始まる。引き出し電圧V1を増加していって,2.で設定した最大ビーム電流に達するかV1の最大値に達したとき計測が終了し“完了”ランプが点灯する。図13の画面右側のグラフ表示をONにしておくと、図5を使って説明した計測された輝度―電流の値が順次グラフ上に表示される。6.“最適化”ボタンを押すと、(式3)を最大化する条件が選び出され、電子顕微鏡の照射系諸条件をその設定値に直してプロセスを完了し、“完了”ボタンが点灯する。以上で図4のフローチャートが実行され、輝度/ビーム電流の最適な照射条件が得られる。
以上、実施例5として、実施例1に係る自動化プロセスを示すフローチャートを例示したGUIを説明したが、実施例2、3についても同様のGUIを構成して利用することにより、ユーザーの望む輝度とビーム電流優先割合、あるいは分解能とビーム電流優先割合で使用できる利便性の高い電子顕微鏡を提供することができる。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、実施例1−3における電子源は電界放出電子源に限定されずに、ショットキー放出電子源でも同様の効果を得ることができる。
更に、上述した各構成、機能、コンピューター等は、それらの一部又は全部を実現するプログラムを利用する場合を中心に説明したが、それらの一部又は全部を例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良いことは言うまでもない。すなわち、処理部の全部または一部の機能は、プログラムに代え、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路などにより実現してもよい。
1…電界放出電子源、2…電子銃磁界レンズ、3…イオンポンプ、4…非蒸発ゲッターポンプ、5…電子銃絞り、6…電子銃非点補正器と偏向器、7…磁界重畳型電界放出電子銃、8…バトラー型静電レンズ、9…加速電極、10…加速管、20…電子銃ハウジング、102…2段偏向器、103…イオンポンプ、104…コンデンサー可動絞り、105…第1コンデンサーレンズ、106…第2コンデンサーレンズ、107…試料ホールダ、108…試料、109…対物レンズ、110…拡大レンズ、111…電子顕微鏡用カメラ、120…無磁場試料位置試料ホールダ、121…無磁場試料位置、125…無磁場試料位置試料ホールダ、126…ファラデーカップ、127…電流計、128…可動ホールダ、129…ファラデーカップ、130 輝度/ビーム電流最適化設定画面、140 輝度測定初期条件画面、200…コンピューター、201…モニター、210…電子顕微鏡制御システム、215…キーボード、220…高圧電源、221…フラッシング電源、300…2次電子検出器、301…偏向器、302…反射板、303…走査偏向器、304…標準試料、305…試料ステージ、306…ファラデーカップ、307…電圧電源、308…電圧電源。

Claims (15)

  1. 電子顕微鏡であって、
    電子光学系と、
    前記電子光学系のビーム電流と輝度を制御する制御部と、
    前記ビーム電流を検出する検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記電子顕微鏡の輝度に関係する前記電子光学系のパラメータを変化させ、前記検出部で検出した前記ビーム電流に基づき輝度を算出し、検出した前記ビーム電流と算出した前記輝度に基づき輝度ビーム電流最適照射光学条件を決定し、前記電子顕微鏡の照射光学条件に設定する、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  2. 請求項1記載の電子顕微鏡であって、
    前記電子顕微鏡は透過型電子顕微鏡であり、
    前記電子光学系のパラメータは、前記電子光学系の引き出し電圧、電子銃磁界レンズの電流、静電レンズの強さ、コンデンサー絞りの穴径、コンデンサーレンズの励磁電流の一つを含む、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  3. 請求項2記載の電子顕微鏡であって、
    前記制御部は、前記パラメータを順次変化させ、前記検出部が前記ビーム電流とプローブ電流を測定するよう制御し、測定した前記プローブ電流から前記輝度を算出し、検出した前記ビーム電流と算出した前記輝度を保存し、
    保存した前記ビーム電流と前記輝度に基づき、前記輝度ビーム電流最適照射光学条件を決定する、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  4. 請求項3記載の電子顕微鏡であって、
    前記制御部は、検出した前記ビーム電流と算出した前記輝度に基づき前記輝度ビーム電流最適照射光学条件を決定する際に、予め設定した輝度優先度を用いる、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  5. 請求項4記載の電子顕微鏡であって、
    前記制御部は、前記輝度ビーム電流最適照射光学条件を決定する際に、
    (X×(Bn/B0)2+(1−X)×(In/I0)2
    を最大にする(Im、Bm)を選定する、
    ここで、Bnは前記輝度、Inは前記ビーム電流、xは前記輝度優先度を示す、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  6. 請求項4記載の電子顕微鏡であって、
    前記制御部に接続される表示部を有し、
    前記制御部は、前記表示部に前記輝度優先度を入力可能な画面を表示する、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  7. 請求項6記載の電子顕微鏡であって、
    前記制御部は、保存された前記ビーム電流と前記輝度を前記表示部に表示する、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  8. 請求項6記載の電子顕微鏡であって、
    前記制御部は、前記表示部に輝度測定初期条件を入力可能な画面を表示する、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  9. 請求項1記載の電子顕微鏡であって、
    透過像を検出する撮像部を備え、
    前記制御部は、前記撮像部で撮像されるフレネル縞の可干渉距離を用いて、前記輝度を算出する、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  10. 請求項1記載の電子顕微鏡であって、
    前記電子光学系の電子源は、電界放出電子源、あるいはショットキー放出電子源である、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  11. 請求項10記載の電子顕微鏡であって、
    前記制御部は、前記ビーム電流及び前記輝度に基づき、前記電子光学系の電子源のチップ先端曲率半径rを決定する、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  12. 請求項11記載の電子顕微鏡であって、
    前記電子光学系の電子源が前記電界放出電子源の場合、前記電界放出電子源のチップ先端曲率半径rを、200nm〜300 nmとする、
    ことを特徴とする電子顕微鏡。
  13. 走査電子顕微鏡であって、
    電子光学系と、
    前記電子光学系のビーム電流と分解能を制御する制御部と、
    前記ビーム電流を検出するビーム電流検出部と、
    2次電子を検出する2次電子検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記電子光学系のパラメータを変化させ、前記2次電子検出部で検出した前記2次電子に基づき前記分解能を算出し、検出した前記ビーム電流と算出した前記分解能に基づき分解能ビーム電流最適使用条件を決定し、前記走査電子顕微鏡の照射光学条件に設定する、
    ことを特徴とする走査電子顕微鏡。
  14. 請求項13記載の走査電子顕微鏡であって、
    前記電子光学系のパラメータは、前記電子光学系の引き出し電圧であり、
    前記制御部は、前記引き出し電圧を順次変化させ、前記ビーム電流と前記2次電子を測定するよう制御し、測定した前記2次電子から前記分解能を算出し、検出した前記ビーム電流と算出した前記分解能を保存し、
    保存した前記ビーム電流と前記分解能に基づき、前記分解能ビーム電流最適使用条件を決定する、
    ことを特徴とする走査電子顕微鏡。
  15. 請求項14記載の走査電子顕微鏡であって、
    前記制御部は、検出した前記ビーム電流と算出した前記分解能に基づき前記分解能ビーム電流最適使用条件を決定する際に、予め設定した分解能優先度を用いる、
    ことを特徴とする走査電子顕微鏡。
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