JP2020002875A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力脈動を高精度に推定できるようにした内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】高圧燃料ポンプ40a,40bの吸入および吐出の動作に起因した燃料の圧力脈動が、低圧デリバリパイプ10a,10bに到達して反射され、高圧燃料ポンプ40a,40bに戻ってくるときに、動作に起因した新たな圧力脈動と位相が一致することにより、1次の共鳴現象が生じる。この際、低圧デリバリパイプ10aにおいて反射された圧力脈動が低圧デリバリパイプ10bにて反射される場合、2次の共鳴現象が生じる。CPU62は、2次の共鳴現象の周期と等しい間隔で取得された圧力Pd同士の差に基づき、1次の共鳴現象による圧力脈動成分を推定する。そしてCPU62は、圧力Pdから推定した1次の圧力脈動成分を除去することにより、2次の脈動成分を推定する。【選択図】図1
Description
本発明は、第1気筒に燃料を供給すべく吸気通路に燃料を噴射する第1ポート噴射弁に接続されて該第1ポート噴射弁に供給する燃料を貯蔵する第1燃料貯蔵部材と、前記第1気筒とは異なる第2気筒に燃料を供給すべく前記吸気通路に燃料を噴射する第2ポート噴射弁に接続されて該第2燃料噴射弁に供給する燃料を貯蔵する燃料貯蔵部材であって前記第1燃料貯蔵部材とは異なる第2燃料貯蔵部材と、前記第1気筒の燃焼室に燃料を噴射する第1筒内噴射弁および前記第2気筒の燃焼室に燃料を噴射する第2筒内噴射弁のそれぞれに燃料を供給する高圧燃料ポンプと、を備え、前記第1燃料貯蔵部材および前記第2燃料貯蔵部材が連通状態とされている内燃機関に適用される内燃機関の制御装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、吸気通路に燃料を噴射するポート噴射弁と、ポート噴射弁に供給する燃料を貯蔵する低圧燃料配管と、燃焼室に燃料を噴射する筒内噴射弁と、筒内噴射弁に供給する燃料を貯蔵する高圧燃料配管と、高圧燃料配管に燃料を供給する高圧燃料ポンプとを備える内燃機関が記載されている。また、同文献1には、高圧燃料ポンプの動作によって生じた燃料の圧力脈動が低圧燃料配管によって反射された後、高圧燃料ポンプによってさらに反射され低圧燃料配管に戻ってくることを考慮し、低圧燃料配管内の圧力を推定する制御装置が記載されている。
また、V型の内燃機関や水平対向の内燃機関においては、低圧燃料配管を2個備えることが周知である。
上記のように、高圧燃料ポンプの動作によって生じた燃料の圧力脈動が、低圧燃料配管によって反射された後、高圧燃料ポンプに到達するタイミングが、高圧燃料ポンプの動作によって生じる燃料の圧力脈動の位相に一致する場合、共鳴現象が生じることから、低圧燃料配管内の圧力脈動が大きくなる。
一方、V型の内燃機関や水平対向の内燃機関においては、一対の低圧燃料配管のうちの1つにおいて反射した圧力脈動が残りの低圧燃料配管において反射して戻ってくる現象が生じる。そして、戻ってくるタイミングにおいて、上記1つの低圧燃料配管内の圧力脈動と位相が一致すると共鳴現象によって、圧力脈動が大きくなる。
そして、低圧燃料配管を複数備えるものにおいて上述した2つの共鳴現象が同時に生じる場合、低圧燃料配管内に大きな圧力脈動が生じるのみならず、生じる圧力脈動は、単一の正弦波によっては高精度に表現できない複雑なものとなる。そして、圧力脈動を高精度に表現できない場合、精度の低い圧力に基づき噴射量を設定することとなり、燃料の噴射精度が低下する。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.第1気筒に燃料を供給すべく吸気通路に燃料を噴射する第1ポート噴射弁に接続されて該第1ポート噴射弁に供給する燃料を貯蔵する第1燃料貯蔵部材と、前記第1気筒とは異なる第2気筒に燃料を供給すべく前記吸気通路に燃料を噴射する第2ポート噴射弁に接続されて該第2ポート噴射弁に供給する燃料を貯蔵する燃料貯蔵部材であって前記第1燃料貯蔵部材とは異なる第2燃料貯蔵部材と、前記第1気筒の燃焼室に燃料を噴射する第1筒内噴射弁および前記第2気筒の燃焼室に燃料を噴射する第2筒内噴射弁のそれぞれに燃料を供給する高圧燃料ポンプと、を備え、前記第1燃料貯蔵部材および前記第2燃料貯蔵部材が連通状態とされている内燃機関に適用され、前記内燃機関は、前記高圧燃料ポンプの動作に起因した圧力脈動と該圧力脈動の前記第1燃料貯蔵部材における反射波とによって低周波数の共鳴が生じる際、前記第1燃料貯蔵部材における前記圧力脈動と、前記第1燃料貯蔵部材における前記圧力脈動の反射波が前記第2燃料貯蔵部材において反射して前記第1燃料貯蔵部材に戻ってきたものとによって前記低周波数よりも高周波数の共鳴が生じるものであり、前記高周波数の共鳴の周期に等しい時間間隔を有して取得される前記第1燃料貯蔵部材内の燃料の圧力の検出値同士の差に基づき、前記低周波数の共鳴による圧力脈動を推定する低次脈動推定処理と、前記第1燃料貯蔵部材内の燃料の圧力の複数の検出値から、前記低次脈動推定処理によって推定された圧力脈動のうちの前記検出値と同位相の値を減算する減算処理に基づき、前記高周波数の共鳴による圧力脈動を推定する高次脈動推定処理と、前記低次脈動推定処理および前記高次脈動推定処理によって推定される圧力脈動の合成波に基づき把握される前記第1燃料貯蔵部材内の燃料の圧力の燃料噴射期間における値が高い場合に低い場合よりも前記燃料噴射期間が短くなるように前記第1ポート噴射弁を操作する噴射弁操作処理と、を実行する内燃機関の制御装置である。
1.第1気筒に燃料を供給すべく吸気通路に燃料を噴射する第1ポート噴射弁に接続されて該第1ポート噴射弁に供給する燃料を貯蔵する第1燃料貯蔵部材と、前記第1気筒とは異なる第2気筒に燃料を供給すべく前記吸気通路に燃料を噴射する第2ポート噴射弁に接続されて該第2ポート噴射弁に供給する燃料を貯蔵する燃料貯蔵部材であって前記第1燃料貯蔵部材とは異なる第2燃料貯蔵部材と、前記第1気筒の燃焼室に燃料を噴射する第1筒内噴射弁および前記第2気筒の燃焼室に燃料を噴射する第2筒内噴射弁のそれぞれに燃料を供給する高圧燃料ポンプと、を備え、前記第1燃料貯蔵部材および前記第2燃料貯蔵部材が連通状態とされている内燃機関に適用され、前記内燃機関は、前記高圧燃料ポンプの動作に起因した圧力脈動と該圧力脈動の前記第1燃料貯蔵部材における反射波とによって低周波数の共鳴が生じる際、前記第1燃料貯蔵部材における前記圧力脈動と、前記第1燃料貯蔵部材における前記圧力脈動の反射波が前記第2燃料貯蔵部材において反射して前記第1燃料貯蔵部材に戻ってきたものとによって前記低周波数よりも高周波数の共鳴が生じるものであり、前記高周波数の共鳴の周期に等しい時間間隔を有して取得される前記第1燃料貯蔵部材内の燃料の圧力の検出値同士の差に基づき、前記低周波数の共鳴による圧力脈動を推定する低次脈動推定処理と、前記第1燃料貯蔵部材内の燃料の圧力の複数の検出値から、前記低次脈動推定処理によって推定された圧力脈動のうちの前記検出値と同位相の値を減算する減算処理に基づき、前記高周波数の共鳴による圧力脈動を推定する高次脈動推定処理と、前記低次脈動推定処理および前記高次脈動推定処理によって推定される圧力脈動の合成波に基づき把握される前記第1燃料貯蔵部材内の燃料の圧力の燃料噴射期間における値が高い場合に低い場合よりも前記燃料噴射期間が短くなるように前記第1ポート噴射弁を操作する噴射弁操作処理と、を実行する内燃機関の制御装置である。
上記構成では、低周波数の共鳴と高周波数の共鳴とが同時に生じるため、第1燃料貯蔵部材内の燃料の圧力脈動は単純な正弦波によっては精度良く表現することができない。そこで上記構成では、まず、高周波数の圧力脈動の周期に等しい時間間隔を有して取得される第1燃料貯蔵部材内の圧力の検出値同士の差に基づき、低周波数の圧力脈動を推定する。ここで、上記差は、高周波数の圧力脈動の周期に等しい時間間隔を有して取得された検出値同士の差であることから、高周波数の圧力脈動が除去されたものとなっている。このため、上記差の時系列データは、低周波数の圧力脈動を表現するものとなることから、上記差に基づき低周波数の圧力脈動を推定することができる。
そして低周波数の圧力脈動を推定した後には、これに基づき第1燃料貯蔵部材内の圧力の検出値から低周波数の圧力脈動を除去することができることから、高周波数の圧力脈動の推定が可能となる。そして、これにより、低周波数の圧力脈動と高周波数の圧力脈動との合成波を把握できることから、第1燃料貯蔵部材内における圧力脈動を高精度に推定することができる。このため、上記構成では、合成波の推定を行わない場合と比較すると、燃料の噴射精度を高めることができる。
2.前記高圧燃料ポンプから前記第1燃料貯蔵部材までの距離と前記高圧燃料ポンプから前記第2燃料貯蔵部材までの距離とが互いに等しく、前記噴射弁操作処理は、前記低次脈動推定処理および前記高次脈動推定処理によって推定される圧力脈動の合成波に基づき把握される前記第2燃料貯蔵部材内の燃料の圧力の燃料噴射期間における値が高い場合に低い場合よりも前記燃料噴射期間が短くなるように前記第2ポート噴射弁を操作する処理を含む上記1記載の内燃機関の制御装置である。
上記構成では、高圧燃料ポンプから第1燃料貯蔵部材までの距離と高圧燃料ポンプから第2燃料貯蔵部材までの距離とが互いに等しいことから、第1燃料貯蔵部材内の圧力脈動と第2燃料貯蔵部材内の圧力脈動とが同期していると考えられる。このため、上記構成では、第2燃料貯蔵部材内の圧力脈動についても第1燃料貯蔵部材内の圧力脈動の推定結果を利用することによって、第2燃料貯蔵部材内の圧力の検出値を用いることなく第2燃料貯蔵部材内の圧力脈動を把握できる。このため、上記構成では、第2ポート噴射弁から噴射される燃料についても高精度に制御できる。
3.前記高次脈動推定処理は、前記検出値に基づき前記第1燃料貯蔵部材内の圧力の平均値を算出する平均値算出処理を含み、前記減算処理によって算出された減算値から前記平均値を減算することに基づき、前記高周波数の共鳴による圧力脈動を推定する処理である上記1または2記載の内燃機関の制御装置である。
上記構成では、上記減算値から圧力脈動の振幅中心値である平均値を減算した値を用いることにより、減算値から平均値の影響を除去することができ、ひいては、高周波数の共鳴による圧力脈動成分を抽出できる。
4.前記噴射弁操作処理は、前記第1ポート噴射弁に対する噴射量の指令値を取得する取得処理と、前記内燃機関のクランク軸の単位回転当たりの噴射量を逐次推定される前記合成波に応じた前記第1燃料貯蔵部材内の圧力の平方根に比例し前記内燃機関のクランク軸の回転速度に反比例するものとし、前記第1ポート噴射弁から噴射される燃料量が前記指令値と等しくなる前記クランク軸の回転角度間隔を算出する間隔算出処理と、を含み、前記回転角度間隔を前記第1ポート噴射弁による前記燃料噴射期間とする上記1〜3のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置である。
上記構成では、都度の合成波に応じた圧力に基づき、第1ポート噴射弁から噴射される燃料量が指令値と等しくなる回転角度間隔を算出することにより、噴射量を高精度に制御することができる。
5.前記高周波数が前記低周波数の2倍である上記1〜4のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置である。
以下、内燃機関の制御装置にかかる一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す内燃機関CEは、V型6気筒の内燃機関である。内燃機関CEは、吸気通路に燃料を噴射する燃料噴射弁として、第1バンクの3個の気筒に割り当てられた3個のポート噴射弁12aと、残りの3個の気筒、すなわち第2バンクの3個の気筒に割り当てられた3個のポート噴射弁12bとを備えている。そして、第1バンクのポート噴射弁12aは、低圧デリバリパイプ10a内の燃料を吸気通路に噴射し、第2バンクのポート噴射弁12bは、低圧デリバリパイプ10b内の燃料を吸気通路に噴射する。また、内燃機関CEは、各気筒の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁として、第1バンクの3個の気筒に割り当てられた3個の筒内噴射弁22aと第2バンクの3個の気筒に割り当てられた3個の筒内噴射弁22bとを備えている。第1バンクの各筒内噴射弁22aは、高圧デリバリパイプ20a内の燃料を第1バンクの各気筒の燃焼室に噴射し、第2バンクの各筒内噴射弁22bは、高圧デリバリパイプ20b内の燃料を第2バンクの各気筒の燃焼室に噴射する。
図1に示す内燃機関CEは、V型6気筒の内燃機関である。内燃機関CEは、吸気通路に燃料を噴射する燃料噴射弁として、第1バンクの3個の気筒に割り当てられた3個のポート噴射弁12aと、残りの3個の気筒、すなわち第2バンクの3個の気筒に割り当てられた3個のポート噴射弁12bとを備えている。そして、第1バンクのポート噴射弁12aは、低圧デリバリパイプ10a内の燃料を吸気通路に噴射し、第2バンクのポート噴射弁12bは、低圧デリバリパイプ10b内の燃料を吸気通路に噴射する。また、内燃機関CEは、各気筒の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁として、第1バンクの3個の気筒に割り当てられた3個の筒内噴射弁22aと第2バンクの3個の気筒に割り当てられた3個の筒内噴射弁22bとを備えている。第1バンクの各筒内噴射弁22aは、高圧デリバリパイプ20a内の燃料を第1バンクの各気筒の燃焼室に噴射し、第2バンクの各筒内噴射弁22bは、高圧デリバリパイプ20b内の燃料を第2バンクの各気筒の燃焼室に噴射する。
低圧デリバリパイプ10a,10bおよび高圧デリバリパイプ20a,20bには、燃料タンク30内の燃料が供給される。すなわち、燃料タンク30内の燃料は、電動式のフィードポンプ32によって吸入されて下流側燃料通路34に吐出される。下流側燃料通路34は、分岐部36において、ポート側通路14および筒内側通路24に分岐している。ポート側通路14は、低圧デリバリパイプ10aに接続された第1低圧燃料通路18aと低圧デリバリパイプ10bに接続された第2低圧燃料通路18bと、第1低圧燃料通路18aおよび第2低圧燃料通路18bの上流においてそれらが合流した通路である、合流通路16と、を備えている。
なお、本実施形態において、第1低圧燃料通路18aと第2低圧燃料通路18bとは、公差を除き、通路の長さや、流路断面積が等しい。また、第1バンクの低圧デリバリパイプ10aと第2バンクの低圧デリバリパイプ10bとは、公差を除き、同一寸法とされている。これは、ポート側通路14のうちの合流通路16よりも下流において、第1バンク側の燃料の通路と第2バンク側の燃料の通路とを対称的な構造とするための設定である。
筒内側通路24には、第1バンクの高圧燃料ポンプ40aおよび第2バンクの高圧燃料ポンプ40bが接続されている。高圧燃料ポンプ40aには、筒内側通路24に接続される燃料室41aが形成されており、燃料室41a内には、圧力脈動を減衰させるためのパルセーションダンパ42aが備えられている。燃料室41aは、加圧室43aに接続されており、電子制御式の吐出調量弁44aが開弁状態である場合、燃料室41aと加圧室43aとが連通状態とされる一方、吐出調量弁44aが閉弁状態である場合、燃料室41aと加圧室43aとが互いに遮断される。加圧室43aの容積は、第1バンクのカム軸50aに連結されたカム52aの回転に伴うプランジャ45aの変位によって拡大および縮小を繰り返す。
吐出調量弁44aが閉弁状態とされるときにプランジャ45aの変位に伴って加圧室43aの容積が縮小すると、加圧室43a内の燃料は、逆止弁46aを介して高圧デリバリパイプ20aに吐出される。ここで、逆止弁46aは、加圧室43a側の圧力が高圧デリバリパイプ20a側の圧力よりも所定量以上高い場合に開弁する。なお、加圧室43aと高圧デリバリパイプ20aとは、さらに、逆止弁47aを介して接続されている。逆止弁47aは、高圧デリバリパイプ20a側の圧力が加圧室43a側の圧力よりも規定量以上高い場合に開弁する。
なお、第2バンクの高圧燃料ポンプ40bの構成は、第1バンクの高圧燃料ポンプ40aの構成と同じである。図1において、高圧燃料ポンプ40bの各部材の符号は、対応する高圧燃料ポンプ40aの各部材の符号のうちの末尾の「a」を「b」に代えたものとなっている。ちなみに、高圧燃料ポンプ40bは、第2バンクのカム軸50bに連結されたカム52bによって駆動される。
高圧燃料ポンプ40a,40bは、内燃機関CEの4ストロークに3回、加圧室43a,43bの容積が拡大および縮小する。ただし、本実施形態では、加圧室43aの容積が最小となるときに加圧室43bの容積が最大となるように、カム52a,52bが配置されている。
制御装置60は、中央処理装置(CPU62)、ROM64および、制御装置60内の各箇所に電力を供給する電源回路66を備えている。そして、制御装置60は、内燃機関CEを制御対象とし、内燃機関CEの制御量(トルク、排気成分比率)を制御するために、ポート噴射弁12a,12bや筒内噴射弁22a,22b、高圧燃料ポンプ40a,40b、フィードポンプ32等の内燃機関CEの操作部を操作する。この際、制御装置60は、圧力センサ70によって検出される第1バンクの低圧デリバリパイプ10a内の燃料の圧力Pdを参照する。また制御装置60は、クランク角センサ72の出力信号Scrを参照し、これに基づき、クランク軸の回転角度(クランク角度θ)や回転速度NEを算出する。また、制御装置60は、燃温センサ74によって検出される低圧デリバリパイプ10a内の燃料の温度(燃温Tf)や、エアフローメータ76によって検出される吸入空気量Gaを参照する。
図2に、制御装置60が実行する処理を示す。図2に示す処理は、ROM64に記憶されたプログラムをCPU62が実行することにより実現される。
図2に示す目標値可変処理M10は、低圧デリバリパイプ10a,10b内の圧力の目標値Pd*を、燃温Tfに応じて可変設定する処理である。
図2に示す目標値可変処理M10は、低圧デリバリパイプ10a,10b内の圧力の目標値Pd*を、燃温Tfに応じて可変設定する処理である。
フィードポンプ操作処理M12は、低圧デリバリパイプ10a内の圧力Pdを目標値Pd*にフィードバック制御するための操作量を算出し、フィードポンプ32に操作信号MSfを出力することによってフィードポンプ32を操作する処理である。
ちなみに、本実施形態にかかる低圧デリバリパイプ10a,10bは、いわゆるリターンレス構造を有する。リターンレス構造は、圧力Pdを上記目標値Pd*に調整する機械式の部材を低圧デリバリパイプ10a,10bに備えていない構造である。なお、リターンレス構造は、低圧デリバリパイプ10a,10bの信頼性の低下が懸念されるほどの高圧である規定値以上の圧力において、低圧デリバリパイプ10a,10b内の燃料を燃料タンク30側に戻す安全弁等を備えていないことについては、これを意味するものではない。
推定燃圧算出処理M14は、所定の条件下、低圧デリバリパイプ10a内の圧力の推定値(推定燃圧Pe)を算出する処理である。
噴射弁操作処理M16は、推定燃圧Peや圧力Pdに基づき、ポート噴射弁12a,12bに操作信号MSpを出力してポート噴射弁12a,12bを操作する処理である。また、噴射弁操作処理M16は、筒内噴射弁22a,22bに操作信号MSdを出力して筒内噴射弁22a,22bを操作する処理である。
噴射弁操作処理M16は、推定燃圧Peや圧力Pdに基づき、ポート噴射弁12a,12bに操作信号MSpを出力してポート噴射弁12a,12bを操作する処理である。また、噴射弁操作処理M16は、筒内噴射弁22a,22bに操作信号MSdを出力して筒内噴射弁22a,22bを操作する処理である。
噴射弁操作処理M16によって、ポート噴射弁12a,12bと筒内噴射弁22a,22bとが適宜使い分けられ、燃料噴射制御が実行される。図3に、本実施形態にかかる燃料噴射制御に利用する噴射弁と、内燃機関CEの回転速度NEおよび負荷(充填効率)にて定まる動作点との関係を示す。
図3に示すように、本実施形態では、相対的に、低回転、低負荷の領域において、ポート噴射弁12a,12bのみを用いて燃料噴射制御を実行し(図2において、「ポート」と表記)、高回転、高負荷の領域において、筒内噴射弁22a,22bのみを用いて燃料噴射を実行する(図2において、「直噴」と表記)。そして、それらの間の領域において、ポート噴射弁12a,12bと筒内噴射弁22a,22bとの双方を用いて燃料噴射制御を実行する(図2において、「ポート+直噴」と表記)。なお、制御装置60は、充填効率を、回転速度NEおよび吸入空気量Gaに基づき算出する。
噴射弁操作処理M16は、充填効率に基づき、ポート噴射弁12a,12bに対する噴射量指令値Q*が定まると、低圧デリバリパイプ10a,10b内の圧力が高い場合に低い場合よりも噴射時間を短く設定することにより、実際の噴射量を噴射量指令値Q*に制御する処理を含む。ここで、噴射弁操作処理M16は、共鳴現象に起因して圧力脈動が顕著となる領域を除き、低圧デリバリパイプ10a,10b内の圧力として、圧力センサ70による検出値である圧力Pdを用いる処理を含む。これに対し、噴射弁操作処理M16は、共鳴現象に起因して圧力脈動が顕著となる領域においては、低圧デリバリパイプ10a,10b内の圧力として推定燃圧Peを用いる処理を含む。
次に、共鳴現象が生じるメカニズムについて説明する。
高圧燃料ポンプ40a,40bは、プランジャ45a,45bの変位によって加圧室43a,43bが縮小する期間において、吐出調量弁44a,44bが閉弁する前には、加圧室43a,43bに吸入されていた燃料が、燃料室41a,41bを介して筒内側通路24へと吐き戻される。上述したように、本実施形態では、第1バンクの加圧室43aおよび第2バンクの加圧室43bのうちのいずれか一方の容積が縮小している期間において、他方の容積が拡大するように設定されている。このため、第1バンクの高圧燃料ポンプ40aおよび第2バンクの高圧燃料ポンプ40bのうちのいずれか一方から筒内側通路24に燃料が吐き戻されるときに、他方が筒内側通路24から燃料を吸入する。このため、高圧燃料ポンプ40a,40bが筒内側通路24から吸入する正味の燃料量または高圧燃料ポンプ40a,40bが筒内側通路24に吐き戻す正味の燃料量は、高圧燃料ポンプ40a,40bのいずれか1つによる単独の吸入量や吐き戻し量よりも小さくなる。しかし、第1バンクの高圧燃料ポンプ40aおよび第2バンクの高圧燃料ポンプ40bのうちのいずれか一方から筒内側通路24に吐き戻される燃料量と、他方によって筒内側通路24から吸入される燃料量とにずれが生じることなどに起因して、筒内側通路24に圧力脈動が生じる。
高圧燃料ポンプ40a,40bは、プランジャ45a,45bの変位によって加圧室43a,43bが縮小する期間において、吐出調量弁44a,44bが閉弁する前には、加圧室43a,43bに吸入されていた燃料が、燃料室41a,41bを介して筒内側通路24へと吐き戻される。上述したように、本実施形態では、第1バンクの加圧室43aおよび第2バンクの加圧室43bのうちのいずれか一方の容積が縮小している期間において、他方の容積が拡大するように設定されている。このため、第1バンクの高圧燃料ポンプ40aおよび第2バンクの高圧燃料ポンプ40bのうちのいずれか一方から筒内側通路24に燃料が吐き戻されるときに、他方が筒内側通路24から燃料を吸入する。このため、高圧燃料ポンプ40a,40bが筒内側通路24から吸入する正味の燃料量または高圧燃料ポンプ40a,40bが筒内側通路24に吐き戻す正味の燃料量は、高圧燃料ポンプ40a,40bのいずれか1つによる単独の吸入量や吐き戻し量よりも小さくなる。しかし、第1バンクの高圧燃料ポンプ40aおよび第2バンクの高圧燃料ポンプ40bのうちのいずれか一方から筒内側通路24に吐き戻される燃料量と、他方によって筒内側通路24から吸入される燃料量とにずれが生じることなどに起因して、筒内側通路24に圧力脈動が生じる。
ここで、本実施形態では、特に、第1バンクの高圧燃料ポンプ40aと第2バンクの高圧燃料ポンプ40bとの公差に起因して、第1バンクの高圧燃料ポンプ40aと第2バンクの高圧燃料ポンプ40bとのそれぞれによる筒内側通路24からの燃料の吸入量にずれが生じることに起因した共鳴が顕著となる構成を有する。ちなみに、この公差を有していても、たとえば高圧デリバリパイプ20a,20bのそれぞれの圧力の検出値をフィードバック制御するために吐出調量弁44a,44bのそれぞれを操作することによって、筒内噴射弁22a,22bの噴射圧を適切な値とすることはできる。
図4(a)は、上記吐き戻し量と上記吸入量にずれが生じることなどに起因して筒内側通路24に圧力脈動が生じたことを例示している。特に、図4(a)は、高圧燃料ポンプ40a,40bのいずれか一方(高圧燃料ポンプ40a)が吸入期間となって他方が吐出期間となることによって、圧力脈動が生じることを例示している。筒内側通路24に生じた圧力脈動は、図4(b)に示すように、低圧デリバリパイプ10a,10bに伝搬する。そして、低圧デリバリパイプ10a,10bにて反射した圧力脈動が、図4(c)に示すように、高圧燃料ポンプ40a,40bに到達するときに、上記いずれか一方が次の吸入期間となって他方が次の吐出期間となっている場合、共鳴現象が生じる。以下、この共鳴を1次の共鳴現象と称する。ちなみに、1次の共鳴現象による圧力脈動の周期は、クランク角で240°となる。
本実施形態では、1次の共鳴現象が生じる場合、低圧デリバリパイプ10a,10bにて反射した圧力脈動が高圧燃料ポンプ40a,40bに到達するときに、図4(c)に一点鎖線にて例示するように低圧デリバリパイプ10aにおいて反射した圧力脈動が、低圧デリバリパイプ10bに到達して反射される。同様に、低圧デリバリパイプ10a,10bにて反射した圧力脈動が高圧燃料ポンプ40a,40bに到達するときに、低圧デリバリパイプ10bにおいて反射した圧力脈動が、低圧デリバリパイプ10aに到達して反射される。
このため、1次の共鳴現象が生じる場合、低圧デリバリパイプ10a,10bのうちの一方において反射された圧力脈動が他方において反射され再度一方に戻ってくるときに、筒内側通路24に生じた圧力脈動が低圧デリバリパイプ10a,10bに到達して強め合う。この共鳴による圧力脈動の周期は、「120°」であり、1次の共鳴現象による周期の「1/2」であることから、これを2次の共鳴現象と称する。
このように、本実施形態では、1次の共鳴現象が生じるときに2次の共鳴現象も生じることから、低圧デリバリパイプ10a,10b内の圧力は、正弦波形状の波形にならない。ちなみに、1次の共鳴現象が生じるときに2次の共鳴現象が生じることを回避する対策としては、第1低圧燃料通路18aや第2低圧燃料通路18bの長さや低圧デリバリパイプ10a,10bの長さ、合流通路16の長さを変更することが考えられる。しかし、内燃機関CEが搭載されるスペースに余裕がない場合等には、このような変更をすることが難しい。そこで本実施形態では、推定燃圧算出処理M14によって以下の処理にて1次の共鳴現象と2次の共鳴現象が生じるときの低圧デリバリパイプ10a内の圧力(推定燃圧Pe)を算出する。
図5に、推定燃圧算出処理M14の手順を示す。図5に示す処理は、ROM64に記憶されたプログラムをCPU62がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、各処理のステップ番号を表現する。
図5に示す一連の処理において、CPU62は、まず、圧力Pdの時系列データを取得する(S10)。ここで、時系列データは、圧力Pdが検出されたときのクランク角度θと紐づけられたデータとする。図6(a)に、時系列データを例示する。
次に、CPU62は、時系列データのなかから、2次の共鳴現象による圧力脈動成分(高次脈動成分Ps)の周期である120°だけ互いに離れたタイミングで取得された、一対の圧力同士の差の「1/2」を2組算出する(S12)。すなわち、クランク角度θaから120°隔てたタイミングにおける圧力Pd(θa+120)をクランク角度θaにおける圧力Pd(θa)から減算した値の「1/2」が圧力Paである。また、クランク角度θbから120°隔てたタイミングにおける圧力Pd(θb+120)をクランク角度θbにおける圧力Pd(θb)から減算した値の「1/2」が圧力Pbである。
これら圧力Pa,Pbは、圧力Pdのうちの高次脈動成分Psの周期だけ離れたもの同士の差であることから、高次脈動成分Psが除去されたものとなっている。ここでは、高次脈動成分Psは、周期的に同一の値となることを想定している。なお、減算した値の「1/2」とする理由については後述する。図6(b)に、一対の圧力同士の差の「1/2」を互いに異なる複数のクランク角度θ毎に算出してプロットした場合を例示する。
次にCPU62は、圧力Pa,Pbに基づき、以下の式(c1)にて表現される、1次の共鳴現象による圧力脈動成分(低次脈動成分Pf)を算出する(S14)。
Pf=Af・cos{(3/2)・(θ+Bf)} …(c1)
ここで、低次脈動成分Pfの振幅Afおよび位相Bfは、以下の式にて表現される。
Pf=Af・cos{(3/2)・(θ+Bf)} …(c1)
ここで、低次脈動成分Pfの振幅Afおよび位相Bfは、以下の式にて表現される。
上記(c2),(c3)は、以下の式(c4),(c5)の連立方程式から導出されたものである。
Pa=Af・cos{(3/2)・(θa+Bf)} …(c4)
Pb=Af・cos{(3/2)・(θb+Bf)} …(c5)
ちなみに、S12の処理において「1/2」とする理由は、圧力Pdが、低次脈動成分Pfと、高次脈動成分Psと、圧力Pdの平均値Paveとの和であるとした以下の式を根拠とする。なお、平均値Paveは、低次脈動成分Pfや高次脈動成分Psの振幅中心を定める。
Pa=Af・cos{(3/2)・(θa+Bf)} …(c4)
Pb=Af・cos{(3/2)・(θb+Bf)} …(c5)
ちなみに、S12の処理において「1/2」とする理由は、圧力Pdが、低次脈動成分Pfと、高次脈動成分Psと、圧力Pdの平均値Paveとの和であるとした以下の式を根拠とする。なお、平均値Paveは、低次脈動成分Pfや高次脈動成分Psの振幅中心を定める。
Pf(θa)+Ps(θa)+Pave
−{Pf(θa+120)+Ps(θa+120)+Pave}
=Pf(θa)−Pf(θa+120)
=(−2)・Af・sin{(3/2)・(θ+Bf)+90}・sin90
=2・Af・cos{(3/2)・(θ+Bf)}
次に、CPU62は、S10において取得した時系列データのそれぞれから、対応するクランク角度θにおける低次脈動成分Pfを減算した減算値ΔPを算出する(S16)。すなわち、たとえば、クランク角度θ1における圧力Pd(θ1)から、上記の式(c1)においてクランク角度θに「θ1」を代入した値を減算した値が減算値ΔP(θ1)である。S16の処理は、時系列データから、低次脈動成分Pfを除去する処理である。図6(c)に、減算値ΔPを互いに異なる複数のクランク角度θ毎に算出してプロットした場合を例示する。
−{Pf(θa+120)+Ps(θa+120)+Pave}
=Pf(θa)−Pf(θa+120)
=(−2)・Af・sin{(3/2)・(θ+Bf)+90}・sin90
=2・Af・cos{(3/2)・(θ+Bf)}
次に、CPU62は、S10において取得した時系列データのそれぞれから、対応するクランク角度θにおける低次脈動成分Pfを減算した減算値ΔPを算出する(S16)。すなわち、たとえば、クランク角度θ1における圧力Pd(θ1)から、上記の式(c1)においてクランク角度θに「θ1」を代入した値を減算した値が減算値ΔP(θ1)である。S16の処理は、時系列データから、低次脈動成分Pfを除去する処理である。図6(c)に、減算値ΔPを互いに異なる複数のクランク角度θ毎に算出してプロットした場合を例示する。
次に、CPU62は、クランク角度θ1における減算値ΔP(θ1)と、クランク角度θ1から60°離れた角度における減算値ΔP(θ1+60)との和の「1/2」を、低圧デリバリパイプ10a内の圧力Pdの平均値Paveに代入する(S18)。これは、減算値ΔPに含まれる脈動成分が2次の共鳴現象による脈動成分であるとみなせることから、その周期である120°の「1/2」だけ離間した一対の減算値ΔP同士の和の「1/2」は、2次の共鳴現象による圧力脈動が除去された値となることに鑑みたものである。図6(d)に、クランク角度θ1を様々な値として平均値Paveを算出した場合を例示する。
次にCPU62は、クランク角度θcにおける減算値ΔP(θc)から平均値Paveを減算した値Pcと、クランク角度θcとは異なるクランク角度θdにおける減算値ΔP(θd)から平均値Paveを減算した値Pdとを算出する(S20)。ここで、値Pc,Pdは、クランク角度θc,θdのそれぞれにおける高次脈動成分Psである。
CPU62は、値Pc,Pdに基づき、高次脈動成分Psを表現する以下の式(c6)を算出する(S22)。
Ps=As・cos3(θ+Bs) …(c6)
ここで、振幅Asおよび位相Bsは、以下の式(c7),(c8)にて表現される。
Ps=As・cos3(θ+Bs) …(c6)
ここで、振幅Asおよび位相Bsは、以下の式(c7),(c8)にて表現される。
次にCPU62は、低次脈動成分Pfと高次脈動成分Psと平均値Paveとの和を、推定燃圧Peに代入する(S24)。なお、CPU62は、S24の処理を完了する場合、図5に示す一連の処理を一旦終了する。
こうして算出された推定燃圧Peは、低圧デリバリパイプ10a内の圧力のみならず、低圧デリバリパイプ10b内の圧力ともなっている。これは、上述したように、筒内側通路24から低圧デリバリパイプ10aまでの燃料通路と、筒内側通路24から低圧デリバリパイプ10bまでの燃料通路とが対称性を有するためである。
図7に、噴射弁操作処理M16の手順を示す。図7に示す処理は、ROM64に記憶されたプログラムを、たとえば各気筒における圧縮上死点に対して所定量だけ進角したタイミングとなる都度CPU62によって繰り返し実行することにより実現される。
図7に示す一連の処理において、CPU62は、まず、回転速度NEが共鳴下限値RneL以上であって且つ共鳴上限値RneH以下であるか否かを判定する(S30)。この処理は、上記1次の共鳴現象が生じる回転周波数であるか否かを判定する処理である。ここで、CPU62は、回転速度NEが、図4(a)から図4(c)までに要する時間thpを用いて、「1/{(360/240)・Thp}」である場合、肯定判定することとなる。
具体的には、CPU62は、共鳴下限値RneLおよび共鳴上限値RneHを、低圧デリバリパイプ10a内の圧力Pdの目標値Pd*、および燃温Tfに基づき可変設定する。詳しくは、CPU62は、共鳴下限値RneLおよび共鳴上限値RneHを、目標値Pd*が高い場合に低い場合よりも大きい値に設定する。これは、圧力が高い場合に低い場合よりも圧力脈動が伝搬する速度が高くなることに鑑みたものである。また、CPU62は、共鳴下限値RneLおよび共鳴上限値RneHを、燃温Tfが低い場合に高い場合よりも大きい値に設定する。これは、燃温Tfが低い場合に高い場合よりも圧力脈動が伝搬する速度が高くなることに鑑みたものである。
CPU62は、回転速度NEが共鳴下限値RneL以上であって且つ共鳴上限値RneH以下であると判定する場合(S30:YES)、ポート噴射弁12a,12bの噴射量指令値Q*を取得する(S32)。次にCPU62は、噴射開始時期θsを取得する(S34)。そして、CPU62は、噴射開始時期θsに所定量Δθを加算した値を、噴射期間を算出するためのパラメータθpに代入する(S36)。
次にCPU62は、パラメータθpにおける推定燃圧Peの平方根に、「K/NE」を乗算した値を噴射量Qに加算した値によって、噴射量Qを更新する(S38)。ここで、噴射量Qは、噴射開始時期θsからパラメータθpまでクランク軸が回転する間燃料を噴射した場合の噴射量を示し、初期値はゼロとされている。この処理は、ポート噴射弁12a,12bから単位時間に噴射される燃料量が圧力の平方根に比例することに鑑みたものである。このため、比例係数Kを用いている。また、単位時間当たりの噴射量を単位回転角度当たりの噴射量に換算すべく、回転速度NEの逆数を用いている。
次に、CPU62は、噴射量Qが噴射量指令値Q*以上であるか否かを判定する(S40)。そしてCPU62は、噴射量指令値Q*未満であると判定する場合(S40:NO)、パラメータθpに所定量Δθを加算した値によって、パラメータθpを更新する(S42)。そして、CPU62は、更新されたパラメータθpに基づきS38の処理を実行することによって噴射量Qを更新し、S40の処理によって噴射量Qが噴射量指令値Q*以上となったか否かを判定する。こうした処理は、S40の処理によって噴射量Qが噴射量指令値Q*以上となったと判定されるまで実行される。
一方、CPU62は、噴射量Qが噴射量指令値Q*以上となったと判定する場合(S40:YES)、噴射終了時期θfに、パラメータθpを代入する(S44)。そしてCPU62は、ポート噴射弁12a,12bによる燃料の噴射期間を、噴射開始時期θsから噴射終了時期θfまでとすべく、ポート噴射弁12a,12bに操作信号MSpを出力してポート噴射弁12a,12bを操作する(S46)。
なお、CPU62は、S46の処理が完了する場合や、S30の処理において否定判定する場合には、図7に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
CPU62は、1次の共鳴現象が生じると判定する場合、推定燃圧Peに基づき燃料の噴射期間を算出する。CPU62は、推定燃圧Peの算出処理として、まず、高次脈動成分Psの周期と等しい時間間隔で取得された互いに時系列的に隣り合う圧力Pd同士の差に基づき、低次脈動成分Pfを算出する。そして、CPU62は、圧力Pdの時系列データから低次脈動成分Pfを除去することによって、高次脈動成分Psを算出する。そして、CPU62は、低次脈動成分Pfと高次脈動成分Psと平均値Paveとの和を、推定燃圧Peとする。
これにより、1次の共鳴現象と2次の共鳴現象とが同時に生じることによって、低圧デリバリパイプ10a,10b内の圧力脈動が正弦波状とならない場合であっても、その圧力を高精度に推定することができる。
以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する効果が得られる。
(1)筒内側通路24から低圧デリバリパイプ10aまでの燃料通路と、筒内側通路24から低圧デリバリパイプ10bまでの燃料通路とが対称性を有する構造とした。これにより、低圧デリバリパイプ10a内の圧力脈動と低圧デリバリパイプ10b内の圧力脈動とが同期するため、低圧デリバリパイプ10a内の圧力Pdを検出するセンサの検出値のみを用いて、低圧デリバリパイプ10b内の圧力脈動をも推定できる。
(1)筒内側通路24から低圧デリバリパイプ10aまでの燃料通路と、筒内側通路24から低圧デリバリパイプ10bまでの燃料通路とが対称性を有する構造とした。これにより、低圧デリバリパイプ10a内の圧力脈動と低圧デリバリパイプ10b内の圧力脈動とが同期するため、低圧デリバリパイプ10a内の圧力Pdを検出するセンサの検出値のみを用いて、低圧デリバリパイプ10b内の圧力脈動をも推定できる。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]第1燃料貯蔵部材は、低圧デリバリパイプ10aに対応し、第2燃料貯蔵部材は、低圧デリバリパイプ10bに対応し、第1ポート噴射弁は、ポート噴射弁12aに対応し、第2ポート噴射弁は、ポート噴射弁12bに対応し、第1筒内噴射弁は、筒内噴射弁22aに対応し、第2筒内噴射弁は、筒内噴射弁22bに対応する。低次脈動推定処理は、S12〜S14の処理に対応し、高次脈動推定処理は、S16〜S22の処理に対応する。[2]図5の処理がポート噴射弁12bの操作にも利用されていることに対応する。[3]平均値算出処理は、S18の処理に対応する。[4]取得処理は、S32の処理に対応し、間隔算出処理は、S34〜S44の処理に対応する。[5]図4(c)において、低圧デリバリパイプ10aにて反射された圧力脈動が低圧デリバリパイプ10bにて反射されることに対応する。
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]第1燃料貯蔵部材は、低圧デリバリパイプ10aに対応し、第2燃料貯蔵部材は、低圧デリバリパイプ10bに対応し、第1ポート噴射弁は、ポート噴射弁12aに対応し、第2ポート噴射弁は、ポート噴射弁12bに対応し、第1筒内噴射弁は、筒内噴射弁22aに対応し、第2筒内噴射弁は、筒内噴射弁22bに対応する。低次脈動推定処理は、S12〜S14の処理に対応し、高次脈動推定処理は、S16〜S22の処理に対応する。[2]図5の処理がポート噴射弁12bの操作にも利用されていることに対応する。[3]平均値算出処理は、S18の処理に対応する。[4]取得処理は、S32の処理に対応し、間隔算出処理は、S34〜S44の処理に対応する。[5]図4(c)において、低圧デリバリパイプ10aにて反射された圧力脈動が低圧デリバリパイプ10bにて反射されることに対応する。
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・「低次脈動推定処理について」
上記実施形態では、互いに120°ずつ離れた2組の圧力Pdに基づき、低次脈動成分Pfを推定したがこれに限らない。たとえば互いに120°ずつ離れた4組の圧力Pdのうちの各2組から推定される振幅と位相とのそれぞれの平均値に基づき、最終的な低次脈動成分Pfを推定してもよい。
上記実施形態では、互いに120°ずつ離れた2組の圧力Pdに基づき、低次脈動成分Pfを推定したがこれに限らない。たとえば互いに120°ずつ離れた4組の圧力Pdのうちの各2組から推定される振幅と位相とのそれぞれの平均値に基づき、最終的な低次脈動成分Pfを推定してもよい。
・「平均値算出処理について」
上記実施形態では、互いに60°離れた一対の減算値ΔPに基づき平均値Paveを算出したがこれに限らない。たとえば、圧力Pdのローパスフィルタ処理値を平均値Paveとしてもよい。平均値Paveの算出手法としてはこれに限らず、たとえば下記「高次脈動推定処理について」の欄に記載したように、高次脈動成分Psと同時に推定する手法を用いてもよい。
上記実施形態では、互いに60°離れた一対の減算値ΔPに基づき平均値Paveを算出したがこれに限らない。たとえば、圧力Pdのローパスフィルタ処理値を平均値Paveとしてもよい。平均値Paveの算出手法としてはこれに限らず、たとえば下記「高次脈動推定処理について」の欄に記載したように、高次脈動成分Psと同時に推定する手法を用いてもよい。
・「高次脈動推定処理について」
上記実施形態では、減算値ΔPから平均値Paveを減算した値を2個用いて、高次脈動成分Psを推定したが、これに限らない。たとえば、3個の減算値を用いて、高次脈動成分Psの振幅Asおよび位相Bsと平均値Paveとの3つのパラメータを推定してもよい。
上記実施形態では、減算値ΔPから平均値Paveを減算した値を2個用いて、高次脈動成分Psを推定したが、これに限らない。たとえば、3個の減算値を用いて、高次脈動成分Psの振幅Asおよび位相Bsと平均値Paveとの3つのパラメータを推定してもよい。
・「噴射弁操作処理について」
上記実施形態では、クランク角度θを指定したときの推定燃圧Peを算出し、これに基づき、噴射開始時期θsから所定角度だけ進角させたときの噴射量Qを算出したがこれに限らない。たとえば、振幅Af,Asと位相Bf,Bsと平均値Paveとクランク角度θとを入力変数とし、推定燃圧Peを出力変数とするマップデータが予めROM64に記憶された状態で、推定燃圧PeをCPU62によりマップ演算してもよい。またたとえば、上記マップデータの出力変数を基準角度からクランク角度θまで燃料を噴射したと仮定した場合の噴射量に回転速度NEを乗算した乗算値としてもよい。この場合、マップ演算によって基準角度から噴射開始時期θsまでの乗算値を算出した後、これを回転速度で除算し、次に、除算した値に噴射量指令値Q*を加算した値を演算上の指令値とする。そして、基準角度から所定のクランク角度θまでの噴射量が演算上の指令値となるように、所定のクランク角度θを探索する処理を実行する。
上記実施形態では、クランク角度θを指定したときの推定燃圧Peを算出し、これに基づき、噴射開始時期θsから所定角度だけ進角させたときの噴射量Qを算出したがこれに限らない。たとえば、振幅Af,Asと位相Bf,Bsと平均値Paveとクランク角度θとを入力変数とし、推定燃圧Peを出力変数とするマップデータが予めROM64に記憶された状態で、推定燃圧PeをCPU62によりマップ演算してもよい。またたとえば、上記マップデータの出力変数を基準角度からクランク角度θまで燃料を噴射したと仮定した場合の噴射量に回転速度NEを乗算した乗算値としてもよい。この場合、マップ演算によって基準角度から噴射開始時期θsまでの乗算値を算出した後、これを回転速度で除算し、次に、除算した値に噴射量指令値Q*を加算した値を演算上の指令値とする。そして、基準角度から所定のクランク角度θまでの噴射量が演算上の指令値となるように、所定のクランク角度θを探索する処理を実行する。
なお、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。またマップ演算は、たとえば、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とするのに対し、一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。
上記実施形態では、低圧デリバリパイプ10bには圧力センサを設けず、低圧デリバリパイプ10aに設けた圧力センサ70によって検出される圧力Pdに基づき推定される推定燃圧Peに基づき、ポート噴射弁12bによる燃料の噴射期間を定めたがこれに限らない。たとえば下記「低圧デリバリパイプと高圧燃料ポンプとの間の通路について」の欄に例示した、低圧デリバリパイプ10aから高圧燃料ポンプ40a,40bまでの燃料の通路長と、低圧デリバリパイプ10bから高圧燃料ポンプ40a,40bまでの燃料の通路長とが互いに異なる場合、低圧デリバリパイプ10bにも圧力センサを設けることとする。そしてその場合、低圧デリバリパイプ10bについては、低圧デリバリパイプ10bに設けられた圧力センサによって検出される燃圧に基づき推定燃圧を算出する。
・「推定燃圧算出処理について」
燃圧の推定処理としては、上記実施形態のように、クランク角度θを独立変数とする低次脈動成分Pfや高次脈動成分Psを実際に算出する処理に限らない。たとえば「噴射弁操作処理について」の欄に記載したように、基準角度からクランク角度θまで燃料を噴射したと仮定した場合の噴射量に回転速度NEを乗算した乗算値を出力変数とするマップデータを用いる場合には、振幅Af,Asと位相Bf,Bsとの算出処理を、推定燃圧算出処理とすればよい。
燃圧の推定処理としては、上記実施形態のように、クランク角度θを独立変数とする低次脈動成分Pfや高次脈動成分Psを実際に算出する処理に限らない。たとえば「噴射弁操作処理について」の欄に記載したように、基準角度からクランク角度θまで燃料を噴射したと仮定した場合の噴射量に回転速度NEを乗算した乗算値を出力変数とするマップデータを用いる場合には、振幅Af,Asと位相Bf,Bsとの算出処理を、推定燃圧算出処理とすればよい。
・「高圧燃料ポンプの動作に起因した圧力脈動について」
高圧燃料ポンプの動作に起因した圧力脈動としては、高圧燃料ポンプ40a,40bの公差に起因したものに限らない。たとえば、高圧燃料ポンプ40aおよび高圧燃料ポンプ40bのうちの吸入工程にある側の吸入量よりも吐出工程にある側の吐き戻し量の方が少ないことに起因して高圧燃料ポンプ40a,40bの下流側に生じる圧力脈動に起因したものであってもよい。この場合、圧力脈動の周期を定める高圧燃料ポンプ40a,40bの動作の周期は、上記実施形態の構成では、「120°CA」となる。
高圧燃料ポンプの動作に起因した圧力脈動としては、高圧燃料ポンプ40a,40bの公差に起因したものに限らない。たとえば、高圧燃料ポンプ40aおよび高圧燃料ポンプ40bのうちの吸入工程にある側の吸入量よりも吐出工程にある側の吐き戻し量の方が少ないことに起因して高圧燃料ポンプ40a,40bの下流側に生じる圧力脈動に起因したものであってもよい。この場合、圧力脈動の周期を定める高圧燃料ポンプ40a,40bの動作の周期は、上記実施形態の構成では、「120°CA」となる。
・「低周波数の共鳴による圧力脈動と高周波数の共鳴による圧力脈動について」
上記実施形態では、低周波数を1次とし高周波数を2次としたがこれに限らない。たとえば、低周波数が1次であって且つ高周波数が4次であってもよい。この場合であっても、高周波数の共鳴の周期に等しい時間間隔を有して取得される圧力Pd同士の差を用いることにより、低周波数の共鳴による圧力脈動を推定することができる。
上記実施形態では、低周波数を1次とし高周波数を2次としたがこれに限らない。たとえば、低周波数が1次であって且つ高周波数が4次であってもよい。この場合であっても、高周波数の共鳴の周期に等しい時間間隔を有して取得される圧力Pd同士の差を用いることにより、低周波数の共鳴による圧力脈動を推定することができる。
・「低圧デリバリパイプと高圧燃料ポンプとの間の通路について」
上記実施形態では、第1低圧燃料通路18aの長さと第2低圧燃料通路18bの長さとを互いに等しくして且つ低圧デリバリパイプ10aの長さと低圧デリバリパイプ10bの長さとを互いに等しくすることによって、対称性を有する構造としたがこれに限らない。たとえば、第1低圧燃料通路18aの長さと第2低圧燃料通路18bの長さとを互いに異ならせることによって、低圧デリバリパイプ10aから高圧燃料ポンプ40a,40bまでの燃料の通路長と、低圧デリバリパイプ10bから高圧燃料ポンプ40a,40bまでの燃料の通路長とが互いに異なるようにしてもよい。
上記実施形態では、第1低圧燃料通路18aの長さと第2低圧燃料通路18bの長さとを互いに等しくして且つ低圧デリバリパイプ10aの長さと低圧デリバリパイプ10bの長さとを互いに等しくすることによって、対称性を有する構造としたがこれに限らない。たとえば、第1低圧燃料通路18aの長さと第2低圧燃料通路18bの長さとを互いに異ならせることによって、低圧デリバリパイプ10aから高圧燃料ポンプ40a,40bまでの燃料の通路長と、低圧デリバリパイプ10bから高圧燃料ポンプ40a,40bまでの燃料の通路長とが互いに異なるようにしてもよい。
・「高圧燃料ポンプについて」
高圧燃料ポンプ40a,40bの吐出周期が、それぞれのバンクの燃料噴射の周期に一致することは必須ではない。たとえば、第1バンクにおいて燃料噴射が2回なされるたびに高圧燃料ポンプ40aの吐出工程が1回生じるようにカム52aを設定し、第2バンクにおいて燃料噴射が2回なされるたびに高圧燃料ポンプ40bの吐出工程が1回生じるようにカム52bを設定してもよい。この場合、上記実施形態のように、高圧燃料ポンプ40aおよび高圧燃料ポンプ40bのいずれか一方の吸入工程を他方の吐出工程に設定する場合、上記公差に起因した圧力脈動の周期は、「480°CA」となる。
高圧燃料ポンプ40a,40bの吐出周期が、それぞれのバンクの燃料噴射の周期に一致することは必須ではない。たとえば、第1バンクにおいて燃料噴射が2回なされるたびに高圧燃料ポンプ40aの吐出工程が1回生じるようにカム52aを設定し、第2バンクにおいて燃料噴射が2回なされるたびに高圧燃料ポンプ40bの吐出工程が1回生じるようにカム52bを設定してもよい。この場合、上記実施形態のように、高圧燃料ポンプ40aおよび高圧燃料ポンプ40bのいずれか一方の吸入工程を他方の吐出工程に設定する場合、上記公差に起因した圧力脈動の周期は、「480°CA」となる。
高圧燃料ポンプ40aの加圧室43aの容積が最小となるときに高圧燃料ポンプ40bの加圧室43bの容積が最大となる設定は必須ではない。たとえば、高圧燃料ポンプ40aの加圧室43aの容積が最小となるときに高圧燃料ポンプ40bの加圧室43bの容積が最小となるようにしてもよい。
高圧デリバリパイプ20aと高圧デリバリパイプ20bとで互いに異なる高圧燃料ポンプ40a,40bを備えるものに限らず、たとえば単一の高圧燃料ポンプを備えるものであってもよい。
・「制御装置について」
制御装置がCPU62とROM64とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、制御装置は、以下の(a)〜(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア処理回路や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。すなわち、上記処理は、1または複数のソフトウェア処理回路および1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路によって実行されればよい。
制御装置がCPU62とROM64とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、制御装置は、以下の(a)〜(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア処理回路や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。すなわち、上記処理は、1または複数のソフトウェア処理回路および1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路によって実行されればよい。
10a,10b…低圧デリバリパイプ、12a,12b…ポート噴射弁、14…ポート側通路、16…合流通路、18a…第1低圧燃料通路、18b…第2低圧燃料通路、20a,20b…高圧デリバリパイプ、22a,22b…筒内噴射弁、24…筒内側通路、30…燃料タンク、32…フィードポンプ、34…下流側燃料通路、36…分岐部、40a、40b…第2バンクの高圧燃料ポンプ、41a,41b…燃料室、42a…パルセーションダンパ、43a,43b…加圧室、44a,44b…吐出調量弁、45a,45b…プランジャ、46a,47a…逆止弁、50a,50b…カム軸、52a,52b…カム、60…制御装置、62…CPU、64…ROM、66…電源回路、70…圧力センサ、72…クランク角センサ、74…燃温センサ、76…エアフローメータ。
Claims (5)
- 第1気筒に燃料を供給すべく吸気通路に燃料を噴射する第1ポート噴射弁に接続されて該第1ポート噴射弁に供給する燃料を貯蔵する第1燃料貯蔵部材と、前記第1気筒とは異なる第2気筒に燃料を供給すべく前記吸気通路に燃料を噴射する第2ポート噴射弁に接続されて該第2ポート噴射弁に供給する燃料を貯蔵する燃料貯蔵部材であって前記第1燃料貯蔵部材とは異なる第2燃料貯蔵部材と、前記第1気筒の燃焼室に燃料を噴射する第1筒内噴射弁および前記第2気筒の燃焼室に燃料を噴射する第2筒内噴射弁のそれぞれに燃料を供給する高圧燃料ポンプと、を備え、前記第1燃料貯蔵部材および前記第2燃料貯蔵部材が連通状態とされている内燃機関に適用され、
前記内燃機関は、前記高圧燃料ポンプの動作に起因した圧力脈動と該圧力脈動の前記第1燃料貯蔵部材における反射波とによって低周波数の共鳴が生じる際、前記第1燃料貯蔵部材における前記圧力脈動と、前記第1燃料貯蔵部材における前記圧力脈動の反射波が前記第2燃料貯蔵部材において反射して前記第1燃料貯蔵部材に戻ってきたものとによって前記低周波数よりも高周波数の共鳴が生じるものであり、
前記高周波数の共鳴の周期に等しい時間間隔を有して取得される前記第1燃料貯蔵部材内の燃料の圧力の検出値同士の差に基づき、前記低周波数の共鳴による圧力脈動を推定する低次脈動推定処理と、
前記第1燃料貯蔵部材内の燃料の圧力の複数の検出値から、前記低次脈動推定処理によって推定された圧力脈動のうちの前記検出値と同位相の値を減算する減算処理に基づき、前記高周波数の共鳴による圧力脈動を推定する高次脈動推定処理と、
前記低次脈動推定処理および前記高次脈動推定処理によって推定される圧力脈動の合成波に基づき把握される前記第1燃料貯蔵部材内の燃料の圧力の燃料噴射期間における値が高い場合に低い場合よりも前記燃料噴射期間が短くなるように前記第1ポート噴射弁を操作する噴射弁操作処理と、を実行する内燃機関の制御装置。 - 前記高圧燃料ポンプから前記第1燃料貯蔵部材までの距離と前記高圧燃料ポンプから前記第2燃料貯蔵部材までの距離とが互いに等しく、
前記噴射弁操作処理は、前記低次脈動推定処理および前記高次脈動推定処理によって推定される圧力脈動の合成波に基づき把握される前記第2燃料貯蔵部材内の燃料の圧力の燃料噴射期間における値が高い場合に低い場合よりも前記燃料噴射期間が短くなるように前記第2ポート噴射弁を操作する処理を含む請求項1記載の内燃機関の制御装置。 - 前記高次脈動推定処理は、前記検出値に基づき前記第1燃料貯蔵部材内の圧力の平均値を算出する平均値算出処理を含み、前記減算処理によって算出された減算値から前記平均値を減算することに基づき、前記高周波数の共鳴による圧力脈動を推定する処理である請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
- 前記噴射弁操作処理は、
前記第1ポート噴射弁に対する噴射量の指令値を取得する取得処理と、
前記内燃機関のクランク軸の単位回転当たりの噴射量を逐次推定される前記合成波に応じた前記第1燃料貯蔵部材内の圧力の平方根に比例し前記内燃機関のクランク軸の回転速度に反比例するものとし、前記第1ポート噴射弁から噴射される燃料量が前記指令値と等しくなる前記クランク軸の回転角度間隔を算出する間隔算出処理と、を含み、前記回転角度間隔を前記第1ポート噴射弁による前記燃料噴射期間とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記高周波数が前記低周波数の2倍である請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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