JP2020002454A - 金属多孔質成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より簡易に金属多孔質成形品を製造することができる、金属多孔質成形品の製造方法を提供する。【解決手段】金属多孔質成形品の製造方法であって、金属多孔質成形品成形のための母型1の表面に形成された導電層2の表面に向けて微小粒子3を衝突させることで、微小粒子が衝突した箇所の導電層を剥離させ、導電層2に前記母型1表面まで貫通した微小な孔2aを形成する第1工程と、界面活性剤を含有しない電鋳液に母型を浸漬させ、導電層2表面に対して電鋳を行う第2工程とを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、金属多孔質成形品の製造方法に関する。
従来から、用途に応じ、金属成形品に貫通孔を設け、多孔質にする場合がある。例えば、金型表面の形状を成形品に転写する金型において、金型表面から裏面にかけて、金型表面の形状に影響がない程度に十分に小さな貫通孔が多数設けられた通気性金型の製造が行われる場合がある。この通気性金型は、多数の貫通孔から吸引することで、成形品を金型表面に密着させ、金型表面の形状を正確に成形品に転写することができる。
この通気性金型の製造方法としては、例えば、特許文献1に、通気性金型成形のためのマンドレル(母型)の表面に設けられた導電層に対し多数の短繊維を植毛し、植毛された導電層に対し電鋳を行う通気性金型の製造方法が挙げられている。この製造方法によれば、電鋳の際、植毛された短繊維とその短繊維先端の延長線上には金型を構成する金属が電着しない。したがって、導電層表面の植毛箇所に相当する箇所に貫通孔が形成された通気性金型を製造することができる。
特開平2−225687号公報
しかしながら、特許文献1の製造方法では、導電被膜に対し多数の短繊維を植毛するのが煩雑である。さらに、通気性金型を母型から離形したとき、通気性金型の貫通孔には短繊維が残る場合があり、この短繊維を除去する必要性が生じる分、さらに製造作業の煩雑さが増す懸念があった。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、より簡易に通気性金型を製造することができる、通気性金型の製造方法を提供することを目的とする。
そのための手段として、本発明は、金属多孔質成形品の製造方法であって、金属多孔質成形品成形のための母型の表面に形成された導電層の表面に向けて微小粒子を衝突させることで、微小粒子が衝突した箇所の導電層を剥離させ、導電層に母型表面まで貫通した微小な孔を形成する第1工程と、界面活性剤を含有しない電鋳液に母型を浸漬させ、導電層表面に対して電鋳を行う第2工程とを有する。
これによれば、界面活性剤を含有しない電鋳液を使用していることにより、電鋳の際、導電層表面に発生した水素が導電層から離れにくい。同時に、導電層表面に発生した水素は、導電層に形成され、母型表面まで貫通した微小な孔に集まりやすい。その結果、微小な孔に相当する箇所には集まった水素に阻害され、金型を構成する金属が電着しない。したがって、電鋳により成形される金型には微小な孔の位置に合わせて貫通孔が形成される。このため、例えば、短繊維を多数植毛する方法等よりも簡易に金属多孔質成形品を製造することができる。
さらに、第1工程を、射出口から空気圧で多数の微小粒子を射出する射出装置を用い、導電層から射出口を所定の距離で離しつつ、射出口を移動させ、当該射出口から多数の微小粒子を射出し、導電層表面全体に亘って衝突させることで、微小な孔を導電層全体に亘って形成する工程とすることができる。これによれば、射出口から導電層までは所定の距離が置かれているため、導電層に形成される微小な孔の大きさを一定に制御しやすくなる。このため、金属多孔質成形品にできる貫通孔の大きさも一定に制御しやすい。また、導電層全体に亘って微小な孔が設けられているため、出来上がった金属多孔質成形品にも全体に亘って貫通孔が形成される。このため、できあがった通気性金型は全体で均一に吸引しやすくなる。これにより、例えば金属多孔質成形品の一つである通気性金型から樹脂成型品への転写性も向上する。
そして、微小粒子が導電層を構成する材料よりも硬質な材料から構成されるものとすることもできる。これによれば、微小粒子の構成材料が、導電層の構成材料よりも硬質なことでより確実に導電層の剥離が起こる。衝突させる微小粒子の大きさや、衝突した場所に合わせ、導電層に微小な孔がより正確に形成される。
また、導電層を構成する材料が銀とすることもできる。これによれば、銀は導電率が高く、電鋳をより正確に行うことができるため、金属多孔質成形品の製造性が向上する。
さらに、微小粒子が球形であり、微小粒子の外径が、導電膜の膜厚の15〜30倍であるものとすることもできる。これによれば、微小粒子が球形であることで、微小粒子の衝突の仕方が一定となり、導電層に形成される微小な孔の形や大きさも一定となりやすい。微小粒子の外径がかかる大きさであれば、導電膜をより確実に剥離させることができるため、導電層に形成される微小な孔の大きさや場所の正確性をより向上させることが可能である。
また、製造される金属多孔質成形品を通気性金型とすることができる。これによれば、貫通孔が形成された通気性金型を製造することができる。
また、製造される金属多孔質成形品を繊維強化プラスチック成形用の金属成形治具とすることもできる。これによれば、繊維強化プラスチックをより正確に成形できる金属成形治具を製造することができる。
本発明の通気性金型の製造方法によれば、より簡易に通気性金型を製造することができる。
原型を示す側面図である。 原型に対して形成される反転型を示す側面図である。 反転型に形成される母型を示す側面図である。 導電層を設けられた母型を示す側面図である。 母型表面の導電層に向けて、微小粒子を射出した様子を示す模式図である。 導電層に対し、微小粒子を衝突させた様子を示す模式図である。 母型表面の導電層に対し電鋳を行う様子を示す模式図である。 導電層表面に通気性金型が成形される様子を示す模式図である。 繊維強化プラスチック成形用の金属成形治具を示す模式図である。 金属成形治具で繊維強化プラスチックの成形する過程を示す模式図である。
(実施形態1)
以下に、本発明の金属多孔質成形品の製造方法の一例として、通気性金型の製造方法である実施形態1について図面を参照して説明する。まず、本実施形態において通気性金型成形のために使用される母型1の製造手順について図1〜3を用いて説明する。図1に示すように、最終的に通気性金型により成形される成形品と同一形状を備えた原型6が形成される。原型6は加工しやすいよう、例えば木製とすることができる。原型6の表面6aには、必要に応じて例えば皮しぼ模様等の細密な凹凸模様を有するビニールレザー等をシートワックス等によって貼り付ける。このビニールレザー等の模様が、最終的に成形品の表面に転写される模様となる。
図2に示すように、原型6を型取りすることで、原型6の外形とは逆の凹凸形状有する反転型7が形成される。反転型7は、例えば原型6の表面部にシリコン樹脂を注型して硬化させ、その後原型6から離型することにより得ることができる。
図3に示すように、反転型7をさらに反転させることで、母型1を形成することができる。母型1は、例えば反転型7を形成する樹脂とは別の樹脂を注型して硬化させ、その後反転型7から離型することにより得ることができる。これにより、形成される母型1の外形は、原型6の外形とほぼ同じものとなる。
続いて、母型1から電鋳により、通気性金型を製造する方法について図4〜8を用いて説明する。図4に示すように、母型1の表面に対しては導電層2が形成される。導電層2はほぼ均一な厚さで形成されることにより、母型1の表面形状(凹凸形状の他、上述した皮しぼ模様等の細密な凹凸模様も含む)がそのまま導電層2の表面に現れる。導電層2は、例えば、塗布やスプレーによる吹き付けの他、湿式の無電解めっき、乾式の真空メッキ等によっても形成することができる。導電層2を構成する材料としては、導電性のある材料、例えば、金、銀、銅、ニッケル、グラファイト等とすることができるが、銀で構成することが好ましい。銀は導電率が高く、効率よく正確に電鋳を行うことができるためである。なお、導電層2を形成する前に、予め母型1の洗浄を行っておくのが好ましい。母型1の表面の汚れの粒子等が、導電層2の表面の形状に影響を及ぼすのを防ぐためである。
続いて、図5に示すように、射出装置10の射出口10aから微小粒子3を多数射出し、導電層2の表面に衝突させる。射出装置10は、例えば空気圧あるいは水圧で微小粒子3を射出することができる。図6に示すように、微小粒子3は導電層2に衝突すると、導電層2から剥離片2bを剥離させ、導電層2に母型1の表面まで貫通した微小な孔2aを形成する。ここで、射出口10aを導電層上方から全体に亘って移動させることで、射出された微小粒子3により導電層2の表面全体に亘って衝突させることが好ましい。微小な孔2aは、導電層2の全体に亘って形成されることで、出来上がった通気性金型にも全体に亘って貫通孔が形成されるため、できあがった通気性金型は全体で均一に吸引しやすくなり、通気性金型から樹脂成型品への転写性が向上するからである。
微小粒子3を構成する材料としては、例えば、ステンレス、スチール、銅、セラミックス、ガラス、珪砂等とすることができるが、導電層2を構成する材料よりも硬質な材料であることが好ましい。微小粒子3を構成する材料が導電層2よりも硬質な材料であることにより、微小粒子3が衝突した箇所の導電層2から、剥離片2bが確実に剥離するためである。
微小粒子3の外形としては、いかなる形状でも構わないが、球形であることが好ましい。球形であれば、微小粒子3が導電層2の表面に対し、常に同じように衝突するため、導電層2に形成される微小な孔2aの大きさ、形状も一定となりやすい。また、微小粒子3の外径は、導電層2を剥離させられる程度ならどのような大きさでも構わないが、導電層2の膜厚の15〜30倍であることが好ましい。微小粒子3の外径が、膜厚の15倍未満である場合には、導電層2を確実に剥離させることが難しくなる場合がある。微小粒子3の外径が、膜厚の30倍よりも大きいと必要以上に導電層2を剥離させてしまい、電鋳が十分に行えなくなるおそれがある。
なお、微小粒子3を射出する位置や微小粒子3を射出する速度は、導電層2が剥離しすぎて目的とする大きさの微小な孔2aを形成できないことがないよう、あるいは微小粒子3が衝突しても導電層2が剥離しないことがないよう、適宜調整を行えばよい。
続いて図7に示すように、導電層2を施した母型1を電鋳液4に浸漬させる。電鋳液4は、従来から使用されるものを使用でき、電鋳にて導電層2の表面に積層する金属の種類により使い分けられる。具体的には、積層する金属のイオンを含有する電鋳液が用いられる。
電鋳液4に採用可能なものとしては、例えば、電鋳により銅を積層させる場合には、シアン化銅電鋳液、ピロリン酸銅電鋳液、硫酸銅電鋳液等の銅イオンを含有する電鋳液が挙げられる。ニッケルの電鋳を行う場合には、スルファミン酸ニッケル電鋳液、硫酸ニッケル電鋳液等のニッケルイオンを含有する電鋳液が挙げられる。クロムの電鋳を行う場合には、六価クロム電鋳液のクロムイオンを含有する電鋳液が挙げられる。亜鉛の電鋳を行う場合には、シアン化亜鉛電鋳液、ノーシアン化亜鉛電鋳液等の亜鉛イオンを含有する電鋳液が挙げられる。錫の電鋳を行う場合には、アルカリ性錫電鋳液、酸性錫電鋳液等の錫イオンを含有する電鋳液が挙げられる。
シアン化銅電鋳液としては、例えば、シアン化第一銅、シアン化ナトリウムを有するものであり、pHとしては11〜12のものを用いることができる。ピロリン酸銅電鋳液としては、例えば、ピロリン酸銅、ピロリン酸、アンモニア水を有するものであり、pHとしては8.2〜8.8のものを用いることができる。硫酸銅電鋳液としては、例えば、硫酸銅、硫酸を有するものを用いることができる。スルファミン酸ニッケルとしては、例えば、スルファミン酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸を有するものであり、pHとしては3.0〜4.0のものを用いることができる。硫酸ニッケル電鋳液としては、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、塩酸を有するものであり、pHとしては4.0〜5.5のものを用いることができる。六価クロム電鋳液としては、例えば、無水クロム酸、硫酸を有するものを用いることができる。シアン化亜鉛電鋳液としては、例えば、シアン化亜鉛、塩化亜鉛、シアン化ナトリウムを有するものを用いることができる。ノーシアン化亜鉛電鋳液としては、例えば、塩化亜鉛、水酸化ナトリウムを有するものであり、pHとしては4.5〜5.5のものを用いることができる。アルカリ性錫電鋳液としては、例えば、錫酸ナトリウム、水酸化ナトリウムを有するものを用いることができる。酸性錫電鋳液としては、例えば、硫酸第一錫、硫酸を有するものを用いることができる。
ただし、電鋳液4には、例えばラウリル硫酸ナトリウム等といった界面活性剤を含有しないものとする。界面活性剤を含んでいる場合、導電層2の表面から、表面で発生した水素が剥離してしまい、形成される金型に貫通孔が全く形成されないこととなるためである。
図7に示すように、電鋳液4に浸漬させた母型1の導電層2と、導電層2の表面に積層させる予定の金属(例えば、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、錫等)から構成される電極12とを直流電源13を介して接続する。これにより、陽極である電極12からは、電極12を構成する金属が金属イオン(例えば、銅イオン、ニッケルイオン、クロムイオン、亜鉛イオン、錫イオン、コバルトイオン)となって電鋳液に溶出する。この金属イオンの一部、または電鋳液4に溶解している金属イオンの一部が、陰極である導電層2の表面に電着し、金属層として積層する。この金属層の積層により、通気性金型5が形成される(図8参照)。
図8に示すように、導電層2には微小な孔2aが複数箇所に形成されている。電鋳の際、導電層2の表面では電気分解により水素ガスの気泡が発生する。電鋳液4が界面活性剤を含まないため、水素ガスの気泡は、導電層2の表面から剥離することはなく、母型が露出した微小な孔2aの中に集まりやすい。このため、微小な孔2aの上方には、電着が起こらず、電鋳を続けても微小な孔2aの上方には金属が積層しない。このため、かかる導電層2の表面に電鋳を行うと、形成される通気性金型5における微小な孔2aに相当する箇所には貫通孔5aが形成される。
本実施形態においては、微小な孔2aは導電層2の全体に亘って形成されている。このため、通気性金型5に形成される貫通孔5aも、通気性金型5の全体に亘って形成されている。この通気性金型5によれば、通気性金型5全体で吸引可能であるため、通気性金型5の成形品全体を満遍なく吸引し、正確に成形品に目的とする表面形状、あるいは模様を転写することができる。
(実施形態2)
以下、実施形態2について説明する。実施形態1は通気性金型の製造方法であったが、かかる製造方法は実施形態2にかかる繊維強化プラスチック(FRP)成形用の金属成形治具にも適用できる。繊維強化プラスチック成形用の金属成形治具の製造方法は、基本的に実施形態1の通気性金型の製造方法と共通する。以下、本実施形態2に係る方法で製造されたこの繊維強化プラスチック成形用の金属成形治具(以下単に「金属成形治具」と称することもある)について説明する。
従来の繊維強化プラスチック成形においては、例えば、まず炭素繊維等の強化線維に対し、樹脂を含浸させた状態で硬化させる前の状態のシート状部材を用意する。かかるシート状部材は一般にプリプレグシートと呼ばれる。続いて、繊維強化プラスチックの目的形状の反転型の形状をした成形治具を用意する。この成形治具に対し、前述のプリプレグシートを載置する。プリプレグシートが載置された成形治具を袋状の真空バックの中に入れ、真空バックの中を減圧する。すると真空バックが成形治具に密着し、プリプレグシートが成形治具に押し付けられる。その後、この真空バックに包まれた成形治具をプリプレグシートが密着した状態のまま、オートクレーブ内に入れ、加圧、加熱して硬化させることで、目的の形状の繊維強化プラスチックを形成することができる。
しかしながら、かかる成形治具を用いる場合、真空バック内を減圧し、真空バックを成形治具に密着させてプリプレグシートの形状を定めている。すなわち、真空バックの内圧と大気圧の差でプリプレグシートを成形治具に密着させている。このため、プリプレグシートを成形治具に対し大気圧以下でしか密着させられず、成形治具の外部形状に完全には沿わせ難いという懸念があった。したがって、例えば、成形治具の外部形状が複雑なものである場合、あるいは成形治具の外部形状が微細なものである場合、繊維強化プラスチックを目的の形状に正確に転写することができないとの懸念もあった。また、成形治具の外部形状をできるだけ正確にプリプレグシートに転写することを考えた場合、プリプレグシートの全体を厚み方向に直接的に密着させる方法の方が、より正確に外部形状にプリプレグシートを沿わせられることが期待できる。
ここで、図9に示すように、実施形態2の製造方法で製造された繊維強化プラスチック成形用の金属成形治具8には、全体的に亘って微小な貫通孔8aが設けられている(図9、図10はあくまでも模式図であるため、貫通孔8aは大きく見えるが、実際は一見して視認しにくいほどに小さく形成することが可能である)。そして、図10に示すように、この金属成形治具8に対し、プリプレグシート15を被せた状態で貫通孔から吸引することで、プリプレグシート15を金属成形治具に密着させる(図10の矢印A参照)。
これにより、真空バック内にプリプレグシートを載せた成形治具を真空バック内に入れて減圧するよりも、より強く(大気圧以上で)プリプレグシート15を成形治具に密着させることができる。したがって、プリプレグシート15に金属成形治具8の外部形状がより正確に転写され、強化プラスチックの成形の正確性も向上する。また、金属成形治具8は貫通孔8aにより、プリプレグシート15の厚み方向に吸引するため、金属成形治具8の外部形状はより正確にプリプレグシート15に転写されやすい。さらに、貫通孔8aは微小であるため、金属成形治具8の外部形状に影響ない。したがって、プリプレグシート15に金属成形治具8の外部形状が正確に転写されるのを妨げない。
そして、本実施形態2の製造方法で製造した金属成形治具8には、微小な貫通孔8aが全体に亘って設けられている。このため、プリプレグシート15全体を均一に吸引することができるため、金属成形治具8の外部形状がプリプレグシート15に転写する形状にムラが少なくなる。すなわち、異なる金属成形治具8を用いても、プリプレグシート15に転写される形状にばらつきがでにくくなる。
さらに、吸引力は貫通孔8aから吸引する空気の量や速度によって調整可能である。このため、プリプレグシート15の柔らかさや強度に合わせ、プリプレグシート15を成形することが可能である。
なお、このプリプレグシート15を金属成形治具8に吸着させた状態で、加圧及び加熱が可能なオートクレーブ内でプリプレグシート15を硬化させることで、目的の形に成形された繊維強化プラスチックを得ることが可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、図を用いて上述した実施形態1,2に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。本発明の製造方法によって製造される金属多孔質成形品としては、例えば貫通孔から吸引することで、ワークを吸い付け、移動させる真空クランプのようなものの製造方法にも適用できる。
また、母型の制作方法は、実施形態で示したものだけに限られない。例として挙げれば、対象の基材表面を機械加工して製作する方法、研磨した基材の表面に感光性樹脂を塗布し、その後光を照射することで、樹脂による模様や形状を基材表面に転写する方法等、物理的、化学的なエッチング法によって製作することもできる。
また、母型の形状は、図示されるものに限られず、目的とする形状に合わせ種々の形状にしてもよい。
また、上記実施形態において、微小粒子3は射出装置10によって一度に多数射出されるとされているが、一つずつ射出するようなものでも構わない。また、微小粒子を射出する手段としては、空気圧を用いた射出装置でなくてもよく、例えば物理的なはじき出しによる打ち出しを用いるものであっても構わない。
1 母型
2 導電層
2a 微小な孔
3 微小粒子
4 電鋳液
5 通気性金型
8 金属成形治具
10 射出装置
10a 射出口

Claims (7)

  1. 金属多孔質成形品の製造方法であって、
    前記金属多孔質成形品のための母型の表面に形成された導電層の表面に向けて微小粒子を衝突させることで、前記微小粒子が衝突した箇所の前記導電層を剥離させ、前記導電層に前記母型表面まで貫通した微小な孔を形成する第1工程と、
    界面活性剤を含有しない電鋳液に前記母型を浸漬させ、前記導電層表面に対して電鋳を行う第2工程とを有する、金属多孔質成形品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の金属多孔質成形品の製造方法であって、
    前記第1工程が、射出口から多数の前記微小粒子を射出する射出装置を用い、前記導電層から前記射出口を所定の距離で離しつつ、前記射出口を移動させ、該射出口から前記多数の前記微小粒子を射出し、前記導電層表面全体に亘って衝突させることで、前記微小な孔を前記導電層全体に亘って形成する工程である、金属多孔質成形品の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の金属多孔質成形品の製造方法であって、
    前記微小粒子が前記導電層を構成する材料よりも硬質な材料から構成される、金属多孔質成形品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の金属多孔質成形品の製造方法であって、
    前記導電層を構成する材料が銀である、金属多孔質成形品の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の金属多孔質成形品の製造方法であって、
    前記微小粒子が球形であり、前記微小粒子の外径が、前記導電層の膜厚の15〜30倍である、金属多孔質成形品の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の金属多孔質成形品の製造方法であって、
    前記金属多孔質成形品が通気性金型である、金属多孔質成形品の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の金属多孔質成形品の製造方法であって、
    前記金属多孔質成形品が繊維強化プラスチック成形用の金属成形治具である、金属多孔質成形品の製造方法。
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