JP2020002419A - 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法 - Google Patents

堆積膜形成装置および堆積膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 堆積膜形成装置において防着部材として機能する円筒状部材への付着膜からの微小な剥がれの発生を抑制する。【解決手段】 円筒状基体10Aを収容してその外周面に堆積膜を形成するための堆積室20と、円筒状基体10Aを囲むように配置された、放電空間に高周波放電またはパルス放電によるプラズマを生成するための電極21と、放電空間に原料ガスを導入するための管状体91と、円筒状基体10Aを囲むように配置された、高周波またはパルス波による電磁誘導で発熱する発熱材を含む絶縁性セラミックスからなる円筒状部材90とを備える堆積膜形成装置100である。堆積膜の形成中における円筒状部材90への付着膜からの微小な剥がれの発生を抑制することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、原料ガスを放電空間においてプラズマによって分解し、円筒状基体の外周面に堆積膜を形成するための堆積膜形成装置および堆積膜形成方法に関する。
電子写真感光体あるいは半導体デバイスの形成時における堆積膜の形成には、真空気密可能な反応容器である堆積室において、原料ガスをプラズマによって分解して基体の表面に堆積膜を形成するプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相堆積)法が
好適に採用される。
とりわけ、アモルファスシリコン(非晶質シリコン、以下、a−Siとも表記する)系の材料を用いた電子写真感光体、太陽電池、イメージセンサ、光センサあるいは薄膜トランジスタ等の製作には、主にグロー放電を利用したプラズマCVD法による堆積膜形成装置が用いられている。
この堆積膜形成装置は、例えばa−Si系電子写真感光体の製作用としては、軸方向を上下方向に配置して円筒状基体を収容し、その外周面にa−Si系の堆積膜を形成するための堆積室と、円筒状基体を囲むように配置され、円筒状基体の周囲の放電空間に放電によるプラズマを生成するための電極と、放電空間に原料ガスを導入するための原料ガス導入手段とを備えるものが用いられる。
従来の堆積膜形成装置としては種々の態様のものが知られている。例えば、堆積室としては、円筒状基体を単数または複数収容する、円筒状または直方体状のものなどがある。このとき、堆積室内の真空排気は、堆積室の下方から行なうことが一般的である。電極としては、堆積室と一体化されて円筒状基体を囲む円筒状のもの、あるいは堆積室中に円筒状基体に対向するように上下方向に配置された棒状のものなどがある。原料ガス導入手段としては、堆積室中に複数の管状体として配置されたものなどがある。また、円筒状基体は堆積膜の形成中に加熱されるが、その加熱手段としては、円筒状基体の内部に配置されるヒータなどがある。
また、円筒状基体への堆積膜の形成に伴って反応容器である堆積室の内面にも膜が形成されるのを防止するために、堆積室内に円筒状基体を取り囲むように配置された、円筒状の防着部材が用いられることもある。
特開平11−343573号公報 特開2003−129243号公報
プラズマCVD法の堆積膜形成装置によってa−Si系電子写真感光体を製作する場合には、円筒状基体にa−Si系の堆積膜を形成していくにつれて、放電空間を形成している堆積室の内周面にも同様に膜が形成されることになる。そのように堆積室の内周面に膜が形成されると、堆積膜形成装置を繰り返し使用して効率よく電子写真感光体を製作することが困難になる。そこで、そのような膜の形成を防止する目的で、例えば円筒状の防着部材を、円筒状基体および原料ガス導入手段を取り囲むように堆積室内に配置することが
行なわれる。
しかしながら、防着部材の内周面に形成される膜は、円筒状基体の外周面に形成される堆積膜とは異なって、粉体状になったり脆弱な膜質の膜になったりする傾向があり、堆積膜の形成中に微小な剥がれを生じて堆積室内に飛散し、それらが堆積膜に付着することによって球状突起などの膜欠陥の原因となるという問題点があった。そして、球状突起などの膜欠陥は、電子写真感光体の膜質の均一性を損ない、画像形成において黒点あるいは白点などの画像不良を引き起こすという問題があった。
そこで、防着部材に形成される膜からの微小な剥がれの発生を抑制し、堆積膜における球状突起などの膜欠陥の原因を低減して、電子写真感光体の膜質の均一性の向上、ひいては画像品質の向上を図ることが可能な堆積膜形成装置および堆積膜形成方法が望まれている。
本発明に係る堆積膜形成装置は、円筒状基体を収容して該円筒状基体の外周面に非晶質材料を含む堆積膜を形成するための堆積室と、前記円筒状基体を囲むように配置された、前記円筒状基体との間の放電空間に高周波放電またはパルス放電によるプラズマを生成するための電極と、前記放電空間に原料ガスを導入するための原料ガス導入手段と、前記円筒状基体を囲むように配置された、高周波またはパルス波による電磁誘導で発熱する発熱材を含む絶縁性セラミックスからなる円筒状部材とを備えることを特徴とする。
本発明に係る堆積膜形成装置において、前記絶縁性セラミックスは、酸化物系、炭化物系および窒化物系の少なくとも1種からなり、前記発熱材は、金属および導電性セラミックスの少なくとも1種からなることが好ましい。
本発明に係る堆積膜形成装置において、前記絶縁性セラミックスは、アルミナセラミックスであり、前記発熱材は、鉄系金属からなることが好ましい。
本発明に係る堆積膜形成装置において、前記原料ガス導入手段は、前記放電空間内に上下方向に配置された管状体からなり、該管状体に形成された導入口から前記原料ガスを導入することが好ましい。
本発明に係る堆積膜形成装置において、前記原料ガスは、水素化珪素および炭化水素の少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明に係る堆積膜形成方法は、上記の堆積膜形成装置を用いて、前記堆積室に前記円筒状基体を収容し、前記原料ガス導入手段によって前記放電空間に前記原料ガスを導入し、前記電極によって前記放電空間に放電によるプラズマを生成して、前記円筒状部材に囲まれた前記円筒状基体の外周面に非晶質材料を含む堆積膜を形成することを特徴とする。
本発明に係る堆積膜形成装置によれば、堆積室と、電極と、原料ガス導入手段と、円筒状基体を囲むように配置された、高周波またはパルス波による電磁誘導で発熱する発熱材を含む絶縁性セラミックスからなる円筒状部材とを備えることから、円筒状部材が放電空間においてプラズマを生成するための高周波またはパルス波による電磁誘導で発熱する発熱材を含むことによって、堆積膜の形成中に円筒状部材が加熱され、その表面の温度を上げることができる。これにより、円筒状部材を防着部材として機能させて堆積室の内周面への膜の付着を防ぎつつ、円筒状部材に付着する膜について粉体化を防止して膜化を促進したり、脆弱な膜質を改善したりして膜質を向上させることができ、その結果、堆積膜の
形成中に円筒状部材に付着する膜からの微小な剥がれの発生を抑制することができる。従って、堆積膜における球状突起などの膜欠陥の原因を低減して、電子写真感光体の膜質の均一性の向上、ひいては画像品質の向上を図ることが可能となる。
本発明に係る堆積膜形成方法によれば、本発明に係る堆積膜形成装置を用いて、発熱材を含む円筒状部材に囲まれた円筒状基体の外周面に非晶質材料を含む堆積膜を形成することから、円筒状部材を防着部材として機能させて堆積室の内周面への膜の付着を防ぎつつ、円筒状部材に付着する膜の膜質を向上させて微小な剥がれの発生を抑制することができる。従って、堆積膜における球状突起などの膜欠陥の原因を低減して、電子写真感光体の膜質の均一性の向上、ひいては画像品質の向上を図ることが可能となる。
本発明に係る堆積膜形成装置の実施形態の一例の概略構成を示す模式的断面図である。 (a)は電子写真感光体の一例の概略構成を示す断面図であり、(b)はA部を拡大して感光体層の構成の例を示す断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ本発明に係る堆積膜形成装置の実施形態の例の概略構成を示す模式的横断面図である。
図2(a)は本発明に係る堆積膜形成装置によって製作する電子写真感光体の一例の概略構成を表す断面図であり、図2(b)はその一部(A部に相当)を拡大して示す断面図である。図2(a)に示すように、電子写真感光体10は、導電性の円筒状基体10Aおよび円筒状基体10Aの外周面上に形成された感光体層10Bを有しており、電子写真方式の画像形成装置において画像信号に基づいた静電潜像やトナー像が表面に形成されるものである。この電子写真感光体10は、必要に応じて両端部にフランジFが嵌合によって固定され、これを介して画像形成装置内に回転可能に搭載される。
図2に示した例の電子写真感光体10(以下、感光体10ともいう。)は、導電性の円筒状基体10A(以下、基体10Aともいう。)の外周面に、感光体層10Bとして電荷注入阻止層10B1、光導電層10B2および表面層10B3を順次積層形成したものである。この例の感光体層10Bはa−Si系の材料を用いたものであり、この場合の基本的な構成について説明する。
基体10Aは、感光体10において感光体層10Bの支持部材となるものであり、導電性を有する金属材料で円筒状に構成されている。金属材料としては、例えばアルミニウム(Al),ステンレス(SUS),亜鉛(Zn),銅(Cu),鉄(Fe),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),モリブデン(Mo),インジウム(In),ニオブ(Nb),テルル(Te),バナジウム(V),パラジウム(Pd),タンタル(Ta),スズ(Sn),白金(Pt),金(Au)および銀(Ag)が挙げられる。中でも、非晶質(アモルファス)シリコン系(a−Si系)材料によって感光体層10Bを形成する場合においてこの感光体層10Bとの密着性を高める観点からは、基体10AをAl系合金(例えばAl−Mn系合金,Al−Mg系合金,Al−Mg−Si系合金)によって構成したものが好ましい。
基体10Aにおける感光体層10Bの形成面(外周面)は、旋盤加工などによって表面処理が施される。表面処理としては、例えば鏡面加工および線状溝加工が挙げられる。また、両端部にはフランジFを装着(嵌合して固定)するためのインロー部である嵌合部が形成される。
感光体層10Bは、下部電荷注入阻止層10B1,光導電層10B2および表面層10B3を積層して形成したものであり、その厚みは例えば15μm以上90μm以下に設定される。
下部電荷注入阻止層10B1(以下、下部阻止層10B1ともいう。)は、基体10A側からの電荷が光導電層10B2側に注入されるのを阻止する役割を担うものである。具体的に、下部阻止層10B1は、正帯電の感光体10では基体10A側から光導電層10B2側に電子(負電荷)が注入されるのを阻止する機能を有している。また、負帯電の感光体10では基体10A側から光導電層10B2側にホール(正電荷)が注入されるのを阻止する機能を有している。
本例の下部阻止層10B1は、a−Siを主体とする非単結晶材料により構成される。ここで非単結晶材料とは、多結晶、微結晶あるいは非晶質の部分を含む材料を意味している。また、下部阻止層10B1は、正帯電用であれば周期表第13族元素を、負帯電用であれば周期表第15族元素を含んでいる。
第13族元素としては、硼素(B),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),インジウム(In)またはタリウム(Tl)などが挙げられる。第15族元素としては、窒素(N),燐(P),砒素(As),アンチモン(Sb)またはビスマス(Bi)などが挙げられる。これらの中で、プラズマCVD法、例えばグロー放電分解法による成膜時のドーピング濃度の制御容易性の観点からは、第13族元素としては硼素が、第15族元素としては窒素または燐が好ましい。
また、下部阻止層10B1は、酸素(O)または炭素(C)をさらに含んでいてもよい。下部阻止層10B1が酸素または炭素を含むことによって、基体10Aとの密着性が向上することとなるので好ましい。
上記の添加元素は、いずれも下部阻止層10B1中に実質的に均一に分布していてもよいし、層厚方向において不均一に分布している部位を有していてもよい。但し、分布濃度が不均一である場合は、基体10Aへの密着性の観点または残留電荷の発生を低減する観点から、基体10A側における添加元素の濃度が大きくなるように含有させるのが好ましい。なお、いずれの場合においても、面内方向における特性の均一化を図る観点から、基体10Aの表面に平行な面内方向において実質的に均一に分布しているのが好ましい。
下部阻止層10B1の厚さは、所望の電子写真特性および経済的効果などの観点から、0.1
μm以上10μm以下に設定される。下部阻止層10B1の厚さが0.1μm未満であると、基体10A側からの電荷の注入を充分に阻止することができない場合がある。他方、下部阻止層10B1の厚さが10μmを超えると、残留電荷が発生し、メモリ特性が悪化してしまう場合が
ある。
光導電層10B2は、レーザ光などの光照射によってキャリアを発生させる役割を担うものである。本例における光導電層10B2は、a−Siを主体とするものである。すなわち、シリコンを主体とする非単結晶材料により構成されており、微結晶シリコンを含んでなる場合は、暗導電率・光導電率を高めることができ、光導電層10B2の設計自由度を高めることができる。
光導電層10B2は、シリコンの未結合手(ダングリングボンド)を補償する観点から、水素およびハロゲン元素の少なくとも一方を含むものが好ましい。光導電層10B2における水素およびハロゲン元素の含有量の総和は、シリコンと水素とハロゲン元素との含有量の総和に対して1原子%以上40原子%以下とされるのが好ましい。光導電層10B2の原料としては、SiH,Siなどの水素化珪素(シラン類)またはSiF,Siなどのフッ化珪素が挙げられる。これらの原料は、必要に応じてHおよびHeの少なくと
も一方によって希釈してもよい。
また、光導電層10B2には、伝導性を制御するための伝導性制御元素を導入してもよい。伝導性制御元素としては、例えばp型伝導特性を付与する第13族元素およびn型伝導特性を付与する第15族元素が挙げられる。半導体特性に対する感応性あるいは光感度の観点から、第13族元素としては硼素、第15族元素としては燐が好ましい。特に、伝導性制御元素としては、光導電層10B2を真性型(i型)に近付けるべく第13族元素を採用するのが好ましい。光導電層10B2に対する伝導性制御元素の導入は、層形成時に、光導電層10B2の主たる構成元素とともに、伝導性制御元素を導入するための原料を必要に応じてHおよびHeなどのガスによって希釈して反応容器中に供給することによって行なう。光導電層10B2における伝導性制御元素の濃度は層厚方向に変化させてもよい。その場合は、光導電層10B2における伝導性制御元素の含有量は、光導電層10B2の全体における平均含有量が所定範囲内であればよい。
さらに、光導電層10B2には、炭素、酸素および窒素のうちの少なくとも1種の元素を含有させてもよい。この光導電層10B2の厚さ(層厚)は、所望の電子写真特性および経済的効果などの観点から、5μm以上100μm以下(好適には10μm以上80μm以下)に設定
される。
表面層10B3は、主として感光体10の耐湿性、繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性あるいは耐久性を高める役割を担うものであり、本例ではシリコンおよび炭素の少なくとも一方を主体とする非単結晶材料によって構成される。具体的には、水素化アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC:H)あるいは水素化アモルファスカーボン(a−C:H)で構成される。表面層10B3の厚さは、耐久性あるいは残留電位などの観点から、0.2μm以上1.5μm以下(好適には、0.5μm以上1μm以下)に設定される。
なお、以上のような感光体層10Bの各層に加えて、例えば光導電層10B2と表面層10B3との間に、表面層10B3側から光導電層10B2へと表面電荷が注入されるのを阻止するために上部電荷注入阻止層を配置したりして、所望の電子写真特性が得られるように設計しても構わない。
また、感光体層10Bは、帯電器によって所定の電位に表面電荷を帯電し、露光器からのレーザ光などの照射によってキャリアを発生して静電潜像を形成するためのものであるので、そのような電子写真特性を有するものであれば種々の材料が適用できる。
以下、本発明に係る堆積膜形成装置および堆積膜形成方法について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る堆積膜形成装置の実施形態の一例の概略構成を示す模式的断面図である。この堆積膜形成装置100は、感光体10における下部阻止層10B1、光導電層10B2お
よび表面層10B3をグロー放電分解法によって基体10A上に形成する成膜装置であって、グロー放電分解法によるプラズマCVD装置である。
堆積膜形成装置100は、反応室でもある堆積室20と円筒状の電極21と支持機構30と直流
電圧供給機構40と温度制御機構50と回転機構60とガス供給機構70と排気機構80と円筒状部材90と管状体91とを備えている。
堆積室20は、基体10Aに対して各層となる堆積膜を形成するための空間であり、円筒状の電極21と、一対のプレート22,23と、絶縁部材24,25とにより仕切られている。
電極21は、堆積膜の形成空間を仕切るとともに、グロー放電を発生させるために基体10A側を第1導体とした場合の第2導体としての役割を担うものである。すなわち円筒状の電極21は、円筒状基体10Aを囲むように配置された、円筒状基体10Aとの間の放電空間に放電によるプラズマを生成するための電極である。電極21は、基体10Aと同様の導電性材料で構成されており、本例では絶縁部材24,25を介して一対のプレート22,23と一体化されている。本例における電極21は、支持機構30に支持させた基体10Aと円筒状の電極21との距離が所定の範囲となるように構成されている。
電極21は、その一端において接地されている。なお、電極21の接地は必須の条件ではなく、後述のパルス波を印加する直流電源41とは別の基準電源に接続する構成としてもよい。電極21を直流電源41とは別の基準電源に接続する場合に、基準電源における基準電圧は、例えば−1500V以上1500V以下とされる。このように直流電源41によって直流電力でプラズマを生成する場合には、例えば30kHzなどのパルス波として電極21に電力が印加される。また、プラズマの生成に例えば13.56MHzあるいは50MHz以上450MHz以下、例えば105MHzなどの周波数の高周波電力を使用する場合には、基体10A側を接地して、電極21に高周波電力を印加する構成としてもよい。
なお、本例における電極21は堆積室20を形成する真空気密可能な容器を兼ねる円筒状の部材であるが、後述するように、電極は、基体10Aを中心軸とした円周上に配置された、複数の棒状または板状の部材からなるものであってもよい。
プレート22は、堆積室20の開放状態と閉塞状態とを選択することができるように着脱可能な構成とされており、プレート22を開閉することによって堆積室20に対する後述の支持体31の出し入れが可能となっている。プレート22は、基体10Aと同様の導電性材料で形成されており、その下面側に防着板26が取り付けられている。これにより、プレート22に対して堆積膜が形成されるのが防止されている。なお、防着板26は、基体10Aと同様の導電性材料で形成されており、プレート22に対して着脱自在とされている。
プレート23は、堆積室20のベースとなるものであり、基体10Aと同様の導電性材料で形成されている。プレート23と電極21との間に介在する絶縁部材25は、電極21とプレート23との間にアーク放電が発生するのを抑制する役割を担うものである。このような絶縁部材25は、例えばガラス材料(ホウ珪酸ガラス,ソーダガラス,耐熱ガラスなど)、無機絶縁材料(セラミックス,石英,サファイヤなど)、あるいは合成樹脂絶縁材料(ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂,ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリアミド,ビニロン,エポキシ,マイラー,ポリエーテルエーテルケトンなど)で形成することができる。絶縁部材25の材料としては、絶縁性を有し、使用温度で充分な耐熱性があり、真空中でガスの放出が小さい材料であれば特に限定はない。
プレート23および絶縁部材25には、ガスの排気口23A,25Aおよび圧力計27が設けられている。排気口23A,25Aは、堆積室20の内部の気体を排出する役割を担うものであり、排気機構80に接続されている。圧力計27は、堆積室20の圧力をモニタリングするためのものであり、公知の種々のものを使用することができる。
支持機構30は、基体10Aを支持するとともに、グロー放電を発生させる第1導体としての役割を担うものである。支持機構30は、支持体31と導電性支柱32と絶縁材33とを含んで構成されている。本例における支持機構30は、2つの基体10Aを支持することができる長さ(寸法)に形成されており、支持体31が導電性支柱32に対して着脱自在とされている。このような構成によると、支持した2つの基体10Aの表面に直接触れることなく、堆積室20に対して2つの基体10Aの出し入れを行なうことができる。
支持体31は、フランジ部31aを有する中空状の部材であり、基体10Aと同様の導電性材料によって全体が導体として構成されている。
導電性支柱32は、導板32aを有する筒状の部材であり、基体10Aと同様の導電性材料によって全体が導体として構成されている。導電性支柱32は、その上端部において支持体31の内壁面に当接するように構成されている。
絶縁材33は、導電性支柱32とプレート23との間の電気的絶縁性を確保する役割を担うものであり、堆積室20の略中央において導電性支柱32とプレート23との間に介在している。
直流電圧供給機構40は、導電性支柱32に直流電圧を供給する機構であり、直流電源41および制御部42を有している。
直流電源41は、導電性支柱32に印加する直流電圧を発生させる役割を担うものであり、導板32aを介して導電性支柱32に接続されている。
制御部42は、直流電源41の動作を制御する役割を担うものであり、直流電源41に接続されている。制御部42は、直流電源41の動作を制御して、導電性支柱32を介して支持体31に例えばパルス状の直流電圧を印加できるように構成されている。
なお、本例はグロー放電を発生させるのに直流グロー放電を利用する装置であるが、直流電源41に代えて13.56MHzあるいは50MHz以上450MHz以下、例えば105MHzの
周波数などの高周波電源(RF電源、VHF電源など)を使用して、高周波グロー放電を利用する装置であってもよい。
温度制御機構50は、基体10Aの温度を制御する役割を担うものであり、例えばセラミックパイプ51およびヒータ52を有している。
セラミックパイプ51は、絶縁性および熱伝導性を確保する役割を担うものであり、導電性支柱32の内部に収容されている。
ヒータ52は、基体10Aを加熱する役割を担うものであり、導電性支柱32の内部に収容されている。基体10Aの温度制御は、例えば支持体31あるいは導電性支柱32に熱電対(図示せず)を取り付け、そのモニタ結果に基づいてヒータ52をオン/オフ制御することによって行なわれる。なお、ヒータ52としては、例えばニクロム線またはカートリッジヒータが挙げられる。
回転機構60は、支持体31を回転させる役割を担うものであり、回転モータ61と回転導入端子62と絶縁軸部材63と絶縁平板64とを有している。回転機構60によって支持機構30を回転させて成膜を行なう場合は、支持体31とともに基体10Aが回転するため、原料ガスの分解成分を基体10Aの外周に対して略均等に堆積させる上で好適である。
回転モータ61は、基体10Aに回転力を付与する役割を担うものである。回転モータ61は、例えば基体10Aを1rpm以上10rpm以下の一定の回転数で回転させるように動作制御される。回転モータ61としては、公知の種々のものを使用することができる。
回転導入端子62は、堆積室20内を所定の真空度に保ちながら絶縁軸部材63に回転力を伝達する役割を担うものである。このような回転導入端子62としては、回転軸を2重もしくは3重構造とした、オイルシールあるいはメカニカルシールなどの真空シール手段を用い
ることができる。
絶縁軸部材63および絶縁平板64は、支持機構30とプレート22との間の絶縁状態を維持しつつ、回転モータ61からの回転導入端子62を介した回転力を支持機構30に伝達する役割を担うものである。これらは例えば絶縁部材25と同様の絶縁材料で形成されている。
絶縁平板64は、プレート22を取り外す際に落下するゴミあるいは粉塵などの異物が基体10Aに付着するのを防止する役割を担うものである。このような絶縁平板64を有する場合は、基体10Aに異物が付着することに起因する異常放電の発生を抑制することができ、膜欠陥の発生を抑制することができる。
ガス供給機構70は、複数の原料ガスタンク71〜74と、複数の配管71A〜74Aと、複数のバルブ71B〜74B,71C〜74Cと、複数のマスフローコントローラ71D〜74Dとを含んでおり、配管75および供給口を介して原料ガス導入手段である管状体91に接続されている。
各原料ガスタンク71〜74は、原料ガスが充填されたものである。原料ガスとしては、例えば水素化珪素であるSiH,H,B,炭化水素であるCH,NあるいはNOが用いられる。特に前述のようにa−Si系ならびにa−SiC系およびa−C系の材料によって感光体層10Bを形成するには、原料ガスには、水素化珪素および炭化珪素の少なくとも一方を含むことが好ましい。
バルブ71B〜74B,71C〜74Cおよびマスフローコントローラ71D〜74Dは、堆積室20に導入するガス成分の流量、組成およびガス圧を調整するためのものである。なお、ガス供給機構70においては、各原料ガスタンク71〜74に充填すべきガスの種類あるいは複数の原料ガスタンク71〜74の数は、基体10Aに形成すべき堆積膜の種類あるいは組成に応じて適宜選択すればよい。
排気機構80は、堆積室20のガスを排気口23A,25Aを介して外部に排出する役割を担うものであり、例えばメカニカルブースタポンプ81およびロータリーポンプ82を有している。これらのポンプ81,82は、圧力計27でのモニタリング結果によって動作制御されるものである。すなわち、排気機構80では、圧力計27でのモニタリング結果に基づいて、堆積室20を所定の真空状態に維持するとともに、堆積室20のガス圧を目的値に設定する。なお、堆積室20の圧力は、例えば1Pa以上100Pa以下とされる。
円筒状部材90は、堆積室20内に円筒状基体10Aを囲むように配置された、絶縁性セラミックスからなる円筒状の防着部材である。円筒状部材90は、内周面が放電空間に生成されるプラズマを取り囲むように配置される。そして、円筒状部材90は、絶縁性セラミックスからなるものであるとともに、高周波またはパルス波による電磁誘導で発熱する発熱材を含んでいる。そのため、基体10Aと電極21との間にプラズマを生成するための高周波またはパルス波の電力が印加される時に、発熱材が発熱して、円筒状部材90を加熱することができる。これにより、基体10Aへの堆積膜の形成中に同時に膜が付着する円筒状部材90の内周面の温度を高めることができ、付着する膜について、粉体化を抑制して膜化を促進したり、脆弱な膜質を向上して密着性が改善された膜としたりすることができる。その結果、円筒状部材90に付着する膜からの微小な剥がれの発生を抑制して、基体10Aへの堆積膜における球状突起などの膜欠陥の原因を低減することができる。
また、円筒状部材90は、その外側に位置する電極21あるいは堆積室20を形成する容器の内周面への膜の付着を防止する防着部材として機能し、堆積膜を形成した基体10Aを取り出す際に膜が付着した状態で一緒に取り出し、清掃・洗浄済みの円筒状部材90に交換することで、堆積室20内をクリーンな状態に保つことができる。
円筒状部材90に用いる絶縁性セラミックスとしては、Al,MgO,ZrO,SiO,Yなどを主成分とするアルミナ,ムライト,コージェライトなどの酸化物系セラミックス、炭化珪素(SiC)などの炭化物系セラミックス、および窒化珪素(Si),窒化アルミ(AlN),窒化硼素(BN)などの窒化物系セラミックスの少なくとも1種からなるものが挙げられる。これらの材料を用いて、公知の製造方法によって所望の寸法の円筒状部材90が作られる。円筒状部材90には、絶縁性セラミックスとして、上記の材料の中でもAlを主成分とするアルミナセラミックスを用いるのが、放電時の消費電力を低減することができるという点で好ましい。
また、円筒状部材90に用いる発熱材としては、高周波またはパルス波による電磁誘導で発熱するものであれば種々の材料を用いることができ、例えば金属および導電性セラミックスの少なくとも1種からなるものが挙げられる。金属としては、例えば鉄,炭素鋼,鉄ニッケル,コバルト合金,ステンレス鋼などの鉄系金属、あるいは銅,真鍮,アルミニウムなどの非鉄金属が挙げられる。導電性セラミックスとしては、例えばTiN,TiC,TiCN,導電性カーボンブラック,カーボンセラミックスなどが挙げられる。発熱材としては、所望の発熱状態が得られるように、以上の材料を適宜組み合わせて用いればよい。
これら発熱材は、絶縁性セラミックスの中に粉末状あるいはフレーク状などで含まれている。粉末状の発熱材の大きさとしては、材料の比透磁率にもよるが、1μm〜数mmのものを用いればよい。またその大きさも必ずしも一様である必要はなく、ほぼ一様な大きさのものを用いてもよいし、所望の発熱状態が得られるように、投入される電力に対する発熱効率に応じて、あるいは使用する材料に応じて、種々の大きさのものを混ぜて用いてもよい。発熱材の形状としては特に整った形状または揃った形状に限定されるものではなく、球状、フレーク状あるいは不定形状などで構わない。
円筒状部材90における発熱材の含有量は、発熱材として用いる材料に応じて、所望の発熱状態が得られるように、また必要以上に電力を消費しないように、予め装置に合わせて試作し評価して適切な値、例えば絶縁性セラミックスに対して0.1質量%以上10質量%以
下といった範囲に設定すればよい。
発熱材には、上記の材料の中でも、比透磁率が大きく誘導加熱での発熱を効率よく行なえる鉄系金属(例えば炭素鋼では約1000)を用いることが、消費電力を抑えつつ比較的少ない含有量で効果的に円筒状部材90を加熱できる点で好ましい。一方、加熱の程度を比較的抑えたい場合には、比透磁率が小さいアルミニウム(比透磁率が約1)またはカーボン(比透磁率が約1)を用いればよい。また、円筒状部材90において上下方向または周方向などでいくつかの領域に分けて発熱材による発熱量に分布を設けたい場合には、その分布に合わせて発熱材の材料を選定したり、発熱材の含有量を設定したりすればよい。いずれの場合でも、公知の製造方法によって、母材となる絶縁性セラミックスに発熱材を含めた所望の寸法の円筒状部材90を作ることができる。
また、円筒状部材90は、例えば大型の堆積膜形成装置に用いる場合であれば、複数の部分に分割したものを組み合わせて構成するようにしてもよい。
放電空間への原料ガス導入手段である管状体91は、例えば複数本が円筒状部材90の内側に基体10Aを囲むように配置される。図1には基体10Aを挟んで基体10Aの全体をカバーする長さで両側に1本ずつが示されている。管状体91は周方向には3本〜8本程度が例えば同じ円周上に等間隔で配置される。管状体91は、例えば絶縁部材25に取り付けられて、ガス供給機構70からの配管75がプレート23を介して接続されており、外周面に原料ガスの
放電空間への複数の導入口91bを複数有している。
管状体91における複数の導入口91bは、管状体91の内部に供給されたエッチングガスまたは原料ガスを基体10Aに向けて放電空間に吹き出して導入するための開口であり、図の上下方向において例えば等間隔あるいは堆積膜の分布に合わせた間隔で配置される。導入口91bの向きは、基体10Aに向かう方向であっても、基体10Aから逸れる方向であってもよい。これら管状体91の径、形状、本数および配置、ならびに複数の導入口91bの孔径、形状および配置については、適宜設定可能である。
このような構成は、特許文献1(特開平8−316150号公報)および特許文献2(特開2003−129243号公報)にも開示されている周知のものである。原料ガス導入手段に複数の管状体91を用いることにより、その配置および導入口91bの配置を調整することによって、基体10Aの外周面に形成される堆積膜の膜厚、膜質および膜特性の均一化を図ることができる。
管状体91の材料としては、導電性でも絶縁性でもよい。導電性の材料としては、例えばAl,Cr,Mo,Au,In,Nb,Te,V,Ti,Pt,Pd,Feなどの金属およびこれらの合金、例えばステンレス鋼などが挙げられる。絶縁性の材料としては、例えばAl,MgO,ZrO,SiO,Yなどを主成分とするアルミナ,ムライト,コージェライトなどの酸化物系セラミックス、炭化珪素などの炭化物系セラミックス、および窒化珪素,窒化アルミ,窒化硼素などの窒化物系セラミックスの少なくとも1種からなるものが挙げられる。
堆積膜形成装置100では、下方に排気口23A,25Aを備え、基体10Aを囲む管状体91に
上下方向に複数設けられた原料ガスの導入口91bを備えている関係で、堆積膜の形成中に例えば円筒状部材90の上部に付着する付着膜が粉体化する傾向がある。これに対し、円筒状部材90が、放電空間にプラズマを生成するために電極21から供給される高周波またはパルス波による電磁誘導で発熱する発熱材を含む絶縁性セラミックスからなることから、基体10Aへの堆積膜の形成中に発熱材による発熱によって温度が高くなる領域を発熱材の分布などによって所望の位置に設定できるので、例えば円筒状部材90の上部の温度を中央部および下部に比べて高くなるように設定することによって、付着膜の粉体化を抑制して中央部および下部と同じように膜化を促進し、堆積膜の形成中における付着膜からの微小な剥がれの発生を抑制することができる。
堆積膜としてa−Si系膜を形成する場合は、形成する堆積膜の膜特性などに応じて、堆積膜形成中の円筒状部材90の温度は、例えば80℃以上140℃以下の範囲になるように、
プラズマの生成のために投入される電力を考慮して発熱材の種類および含有量などを設定すればよい。また、円筒状部材90の上部、中央部および下部において付着する膜の状態が異なる傾向がある場合には、それに応じて温度の分布を持つように設定すればよい。
このように、堆積室20内に複数の基体10Aが上下方向に配置されている場合には、円筒状部材90における発熱材による発熱は、上側に位置する基体10Aの上部に対向する領域における温度が他の領域における温度よりも高くなるように設定することが好ましい。複数の基体10Aが上下方向に配置されている場合には上側の基体10Aの上部に対向する領域において円筒状部材90への付着膜の粉体化がより生じやすい傾向にあるためである。
なお、堆積膜の形成条件によって円筒状部材90への付着膜が粉体化する領域あるいは膜質が脆弱となる領域が上下方向で変わって異なる分布になる場合には、その変化に応じて発熱材の分布および材料を調整し、発熱材による発熱の分布を調整して、円筒状部材90の所望の領域の温度を上げたり下げたりするように適宜に設定すればよい。
以上のような堆積膜形成装置100においては、特に電極21、円筒状部材90および管状体91については、種々の変更が可能である。いくつかの実施形態の例を、図3を参照して説
明する。図3(a)〜(c)は、それぞれ本発明に係る堆積膜形成装置の実施形態の例の概略構成を示す模式的横断面図である。図1に示した堆積膜形成装置100における構成に
対応する同じ構成には同じ参照符号を付して説明は省略する。
図3(a)に示す例は、図1に示した堆積膜形成装置100における構成を示すものであ
り、10Aは円筒状基体、21は堆積室20の容器を兼ねる電極、90は円筒状部材、91は原料ガス導入手段である管状体である。この例では、円筒状の電極21の中央に配置された基体10Aを囲むように円筒状部材90が配置されており、その内側に基体10Aを囲むように4本の管状体91が基体10Aと同心円の円周上に等間隔で配置されている。ここでは基体10Aと円筒状部材90との間の空間が放電空間となる。この例では、円筒状基体10Aを囲むように円筒状の電極21が配置されていることから、放電空間にプラズマを生成する高周波放電またはパルス放電のための電力が、基体10Aと電極21との間で均等に印加される。従って、放電空間におけるプラズマの分布を基体10Aの周囲で均等にすることが容易である。
図3(b)に示す例は、電極21に代えて堆積室20の容器となる円筒状の真空気密可能な容器20Aを用い、その内側に管状体91と同様に上下方向に長い棒状の電極92が、基体10Aを囲むように複数本、ここでは8本が基体10Aと同心円の円周上に等間隔で配置されている。円筒状部材90はそれら電極92の内側に基体10Aを囲むように配置され、その内側に4本の管状体91が基体10Aと同心円の円周上に等間隔で配置されている。ここでも基体10Aと円筒状部材90との間の空間が放電空間となる。容器20Aは、導電性でも絶縁性でもよい。また、電極92は上下方向に長い板状であってもよい。この例では、放電空間を基体10Aの近傍に集中させながら、電極92の配置によって放電空間におけるプラズマの分布を基体10Aの周囲で所望の分布に調整することが可能となる。
図3(c)に示す例は、図3(b)に示す例とは円筒状部材90と電極92との配置を入れ替えて、円筒状の容器20Aの内側に円筒状部材90が配置され、その内側に上下方向に長い棒状の8本の電極92が基体10Aを囲むように同心円の円周上に等間隔で配置され、さらにその内側に4本の管状体91が基体10Aと同心円の円周上に等間隔で配置されている。ここでも基体10Aと円筒状部材90との間の空間が放電空間となるが、電極92が円筒状部材90の内側に配置されていることから、プラズマの分布は円筒状部材90側よりも基体10A側でより強いものとなる。この例では、放電空間を基体10Aの近傍に集中させながら、円筒状部材90への膜の付着を比較的抑制し、電極92の配置によって放電空間におけるプラズマの分布を基体10Aの周囲で所望の分布に調整することが可能となる。この場合にも、電極92によって円筒状部材90に印加される高周波またはパルス波による電磁誘導で発熱材が発熱する。
なお、以上の例では1本または上下に2本重ねた円筒状基体10Aを堆積室20の中央に配置した例を示したが、基体10Aは堆積室20内に複数本を円周上に配置するようにしてもよい。その場合には、基体10Aの配置に応じて管状体91および電極92は公知の種々の構成で配置すればよく、円筒状部材90は、電極21の内側、複数の電極92の内側、または複数の電極92の外側に、基体10Aを囲むように配置すればよい。いずれの構成においても、円筒状部材90に含まれた発熱材は、高周波またはパルス波による電磁誘導で発熱させることができる。
次に、堆積膜形成装置100を用いた堆積膜の形成方法について、感光体10(図2参照)
を作製する場合を例にして説明する。
まず、堆積膜形成装置100のプレート22を取り外して、複数(図1では2つ)の基体10
Aを支持した支持機構30を堆積室20の内部にセットし、再びプレート22を取り付ける。支持機構30における2つの基体10Aの支持は、支持体31のフランジ部31a上において、下ダミー基体D1,基体10A,中間ダミー基体D2,基体10Aおよび上ダミー基体D3を順次積み上げる形で行なわれる。各ダミー基体D1〜D3としては、例えば、全体が導電性を有する構成のもの、あるいは絶縁体の表面に導電性膜を形成した構成のものが使用できるが、中でも基体10Aと同様の構成のものが特に好ましい。
下ダミー基体D1は、主として基体10Aの高さ位置を調整する役割を担うものである。中間ダミー基体D2は、主として隣接する基体10Aの端部間に不均一な放電が発生するのを抑制する役割を担うものである。中間ダミー基体D2の長さは、不均一な放電の発生を充分に抑制できる長さ(例えば1cm以上)に設定される。また、その外周面側角部に曲面加工(例えば曲率半径0.5mm以上)あるいは面取り加工(カットされた部分の軸方向
の長さおよび深さ方向の長さがそれぞれ0.5mm以上)を施したものが採用される。ただ
し、中間ダミー基体D2は必要に応じて用いればよく、省略しても構わない。上ダミー基体D3は、主として支持体31に堆積膜が形成されるのを抑制する役割を担うものである。上ダミー基体D3としては、その上側端部が支持体31の最上部よりも上方に突出するように構成されたものが採用される。
また同じ工程で、基体10Aを囲むように、清掃・洗浄済みの円筒状部材90および管状体91を所定の位置に配置する。なお、以前の堆積膜形成におけるこれら部材への膜の形成が、清浄なものへの交換を必要としない許容できる程度であれば、配置済みの取付け状態を確認しておけばよい。また、前回の堆積膜形成後に円筒状部材90および管状体91を配置したままエッチングガスなどによって堆積室20内部を清浄な状態にした場合にも、同様に配置済みの取付け状態を確認しておけばよい。
次いで、温度制御機構50によって基体10Aを所定温度に制御するとともに、排気機構80によって堆積室20を減圧する。基体10Aの温度制御は、ヒータ52を発熱させることによって所定温度近傍まで昇温させた後、ヒータ52をオン/オフすることによって所定温度に維持するように行なわれる。基体10Aの温度は、その表面に形成すべき膜の種類および組成によって適宜設定されるが、例えばa−Si系膜を形成する場合は200℃以上300℃以下の範囲に設定される。
一方、堆積室20の減圧は、圧力計27での堆積室20の圧力をモニタリングしつつ、メカニカルブースタポンプ81およびロータリーポンプ82の動作を制御することにより、排気口23A,25Aを介して堆積室20からガスを排出させることによって行なわれる。なお、原料ガス導入前における堆積室20の減圧は、例えば1×10−3Pa程度に至るまで行なわれる。
次いで、基体10Aの温度および内周面の温度を所定温度で制御しつつ、堆積室20を所定圧力まで減圧した状態で、ガス供給機構70によって堆積室20に原料ガスを供給するとともに、電極21と支持体31との間に例えばパルス状の直流電圧を印加する。これにより、電極21と支持体31(基体10A)との間にグロー放電によるプラズマが生成されて原料ガスが分解され、その分解成分が基体10Aの表面に堆積することとなる。これにより、円筒状基体10Aの外周面にa−Si系材料などの所望の非晶質材料を含む堆積膜が形成される。
その時、円筒状部材90はパルス波(パルス状の直流電圧)による電磁誘導で発熱材が発熱することによって、その内周面(放電空間側の面)に堆積膜とは膜質が異なる付着膜が良好な密着性で付着し、微小な剥がれの発生を抑制しつつ堆積することとなる。
排気機構80においては、圧力計27でモニタリングしつつ、メカニカルブースタポンプ81
およびロータリーポンプ82の動作を制御することにより、堆積室20の圧力を所定範囲(例えば1Pa以上100Pa以下)に維持する。すなわち、堆積室20の内部は、ガス供給機構70におけるマスフローコントローラ71D〜74Dと排気機構80におけるポンプ81,82によっ
て圧力を所定範囲に維持する。
堆積室20への原料ガスの供給は、バルブ71B〜74B,71C〜74Cの開閉状態を適宜制御しつつ、マスフローコントローラ71D〜74Dを制御することにより、原料ガスタンク71〜74の原料ガスを所望の組成および流量で、配管71A〜74A,75および供給口、絶縁部材25を介して中空状の管状体91の内部に導入することによって行なわれる。管状体91の内部に導入された原料ガスは、管状体91の側面に形成された複数の導入口91bを介して所定の向きで、例えば基体10Aに向けて吹き出されて放電空間に導入される。そして、バルブ71B〜74B,71C〜74Cおよびマスフローコントローラ71D〜74Dによって原料ガスの組成を適宜変化させる。
一方、電極21と支持体31との間におけるパルス状直流電圧の印加は、電極21が接地されている場合は、−3000V以上−50V以下(好適には−3000V以上−500V以下)の負のパ
ルス状直流電位V1となるように行なわれる。また、電極21が基準電源(図示せず)に接続されている場合は、基準電源から供給される電位V2を基準電位として、目的とする電位差ΔV(例えば−3000V以上−50V以下)となるように行なわれる。また、支持体31(基体10A)に対して負のパルス状電圧を印加する場合は、基準電源から供給される電位V2は、例えば−1500V以上1500V以下に設定される。制御部42は、直流電圧の周波数(1/T[秒])が300kHz以下に、Duty比(T1/T)が20%以上90%以下になるように直流電源41を制御する。本例におけるDuty比とは、パルス状の直流電圧の1周期T(基体10Aと電極21との間に電位差が生じた瞬間から、次に電位差が生じた瞬間までの時間)における電位差発生時間T1が占める時間割合と定義する。例えば、Duty比が20%とは、パルス状の電圧を印加する際の1周期に占める電位差発生時間が1周期全体の20%であることを意味する。パルス状の電圧の周波数としては、例えば30kHz,60KHz,120KHzなどを挙げることができる。
また、パルス波(パルス状の電圧)を印加するのに代えて、13.56MHzなどのRF、
あるいは50MHz以上450MHz以下、例えば105MHzのVHFといった高周波の電力を印加してもよい。
以上のようにして、基体10Aの表面に、下部阻止層10B1、光導電層10B2および表面層10B3が順次積層形成される。なお、下部阻止層10B1と光導電層10B2との間および光導電層10B2と表面層10B3との間には、界面を有していなくても有していてもよい。この間の界面の有無は、所望の電子写真特性および成膜工程の効率などを考慮して選択すればよい。
本発明に係る堆積膜形成装置100およびこれを用いる堆積膜形成方法によれば、発熱材
を含む円筒状部材90を基体10Aを囲むように配置し、基体10Aへの堆積膜の形成中に、発熱材を電磁誘導で発熱させて加熱される円筒状部材90を備えることから、円筒状部材90を防着部材として機能させて堆積室20の内周面への膜の付着を防ぎつつ、円筒状部材90の内周面への付着膜の粉体化を抑制して膜化を促進したり膜質を向上させたりすることができ、堆積膜の形成中における付着膜からの微小な剥がれの発生を抑制することができる。これにより、堆積膜における球状突起などの膜欠陥の原因を低減し、膜質の均一性の向上を図ることができる。
本発明に係る堆積膜形成装置および堆積膜形成方法は、以上の実施形態の例に限定されるものではなく、発明の要旨および思想から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、基体10Aとして上下に2つを配置した例が示されているが、前述のように、円筒状基体は1つでもよく、3つ以上を上下に配置してもよい。さらに、基体10Aを円筒状の堆積室20の中央の1箇所に配置した例が示されているが、堆積室の中に例えば同心円状の複数箇所に基体を配置して、それら基体を囲むように円筒状の電極または複数の棒状あるいは板状の電極を配置してもよい。いずれの場合も、基体を囲むように配置された、発熱材を含む円筒状部材を備えることで、円筒状部材を防着部材として機能させて堆積室の内周面への膜の付着を防ぎつつ、円筒状部材の内周面への付着膜の粉体化を抑制したり膜質を向上させたりして、堆積膜の形成中における付着膜からの微小な剥がれの発生を抑制することができる。
円筒状基体として外径が108mmで軸方向の長さが360mmのアルミ素管を用意し、図1に示す構成の堆積膜形成装置を用いて、その外周面に堆積膜としてa−Si系の感光体層を形成した。なお、円筒状基体は1本とし、上下にそれぞれ長さが60mmのダミー基体を配置し、堆積膜形成装置の大きさ(高さ)はそれに合わせたものを用意した。
また、絶縁性セラミックスとして純度99.9%のアルミナ(Al)セラミックスを用い、発熱材の材料、粒径(平均粒径)および含有量を表1に示すように設定して、それぞれ実施例1〜3および比較例の円筒状部材を製作した。ここで円筒状部材の寸法は、内径を250mm、高さを500mm、厚みを6mmとした。
Figure 2020002419
まず、これら円筒状部材を堆積膜形成装置に配置し、基体に感光体層を形成する時の真空度にし、プラズマを生成する条件でパルス波の電力を印加して、円筒状部材の温度を測定した。電力の条件は光導電層を形成する時の条件とし、−800V,30KHzとした。ま
た、プラズマを生成するための電力による円筒状部材の温度を測定するために、基体を加熱するヒータはオフとした。温度を測定する位置は、基体の上部(基体における高さ300
mm)、中央部(高さ180mm)および下部(高さ60mm)とした。各測定場所における
円筒状部材の温度は、表2に示す結果であった。
Figure 2020002419
表2に示すように、実施例1〜3において、ここでは80〜130℃の温度となるように発
熱材を設定したが、材料の特性に対応して、実施例1の炭素鋼粉末は発熱の効率が良好であることが伺える。
次に、これら円筒状部材を用いて、それぞれ基体に感光体層の形成を行なった。感光体層を構成する堆積膜の形成条件の詳細な説明は省略するが、形成される感光体層の全厚みは20μmとした。その内訳は、厚みが3μmのa−Si系の電荷注入阻止層、厚みが16μmのa−Si系の光導電層、厚みが1μmのa−SiC系およびa−C系の積層型の表面層である。そして、得られたそれぞれの感光体について、感光体層における膜欠陥の個数を調べた。膜欠陥は、感光体の上部(高さ240〜360mm)、中央部(高さ120〜240mm)および下部(高さ0〜120mm)の全周について、φ0.2mm以上の大きさの球状突起の個数を数えた。その結果を表3に示す。
Figure 2020002419
表3に示すように、実施例1〜3においてはいずれも上部および中央部で2〜5個程度であり、膜欠陥が比較的多くなる傾向が見られる下部においても、10個未満であった。これに対して、比較例においては上部では5個と比較的良好であったが、中央部では12個、下部では25個と多くなった。これは、円筒状部材が加熱されないことによって、付着した膜からの微小な剥がれが発生して、感光体層での膜欠陥の原因になったものと考えられる。
また、作製した感光体のそれぞれを電子写真方式の画像形成装置に装着して印画を実施し、その印画結果から画像欠陥を判定したところ、膜欠陥の結果と同様の画像欠陥が確認された。
以上の結果から、本発明に係る堆積膜形成装置および堆積膜形成方法によれば、防着部材として機能する円筒状部材に付着する膜からの微小な剥がれの発生を抑制し、堆積膜における膜欠陥の原因を低減して、堆積膜の膜質の均一性の向上、ひいては感光体としての画像品質の向上を図ることが確かめられた。
10A…円筒状基体(基体)
20…堆積室
21,92…電極
90…円筒状部材
91…管状体(原料ガス導入手段)
100…堆積膜形成装置

Claims (6)

  1. 円筒状基体を収容して該円筒状基体の外周面に非晶質材料を含む堆積膜を形成するための堆積室と、
    前記円筒状基体を囲むように配置された、前記円筒状基体との間の放電空間に高周波放電またはパルス放電によるプラズマを生成するための電極と、
    前記放電空間に原料ガスを導入するための原料ガス導入手段と、
    前記円筒状基体を囲むように配置された、高周波またはパルス波による電磁誘導で発熱する発熱材を含む絶縁性セラミックスからなる円筒状部材と
    を備える堆積膜形成装置。
  2. 前記絶縁性セラミックスは、酸化物系、炭化物系および窒化物系の少なくとも1種からなり、前記発熱材は、金属および導電性セラミックスの少なくとも1種からなる、請求項1に記載の堆積膜形成装置。
  3. 前記絶縁性セラミックスは、アルミナセラミックスからなり、前記発熱材は、鉄系金属からなる、請求項2に記載の堆積膜形成装置。
  4. 前記原料ガス導入手段は、前記放電空間内に上下方向に配置された管状体からなり、該管状体に形成された導入口から前記原料ガスを導入する、請求項1に記載の堆積膜形成装置。
  5. 前記原料ガスは、水素化珪素および炭化水素の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の堆積膜形成装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の堆積膜形成装置を用いて、
    前記堆積室に前記円筒状基体を収容し、
    前記原料ガス導入手段によって前記放電空間に前記原料ガスを導入し、
    前記電極によって前記放電空間に放電によるプラズマを生成して、
    前記円筒状部材に囲まれた前記円筒状基体の外周面に非晶質材料を含む堆積膜を形成する堆積膜形成方法。
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