JP2020002066A - 環状シロキサン化合物の製造方法、及び環状シロキサン化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状骨格を有するシロキサン化合物の効率的かつ選択的な製造法を提供すること。【解決手段】特定のシラン化合物と、アルコール化合物又は少なくとも2個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物とを、ホウ素触媒及び/又は遷移金属ヒドリド錯体触媒の存在下で反応させ、−Si−O−結合により環骨格を形成する工程を含む、前記環骨格を少なくとも1つ有する環状シロキサン化合物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、環状シロキサン化合物の製造方法、及び環状シロキサン化合物に関する。
ポリシロキサンに代表されるシロキサン化合物は、オイル、ゴム、レジン等の形態で、建築、電気、自動車、医療、生活用品等、産業上のさまざまな分野で利用される機能性化学品及び材料である。そのようなシロキサン化合物の高機能化及び高性能化を図るためには、熱的安定性等に優れた環状シロキサン構造を有する化合物を効率的に製造する方法や、より高機能及び高性能な環状シロキサン化合物の開発も重要な課題である。
一般的な環状シロキサンの製造方法としては、(A)クロロシラン類を加水分解させる方法(例えば、特許文献1及び2並びに非特許文献1及び2)や、(B)クロロシラン類とシラノール類を塩基存在下で反応させる方法(例えば、特許文献3並びに非特許文献3及び4)等が知られていた。
一方、シクロテトラシロキサンの対角位のケイ素原子同士をオキシシリレンオキシ基で結合した構造の化合物は、5個のケイ素原子を有する2環式5量体(ビシクロ[3.3.3]ペンタシロキサン)であり、分子内に2個のシクロテトラシロキサン骨格を有する。そのため、当該2環式5量体化合物は、単純なシクロテトラシロキサン化合物よりも優れた熱安定性等の物性を有することが期待される。そのような2環式5量体化合物としては、フェニル基やメチル基等の置換基を有する化合物が知られている。それらの製造方法としては、(C)クロロシラン類とシラノール類を塩基存在下で反応させる方法(例えば、特許文献4並びに非特許文献4及び5)や、(D)2環式オリゴシランのビシクロ[1.1.1]ペンタシランを酸化剤(m−クロロ過安息香酸)と反応させる方法(非特許文献6)等が報告されていた。
また、環状シロキサンの製造方法としては、(E)1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサンと、ジフェニルシランジオールとから、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート触媒の存在下で反応させることにより、環状4量体を得る方法が知られている(例えば、特許文献5及び非特許文献7)。
特公昭63−28893号公報 特開平07−285974号公報 特開平08−157487号公報 米国特許第3145225号明細書 米国第2013/79539号公報
有機ケイ素化合物の化学、206頁、化学同人(1972) Organosilicon Chemistry, p.48,Walter de Gruyter (1986) Silicon,6,21(2014) J. Gen. Chem. USSR, 54, 306 (1984) Z. Anorg. Allg. Chem., 636, 1212 (2010) Chem. Commun., 54, 268 (2018) Angewandte Chemie International Edition, 56, 8706 (2017)
しかし、前記の従来の製造方法は、下記の点で課題を有する。
(1)クロロシラン類を原料とする場合には、それらの加水分解で腐食作用がある塩化水素が生じやすいために原料化合物の取り扱いが容易でない。シランジオールを反応させる際にも、腐食性の塩化水素やその塩が生成するため、原料の保管や反応の容器、廃棄物の処理等に特別な注意が必要である(方法A,B、及びC)。
(2)2環式オリゴシランを原料とする場合は、原料化合物の製造が容易でなく、酸化反応でも高価な酸化剤が必要である(方法D)。また、環状シロキサン骨格を含む高分子系化合物は、熱的安定性や機械的特性等にすぐれた機能材料への応用が期待されるが、これまで製造されていなかった。
(3)特許文献5、及び非特許文献7の方法では、塩化水素が発生せず、高価な酸化剤を必要としないものの、目的物のシロキサン化合物の収率が低い。
これらのことから、従来技術の課題を解決できる、工業的により有利な方法が求められていた。
本発明は、環状骨格を有するシロキサン化合物の効率的かつ選択的な製造法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、所定の化合物を所定の触媒の存在下で反応させることによって、環状シロキサン化合物を効率よく製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、この出願は以下の発明を提供するものである。
[1]
下記式(1)で表される化合物と、アルコール化合物又は少なくとも2個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物とを、ホウ素触媒及び/又は遷移金属ヒドリド錯体触媒の存在下で反応させ、−Si−O−結合により環骨格を形成する工程を含む、前記環骨格を少なくとも1つ有する環状シロキサン化合物の製造方法。
(式(1)中、RA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
B1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかである。
ただし、RA1及びRA2の組み合わせ並びにRC1及びRC2の組み合わせとRB1及びRB2の組み合わせとは、互いに同一でない。)
[2]
A1、RA2、RC1及びRC2が、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
B1及びRB2が、それぞれ独立して、アリール基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかである、[1]に記載の製造方法。
[3]
前記環状シロキサン化合物が、前記環骨格を1つ有する化合物である、[1]に記載の製造方法。
[4]
前記環骨格を1つ有する化合物が、下記式(3)で表される化合物である、[3]に記載の製造方法。
(式(3)中、RA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
B1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
D1及びRD2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
p’は、0以上の整数である。
ただし、RA1及びRA2の組み合わせ並びにRC1及びRC2の組み合わせとRB1及びRB2の組み合わせとは、互いに同一でない。)
[5]
前記環状シロキサン化合物が、前記環骨格内のケイ素原子間で形成される架橋環を少なくとも1つ含む、2以上の環から構成される化合物であり、
前記環骨格を形成する工程において、前記式(1)で表される化合物(式(1)中、RB1及びRB2の少なくとも一方は、−OSi(RX1)(RX2)H基である。)と、少なくとも3個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物とを反応させる、
[1]に記載の製造方法。
[6]
前記環骨格内のケイ素原子間で形成される架橋環を少なくとも1つ含む、2以上の環から構成される化合物が、下記式(4)で表される化合物であり、
少なくとも3個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物が、式(A1−1)で表される化合物である、[5]に記載の製造方法。
(式(4)中、RA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
B2は、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
D2は、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
(式(A1−1)中、RD1は、アルコキシ基であり、
D2は、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
E1及びRE2は、アルキル基である。)
[7]
前記環状シロキサン化合物が、前記環骨格内のケイ素原子間で形成される架橋環を少なくとも1つ含む、2以上の環から構成される化合物であり、
前記環骨格を形成する工程において、前記式(1)で表される化合物(式(1)中、RB1及びRB2は、−OSi(RX1)(RX2)H基である。)と、少なくとも4個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物とを反応させる、
[1]に記載の製造方法。
[8]
前記環骨格内のケイ素原子間で形成される架橋環を少なくとも1つ含む、2以上の環から構成される化合物が、下記式(5)で表される構造を有する化合物であり、
少なくとも4個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物が、式(A1−2)で表される化合物である、[7]に記載の製造方法。
(式(5)中、RA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
X1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
nは、2以上の整数である。)
(式(A1−2)中、RD1及びRD2は、アルコキシ基であり、RE1及びRE2は、アルキル基である。)
[9]
前記環状シロキサン化合物が、少なくとも1つのスピロ環を含む、2以上の環から構成される化合物であり、
前記式(1)におけるRA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、RB1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
前記式(1)で表される化合物と、少なくとも2個のヒドロキシ基を有するシラン化合物とを、遷移金属ヒドリド錯体触媒の存在下で反応させ、さらに下記式(2)で表される化合物をホウ素触媒の存在下で反応させる工程を含む、
[1]に記載の製造方法。
(式(2)中、RA1'、RA2'、RC1'及びRC2'は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
B1'及びRB2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1')(RX2')H基(RX1'及びRX2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
nは、1以上の整数である。
ただし、RA1'及びRA2'の組み合わせ並びにRC1'及びRC2'の組み合わせとRB1'及びRB2'の組み合わせとは、互いに同一でない。)
[10]
前記少なくとも1つのスピロ環を含む、2以上の環から構成される化合物が、下記式(6)で表される構造を有する化合物である、[9]に記載の製造方法。
(式(6)中、Q1及びQ2は、それぞれ独立して以下の構造:
(RB1'、RB2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1')(RX2')H基(RX1'及びRX2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、RC1'、RC2'は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、nは1以上の整数である。)で表され、
B1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
D1及びRD2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
A1'及びRA2'は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
p及びNは、1以上の整数である。)
[11]
前記式(6)で表される構造を有する化合物が、下記式(6−1)で表される化合物である、[10]に記載の製造方法。
(式(6−1)中、Q1及びQ2は、それぞれ独立して以下の構造:
で表され、
B1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
D1及びRD2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
A1'及びRA2'は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
B1'及びRB2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1')(RX2')H基(RX1'及びRX2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
C1'及びRC2'は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
p及びnは、1以上の整数である。)
[12]
下記式(I)で表される、環状シロキサン化合物。
(式(I)中、Ra1、Ra2、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、
b1、Rb2、Rd1及びRd2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
mは、0〜2のいずれかの整数である。)
[13]
下記式(II)で表される、環状シロキサン化合物。
(式(II)中、Reは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及び、シロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
f、Rg1、Rg2、Rh1、Rh2、Ri1、及びRi2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)
[14]
下記式(III)で表される構造を有する、環状シロキサン化合物。
(式(III)中、Rj1、Rj2、Rk1、Rk2、Rl1、Rl2、Rm1、及びRm2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
nは、2以上の整数である。)
[15]
下記式(IV)で表される構造を有する、環状シロキサン化合物。
(式(IV)中、Rn1、Rn2、Ro1、Ro2、Rp1、Rp2、Rq1、Rq2、Rr1、Rr2、Rs1、及びRs2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
m1、m2、m3は、それぞれ独立して、1又は2の整数であり、
nは、1以上の整数である。
ただし、Rn1及びRn2の組み合わせ並びにRr1及びRr2の組み合わせと、Rp1及びRp2の組み合わせとは、互いに同一でない。)
本発明によると、環状シロキサン化合物の効率的な製造方法、その製造方法により得られた新規な環状シロキサン化合物、その化合物を含む組成物、並びにその組成物を含む耐熱性材料を提供することができる。
化合物12の1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRのスペクトルデータを示す図である。 化合物16の1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRのスペクトルデータを示す図である。 窒素雰囲気下で示差走査熱量分析により化合物16の熱物性を測定した結果を示す図である。 空気雰囲気下で示差走査熱量分析により化合物16の熱物性を測定した結果を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
[環状シロキサン化合物の製造方法]
本発明の製造方法は、下記式(1)で表される化合物と、アルコール化合物又は少なくとも2個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物とを、ホウ素触媒及び/又は遷移金属ヒドリド錯体触媒の存在下で反応させ、−Si−O−結合により環骨格を形成する工程を含む、前記環骨格を少なくとも1つ有する環状シロキサン化合物の製造方法である。
(式(1)で表される化合物)
本発明の製造方法における式(1)で表される化合物は、下記で表される。
式(1)中、RA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
B1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかである。
ただし、RA1及びRA2の組み合わせ並びにRC1及びRC2の組み合わせとRB1及びRB2の組み合わせとは、互いに同一でない。
式(1)における、RA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、RB1及びRB2は、それぞれ独立して、アリール基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであることが好ましい。
式(1)におけるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜10の、直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基、又はこれらの組み合わせの基を挙げることができ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、及びシクロヘキシル基が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、及びヘキシル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、及びプロピル基であり、さらに好ましくはメチル基、及びエチル基である。
式(1)におけるアルケニル基としては、例えば、炭素数1〜10の、直鎖状又は分岐状のアルケニル基を挙げることができ、具体的には、ビニル基、アリル基、及びブテニル基が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ビニル基である。
式(1)におけるアルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基を挙げることができ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、2,2-ジメチルプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、及び2-エチルヘキシルオキシ基が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、及びイソブチルオキシ基であり、より好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、及びイソプロピルオキシ基であり、さらに好ましくは、メトキシ基、及びエトキシ基である。
式(1)におけるアリール基としては、例えば、炭素数6〜10のアリール基を挙げることができ、具体的には、フェニル基、及びナフチル基が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、フェニル基である。
式(1)で表される化合物は、有機合成手法を用いて合成することにより得ることができ、例えば、特許文献4:米国特許第3145225号明細書、非特許文献4:J.Gen.Chem.USSR,54,306(1984)、非特許文献5:Z.Anorg.Allg.Chem.,636,1212(2010)、ACS Catal., 7, 1836(2017)を参照して製造することができる。
具体的には、以下に示すようにシランジオールとクロロシランとを塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。
(シランジオールにおけるRB1及びRB2は、式(1)におけるRB1及びRB2と同義である。クロロシランにおけるR1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかである。)
また、具体的には、RA1及びRA2の少なくも一方、並びに、RC1及びRC2の少なくとも一方が水素原子であるとき、以下に示すようにシランジオールとシランとを遷移金属及び必要に応じて配位子の存在下で反応させることにより得ることもできる。
(シランジオールにおけるRB1及びRB2は、式(1)におけるRB1及びRB2と同義である。シランにおけるR1及びR2の少なくとも一方は、水素原子であり、もう一方は、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかである。)
(アルコール化合物)
本発明の製造方法におけるアルコール化合物は、少なくとも1つのヒドロキシ基を有するアルコールであればよく、1価アルコールの他、2価アルコール、3価アルコールであってもよい。アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、メチルシクロヘキサノール、シクロヘキサノール、及びベンジルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ベンジルアルコールである。
(少なくとも2個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物)
本発明の製造方法における少なくとも2個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物は、少なくとも2個の、ケイ素原子とヒドロキシ基との結合(Si−OH)を含むケイ素化合物、又は、少なくとも2個の、ケイ素原子とアルコキシ基との結合(Si-OR)を有するケイ素化合物である。
少なくとも2個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物は、好ましくは下記式(A1)で表される。
式(A1)中、RD1及びRD2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、RE1及びRE2は、互いに同一であり、水素原子又はアルキル基であり、pは1以上の整数である。
上記シロキシ基とは、−O−Si−結合を少なくとも一つ含む鎖状又は分岐状の一価の基である。ここで、シロキシ基に含まれる少なくとも一つの−O−Si−は、当該−O−Si−中の酸素原子を介して式(A1)中のケイ素原子に結合する。
上記シロキシ基として、具体的には、下記に示すシロキシ基(S)(以下、「シロキシ基(S)」と表記する。)が好適に挙げられる。
上記シロキシ基(S)中、RS1及びRS2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基(S)からなる群より選ばれるいずれかであり、Z1は、任意の二価の有機基であり、RS3は、任意の一価の有機基である。fは、0又は1であり、Fは、1以上の整数である。Fの上限は、特に制限されないが、通常1000であり、好ましくは100であり、より好ましくは50である。
1の任意の二価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基等の炭素数1〜10のアルキレン基;フェニレン基、及びナフチレン基等の炭素数6〜10のアリーレン基;−Si(RS1')(RS2')−(RS1'及びRS2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかである);並びにこれらを組み合わせた基;が挙げられる。
S3の任意の一価の有機基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基が挙げられる。
式(A1)中のRE1及びRE2がいずれも水素原子であるとき、RD1及びRD2としては、好ましくは、アルキル基、アリール基又はアルケニル基であり、より好ましくは、アルキル基又はアリール基である。
pは、1〜2のいずれかの整数であることが好ましい。
式(A1)及びシロキシ基(S)における、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルコキシ基としては、式(1)における、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルコキシ基と同様の基を例示することができ、同様の好ましい基を挙げることができる。
(ホウ素触媒)
本発明の製造方法において使用されるホウ素触媒としては、ホウ素を含有するものであれば特に制限されず、例えば、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(2−フルオロフェニル)ボラン、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボラン、トリス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ボラン、トリメチルボラン、トリエチルボラン、トリス(トリフルオロメチル)ボラン、ジフェニルフルオロボラン、及びビス(ペンタフルオロフェニル)クロロボランが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。
(遷移金属ヒドリド錯体触媒)
本発明の製造方法において使用される遷移金属ヒドリド錯体触媒としては、遷移金属原子と水素原子との結合を有する錯体であれば特に制限されない。
遷移金属としては、例えば、銅、鉄、ロジウム、イリジウム、レニウム、タングステン、プラチナ、パラジウム、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、モリブデン、及びルテニウムが挙げられる。これらの中でも好ましくは銅及びルテニウムである。
遷移金属ヒドリド錯体には、ヒドリド以外の配位子が配位していてもよく、当該配位子としては、例えば、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリフェニルホスフィン、及び2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、一酸化炭素、シクロペンタジエンが挙げられる。
また、本発明の製造方法においては、遷移金属ヒドリド錯体が存在する系に別途配位子を添加してもよい。別途添加する配位子としては、上述した配位子に加え、キサントホス、1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパン、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチルエタン)等を挙げることができる。
本発明の製造方法における、ホウ素触媒又は遷移金属ヒドリド錯体触媒の使用量は、特に制限されないが、式(1)で表される化合物の物質量に対し、通常0.001〜1.0当量であり、好ましくは0.005〜0.50当量であり、より好ましくは0.01〜0.10当量である。
本発明の製造方法は溶媒の有無にかかわらず実施できる。溶媒を用いる場合には、アセトニトリル、プロピオニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル及びジブチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;等、原料と反応するものを除いた各種の溶媒が使用可能である。溶媒は、1種単独で、又は、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明の製造方法における反応を気相で行う場合、窒素等の不活性ガスを原料及び溶媒に混合して反応を行うこともできる。
溶媒を用いて反応を行う場合、目的とする生成物の種類によっては、触媒の種類、原料や生成物の溶解度、及び反応の選択性等の観点から、溶媒を適切に選択することが好ましい。
本発明の製造方法において、−Si−O−結合により環骨格を形成する反応を円滑に進行させる観点から溶媒を用いて反応を行うことが好ましい。
本発明の製造方法における溶媒は、触媒としてホウ素触媒を用いるとき、好ましくはケトン系溶媒、エーテル系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒である。
また、本発明の製造方法における溶媒は、反応を円滑に進行させる観点から、好ましくは芳香族炭化水素系溶媒であり、より好ましくはトルエンである。
溶媒の使用量は、式(1)で表される化合物と、アルコール化合物又は少なくとも2個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物との合計が、0.01〜5mol/Lとなるようにすることが好ましく、0.05〜1mol/Lとなるようにすることがより好ましく、0.05〜0.5mol/Lとなるようにすることがさらに好ましい。
本発明の製造方法において、式(1)で表される化合物と、アルコール化合物又は少なくとも2個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物との物質量比は、式(1)で表される化合物の物質量に対し、アルコール化合物又は少なくとも2個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物を0.1〜10当量とすることが好ましく、0.5〜3当量とすることがより好ましく、0.7〜1.5当量とすることがさらに好ましく、0.8〜1.2当量とすることがよりさらに好ましく、0.9〜1.1当量とすることがさらにより好ましい。
本発明の製造方法における反応は、反応温度や反応圧力に応じて、液相又は気相状態で行うことができる。また、反応装置の形態としては、バッチ型、フロー型等、従来知られている各種形態で行うことができる。
反応温度は、通常−30℃以上、好ましくは−20〜300℃、より好ましくは−10〜200℃、さらに好ましくは−10〜150℃である。
反応圧力は、通常0.1〜100気圧、好ましくは0.1〜50気圧、より好ましくは0.1〜20気圧、さらに好ましくは0.1〜10気圧である。
反応時間は、原料や触媒の量、反応温度、反応装置の形態等に応じて適宜調整すればよく、通常0.1〜1000時間、好ましくは0.1〜800時間、より好ましくは0.1〜500時間程度である。
本発明の製造方法における反応は、密閉系の反応装置でも進行するが、反応装置を開放系にして、反応生成物を反応系外に連続的に除去することにより、反応をより効率的に進行させることもできる。
本発明の製造方法によって生成した環状シロキサン化合物は、適宜の精製を行って単離することができ、当該精製は、蒸留、再結晶、再沈殿、クロマトグラフィー等の有機化学上通常用いられる手段により容易に達せられる。
本発明の製造方法において、−Si−O−結合により環骨格を形成する工程とは、具体的には以下の環骨格を形成する工程を指す。
本発明の製造方法により得られる環状シロキサン化合物は、−Si−O−結合により形成される環骨格を少なくとも1つ有する。環状シロキサン化合物は、上記で示した環骨格の波線で示した結合位置においてさらに−Si−O−結合を形成することによって、2以上の環骨格を含んでいてもよい。
ここで、環状シロキサン化合物が2以上の環骨格を含むとき、環状シロキサン化合物は、環骨格内のケイ素原子間で形成される架橋環を有する化合物、又は、環骨格内のケイ素原子の少なくとも1つがスピロ原子となってスピロ環を有する化合物である。
すなわち、本発明の製造方法により得られる環状シロキサン化合物は、1)−Si−O−結合により形成される環骨格を1つ有する化合物(以下、環状シロキサン化合物Aともいう。)、2)環骨格内のケイ素原子間で−Si−O−結合により形成される架橋を少なくとも1つ含む、2以上の環から構成される化合物(以下、環状シロキサン化合物Bともいう。)、及び、3)−Si−O−結合により形成される少なくとも1つのスピロ環を含む、2以上の環から構成される化合物(以下、環状シロキサン化合物Cともいう。)である。
<1)−Si−O−結合により形成される環骨格を1つ有する化合物>
環状シロキサン化合物Aは、好ましくは、下記式(3)で表される。
式(3)における、RA1、RA2、RB1、RB2、RC1、RC2、RD1及びRD2は、式(1)及び式(A1)における、RA1、RA2、RB1、RB2、RC1、RC2、RD1及びRD2と同義である。p’は、0以上の整数である。p’の上限は、10であり、好ましくは5であり、より好ましくは2である。
式(3)中p’が0である化合物は、式(1)で表される化合物と、アルコール化合物とを、反応させることにより、得ることができる。
式(3)中p’が1以上である化合物は、式(1)で表される化合物と、少なくとも2個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物、好ましくは式(A1)で表される化合物とを、反応させることにより、得ることができる。
このとき、式(1)中のRB1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであることが好ましい。
<2)環骨格内のケイ素原子間で−Si−O−結合により形成される架橋を少なくとも1つ含む、2以上の環から構成される化合物>
環状シロキサン化合物Bを製造するとき、式(1)で表される化合物中のRB1及びRB2の少なくとも一方は、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)である。また、式(1)で表される化合物と反応させる化合物は、少なくとも3個のヒドロキシ基又はアルコキシ基を有するケイ素化合物である。
環状シロキサン化合物Bは、好ましくは、下記式(4)で表される化合物又は式(5)で表される構造を有する化合物である。
式(4)中、RA1、RA2、RB2、RC1、RC2、RD2、RX1及びRX2は、式(1)及び式(A1)における、RA1、RA2、RB2、RC1、RC2、RD2、RX1及びRX2と同義である。
式(4)で表される化合物を製造するとき、式(1)中のRB1は、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)であり、式(A1)中の、RD1はアルコキシ基であり、RE1及びRE2はアルキル基であり、pは1であることが好ましい。
式(5)中、RA1、RA2、RC1、RC2、RX1及びRX2は、式(1)及び式(A1)における、RA1、RA2、RC1、RC2、RX1及びRX2と同義であり、nは、2以上の整数である。nの上限は、特に制限されないが、通常10000であり、好ましくは5000であり、より好ましくは1000である。
式(5)で表される構造を有する化合物を製造するとき、式(1)中のRB1及びRB2は、−OSi(RX1)(RX2)H基であり、式(A1)中の、RD1及びRD2はアルコキシ基であり、RE1及びRE2はアルキル基であり、pは1であることが好ましい。
式(5)で表される構造を有する化合物は、両末端が結合して、式(5)で表される構造を構成単位とする環状ポリマーとなっていることが好ましい。
また、式(5)で表される構造を有する化合物の末端は、下記式(5’)で表されるように、水素又はRE'(RE'はアルキル基である。)であってもよい。
また、さらに式(5’)中の末端、すなわち、−OSi(RX1)(RX2)HにおけるSi−H及び−ORE'が修飾され、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、又はシロキシ基等に修飾されていてもよい。
ここで、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基は、式(1)及び式(A1)における、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基と同様の基を例示することができ、同様の好ましい基を挙げることができる。
<3)−Si−O−結合により形成される少なくとも1つのスピロ環を含む、2以上の環から構成される化合物>
環状シロキサン化合物Cを製造するとき、式(1)における、RA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、RB1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。
また、環状シロキサン化合物Cを製造するとき、前記式(1)で表される化合物と、少なくとも2個のヒドロキシ基を有するシラン化合物とを、遷移金属ヒドリド錯体触媒の存在下で反応させ、さらに下記式(2)で表される化合物をホウ素触媒の存在下で反応させる工程を含む。
式(2)中、RA1'、RA2'、RC1'、及びRC2'は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
B1'及びRB2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1')(RX2')H基(RX1'及びRX2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
nは、1以上の整数である。nの上限は、10であり、好ましくは5であり、より好ましくは2である。
ただし、RA1'及びRA2'の組み合わせ並びにRC1'及びRC2'の組み合わせとRB1'及びRB2'の組み合わせとは、互いに同一でない。
式(2)における、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルコキシ基としては、式(1)における、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルコキシ基と同様の基を例示することができ、同様の好ましい基を挙げることができる。
環状シロキサン化合物Cは、好ましくは下記式(6)で表される構造を有する。
式(6)中、Nは1以上の整数であり、Q1及びQ2は、それぞれ独立して下記の構造で表される。
式(6)中、RB1、RB2、RD1、RD2、RA1'、RA2'、RB1'、RB2'、RC1'、RC2'、p及びnは、式(1)、式(A1)及び式(2)における、RB1、RB2、RD1、RD2、RA1'、RA2'、RB1'、RB2'、RC1'、RC2'、p及びnと同義である。
式(6)で表される化合物を製造するとき、式(A1)中のRE1及びRE2は、水素原子である。
式(6)中のNが1であるとき、式(6)で表される構造を有する化合物は、好ましくは式(6−1)で表される。
式(6−1)中、RB1、RB2、RD1、RD2、RA1'、RA2'、RB1'、RB2'、Q1及びQ2は、式(1)、式(A1)、式(2)及び式(6)における、RB1、RB2、RD1、RD2、RA1'、RA2'、RB1'、RB2'、Q1及びQ2と同義である。
式(6)中のNが2以上であるとき、式(2)中のRB1'及びRB2'(ここで、nが2以上であるとき、式(2)中のRB1'及びRB2'の少なくとも1つの組み合わせ)は、共に−OSi(RX1')(RX2')H基である。
式(6)で表される構造におけるNが2以上のとき、両末端は、式(6−1)で示されるように、>Si(RB1')(RB2')で表される構造であってもよく、両末端同士が一緒になってスピロ環を形成していてもよい。すなわち、両末端同士が一緒になってスピロ環を形成するとき、複数のスピロ環から構成されるマクロ環が形成される。
[環状シロキサン化合物]
本発明の製造方法により、環状シロキサン化合物を提供できる。
本発明の環状シロキサン化合物としては、例えば、下記式(I)で表される化合物が挙げられる。
式(I)中、Ra1、Ra2、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、
b1、Rb2、Rd1及びRd2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
mは、0〜2のいずれかの整数である。
式(I)における、アルコキシ基、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基としては、式(1)における、アルコキシ基、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基と同様の基を例示することができ、同様の好ましい基を挙げることができる。
式(I)で表される化合物としては、具体的には以下の表1に示す置換基の組み合わせを有する化合物が挙げられる。
本発明の環状シロキサン化合物としては、例えば、下記式(II)で表される化合物が挙げられる。
式(II)中、Reは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及び、シロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
f、Rg1、Rg2、Rh1、Rh2、Ri1、及びRi2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。
上記シロキシ基とは、−O−Si−結合を少なくとも一つ含む鎖状又は分岐状の基である。ここで、シロキシ基に含まれる少なくとも一つの−O−Si−は、当該−O−Si−中の酸素原子を介して式(A1)中のケイ素原子に結合する。
上記シロキシ基として、具体的には、下記に示すシロキシ基(S)が好適に挙げられる。
上記シロキシ基(S)中、RS1及びRS2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基(S)からなる群より選ばれるいずれかであり、Z1は、任意の二価の有機基であり、及びRS3は、任意の一価の有機基である。fは、0又は1であり、Fは、1以上の整数である。Fの上限は、特に制限されないが、通常1000であり、好ましくは100であり、より好ましくは50である。
1の任意の二価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基等の炭素数1〜10のアルキレン基;フェニレン基、及びナフチレン基等の炭素数6〜10のアリーレン基;−Si(RS1')(RS2')−(RS1'及びRS2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかである;並びにこれらを組み合わせた基;が挙げられる。
S3の任意の一価の有機基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルコキシ基が挙げられる。
式(II)における、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルコキシ基としては、式(1)における、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルコキシ基と同様の基を例示することができ、同様の好ましい基を挙げることができる。
式(II)で表される化合物としては、具体的には以下の表2に示す置換基の組み合わせを有する化合物が挙げられる。
表中、S−1、S−2、及びS−3は、それぞれ下記式で表される。
S−1、S−2、及びS−3中の、RS3及びFは、シロキシ基(S)におけるRS3及びFと同義である。
S−3中の波線は、別の式S−3で表される基への結合を表す。
本発明の環状シロキサン化合物としては、例えば、下記式(III)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
式(III)中、Rj1、Rj2、Rk1、Rk2、Rl1、Rl2、Rm1、及びRm2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
nは、2以上の整数である。
式(III)における、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基としては、式(1)における、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基と同様の基を例示することができ、同様の好ましい基を挙げることができる。
式(III)で表される構造を有する化合物は、両末端が結合して、式(III)で表される構造を構成単位とする環状ポリマーとなっていることが好ましい。
また、式(III)で表される構造を有する化合物の末端は、下記式(III’)で表されるように、水素又はRE'(RE'はアルキル基である。)であってもよい。
また、さらに式(III’)中の末端、すなわち、−OSi(Rm1)(Rm2)HにおけるSi−H及び−ORE'が修飾され、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、又はシロキシ基等に修飾されていてもよい。
ここで、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基は、式(1)及び式(A1)における、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基と同様の基を例示することができ、同様の好ましい基を挙げることができる。
式(III)で表される構造を有する化合物としては、具体的には以下の表3に示す置換基の組み合わせを有する化合物が挙げられる。
本発明の環状シロキサン化合物としては、例えば、下記式(IV)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
式(IV)中、Rn1、Rn2、Ro1、Ro2、Rp1、Rp2、Rq1、Rq2、Rr1、Rr2、Rs1、及びRs2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
m1、m2、m3は、それぞれ独立して、1又は2の整数であり、
nは、1以上の整数である。
ただし、Rn1及びRn2の組み合わせ並びにRr1及びRr2の組み合わせと、Rp1及びRp2の組み合わせとは、互いに同一でない。
式(IV)中のnが1であるとき、式(IV)で表される構造を有する化合物は、好ましくは式(IV−1)で表される。
式(IV−1)中、Rn1、Rn2、Ro1、Ro2、Rp1、Rp2、Rq1、Rq2、Rr1、Rr2、Rs1、Rs2、Rt1、Rt2、Ru1、及びRu2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
m1、m2、m3は、それぞれ独立して、1又は2の整数であり、
nは、1以上の整数である。
ただし、Rn1及びRn2の組み合わせ並びにRr1及びRr2の組み合わせと、Rp1及びRp2の組み合わせとは、互いに同一でない。
t1、Rt2、Ru1、及びRu2は、好ましくはアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。
式(IV)及び式(IV−1)における、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基としては、式(1)における、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基と同様の基を例示することができ、同様の好ましい基を挙げることができる。
式(IV)で表される構造を有する化合物におけるnが2以上のとき、両末端は、式(IV−1)で示されるように、>Si(Rt1)(Rt2)又は>Si(Ru1)(Ru2)で表される構造であってもよく、両末端同士が一緒になってスピロ環を形成していてもよい。すなわち、両末端同士が一緒になってスピロ環を形成するとき、複数のスピロ環から構成されるマクロ環が形成される。
式(IV)で表される構造を有する化合物としては、具体的には以下の表4〜表6に示す置換基の組み合わせを有する化合物が挙げられる。
本発明の製造方法により新規な環状シロキサン化合物や高分子化合物が得られ、当該高分子化合物は、熱安定性や、機械的特性に優れる材料である。
本発明の環状シロキサン化合物は、熱的に安定な環状骨格を有するため、それらの化合物を組成物として含む材料は、耐熱性材料等として利用できる。環状シロキサンの組成物としては、一種類だけでなく二種類以上の環状シロキサン化合物を同時に用いることもできる。
詳細には、本発明は、次のような発明の効果を奏する。
(1)原料のアルコキシシランやシラノールやヒドロシランは、加水分解しても塩化水素のような腐食性化合物を発生しないため、安全性が高く、入手も容易である。
(2)反応の共生成物は水素や炭化水素であり、塩化水素のような強い腐食性化合物は生成しない。
(3)室温程度の温和な条件で反応が進行し、高収率で環状シロキサン化合物を得られる。
(4)新規な環状シロキサン化合物を製造できる。
(5)低分子系化合物だけでなく、高分子系化合物も製造することができる。
(6)高分子系の環状シロキサン化合物は熱安定性が高く、当該環状シロキサン化合物含む組成物を新規な耐熱性材料として使用できる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
原料であるトリシロキサン化合物は、特許文献4:米国特許第3145225号明細書、非特許文献4:J.Gen.Chem.USSR,54,306(1984)、非特許文献5:Z.Anorg.Allg.Chem.,636,1212(2010)、ACS Catal., 7, 1836(2017)を参照して製造した。
その他の試薬については市販のものを使用した。
[実施例1]化合物1の合成
ビス(ジメチルシロキシ)ジフェニルシラン(166 mg, 0.5 mmol)、ベンジルアルコール(54 mg, 0.5 mmol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(13 mg, 0.025 mmol)、トルエン(5 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃で16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒を除去し、リサイクル分取装置を用い、化合物1を精製した。化合物1であることは、1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて同定した。化合物1の単離収率は82%であった。
[実施例2]化合物1の合成の反応条件の検討
アルコールR1OHの種類、溶媒の種類を表1に示すものを用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表7に示す。なお、収率はNMRから求めた収率であり、化合物1以外の化合物2及び3は上記に示すとおりである。
[実施例3]
ビス(ジエチルシロキシ)ジフェニルシラン(194 mg, 0.5 mmol)、ベンジルアルコール(54 mg, 0.5 mmol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(13 mg, 0.025 mmol)、トルエン(5 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃で16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒を除去し、リサイクル分取装置を用い目的化合物4を精製した。化合物4であることは、1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて同定した。化合物4の単離収率は77%であった。
[実施例4]化合物5の合成
ビス(ジエチルシロキシ)ジフェニルシラン(194 mg, 0.5 mmol)、ジメトキシジフェニルシラン(122 mg, 0.5 mmol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン (13 mg, 0.025 mmol)、トルエン (5 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃で16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い目的化合物5を精製した。化合物5であることは、1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて同定した。化合物5の単離収率は89%であった。
化合物5の1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRスペクトルにおけるピーク位置は以下のとおりであった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ:7.20-7.84, 0.96, 0.68.
13C[1H] NMR (151 MHz, benzene-d6): δ:136.5, 134.9, 130.8, 128.5, 7.9, 7.1.
29Si[1H] NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -15.4, -45.0.
[実施例5]化合物6の合成
ビス(ジエチルシロキシ)ジフェニルシラン(194 mg, 0.5 mmol)、ジメトキシメチルフェニルシラン(91 mg, 0.5 mmol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(13 mg, 0.025 mmol)、トルエン(5 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃で16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い目的化合物6を精製した。化合物6であることは、1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて同定した。化合物6の単離収率は89%であった。
[実施例6]化合物7の合成
ビス(ジエチルシロキシ)ジフェニルシラン(194 mg, 0.5 mmol)、ジメトキシジシクロペンチルシラン(114 mg, 0.5 mmol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン (13 mg, 0.025 mmol)、トルエン (2.5 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃で12時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い目的化合物7を精製し、化合物の同定を1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて行った。化合物7の単離収率は93%であった。
化合物7の1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRスペクトルにおけるピーク位置は以下のとおりであった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ:7.84-7.86 (m), 7.18-7.24 (m), 1.79-1.83 (m), 1.56-1.65 (m), 1.48-1.53 (m), 1.25 (t), 0.70 (q).
13C[1H] NMR (151 MHz, benzene-d6): δ:137.0, 134.9, 130.6, 128.7, 28.4, 27.8, 26.2, 8.1, 7.3.
29Si[1H] NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -18.8, -22.6, -46.6.
[実施例7]化合物8の合成
ビス(ジメチルシロキシ)ジフェニルシラン(166 mg, 0.5 mmol)、ジメチルシランジオール(46 mg, 0.5 mmol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(13 mg, 0.025 mmol)、トルエン (2.5 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃で16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い目的化合物8を精製した。化合物8の同定を1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて行った。化合物8の単離収率は77%であった。
化合物8の1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRスペクトルにおけるピーク位置は以下のとおりであった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ:7.83-7.84 (m), 7.19-7.23 (m), 0.21 (s), 0.17 (s).
13C[1H] NMR (151 MHz, benzene-d6): δ:136.6, 134.9, 130.7, 128.5, 1.31, 1.28.
29Si[1H] NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -17.5, -18.5, -45.7.
[実施例8]化合物9の合成
ビス(ジメチルシロキシ)ジフェニルシラン(166 mg, 0.5 mmol)、ジエトキシメチルビニルシラン(80 mg, 0.5 mmol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン (13 mg, 0.025 mmol)、トルエン (2.5 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃で16時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い目的化合物9を精製した。化合物9であることは、1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて同定した。化合物9の単離収率は78%であった。
化合物9の1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRスペクトルにおけるピーク位置は以下のとおりであった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ:7.81-7.84 (m), 7.16-7.23 (m), 6.08-6.14 (m), 5.86-5.91 (m), 0.25 (s), 0.21 (d).
13C[1H] NMR (151 MHz, benzene-d6): δ:137.0, 136.5 (d), 134.9 (d), 134.0, 130.7 (d), 128.5 (d), 1.3, -0.3.
29Si[1H] NMR (119 MHz, benzene-d6): δ-16.9, -32.9, -45.6.
[実施例9]化合物10の合成
ビス(ヘキシルシロキシ)ジフェニルシラン(222 mg, 0.5 mmol)、ジメトキシジフェニルシラン(122 mg, 0.5 mmol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(13 mg, 0.025 mmol)、トルエン (2.5 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、40℃、48時間反応させた。反応終了後、ヘキサン(10 mL)とアセトトリル(15 mL)を反応溶液に加え、ヘキサン層を抽出し、エヴァポレイターで溶媒を除去し、ODSシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い目的化合物10を精製した。化合物10であることを、1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて同定した。化合物10の単離収率は66%であった。
化合物10の1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRスペクトルにおけるピーク位置は以下のとおりであった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ:7.81-7.83 (m), 7.17-7.21 (m), 5.29 (d), 1.36-1.45 (m), 1.07-1.24 (m), 0.82-0.90 (m), 0.68-0.75 (m).
13C[1H] NMR (151 MHz, benzene-d6): δ:135.6, 135.5, 135.3, 135.0, 134.99, 134.95, 130.9, 128.6, 33.1 (d), 32.2 (d),23.2 (d), 22.4 (d), 17.4 (d), 14.7 (d).
29Si[1H] NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -30.8 (d), -42.8 (d).
[実施例10]化合物11の合成
トリフェニルシロキシトリエトキシシラン(219 mg, 0.5 mmol)、トリス(ジメチルシロキ)フェニルシラン(165 mg, 0.5 mmol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン (26 mg, 0.05 mmol)、トルエン(15 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、60℃で24時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い目的化合物11を精製した。化合物11であることを、1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて同定した。化合物11の単離収率は30%であった。
1H NMR (600 MHz, benzene-d6): δ 7.86-7.88, 7.82-8.84, 7.18-7.20, 0.22.
13C[1H] NMR (151 MHz, benzene-d6): δ 136.0, 135.98, 134.8, 132.4, 131.2, 130.6, 128.5, 128.4, 0.8.
29Si[1H] NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -12.0, -17.5, -72.4, -101.3.
[実施例11]化合物12の合成
テトライソプロポキシシラン(264 mg, 1 mmol)、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン(329 mg, 1 mmol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(51 mg, 0.1 mmol)、トルエン(20 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、室温で48時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒を除去し、アルミナを用い目的化合物12を精製した。化合物12であることを1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて同定した。また、得られた化合物12についてGPCを測定した結果、数平均分子量(Mn)8810以上の高分子であり、且つ、示差走査熱量分析により熱物性を測定した結果、5%重量減少度が436℃であることがわかった。
図1に、1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRのスペクトルデータを示す。
[実施例12]化合物13の合成
ビス(ジエトキシシロキシ)ジフェニルシラン(45 mg, 0.1 mmol)、ジフェニルシランジオール(22 mg, 0.1 mmol)、水素化(トリフェニルホスフィン)銅ヘキサマー (2.5 mg, 0.00125 mmol)、キサントホス(xantphos, 4.3 mg, 0.0075 mmol)、トルエン (2 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃で36時間反応させた。化合物13の収率は86%であった。
化合物13の収率はフェニルトリメチルシラン(30 mg, 0.2 mmol)を内部標準として用いた29Si NMRにより求めた。
29Si NMRスペクトルにおけるピーク位置は以下のとおりであった。
29Si[1H] NMR (119 MHz, benzene-d6): δ -44.2, -93.8.
[実施例13]化合物14の合成
ビス(ジエトキシシロキシ)ジフェニルシラン(226.4 mg, 0.5 mmol)、ジフェニルシランジオール(108.2 mg, 0.5 mmol)、水素化(トリフェニルホスフィン)銅ヘキサマー(12.3 mg, 0.00625 mmol)、キサントホス(xantphos, 21.7 mg, 0.0375 mmol)、トルエン(10 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃で24時間反応させた。反応後、ビス(ジメチルシロキシ)ジフェニルシラン(332.6 mg, 1.0 mmol)とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(52 mg, 0.1 mmol)とを試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃、24時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い目的化合物14を精製した。化合物14を、1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて同定した。化合物14の単離収率は73%であった。
化合物14の1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRスペクトルにおけるピーク位置は以下のとおりであった。
1H NMR (600 MHz, THF-d8): δ 7.39-7.42, 7.16-7.20, 7.06-7.11, -0.20.
13C[1H] NMR (151 MHz, THF-d8): δ 136.98, 136.97, 135.8, 135.5, 131.5, 131.3, 129.1, 129.0, 1.0.
29Si[1H] NMR (119 MHz, THF-d8): δ -17.7, -46.4, -47.5, -108.8.
[実施例14]化合物15の合成
ビス(ジエトキシシロキシ)ジフェニルシラン(226.4 mg, 0.5 mmol)、テトラメチルジシロキサンジオール(83.2 mg, 0.5 mmol)、水素化(トリフェニルホスフィン)銅ヘキサマー(12.3 mg, 0.00625 mmol)、キサントホス(xantphos, 21.7 mg, 0.0375 mmol)、トルエン(10 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃で16時間反応させた。反応後、ビス(ジメチルシロキシ)ジフェニルシラン(332.6 mg, 1.0 mmol)とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(52 mg, 0.1 mmol)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃、24時間反応させた。反応終了後、エヴァポレイターで溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い目的化合物15を精製した。化合物15を1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRを用いて同定した。化合物15の単離収率は55%であった。
化合物15の1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRスペクトルにおけるピーク位置は以下のとおりであった。
1H NMR (600 MHz, THF-d8): δ 7.92-7.94 (m), 7.78-7.82 (m), 7.16-7.22 (m), 0.21 (d), 0.13 (s).
13C[1H] NMR (151 MHz, THF-d8): δ 136.98, 136.97, 135.8, 135.5, 131.5, 131.3, 129.1, 129.0, 1.1 (d), 0.9.
29Si[1H] NMR (119 MHz, THF-d8): δ -15.7, -19.1, -44.9, -46.0, -107.2.
[実施例15]化合物16の合成
ビス(ジエトキシシロキシ)ジフェニルシラン(452.8 mg, 1 mmol)、ジフェニルシランジオール(216.3 mg, 1 mmol)、水素化(トリフェニルホスフィン)銅ヘキサマー(24.6 mg, 0.0125 mmol)、キサントホス(xantphos, 43.4 mg, 0.075 mmol)、トルエン(20 mL)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃、16時間反応させた。反応後、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン(328.7 mg, 1.0 mmol)とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(52 mg, 0.1 mmol)を試験管に加え、アルゴン雰囲気下、25℃、24時間反応させた。反応終了後、ヘキサン(10 mL)を反応溶液に加え、シリンジフィルターを用い濾過した。濾液を濃縮後、トルエン(10 mL)を加え希釈した溶液を、アルミナ(2 g)を使用し、濾過した。濾液を濃縮し、化合物16(875mg)を得た。化合物16の分析は、 1H NMR, 13C NMR, 29Si NMR, GPC, DSCを用い行い、H, C, Si NMRより成長末端にSi(OEt)2基を持たないポリマーであり、大環状スピロシロキサンポリマーことが示唆された。
図2に、1H NMR, 13C NMR, 29Si NMRのスペクトルデータを示す。
また、図3に窒素雰囲気下で示差走査熱量分析により熱物性を測定した結果を示す。図4に空気雰囲気下で示差走査熱量分析により熱物性を測定した結果を示す。
本発明の製造方法により、機能性化学品、材料として有用な環状シロキサン化合物をより効率的かつ安全に製造できるとともに、新規な環状シロキサン化合物及びその用途を提供できるため、本発明の利用価値は高く、その工業的意義は多大である。

Claims (15)

  1. 下記式(1)で表される化合物と、アルコール化合物又は少なくとも2個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物とを、ホウ素触媒及び/又は遷移金属ヒドリド錯体触媒の存在下で反応させ、−Si−O−結合により環骨格を形成する工程を含む、前記環骨格を少なくとも1つ有する環状シロキサン化合物の製造方法。
    (式(1)中、RA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    B1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかである。
    ただし、RA1及びRA2の組み合わせ並びにRC1及びRC2の組み合わせとRB1及びRB2の組み合わせとは、互いに同一でない。)
  2. A1、RA2、RC1及びRC2が、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    B1及びRB2が、それぞれ独立して、アリール基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記環状シロキサン化合物が、前記環骨格を1つ有する化合物である、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記環骨格を1つ有する化合物が、下記式(3)で表される化合物である、請求項3に記載の製造方法。
    (式(3)中、RA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    B1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
    D1及びRD2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    p’は、0以上の整数である。
    ただし、RA1及びRA2の組み合わせ並びにRC1及びRC2の組み合わせとRB1及びRB2の組み合わせとは、互いに同一でない。)
  5. 前記環状シロキサン化合物が、前記環骨格内のケイ素原子間で形成される架橋環を少なくとも1つ含む、2以上の環から構成される化合物であり、
    前記環骨格を形成する工程において、前記式(1)で表される化合物(式(1)中、RB1及びRB2の少なくとも一方は、−OSi(RX1)(RX2)H基である。)と、少なくとも3個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物とを反応させる、
    請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記環骨格内のケイ素原子間で形成される架橋環を少なくとも1つ含む、2以上の環から構成される化合物が、下記式(4)で表される化合物であり、
    少なくとも3個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物が、式(A1−1)で表される化合物である、請求項5に記載の製造方法。
    (式(4)中、RA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    B2は、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
    D2は、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    (式(A1−1)中、RD1は、アルコキシ基であり、
    D2は、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    E1及びRE2は、アルキル基である。)
  7. 前記環状シロキサン化合物が、前記環骨格内のケイ素原子間で形成される架橋環を少なくとも1つ含む、2以上の環から構成される化合物であり、
    前記環骨格を形成する工程において、前記式(1)で表される化合物(式(1)中、RB1及びRB2は、−OSi(RX1)(RX2)H基である。)と、少なくとも4個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物とを反応させる、
    請求項1に記載の製造方法。
  8. 前記環骨格内のケイ素原子間で形成される架橋環を少なくとも1つ含む、2以上の環から構成される化合物が、下記式(5)で表される構造を有する化合物であり、
    少なくとも4個のヒドロキシ基若しくはアルコキシ基を有するケイ素化合物が、式(A1−2)で表される化合物である、請求項7に記載の製造方法。
    (式(5)中、RA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    X1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    nは、2以上の整数である。)
    (式(A1−2)中、RD1及びRD2は、アルコキシ基であり、RE1及びRE2は、アルキル基である。)
  9. 前記環状シロキサン化合物が、少なくとも1つのスピロ環を含む、2以上の環から構成される化合物であり、
    前記式(1)におけるRA1、RA2、RC1及びRC2は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、RB1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    前記式(1)で表される化合物と、少なくとも2個のヒドロキシ基を有するシラン化合物とを、遷移金属ヒドリド錯体触媒の存在下で反応させ、さらに下記式(2)で表される化合物をホウ素触媒の存在下で反応させる工程を含む、
    請求項1に記載の製造方法。
    (式(2)中、RA1'、RA2'、RC1'及びRC2'は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    B1'及びRB2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1')(RX2')H基(RX1'及びRX2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
    nは、1以上の整数である。
    ただし、RA1'及びRA2'の組み合わせ並びにRC1'及びRC2'の組み合わせとRB1'及びRB2'の組み合わせとは、互いに同一でない。)
  10. 前記少なくとも1つのスピロ環を含む、2以上の環から構成される化合物が、下記式(6)で表される構造を有する化合物である、請求項9に記載の製造方法。
    (式(6)中、Q1及びQ2は、それぞれ独立して以下の構造:
    (RB1'、RB2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1')(RX2')H基(RX1'及びRX2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、RC1'、RC2'は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、nは1以上の整数である。)で表され、
    B1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
    D1及びRD2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    A1'及びRA2'は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    p及びNは、1以上の整数である。)
  11. 前記式(6)で表される構造を有する化合物が、下記式(6−1)で表される化合物である、請求項10に記載の製造方法。
    (式(6−1)中、Q1及びQ2は、それぞれ独立して以下の構造:
    で表され、
    B1及びRB2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1)(RX2)H基(RX1及びRX2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
    D1及びRD2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及びシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    A1'及びRA2'は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    B1'及びRB2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、−OSi(RX1')(RX2')H基(RX1'及びRX2'は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及びアルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)からなる群より選ばれるいずれかであり、
    C1'及びRC2'は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及び、アルコキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    p及びnは、1以上の整数である。)
  12. 下記式(I)で表される、環状シロキサン化合物。
    (式(I)中、Ra1、Ra2、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、アルコキシ基であり、
    b1、Rb2、Rd1及びRd2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    mは、0〜2のいずれかの整数である。)
  13. 下記式(II)で表される、環状シロキサン化合物。
    (式(II)中、Reは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、及び、シロキシ基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    f、Rg1、Rg2、Rh1、Rh2、Ri1、及びRi2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかである。)
  14. 下記式(III)で表される構造を有する、環状シロキサン化合物。
    (式(III)中、Rj1、Rj2、Rk1、Rk2、Rl1、Rl2、Rm1、及びRm2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    nは、2以上の整数である。)
  15. 下記式(IV)で表される構造を有する、環状シロキサン化合物。
    (式(IV)中、Rn1、Rn2、Ro1、Ro2、Rp1、Rp2、Rq1、Rq2、Rr1、Rr2、Rs1、及びRs2は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、及び、アルケニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、
    m1、m2、m3は、それぞれ独立して、1又は2の整数であり、
    nは、1以上の整数である。
    ただし、Rn1及びRn2の組み合わせ並びにRr1及びRr2の組み合わせと、Rp1及びRp2の組み合わせとは、互いに同一でない。)
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