JP2020000113A - HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、コレステロール代謝改善剤、血中コレステロール低下剤及びそれらを含有する飲食品組成物 - Google Patents

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崇一 草野
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Abstract

【課題】 HMG-CoAレダクターゼ阻害作用を有する食品成分を配合することにより、安全且つ安価なコレステロール代謝改善剤、血中コレステロール低下剤、及びそれらを含有する飲食品組成物を開発することを目的とする。【解決手段】 2"-O-アラビノフラノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノピラノシルビテキシンを有効成分として含有し、HMG-CoAレダクターゼ阻害作用を有することによりコレステロール生合成を抑制する、コレステロール代謝改善剤、血中コレステロール低下剤、及びこれらを含有する飲食品組成物を提供する。2"-O-アラビノシルビテキシン及び2"-O-ラムノシルビテキシンは食品成分として摂取されてきた成分であるため、本発明の飲食品組成物は安全性が高く副作用の心配がない。【選択図】 図1

Description

本発明は、2"-O-アラビノフラノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノピラノシルビテキシンを有効成分として含有し、HMG-CoAレダクターゼ阻害作用を有することによるコレステロール代謝改善剤または血中コレステロール低下剤、及びそれらを含有する飲食品組成物に関する。
体内においてのコレステロールは主に肝臓で合成されているが、その律速段階の酵素がHMG-CoA(3-hydroxy-3-methylglutaryl-CoA)レダクターゼである。この酵素の働きを抑制することで肝臓のコレステロール合成を抑制し、LDL受容体を介して血中のコレステロールを肝臓に取り込み、コレステロール代謝を改善することができる。
プラバスタチン製剤、シンバスタチン製剤、ロスバスタチン製剤などのスタチン系のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤は、コレステロール低下用薬剤として一般的に用いられている。しかし、これら薬剤において頻度は高くないがだるさや食欲不振を伴った肝機能障害等の副作用も知られている。
このように、HMG-CoAレダクターゼ阻害作用とヒトへのコレステロール代謝改善作用との関係は明らかであり、食品としてのHMG-CoAレダクターゼ阻害作用を有する成分が望まれている。
しかし、現状において植物由来成分からの報告もあるものの(例えば、特許文献1、2、非特許文献1参照)、日常的に摂取している安全な食品成分の中でHMG-CoAレダクターゼ阻害作用を有する物、並びに、その用途で実際にヒトへの利用が進められている物は見当たらない。
特許5925870号明細書 特開2000-327584号公報
Kimura H., et. al, J. Pharm. Biomed. Anal., Vol.108, 2015年, p.102-112
本発明は、上記課題を解決し、HMG-CoAレダクターゼ阻害作用を有する食品成分により、安全且つ安価なコレステロール代謝改善剤または血中コレステロール低下剤、及びそれらを含有する飲食品組成物を開発し、提供することを目的とする。
食用植物であるツルムラサキ(Basella alba)には、HMG-CoAレダクターゼ阻害作用(Baskaran G., et. al., Drug Des. Devel. Ther., 2015年, Vol.9, p.509-517参照)並びにコレステロール負荷動物モデルにおけるシンバスタチン同様のコレステロール低下作用(Baskaran G., et. al., Evid. Based Complement. Alternat. Med.,2015年, Vol.2015, p.1-7参照)が報告されている。
一方において、本発明者は、ツルムラサキにフラボノイドC-グルコシドの2"-O-アラビノフラノシルビテキシン(以下、「2"-O-アラビノシルビテキシン」と呼ぶことがある。)が含まれていることを見出し、その高含有組成物の調製方法と食品用途についても報告しており(特許第5461872号明細書参照)、これまでツルムラサキ成分の分画について検討を行ってきた。
さらに、本発明者はツルムラサキ成分の中からHMG-CoAレダクターゼ阻害作用を示す成分について検討したところ、2"-O-アラビノシルビテキシンがその活性本体であることを見出した。
また、糖鎖が異なる2"-O-ラムノピラノシルビテキシン(以下、「2"-O-ラムノシルビテキシン」と呼ぶことがある。)においても同様な活性があることが明らかとなり、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係るHMG-CoAレダクターゼ阻害剤は、2"-O-アラビノフラノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノピラノシルビテキシンを有効成分として含有することを特徴とする。
本発明に係るHMG-CoAレダクターゼ阻害用飲食品組成物は、前記HMG-CoAレダクターゼ阻害剤を含有することを特徴とする。
本発明に係るコレステロール代謝改善剤または血中コレステロール低下剤は、2"-O-アラビノフラノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノピラノシルビテキシンを有効成分として含有することを特徴とする。
本発明に係るコレステロール代謝改善用または血中コレステロール低下用飲食品組成物は、前記コレステロール代謝改善剤または血中コレステロール低下剤を含有することを特徴とする。
本発明は、2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンを有効成分として含有することで、優れたHMG-CoAレダクターゼ阻害作用を有するHMG-CoAレダクターゼ阻害剤、及びそれを含有する飲食品組成物を提供することを可能とする。
本発明は、2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンを有効成分として含有することで、優れたコレステロール代謝改善作用または血中コレステロール低下作用を有する、コレステロール代謝改善剤または血中コレステロール低下剤、及びそれらを含有する飲食品組成物を提供することを可能とする。
また、本発明の2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンは食経験豊富な食品成分であることから、飲食品組成物として安全性が高く、副作用の心配がない。
さらに、本発明の2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンを有効成分として含有するHMG-CoAレダクターゼ阻害剤、及びそれを含有する飲食品組成物は、高コレステロール血症の予防及び/又は改善、あるいは動脈硬化症の予防においても有効性が期待される。
2"-O-アラビノシルビテキシンのHMG-CoAレダクターゼ阻害作用を示す図である。棒グラフは左からコントロール(無添加)、プラバスタチン 80μM、ビテキシン 160μM、2"-O-アラビノシルビテキシン 80μM, 160μM, 320μM、の結果を示す。縦軸はHMG-CoAレダクターゼ活性(%)を示す。バーは標準偏差を示す。 2"-O-ラムノシルビテキシンのHMG-CoAレダクターゼ阻害作用を示す図である。棒グラフは左からコントロール(無添加)、プラバスタチン 80μM、2"-O-ラムノシルビテキシン 80μM, 160μM, 320μM、の結果を示す。縦軸はHMG-CoAレダクターゼ活性(%)を示す。バーは標準偏差を示す。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンを有効成分として含有する、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、及びそれを含有するHMG-CoAレダクターゼ阻害用飲食品組成物に関する。
また本発明は、2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンを有効成分として含有する、コレステロール代謝改善剤または血中コレステロール低下剤、及びそれらを含有するコレステロール代謝改善用または血中コレステロール低下用飲食品組成物に関する。
〔2"-O-アラビノシルビテキシン〕
本実施形態において、2"-O-アラビノシルビテキシン(2"-O-アラビノフラノシルビテキシン、下記[化1])としては、2"-O-アラビノシルビテキシンを含有する植物原料を粉砕、抽出して得られるエキス、その精製物、又は単離物を利用することができる。

ここにおいて、2"-O-アラビノシルビテキシンを含有する植物原料としては特に限定されないが、ツルムラサキ(Basella alba)などが挙げられ、具体的にはツルムラサキの葉、茎などが挙げられる。
本実施形態において、2"-O-アラビノシルビテキシンを含有する植物原料から2"-O-アラビノシルビテキシンを抽出する方法としては、例えば特許第5461872号明細書に記載された方法を用いることができるが、これに限定されるものではない。
〔2"-O-ラムノシルビテキシン〕
本実施形態において、2"-O-ラムノシルビテキシン(2"-O-ラムノピラノシルビテキシン、下記[化2])としては、2"-O-ラムノシルビテキシンを含有する植物原料を粉砕、抽出して得られるエキス、その精製物、又は単離物を利用することができる。
ここにおいて、2"-O-ラムノシルビテキシンを含有する植物原料としては特に限定されないが、ビート(Beta vulgaris)、サンザシ(Crataegus cuneata)、孟宗竹(Phyllostachys heterocycla f. pubescens)、ソテツ(Cycas revoluta)などが挙げられ、具体的にはこれら植物の葉、果実、茎などが挙げられる。
本実施形態において、2"-O-ラムノシルビテキシンを含有する植物原料から2"-O-ラムノシルビテキシンを抽出する方法としては、例えば、水、エタノールなどの低級アルコール、又はこれらの混合物に、粉砕した植物体を浸漬等することによりエキスを得る方法を用いることができるが、これに限定されるものではない。
〔HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、コレステロール代謝改善剤及び血中コレステロール低下剤〕
上記の2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンは、優れたHMG-CoAレダクターゼ阻害作用を有し、それにより優れたコレステロール代謝改善効果及び血中コレステロール低下効果を奏するため、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、コレステロール代謝改善剤及び血中コレステロール低下剤の有効成分として用いることができる。
上記の2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンは、上記のエキス、精製物などの組成物や、単離物として、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、コレステロール代謝改善剤及び血中コレステロール低下剤に用いることができる。
上記のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤、コレステロール代謝改善剤及び血中コレステロール低下剤は、飲食品組成物や医薬品に添加することができる。
〔飲食品組成物〕
上記の2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンは、上記のエキス、精製物などの組成物や、単離物として各種原料に混合することで、HMG-CoAレダクターゼ阻害用、コレステロール代謝改善用または血中コレステロール低下用の飲食品組成物の有効成分として用いることができる。
ここにおいて、「飲食品組成物」には一般的な飲食品と機能性食品、機能性飲料が含まれる。
飲食品組成物として経口摂取する場合の2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンの有効摂取量としては、体重60kgの成人1日あたり、1mg以上、好ましくは5mg以上経口摂取することにより、優れたHMG-CoAレダクターゼ阻害作用、並びにコレステロール代謝改善作用、コレステロール低下作用、を得ることができる。
従って、この必要量を確保できる形態や摂取方法(回数、量)で、本発明の飲食品組成物を摂取することで、上記薬理作用が得られることが期待される。ただし、対象の年齢、体重、症状、摂取スケジュール、飲食品組成物の形態などにより、摂取量を適宜決定することが望ましい。
また、飲食品組成物における2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンの含有量としては、上記必要な摂取量を担保できるように含有するものであればよいが、具体的には、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上となるように含有させることができる。また、上限としては、20質量%以下を挙げることができる。
飲食品組成物の形態としては、例えば、粉末状、細粒状、顆粒状などとすることができ、カプセルに充填する形態の他、水に分散した溶液の形態、賦形剤等と混和して得られる錠剤の形態とすることもできる。また、種々の食品原料や添加剤などと混合して、例えば、ビスケット、スナック菓子、ガム、チュアブル錠、清涼飲料水、ドリンク、スープ、ゼリー、キャンディ等の形態とすることができる。
以下、実施例等を挙げて本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらにより限定されるものではない。
<実施例1> 2"-O-アラビノシルビテキシン含有組成物、2"-O-アラビノシルビテキシン純品および50%メタノール抽出物の調製
特許第5461872号明細書に記載の方法に準じて、ツルムラサキからの2"-O-アラビノシルビテキシンの抽出及び精製を行った。
即ち、生のツルムラサキ葉200gに80%(v/v)エタノール600mlを加えて室温で3日間抽出し、抽出液を得た。得られた抽出液を、ろ紙フィルターでろ過し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。これに水40mlを加えて水溶成分を抽出し、遠心分離により上清を得た。次いで、上記で濾別したツルムラサキ葉を用いて、上記と同様の操作を繰り返し、上清を得た。
次に、上記の操作により得られた上清を併せて、あらかじめ水で平衡化した多孔性合成吸着樹脂ダイヤイオンHP-20(三菱化学社製)カラム(2.0cm×10cm)に供し、水で非吸着成分を除いた後、150mlの20%(v/v)エタノールで溶出させた。そして、得られた溶出液を、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、2"-O-アラビノシルビテキシン含有組成物(純度約62%)を得た。
得られた2"-O-アラビノシルビテキシン含有組成物200mgについて、TSK GEL ODS(東ソー社製、20mm×25cm)分取HPLCカラムに供し、20%(v/v)アセトニトリルの移動相で溶出し、目的のピーク画分を採取して2"-O-アラビノシルビテキシンを精製し、純品(精製物)を得た。
尚、目的の成分である2"-O-アラビノシルビテキシンは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析した。カラムはMightysil RP-18 GP Aqua 4.6mm×25cm (関東化学株式会社)を用いた。移動相は水/アセトニトリル(ライナーグラジエント):0〜20min, 93/7〜25/75(アイソクラチック): 20〜30min:25/75、カラム温度は30℃、流速1.0ml、PDA検出器によりUV254nmの条件で分析した。
一方、ツルムラサキ葉の50%(v/v)メタノール抽出物は、Baskaran Gらの方法(Baskaran G., et. al., Drug Des. Devel. Ther., 2015年, Vol.9, p.509-517参照)に従って2日間抽出を行った。
すなわち、生葉200gの乾燥粉末18gを、メタノール50%(v/v)蒸留に48時間供した。濾過後、分液漏斗を用いて抽出物を単離した。次いで、得られた抽出物を、ロータリーエバポレーターを用いて40℃の減圧下で濃縮し、-40℃で凍結乾燥させた。得られた凍結乾燥物を試験例1での供試サンプルとした。
<試験例1>HMG-CoAレダクターゼ阻害試験1
HMG-CoAレダクターゼ測定キットはシグマアルドリッチジャパン(株)から購入した。
被験物として、上記実施例1で調製したダイヤイオンHP20カラム20%エタノール溶出画分(2"-O-アラビノシルビテキシン含有組成物)及び50%(v/v)メタノール抽出物を、反応液中最終濃度が表1に示す濃度となるように、水に溶解した水溶液を用いた。
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)を含むアッセイバッファ92μlに、HMG-CoAレダクターゼ溶液 0.5-0.75 mg/mlの1μLと、各々の被験物1μlを加えて攪拌し、基質である HMG-CoA溶液 6μlを添加して、37℃で反応を開始した。
NADPHの減少による340nmでの吸光度の減少を、超微量分光光度計(Thermo Scientific Nano Drop One)を用いて反応開始5分後まで観察した。NADPHの直線的な減少が確認された1分後の吸光度について吸光度を測定し、HMG-CoAレダクターゼ阻害作用を計算した。陽性対照として、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤のプラバスタチンを用いた。
結果を表1に示す。
なお、HMG-CoAレダクターゼ活性(%)は、コントロール(無添加)を100%とし、以下の式により算出した。
(式1)
HMG-CoAレダクターゼ活性(%)={(反応開始前の吸光度−被験物添加区での吸光度)/(反応開始前の吸光度−コントロール(無添加)での吸光度)}×100
前述したBaskaran Gらの文献(Baskaran G., et. al., Drug Des. Devel. Ther., 2015年, Vol.9, p.509-517参照)では、ツルムラサキ葉の50%(v/v)メタノール抽出物がHMG-CoAレダクターゼ阻害活性を示すことが報告されている。
しかし、実施例1で得られたツルムラサキのダイヤイオンHP20カラム20%エタノール溶出画分(2"-O-アラビノシルビテキシン含有組成物)のHMG-CoAレダクターゼ阻害活性について検討した結果、反応液中終濃度100μg/mlにおいて、50%(v/v)メタノール抽出物よりも2倍強い阻害作用が確認された。
<試験例2>HMG-CoAレダクターゼ阻害試験2
次に、実施例1で得られた2"-O-アラビノシルビテキシン純品を用いて、HMG-CoAレダクターゼ阻害試験を実施した。
試験例1と同様にして、HMG-CoAレダクターゼ測定キットにより各被験物のHMG-CoAレダクターゼ阻害活性を検討した。
各被験物は、反応液中の2"-O-アラビノシルビテキシン濃度が80μM、160μM、320μMとなるよう調製した。陽性対照として、プラバスタチン80μM、及び2"-O-アラビノシルビテキシンのアグリコンであるビテキシン160μMについても検討した。
結果を図1に示す。図1は、2"-O-アラビノシルビテキシンのHMG-CoAレダクターゼ阻害作用を示す図である。棒グラフは左からコントロール(無添加)、プラバスタチン 80μM(陽性対照)、ビテキシン 160μM、2"-O-アラビノシルビテキシン 80μM, 160μM, 320μM、の結果を示す。縦軸はHMG-CoAレダクターゼ活性(%)を示す。バーは標準偏差を示す。
その結果、2"-O-アラビノシルビテキシンは濃度依存的にHMG-CoAレダクターゼ活性を阻害し、陽性対照のプラバスタチン80μMと2"-O-アラビノシルビテキシン320μMが同程度の阻害活性を示した。
しかしながら、ビテキシンにおいては、160μMにおいても80%の活性を維持しており、ほとんど阻害作用は示されなかった。
<試験例3>HMG-CoAレダクターゼ阻害試験3
さらに、2"-O-アラビノシルビテキシンと糖鎖構造が異なる2"-O-ラムノシルビテキシンについて検討した。
ラムノシルビテキシンは、ビートの葉やサンザシの葉等広く食用の植物に存在している。2"-O-ラムノシルビテキシンは試薬として購入が可能であり、シグマアルドリッチジャパン(株)から純品を入手した。
試験例1と同様にして、HMG-CoAレダクターゼ測定キットにより各被験物のHMG-CoAレダクターゼ阻害活性を検討した。
試験例2の2"-O-アラビノシルビテキシンと同様に、各被験物は、反応液中の2"-O-ラムノシルビテキシン濃度が80μM、160μM、320μMの濃度となるよう調製した。陽性対照としてプラバスタチン80μMを用いた。
結果を図2に示す。図2は、2"-O-ラムノシルビテキシンのHMG-CoAレダクターゼ阻害作用を示す図である。棒グラフは左からコントロール(無添加)、プラバスタチン 80μM(陽性対照)、2"-O-ラムノシルビテキシン 80μM, 160μM, 320μM、の結果を示す。縦軸はHMG-CoAレダクターゼ活性(%)を示す。バーは標準偏差を示す。
その結果、2"-O-アラビノシルビテキシンの場合(試験例2)と同様に、2"-O-ラムノシルビテキシンは濃度依存的にHMG-CoAレダクターゼ活性を阻害し、プラバスタチン80μMと2"-O-ラムノシルビテキシン320μMが同程度の阻害活性を示した。
尚、2"-O-ラムノシルビテキシン含有サンザシ葉エキス末(アクセスワン(株)製、フラボノイド含有量80%以上)について、上記と同様にしてHMG-CoAレダクターゼ活性を検討した。
その結果、反応液中終濃度50μg/ml、100μg/mlにおいて、各々コントロール(無添加)に対してHMG-CoAレダクターゼ活性は74±6.1%, 51±6.8%であり、強いHMG-CoAレダクターゼ阻害活性を確認した。
本発明は、安全性の高い原料である2"-O-アラビノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノシルビテキシンを有効成分原料として、コレステロール合成律速段階のHMG-CoAレダクターゼ阻害作用を有することにより、コレステロール代謝改善剤またはコレステロール低下剤、及び飲食品組成物に利用されることが期待される。

Claims (4)

  1. 2"-O-アラビノフラノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノピラノシルビテキシンを有効成分として含有する、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤。
  2. 請求項1に記載のHMG-CoAレダクターゼ阻害剤を含有する、HMG-CoAレダクターゼ阻害用飲食品組成物。
  3. 2"-O-アラビノフラノシルビテキシンまたは2"-O-ラムノピラノシルビテキシンを有効成分として含有する、コレステロール代謝改善剤または血中コレステロール低下剤。
  4. 請求項3に記載のコレステロール代謝改善剤または血中コレステロール低下剤を含有する、コレステロール代謝改善用または血中コレステロール低下用飲食品組成物。
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