発明者は、特に、RNA分子のオフターゲット効果がdsRNAのアンチセンス鎖における特定位置に熱不安定ヌクレオチドを取り込むことにより低減または阻害され得ることを発見している。アンチセンス鎖における特定位置のこれらの熱不安定化修飾を用いることで、dsRNA分子は、オフターゲット遺伝子サイレンシングを低下させていながら、親dsRNAに類似する遺伝子サイレンシング活性を保持することができた。さらに、これらの熱不安定化修飾を含むdsRNA分子により、下方制御または上方制御されるオフターゲット遺伝子の数も、親dsRNAと比べて減少する。
そのようなことから、一態様では、本発明は、標的遺伝子の発現を阻害することができる二本鎖RNAi(dsRNA)剤を提供する。一般に、本発明のdsRNA分子は、オフターゲット遺伝子サイレンシングおよび/または毒性を低減または最小化しつつ、高度なオンターゲット遺伝子サイレンシングを示す。限定はされないが、本発明のdsRNA分子は、そのdsRNA分子と置換され得、限定はされないが、インビトロまたはインビボ適用を含む、RNA干渉に基づく遺伝子サイレンシング技術において用いることができる。
一般に、当該dsRNA分子は、センス鎖(パッセンジャー鎖とも称される)およびアンチセンス鎖(ガイド鎖とも称される)を含む。dsRNA分子の各鎖は、12〜40ヌクレオチド長の範囲であり得る。例えば、各鎖は、14〜40ヌクレオチド長、17〜37ヌクレオチド長、25〜37ヌクレオチド長、27〜30ヌクレオチド長、17〜23ヌクレオチド長、17〜21ヌクレオチド長、17〜19ヌクレオチド長、19〜25ヌクレオチド長、19〜23ヌクレオチド長、19〜21ヌクレオチド長、21〜25ヌクレオチド長、または21〜23ヌクレオチド長の間であり得る。限定はされないが、センスおよびアンチセンス鎖は、等しい長さまたは不等な長さであり得る。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、18〜35ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、21〜25、19〜25、19〜21または21〜23ヌクレオチド長である。一部の特定の実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチド長である。アンチセンス鎖と同様、センス鎖は、一部の実施形態では、18〜35ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、センス鎖は、21〜25、19〜25、19〜21または21〜23ヌクレオチド長である。一部の特定の実施形態では、アンチセンス鎖は、21ヌクレオチド長である。
発明者はまた、インビボでより有効であるべきdsRNA分子においては、アンチセンス鎖が幾らかの代謝安定性を有するはずであることを発見した。換言すれば、インビボでより有効であるべきdsRNA分子においては、幾らかの量のアンチセンス鎖が、投与後しばらく経過して、インビボで存在する必要がある場合がある。したがって、一部の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖の少なくとも40%、例えば少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%が、インビボ投与後5日目、例えばマウス肝臓においてインビボで存在する。一部の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖の少なくとも40%、例えば少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%が、インビボ投与後6日目、例えばマウス肝臓においてインビボで存在する。一部の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖の少なくとも40%、例えば少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%が、インビボ投与後7日目、例えばマウス肝臓においてインビボで存在する。一部の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖の少なくとも40%、例えば少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%が、インビボ投与後8日目、例えばマウス肝臓においてインビボで存在する。一部の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖iの少なくとも40%、例えば少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%が、インビボ投与後9日目、例えばマウス肝臓においてインビボで存在する。一部の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖の少なくとも40%、例えば少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%が、インビボ投与後10日目、例えばマウス肝臓においてインビボで存在する。一部の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖の少なくとも40%、例えば少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%が、インビボ投与後11日目、例えばマウス肝臓においてインビボで存在する。一部の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖の少なくとも40%、例えば少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%が、インビボ投与後12日目、例えばマウス肝臓においてインビボで存在する。一部の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖の少なくとも40%、例えば少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%が、インビボ投与後13日目、例えばマウス肝臓においてインビボで存在する。一部の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖の少なくとも40%、例えば少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%が、インビボ投与後14日目、例えばマウス肝臓においてインビボで存在する。一部の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖の少なくとも40%、例えば少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%が、インビボ投与後15日目、例えばマウス肝臓においてインビボで存在する。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、かつアンチセンス鎖は、シード領域内部に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、dsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度(Tm)を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(viii)アンチセンス鎖の5’末端の平滑末端、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を有し、ここでアンチセンス鎖は、シード領域(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位)内部に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、dsRNAは、約40℃〜約80℃のTmを有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;およびvii)アンチセンス鎖の5’末端の平滑末端、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、19、20、21、22または23ヌクレオチド塩基対長の二本鎖領域を有し、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、またdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、19、20、21、22または23ヌクレオチド塩基対長の二本鎖領域を有し、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、またdsRNAは、約40℃〜約80℃(例えば、40℃、50℃、60℃、70℃または80℃)の融解温度を有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の特定の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の5’末端から数えてアンチセンス鎖の5、6、7、または8位に存在する。
一部の特定の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の5’末端から数えてアンチセンス鎖の5位に存在する。
一部の特定の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の5’末端から数えてアンチセンス鎖の6位に存在する。
一部の特定の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の5’末端から数えてアンチセンス鎖の7位に存在する。
一部の特定の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の5’末端から数えてアンチセンス鎖の8位に存在する。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、かつアンチセンス鎖は、シード領域(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位)内部に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、かつアンチセンス鎖は、以下の特徴:
(i)2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾;および
(ii)1、2、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合
の一方または双方をさらに含み;かつ
センス鎖は、以下の特徴:
(i)センス鎖とコンジュゲートされるリガンド;
(ii)2、3、4または5の2’−フルオロ修飾;および
(iii)1、2、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合
の1つ、2つまたは3つを含む。この一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、かつアンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、またリガンドはセンス鎖とコンジュゲートされ、またdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有する。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、かつアンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、リガンドはセンス鎖とコンジュゲートされ、またdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、またdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、前記センス鎖はリガンドを含み、またdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有する。この一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて4〜8位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含み、またdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有する。この一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、かつ前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、かつアンチセンスは、以下の特徴:(i)二本鎖の熱不安定化修飾はアンチセンス鎖の4〜8位に位置する;(ii)少なくとも2つの2’−フルオロ修飾;(iii)ヌクレオチドの(5’末端から数えて)1および2位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合、およびアンチセンス鎖は18〜35ヌクレオチド長を有する、の少なくとも2つをさらに含む。一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、かつ前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またセンス鎖は、以下の特徴:(i)リガンドは、センス鎖の片末端に結合される;(ii)センス鎖は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含む;および(iii)センス鎖およびアンチセンス鎖は、少なくとも19のヌクレオチド位置にわたる二本鎖領域を形成するための十分な相補性を示し、ここで二本鎖の熱不安定化修飾は前記二本鎖領域内に位置する、の少なくとも1つを有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、かつ前記センス鎖は、リガンドを含み、またdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、また二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて4〜8位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、前記センス鎖は、リガンドを含み、またセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、また二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、前記アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖の5’末端から数えて7位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、前記センス鎖は、リガンドを含み、またdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて7位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、前記センス鎖は、リガンドを含み、またセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、また二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでリガンドは、二価または三価分岐状リンカーを通じて結合される1つ以上のGalNAc誘導体を含む。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、かつ前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでdsRNAは、任意選択的には、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでリガンドは、構造:
のASGPRリガンドである。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmはt的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、かつ0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、かつ2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチドの1および2位の間、およびヌクレオチドの2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、かつ0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、6、8、9、14もしくは16位、または2、6、14もしくは16位、または2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチドの21および22位の間、およびヌクレオチドの22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、かつ0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、6、8、9、14もしくは16位、または2、6、14もしくは16位、または2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチドの21および22位の間、ヌクレオチドの22および23位の間、ヌクレオチドの1および2位の間、ヌクレオチドの2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチドの1および2位の間、およびヌクレオチドの2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、6、8、9、14もしくは16位、または2、6、14もしくは16位、または2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチドの21および22位の間、およびヌクレオチドの22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、18、19、20、21、22、23、24または24のヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(viii)dsRNAは、センス鎖の5’末端に平滑末端を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の特定の実施形態では、センス鎖は、19、20または21または22ヌクレオチド長であり、かつアンチセンス鎖は、20、21または22ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチドの1および2位の間、およびヌクレオチドの2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、6、8、9、14もしくは16位、または2、6、14もしくは16位、または2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチドの21および22位の間、ヌクレオチドの22および23位の間、ヌクレオチドの1および2位の間、ヌクレオチドの2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNAの一方の末端は、平滑末端であり、かつ他方の末端は、オーバーハングを有し、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。一部の実施形態では、オーバーハングは、アンチセンス鎖の3’末端上に存在し、かつ平滑末端は、アンチセンス鎖の5’末端に存在する。一部の特定の実施形態では、オーバーハングは、2、3または4ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、19、20、21、22または23ヌクレオチド塩基対長の二本鎖領域を有し、ここでdsRNAの一方の末端は、平滑末端であり、かつ他方の末端は、オーバーハングを有し、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;および(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、5または6全部)をさらに有し、また任意選択的には、2ヌクレオチドオーバーハングは、アンチセンス鎖の3’末端上に存在し、平滑末端は、アンチセンス鎖の5’末端に存在する。一部の実施形態では、オーバーハングは、アンチセンス鎖の3’末端上に存在し、平滑末端は、アンチセンス鎖の5’末端に存在する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子はまた、dsRNA二本鎖の両末端に2つの平滑末端を有してもよい。
一部の実施形態では、dsRNAは、二本鎖の両末端に平滑末端を有し、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、19、20、21、22または23ヌクレオチド塩基対長の二本鎖領域を有し、かつ二本鎖の両末端に平滑末端を有し、ここでdsRNAの一方の末端は、平滑末端であり、かつ他方の末端は、オーバーハングを有し、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;および(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、5または6全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、21ヌクレオチド(nt)センス鎖および23ヌクレオチド(nt)アンチセンスを含み、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、ここでdsRNAの一方の末端は、平滑末端である一方、他方の末端は、2ntオーバーハングを含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。好ましくは、2ntオーバーハングは、アンチセンスの3’末端に存在する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖を含む本発明のdsRNA分子において、センス鎖は、25〜30ヌクレオチド残基長であり、ここで前記センス鎖の5’末端ヌクレオチド(1位)から始まる1〜23位は、少なくとも8つのリボヌクレオチドを含み;アンチセンス鎖は、36〜66ヌクレオチド残基長であり、3’末端ヌクレオチドから始まる、その位置内の少なくとも8つのリボヌクレオチドがセンス鎖の1〜23位と対合することで、二本鎖を形成し;ここで少なくとも、アンチセンス鎖の3’末端ヌクレオチドは、センス鎖と対合せず、最大で6つの連続する3’末端ヌクレオチドは、センス鎖と対合せず、それにより1〜6ヌクレオチドの3’一本鎖オーバーハングを形成し;ここでアンチセンス鎖の5’末端は、センス鎖と対合しない10〜30の連続するヌクレオチドを含み、それにより10〜30ヌクレオチドの一本鎖5’オーバーハングを形成し;ここで少なくとも、センス鎖の5’末端および3’末端ヌクレオチドは、センスおよびアンチセンス鎖が最大相補性のために整列されるとき、アンチセンス鎖のヌクレオチドと塩基対合され、それによりセンスおよびアンチセンス鎖間で実質的に二本鎖の領域を形成し;また前記二本鎖核酸が哺乳動物細胞に導入されるとき、アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖長の少なくとも19のリボヌクレオチドに沿って標的RNAに対して十分に相補的であることで、標的遺伝子発現を低減し;またここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、またここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有する。例えば、熱不安定化ヌクレオチドは、センス鎖の5’末端の14〜17位に対して対向的または相補的な位置の間に存在し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;および(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)dsRNAは、12〜30ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センスおよびアンチセンス鎖を含み、ここで前記dsRNA分子は、少なくとも25、最大で29ヌクレオチドの長さを有するセンス鎖を含み、最大で30ヌクレオチドの長さを有するアンチセンス鎖は、センス鎖とともに、5’末端から11位で酵素分解を受けやすい修飾ヌクレオチドを含み、ここで前記センス鎖の3’末端および前記アンチセンス鎖の5’末端は、平滑末端を形成し、前記アンチセンス鎖は、その3’末端でセンス鎖よりも1〜4ヌクレオチド長く、ここで少なくとも25ヌクレオチド長である二本鎖領域では、前記dsRNA分子が哺乳動物細胞に導入されるとき、前記アンチセンス鎖は、前記アンチセンス鎖長の少なくとも19ntに沿って標的mRNAに対して十分に相補的であることで、標的遺伝子の発現を低減し、またここで前記dsRNAのダイサー切断により、前記アンチセンス鎖の前記3’末端を含むsiRNAが優先的にもたらされ、それにより哺乳動物における標的遺伝子の発現が低減され、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;および(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)dsRNAは、12〜29ヌクレオチド対長の二本鎖領域を有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、ヌクレオチドの21および22位の間、およびヌクレオチドの22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(viii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、ヌクレオチドの1および2位の間、ヌクレオチドの2および3位の間、ヌクレオチドの21および22位の間、およびヌクレオチドの22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iii)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(iv)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(v)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vi)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(viii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、センス鎖は、ヌクレオチドの1および2位の間、およびヌクレオチドの2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(viii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一部の実施形態では、センス鎖は、ヌクレオチドの1および2位の間、およびヌクレオチドの2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、アンチセンス鎖は、ヌクレオチドの1および2位の間、ヌクレオチドの2および3位の間、ヌクレオチドの21および22位の間、およびヌクレオチドの22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iii)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(iv)センス鎖は、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(v)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vi)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(vii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃のTmは任意選択的である。
一態様では、本発明は、標的遺伝子の発現を阻害することができるdsRNA分子であって、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖が14〜40ヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖が、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、かつアンチセンス鎖が、シード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端から数えて5’末端の2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、またdsRNAが、以下の特徴:
(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;
(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;
(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;
(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;
(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;
(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;
(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および
(viii)アンチセンス鎖の5’末端の平滑末端
の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する、dsRNA分子を提供する。
一部の特定の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾アンチセンス鎖の、アンチセンス鎖の5’末端から数えて7位に存在する。
一部の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の5’末端から数えてアンチセンス鎖の2、3、4、5、6、8または9位に存在する。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40ヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、かつアンチセンス鎖は、シード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端から数えて5’末端の2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、かつアンチセンス鎖は、以下の特徴:
(iii)2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾;および
(iv)1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合
の一方または双方をさらに含み、かつ
センス鎖は、以下の特徴:
(iv)センス鎖とコンジュゲートされたリガンド;
(v)2、3、4または5の2’−フルオロ修飾;および
(vi)1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合
の1、2または3つを含む。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40ヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、かつアンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、またリガンドは、センス鎖とコンジュゲートされる。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40ヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、かつアンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、リガンドは、センス鎖とコンジュゲートされ、またdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40ヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、かつ前記センス鎖は、リガンドを含む。この一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40ヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて4〜8位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、前記センス鎖は、リガンドを含み、またここでセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含む。この一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40ヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、かつ前記センス鎖は、リガンドを含み、かつアンチセンスは、以下の特徴:(i)二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の4〜8位に位置する;(ii)少なくとも2つの2’−フルオロ修飾;(iii)ヌクレオチドの(5’末端から数えて)1および2位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合、の少なくとも2つをさらに含み、かつアンチセンス鎖は、18〜35ヌクレオチド長を有する。一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、またセンス鎖は、以下の特徴:(i)リガンドは、センス鎖の片末端に結合される;(ii)センス鎖は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含む;および(iii)センス鎖およびアンチセンス鎖は、少なくとも19のヌクレオチド位置にわたる二本鎖領域を形成するのに十分な相補性を示す、のうち少なくとも1つを有し、ここで二本鎖の熱不安定化修飾は、前記二本鎖領域内に位置する。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、また二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて4〜8位以内に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、またセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含み、また二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、前記アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖の5’末端から数えて7位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含む。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて7位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、またセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含み、また二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでリガンドは、二価または三価分岐リンカーを通じて結合された1つ以上のGalNAc誘導体を含む。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでリガンドは、構造:
のASGPRリガンドである。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、かつ0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、かつ0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、6、8、9、14もしくは16位、または2、6、14もしくは16位、または2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、かつ0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、6、8、9、14もしくは16位、または2、6、14もしくは16位、または2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、6、8、9、14もしくは16位、または2、6、14もしくは16位、または2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、6、8、9、14もしくは16位、または2、6、14もしくは16位、または2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)3’末端に結合される、三価分岐状リンカーを通じて結合される3つのGalNAc誘導体を含むASGPRリガンド;および
(iii)(5’末端から数えて)7、10、および11位に2’−F修飾;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、14、および16位に2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチドの21および22位の間、およびヌクレオチドの22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)5、6、7位に二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、およびアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;
(iii)(5’末端から数えて)7、9、10、および11位の2’−F修飾;および
(iv)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、6、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;
(iii)(5’末端から数えて)7、9、10、および11位の2’−F修飾;および
(iv)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;
(iii)(5’末端から数えて)7、9、10、および11位の2’−F修飾;および
(iv)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、6、8、9、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(i)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;および
(2)(5’末端から数えて)6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾.
を有するアンチセンス鎖を含む。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含むASGPRリガンド;
(ii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;
(ii)(5’末端から数えて)6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含む。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;
(ii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;
を有するセンス鎖と、
(b)(ii)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、少なくとも1つのASGPRリガンドをさらに含む。例えば、ASGPRリガンドは、二価または三価分岐リンカーを通じて結合された1つ以上のGalNAc誘導体、例えば、
が挙げられる。
一例では、ASGPRリガンドは、センス鎖の3’末端に結合される。
場合によっては、アンチセンス鎖のシード領域、例えば、2〜9位、特に3〜9位における2’−フルオロ修飾は、dsRNAのインビトロ効力に対して最小の効果を有しつつ、dsRNAのインビボ活性に悪影響を与え得る。発明者は、特に、かかるdsRNAのインビボ活性が、2’−フルオロ修飾の一部または全部をアンチセンス鎖のシード領域、すなわち5’末端から数えて2〜9位、特に3〜9位から除去することにより、親dsRNAに対して匹敵するレベルまで回復し得ることを発見している。
したがって、一部の実施形態では、本発明は、標的遺伝子の発現を阻害することができるdsRNA分子であって、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有しかつアンチセンス鎖は、シード領域内部に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、またdsRNA以下の特徴:(i)約40℃〜約80℃の融解温度(Tm);(ii)アンチセンスは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の2’−フルオロ修飾を含む;(iii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iv)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(v)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(vi)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vii)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(viii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ix)アンチセンス鎖の5’末端での平滑末端;(x)センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10全部)をさらに有する、dsRNA分子を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、標的遺伝子の発現を阻害することができるdsRNA分子であって、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有しかつアンチセンス鎖は、シード領域内部に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、またdsRNAは、以下の特徴:(i)約40℃〜約80℃の融解温度(Tm);(ii)アンチセンスは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の2’−フルオロ修飾を含む;(iii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iv)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(v)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(vi)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vii)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(viii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ix)アンチセンス鎖の5’末端での平滑末端;および(x)センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10全部)をさらに有し、かつ2’−フルオロ修飾は、アンチセンス鎖の(5’末端から数えて)3〜9位に存在しない、dsRNA分子を提供する。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有しかつアンチセンス鎖は、シード領域内部に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またアンチセンス鎖は、以下の特徴:(i)2、3、4、5、6、7、8、9または10の2’−フルオロ修飾(ここでアンチセンスは、(5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾を有しない);および(ii)1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合の一方または両方をさらに含み;またセンス鎖は、以下の特徴:(i)センス鎖とコンジュゲートされたリガンド;(ii)2、3、4または5の2’−フルオロ修飾;(iii)1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および(iv)1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾、の1、2または3つを含む。 一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有しかつアンチセンス鎖は、シード領域内部に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またアンチセンス鎖は、(i)2、3、4、5、6、7、8、9または10の2’−フルオロ修飾;および(ii)1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合をさらに含み、またセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、またここでセンス鎖は、任意選択的には、以下の特徴:(i)センス鎖とコンジュゲートされたリガンド;(ii)2、3、4または5の2’−フルオロ修飾;(iii)1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および(iv)1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾、の1、2または3つを含む。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有しかつアンチセンス鎖は、シード領域内部に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またアンチセンス鎖は、1、2、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合をさらに含み、ここでアンチセンス鎖は、任意選択的には、2、3、4、5、6、7、8、9または10の2’−フルオロ修飾を含み;またセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、またセンス鎖は、任意選択的には、センス鎖とコンジュゲートされたリガンド、2、3、4もしくは5の2’−フルオロ修飾;および/または1、2、3、4もしくは5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有しかつアンチセンス鎖は、シード領域内部に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またアンチセンス鎖は、1、2、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合をさらに含み、ここでアンチセンス鎖は、任意選択的には、(5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しないという条件で、2、3、4、5、6、7、8、9または10の2’−フルオロ修飾を含み;またセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、またセンス鎖は、任意選択的には、センス鎖とコンジュゲートされたリガンド、2、3、4もしくは5の2’−フルオロ修飾;および/または1、2、3、4もしくは5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、またアンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、リガンドは、センス鎖とコンジュゲートされ、またdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含み、かつ(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、かつ(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない。この一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて4〜8位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、かつ(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない。この一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでアンチセンスは、以下の特徴:(i)二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の4〜8位に位置する;(ii)少なくとも2つの2’−フルオロ修飾;(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および(iv)アンチセンス鎖は、18〜35ヌクレオチド長を有する、の少なくとも2つをさらに含み、かつ(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない。一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またセンス鎖は、以下の特徴:(i)リガンドは、センス鎖の片末端に結合される;(ii)センス鎖は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含む;(iii)センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む;および(iv)センス鎖およびアンチセンス鎖は、少なくとも19のヌクレオチド位置にわたる二本鎖領域を形成するのに十分な相補性を示す、のうち少なくとも1つを有し、ここで二本鎖の熱不安定化修飾は、前記二本鎖領域内に位置し、また(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて4〜8位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンド、任意選択的には、少なくとも1つのLNA修飾を含み、またセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含み、ここで(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在せず、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、また二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖の5’末端から数えて5、6または7位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在せず、ここで前記センス鎖は、リガンド、任意選択的には少なくとも1つのLNA修飾を含み、またdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有する。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて5、6または7位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンド、任意選択的には少なくとも1つのLNA修飾を含み、またセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含み、ここで(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在せず、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、また二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンド、任意選択的には少なくとも1つのLNA修飾を含み、ここで(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在せず、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、ここでリガンドは、二価または三価分岐リンカーを通じて結合された1つ以上のGalNAc誘導体を含む。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンド、任意選択的には少なくとも1つのLNA修飾を含み、ここで(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在せず、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、ここでリガンドは、構造:
のASGPRリガンドである。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートし、また任意選択的には、少なくとも1つのLNA修飾を含み、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、かつ0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在しないという条件で、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また任意選択的には、少なくとも1つのLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在しないという条件で、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また任意選択的には、少なくとも1つのLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、少なくとも1つのLNA修飾を含み、また任意選択的には、0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、0、1、2、または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また任意選択的には、少なくとも1つのLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、0、1、2、または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また少なくとも1つのLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また任意選択的には、少なくとも1つのLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、少なくとも1つのLNA修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在しないという条件で、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、18、19、20、21、22、23、24または24ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(viii)dsRNAは、センス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(ix)センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9 1または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8または9全部)をさらに有する。一部の特定の実施形態では、センス鎖は、19、20または21または22ヌクレオチド長であり、アンチセンス鎖は、20、21または22ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチド、および1、2、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、(5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在しないという条件で、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iii)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(iv)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(v)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vi)dsRNAは、18、19、20、21、22、23、24または24ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(vii)dsRNAは、センス鎖の5’末端に平滑末端を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。一部の特定の実施形態では、センス鎖は、19、20または21または22ヌクレオチド長であり、アンチセンス鎖は、20、21または22ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、任意選択的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、9、14もしくは16位に、または2、14もしくは16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLAN修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、9、14もしくは16位に、または2、14もしくは16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNAの一方の末端は、平滑末端であり、かつ他方の末端は、オーバーハングを有し、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここで(5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(vii)センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の実施形態では、オーバーハングは、アンチセンス鎖の3’末端側に存在し、かつ平滑末端は、アンチセンス鎖の5’末端に存在する。一部の特定の実施形態では、オーバーハングは、2、3または4ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、19、20、21、22または23ヌクレオチド塩基対長の二本鎖領域を有し、ここでdsRNAの一方の末端は、平滑末端であり、かつ他方の末端は、オーバーハングを有し、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(ii)アンチセンスは、1、2、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、5、6または7全部)をさらに有し、また任意選択的には、2ヌクレオチドオーバーハングアンチセンス鎖の3’末端側に存在し、かつ平滑末端は、アンチセンス鎖の5’末端に存在する。一部の実施形態では、オーバーハングは、アンチセンス鎖の3’末端側に存在し、かつ平滑末端は、アンチセンス鎖の5’末端に存在する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子はまた、dsRNA二本鎖の両末端に2つの平滑末端を有してもよい。
一部の実施形態では、dsRNAは、二本鎖の両末端に平滑末端を有し、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(viii)センス鎖は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、19、20、21、22または23ヌクレオチド塩基対長の二本鎖領域を有し、かつ二本鎖の両末端に平滑末端を有し、ここでdsRNAの一方の末端は、平滑末端であり、かつ他方の末端は、オーバーハングを有し、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)センス鎖は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、5、6または7全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、21ヌクレオチド(nt)のセンス鎖および23ヌクレオチド(nt)のアンチセンスを含み、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、ここでdsRNAの一方の末端は平滑である一方、他方の末端は、2ntオーバーハングを含み、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む。好ましくは、2ntオーバーハングは、アンチセンスの3’末端に存在する;および(viii)センス鎖は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖を含む本発明のdsRNA分子において、センス鎖は、25〜30ヌクレオチド残基長であり、ここで前記センス鎖の5’末端ヌクレオチド(1位)から始まる1〜23位は、少なくとも8つのリボヌクレオチドを含み;アンチセンス鎖は、36〜66ヌクレオチド残基長であり、3’末端ヌクレオチドから始まる、その位置内の少なくとも8つのリボヌクレオチドがセンス鎖の1〜23位と対合することで、二本鎖を形成し;ここで少なくとも、アンチセンス鎖の3’末端ヌクレオチドは、センス鎖と対合せず、最大で6つの連続する3’末端ヌクレオチドは、センス鎖と対合せず、それにより1〜6ヌクレオチドの3’一本鎖オーバーハングを形成し;ここでアンチセンス鎖の5’末端は、センス鎖と対合しない10〜30の連続するヌクレオチドを含み、それにより10〜30ヌクレオチドの一本鎖5’オーバーハングを形成し;ここで少なくとも、センス鎖の5’末端および3’末端ヌクレオチドは、センスおよびアンチセンス鎖が最大相補性のために整列されるとき、アンチセンス鎖のヌクレオチドと塩基対合され、それによりセンスおよびアンチセンス鎖間で実質的に二本鎖の領域を形成し;また前記二本鎖核酸が哺乳動物細胞に導入されるとき、アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖長の少なくとも19のリボヌクレオチドに沿って標的RNAに対して十分に相補的であることで、標的遺伝子発現を低減し;またアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、またdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有する。例えば、熱不安定化ヌクレオチドは、センス鎖の5’末端の14〜17位に対して対向的または相補的な位置の間に存在し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;および(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜30ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;およびセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センスおよびアンチセンス鎖を含み、ここで前記dsRNA分子は、少なくとも25、最大で29ヌクレオチドの長さを有するセンス鎖を含み、最大で30ヌクレオチドの長さを有するアンチセンス鎖は、センス鎖とともに、5’末端から11位で酵素分解を受けやすい修飾ヌクレオチドを含み、ここで前記センス鎖の3’末端および前記アンチセンス鎖の5’末端は、平滑末端を形成し、前記アンチセンス鎖は、その3’末端でセンス鎖よりも1〜4ヌクレオチド長く、ここで少なくとも25ヌクレオチド長である二本鎖領域では、前記dsRNA分子が哺乳動物細胞に導入されるとき、前記アンチセンス鎖は、前記アンチセンス鎖長の少なくとも19ntに沿って標的mRNAに対して十分に相補的であることで、標的遺伝子の発現を低減し、またここで前記dsRNAのダイサー切断により、前記アンチセンス鎖の前記3’末端を含むsiRNAが優先的にもたらされ、それにより哺乳動物における標的遺伝子の発現が低減され、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(ii)アンチセンスは、1、2、、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;および(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜29クレオチド対長の二本鎖領域を有する;および(viii)センス鎖は、1、2、3、4、5、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(ii)アンチセンスは、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(viii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する;および(ix)センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8または9全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(ii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iii)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(iv)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(v)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vi)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(viii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する;および(ix)センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8または9全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センス鎖は、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(viii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する;および(ix)センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8または9全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、センス鎖は、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、アンチセンス鎖は、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、ここでdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iii)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(iv)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(v)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vi)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(vii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する;および(viii)センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一態様では、本発明は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含む、標的遺伝子の発現を阻害することができるdsRNA分子であって、各鎖は14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、かつアンチセンス鎖は、シード領域内部に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、またdsRNA分子は、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここで(5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(viii)アンチセンス鎖の5’末端での平滑末端;および(ix)センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8または9全部)をさらに有する、dsRNA分子を提供する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の特定の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の、アンチセンス鎖の5’末端から数えて5、6または7位に存在する。一部の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の、アンチセンス鎖の5’末端から数えて2、3、4、8または9位に存在する。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有しかつアンチセンス鎖は、シード領域内部に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、またアンチセンス鎖は、以下の特徴:(i)2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾((アンチセンス鎖の5’末端から数えて)3〜9位に2’−修飾が存在しない);および(ii)1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合の一方または両方をさらに含み;またセンス鎖は、以下の特徴:(i)センス鎖とコンジュゲートされたリガンド;(ii)2、3、4または5の2’−フルオロ修飾;(iii)1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および(iv)1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾、の1、2、3または4を含む。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、またアンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、リガンドは、センス鎖とコンジュゲートされ、またdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含み、かつ(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在しない。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、また前記センス鎖は、リガンドを含み、かつ(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在しない。この一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて4〜8位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、またセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含み、かつ(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在しない。この一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、またここでアンチセンスは、以下の特徴:(i)二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の4〜8位に位置する;(ii)少なくとも2つの2’−フルオロ修飾(ここで(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在しない);(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合、の少なくとも2つをさらに含み;かつアンチセンス鎖は、18〜35ヌクレオチド長を有する。一部のさらなる実施形態では、リガンドは、ASGPRリガンドである。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、またセンス鎖は、以下の特徴:(i)リガンドは、センス鎖の片末端に結合される;(ii)センス鎖は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含む;(iii)センス鎖およびアンチセンス鎖は、少なくとも19のヌクレオチド位置にわたる二本鎖領域を形成するのに十分な相補性を示す;(iv)センス鎖は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含む、のうち少なくとも1つを有し、また二本鎖の熱不安定化修飾は、前記二本鎖領域内に位置し、かつ(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在しない。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在せず、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、ここで二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて4〜8位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、またセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在せず、ここで二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在せず、ここで前記アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖の5’末端から数えて5、6または7位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含む。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて5、6または7位に位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、またセンスおよびアンチセンス鎖の各々は、少なくとも2つの2’−フルオロ修飾を含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在せず、ここで二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在せず、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでリガンドは、二価または三価分岐リンカーを通じて結合された1つ以上のGalNAc誘導体を含む。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有し、ここでdsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロを含み、ここでは(アンチセンス鎖の5’末端から数えて)アンチセンス鎖の3〜9位に2’−修飾が存在せず、ここで前記アンチセンス鎖は、5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、ここで前記センス鎖は、リガンドを含み、ここでリガンドは、構造:
のASGPRリガンドである。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、かつ0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また任意選択的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含み、ここではアンチセンス鎖の3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在せず、2、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、0または2のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また任意選択的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位、または2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、また任意選択的には、0または2のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位、または2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、かつ0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位、または2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また任意選択的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、また任意選択的には、0、1、2または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、3または4の2’−フルオロ修飾を含み、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、また0、1、2、または3のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また任意選択的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また任意選択的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、またヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14および16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また任意選択的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、また任意選択的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり;アンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し;ここでセンス鎖は、リガンドとコンジュゲートされ、(センス鎖の5’末端から数えて)7、10および11位または7、9、10および11位に2’−フルオロ修飾を含み、任意選択的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のLNA修飾を含み、また任意選択的には、ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;ここでアンチセンス鎖は、2、14または16位に2’−フルオロ修飾を含み;またアンチセンスは、ヌクレオチド21および22位の間、ヌクレオチド22および23位の間、ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み;またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)dsRNAは、12〜25ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(ii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む;および(iii)dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に少なくとも2ヌクレオチドオーバーハングを有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2または3全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、各鎖は、14〜40のヌクレオチドを有し、ここでアンチセンス鎖は、RNA干渉を媒介するため、標的配列に対して十分な相補性を有しかつアンチセンス鎖は、シード領域内部に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の、5’末端から数えて2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、dsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度(Tm)を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(viii)アンチセンス鎖の5’末端での平滑末端;(ix)但し、アンチセンス鎖の(5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8または9全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を有し、ここでアンチセンス鎖は、シード領域内(すなわち、アンチセンス鎖の、5’末端から数えて5’末端の2〜9位に)二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含み、またdsRNAは、約40℃〜約80℃のTmを有し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;およびvii)アンチセンス鎖の5’末端での平滑末端、但しアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、19、20、21、22または23ヌクレオチド塩基対長の二本鎖領域を有し、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、またdsRNAは、約40℃〜約80℃の融解温度を有し、但しアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)3〜9位に2’−フルオロ修飾が存在しない。一部の実施形態では、約40℃〜約80℃の融解温度は、任意選択的である。
特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;および
(iii)(5’末端から数えて)7、10、および11位の2’−F修飾;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)5、6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;
(iii)(5’末端から数えて)7、9、10、および11位の2’−F修飾;および
(iv)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)5、6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;
(iii)(5’末端から数えて)7、9、10、および11位の2’−F修飾;および
(iv)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)5、6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;
(iii)(5’末端から数えて)7、9、10、および11位の2’−F修飾;および
(iv)少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)のLNA修飾;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)5、6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;
(iii)(5’末端から数えて)7、9、10、および11位の2’−F修飾;および
(iv)(5’末端から数えて)1、2および3位の少なくとも1つ(例えば、1、2または3)のLNA修飾;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)5、6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;
(iii)(5’末端から数えて)7、9、10、および11位の2’−F修飾;
(iv)少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)のLNA修飾;および
(iv)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)5、6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;
(iii)(5’末端から数えて)7、9、10、および11位の2’−F修飾;および
(iv)(5’末端から数えて)1、2および3位の少なくとも1つ(例えば、1、2または3)のLNA修飾;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)5、6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
別の特定の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、
(a)(i)21ヌクレオチド長;
(ii)三価分岐リンカーを介して結合された3つのGalNAc誘導体を含む、3’末端に結合されたASGPRリガンド;
(iii)(5’末端から数えて)7、9、10、および11位の2’−F修飾;
(iv)(5’末端から数えて)1、2および3位の少なくとも1つ(例えば、1、2または3)のLNA修飾;および
(iv)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ならびにヌクレオチド2および3位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;
を有するセンス鎖と、
(b)(i)23ヌクレオチド長;
(ii)(5’末端から数えて)2、14、および16位の2’−F修飾;
(iii)(5’末端から数えて)ヌクレオチド1および2位の間、ヌクレオチド2および3位の間、ヌクレオチド21および22位の間、ならびにヌクレオチド22および23位の間のホスホロチオエートヌクレオチド間結合;および
(iv)(5’末端から数えて)5、6または7位の二本鎖の熱不安定化修飾;
を有するアンチセンス鎖と、を含み、ここでdsRNA分子は、アンチセンス鎖の3’末端に2ヌクレオチドオーバーハング、またアンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖は、独立して、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチド長であり、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、18、19、20、21、22、23、24または24ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(viii)dsRNAは、センス鎖の5’末端に平滑末端を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。一部の特定の実施形態では、センス鎖は、19、20または21または22ヌクレオチド長であり、アンチセンス鎖は、20、21または22ヌクレオチド長である。
センス鎖およびアンチセンス鎖は、典型的には、二本鎖dsRNAを形成する。dsRNA分子の二本鎖領域は、12〜40ヌクレオチド対長であってもよい。例えば、二本鎖領域は、14〜40ヌクレオチド対長、17〜30ヌクレオチド対長、25〜35ヌクレオチド長、27〜35ヌクレオチド対長、17〜23ヌクレオチド対長、17〜21ヌクレオチド対長、17〜19ヌクレオチド対長、19〜25ヌクレオチド対長、19〜23ヌクレオチド対長、19〜21ヌクレオチド対長、21〜25ヌクレオチド対長、または21〜23ヌクレオチド対長の間であり得る。別の例では、二本鎖領域は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、および27ヌクレオチド対長から選択される。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を有し、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;および(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。一部の特定の実施形態では、二本鎖領域は、18、19、20、21、22または23ヌクレオチド対長である。特定の実施形態では、二本鎖領域は、21ヌクレオチド対長である。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、鎖の3’末端、または5’末端または両末端に、dsRNA分子の1つ以上のオーバーハング領域および/またはキャッピング基を含む。オーバーハングは、1〜10ヌクレオチド長、1〜6ヌクレオチド長、例えば2〜6ヌクレオチド長、1〜5ヌクレオチド長、2〜5ヌクレオチド長、1〜4ヌクレオチド長、2〜4ヌクレオチド長、1〜3ヌクレオチド長、2〜3ヌクレオチド長、または1〜2ヌクレオチド長であり得る。オーバーハングは、一方の鎖が他方の鎖よりも長いことの結果、または同じ長さの2本の鎖がねじれ形であることの結果であり得る。オーバーハングは、標的mRNAとミスマッチを形成し得る、または標的化されている遺伝子配列に対して相補的であり得る、または他の配列であり得る。第1鎖と第2鎖はまた、例えば、ヘアピンを形成するための追加的塩基により、または他の非塩基リンカーにより連結され得る。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子のオーバーハング領域内のヌクレオチドは、各々独立して、修飾または非修飾ヌクレオチド、例えば限定はされないが、2’−糖修飾、例えば2’−フルオロ2’−O−メチル、チミジン(T)、2’−O−メトキシエチル−5−メチルウリジン、2’−O−メトキシエチルアデノシン、2’−O−メトキシエチル−5−メチルシチジン、GNA、SNA、hGNA、hhGNA、mGNA、TNA、h’GNA、およびそれらの任意の組み合わせであり得る。例えば、TTは、片鎖上の片末端におけるオーバーハング配列であり得る。オーバーハングは、標的mRNAとミスマッチを形成し得る、または標的化されている遺伝子配列に対して相補的であり得る、または他の配列であり得る。
本発明のdsRNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖または両鎖での5’または3’オーバーハングは、リン酸化されてもよい。一部の実施形態では、オーバーハング領域は、2つのヌクレオチド間にホスホロチオエートを有する2つのヌクレオチドを含み、ここで2つのヌクレオチドは、同じであるかまたは異なり得る。一部の実施形態では、オーバーハングは、センス鎖、アンチセンス鎖、または両鎖の3’末端に存在する。一部の実施形態では、この3’オーバーハングは、アンチセンス鎖内に存在する。一部の実施形態では、この3’オーバーハングは、センス鎖内に存在する。
本発明のdsRNA分子は、dsRNAの干渉活性を、その全体的安定性に影響することなく強化し得るような単一オーバーハングのみを含んでもよい。例えば、一本鎖オーバーハングは、センス鎖の3’末端、または代替的にはアンチセンス鎖の3’末端に位置する。dsRNAはまた、アンチセンス鎖の5’末端(またはセンス鎖の3’末端)またはその逆に位置する平滑末端を有してもよい。一般に、dsRNAのアンチセンス鎖は、3’末端にヌクレオチドオーバーハングを有し、5’末端は平滑末端である。理論によって拘束されないが、アンチセンス鎖の5’末端およびアンチセンス鎖の3’末端オーバーハングでの非対称平滑末端は、RISCプロセスに負荷するガイド鎖を支持する。例えば、単一オーバーハングは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長を含む。一部の実施形態では、dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端およびアンチセンス鎖の5’末端での平滑末端に2ヌクレオチドオーバーハングを有する。
一部の実施形態では、dsRNAの一方の末端は、平滑末端であり、かつ他方の末端は、オーバーハングを有し、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、また少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。一部の実施形態では、オーバーハングは、アンチセンス鎖の3’末端上に存在し、平滑末端は、アンチセンス鎖の5’末端に存在する。一部の特定の実施形態では、オーバーハングは、2、3または4ヌクレオチド長である。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、19、20、21、22または23ヌクレオチド塩基対長の二本鎖領域を有し、ここでdsRNAの一方の末端は、平滑末端であり、かつ他方の末端は、オーバーハングを有し、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;および(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む、および任意選択的には、2ヌクレオチドオーバーハングは、アンチセンス鎖の3’末端上に存在し、かつ平滑末端は、アンチセンス鎖の5’末端に存在する、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、5または6全部)をさらに有する。一部の実施形態では、オーバーハングは、アンチセンス鎖の3’末端上に存在し、かつ平滑末端は、アンチセンス鎖の5’末端に存在する。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子はまた、dsRNA二本鎖の両末端に2つの平滑末端を有してもよい。
一部の実施形態では、dsRNAは、二本鎖の両末端に平滑末端を有し、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを有し、また少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、19、20、21、22または23ヌクレオチド塩基対長の二本鎖領域を有し、二本鎖の両末端に平滑末端を有し、ここでdsRNAの一方の末端は、平滑末端であり、かつ他方の末端は、オーバーハングを有し、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;および(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、5または6全部)をさらに有する。
熱不安定化修飾
上記の通り、dsRNA分子は、オフターゲット遺伝子サイレンシングを低減または阻害するため、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)熱不安定化修飾を組み込むことにより、RNA干渉について最適化され得る。発明者は、アンチセンス鎖の5’末端から数えて最初の9のヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を含むアンチセンス鎖を有するdsRNAが、オフターゲット遺伝子サイレンシング活性を低下させていることを発見している。したがって、一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖の5’領域の最初の9つのヌクレオチド位置内に二本鎖の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5またはそれ以上)の熱不安定化修飾を含む。一部の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の5’末端から2〜9位、または好ましくは4〜8位に位置する。一部のさらなる実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の5’末端から6、7または8位に位置する。さらに一部のさらなる実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の5’末端から7位に位置する。用語「熱不安定化修飾」は、より低い完全融解温度(Tm)(好ましくは、かかる修飾を有しない場合のdsRNAのTmよりも1、2、3または4℃低いTmを有するdsRNAをもたらすことになる修飾を含む。一部の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、アンチセンス鎖の5’末端から2、3、4、5または9位に位置する。
熱不安定化修飾は、限定はされないが、脱塩基修飾;逆鎖における対向するヌクレオチドとのミスマッチ;および糖修飾、例えば2’−デオキシ修飾または非環状ヌクレオチド、例えばアンロックド核酸(UNA)またはグリコール核酸(GNA)を含み得る。
例示的な脱塩基修飾は、限定はされないが、以下:
(式中、R=H,Me,EtまたはOMe;R’=H,Me,EtまたはOMe;R’’=H,Me,EtまたはOMe)
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基である)
を含む。
例示的な糖修飾は、限定はされないが、以下:
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基である)
を含む。
一部の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、各構造上のアスタリスクは、R、Sまたはラセミのいずれかを表す)
からなる群から選択される。
用語「非環状ヌクレオチド」は、例えば、リボース炭素間の結合のいずれか(例えば、C1’−C2’、C2’−C3’、C3’−C4’、C4’−O4’、またはC1’−O4’)が不在であり、かつ/またはリボース炭素もしくは酸素の少なくとも1つ(例えば、C1’、C2’、C3’、C4’またはO4’)が独立してまたは組み合わせてヌクレオチドから不在である場合、非環状リボース糖を有する任意のヌクレオチドを指す。一部の実施形態では、非環状ヌクレオチドは、
(式中、Bは、修飾または非修飾核酸塩基であり、R1およびR2は、独立して、H、ハロゲン、OR3、またはアルキルであり;かつR3は、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖である)である。用語「UNA」は、アンロックド非環状核酸を指し、ここで糖の結合のいずれかは除去されており、アンロックド「糖」残基を形成する。一例では、UNAはまた、C1’−C4’の間の結合(すなわち、C1’およびC4’炭素間の炭素−酸素−炭素共有結合)が除去されている単量体を包含する。別の例では、糖のC2’−C3’結合(すなわち、C2’およびC3’炭素間の炭素−炭素共有結合)が除去される(Mikhailovet.al.,Tetrahedron Letters,26(17):2059(1985);およびFluiter et al.,Mol.Biosyst.,10:1039(2009)(ここでそれら全体が参照により援用される)を参照)。非環状誘導体は、ワトソン・クリック対合に影響することなく、より大きい骨格の柔軟性をもたらす。非環状ヌクレオチドは、2’−5’または3’−5’結合を介して連結され得る。
用語「GNA」は、DNAまたはRNAに類似するが、その「骨格」の組成においてホスホジエステル結合によって連結される反復グリセロール単位から構成される点で異なるポリマーであるグリコール核酸を指す。
二本鎖の熱不安定化修飾は、dsRNA二本鎖内で、熱不安定化ヌクレオチドと逆鎖内の対向するヌクレオチドとの間でミスマッチ(すなわち非相補性塩基対)であり得る。例示的なミスマッチ塩基対として、G:G、G:A、G:U、G:T、A:A、A:C、C:C、C:U、C:T、U:U、T:T、U:T、またはそれらの組み合わせが挙げられる。当該技術分野で公知の他のミスマッチ塩基対形成もまた、本発明に従う。ミスマッチは、天然に存在するヌクレオチドまたは修飾ヌクレオチドのいずれかのヌクレオチド間で生じ得、すなわちミスマッチ塩基対形成は、ヌクレオチドのリボース糖上の修飾と独立して、各々のヌクレオチドからの核酸塩基間で生じ得る。特定の実施形態では、dsRNA分子は、2’−デオキシ核酸塩基である、ミスマッチ対合における少なくとも1つの核酸塩基を有し;例えば、2’−デオキシ核酸塩基は、センス鎖内に存在する。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖のシード領域内の二本鎖の熱不安定化修飾は、標的mRNA上の相補性塩基に対する障害されたW−C H結合を有するヌクレオチドを含み、例えば、
が挙げられる。
脱塩基ヌクレオチド、非環状ヌクレオチド修飾(UNAおよびGNAを含む)、およびミスマッチ修飾のより多くの例が、国際公開第2011/133876号パンフレット(その全体が参照により本明細書中に援用される)中に詳述されている。
熱不安定化修飾はまた、対向塩基と水素結合を形成する能力が低下または消失したユニバーサル塩基、およびリン酸修飾を含んでもよい。
一部の実施形態では、二本鎖の熱不安定化修飾は、限定はされないが、逆鎖内の塩基と水素結合を形成する能力が損なわれるかまたは完全に失われた核酸塩基修飾などの非標準塩基を有するヌクレオチドを含む。これらの核酸塩基修飾は、国際公開第2010/0011895号パンフレット(その全体が参照により本明細書中に援用される)中に記載の通り、dsRNA二本鎖の中心的領域の不安定化について評価されている。例示的な核酸塩基修飾は次の通りである。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖のシード領域内の二本鎖の熱不安定化修飾は、標的mRNA上の塩基に対して相補的な1つ以上のα−ヌクレオチド、例えば、
(式中、Rは、H、OH、OCH3、F、NH2、NHMe、NMe2またはO−アルキルである)
を含む。
天然リン酸ジエステル結合と比べて、dsRNA二本鎖の熱安定性を低下させることで知られる例示的なリン酸修飾として、
が挙げられる。
R基におけるアルキルは、C1〜C6アルキルである。R基における具体的なアルキルとして、限定はされないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。
一部の実施形態では、例示的な不安定化修飾は、図1に示される。
熱不安定化修飾を含むアンチセンス鎖に加えて、dsRNAはまた、1つ以上の安定化修飾を含み得る。例えば、dsRNAは、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)の安定化修飾を含み得る。限定はされないが、安定化修飾はすべて、片鎖内に存在し得る。一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖の双方は、少なくとも2つの安定化修飾を含む。安定化修飾は、センス鎖またはアンチセンス鎖の任意のヌクレオチド上に存在し得る。例えば、安定化修飾は、センス鎖および/またはアンチセンス鎖上のすべてのヌクレオチド上に存在し得;各安定化修飾は、センス鎖またはアンチセンス鎖上に交互パターンで存在し得;またはセンス鎖またはアンチセンス鎖は、両方の安定化修飾を交互パターンで含む。センス鎖上の安定化修飾の交互パターンは、アンチセンス鎖と同じであってもまたは異なってもよく、センス鎖上の安定化修飾の交互パターンは、アンチセンス鎖上の安定化修飾の交互パターンに対する変化を有し得る。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)の安定化修飾を含む。限定はされないが、アンチセンス鎖における安定化修飾は、任意の位置に存在し得る。一部の実施形態では、アンチセンスは、5’末端から2、6、8、9、14および16位に安定化修飾を含む。一部の他の実施形態では、アンチセンスは、5’末端から2、6、14および16位に安定化修飾を含む。さらに一部の他の実施形態では、アンチセンスは、5’末端から2、14および16位に安定化修飾を含む。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、不安定化修飾に隣接した少なくとも1つの安定化修飾を含む。例えば、安定化修飾は、不安定化修飾の5’末端または3’末端、すなわち不安定化修飾の位置から−1または+1位のヌクレオチドであり得る。一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、不安定化修飾の5’末端および3’末端の各々、すなわち不安定化修飾の位置から−1および+1位に安定化修飾を含む。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、不安定化修飾の3’末端、すなわち不安定化修飾の位置から+1および+2位に少なくとも2つの安定化修飾を含む。
一部の実施形態では、センス鎖は、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)の安定化修飾を含む。限定はされないが、センス鎖における安定化修飾は、任意の位置に存在し得る。一部の実施形態では、センス鎖は、5’末端から7、10および11位に安定化修飾を含む。一部の他の実施形態では、センス鎖は、5’末端から7、9、10および11位に安定化修飾を含む。一部の実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖の5’末端から数えてアンチセンス鎖の11、12および15位に対して対向的または相補的な位置に安定化修飾を含む。一部の他の実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖の5’末端から数えてアンチセンス鎖の11、12、13および15位に対して対向的または相補的な位置に安定化修飾を含む。一部の実施形態では、センス鎖は、2、3または4つの安定化修飾の遮断を含む。
一部の実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖における二本鎖の熱不安定化修飾に対して対向的または相補的な位置に安定化修飾を含まない。
例示的な熱安定化修飾として、限定はされないが、2’−フルオロ修飾が挙げられる。他の熱安定化修飾として、限定はされないが、LNAが挙げられる。
一部の実施形態では、本発明のdsRNAは、少なくとも4つ(例えば、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)の2’−フルオロヌクレオチドを含む。限定はされないが、2’−フルオロヌクレオチドの全部が片鎖に存在し得る。一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖の双方は、少なくとも2つの2’−フルオロヌクレオチドを含む。2’−フルオロ修飾は、センス鎖またはアンチセンス鎖の任意のヌクレオチド上に存在し得る。例えば、2’−フルオロ修飾は、センス鎖および/またはアンチセンス鎖上のすべてのヌクレオチド上に存在し得;各2’−フルオロ修飾は、センス鎖またはアンチセンス鎖上に交互パターンで存在し得;またはセンス鎖またはアンチセンス鎖は、両方の2’−フルオロ修飾を交互パターンで含む。センス鎖上の安定化修飾の交互パターンは、アンチセンス鎖と同じであってもまたは異なってもよく、センス鎖上での2’−フルオロ修飾の交互パターンは、アンチセンス鎖上の2’−フルオロ修飾の交互パターンに対する変化を有し得る。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)の2’−フルオロヌクレオチドを含む。限定はされないが、アンチセンス鎖における2’−フルオロ修飾は、任意の位置に存在し得る。一部の実施形態では、アンチセンスは、5’末端から2、6、8、9、14および16位に2’−フルオロヌクレオチドを含む。一部の他の実施形態では、アンチセンスは、5’末端から2、6、14および16位に2’−フルオロヌクレオチドを含む。さらに一部の他の実施形態では、アンチセンスは、5’末端から2、14および16位に2’−フルオロヌクレオチドを含む。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、不安定化修飾に隣接した少なくとも1つの2’−フルオロヌクレオチドを含む。例えば、2’−フルオロヌクレオチドは、不安定化修飾の5’末端または3’末端、すなわち不安定化修飾の位置から−1または+1位のヌクレオチドであり得る。一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、不安定化修飾の5’末端および3’末端の各々、すなわち不安定化修飾の位置から−1および+1位に2’−フルオロヌクレオチドを含む。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、不安定化修飾の3’末端、すなわち不安定化修飾の位置から+1および+2位に少なくとも2つの2’−フルオロヌクレオチドを含む。
一部の実施形態では、センス鎖は、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)の2’−フルオロヌクレオチドを含む。限定はされないが、センス鎖における2’−フルオロ修飾は、任意の位置に存在し得る。一部の実施形態では、アンチセンスは、5’末端から7、10および11位に2’−フルオロヌクレオチドを含む。一部の他の実施形態では、センス鎖は、5’末端から7、9、10および11位に2’−フルオロヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖の5’末端から数えてアンチセンス鎖の11、12および15位に対して対向的または相補的な位置に2’−フルオロヌクレオチドを含む。一部の他の実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖の5’末端から数えてアンチセンス鎖の11、12、13および15位に対して対向的または相補的な位置に2’−フルオロヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、センス鎖は、2、3または4つの2’−フルオロヌクレオチドの遮断を含む。
一部の実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖における二本鎖の熱不安定化修飾に対して対向的または相補的な位置に2’−フルオロヌクレオチドを含まない。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、21ヌクレオチド(nt)のセンス鎖および23ヌクレオチド(nt)のアンチセンスを含み、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位)に存在し、ここでdsRNAの一方の末端は平滑である一方、他方の末端は、2ntオーバーハングを含み、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。好ましくは、2ntオーバーハングは、アンチセンスの3’末端に存在する。
一部の実施形態では、センスおよびアンチセンス鎖を含む本発明のdsRNA分子において、センス鎖は、25〜30ヌクレオチド残基長であり、ここで前記センス鎖の5’末端ヌクレオチド(1位)から始まる1〜23位は、少なくとも8つのリボヌクレオチドを含み;アンチセンス鎖は、36〜66ヌクレオチド残基長であり、3’末端ヌクレオチドから始まる、その位置内の少なくとも8つのリボヌクレオチドがセンス鎖の1〜23位と対合することで、二本鎖を形成し;ここで少なくとも、アンチセンス鎖の3’末端ヌクレオチドは、センス鎖と対合せず、最大で6つの連続する3’末端ヌクレオチドは、センス鎖と対合せず、それにより1〜6ヌクレオチドの3’一本鎖オーバーハングを形成し;ここでアンチセンス鎖の5’末端は、センス鎖と対合しない10〜30の連続するヌクレオチドを含み、それにより10〜30ヌクレオチドの一本鎖5’オーバーハングを形成し;ここで少なくとも、センス鎖の5’末端および3’末端ヌクレオチドは、センスおよびアンチセンス鎖が最大相補性のために整列されるとき、アンチセンス鎖のヌクレオチドと塩基対合され、それによりセンスおよびアンチセンス鎖間で実質的に二本鎖の領域を形成し;また前記二本鎖核酸が哺乳動物細胞に導入されるとき、アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖長の少なくとも19のリボヌクレオチドに沿って標的RNAに対して十分に相補的であることで、標的遺伝子発現を低減し;またここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在する。例えば、熱不安定化ヌクレオチドは、センス鎖の5’末端の14〜17位に対して対向的または相補的な位置の間に存在し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;および(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)dsRNAは、12〜30ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センスおよびアンチセンス鎖を含み、ここで前記dsRNA分子は、少なくとも25、最大で29ヌクレオチドの長さを有するセンス鎖を含み、最大で30ヌクレオチドの長さを有するアンチセンス鎖は、センス鎖とともに、5’末端から11位で酵素分解を受けやすい修飾ヌクレオチドを含み、ここで前記センス鎖の3’末端および前記アンチセンス鎖の5’末端は、平滑末端を形成し、前記アンチセンス鎖は、その3’末端でセンス鎖よりも1〜4ヌクレオチド長く、ここで少なくとも25ヌクレオチド長である二本鎖領域では、前記dsRNA分子が哺乳動物細胞に導入されるとき、前記アンチセンス鎖は、前記アンチセンス鎖長の少なくとも19ntに沿って標的mRNAに対して十分に相補的であることで、標的遺伝子の発現を低減し、またここで前記dsRNAのダイサー切断により、前記アンチセンス鎖の前記3’末端を含むsiRNAが優先的にもたらされ、それにより哺乳動物における標的遺伝子の発現が低減され、ここでアンチセンス鎖は、少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドを含み、ここで少なくとも1つの熱不安定化ヌクレオチドは、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)存在し、またここでdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;および(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;および(vii)dsRNAは、12〜29ヌクレオチド対長の二本鎖領域を有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、dsRNA分子のセンス鎖およびアンチセンス鎖におけるすべてのヌクレオチドは、修飾されてもよい。各ヌクレオチドは、同じまたは異なる修飾で修飾されてもよく、その修飾は、非結合リン酸酸素および/または1つ以上の結合リン酸酸素の一方または両方の1つ以上の変更;リボース糖の成分、例えばリボース糖の2’ヒドロキシルの変更;リン酸部分の「デホスホ」リンカーでの大量の置換;天然塩基の修飾または置換;およびリボース−リン酸骨格の置換または修飾を含み得る。
核酸がサブユニットのポリマーであることから、例えば、塩基、またはリン酸部分、またはリン酸部分の非連結Oの修飾といった修飾の多くは、核酸内部で反復される位置で生じる。場合によっては、修飾は核酸中のあらゆる対象位置で生じることになるが、多くの場合、そうならない。例として、修飾は、3’もしくは5’末端位置に限って生じてもよく、末端領域内、例えば末端ヌクレオチド上のある位置または鎖の最後の2、3、4、5、もしくは10ヌクレオチド中に限って生じてもよい。修飾は、二本鎖領域、一本鎖領域、またはその双方において生じてもよい。修飾は、RNAの二本鎖領域内に限って生じてもよく、またはRNAの一本鎖領域内に限って生じてもよい。例えば、非連結O位置でのホスホロチオエート修飾は、一末端または両末端に限って生じてもよく、末端領域内、例えば末端ヌクレオチド上のある位置または鎖の最後の2、3、4、5、もしくは10ヌクレオチド中に限って生じてもよく、または二本鎖および一本鎖領域内、特に末端で生じてもよい。5’末端は、リン酸化され得る。
例えば、安定性を増強させるか、オーバーハング中に特定塩基を含めるか、または一本鎖オーバーハング中、例えば5’もしくは3’オーバーハング中、または双方に修飾ヌクレオチドもしくはヌクレオチド代替物を含めることは可能であり得る。例えば、オーバーハング中にプリンヌクレオチドを含めることが望ましい可能性がある。一部の実施形態では、3’もしくは5’オーバーハング中の塩基の全部もしくは一部を、例えば本明細書に記載の修飾で修飾してもよい。修飾は、例えばリボース糖の2’位での当該技術分野で公知の修飾による修飾の使用、例えば核酸塩基のリボ糖に代わるデオキシリボヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロ(2’−F)もしくは2’−O−メチル修飾の使用、およびリン酸基における修飾、例えばホスホロチオエート修飾を含み得る。オーバーハングは、標的配列と相同である必要はない。
一部の実施形態では、センス鎖およびアンチセンス鎖の各残基は、独立してLNA、HNA、CeNA、2’−メトキシエチル、2’−O−メチル、2’−O−アリル、2’−C−アリル、2’−デオキシ、または2’−フルオロで修飾される。それらの鎖は、2つ以上の修飾を含み得る。一部の実施形態では、センス鎖およびアンチセンス鎖の各残基は、独立して2’−O−メチルまたは2’−フルオロで修飾される。これらの修飾が、アンチセンス鎖に存在する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾に加えて存在することは理解されるべきである。
少なくとも2つの異なる修飾は、典型的にはセンス鎖およびアンチセンス鎖上に存在する。それら2つの修飾は、2’−デオキシ、2’−O−メチルまたは2’−フルオロ修飾、非環状ヌクレオチドまたはその他であってもよい。一部の実施形態では、センス鎖およびアンチセンス鎖の各々は、2’−O−メチルまたは2’−デオキシから選択される、2つの異なって修飾されたヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、センス鎖およびアンチセンス鎖の各残基は、独立して、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−デオキシヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−N−メチルアセトアミド(2’−O−NMA)ヌクレオチド、2’−O−ジメチルアミノエトキシエチル(2’−O−DMAEOE)ヌクレオチド、2’−O−アミノプロピル(2’−O−AP)ヌクレオチド、または2’−アラ−Fヌクレオチドで修飾される。再び、これらの修飾が、アンチセンス鎖に存在する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾に加えて存在することは理解されるべきである。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、特に、B1、B2、B3、B1’、B2’、B3’、B4’領域内に交互パターンの修飾を含む。用語「交互モチーフ」又は「交互パターン」は、本明細書で用いられるとき、1つ以上の修飾を有するモチーフであって、各修飾が1本の鎖の交互ヌクレオチド上で生じるものを指す。交互ヌクレオチドは、1つ置きのヌクレオチドごとに1つまたは3つのヌクレオチドごとに1つ、または類似パターンを指してもよい。例えば、A、BおよびCの各々がヌクレオチドに対する1つの修飾タイプを表す場合、交互モチーフは、「ABABABABABAB…」、「AABBAABBAABB…」、「AABAABAABAAB…」、「AAABAAABAAAB…」、「AAABBBAAABBB…」、または「ABCABCABCABC…」などであり得る。
交互モチーフ内に含まれる修飾のタイプは、同じであってもまたは異なってもよい。例えば、A、B、C、Dの各々がヌクレオチドに対する1つの修飾タイプを表す場合、交互パターン、すなわち1つ置きのヌクレオチドに対する修飾は、同じであってもよいが、センス鎖またはアンチセンス鎖の各々は、例えば「ABABAB…」、「ACACAC…」、「BDBDBD…」または「CDCDCD…」など、交互モチーフ内部の幾つかの修飾の可能性から選択され得る。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖上の交互モチーフにおける修飾パターンが、アンチセンス鎖上の交互モチーフにおける修飾パターンに対して変化することを含む。センス鎖のヌクレオチドの修飾基がアンチセンス鎖のヌクレオチドの異なる修飾基に対応し、またその逆もいえるような変化であってもよい。例えば、センス鎖がdsRNA二本鎖におけるアンチセンス鎖と対合するとき、二本鎖領域内部で、センス鎖内の交互モチーフは鎖の5’−3’から「ABABAB」で開始してもよく、かつアンチセンス鎖内の交互モチーフは鎖の3’−5’から「BABABA」で開始してもよい。別の例として、二本鎖領域内部で、センス鎖内の交互モチーフは鎖の5’−3’から「AABBAABB」で開始してもよく、かつアンチセンス鎖内の交互モチーフは鎖の3’−5’から「BBAABBAA」で開始してもよく、それによりセンス鎖とアンチセンス鎖との間に修飾パターンの完全な変化または部分的変化が存在する。
本発明のdsRNA分子は、少なくとも1つのホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合をさらに含んでもよい。ホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合修飾は、センス鎖もしくはアンチセンス鎖または両方の、鎖の任意の位置における任意のヌクレオチド上に生じてもよい。例えば、ヌクレオチド間結合修飾は、センス鎖および/またはアンチセンス鎖上のすべてのヌクレオチド上に生じてもよい;各ヌクレオチド間結合修飾は、センス鎖またはアンチセンス鎖上に交互パターンで生じてもよい;またはセンス鎖もしくはアンチセンス鎖は、両方のヌクレオチド間結合修飾を交互パターンで含む。センス鎖上のヌクレオチド間結合修飾の交互パターンは、アンチセンス鎖と同じでもまたは異なってもよく、またセンス鎖上のヌクレオチド間結合修飾の交互パターンは、アンチセンス鎖上のヌクレオチド間結合修飾の交互パターンに対して変化を有してもよい。
一部の実施形態では、dsRNA分子は、オーバーハング領域内にホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合修飾を含む。例えば、オーバーハング領域は、2つのヌクレオチド間にホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合を有する2つのヌクレオチドを含む。ヌクレオチド間結合修飾はまた、オーバーハングヌクレオチドを二本鎖領域内部の末端の対合ヌクレオチドと連結するために設けられてもよい。例えば、少なくとも2、3、4、もしくはすべてのオーバーハングヌクレオチドは、ホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合を通じて連結されてもよく、任意選択的には、オーバーハングヌクレオチドをオーバーハングヌクレオチドに隣接する対合ヌクレオチドと連結する、追加的なホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合が存在してもよい。例えば、末端の3つのヌクレオチド間に少なくとも2つのホスホロチオエートのヌクレオチド間結合が存在してもよく、ここで3つのうちの2つのヌクレオチドはオーバーハングヌクレオチドであり、かつ3つ目はオーバーハングヌクレオチドに隣接する対合ヌクレオチドである。好ましくは、これら末端の3つのヌクレオチドは、アンチセンス鎖の3’末端に存在してもよい。
一部の実施形態では、dsRNA分子のセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16のリン酸ヌクレオチド間結合によって分離される、2から10のホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の1〜10のブロックを含み、ホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の一方は、オリゴヌクレオチド配列内の任意の位置に配置され、前記センス鎖は、ホスホロチオエート、メチルホスホン酸およびリン酸のヌクレオチド間結合の任意の組み合わせを含むアンチセンス鎖、またはホスホロチオエートもしくはメチルホスホン酸もしくはリン酸の結合のいずれかを含むアンチセンス鎖と対合する。
一部の実施形態では、dsRNA分子のアンチセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18のリン酸ヌクレオチド間結合によって分離される2つのホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合の2つのブロックを含み、ここでホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の一方は、オリゴヌクレオチド配列内の任意の位置に配置され、前記アンチセンス鎖は、ホスホロチオエート、メチルホスホン酸およびリン酸のヌクレオチド間結合の任意の組み合わせを含むセンス鎖、またはホスホロチオエートもしくはメチルホスホン酸もしくはリン酸の結合のいずれかを含むアンチセンス鎖と対合する。
一部の実施形態では、dsRNA分子のアンチセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16のリン酸ヌクレオチド間結合によって分離される3つのホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合の2つのブロックを含み、ここでホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の一方は、オリゴヌクレオチド配列内の任意の位置に配置され、前記アンチセンス鎖は、ホスホロチオエート、メチルホスホン酸およびリン酸のヌクレオチド間結合の任意の組み合わせを含むセンス鎖、またはホスホロチオエートもしくはメチルホスホン酸もしくはリン酸の結合のいずれかを含むアンチセンス鎖と対合する。
一部の実施形態では、dsRNA分子のアンチセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14のリン酸ヌクレオチド間結合によって分離される4つのホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合の2つのブロックを含み、ここでホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の一方は、オリゴヌクレオチド配列内の任意の位置に配置され、前記アンチセンス鎖は、ホスホロチオエート、メチルホスホン酸およびリン酸のヌクレオチド間結合の任意の組み合わせを含むセンス鎖、またはホスホロチオエートもしくはメチルホスホン酸もしくはリン酸の結合のいずれかを含むアンチセンス鎖と対合する。
一部の実施形態では、dsRNA分子のアンチセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12のリン酸ヌクレオチド間結合によって分離される5つのホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の2つのブロックを含み、ここでホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の一方は、オリゴヌクレオチド配列内の任意の位置に配置され、前記アンチセンス鎖は、ホスホロチオエート、メチルホスホン酸およびリン酸のヌクレオチド間結合の任意の組み合わせを含むセンス鎖、またはホスホロチオエートもしくはメチルホスホン酸もしくはリン酸の結合のいずれかを含むアンチセンス鎖と対合する。
一部の実施形態では、dsRNA分子のアンチセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のリン酸ヌクレオチド間結合によって分離される6つのホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の2つのブロックを含み、ここでホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の一方は、オリゴヌクレオチド配列内の任意の位置に配置され、前記アンチセンス鎖は、ホスホロチオエート、メチルホスホン酸およびリン酸のヌクレオチド間結合の任意の組み合わせを含むセンス鎖、またはホスホロチオエートもしくはメチルホスホン酸もしくはリン酸の結合のいずれかを含むアンチセンス鎖と対合する。
一部の実施形態では、dsRNA分子のアンチセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7または8のリン酸ヌクレオチド間結合によって分離される7つのホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の2つのブロックを含み、ここでホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の一方は、オリゴヌクレオチド配列内の任意の位置に配置され、前記アンチセンス鎖は、ホスホロチオエート、メチルホスホン酸およびリン酸のヌクレオチド間結合の任意の組み合わせを含むセンス鎖、またはホスホロチオエートもしくはメチルホスホン酸もしくはリン酸の結合のいずれかを含むアンチセンス鎖と対合する。
一部の実施形態では、dsRNA分子のアンチセンス鎖は、1、2、3、4、5または6のリン酸ヌクレオチド間結合によって分離される8つのホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の2つのブロックを含み、ここでホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の一方は、オリゴヌクレオチド配列内の任意の位置に配置され、前記アンチセンス鎖は、ホスホロチオエート、メチルホスホン酸およびリン酸のヌクレオチド間結合の任意の組み合わせを含むセンス鎖、またはホスホロチオエートもしくはメチルホスホン酸もしくはリン酸の結合のいずれかを含むアンチセンス鎖と対合する。
一部の実施形態では、dsRNA分子のアンチセンス鎖は、1、2、3または4のリン酸ヌクレオチド間結合によって分離される9つのホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の2つのブロックを含み、ここでホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合の一方は、オリゴヌクレオチド配列内の任意の位置に配置され、前記アンチセンス鎖は、ホスホロチオエート、メチルホスホン酸およびリン酸のヌクレオチド間結合の任意の組み合わせを含むセンス鎖、またはホスホロチオエートもしくはメチルホスホン酸もしくはリン酸の結合のいずれかを含むアンチセンス鎖と対合する。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センスおよび/またはアンチセンス鎖の末端位置の1〜10以内に1つ以上のホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10のヌクレオチドは、センスおよび/またはアンチセンス鎖の一端または両端でホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合を通じて連結されてもよい。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センスおよび/またはアンチセンス鎖各々の二本鎖の内部領域の1〜10以内に1つ以上のホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10のヌクレオチドは、二本鎖領域のセンス鎖の5’末端から数えて8〜16位でホスホロチオエートメチルホスホン酸ヌクレオチド間結合を通じて連結されてもよく;dsRNA分子は、任意選択的には、1つ以上のホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合修飾を末端1〜10位以内にさらに含んでもよい。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に1〜5のホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1〜5のホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に1〜5のホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1〜5のホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1つのホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に2つのホスホロチオエートまたはメチルホスホン酸のヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1〜5位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と18〜23位以内に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と20および21位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と21位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と21位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と20および21位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と21および22位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と21位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と21位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と21および22位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と22および23位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾および21位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、センス鎖の(5’末端から数えて)1位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と21位に1つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾、ならびにアンチセンス鎖の(5’末端から数えて)1および2位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾と23および23位に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合修飾をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、骨格キラル中心のパターンを含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも5のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも6のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも7のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも8のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも9のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも10のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも11のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも12のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも13のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも14のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも15のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも16のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも17のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも18のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置において少なくとも19のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Rp立体配置において8以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Rp立体配置において7以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Rp立体配置において6以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Rp立体配置において5以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Rp立体配置において4以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Rp立体配置において3以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Rp立体配置において2以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Rp立体配置において1以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、(非限定例として、リン酸ジエステルである)キラルでない8以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、キラルでない7以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、キラルでない6以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、キラルでない5以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、キラルでない4以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、キラルでない3以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、キラルでない2以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、キラルでない1以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置における少なくとも10のヌクレオチド間結合、およびキラルでない8以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置における少なくとも11のヌクレオチド間結合、およびキラルでない7以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置における少なくとも12のヌクレオチド間結合、およびキラルでない6以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置における少なくとも13のヌクレオチド間結合、およびキラルでない6以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置における少なくとも14のヌクレオチド間結合、およびキラルでない5以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、骨格キラル中心の共通パターンは、Sp立体配置における少なくとも15のヌクレオチド間結合、およびキラルでない4以下のヌクレオチド間結合を含む。一部の実施形態では、Sp立体配置におけるヌクレオチド間結合は、任意選択的には、隣接的または非隣接的である。一部の実施形態では、Rp立体配置におけるヌクレオチド間結合は、任意選択的には、隣接的または非隣接的である。一部の実施形態では、キラルでないヌクレオチド間結合は、任意選択的には、隣接的または非隣接的である。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、立体化学ブロックであるブロックを含む。一部の実施形態では、ブロックは、ブロックの各ヌクレオチド間結合がRpであるようなRpブロックである。一部の実施形態では、5’−ブロックがRpブロックである。一部の実施形態では、3’−ブロックがRpブロックである。一部の実施形態では、ブロックは、ブロックの各ヌクレオチド間結合がSpであるようなSpブロックである。一部の実施形態では、5’−ブロックがSpブロックである。一部の実施形態では、3’−ブロックがSpブロックである。一部の実施形態では、提供されるオリゴヌクレオチドは、RpおよびSpブロックの双方を含む。一部の実施形態では、提供されるオリゴヌクレオチドは、1つ以上のRpを含むが、Spブロックを含まない。一部の実施形態では、提供されるオリゴヌクレオチドは、1つ以上のSpを含むが、Rpブロックを含まない。一部の実施形態では、提供されるオリゴヌクレオチドは、各ヌクレオチド間結合が天然リン酸結合であるような1つ以上のPOブロックを含む。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、5’−ブロックは、各糖部分が2’−F修飾を含むようなSpブロックである。一部の実施形態では、5’−ブロックは、ヌクレオチド間結合の各々が修飾ヌクレオチド間結合であり、かつ各糖部分が2’−F修飾を含むようなSpブロックである。一部の実施形態では、5’−ブロックは、ヌクレオチド間結合の各々がホスホロチオエート結合であり、かつ各糖部分が2’−F修飾を含むようなSpブロックである。一部の実施形態では、5’−ブロックは、4以上のヌクレオシド単位を含む。一部の実施形態では、5’−ブロックは、5以上のヌクレオシド単位を含む。一部の実施形態では、5’−ブロックは、6以上のヌクレオシド単位を含む。一部の実施形態では、5’−ブロックは、7以上のヌクレオシド単位を含む。一部の実施形態では、3’−ブロックは、各糖部分が2’−F修飾を含むようなSpブロックである。一部の実施形態では、3’−ブロックは、ヌクレオチド間結合の各々が修飾ヌクレオチド間結合であり、かつ各糖部分が2’−F修飾を含むようなSpブロックである。一部の実施形態では、3’−ブロックは、ヌクレオチド間結合の各々がホスホロチオエート結合であり、かつ各糖部分が2’−F修飾を含むようなSpブロックである。一部の実施形態では、3’−ブロックは、4以上のヌクレオシド単位を含む。一部の実施形態では、3’−ブロックは、5以上のヌクレオシド単位を含む。一部の実施形態では、3’−ブロックは、6以上のヌクレオシド単位を含む。一部の実施形態では、3’−ブロックは、7以上のヌクレオシド単位を含む。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、ある領域内にあるタイプのヌクレオシドを含む、またはオリゴヌクレオチドは、特定タイプのヌクレオチド間結合、例えば、天然リン酸結合、修飾ヌクレオチド間結合、Rpキラルヌクレオチド間結合、Spキラルヌクレオチド間結合などによって後続される。一部の実施形態では、Aは、Spによって後続される。一部の実施形態では、Aは、Rpによって後続される。一部の実施形態では、Aは、天然リン酸結合(PO)によって後続される。一部の実施形態では、Uは、Spによって後続される。一部の実施形態では、Uは、Rpによって後続される。一部の実施形態では、Uは、天然リン酸結合(PO)によって後続される。一部の実施形態では、Cは、Spによって後続される。一部の実施形態では、Cは、Rpによって後続される。一部の実施形態では、Cは、天然リン酸結合(PO)によって後続される。一部の実施形態では、Gは、Spによって後続される。一部の実施形態では、Gは、Rpによって後続される。一部の実施形態では、Gは、天然リン酸結合(PO)によって後続される。一部の実施形態では、CおよびUは、Spによって後続される。一部の実施形態では、CおよびUは、Rpによって後続される。一部の実施形態では、CおよびUは、天然リン酸結合(PO)によって後続される。一部の実施形態では、AおよびGは、Spによって後続される。一部の実施形態では、AおよびGは、Rpによって後続される。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、ヌクレオチドの21および22位の間とヌクレオチド22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(viii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖は、ヌクレオチドの1および2位の間、ヌクレオチドの2および3位の間、ヌクレオチドの21および22位の間、ならびにヌクレオチドの22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iii)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(iv)センス鎖は、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(v)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vi)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(viii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センス鎖は、ヌクレオチドの1および2位の間とヌクレオチドの2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)アンチセンスは、1、2、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(iii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iv)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(v)センス鎖は、3、4または5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(vi)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vii)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(viii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7または8全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、センス鎖は、ヌクレオチドの1および2位の間とヌクレオチドの2および3位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、アンチセンス鎖は、ヌクレオチドの1および2位の間、ヌクレオチドの2および3位の間、ヌクレオチドの21および22位の間、ならびにヌクレオチドの22および23位の間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、ここでアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖のシード領域内に(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端の2〜9位に)位置する二本鎖の少なくとも1つの熱不安定化修飾を有し、またdsRNAは、任意選択的には、以下の特徴:(i)アンチセンスは、2、3、4、5または6の2’−フルオロ修飾を含む;(ii)センス鎖は、リガンドとコンジュゲートされる;(iii)センス鎖は、2、3、4または5の2’−フルオロ修飾を含む;(iv)センス鎖は、3または4のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む;(v)dsRNAは、少なくとも4つの2’−フルオロ修飾を含む;(vi)dsRNAは、12〜40ヌクレオチド対長の二本鎖領域を含む;および(vii)dsRNAは、アンチセンス鎖の5’末端に平滑末端を有する、の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6または7全部)をさらに有する。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、二本鎖内部に、標的とのミスマッチ、またはその組み合わせを含む。ミスマッチは、オーバーハング領域内または二本鎖領域内に存在してもよい。塩基対は、解離または融解を促進するその傾向に基づいて順位付けされてもよい(例えば、最も簡単な手法は、特定の対合の会合または解離の自由エネルギーについて、その対合を個別の対合に基づいて検討することであるが、酷似または類似の分析もまた用いることができる)。解離を促進する観点では、A:UはG:Cよりも好ましく;G:UはG:Cよりも好ましく;かつI:CはG:Cよりも好ましい(I=イノシン)。ミスマッチ、例えば非基準もしくは基準以外の対合(本明細書中の他の箇所で記載の通り)は、基準(A:T、A:U、G:C)対合よりも好ましく;またユニバーサル塩基を含む対合は、基準の対合よりも好ましい。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、二本鎖の5’末端でのアンチセンス鎖の解離を促進するため、A:U、G:U、I:C、およびミスマッチ対、例えば非基準もしくは基準以外の対合またはユニバーサル塩基を含む対合の群から独立して選択することができる、アンチセンス鎖の5’末端からの二本鎖領域内部の最初の1、2、3、4、もしくは5つの塩基対の少なくとも1つを含む。
一部の実施形態では、アンチセンス鎖における5’末端からの二本鎖領域内部の1位のヌクレオチドは、A、dA、dU、U、およびdTからなる群から選択される。あるいは、アンチセンス鎖の5’末端からの二本鎖領域内部の最初の1、2もしくは3つの塩基対の少なくとも1つはAU塩基対である。例えば、アンチセンス鎖の5’末端からの二本鎖領域内部の最初の塩基対はAU塩基対である。
本発明者らは、4’修飾および/または5’修飾ヌクレオチドを、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドの任意の位置でジヌクレオチドのリン酸ジエステル(PO)、ホスホロチオエート(PS)、および/またはジチオリン酸(PS2)結合の3’末端に導入することが、ヌクレオチド間結合に対して立体効果を発揮し、ひいてはそれをヌクレアーゼに対して保護または安定化し得ることを見出した。
一部の実施形態では、5’修飾ヌクレオシドは、一本鎖または二本鎖siRNAの任意の位置でジヌクレオチドの3’末端に導入される。例えば、一本鎖または二本鎖siRNAの任意の位置でジヌクレオチドの3’末端に5’−アルキル化ヌクレオシドが導入されてもよい。リボース糖の5’位置のアルキル基は、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体であり得る。例示的な5’−アルキル化ヌクレオシドが、5’−メチルヌクレオシドである。5’−メチルは、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体のいずれかであり得る。
一部の実施形態では、4’修飾ヌクレオシドは、一本鎖または二本鎖siRNAの任意の位置でジヌクレオチドの3’末端に導入される。例えば、4’−アルキル化ヌクレオシドは、一本鎖または二本鎖siRNAの任意の位置でジヌクレオチドの3’末端に導入されてもよい。リボース糖の4’位置のアルキル基は、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体であり得る。例示的な4’−アルキル化ヌクレオシドは、4’−メチルヌクレオシドである。4’−メチルは、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体のいずれかであり得る。あるいは、4’−O−アルキル化ヌクレオシドは、一本鎖または二本鎖siRNAの任意の位置でジヌクレオチドの3’末端に導入されてもよい。リボース糖の4’−O−アルキルは、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体であり得る。例示的な4’−O−アルキル化ヌクレオシドは、4’−O−メチルヌクレオシドである。4’−O−メチルは、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体のいずれかであり得る。
一部の実施形態では、5’−アルキル化ヌクレオシドは、dsRNAのセンス鎖またはアンチセンス鎖上の任意の位置に導入され、かかる修飾は、dsRNAの効力を維持または改善する。5’−アルキルは、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体のいずれかであり得る。例示的な5’−アルキル化ヌクレオシドは、5’−メチルヌクレオシドである。5’−メチルは、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体のいずれかであり得る。
一部の実施形態では、4’−アルキル化ヌクレオシドは、dsRNAのセンス鎖またはアンチセンス鎖上の任意の位置に導入され、かかる修飾は、dsRNAの効力を維持または改善する。4’−アルキルは、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体のいずれかであり得る。例示的な4’−アルキル化ヌクレオシドは、4’−メチルヌクレオシドである。4’−メチルは、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体のいずれかであり得る。
一部の実施形態では、4’−O−アルキル化ヌクレオシドは、dsRNAのセンス鎖またはアンチセンス鎖上の任意の位置に導入され、かかる修飾は、dsRNAの効力を維持または改善する。5’−アルキルは、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体のいずれかであり得る。例示的な4’−O−アルキル化ヌクレオシドは、4’−O−メチルヌクレオシドである。4’−O−メチルは、ラセミまたはキラル純粋なRもしくはS異性体のいずれかであり得る。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、2’−5’結合(2’−H、2’−OHおよび2’−OMeを有し、かつP=OまたはP=Sを有する)を含み得る。例えば、2’−5’結合修飾は、ヌクレアーゼ耐性を促進するかもしくはセンス鎖のアンチセンス鎖への結合を阻害するため、用いることができ、またはRISCによるセンス鎖活性化を回避するため、センス鎖の5’末端で用いることができる。
別の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、L糖(例えば、2’−H、2’−OHおよび2’−OMeを有するLリボース、L−アラビノース)を含み得る。例えば、これらのL糖修飾は、ヌクレアーゼ耐性を促進するかもしくはセンス鎖のアンチセンス鎖への結合を阻害するため、用いることができ、またはRISCによるセンス鎖活性化を回避するため、センス鎖の5’末端で用いることができる。
様々な出版物にて、本発明のdsRNAとともにすべてを用いることができる多量体siRNAが記載されている。かかる出版物は、国際公開第2007/091269号パンフレット、米国特許第7858769号明細書、国際公開第2010/141511号パンフレット、国際公開第2007/117686号パンフレット、国際公開第2009/014887号パンフレットおよび国際公開第2011/031520号パンフレット(それら全体がここで援用される)を含む。
1つ以上の炭水化物部分のdsRNA分子への結合を含むdsRNA分子は、dsRNA分子の1つ以上の特性を最適化し得る。多くの場合、炭水化物部分は、dsRNA分子の修飾サブユニットに結合されることになる。例えば、dsRNA分子の1つ以上のリボヌクレオチドサブユニットのリボース糖は、別の部分、例えば炭水化物リガンドが結合した非炭水化物(好ましくは環状)担体と置換され得る。サブユニットのリボース糖がそのように置換されているリボヌクレオチドサブユニットは、本明細書中でリボース置換修飾サブユニット(RRMS)と称される。環状担体は炭素環式環系であってもよく、すなわちすべての環原子は炭素原子であるか、または複素環式環系、すなわち1つ以上の環原子は、ヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、硫黄であってもよい。環状担体は、単環式環系であってもよく、または2つ以上の環、例えば融合環を含んでもよい。環状担体は、完全飽和環系であってもよく、または1つ以上の二重結合を含んでもよい。
リガンドは、担体によってポリヌクレオチドに付着されてもよい。担体は、(i)少なくとも1つの「骨格付着点(backbone attachment point)」、好ましくは2つの「骨格付着点」、および(ii)少なくとも1つの「テザー付着点(tethering attachment point)」を含む。「骨格付着点」は、本明細書で用いられるとき、官能基、例えばヒドロキシル基、または一般に、リボ核酸の骨格、例えばリン酸塩の骨格、もしくは例えば硫黄を含有する修飾リン酸塩の骨格への担体の組み込みに利用可能であり、かつ適した結合を指す。「テザー付着点」(TAP)は、一部の実施形態では、選択された部分を接続する環状担体の構成環原子、例えば炭素原子またはヘテロ原子(骨格付着点を提供する原子とは異なる)を指す。その部分は、例えば糖質、例えば、単糖、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖、および多糖であり得る。任意選択的には、選択された部分は、介在テザー(intervening tether)によって環状担体に接続される。したがって、環状担体は、官能基、例えばアミノ基を含むことが多く、または一般に、別の化学的実体、例えばリガンドの構成環への組み込みまたは繋留に適した結合を可能にする。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、担体を介してリガンドに結合されてもよく、ここで担体は、環式基または非環式基であり得;好ましくは、環式基は、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、[1,3]ジオキソラン、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キノキサリニル、ピリダジノニル、テトラヒドロフリルおよびデカリンから選択され;好ましくは、非環式基は、セリノール骨格またはジエタノールアミン骨格から選択される。
本発明の二本鎖RNA(dsRNA)剤は、任意選択的には、1つ以上のリガンドにコンジュゲートされてもよい。リガンドは、3’末端、5’末端または両末端で、センス鎖、アンチセンス鎖または両鎖に結合され得る。例えば、リガンドは、センス鎖、特にセンス鎖の3’末端にコンジュゲートされてもよい。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、5’リン酸化される、または5’プライム末端にホスホリル類似体を含む。5’−リン酸修飾は、RISC媒介遺伝子サイレンシングに適合するものを含む。好適な修飾は、5’−一リン酸((HO)2(O)P−O−5’);5’−二リン酸((HO)2(O)P−O−P(HO)(O)−O−5’);5’−三リン酸((HO)2(O)P−O−(HO)(O)P−O−P(HO)(O)−O−5’);5’−グアノシンキャップ(7−メチル化または非メチル化)(7m−G−O−5’−(HO)(O)P−O−(HO)(O)P−O−P(HO)(O)−O−5’);5’−アデノシンキャップ(Appp)、および任意の修飾または非修飾ヌクレオチドキャップ構造(N−O−5’−(HO)(O)P−O−(HO)(O)P−O−P(HO)(O)−O−5’);5’−モノチオリン酸(ホスホロチオエート;(HO)2(S)P−O−5’);5’−モノジチオリン酸(ジチオリン酸;(HO)(HS)(S)P−O−5’)、5’−ホスホロチオラート((HO)2(O)P−S−5’);酸素/硫黄が置換された一リン酸、二リン酸および三リン酸の任意のさらなる組み合わせ(例えば、5’−α−チオ三リン酸、5’−γ−チオ三リン酸など)、5’−ホスホロアミド酸((HO)2(O)P−NH−5’、(HO)(NH2)(O)P−O−5’)、5’−アルキルホスホネート(R=アルキル=メチル、エチル、イソプロピル、プロピルなど、例えば、RP(OH)(O)−O−5’−、5’−アルケニルホスホネート(すなわち、ビニル、置換ビニル)、(OH)2(O)P−5’−CH2−)、5’−アルキルエーテルホスホネート(R=アルキルエーテル=メトキシメチル(MeOCH2−)、エトキシメチルなど、例えばRP(OH)(O)−O−5’−)を含む。一例では、修飾は、dsRNA分子のアンチセンス鎖内に配置され得る。
リガンド
多種多様な実体が、本発明のオリゴヌクレオチドにカップリングされ得る。好ましい部分は、好ましくは共有結合的に、直接的に、または介在テザーを介して間接的にカップリングされたリガンドである。
好ましい実施形態では、リガンドは、それが中に組み込まれる分子の分布、ターゲティングまたは寿命を変化させる。好ましい実施形態では、リガンドは、選択される標的、例えば、分子、細胞もしくは細胞型、区画、受容体、例えば、細胞もしくは臓器区画、組織、臓器または身体領域に対して、例えばかかるリガンドを有しない種と比べて、増強された親和性をもたらす。選択された標的に対して増強された親和性をもたらすリガンドはまた、標的化リガンドと称される。
一部のリガンドは、エンドソーム溶解特性を有し得る。エンドソーム溶解リガンドは、エンドソームの溶解および/または本発明の組成物もしくはその成分の細胞のエンドソームから細胞質への輸送を促進する。エンドソーム溶解リガンドは、pH依存性の膜活性および膜融合性を示す、ポリアニオンペプチドまたはペプチドミメティックであってもよい。一部の実施形態では、エンドソーム溶解リガンドは、エンドソームpHでその活性型立体構造を取る。「活性型」立体構造は、エンドソーム溶解リガンドが、エンドソームの溶解および/または本発明の組成物もしくはその成分の細胞のエンドソームから細胞質への輸送を促進するような立体構造である。例示的なエンドソーム溶解リガンドとして、GALAペプチド(Subbarao et al.,Biochemistry,1987,26:2964−2972、その全体が参照により援用される)、EALAペプチド(Vogel et al.,J.Am.Chem.Soc.,1996,118:1581−1586、その全体が参照により援用される)、およびそれらの誘導体(Turk et al.,Biochem.Biophys.Acta,2002,1559:56−68、その全体が参照により援用される)が挙げられる。一部の実施形態では、エンドソーム溶解成分は、pHの変化に応答して、電荷またはプロトン化にて変化を経ることになる化学基(例えばアミノ酸)を含有してもよい。エンドソーム溶解成分は、線状または分岐状であってもよい。
リガンドは、輸送、ハイブリダイゼーション、および特異性特性を改善し得、また得られる天然または修飾オリゴリボヌクレオチド、または本明細書に記載の単量体および/または天然もしくは修飾リボヌクレオチドの任意の組み合わせを含むポリマー分子のヌクレアーゼ耐性を改善してもよい。
リガンドは、一般に、例えば取り込みを増強するための治療修飾因子;例えば分布を監視するための診断化合物またはレポーター基;架橋剤;およびヌクレアーゼ耐性を与える部分、を含み得る。一般例として、脂質、ステロイド、ビタミン、糖、タンパク質、ペプチド、ポリアミン、およびペプチド模倣物が挙げられる。
リガンドは、天然に存在する物質、例えば、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)、またはグロブリン);炭水化物(例えば、デキストラン、プルラン、キチン、キトサン、イヌリン、シクロデキストリンまたはヒアルロン酸);または脂質を含み得る。リガンドはまた、組換えまたは合成分子、例えば合成ポリマー、例えば、合成ポリアミノ酸、オリゴヌクレオチド(例えばアプタマー)であってもよい。ポリアミノ酸の例として、ポリリジン(PLL)、ポリL−アスパラギン酸、ポリL−グルタミン酸、スチレン−マレイン酸無水物共重合体、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)共重合体、ジビニルエーテル−マレイン無水物共重合体、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド共重合体(HMPA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン、ポリ(2−アクリル酸エチル)、N−イソプロピルアクリルアミドポリマー、またはポリホスファジンであるポリアミノ酸が挙げられる。ポリアミンの例として、ポリエチレンイミン、ポリリジン(PLL)、スペルミン、スペルミジン、ポリアミン、擬ペプチド−ポリアミン、ペプチドミメティックポリアミン、デンドリマーポリアミン、アルギニン、アミジン、プロタミン、カチオン性脂質、カチオン性ポルフィリン、ポリアミンの四級塩、またはαヘリカルペプチドが挙げられる。
リガンドはまた、標的基、例えば、細胞または組織標的化剤、例えば、レクチン、糖タンパク質、脂質またはタンパク質、例えば、腎細胞などの特定細胞型に結合する抗体を含み得る。標的基は、サイロトロピン、メラノトロトピン、レクチン、糖タンパク質、界面活性剤タンパク質A、ムチン炭水化物、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、N−アセチル−グルコサミン、多価マンノース、多価フコース、グリコシル化ポリアミノ酸、多価ガラクトース、トランスフェリン、ビスホスホネート、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、脂質、コレステロール、ステロイド、胆汁酸、葉酸塩、ビタミンB12、ビオチン、RGDペプチド、RGDペプチドミメティックまたはアプタマー、であり得る。表2は、標的リガンドおよびそれらの関連受容体の一部の例を示す。
リガンドのその他の例としては、染料、挿入剤(例えばアクリジン)、架橋剤(例えばソラレン、マイトマイシンC)、ポルフィリン(TPPC4、テキサフィリン、サフィリン)、多環式芳香族炭化水素(例えばフェナジン、ジヒドロフェナジン)、人工エンドヌクレアーゼまたはキレート剤(例えばEDTA)、例えばコレステロールなどの親油性分子、コール酸、アダマンタン酢酸、1−ピレン酪酸、ジヒドロテストステロン、1,3−ビス−O(ヘキサデシル)グリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオール、メントール、1,3−プロパンジオール、ヘプタデシル基、パルミチン酸、ミリスチン酸、O3−(オレオイル)リトコール酸、O3−(オレオイル)コレン酸、ジメトキシトリチル、またはフェノキサジン)およびペプチド複合体(例えばアンテナペディアペプチド、Tatペプチド)、アルキル化剤、ホスフェート、アミノ、メルカプト、PEG(例えばPEG−40K)、MPEG、[MPEG]2、ポリアミノ、アルキル、置換アルキル、放射性標識マーカー、酵素、ハプテン(例えばビオチン)、輸送/吸収促進薬(例えばアスピリン、ビタミンE、葉酸)、合成リボヌクレアーゼ(例えばイミダゾール、ビスイミダゾール、ヒスタミン、イミダゾールクラスター、アクリジン−イミダゾール複合体、テトラアザ大環状化合物のEu3+複合体)、ジニトロフェニル、HRP、またはAPが挙げられる。
リガンドは、例えば糖タンパク質などのタンパク質;または例えば共リガンドに特異的親和性を有する分子などのペプチド;または例えばがん細胞、内皮細胞、または骨細胞などの指定された細胞型に結合する抗体などの抗体であり得る。リガンドはまた、ホルモンおよびホルモン受容体を含んでもよい。それらはまた、脂質、レクチン、炭水化物、ビタミン、補助因子、多価乳糖、多価ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、N−アセチル−グルコサミン多価マンノース、多価フコース、またはアプタマーなどの非ペプチド化学種を含み得る。リガンドは、例えばリポ多糖、p38 MAPキナーゼ活性化因子、またはNF−κB活性化因子であり得る。
リガンドは、例えば細胞の微小管、微小繊維、および/または中間径フィラメントを破壊することで、例えば細胞の細胞骨格を破壊することにより、細胞へのiRNA剤の取り込みを増大させ得る薬剤などの物質であり得る。薬剤は、例えばタキソン(taxon)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、サイトカラシン、ノコダゾール、ジャプラキノリド(japlakinolide)、ラトランクリンA、ファロイジン、スウィンホリドA、インダノシン、またはミオセルビンであり得る。
リガンドは、オリゴヌクレオチドの細胞への取り込みを、例えば炎症性応答を活性化することにより増強し得る。かかる効果を有することになる例示的リガンドは、腫瘍壊死因子α(TNF−α)、インターロイキン−1β、またはγインターフェロンを含む。
一態様では、リガンドは、脂質または脂質に基づく分子である。このような脂質または脂質ベースの分子は、好ましくは、例えばヒト血清アルブミン(HSA)などの血清タンパク質と結合する。HSA結合リガンドは、例えば身体の非腎臓標的組織などの標的組織への複合体の分布を可能にする。例えば標的組織は、肝臓の実質細胞をはじめとする肝臓であり得る。HSAに結合し得るその他の分子もまた、リガンドとして使用し得る。例えばナプロキセンまたはアスピリンを使用し得る。脂質または脂質ベースのリガンドは、(a)複合体の分解耐性を増大させ得て、(b)標的細胞または細胞膜の標的化またはそれへの輸送を増大させ得て、および/または(c)例えばHSAなどの血清タンパク質の結合を調節するのに使用し得る。
例えば複合体の標的組織への結合を調節するなど、阻害のために、脂質ベースのリガンドを使用し得る。例えばより強力にHSAに結合する脂質または脂質ベースのリガンドは、腎臓に標的化される可能性がより低く、したがって身体から除去される可能性がより低い。より弱くHSAに結合する脂質または脂質ベースのリガンドは、複合体を腎臓に標的化するのに使用し得る。
好ましい実施形態では、脂質ベースのリガンドはHSAに結合する。好ましくは、それは、複合体が好ましくは非腎臓組織に分布するように、十分な親和性でHSAと結合する。しかし親和性は、HSAリガンド結合が逆転され得ない程度にまで、強力ではないことが好ましい。
他の好ましい実施形態では、複合体が好ましくは腎臓に分布するように、脂質ベースのリガンドはHSAと弱く結合し、または全く結合しない。腎細胞を標的とするその他の部分もまた、脂質ベースのリガンドに代えて、またはそれに加えて使用し得る。
別の態様では、リガンドは、例えば増殖細胞などの標的細胞に取り込まれる、ビタミンなどの部分である。これらは、例えばがん細胞などの悪性または非悪性型などの望まれない細胞増殖によって特徴付けられる障害を治療するのに、特に有用である。例示的なビタミンとしては、ビタミンA、E、およびKが挙げられる。その他の例示的なビタミンとしては、例えば葉酸、B12、リボフラビン、ビオチン、ピリドキサールなどのBビタミン、またはがん細胞に取り込まれるその他のビタミンまたは栄養素が挙げられる。またHASおよび低密度リポタンパク質(LDL)および高比重リポタンパク質(HDL)も挙げられる。
別の態様では、リガンドは細胞透過剤であり、好ましくはらせん細胞透過剤である。好ましくは、細胞透過剤は両親媒性である。例示的な細胞透過剤は、tatまたはアンテノペディアなどのペプチドである。細胞透過剤がペプチドである場合、それはペプチジル模倣薬、逆転異性体、非ペプチドまたは偽ペプチド結合、およびD−アミノ酸使用をはじめとする、修飾を受け得る。らせん剤は、好ましくは親油性および疎油性相を有するα−らせん剤である。
リガンドは、ペプチドまたはペプチド模倣体であり得る。ペプチド模倣薬(本明細書においてオリゴペプチド模倣薬とも称される)は、天然ペプチドに類似する定義された三次元構造に折り畳み可能な分子である。ペプチドまたはペプチド模倣薬部分は、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸長など、約5〜50アミノ酸長であり得る。ペプチドまたはペプチド模倣薬は、例えば細胞透過性ペプチド、カチオン性ペプチド、両親媒性ペプチド、または疎水性ペプチド(例えば主にTyr、TrpまたはPheからなる)であり得る。ペプチド部分は、デンドリマーペプチド、束縛ペプチドまたは架橋ペプチドであり得る。別の代案では、ペプチド部分は、疎水性膜移行配列(MTS)を含み得る。例示的な疎水性MTS含有ペプチドは、アミノ酸配列AAVALLPAVLLALLAPを有するRFGFである。疎水性MTSを含有するRFGF類似体(例えばアミノ酸配列AALLPVLLAAP)もまた、標的部分であり得る。ペプチド部分は、細胞膜を越えて、ペプチド、オリゴヌクレオチド、およびタンパク質をはじめとする、多数の極性分子を輸送し得る「送達」ペプチドであり得る。例えばHIV Tatタンパク質(GRKKRRQRRRPPQ)およびショウジョウバエ(Drosophila)アンテナペディアタンパク質(RQIKIWFQNRRMKWKK)からの配列は、送達ペプチドとして機能できることが分かっている。ペプチドまたはペプチドミメティック、例えば、ファージディスプレイライブラリー、または1ビーズ1化合物(OBOC)コンビナトリアルライブラリー(Lam et al.,Nature,354:82−94,1991、その全体が参照により援用される)から同定されるペプチドは、DNAのランダム配列によりコードされ得る。好ましくは、組み込まれた単量体単位を介してiRNA剤に繋ぎ止められたペプチドまたはペプチドミメティックは、細胞を標的とするペプチド、例えば、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)−ペプチド、またはRGDミミックである。ペプチド部分は、約5アミノ酸長〜約40アミノ酸長の範囲であり得る。ペプチド部分は、例えば安定性を増強する、または立体構造的特性を導くため、構造的修飾を有し得る。下記の構造的修飾のいずれかを用いることができる。腫瘍細胞、例えば内皮腫瘍細胞または乳がん腫瘍細胞を標的とするため、RGDペプチド部分を用いることができる(Zitzmann et al.,Cancer Res.,62:5139−43,2002、その全体が参照により援用される)。RGDペプチドは、肺、腎臓、脾臓、または肝臓を含む種々の他の組織の腫瘍へのiRNA剤の標的化を促進し得る(Aoki et al.,Cancer Gene Therapy 8:783−787,2001、その全体が参照により援用される)。好ましくは、RGDペプチドは、腎臓へのiRNA剤の標的化を促進することになる。RGDペプチドは、線状または環状であり得、また特定組織への標的化を促進するため、修飾、例えばグリコシル化またはメチル化がなされ得る。例えば、グリコシル化されたRGDペプチドは、iRNA剤を、αVβ3を発現する腫瘍細胞に送達し得る(Haubner et al.,Jour.Nucl.Med.,42:326−336,2001、その全体が参照により援用される)。増殖性細胞内に豊富に存在するマーカーを標的にするペプチドを用いることができる。例えば、RGD含有ペプチドおよびペプチドミメティックは、がん細胞、特にインテグリンを提示する細胞を標的にし得る。したがって、RGDペプチド、RGDを有する環状ペプチド、D−アミノ酸を含むRGDペプチド、ならびに合成RGDミミックを用いることができる。RGDに加えて、インテグリンリガンドを標的にする他の部分を用いることができる。一般に、増殖性細胞および血管新生を制御するため、かかるリガンドを用いることができる。このタイプのリガンドの好ましいコンジュゲートは、PECAM−1、VEGF、または他のがん遺伝子、例えば本明細書に記載のがん遺伝子を標的にする。
「細胞透過性ペプチド」は、例えば細菌または真菌細胞などの微生物細胞、またはヒト細胞などの哺乳類細胞などの細胞に浸透できる。微生物細胞透過性ペプチドは、例えばα−らせん直鎖ペプチド(例えばLL−37またはセクロピン(Ceropin)P1)、ジスルフィド結合含有ペプチド(例えばα−デフェンシン、β−デフェンシンまたはバクテネシン)、または1つまたは2つの主要アミノ酸(例えばPR−39またはインドリシジン)のみを含有するペプチドであり得る。細胞透過性ペプチドはまた、核局在化シグナル(NLS)を含み得る。例えば、細胞浸透ペプチドは、二連の両親媒性ペプチド、例えばMPGであり得、それはHIV−1 gp41およびSV40ラージT抗原のNLSの融合ペプチドドメインから誘導される(Simeoni et al.,Nucl.Acids Res.31:2717−2724,2003、その全体が参照により援用される)。
一部の実施形態では、標的化ペプチドは、両親媒性α−ヘリカルペプチドであり得る。例示的な両親媒性α−ヘリカルペプチドとして、限定はされないが、セクロピン、リコトキシン、パラダキシン、ブフォリン、CPF、ボンビニン様ペプチド(BLP)、カテリシジン、セラトトキシン、S.クラバ(S.Clava)ペプチド、メクラウナギ腸管抗菌ペプチド(HFIAP)、マガイニン、ブレビニン−2、ダーマセプチン、メリチン、プレウロシディン、H2Aペプチド、アフリカツメガエルのペプチド、エスカレンチン−1、およびカエリンが挙げられる。らせん安定性の完全性を維持するため、好ましくは幾つかの要素が考慮されることになる。例えば、最大数のらせん安定化残基が用いられることになり(例えば、leu、ala、またはlys)、最小数のらせん不安定化残基が用いられることになる(例えば、プロリン、または環状単量体単位。キャッピング残基が検討されることになり(例えば、Glyは例示的なN−キャッピング残基である、かつ/または、さらなるH結合を提供し、らせんを安定化するため、C末端アミド化を用いることができる。i±3、またはi±4位によって分離された、反対の電荷を有する残基間での塩架橋の形成は、安定性をもたらし得る。例えば、リジン、アルギニン、ホモアルギニン、オルニチンまたはヒスチジンなどのカチオン性残基は、アニオン性残基のグルタミン酸またはアスパラギン酸と塩架橋を形成し得る。
ペプチドおよびペプチドミメティックリガンドは、天然または修飾ペプチド、例えば、DまたはLペプチド;α、β、またはγペプチド;N−メチルペプチド;アザペプチド;1つ以上のアミドを有するペプチド、すなわち、結合が1つ以上の尿素、チオ尿素、カルバメート、またはスルホニル尿素結合と置換されたペプチド;または環状ペプチドを有するものを含む。
標的リガンドは、特定の受容体を標的とすることができる任意のリガンドであり得る。例として、葉酸塩、GalNAc、ガラクトース、マンノース、マンノース−6P、糖のクラスター、例えば、GalNAcクラスター、マンノースクラスター、ガラクトースクラスター、またはアプタマーが挙げられる。クラスターは、2つ以上の糖単位の組み合わせである。標的化リガンドはまた、インテグリン受容体リガンド、ケモカイン受容体リガンド、トランスフェリン、ビオチン、セロトニン受容体リガンド、PSMA、エンドセリン、GCPII、ソマトスタチン、LDLおよびHDLリガンドを含む。リガンドはまた、核酸、例えばアプタマーに基づき得る。アプタマーは、修飾されないか、または本明細書に開示される修飾の任意の組み合わせを有し得る。
エンドソーム放出剤は、イミダゾール、ポリまたはオリゴイミダゾール、PEI、ペプチド、膜融合ペプチド、ポリカルボキシレート、ポリカチオン、マスク化オリゴもしくはポリカチオンまたはアニオン、アセタール、ポリアセタール、ケタール/ポリケタール、オルトエステル、マスク化もしくは非マスク化カチオンまたはアニオン電荷を有するポリマー、マスク化もしくは非マスク化カチオンまたはアニオン電荷を有するデンドリマーを含む。
PK修飾因子は、薬物動態修飾因子を表す。PK修飾因子は、脂溶性剤(lipophiles)、胆汁酸、ステロイド、リン脂質類似体、ペプチド、タンパク質結合剤、PEG、ビタミンなどを含む。例示的なPK修飾因子として、限定はされないが、コレステロール、脂肪酸、コール酸、リトコール酸、ジアルキルグリセリド(dialkylglycerides)、ジアシルグリセリド、リン脂質、スフィンゴ脂質、ナプロキセン、イブプロフェン、ビタミンE、ビオチンなどが挙げられる。幾つかのホスホロチオエート結合を含むオリゴヌクレオチドは、血清タンパク質、すなわち短いオリゴヌクレオチド、例えば、約5塩基、10塩基、15塩基または20塩基のオリゴヌクレオチドに結合することも知られており、骨格において複数のホスホロチオエート結合を含むことで、さらにリガンドとして(例えば、PK調節性リガンドとして)本発明に適する。
さらに、血清成分(例えば血清タンパク質)に結合するアプタマーもまた、PK調節性リガンドとして本発明に適する。
本発明に適した他のリガンドコンジュゲートは、米国特許出願の、2004年8月10日に出願された米国特許出願第10/916,185号明細書;2004年9月21日に出願された米国特許出願第10/946,873号明細書;2007年8月3日に出願された米国特許出願第10/833,934号明細書;2005年4月27日に出願された米国特許出願第11/115,989号明細書および2007年11月21日に出願された米国特許出願第11/944,227号明細書(あらゆる目的でそれら全体が参照により援用される)に記載されている。
2つ以上のリガンドが存在するとき、リガンドは、全部が同じ特性を有する、全部が異なる特性を有する、または一部のリガンドが同じ特性を有する一方で、その他は異なる特性を有する可能性がある。例えば、リガンドは、標的化特性を有する、エンドソーム溶解活性を有する、またはPK調節特性を有する可能性がある。好ましい実施形態では、すべてのリガンドが、異なる特性を有する。
リガンドは、様々な場所、例えば、3’末端、5’末端、および/または内部位置で、オリゴヌクレオチドにカップリングされ得る。好ましい実施形態では、リガンドは、介在テザー、例えば本明細書に記載の担体を介してオリゴヌクレオチドに結合される。リガンドまたはテザーリガンドは、単量体上に、前記単量体が伸長鎖に組み込まれるとき、存在してもよい。一部の実施形態では、リガンドは、前記「前駆体」単量体が伸長鎖に組み込まれた後、「前駆体」単量体へのカップリングを介して組み込まれてもよい。例えば、例えば、TAP−(CH2)nNH2などのアミノ終端テザー(すなわち、会合されるリガンドを有しない)を有する単量体は、伸長するオリゴヌクレオチド鎖に組み込まれてもよい。その後の操作において、すなわち前駆体単量体の鎖への組み込み後、求電子基、例えばペンタフルオロフェニルエステルまたはアルデヒド基を有するリガンドは、次いでリガンドの求電子基を前駆体単量体のテザーの末端求核基とカップリングすることにより、前駆体単量体に結合され得る。
別の例では、クリックケミストリー反応への関与に適した化学基、例えばアジドまたはアルキン終端テザー/リンカーを有する単量体が組み込まれてもよい。その後の操作において、すなわち前駆体単量体の鎖への組み込み後、相補的化学基、例えばアルキンまたはアジドを有するリガンドは、アルキンおよびアジドを一緒にカップリングすることにより、前駆体単量体に結合され得る。
二重鎖オリゴヌクレオチドにおいては、リガンドは、片鎖または両鎖に結合され得る。一部の実施形態では、二本鎖iRNA剤は、センス鎖にコンジュゲートされたリガンドを有する。他の実施形態では、二本鎖iRNA剤は、アンチセンス鎖にコンジュゲートされたリガンドを有する。
一部の実施形態では、リガンドは、核酸塩基、糖部分、または核酸分子のヌクレオシド間結合にコンジュゲートされ得る。プリン核酸塩基またはその誘導体へのコンジュゲーションは、環内および環外原子を含む、任意の位置で生じ得る。一部の実施形態では、プリン核酸塩基の2位、6位、7位、または8位は、コンジュゲート部分に結合される。ピリミジン核酸塩基またはその誘導体へのコンジュゲーションもまた、任意の位置で生じ得る。一部の実施形態では、ピリミジン核酸塩基の2位、5位、および6位は、コンジュゲート部分と置換され得る。ヌクレオシドの糖部分へのコンジュゲーションは、任意の炭素原子で生じ得る。コンジュゲート部分に結合され得る糖部分の炭素原子の例として、2’、3’、および5’炭素原子が挙げられる。1’位もまた、例えば脱塩基残基においてコンジュゲート部分に結合され得る。ヌクレオシド間結合もまた、コンジュゲート部分を有し得る。リン含有結合(例えば、リン酸ジエステル、ホスホロチオエート、ジチオリン酸、ホスホロアミド酸など)においては、コンジュゲート部分は、リン原子に直接的に、またはリン原子に結合されたO、N、もしくはS原子に結合され得る。アミンまたはアミド含有ヌクレオシド間結合(例えばPNA)においては、コンジュゲート部分は、アミンもしくはアミドの窒素原子または隣接する炭素原子に結合され得る。
一部の実施形態では、リガンドは、センス鎖にコンジュゲートされる。本明細書に記載の通り、リガンドは、センス鎖の3’末端、5’末端または内部位置にコンジュゲートされ得る。一部の実施形態では、リガンドは、センス鎖の3’末端にコンジュゲートされる。さらに、リガンドは、センス鎖の核酸塩基、糖部分またはヌクレオチド間結合にコンジュゲートされ得る。
RNA干渉の分野における任意の好適なリガンドが用いられてもよいが、リガンドは、典型的には、炭水化物、例えば、単糖(GalNAcなど)、二糖、三糖、四糖、多糖である。
リガンドを核酸にコンジュゲートするリンカーは、上で検討されたものを含む。例えば、リガンドは、一価、二価または三価分岐リンカーを通じて結合された1つ以上のGalNAc(N−アセチルガラクトサミン)誘導体であり得る。
一部の実施形態では、本発明のdsRNAは、二価および三価分岐リンカーにコンジュゲートされ、式(IV)−(VII):
(式中、q2A、q2B、q3A、q3B、q4A、q4B、q5A、q5Bおよびq5Cは、独立して、0〜20の各存在を表し、ここで反復単位は、同じまたは異なる可能性があり;
P2A、P2B、P3A、P3B、P4A、P4B、P5A、P5B、P5C、T2A、T2B、T3A、T3B、T4A、T4B、T5A、T5B、T5Cは、各々独立して、不在、CO、NH、O、S、OC(O)、NHC(O)、CH2、CH2NHまたはCH2Oの各存在を表し;
Q2A、Q2B、Q3A、Q3B、Q4A、Q4B、Q5A、Q5B、Q5Cは、独立して、不在、アルキレン、置換アルキレンの各存在を表し、ここで1つ以上のメチレンが、O、S、S(O)、SO2、N(RN)、C(R’)=C(R’’)、C≡CまたはC(O)の1つ以上により中断または終結され得;
R2A、R2B、R3A、R3B、R4A、R4B、R5A、R5B、R5Cは、各々独立して、不在、NH、O、S、CH2、C(O)O、C(O)NH、NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、CO、CH=N−O、
、またはヘテロシクリルの各存在を表し;
L2A、L2B、L3A、L3B、L4A、L4B、L5A、L5BおよびL5Cは、リガンドを表す;すなわち、各々独立して、単糖(GalNAcなど)、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖、または多糖の各存在を表し;かつ
Raは、Hまたはアミノ酸側鎖である)
のいずれかに示される構造を含む。
三価コンジュゲートGalNAc誘導体は、標的遺伝子、例えば式(VII):
(式中、L5A、L5BおよびL5Cは、単糖、例えばGalNAc誘導体を表す)
のものの発現を阻害するための、RNAi剤との併用において特に有用である。
GalNAc誘導体にコンジュゲートする好適な二価および三価分岐リンカー基の例として、限定はされないが、以下の化合物:
が挙げられる。
定義
本明細書で用いられるとき、用語「dsRNA」、「siRNA」、および「iRNA剤」は、標的RNA、例えばmRNA、例えばタンパク質をコードする遺伝子の転写物のサイレンシングを媒介し得る薬剤と交換可能に用いられる。便宜上、かかるmRNAはまた、本明細書中でサイレンシング対象のmRNAと称される。かかる遺伝子は、標的遺伝子とも称される。一般に、サイレンシング対象のRNAは、内因性遺伝子または病原体遺伝子である。さらに、mRNA以外のRNA、例えば、tRNA、およびウイルスRNAもまた、標的にされ得る。
本明細書で用いられるとき、語句「RNAiを媒介する」は、配列特異的様式で標的RNAをサイレンシングする能力を指す。理論によって拘束されることを望まないが、サイレンシングでは、RNAi機構またはプロセス、およびガイドRNA、例えば21〜23ヌクレオチドのsiRNA剤が用いられることが考えられる。
本明細書で用いられるとき、「特異的にハイブリダイズ可能な」および「相補的な」は、本発明の化合物と標的RNA分子との間に安定かつ特異的な結合が生じるのに十分な程度の相補性を示すように用いられる用語である。特異的結合は、特異的結合が所望されるような条件下、すなわちアッセイもしくは治療的処置の場合、またはインビトロアッセイの場合での生理的条件下、アッセイが実施されるような条件下で、オリゴマー化合物の非標的配列への非特異的結合を回避するのに十分な程度の相補性を必要とする。非標的配列は、典型的には少なくとも5つのヌクレオチド分異なる。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、標的RNA、例えばdsRNA分子が標的mRNAによってコードされるタンパク質の産生をサイレンシングするような標的mRNAに対して「十分に相補的」である。別の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、標的RNAに対して「正確に相補的」であり、例えば、標的RNAおよびdsRNA二本鎖剤はアニールし、例えば、専ら正確な相補性の領域内でワトソン・クリック塩基対からなるハイブリッドを形成する。「十分に相補的な」標的RNAは、標的RNAに対して正確に相補的な(例えば、少なくとも10ヌクレオチドの)内部領域を含み得る。さらに、一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、単一ヌクレオチド差異を特異的に区別する。この場合、dsRNA分子は、正確な相補性が単一ヌクレオチド差異(例えば、その7ヌクレオチド以内の)領域内に見出される場合に限り、RNAiを媒介する。
本明細書で用いられるとき、用語「オリゴヌクレオチド」は、例えば、100、200、300、または400ヌクレオチドより短い長さの核酸分子(RNAまたはDNA)を指す。
用語「BNA」は、架橋化核酸を指し、制約された、または接近困難なRNAとして示されることが多い。BNAは、「固定された」C3’エンドの糖パッカリングを伴う、5員、6員、またはさらに7員架橋構造を有し得る。架橋は、典型的にはリボースの2’位、4’位に取り込まれ、2’、4’BNAヌクレオチド(例えば、LNA、またはENA)をもたらす。BNAヌクレオチドの例として、以下のヌクレオシド:
が挙げられる。
用語「LNA」は、ロックド核酸を指し、制約された、または接近困難なRNAとして示されることが多い。LNAは、修飾されたRNAヌクレオチドである。LNAヌクレオチドのリボース部分は、2’ヒドロキシルを同じリボース糖の4’炭素に連結する余分な架橋(例えば、メチレン架橋またはエチレン架橋)で修飾される。例えば、架橋は、3’エンドNorth)立体構造:
においてリボースを「ロックし」得る。
用語「ENA」は、エチレン架橋核酸を指し、制約された、または接近困難なRNAとして示されることが多い。
「切断部位」は、本明細書中で、iRNA剤を用いることによるRISC機構によって切断される標的遺伝子またはセンス鎖における骨格結合を意味する。また標的切断部位領域は、切断部位の両側に少なくとも1つまたは少なくとも2つのヌクレオチドを含む。センス鎖においては、切断部位は、センス鎖自体がRNAi機構により切断されるべき標的であった場合、切断されることになるセンス鎖における骨格結合である。切断部位は、当該技術分野で公知の方法、例えば、Soutschek et al.,Nature(2004)432,173−178(その全体が参照により援用される)に詳述されるような5’−RACEアッセイを用いて判定され得る。当該技術分野で周知であるように、2つの21ヌクレオチド長の鎖(ここでそれらの鎖は、3’末端に2ヌクレオチドの一本鎖オーバーハングを有する19の連続する塩基対の二本鎖領域を形成する)を含む円錐状の二本鎖RNAi剤における切断部位領域の場合、切断部位領域は、センス鎖の5’末端から9〜12位に対応する。
切断可能な連結基
切断可能な連結基は、細胞外部で十分に安定であるが、標的細胞への侵入時、切断され、リンカーが一緒に保持している2つの部分を放出するものである。本発明に従うdsRNA分子の好ましい実施形態では、切断可能な連結基は、標的細胞において、または第1の参照状態(例えば、細胞内状態を模倣するかまたは表すように選択され得る)下で、または第2の参照状態(例えば、血液または血清中に見出される状態を模倣するかまたは表すように選択され得る)下で、被験者の血液中よりも少なくとも10倍以上、好ましくは少なくとも100倍速く切断される。
切断可能な連結基は、切断剤、例えば、pH、酸化還元電位または分解性分子の存在の影響を受けやすい。一般に、切断剤は、血清または血液中よりも細胞内部により広く存在しているか、またはより高いレベルもしくは活性で見出される。かかる分解剤の例として、特定の基質用に選択される、または基質特異性を有しないレドックス剤、例えば、細胞内に存在する、酸化もしくは還元酵素または還元によりレドックス切断可能な連結基を分解し得る還元剤、例えばメルカプタン;エステラーゼ;エンドソームまたは酸性環境を創出し得る薬剤、例えば5以下のpHをもたらすもの;一般酸として作用することにより酸切断可能な連結基を加水分解または分解し得る酵素、ペプチダーゼ(基質特異的であり得る)、およびホスファターゼ、が挙げられる。
ジスルフィド結合などの切断可能連結基は、pHに対する感受性が高くあり得る。ヒト血清のpHが7.4であるのに対し、細胞内平均pHはわずかにより低く、約7.1〜7.3の範囲にわたる。エンドソームは、5.5〜6.0の範囲のより酸性のpHを有し、リソソームは、約5.0のさらにより酸性のpHを有する。いくつかのリンカーは、好ましいpHで切断される切断可能連結基を有し、それによって細胞中のリガンドから、または細胞の所望の区画へ、カチオン性脂質が放出される。
リンカーは、特定の酵素によって切断可能な切断可能連結基を含み得る。リンカーに組み込まれる切断可能連結基のタイプは、標的とされる細胞に左右され得る。例えば肝臓を標的化するリガンドは、エステル基を含むリンカーを通じてカチオン性脂質に連結し得る。肝細胞はエステラーゼに富み、したがってリンカーは、エステラーゼが豊富でない細胞型よりも、肝細胞中でより効率的に切断される。エステラーゼに富むその他の細胞型としては、肺、腎皮質、および精巣の細胞が挙げられる。
ペプチド結合を含有するリンカーは、肝細胞および滑膜細胞などのペプチダーゼに富んだ細胞型を標的化する際に使用し得る。
一般に切断可能連結基の候補の適合性は、候補連結基を切断する分解性作用物質(条件)の能力を検査することで評価し得る。切断可能連結基の候補は、血中において、またはその他の非標的組織との接触時に、切断に抵抗する能力についてもまた検査することもまた望ましい。したがって第1の条件が標的細胞中での切断を示すように選択され、第2の条件がその他の組織または例えば血液または血清などの生体液中での切断を示すように選択される、第1および第2の条件間の切断の相対的感受性を判定し得る。評価は、無細胞系中、細胞中、細胞培養中、臓器または組織培養中、または全身の動物中で実施し得る。無細胞または培養条件で最初の評価を行い、全身の動物中でのさらなる評価によって確認することが有用なこともあり得る。好ましい実施形態では、有用な候補化合物は、血液または血清(または細胞外条件を模倣するように選択された生体外条件下)と比較して、細胞中(または細胞内条件を模倣するように選択された生体外条件下)で、少なくとも2、4、10、または100倍より迅速に切断される。
酸化還元切断可能連結基
切断可能な連結基の1つのクラスは、レドックス切断可能な連結基であり、それは本発明に従うdsRNA分子において用いられてもよく、還元または酸化時に切断される。還元的切断可能連結基の一例は、ジスルフィド連結基(−S−S−)である。切断可能連結基候補が、適切な「還元的切断可能連結基」か、または例えば特定のiRNA部分および特定の標的作用物質と共に使用するのに適するかどうかを判定するために、本明細書に記載される方法に頼ることができる。例えば候補は、例えば標的細胞などの細胞中で観察される切断速度を模倣する、当該技術分野で公知の試薬を使用して、ジチオスレイトール(DTT)、またはその他の還元剤とのインキュベーションによって評価し得る。候補はまた、血液または血清条件を模倣するように選択される条件下で評価し得る。好ましい実施形態では、1つの候補化合物は、血中で最大で10%切断される。好ましい実施形態では、有用な候補化合物は、血液(または細胞外条件を模倣するように選択された生体外条件下)と比較して、細胞中(または細胞内条件を模倣するように選択された生体外条件下)で、少なくとも2、4、10、または約100倍より迅速に分解される。候補化合物の切断速度は、細胞内媒体を模倣するように選択された条件下で標準酵素動態アッセイを使用して、細胞外媒体を模倣するように選択された条件と比較して判定し得る。
リン酸ベースの切断可能連結基
リン酸に基づく切断可能な連結基は、本発明に従うdsRNA分子において用いられてもよく、リン酸基を分解または加水分解する薬剤により切断される。細胞中でリン酸基を切断する作用物質の一例は、細胞内のホスファターゼなどの酵素である。リン酸ベースの連結基の例は、−O−P(O)(ORk)−O−、−O−P(S)(ORk)−O−、−O−P(S)(SRk)−O−、−S−P(O)(ORk)−O−、−O−P(O)(ORk)−S−、−S−P(O)(ORk)−S−、−O−P(S)(ORk)−S−、−S−P(S)(ORk)−O−、−O−P(O)(Rk)−O−、−O−P(S)(Rk)−O−、−S−P(O)(Rk)−O−、−S−P(S)(Rk)−O−、−S−P(O)(Rk)−S−、−O−P(S)(Rk)−S−である。好ましい実施形態は、−O−P(O)(OH)−O−、−O−P(S)(OH)−O−、−O−P(S)(SH)−O−、−S−P(O)(OH)−O−、−O−P(O)(OH)−S−、−S−P(O)(OH)−S−、−O−P(S)(OH)−S−、−S−P(S)(OH)−O−、−O−P(O)(H)−O−、−O−P(S)(H)−O−、−S−P(O)(H)−O−、−S−P(S)(H)−O−、−S−P(O)(H)−S−、−O−P(S)(H)−S−である。好ましい実施形態は、および−O−P(O)(OH)−O−である。これらの候補は、上述したものと類似の方法を使用して評価し得る。
酸切断可能連結基
酸切断可能な連結基は、本発明に従うdsRNA分子において用いられてもよく、酸性条件下で切断される連結基である。好ましい実施形態では、酸切断可能連結基は、pH約6.5以下(例えば約6.0、5.5、5.0以下)の酸性環境内において、または一般酸として作用し得る酵素などの作用物質によって切断される。細胞内では、エンドソームおよびリソソームなどの特定の低pH細胞小器官が、酸切断可能連結基の切断環境を提供し得る。酸切断可能連結基の例としては、ヒドラゾン、エステル、およびアミノ酸エステルが挙げられるが、これに限定されるものではない。酸切断可能基は、一般式−C=NN−、C(O)O、または−OC(O)を有し得る。好ましい実施形態は、炭素がエステルの酸素に付着する場合(アルコキシ基)は、アリール基、置換アルキル基、またはジメチルペンチルまたはt−ブチルなどの三級アルキル基である。これらの候補は、上述したものと類似の方法を使用して評価し得る。
エステルベースの連結基
エステルに基づく切断可能な連結基は、本発明に従うdsRNA分子において用いられてもよく、細胞内でエステラーゼおよびアミダーゼなどの酵素により切断される。エステルベースの切断可能連結基の例としては、アルキレン、アルケニレン、およびアルキニレン基のエステルが挙げられるが、これに限定されるものではない。エステル切断可能連結基は、一般式−C(O)O−または−OC(O)−を有する。これらの候補は、上述したものと類似の方法を使用して評価し得る。
ペプチドベースの切断基
ペプチドに基づく切断可能な連結基は、本発明に従うdsRNA分子において用いられてもよく、細胞内でペプチダーゼおよびプロテアーゼなどの酵素により切断される。ペプチドベースの切断可能連結基は、アミノ酸の間に形成されて、オリゴペプチド(例えばジペプチド、トリペプチドなど)およびポリペプチドを生じる、ペプチド結合である。ペプチドベースの切断可能基には、アミド基(−C(O)NH−)は含まれない。アミド基は、あらゆるアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン間に形成され得る。ペプチド結合は、アミノ酸の間に形成されて、ペプチドおよびタンパク質を生じる特殊なタイプのアミド結合である。ペプチドベースの切断基は、一般にアミノ酸の間に形成されて、ペプチドおよびタンパク質を生じるペプチド結合(すなわちアミド結合)に限定され、アミド官能基全体は含まない。ペプチドベースの切断可能連結基は、一般式−NHCHRAC(O)NHCHRBC(O)−を有し、式中、RAおよびRBは2つの隣接するアミノ酸のR基である。これらの候補は、上述したものと類似の方法を使用して評価し得る。本明細書で用いられるとき、「炭水化物」は、少なくとも6つの炭素原子(線状、分岐状または環状であってよい)を有するとともに、酸素、窒素または硫黄原子が各炭素原子に結合された、1つ以上の単糖単位から本質的に構成されるいずれかの炭水化物である化合物;または一部として、各々が少なくとも6つの炭素原子(線状、分岐状または環状であってよい)を有するとともに、酸素、窒素または硫黄原子が各炭素原子に結合された、1つ以上の単糖単位から構成される炭水化物部分を有する化合物を指す。代表的な炭水化物は、糖(約4〜9の単糖単位を有する単糖、二糖、三糖およびオリゴ糖)、ならびにデンプン、グリコゲン、セルロースおよび多糖類ガムなどの多糖を含む。具体的な単糖として、C5および上記(好ましくはC5〜C8)糖が挙げられ;二糖および三糖として、2または3の単糖単位を有する糖(好ましくはC5〜C8)が挙げられる。
本発明は、さらに、インビトロで標的遺伝子の発現を阻害するための、本明細書に定義されるようなdsRNA分子の使用に関する。一部の実施形態では、本発明は、さらに、標的遺伝子の発現を阻害するための、dsRNA分子の使用に関する。
本発明は、さらに、被験者における標的遺伝子の発現の阻害における使用を意図した、本明細書に定義されるようなdsRNA分子に関する。被験者は、任意の動物、例えば哺乳動物、例えば、マウス、ラット、ヒツジ、ウシ、イヌ、ネコ、またはヒトであってもよい。
一部の実施形態では、本発明のdsRNA分子は、緩衝液中で投与される。
一部の実施形態では、本明細書に記載のsiRNA化合物は、被験者への投与を意図して配合され得る。配合されたsiRNA組成物は、種々の状態を想定可能である。幾つかの例では、当該組成物は、少なくとも部分的には、結晶性、均一結晶性、および/または無水性(例えば、80未満、50、30、20、または10%の水)である。別の例では、siRNAは、水相中、例えば水を含む溶液中に存在する。
水相または結晶組成物は、例えば、送達媒体、例えば、リポソーム(特に水相用)または粒子(例えば、結晶組成物に適し得るような微小粒子)中に取り込まれ得る。一般に、siRNA組成物は、本明細書に記載の通り、意図される投与方法に適合するような様式で配合される。例えば、特定の実施形態では、当該組成物は、以下の方法:噴霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、蒸発、流動層乾燥、もしくはこれらの技術の組み合わせ;または脂質を用いた超音波処理、凍結乾燥、凝縮および他の自己組織化の少なくとも1つにより調製される。
siRNA製剤は、別の薬剤、例えば別の治療薬またはsiRNAを安定化する薬剤、例えばsiRNAと複合してiRNPを形成するタンパク質と組み合わせて配合され得る。さらに他の薬剤として、キレート剤、例えば、EDTA(例えば、Mg2+などの二価カチオンを除去するため)、塩、リボヌクレアーゼ阻害剤(例えば、RNAsinなどの広範特異性リボヌクレアーゼ阻害剤)などが挙げられる。
一部の実施形態では、siRNA製剤は、別のsiRNA化合物、例えば、第2の遺伝子に関して、または同じ遺伝子に関してRNAiを媒介し得る第2のsiRNAを含む。さらに他の製剤として、少なくとも3、5、10、20、50、または100以上の異なるsiRNA種を挙げることができる。かかるsiRNAは、類似した数の異なる遺伝子に関してRNAiを媒介し得る。
一部の実施形態では、siRNA製剤は、少なくとも第2の治療薬(例えば、RNAまたはDNA以外の薬剤)を含む。例えば、ウイルス性疾患、例えばHIVの治療用のsiRNA組成物であれば、既知の抗ウイルス剤(例えば、プロテアーゼ阻害剤または逆転写酵素阻害剤)を含んでもよい。別の例では、がんの治療用のsiRNA組成物であれば、化学療法剤をさらに含んでもよい。
本発明に従うdsRNA分子の投与に用いることができる例示的な製剤が、以下に検討される。
リポソーム.説明の簡略化のため、このセクションにおける製剤、組成物および方法は、主に非修飾siRNA化合物に関して検討される。しかし、これらの製剤、組成物および方法が、他のsiRNA化合物、例えば修飾siRNAと併せて実施可能であり、かつかかる実施が本発明の範囲内に含まれるように理解されてもよい。siRNA化合物、例えば二本鎖siRNA化合物、またはssiRNA化合物、(例えば前駆体、例えば、ssiRNA化合物にプロセシング可能なより大きいsiRNA化合物、またはsiRNA化合物、例えば二本鎖siRNA化合物、もしくはssiRNA化合物、もしくはその前駆体をコードするDNA)製剤は、膜状分子集合体、例えばリポソームまたはミセルでの送達用に配合され得る。本明細書の用法では、「リポソーム」という用語は、例えば1つの二重層または複数の二重層などの、少なくとも1つの二重層に配列された両親媒性脂質から構成される小胞を指す。リポソームは、親油性材料と水性内部から形成される膜を有する、単層のまたは多重膜小胞を含む。水性部分は、siRNA組成物を含有する。親油性材料は、水性内部を水性外部から隔離し、水性外部は、典型的にsiRNA組成物を含まないが、場合によっては含んでもよい。リポソームは、活性成分の作用部位への移行と送達のために有用である。リポソーム膜は生体膜と構造的に類似するので、リポソームを組織に適用すると、リポソーム性二重層は細胞膜の二重層と融合する。リポソームと細胞の融合が進行するにつれて、siRNAを含む内部水性内容物が細胞内に送達され、そこではsiRNAが標的RNAに特異的に結合し得て、RNAiを媒介し得る。場合によっては、リポソームもまた特異的に標的化され、例えばsiRNAを特定の細胞型に誘導する。
siRNAを含有するリポソームは、多様な方法によって調製し得る。一例では、リポソームの脂質成分は、脂質成分なしでミセルが形成されるように、洗剤に溶解される。例えば脂質成分は、両親媒性カチオン性脂質または脂質複合体であり得る。洗剤は、高い臨界ミセル濃度を有し得て、非イオン性であってもよい。例示的な洗剤としては、コール酸、CHAPS、オクチルグルコシド、デオキシコール酸、およびラウロイルサルコシンが挙げられる。次にsiRNA調製物は、脂質成分を含むミセルに添加される。脂質上のカチオン基はsiRNAと相互作用して、siRNA周囲で凝縮してリポソームを形成する。凝縮後、例えば透析によって洗剤を除去し、siRNAのリポソーム調製物を得る。
必要ならば、例えば凝縮を助ける担体化合物を、制御された添加によって縮合反応中に添加し得る。例えば担体化合物は、核酸以外のポリマー(例えばスペルミンまたはスペルミジン)であり得る。pHもまた調節して、凝縮を支援し得る。
送達媒体の構成成分としてポリヌクレオチド/カチオン性脂質複合体を組み込んだ安定なポリヌクレオチド送達媒体を作製するための方法についてのさらなる説明が、例えば、国際公開第96/37194号パンフレットに記載されている。リポソーム形成はまた、Felgner,P.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA8:7413−7417,1987;米国特許第4,897,355号明細書;米国特許第5,171,678号明細書;Bangham,et al.M.Mol.Biol.23:238,1965;Olson,et al.Biochim.Biophys.Acta 557:9,1979;Szoka,et al.Proc.Natl.Acad.Sci.75:4194,1978;Mayhew,et al.Biochim.Biophys.Acta 775:169,1984;Kim,et al.Biochim.Biophys.Acta 728:339,1983;およびFukunaga,et al.Endocrinol.115:757,1984(それら全体が参照により援用される)に記載されている例示的方法の1つ以上の態様を含み得る。送達媒体としての使用を意図した適切な大きさの脂質凝集体を調製するために一般に用いられる技術には、超音波処理および凍結−解凍+放出が含まれる(例えば、Mayer,et al.Biochim.Biophys.Acta 858:161,1986を参照、その全体が参照により援用される)。一様に小さく(50〜200nm)、比較的均一な凝集体が所望されるとき、顕微溶液化を用いることができる(Mayhew,et al.Biochim.Biophys.Acta 775:169,1984(その全体が参照により援用される))。これらの方法は、siRNA製剤のリポソームへのパッケージングに容易に適応される。
pH感受性である、または負に帯電したリポソームは、核酸分子を封入し、それらと複合体を形成しない。核酸分子と脂質の双方が同様に帯電されることから、複合体形成ではなく反発が生じる。にもかかわらず、一部の核酸分子は、これらのリポソームの水性内部内に封入される。pH感受性リポソームは、チミジンキナーゼ遺伝子をコードするDNAを培養下で細胞単層に送達するのに用いられている。外因性遺伝子の発現は、標的細胞において検出された(Zhou et al.,Journal of Controlled Release,19,(1992)269−274、その全体が参照により援用される)。
1つの主要タイプのリポソーム組成物は、天然由来ホスファチジルコリン以外に、リン脂質を含む。例えば中性リポソーム組成物は、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)から形成され得る。アニオン性リポソーム組成物が、一般にジミリストイルホスファチジルグリセロールから形成されるのに対し、アニオン性融合性リポソームは、主にジオレオイルスファチジルエタノールアミン(DOPE)から形成される。別のタイプのリポソーム組成物は、例えばダイズPC、および卵PCなどのホスファチジルコリン(PC)から形成される。別のタイプは、リン脂質および/またはホスファチジルコリンおよび/またはコレステロールの混合物から形成される。
試験管内でおよびリポソームを細胞内に導入するその他の方法の例としては、米国特許第5,283,185号明細書;米国特許第5,171,678号明細書;国際公開第94/00569号パンフレット;国際公開第93/24640号パンフレット;国際公開第91/16024号パンフレット;Felgner,J.Biol.Chem.269:2550,1994;Nabel,Proc.Natl.Acad.Sci.90:11307,1993;Nabel,Human Gene Ther.3:649,1992;Gershon,Biochem.32:7143,1993;およびStrauss EMBO J.11:417,1992が挙げられる。
一部の実施形態では、カチオン性リポソームが使用される。カチオン性リポソームは、細胞膜に融合できる利点を有する。非カチオン性リポソームは、原形質膜と効率的に融合できないが、生体内でマクロファージに取り込まれ、siRNAをマクロファージに送達するのに使用され得る。
リポソームのさらなる利点としては、以下が挙げられる。天然リン脂質から得られるリポソームは、生体適合性かつ生分解性であり;リポソームには、幅広い水および脂質可溶性薬剤を組み込み得て;リポソームは、それらの内部区画にカプセル化されたsiRNAを代謝および分解から保護し得る(Rosoff,“Pharmaceutical Dosage Forms,”Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,volume 1,p.245)。リポソーム製剤の調製における重要な考察は、リポソームの脂質表面電荷、小胞サイズ、および水性容量である。
正に帯電した合成カチオン性脂質であるN−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩化物(DOTMA)を使用して、小型リポソームを形成し得て、それは核酸と自然発生的に相互作用して、組織培養細胞の細胞膜の負に帯電した脂質と融合できる脂質−核酸複合体を形成し、siRNA送達をもたらす(DOTMAおよびそのDNAとの併用の説明については、その全体が参照により援用される、例えばFelgner,P.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 8:7413−7417,1987および米国特許第4,897,355号明細書を参照されたい)。
ADOTMA類似体である1,2−ビス(オレオイルオキシ)−3−(トリメチルアンモニア)プロパン(DOTAP)をリン脂質と組み合わせて使用し、DNA錯化小胞を形成し得る。リポフェクチン(商標)Bethesda Research Laboratories,Gaithersburg,Md.)は、生体組織培養細胞に、高アニオン性核酸を送達するための効果的薬剤であり、それは負に帯電したポリヌクレオチドと自然発生的に相互作用して複合体を形成する、正に帯電したDOTMAリポソームを含む。十分に正に帯電したリポソームを使用すれば、得られる複合体上の正味電荷もまた正である。このようにして調製された正に帯電した複合体は、負に帯電した細胞表面に自然発生的に付着して、原形質膜と融合し、例えば組織培養細胞内に機能性核酸を効率的に送達する。別の市販のカチオン性脂質、1,2−ビス(オレオイルオキシ)−3,3−(トリメチルアンモニア)プロパン(「DOTAP」)(Boehringer Mannheim,Indianapolis,Indiana)は、オレオイル部分がエーテル結合でなくエステルによって結合することで、DOTMAと異なる。
その他の報告されたカチオン性脂質化合物としては、2つの脂質タイプの1つと共役するカルボキシスペルミンをはじめとする、多様な部分と共役しているものが挙げられ、例えば、5−カルボキシスペルミルグリシンジオクタオレオイルアミド(「DOGS」)(Transfectam(商標),Promega,Madison,Wisconsin)およびジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン5−カルボキシスペルミル−アミド(「DPPES」)などの化合物が挙げられる(例えば米国特許第5,171,678号明細書を参照されたい)。
別のカチオン性脂質複合体は、DOPEと組み合わされてリポソームに調合されているコレステロール(「DC−Chol」)による、脂質の誘導体化を含む(その全体が参照により援用される、Gao,X.and Huang,L.,Biochim.Biophys.Res.Commun.179:280,1991を参照されたい)。ポリリジンをDOPEに共役させて生成されるリポポリリジンが、血清存在下における形質移入に効果的であると報告されている(Zhou,X.et al.,Biochim.Biophys.Acta 1065:8,1991)。特定の細胞系では、共役するカチオン性脂質を含有するこれらのリポソームは、DOTMA含有組成物より低い毒性を示し、より効率的な形質移入を提供すると言われている。その他の市販のカチオン性脂質製品としては、DMRIEおよびDMRIE−HP(Vical,La Jolla,California)、およびリポフェクタミン(DOSPA)(Life Technology,Inc.,Gaithersburg,Maryland)が挙げられる。オリゴヌクレオチドの送達に適したその他のカチオン性脂質は、国際公開第98/39359号パンフレットおよび国際公開第96/37194号パンフレットに記載される。
リポソーム製剤は局所投与に特に適しており、リポソームはその他の製剤に優るいくつかの利点を示す。このような利点としては、投与薬剤の高い全身性吸収に関連した副作用の低下、所望標的における投与薬剤の蓄積増大、およびsiRNAを皮膚内に投与する能力が挙げられる。いくつかの実装では、リポソームは、siRNAを表皮細胞に送達するのに、また例えば皮膚内などの皮膚組織内へのsiRNAの浸透を高めるのに使用される。例えばリポソームは、局所的に塗布し得る。リポソームとして調合された治療薬の皮膚への局所送達が、実証されている(例えば、その全体が参照により援用される、Weiner et al.,Journal of Drug Targeting,1992,vol.2,405−410およびdu Plessis et al.,Antiviral Research,18,1992,259−265;Mannino,R.J.and Fould−Fogerite,S.,Biotechniques 6:682−690,1988;Itani,T.et al.Gene 56:267−276.1987;Nicolau,C.et al.Meth.Enz.149:157−176,1987;Straubinger,R.M.and Papahadjopoulos,D.Meth.Enz.101:512−527,1983;Wang,C.Y.and Huang,L.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7851−7855,1987を参照されたい)。
非イオン性リポソームシステム、特に非イオン性界面活性剤とコレステロールを含むシステムが研究され、皮膚への薬剤送達におけるそれらの効用が判定されている。Novasome I(ジラウリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)およびNovasome II(ジステアリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)を含む非イオン性リポソーム製剤が、マウスの皮膚の真皮内に薬剤を送達するのに使用された。siRNAを含むこのような製剤は、皮膚疾患を治療するのに有用である。
siRNAを含むリポソームは、高度に変形可能にし得る。このような変形能は、リポソームの平均半径よりも小さい孔を通り抜けて、リポソームが浸透できるようにし得る。例えばトランスファーソームは、変形可能なリポソームの一種である。トランスファーソームは、通常は界面活性剤である表面エッジ活性化剤を、標準リポソーム組成物に添加して、作成し得る。siRNAを含むトランスファーソームは、皮膚内のケラチノサイトにsiRNAを送達するために、例えば感染によって皮下送達し得る。無傷の哺乳類皮膚を越えるために、脂質小胞は、適切な経皮勾配の影響下で、それぞれ直径が50nm未満の一連の細孔を通過しなくてはならない。さらに脂質特性のために、これらのトランスファーソームは、自己最適化し(例えば皮膚孔の形状に適応する)、自己修復し得て、断片化することなく頻繁にそれらの標的に到達し得て、自己装填することが多い。
本発明に適する他の製剤が、2008年1月2日に出願された米国仮特許出願第61/018,616号明細書;2008年1月2日に出願された米国仮特許出願第61/018,611号明細書;2008年3月26日に出願された米国仮特許出願第61/039,748号明細書;2008年4月22日に出願された米国仮特許出願第61/047,087号明細書および2008年5月8日に出願された米国仮特許出願第61/051,528号明細書に記載されている。2007年10月3日に出願されたPCT出願の国際出願PCT/US2007/080331号パンフレットもまた、本発明に適する製剤について記載している。
界面活性剤.説明の簡略化のため、このセクションにおける製剤、組成物および方法は、主に非修飾siRNA化合物に関して検討される。しかし、これらの製剤、組成物および方法が、他のsiRNA化合物、例えば修飾siRNAと併せて実施可能であり、かつかかる実施が本発明の範囲内に含まれるように理解されてもよい。界面活性剤では、乳剤(マイクロエマルションを含む)およびリポソーム(上記参照)などの製剤において幅広い用途が見出される。siRNA(または前駆体、例えば、siRNAにプロセシング可能なより大きいdsiRNA、またはsiRNAもしくは前駆体をコードするDNA)組成物は、界面活性剤を含み得る。一部の実施形態では、siRNAは、界面活性剤を含む乳濁液として配合される。天然および合成双方の多数の異なる界面活性剤型の特性の分類および格付けの最も一般的な方法は、親水性/親油性バランス(HLB:hydrophile/lipophile balance)の使用による。親水性基の性質は、製剤中で使用される異なる界面活性剤を分類する、最も有用な手段を提供する(Rieger,“Pharmaceutical Dosage Forms”,Marcel Dekker,Inc.,New York,NY,1988,p.285)。
界面活性剤分子がイオン化されない場合、それは非イオン性界面活性剤に分類される。非イオン性界面活性剤には、医薬製品における幅広い用途があり、広いpH価範囲にわたって使用できる。一般にそれらのHLB値は、それらの構造に応じて2〜約18の範囲である。非イオン性界面活性剤としては、エチレングリコールエステル、プロピレングリコールエステル、グリセリルエステル、ポリグリセリルエステル、ソルビタンエステル、スクロースエステル、およびエトキシル化エステルなどの非イオン性エステルが挙げられる。脂肪アルコールエトキシレート、プロポキシル化アルコールおよびエトキシル化/プロポキシル化ブロックポリマーなどの非イオン性アルカノールアミドおよびエーテルもまた、このクラスに含まれる。ポリオキシエチレン界面活性剤は、非イオン性界面活性剤クラスの最も良く見られる構成員である。
界面活性剤分子が、水への溶解または分散時に負電荷を保有する場合、界面活性剤はアニオン性に分類される。アニオン性界面活性剤としては、石鹸などのカルボン酸塩、ラクチル酸アシル、アミノ酸のアシルアミド、硫酸アルキルおよびエトキシル化硫酸アルキルなどの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホネートなどのスルホネート、イセチオン酸アシル、タウリン酸アシルおよびスルホコハク酸アシル、およびリン酸アシルが挙げられる。アニオン性界面活性剤クラスの最も重要な構成員は、硫酸アルキルおよび石鹸である。
界面活性剤分子が、水への溶解または分散時に正電荷を保有する場合、界面活性剤はカチオン性に分類される。カチオン性界面活性剤としては、四級アンモニウム塩およびエトキシル化アミンが挙げられる。四級アンモニウム塩が、このクラスで最も良く使用される構成員である。
界面活性剤分子が、陽性または陰性電荷のいずれかを有する能力を有する場合、界面活性剤は両性に分類される。両性界面活性剤としては、アクリル酸誘導体、置換アルキルアミド、N−アルキルベタイン、およびリン脂質が挙げられる。
医薬品、製剤中およびエマルション中の界面活性剤の使用については、概説されている(Rieger,“Pharmaceutical Dosage Forms”,Marcel Dekker,Inc.,New York,NY,1988,p.285)。
ミセルおよび他の膜状製剤.説明の簡略化のため、このセクションにおけるミセルおよび他の製剤、組成物および方法は、主に非修飾siRNA化合物に関して検討される。しかし、これらのミセルおよび他の製剤、組成物および方法が、他のsiRNA化合物、例えば修飾siRNA化合物と併せて実施可能であり、かつかかる実施が本発明の範囲内に含まれるように理解されてもよい。siRNA化合物、例えば二本鎖siRNA化合物、またはssiRNA化合物、(例えば前駆体、例えば、ssiRNA化合物にプロセシング可能なより大きいsiRNA化合物、またはsiRNA化合物、例えば二本鎖siRNA化合物、もしくはssiRNA化合物、もしくはその前駆体をコードするDNA))組成物は、ミセル製剤として提供され得る。「ミセル」は、その中で、分子の疎水性部分がすべて内側を向き、親水性部分が周囲の水性相に接したままであるように、両親媒性分子が球状構造に配列される、特定タイプの分子アセンブリーと、本明細書で定義される。環境が疎水性であれば、逆の配置が存在する。
経皮膜を通じた送達に適した混合ミセル調合物は、siRNA組成物、アルカリ金属C8〜C22アルキル硫酸塩、およびミセル形成化合物の水溶液を混合して、調製してもよい。例示的なミセル形成化合物としては、レシチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の薬学的に許容可能な塩、グリコール酸、乳酸、カモミール抽出物、キュウリ抽出物、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モノオレイン、モノオレアート、モノラウレート、ルリヂサ油、月見草油、メントール、トリヒドロキシオキソコラニルグリシンとその薬学的に許容可能な塩、グリセリン、ポリグリセリン、リジン、ポリリジン、トリオレイン、ポリオキシエチレンエーテルおよびその類似体、ポリドカノールアルキルエーテルおよびその類似体、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、およびそれらの混合物が挙げられる。ミセル形成化合物は、アルカリ金属アルキル硫酸塩の添加と同時に、またはその後に添加してもよい。混合ミセルは、成分を実質的にどのように混合しても形成するが、より小型のミセルを提供するためには、激しく混合される。
一方法では、siRNA組成物と、少なくともアルカリ金属アルキル硫酸塩とを含有する、第1のミセル組成物が調製される。次に第1のミセル組成物は、少なくとも3つのミセル形成化合物と混合されて、混合ミセル組成物が形成する。別の方法では、ミセル組成物は、siRNA組成物、アルカリ金属アルキル硫酸塩、および少なくとも1つのミセル形成化合物を混合して調製され、激しい混合を伴う残りのミセル形成化合物の添加がそれに続く。
フェノールおよび/またはm−クレゾールを混合ミセル組成物に添加して、調合物を安定化し、細菌増殖から保護してもよい。代案としては、ミセル形成成分と共に、フェノールおよび/またはm−クレゾールを添加してもよい。グリセリンなどの等張剤もまた、混合ミセル組成物形成後に添加してもよい。
ミセル調合物を噴霧として送達するためには、調合物を煙霧剤計量分配装置に入れて、計量分配装置に噴霧剤を装填し得る。加圧下にある噴霧剤は、計量分配装置内で液体形態である。成分の比率は、水性相と噴霧剤相が1つになるように、すなわち1つの相になるように調節される。2つの相がある場合、例えば定量バルブを通じて内容物の一部を分散する前に、計量分配装置を振盪する必要がある。医薬品の分注用量は、定量バルブから精微噴霧で噴射される。
噴霧剤としては、水素含有クロロフルオロカーボン、水素含有フルオロカーボン、ジメチルエーテル、およびジエチルエーテルが挙げられる。特定の実施形態では、HFA 134a(1,1,1,2ーテトラフルオロエタン)を使用してもよい。
必須成分の特定濃度は、比較的簡単な実験法によって判定し得る。口腔を通じた吸収のためには、注射を通じた用量、または胃腸管を通じた投与の例えば少なくとも2倍または3倍に増大させることが、往々にして望ましい。
粒子.説明の簡略化のため、このセクションにおける粒子、製剤、組成物および方法は、主に修飾siRNA化合物に関して検討される。しかし、これらの粒子、製剤、組成物および方法が、他のsiRNA化合物、例えば非修飾siRNA化合物と併せて実施可能であり、かつかかる実施が本発明の範囲内に含まれるように理解されてもよい。別の実施形態では、siRNA化合物、例えば二本鎖siRNA化合物、またはssiRNA化合物、(例えば前駆体、例えば、ssiRNA化合物にプロセシング可能なより大きいsiRNA化合物、またはsiRNA化合物、例えば二本鎖siRNA化合物、もしくはssiRNA化合物、もしくはその前駆体をコードするDNA)製剤は、粒子、例えば微小粒子に組み込まれてもよい。微小粒子が、噴霧乾燥により作製され得るが、凍結乾燥、蒸発、流動層乾燥、真空乾燥、またはこれらの技術の組み合わせを含む他の方法によっても作製されてよい。
医薬組成物
本発明のiRNA剤は、薬学的使用のため、配合されてもよい。本発明は、さらに、本明細書に定義されるようなdsRNA分子を含む医薬組成物に関する。薬学的に許容できる組成物は、単独で摂取される、または1つ以上の薬学的に許容できる担体(添加剤)、賦形剤および/または希釈剤と一緒に配合される、先行する実施形態のいずれかにおけるdsRNA分子の1つ以上を治療有効量で含む。
医薬組成物は、固体または液体形態、例えば、(1)経口投与、例えば水薬(水溶液または非水溶液または懸濁液)、錠剤、例えば、頬側、舌下、および全身吸収を標的とするもの、ボーラス、散剤、顆粒剤、舌への塗布用のペースト剤;(2)例えば、例えば無菌溶液もしくは懸濁液、または徐放性製剤としての皮下、筋肉内、静脈内または硬膜外注射による非経口投与;(3)例えば、皮膚に適用されるクリーム、軟膏剤、または徐放性パッチもしくはスプレーとしての局所適用;(4)例えば、ペッサリー、クリームまたはフォームとして腟内または直腸内;(5)舌下;(6)眼内;(7)経皮;または(8)経鼻、に適応するものでの投与に特化して配合されてもよい。皮下または静脈内方法を用いる送達は、特に有利であり得る。
語句「治療有効量」は、本明細書で用いられるとき、任意の医学的処置に適用可能な合理的なリスク・ベネフィット比で、少なくとも動物における細胞の亜集団において幾らかの所望される治療効果をもたらすのに有効である本発明の化合物を含む化合物、材料、または組成物の量を意味する。
語句「薬学的に許容できる」は、合理的なリスク・ベネフィット比に適う、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー反応、または他の課題もしくは合併症と伴わない、ヒトおよび動物の組織と接触させる使用に適した、健全な医学的判断の範囲内に含まれる、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すように本明細書中で用いられる。
語句「薬学的に許容できる担体」は、本明細書で用いられるとき、対象化合物を1つの臓器または身体の一部から別の臓器または身体の一部へ運搬または輸送することに関与する、薬学的に許容できる材料、組成物または媒体、例えば液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、製造助剤(例えば、滑沢剤、タルク、マグネシウム、カルシウムまたはステアリン酸亜鉛、またはステアリン酸)、または溶媒封入材料を意味する。各担体は、製剤のその他の成分に適合しており、かつ患者に対して有害でないという意味で「許容できる」必要がある。薬学的に許容できる担体として役立ち得る材料の幾つかの例として、(1)糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;(3)セルロース、およびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;(4)粉末化トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)平滑剤、例えばマグネシウムステート、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルク;(8)賦形剤、例えば、ココアバターおよび坐剤ワックス;(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油;(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール;(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;(12)エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝液;(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物;(22)増量剤、例えばポリペプチドおよびアミノ酸(23)血清成分、例えば血清アルブミン、HDLおよびLDL;ならびに(22)医薬製剤中に用いられる他の無毒性親和性物質、が挙げられる。
製剤は、便宜上、単位剤形で提示されてもよく、また薬学の技術分野で周知の任意の方法により調製されてもよい。単一剤形を作製するために担体材料と組み合わせ可能な活性成分の量は、治療を受けているホスト、特定の投与様式に応じて変動することになる。単一剤形を作製するために担体材料と組み合わせ可能な活性成分の量は、一般に治療効果をもたらすような化合物の量となる。一般に、100%中でのこの量は、活性成分が約0.1%〜約99%、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%の範囲となる。
特定の実施形態では、本発明の製剤は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸、および高分子担体、例えば、ポリエステルおよびポリ無水物からなる群から選択される賦形剤;および本発明の化合物を含む。特定の実施形態では、上記製剤は、本発明の化合物を経口生体利用可能にする。
iRNA製剤は、別の薬剤、例えば別の治療薬またはiRNAを安定化する薬剤、例えばiRNAと複合してiRNPを形成するタンパク質と組み合わせて配合され得る。さらに他の薬剤として、キレート剤、例えば、EDTA(例えば、Mg2+などの二価カチオンを除去するため)、塩、リボヌクレアーゼ阻害剤(例えば、RNAsinなどの広範特異性リボヌクレアーゼ阻害剤)などが挙げられる。
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を担体、任意選択的には1つ以上の付属成分と会合させるステップを含む。一般に、当該製剤は、本発明の化合物を液体担体、または微粉化された固体担体、または双方と均一かつ緊密に会合させ、次いで必要な場合、生成物を形成させることにより調製される。
場合によっては、薬剤の効果を延長させるため、皮下または筋肉内注射からの薬剤の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水難溶性を有する結晶質または非晶質材料の懸濁液の使用により行われてもよい。ここで薬剤の吸収速度は、その溶解速度に依存し、次いで結晶サイズおよび結晶性形態に依存してもよい。あるいは、非経口的に投与される薬剤形態の遅延吸収は、薬剤を油媒体に溶解または懸濁することによって行われる。
本発明に記載の化合物は、他の医薬品に類似して、ヒトまたは動物薬において用いられる任意の便宜的方法での投与用に配合されてもよい。
用語「治療」は、予防、治療および治癒も包含することが意図される。この治療を受けている患者は、一般に、霊長類、特にヒト、および他の哺乳類、例えば、ウマ、ウシ、ブタおよびヒツジ;ならびに家禽およびペットを含む、需要のある任意の動物である。
二本鎖RNAi剤は、インビボで細胞において、例えば細胞内に送達される外因性DNA鋳型から作製される。例えば、DNA鋳型は、ベクターに挿入され、遺伝子療法ベクターとして用いられ得る。遺伝子療法ベクターは、例えば、静脈内注射、局所投与により(米国特許第5,328,470号明細書、その全体が参照により援用される)、または定位注射により(例えば、Chen et al.(1994) Proc.Natl.Acad.Sci.USA91:3054−3057、その全体が参照により援用される)、被験者に送達され得る。遺伝子療法ベクターの薬剤は、許容できる希釈剤中の遺伝子療法ベクターを含み得る、または遺伝子送達媒体が包埋される持続放出マトリックスを含み得る。例えば、DNA鋳型は、2つの転写単位、すなわちdsRNA分子のトップ鎖を含む転写物を生成するものとdsRNA分子のボトム鎖を含む転写物を生成するものと、を含み得る。当該鋳型が転写されるとき、dsRNA分子が生成され、遺伝子サイレンシングを媒介するsiRNA剤断片にプロセシングされる。
送達の経路
本明細書で定義されるようなdsRNA分子または本明細書で定義されるようなdsRNA分子を含む医薬組成物は、異なる送達経路を用いて被験者に投与され得る。iRNAを含む組成物は、種々の経路により被験者に送達され得る。例示的経路は、静脈内、皮下、局所、直腸、肛門、膣、経鼻、肺、眼内を含む。
本発明のiRNA分子および/またはdsRNA分子は、投与に適した医薬組成物に組み込まれ得る。かかる組成物は、典型的には、iRNAの1種以上および薬学的に許容できる担体を含む。本明細書で用いられるとき、用語「薬学的に許容できる担体」は、薬学的投与に適合する、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤などを含むことが意図される。医薬活性物質におけるかかる媒体および薬剤の使用は、当該技術分野で周知である。任意の通常の媒体または薬剤が活性化合物に不適合でない限り、組成物中でのその使用が検討される。補足的活性化合物もまた、組成物中に組み込まれ得る。
本発明の組成物は、局所または全身治療が所望されるか否かに応じて、また治療されるべき領域に対して、多くの方法で投与されてもよい。投与は、局所(眼、膣、直腸、鼻腔内、経皮を含む)、経口または非経口であってもよい。非経口投与は、静脈内点滴、皮下、腹腔内もしくは筋肉内注射、またはくも膜下腔内もしくは脳室内投与を含む。
投与の経路および部位は、標的化を増強するように選択されてもよい。例えば、筋細胞を標的にするため、目的の筋肉への筋肉内注射であれば、論理的な選択となる。肺細胞であれば、iRNAをエアロゾル形態で投与することにより標的にされてもよい。血管内皮細胞であれば、バルーンカテーテルをiRNAでコーティングし、DNAを機械的に導入することにより標的にされ得る。
用量
一態様では、本発明は、dsRNA分子、例えばsiRNA剤を被験者(例えばヒト被験者)に投与する方法を特徴とする。別の態様では、本発明は、被験者における標的遺伝子の発現を阻害することにおける使用を意図した、本明細書で定義されるようなdsRNA分子に関する。当該方法または当該医学的使用は、dsRNA分子、例えばsiRNA剤、例えば(a)二本鎖部分が14〜40ヌクレオチド(nt)長、例えば21〜23ntであり、(b)標的RNA(例えば、内因性または病原体標的RNA)に対して相補的であり、また任意選択的には、(c)1〜5ヌクレオチド長の少なくとも1つの3’オーバーハングを含む二本鎖siRNA剤を単位用量で投与することを含む。一部の実施形態では、単位用量は、RNA剤の10mg/kg体重未満、または10未満、5、2、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0.005、0.001、0.0005、0.0001、0.00005もしくは0.00001mg/kg体重、および200nモル未満(例えば、約4.4×1016コピー)/kg体重、またはRNA剤の1500未満、750、300、150、75、15、7.5、1.5、0.75、0.15、0.075、0.015、0.0075、0.0015、0.00075、0.00015nモル/kg体重である。
規定量は、疾患または障害、例えば、標的RNAに関連した疾患または障害を治療または予防するのに有効な量であり得る。例えば、単位用量は、注射(例えば、静脈内、皮下または筋肉内)、吸入投与、または局所適用により投与され得る。一部の実施形態では、用量は、10未満、5、2、1、または0.1mg/kg体重であってもよい。
一部の実施形態では、単位用量は、1日1回よりも少ない、例えば、2、4、8または30日ごとよりも少ない頻度で投与される。別の実施形態では、単位用量は、ある頻度(例えば定期的頻度)で投与されない。例えば、単位用量は、単回投与されてもよい。
一部の実施形態では、有効用量は、他の伝統的な治療様式で投与される。一部の実施形態では、被験者は、ウイルス感染を有し、当該様式は、dsRNA分子以外、例えばsiRNA剤以外の抗ウイルス剤である。別の実施形態では、被験者は、アテローム性動脈硬化症を有し、dsRNA分子、例えばsiRNA剤が、例えば外科的介入後、例えば血管形成術と組み合わせて、有効用量で投与される。
一部の実施形態では、被験者に、dsRNA分子、例えばsiRNA剤(例えば前駆体、例えば、siRNA剤にプロセシング可能なより大きいdsRNA分子、またはdsRNA分子、例えばsiRNA剤、もしくはその前駆体をコードするDNA)が、初期用量および1回以上の維持用量で投与される。1または複数の維持用量は、初期用量と同じ、または初期用量よりも低い、例えば初期用量よりも半分少ない可能性がある。維持投与計画は、被験者を、0.01μg〜15mg/kg体重/日の範囲、例えば、10、1、0.1、0.01、0.001、または0.00001mg/kg体重/日の1または複数回用量で治療することを含み得る。維持用量は、例えば、2、5、10、または30日ごとに1回以下、投与される。さらに、治療計画は、一時期続いてもよく、その期間は、患者の特定疾患の性質、その重症度および全身状態に応じて変動することになる。特定の実施形態では、当該用量は、1日1回以下、例えば、24、36、48、またはより長時間ごとに1回以下、例えば、5または8日ごとに1回以下、送達されてもよい。治療後、患者は、その状態における変化について、また病態の症状の軽減について監視され得る。当該化合物の用量は、患者が現在の用量レベルに対して有意に応答しない場合に増加されてもよく、または当該用量は、病態の症状の軽減が認められる場合、病態が消失している場合、もしくは望まれない副作用が認められる場合に低減されてもよい。
有効用量は、所望されるとき、または特定の環境下で適切と考えられるとき、単回用量または2回以上の用量で投与され得る。反復または頻回注入を容易にすることが望まれる場合、送達デバイス、例えば、ポンプ、半永久ステント(例えば、静脈内、腹腔内、大槽内または関節内)、またはリザーバーの移植が得策である場合がある。
一部の実施形態では、当該組成物は、複数のdsRNA分子種を含む。別の実施形態では、dsRNA分子種は、天然に存在する標的配列に対して別種と重複せず、またそれらに隣接しない配列を有する。別の実施形態では、複数のdsRNA分子種は、異なる天然に存在する標的遺伝子に特異的である。別の実施形態では、dsRNA分子は、対立遺伝子特異的である。
本明細書に記載の本発明のdsRNA分子は、幾つかの方法で、哺乳類、特に非ヒト霊長類またはヒトなどの大型哺乳類に投与され得る。
一部の実施形態では、dsRNA分子、例えばsiRNA剤、組成物の投与は、非経口、例えば、静脈内(例えば、ボーラスまたは拡散注入として)、皮内、腹腔内、筋肉内、髄腔内、脳室内、頭蓋内、皮下、経粘膜、頬側、舌下、内視鏡、直腸、経口、膣、局所、肺、鼻腔内、尿道または眼内投与である。投与は、被験者または別の人物、例えばヘルスケア提供者によって提供されてもよい。投薬は、測定用量で、または定量用量を送達する計量分配装置で提供され得る。選択された送達様式は、以下により詳細に検討される。
本発明は、本明細書に記載のdsRNA分子の直腸投与または送達のための方法、組成物、およびキットを提供する。
特定の実施形態では、本発明は、上記の方法における使用を意図した本発明のdsRNA分子に関する。
標的遺伝子の発現を阻害する方法
本発明の実施形態はまた、標的遺伝子の発現を阻害するための方法に関する。当該方法は、先の実施形態のいずれかにおけるdsRNA分子を、標的遺伝子の発現を阻害するのに十分な量で投与するステップを含む。本発明は、さらに、標的細胞における標的遺伝子の発現を阻害するための、本明細書で定義されるようなdsRNA分子の使用に関する。好ましい実施形態では、本発明は、さらに、インビトロで標的細胞における標的遺伝子の発現を阻害するためのdsRNA分子の使用に関する。
別の態様での本発明は、細胞における標的遺伝子の発現を調節する方法であって、本発明のdsRNA分子を前記細胞に提供することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、標的遺伝子は、第VII因子、Eg5、PCSK9、TPX2、apoB、SAA、TTR、RSV、PDGFβ遺伝子、Erb−B遺伝子、Src遺伝子、CRK遺伝子、GRB2遺伝子、RAS遺伝子、MEKK遺伝子、JNK遺伝子、RAF遺伝子、Erk1/2遺伝子、PCNA(p21)遺伝子、MYB遺伝子、JUN遺伝子、FOS遺伝子、BCL−2遺伝子、ヘプシジン、活性化タンパク質C、サイクリンD遺伝子、VEGF遺伝子、EGFR遺伝子、サイクリンA遺伝子、サイクリンE遺伝子、WNT−1遺伝子、β−カテニン遺伝子、c−MET遺伝子、PKC遺伝子、NFKB遺伝子、STAT3遺伝子、サバイビン遺伝子、Her2/Neu遺伝子、トポイソメラーゼI遺伝子、トポイソメラーゼIIα遺伝子、p73遺伝子における突然変異、p21(WAF1/CIP1)遺伝子における突然変異、p27(KIP1)遺伝子における突然変異、PPM1D遺伝子における突然変異、RAS遺伝子における突然変異、カベオリンI遺伝子における突然変異、MIBI遺伝子における突然変異、MTAI遺伝子における突然変異、M68遺伝子における突然変異、腫瘍サプレッサー遺伝子における突然変異、およびp53腫瘍サプレッサー遺伝子における突然変異、からなる群から選択される。
特定の実施形態では、本発明は、上記の方法における使用を意図した本発明のdsRNA分子に関する。
本発明は、さらに限定するものと解釈されるべきでない、以下の実施例によりさらに例示される。本願全体を通じて引用される、すべての参考文献、係属中の特許出願および公開された特許の内容は、ここで参照により明示的に援用される。
実施例1:siRNA二本鎖のインビトロスクリーニング
細胞培養およびトランスフェクション:
ヒトHep3B細胞またはラットH.II.4.E細胞(ATCC,Manassas,VA)を、トリプシン処理によりプレートから放出させる前、10%FBS、ストレプトマイシン、およびグルタミン(ATCC)を添加したRPMI(ATCC)中、5%CO2の雰囲気下、37℃でほぼコンフルエントになるまで増殖させた。96ウェルプレート内で14.8μLのOpti−MEM+0.2μLのリポフェクタミンRNAiMax/ウェル(Invitrogen,Carlsbad CA.カタログ番号13778−150)を5μLのsiRNA二本鎖/ウェルに添加することにより、トランスフェクションを実施し、室温で15分間インキュベートした。次に、約2×104のHep3B細胞を含有する抗生物質を有しない完全増殖培地80μLをsiRNA混合物に添加した。細胞を、RNA精製前、24時間または120時間インキュベートした。10nMおよび0.1nMの最終二本鎖濃度で単回用量実験を実施し、10nMの最終二本鎖濃度の最大用量で8,4倍連続希釈を用いて用量応答実験を実施した。
DYNABEADS mRNA単離キット(Invitrogen,パーツ番号:610−12)を用いた全RNA単離
細胞を収集し、溶解/結合緩衝液150μLに溶解し、次にEppendorf Thermomixerを用いて850rpmで5分間混合した(混合速度はプロセス全体を通じて同じであった)。10μLの磁気ビーズおよび80μLの溶解/結合緩衝液の混合物を丸底プレートに添加し、1分間混合した。磁気スタンドを用いて磁気ビーズを捕捉し、上清を除去し、ビーズを阻害しなかった。上清を除去後、溶解細胞を残存ビーズに添加し、5分間混合した。上清を除去後、磁気ビーズを洗浄緩衝液A150μLで2回洗浄し、1分間混合した。ビーズを再び捕捉し、上清を除去した。次に、ビーズを洗浄緩衝液B150μLで洗浄し、捕捉し、上清を除去した。次にビーズを溶出緩衝液150μLで洗浄し、捕捉し、上清を除去した。ビーズを2分間乾燥させておいた。乾燥後、溶出緩衝液50μLを添加し、70℃で5分間混合した。ビーズを磁気上で5分間捕捉した。上清40μLを除去し、別の96ウェルプレートに添加した。
ABI高性能cDNA逆転写キット(Applied Biosystems,Foster City,CA,カタログ番号4368813)を用いたcDNA合成:
反応1回あたり、10倍緩衝液1μL、0.4μLの25×dNTP、ランダムプライマー1μL、逆転写酵素0.5μL、リボヌクレアーゼ阻害剤0.5μLおよびH2O1.6μLのマスターミックスを、全RNA5μLに添加した。25℃で10分、37℃で120分、85℃で5秒、4℃で保持のステップを通じて、BiO−Rad C−1000またはS−1000サーマルサイクラー(Hercules,CA)を用いて、cDNAを作製した。
リアルタイムPCR:
384ウェルプレート(Roche、カタログ番号04887301001)内の、1ウェルあたり、GAPDH TaqManプローブ(Applied Biosystems、カタログ番号4326317E(ヒト)、カタログ番号4308313(齧歯類))0.5μL、TTR TaqManプローブ(Applied Biosystems、カタログ番号HS00174914_m1(ヒト)、カタログ番号Rn00562124_m1(ラット))0.5μLおよびLightcycler 480プローブマスターミックス(Roche、カタログ番号04887301001)5μLを含有するマスターミックスに、cDNA2μLを添加した。Roche LC 480リアルタイムPCR装置(Roche)で、リアルタイムPCRを実施した。特に断りのない限り、少なくとも2つの独立したトランスフェクションにおいて各二本鎖を試験し、各トランスフェクションを二通りにアッセイした。
相対倍率変化を計算するため、リアルタイムデータをΔΔCt法を用いて分析し、10nMのAD−1955(Luc標的対照)をトランスフェクトした細胞、またはモックトランスフェクト細胞を用いて実施したアッセイに対して正規化した。XLFitを用いる4パラメータフィットモデルを用いてIC50値を算出し、AD−1955をトランスフェクトした細胞またはナイーブ細胞に対して、同じ用量範囲にわたり、またはそれ自身の最低用量まで正規化した。各個別のトランスフェクションについて、また組み合わせて、IC50値を算出し、ここでは単一のIC50を両トランスフェクションからのデータにフィットさせた。
本発明の様々なモチーフ修飾を有する例示的なsiRNA二本鎖の遺伝子サイレンシングの結果を下表に示す。
実施例2:RNA合成および二本鎖アニーリング
1.オリゴヌクレオチド合成:
AKTAオリゴパイロットシンセサイザーまたはABI394シンセサイザーで、すべてのオリゴヌクレオチドを合成した。特に指定されない限り、市販の調節された細孔ガラス固体支持体(dT−CPG,500Å,Prime Synthesis)と、標準保護基、5’−O−ジメトキシトリチルN6−ベンゾイル−2’−t−ブチルジメチルシリル−アデノシン−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−N4−アセチル−2’−t−ブチルジメチルシリル−シチジン−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−N2−イソブチル−2’−t−ブチルジメチルシリル−グアノシン−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト、および5’−O−ジメトキシトリチル−2’−t−ブチルジメチルシリル−ウリジン−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト(Pierce Nucleic Acids Technologies)を有するRNAホスホラミダイトとを、オリゴヌクレオチド合成に用いた。2’−Fホスホラミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−N4−アセチル−2’−フルロ−シチジン−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチル−ホスホラミダイトおよび5’−O−ジメトキシトリチル−2’−フルロ−ウリジン−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチル−ホスホラミダイトは、(Promega)から購入した。すべてのホスホラミダイトは、10%THF/ACN(v/v)中、0.2Mの濃度で用いたグアノシンを除き、アセトニトリル(CH3CN)中、0.2Mの濃度で用いた。16分のカップリング/リサイクリング時間を用いた。アクチベーターは、PO酸化について、5−エチルチオテトラゾール(0.75M,American International Chemicals)であった。ヨウ素/水/ピリジンを用い、2,6−ルチジン/ACN(1:1 v/v)中、PS−酸化PADS(2%)を用いた。
リガンドコンジュゲート鎖を、対応するリガンドを含有する固体支持体を用いて合成した。例えば、配列の3’末端での炭水化物部分/リガンド(例えば、GalNAcにおける)の導入を、対応する炭水化物固体支持体を用いて合成を開始することによって行った。同様に、3’末端でコレステロール部分を、コレステロール支持体上で合成を開始することにより導入した。一般に、リガンド部分を、トランス−4−ヒドロキシプロリノールに、先の例に記載のような選択したテザーを介して繋ぎ止め、ヒドロキシプロリノール−リガンド部分を得た。次に、ヒドロキシプロリノール−リガンド部分を固体支持体にコハク酸リンカーを介してカップリングし、または標準のホスフィチル化条件を介してホスホラミダイトに変換し、所望される炭水化物コンジュゲート構成要素を得た。フルオロフォア標識siRNAを、Biosearch Technologiesから購入した、対応するホスホラミダイトまたは固体支持体から合成した。室内でオレイルリトコール酸(GalNAc)3ポリマー支持体を38.6μモル/gの負荷で室内で作製した。マンノース(Man)3ポリマー支持体についても、42.0μモル/gの負荷で室内で作製した。
選択したリガンドの所望される位置、例えば配列の5’末端でのコンジュゲーションは、特に指定されない限り、標準のホスホラミダイトカップリング条件下での対応するホスホラミダイトの伸長鎖へのカップリングによって行った。5−(エチルチオ)−1H−テトラゾールアクチベーターの存在下での無水CH3CN中、ホスホラミダイトの0.1M溶液の、固体に結合されたオリゴヌクレオチドへのカップリングを15分延長した。(1)で報告されるような標準のヨウ素‐水を用いて、またはtert−ブチルヒドロペルオキシド/アセトニトリル/水(10:87:3)での処理により、ヌクレオチド間亜リン酸エステルのリン酸エステルへの酸化を行い、10分の酸化待機時間かけてオリゴヌクレオチドとコンジュゲートした。ホスホロチオエートは、DDTT(AM Chemicalsから購入)、PADSおよび/またはBeaucage試薬などの硫黄導入試薬を用いることによる亜リン酸エステルのホスホロチオエートへの酸化により導入した。コレステロールホスホラミダイトを室内で合成し、ジクロロメタン中、0.1Mの濃度で用いた。コレステロールホスホラミダイトにおけるカップリング時間は、16分であった。
2.脱保護−I(核酸塩基脱保護)
合成の完了後、支持体を100mlのガラス瓶(VWR)に移した。オリゴヌクレオチドを支持体から切断するとともに、エタノール性アンモニアの混合物[アンモニア:エタノール(3:1)]80mLによる塩基およびリン酸基の同時脱保護を55℃で6.5時間行った。瓶を氷上で短時間冷却し、次にエタノール性アンモニア混合物を新しい250mlの瓶に濾過した。CPGをエタノール/水(1:1v/v)の40mL部分で2回洗浄した。次に、roto−vapにより、混合物の体積を約30mLまで減少させた。次に、混合物をドライアイス上で凍結し、speed vac上、真空下で乾燥させた。
3.脱保護−II(2’TBDMS基の除去)
乾燥させた残基を、26mLのトリエチルアミン、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(TEA.3HF)またはピリジン−HFおよびDMSO(3:4:6)に再懸濁し、60℃で90分間加熱し、2’位置でtert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基を除去した。次に、反応を50mLの20mM酢酸ナトリウムでクエンチし、pHを6.5に調整し、精製まで冷凍庫内で貯蔵した。
4.分析
緩衝液の精製および選択に先立ち、オリゴヌクレオチドを高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析したが、カラムは、配列および/またはコンジュゲートリガンドの性質に依存する。
5.HPLC精製
逆相分取HPLCにより、リガンドコンジュゲートオリゴヌクレオチドを精製した。室内で充填したTSKゲルカラム上でのアニオン交換HPLCにより、非コンジュゲートオリゴヌクレオチドを精製した。緩衝液は、10%CH3CN中の20mMリン酸ナトリウム(pH8.5)(緩衝液A)および10%CH3CN,1M NaBr中の20mMリン酸ナトリウム(pH8.5)(緩衝液B)であった。完全長オリゴヌクレオチドを含有する画分をプールし、脱塩し、凍結乾燥した。約0.15ODの脱塩オリゴヌクレオチドを水で150μLまで希釈し、次にCGEおよびLC/MS分析のため、特殊なバイアルにピペッティングした。最終的に化合物をLC−ESMSおよびCGEにより分析した。
6.siRNA製剤
siRNAの調製のため、等モル量のセンスおよびアンチセンス鎖を1倍PBS中で95℃で5分間加熱し、室温まで徐冷した。二本鎖の完全性をHPLC分析により確認した。
実施例3:一部の例示的なdsRNAによるオフターゲット効果およびインビボ毒性の緩和
合成および精製
すべてのオリゴヌクレオチドは、汎用的または習慣的サポートを用いて、1μモルの規模で、MerMade192シンセサイザー上で調製した。すべてのホスホラミダイトは、カップリング時間を400秒に延長した点を除き、2−シアノエチルホスホラミダイト用の標準プロトコルを用いて、100%アセトニトリルまたは9:1のアセトニトリル:DMFにおける100mMの濃度で用いた。新規に形成された結合の酸化を、9:1のアセトニトリル:水における50mM I2の溶液を用いて行い、リン酸結合をもたらし、9:1のピリジン:アセトニトリルにおける100mM DDTTにより、ホスホロチオエート結合をもたらした。トリチルオフの合成後、カラムを40%水性メチルアミン150μLとともに45分間インキュベートし、溶液を真空を介して96ウェルプレートに流した。インキュベーションを反復し、水性メチルアミンの新しい部分を流した後、粗オリゴヌクレオチド溶液を含有するプレートを密封し、室温でさらに60分間振盪し、すべての保護基を完全に除去した。9:1アセトニトリル:EtOHを1.2mLで各ウェルに添加することにより粗オリゴヌクレオチドの沈殿を得た後、−20℃で一晩インキュベートした。次に、プレートを3000RPMで45分間遠心分離し、各ウェルから上清を除去し、ペレットを950μLの20mM水性NaOAcに再懸濁した。最後に、水を用いてGE Hi−Trap脱塩カラム(Sephadex G25 Superfine)上で各未精製溶液を脱塩し、最終オリゴヌクレオチド生成物を溶出させた。すべての同一性および純度は、各々、ESI−MSおよびIEX HPLCを用いて確認した。
温度依存性UV分光学
融解試験は、サーモプログラマーを備えたBeckman DU800分光光度計上での経路長が1cmの石英セルにおいて、0.33×PBS(3.3mM Na/Kリン酸緩衝液、pH7.4、46mM NaClおよび0.9mM KClを有する)中、(相補的非修飾RNAセンス鎖と対合した修飾アンチセンス鎖からなる)1μMの二本鎖濃度で実施した。試料溶液200μLを含有する各キュベットを、軽鉱油125μLでカバーした。1℃/分の加熱速度、15〜90℃での融解曲線を260nmで監視した。融解温度(Tm)は、平滑化された加熱曲線の最初の派生物から算出し、報告された値は、少なくとも2つの独立した測定の結果である。
インビトロレポーターアッセイ
10%ウシ胎仔血清(FBS)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中、37℃、5%CO2でCOS−7細胞を培養した。細胞を、2μg/mLのリポフェクタミン2000(Thermo Fisher Scientific)を用いて、製造業者の使用説明書に従い、10ngのルシフェラーゼレポータープラスミドおよび10倍希釈中の50fM〜50nMのsiRNAとともに96ウェルプレートに同時トランスフェクトした(15,000細胞/ウェル)。製造業者の使用説明書に従い、二重ルシフェラーゼアッセイ(Promega)のため、細胞をトランスフェクションの48時間後に収集した。オンターゲットレポータープラスミドは、ウミシイタケルシフェラーゼの3’非翻訳(3’UTR)におけるアンチセンス鎖に対して完全に相補的な単一の部位を含有した。オフターゲットレポータープラスミドは、ウミシイタケルシフェラーゼの3’UTRにおける21〜28ヌクレオチドによって分かれた、4つのタンデムシード相補的部位を含有した。両方のプラスミドが、ホタルルシフェラーゼをトランスフェクション対照として同時発現した。
遺伝子発現分析
凍結保存したマウス、ラットまたはヒト肝細胞(Bioreclamation)を、Torpedo抗生物質混合物を有するInVitroGRO CP培地中、37℃、5%CO2で培養した。細胞を、2μg/mLのリポフェクタミンRNAiMAX(Thermo Fisher Scientific)を用いて、製造業者の使用説明書に従い、10nM siRNAとともに96ウェルプレートにトランスフェクトした(20,000細胞/ウェル)。細胞を、製造業者の使用説明書に従い、miRNeasyキット(Qiagen)を用いてのRNA抽出のため、トランスフェクションから24時間後に収集し、TruSeq Stranded Total RNA Library Prep Kit(Illumina)を用いてのcDNAライブラリー調製のために用い、HiSeqまたはNextSeq500シークエンサー(Illumina)で配列決定した(すべては製造業者の使用説明書に従った)。Raw RNAseqのリードを、fastq−mcfを用いて、25のminimal mean quality scoreおよび36のminimal remaining lengthでフィルタリングした。STAR(ultrafast universal RNA−seq aligner)バージョン2.4.2aを用いて、フィルタリングリードをドブネズミ(Rattus norvegicus)ゲノム(Rnor_6.0)に整列した。独自に整列されたリードをfeatureCountsバージョン1.5.0.により計数した。差次的遺伝子発現分析をRパッケージDESeq2バージョン1.16.1により実施した。
5.コードの利用可能性
RNAseqデータ分析用に、以下のオープンソースソフトウェアパッケージを用いた。コードは、以下のロケーション:
fastq−mcf:https://github.com/ExpressionAnalysis/ea−utils
STAR Aligner:https://github.com/alexdobin/STAR
featureCounts:http://subread.sourceforge.net
DESeq2:https://github.com/mikelove/DESeq2
で利用可能である。
インビボマウスおよびラット試験
すべての試験は、適用可能なものとしての地方、州および連邦規制に合致し、かつAlnylam Pharmaceuticalsでの動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee(IACUC))によって認可されたプロトコルを用いて実施した。
マウス薬力学試験では、雌C57BL/6マウス(Charles River Laboratories)に、単回用量の媒体対照(0.9%塩化ナトリウム、生理食塩水)を投与するか、または0.5もしくは1mg/kgのsiRNAを上背に皮下投与した。7または8日目、mRNAおよびsiRNA分析のため、肝臓を収集し、冷生理食塩水ですすぎ、直ぐに液体窒素で急速凍結し、−80℃で貯蔵した。
ラット毒性試験では、雄スプラーグドーリーラット(Charles River Laboratories)に週あたり3回の反復用量(qw×3)の媒体対照(0.9%塩化ナトリウム、生理食塩水)を投与するか、または30mg/kgのsiRNAを上背に皮下投与した。16日目、臨床病理学的評価のため、血清を収集し、病理組織学的評価とmRNAおよびsiRNA分析のため、肝臓を収集した。
mRNAおよびsiRNAの定量
miRNeasyキット(Qiagen)を用いて、製造業者の使用説明書に従い、RNAを抽出し、高性能cDNA逆転写キット(Thermo Fisher Scientific)を用いて、製造業者の使用説明書に従い、cDNAに変換し、LightCycler 480 Probes Master(Roche)を用いるRoche Light Cycler 480 IIで、遺伝子特異的なTaqmanプローブ(Thermo Fisher Scientific)を用いる定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)により、mRNAレベルを評価した。
siRNAへの曝露を定量化するため、細胞ペレットを0.25%トリトンX100を含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に再懸濁し、95℃で10分間加熱し、14,000rpm、4℃で10分間遠心分離し、TaqManマイクロRNA逆転写キット(Thermo Fisher Scientific)を用いて、製造業者の使用説明書に従い、上清に対して逆転写を実施した。LightCycler 480 Probes Master(Roche)を用いるRoche Light Cycler 480 IIで、製造業者の使用説明書に従い、qPCRを実施した。
8.マウスにおけるインビボ安定性の評価
試料調製:室温で解凍可能な50mgの凍結した凍結乾燥マウス肝臓に、プロテイナーゼK消化緩衝液0.43mLを添加した。プロテイナーゼK消化緩衝液は、105mMトリスHCl、17.5%ツイーン20%、1.26%トリトンX100、50mM CaCl2、3mM二ナトリウムEDTA、pH8.0から成った。次に、試料を短時間ボルテックスし(約20秒)、バスソニケーター内、室温で10分間超音波処理した。この溶液にプロテイナーゼK溶液(Qiagen,カタログ番号19133)20μLを添加し、試料を5秒間ボルテックスした。試料を振盪下、50℃で3時間インキュベートした。この後、試料を12,700RPMで10分間遠心分離し、それから上清300μLを収集した。上清を3つの100μL画分に分け、96ウェルプレートの別々のウェルに移した。これらの画分に、pH5.5に調整した溶解ローディング緩衝液(Phenomenex,カタログ番号ALO−8579)0.9mL、続いて0.5ng/mLの最終濃度の内部標準オリゴヌクレオチド(12merのポリ−2’−O−メチルウリジン)を添加した。
弱アニオン交換(WAX)固相抽出(SPE):自動加圧式マニホールド(Biotage)を用いて、Clarity OTX WAXの96ウェルプレート(Phenomenex)上でSPEを実施した。SPEプレートをメタノール1mL/ウェルで条件づけ、プレートを平衡化緩衝液(50mM酢酸アンモニウム、2mMアジ化ナトリウム、pH5.5)1.9mLで洗浄した。試料をSPEウェルに負荷し、フロースルーを廃棄した。この後、吸着剤を洗浄緩衝液(50mM酢酸アンモニウム、50:50の水:アセトニトリル、pH5.5)1.5mLで5回洗浄し、siRNAを、溶出緩衝液(10mM EDTA、10mM DTT、100mM重炭酸アンモニウム、50:40:10の水:ACN:THF、pH8.8)0.6mLを有する清澄な2mLの96ディープウェルプレート(Thermo scientific)に溶出した。40℃および65psiの窒素圧のTurbovap窒素マニホールド(Biotage)内で、試料を乾燥するまで蒸発させた。
LC−MSおよびデータ分析:試料をLC−MSグレード水40uLで再構成した。3つの複製試料を再結合させて120uLの最終体積にし、LC−MS分析を施した。その分析は、オートサンプラー、UV検出器および恒温カラムコンパートメントを備えるDionex Ultimate 3000UPLCと連携したThermo QExactive質量分析計上で実施した。試料(30μL)は、80℃、Waters XBridge BEH XP C8,130Å、2.5μm、2.1×30mmのカラムでクロマトグラフィーを行った。試料溶出は、1mL/分の流速で4.1分以内の、緩衝液A(水中、16mMトリエチルアミン、200mMの1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール)から35%緩衝液B(メタノール)への直線勾配により実施した。質量分析計は、HESI IIソースを備え、陰イオンモードで作動させた。データ分析およびシグナルの逆重畳積分は、PromassHRソフトウェア(Novatia LLC)とのインターフェースをもつXCaliburソフトウェア(Thermo Scientific)を用いて実施した。
結果
1.インビトロ試験
インビトロレポーターアッセイの結果を表1および2にまとめる。表1中のデータが示すように、例えばアンチセンス鎖の6〜7位でのグリコール核酸(GNA)修飾の例示的パターンは、インビトロでオフターゲット活性を緩和しつつ、オンターゲット活性を保持する。
2.温度依存性UV分光
温度依存性UV分光の結果を表3にまとめる。
3.遺伝子発現分析
等効力のsiRNAを用いるインビトロ遺伝子発現分析の結果を図52および53に示し、表4にまとめる。表4から明示されるように、アンチセンス鎖の6〜8位(F9)または5〜8位(TTR)でのGNA修飾が、インビトロでオフターゲット活性を軽減した。
4.インビボでのマウスおよびラット試験
インビボ試験の結果を表5〜7にまとめる。明示されるように、アンチセンス鎖の7位でのGNA修飾がインビボで効力を保持し(表5)、インビボで毒性を軽減する(表6および7)。表8は、アンチセンス鎖の5、6、7および8位での様々な不安定化修飾についてのインビトロレポーターアッセイデータを示す。
マウスに単回用量のsiRNAを1mg/kg(GO1およびAAT)または0.5mg/kg(TTR)で投与し、肝臓mRNAのノックダウンを7または8日目に評価した。
インビボでのマウスの安定性
試験の結果を図32A〜32Cにまとめる。図32Aおよび32Bから明示されるように、インビボ翻訳は、肝臓において残存する完全長アンチセンス鎖の量と標的ノックダウンとの間に強力な相関がある場合、アンチセンス鎖の代謝安定性による影響を受ける。
IC50
例示的なdsRNAがTTRまたはF9を標的とする場合の試験の結果を、図50(TTR)および図51(F9)に示す。
他の修飾
例示的なdsRNAが他の熱不安定化修飾を有する場合の試験の結果を、図54および55に示す。明示されるように、すべての試験した修飾は、親と同様の活性を維持することができる。
実施例4:siRNAの構造および機能に対するグリコール核酸(GNA)の影響
siRNA二本鎖の化学修飾は、これらの分子をヌクレアーゼ分解に対して安定化し、細胞へのそれらの取り込みを促進し、また活性RISCの形成およびRNAi媒介性標的サイレンシングに影響するのに必要である。siRNA二本鎖の特定位置に組み込まれた熱不安定化修飾は、RISCローディング中での鎖の偏りおよび/またはセンス鎖の解離を改善することにより、効力の増強をもたらし得る。本試験では、発明者は、一部の例示的なsiRNA二本鎖と関連する範囲内で、単純な3炭素の非環式核酸類似体、グリコール核酸(GNA)について検討した。
1.(S)−GNAを有するsiRNA二本鎖の熱融解(Tm)分析
siRNA二本鎖の安定性に対する単一のGNAヌクレオチド組み込みの結果を図33に示す。GNAヌクレオチドを、指定位置でセンスまたはアンチセンス鎖のいずれかに組み込んだ。青点および赤点は各々、A:TおよびG:C塩基対を示す。0.25倍PBS中、1μMの二本鎖濃度で測定を実施した。各データ点は2測定値の平均である。左下挿入図は、二本鎖の任意の位置での単一の(S)−GNAヌクレオチドの組み込み時の融解温度における平均変化を示す(オーバーハングはこの分析から除外した)。明示されるように、GNAの組み込みは、得られる二本鎖の位置依存的な熱不安定化をもたらした。不安定化の程度が主にヌクレオチド依存性であった一方、AまたはUヌクレオチドにおける置換は、GまたはCヌクレオチドにおけるGNA置換と比べて有意により小さいΔTM比をもたらした。
2.(S)−および(R)−GNAヌクレオチドを有するRNA二本鎖の結晶構造
両GNA−T立体異性体で修飾されたRNA二本鎖の結晶構造で修飾されたRNA二本鎖の結晶構造分析の結果を、図34A〜34Fに示す。同図中の図34Aは、8−mer RNA二本鎖内に組み込まれたGNA−T残基(炭素原子を緑色で強調)の結果としての鎖内P...P距離での変動を示す。図34Bは、GNAヌクレオチドにおける回転した核酸塩基立体構造を示す(S)−GNA−T:RNA−A塩基対の例である(矢印)。図34Cは、GNAヌクレオチドが当該構造内部でゴーシュとアンチコンフォメーションの双方の形をとることを示す。図34Dは、(R)−GNA−T残基が、RNA二本鎖および幾何学的対合を(S)−GNA−T残基よりも大規模に歪めることを示す。2つの12−merの二本鎖におけるA:UおよびG:A塩基対に隣接する(S)−GNA−T(緑色):RNA−Aおよび(R)−GNA−T(黄色):RNA−Aの上書きは、(R)−GNA−Tで修飾された12−merにおける隣接A:U対の破壊を示す(矢印)。図34Eは、リン酸骨格を強調する、GNAの(S)−および(R)−異性体の双方を組み込むRNA二本鎖の全体的構造を示す。2つの異性体は、全体的なRNA構造内部に異なって収容され、(R)−異性体を有する二本鎖においてわずかなねじれを生じさせる(矢印)。図34Fは、(S)−GNA−T残基が、ヒトAgo 2.14に結合されたガイド鎖RNAの7位でRNAヌクレオチドをシームレスにかつ最適な幾何学で置換し得ることを示す。RNA鎖は、Ile−365と会合される部位でのねじれが想定され、ヌクレオチド6および7の塩基の非スタッキングをもたらす。
明示されるように、(S)−または(R)−GNAのいずれかを有するRNA二本鎖の結晶構造は、二本鎖構造内部でのグリコール骨格の柔軟性を示し、GNA−T残基の核酸塩基が回転した立体構造との非基準の塩基対をなすことを可能にする。後者の結果は、イソCおよびイソGヌクレオチドとのクロスペアリング実験によりさらに支持される(下記に考察される)。さらに、(R)−異性体の組み込み(好ましくは左巻き二本鎖)は、二本鎖構造全体のより強力な熱不安定化およびより大規模な攪乱をもたらした。
3.(S)−GNAのイソCおよびイソG RNAヌクレオチドとのクロスペアリング
例示的なdsRNAにおける(S)−GNAとイソCおよびイソG RNAヌクレオチドとの熱安定性を測定した。結果を表10にまとめる。イソCおよびイソGの構造を図35に示す。
4.インビトロsiRNA活性
濃度が10nMのsiRNAでのインビトロサイレンシング活性に対する単一(S)−GNAヌクレオチド置換の位置的影響の結果を図36に示す。ガイドまたはパッセンジャー鎖の指定位置のヌクレオチドを、対応するGNAヌクレオチドと置換した。明示されるように、単一(S)−GNAヌクレオチドまたは塩基対のsiRNA二本鎖のシードまたは追加的領域への組み込みにより、インビトロで類似レベルでのTTR mRNAのノックダウンがもたらされた。
TTRを標的とする例示的なdsRNAのIC50曲線を図50に示し、第IX因子(F9とも称される)を標的とする例示的なdsRNAのIC50曲線を図51に示す。
5.インビボsiRNA活性
2.5mg/kgで投与される(S)−GNA修飾siRNA二本鎖を有するマウスにおけるTTRのノックダウンの結果を図37Aおよび37Bに示す。遺伝子サイレンシングのレベルは、パッセンジャーまたはガイド鎖において単一(S)−GNAヌクレオチドを用いて修飾された例示的なsiRNAを用いて、インビボで維持した。(S)−GNAの単一塩基対を用いる修飾は、効力および効果の持続時間をより低い方へ向けた。
実施例5:齧歯類毒性試験においてRNAi媒介性オフターゲット効果についてスクリーニングすることによる、十分に耐容性のある例示的なGalNAcとコンジュゲートされたsiRNAの選択
1.実験動物のケアおよび使用
すべての試験は、適用可能な場合、地方、州および連邦規制に準じたプロトコルを用いて実施され、Alnylam Pharmaceuticalsで動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)(IACUC)によって承認された。被験物質を0.9%NaClで希釈することで適切な投与濃度を得て、N=3の動物/群、5mL/kgの用量体積で雄スプラーグドーリーラット(6〜8週齢)または雄CD−1マウス(6〜8週齢)の上背に皮下投与した。群平均体重のバイアスを回避するPristima(登録商標)Suite(Xybion)における分配アルゴリズムを用いて、無作為化を実施した。治験責任医師は、実験中またはアウトカムの評価時、群割当に対して非盲検であった。
2.臨床病理学
全静脈血を血清分離管(BD Microtainer)に収集し、4℃、3,000RPM(1,489g)で10分間の遠心分離に先立ち、室温で30分間凝固させておいた。次に、血清をアリコートし、分析まで−80℃で貯蔵した。AU400化学アナライザー(Beckman Coulter−Brea,CA,USA)を用いて血清化学を分析し、ここで試薬はBeckman Coulter,Randox、およびSekisui Diagnosticsによる提供を受けた。群間差異は、統計学的有意性について、GraphPad Prism 7での一元配置分散分析を用いて評価した。
3.病理組織学
Alnylamの標準作業手順に従い、すべての動物を安楽死させ、目的の組織を収集した。TissueTek VIP 6A1(Sakura)を用いる通常の処理に先立ち、すべての組織を10%中性緩衝ホルマリン(10%NBF)で72時間固定した。組織をトリミングし、パラフィンブロックに包埋し、4ミクロンの切片を作り、TissueTek Prisma A1D(Sakura)を用いてヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色し、TissueTek Glass g2(Sakura)を用いてカバースリップした。2つの切片を、非盲検的に各肝臓から顕微鏡的に試験し、その後、微妙な所見を確認するための盲検評価を行った。各組織学的所見における重症度グレードの範囲を1〜5のスケールで類別した(ここで1は最小重症度を示し、5は重篤・重症度を示す)。
4.単量体およびオリゴヌクレオチド合成
前述の通り、すべてのオリゴヌクレオチドの合成および特徴づけを行った(Nair,J.K.et al.J Am Chem Soc,136,16958−16961;Schlegel,M.K.,et al.J Am Chem Soc,139,8537−8546)。2’F−、2’OMe−、およびLNAで修飾されたアデノシン(A)、シチジン(C)、グアノシン(G)、ウリジン(U)のホスホラミダイト単量体、ならびに反転脱塩基(iB)ホスホラミダイト単量体を商業的供給源から入手した。GNAホスホラミダイト単量体の合成は以前に報告されている(Schlegel,M.K.,et al.J Am Chem Soc,139,8537−8546およびその中の参考文献)。5’−デオキシ−5’−(4−モルホリニル)−ウリジン、5’−デオキシ−5’−(4−モルホリニル)−シチジンおよび5’−デオキシウリジンホスホラミダイトを室内で合成した。すべてのオリゴヌクレオチドの同一性および純度は各々、ESI−LC/MSおよびIEX HPLCを用いて確認した。本実施例で用いたsiRNAの配列を表11に示す。
5.全肝臓およびAgo2関連siRNAレベルの定量化
ステムループ逆転写定量PCR(RT−qPCR)により、肝臓およびAgo2関連(RISCローディング)siRNAレベルを定量化した(Parmar,R.et al.Chembiochem,17,985−989)。
6.RNAseqおよびバイオインフォマティクス分析
GalNAc−siRNAの50mg/kgでの単回投与から24時間後、ラット肝臓を収集し、急速凍結した。ラット肝細胞(BioreclamationIVT)に、リポフェクタミンRNAiMAX(Thermo Fisher Scientific)を用いて、製造業者の使用説明書に従い、10nM GalNAc−siRNAをトランスフェクトし、トランスフェクトから24時間後、収集した。ラット肝細胞は、マイコプラズマ汚染について試験しなかった。miRNeasyキット(Qiagen)で抽出したRNAを、TruSeq Stranded Total RNA Library Prep Kit(Illumina)を用いてのcDNAライブラリー調製用に用い、HiSeqまたはNextSeq500シークエンサー(Illumina)で配列決定した(すべては製造業者の使用説明書に従った)。Raw RNAseqのリードを、fastq−mcfを用いて、25のminimal mean quality scoreおよび36のminimal remaining lengthでフィルタリングした。STAR(ultrafast universal RNA−seq aligner)をデフォルトパラメータで用いて、フィルタリングリードをドブネズミ(Rattus norvegicus)ゲノム(Rnor_6.0)に整列した。独自に整列されたリードをfeatureCountsにより計数した。差次的遺伝子発現分析をRパッケージDESeq2により実施した。
7.コードの利用可能性
RNAseqデータ分析用に、オープンソースDESeq2 Rパッケージを用いた。
結果
1.アンチセンス鎖のRISCローディングを遮断することが肝毒性を軽減する
小さいRNAiトリガーの効率的なRISCローディングおよび活性は、5’末端の一リン酸部分の存在に依存する。内因性miRNAが、それらの生合成の結果として5’−一リン酸を天然に有する一方で、外因性siRNAは、細胞内取り込み後のキナーゼによるリン酸化に依存していると考えられる。齧歯類毒性試験において修飾GalNAc−siRNAのサブセットの場合(表11)に認められる肝毒性に対するRISCローディングの関係を特徴づけるため、以前に確認された肝毒性を有する二本鎖の5’末端を、5’−リン酸化、ひいてはRISCローディングを妨害するように設計された3タイプのヌクレオチド修飾:5’−反転脱塩基(iB)、5’−デオキシ−5’−(4−モルホリニル)、または5’−デオキシヌクレオチドでキャッピングした(図38A)。RISCローディングが欠けたこれらのキャッピングされたsiRNAは、肝毒性としての以前の短期間反復用量ラット毒性スクリーニング試験にて同定され、齧歯類において予想されたオンターゲット活性の存在下または不在下での様々な標的mRNAに対して設計された、それらのRNAi活性型対応物と同じPS、2’OMe、および2’F含量を有した。
肝毒性に対するRISCローディングを遮断する効果を、齧歯類において毒性学的用量で試験した。ラットまたはマウスは、薬理学的用量範囲の2〜3log分の拡張を表す30〜100mg/kgの用量を5〜9週ごとまたは隔日に受けた。アンチセンス鎖のリン酸化を遮断する5’−キャッピング修飾により、RISCローディング(図39A)および標的mRNAのノックダウン(図39B)が親siRNAと比べて低下した。すべての試験を通じて、同じ配列および骨格化学でのsiRNAのRNAi活性型とRNAi不活性型との間で肝臓濃度に有意差がなく(図38B)、エンドリソソーム系および細胞内タンパク質が、同等量の各siRNAにそのRISCローディング能力と無関係に曝露されることが確認された。同等の肝臓曝露にもかかわらず、既知の肝毒性siRNAのRISCローディングを遮断することにより、肝酵素の上昇(図38Cおよび39C)や、マウスとラット双方における線維症、単細胞壊死、および肝細胞変性を含む、ほぼすべての顕微鏡的肝臓所見(図38Dおよび表12)が失われた。重要なことに、センス鎖単独の5’末端(図40A〜40C)または無毒性ツールキットのGalNAc−siRNA(図41A〜41C)に対してRISCローディングを遮断する修飾を設けることは、肝酵素の上昇または顕微鏡的肝臓所見に対する効果を有せず(表13および14)、これらの5’−キャップが、siRNAの細胞内輸送に影響する、または追加的な安全性の傾向を導入する可能性が低いことが示された。
表12は、RISCローディングの遮断により肝毒性が軽減されることを示す。各組織学的所見における重症度グレードの範囲を1〜5のスケールで指定する(ここで1は最小重症度を示し、5は重篤・重症度を示す)。
表13は、ラット毒性試験における有毒なGalNAc−siRNAの肝毒性に対するセンス鎖5’−修飾の効果を示す。各組織学的所見における重症度グレードの範囲を1〜5のスケールで指定する(ここで1は最小重症度を示し、5は重篤・重症度を示す)。iB,反転脱塩基;Mo,モルホリノ。
表14は、ラット毒性試験における無毒性GalNAc−siRNAの肝毒性に対するセンス鎖5’−修飾の効果を示す。各組織学的所見における重症度グレードの範囲を1〜5のスケールで指定する(ここで1は最小重症度を示し、5は重篤・重症度を示す)。iB,反転脱塩基;Mo,モルホリノ。
これらの試験は、GalNAc−siRNAのサブセットの齧歯類肝毒性が、アンチセンス鎖のRISCローディングに依存しているが、RISCローディングの上流でのsiRNA化学に関連した機構、例えばPSまたは2’Fなどの比較的疎水性の骨格修飾に結合するエンドリソソーム系または望まれない細胞内タンパク質の攪乱とは無関係であることを示す。
2.変化するsiRNA化学修飾は肝毒性を軽減しない
さらに、siRNA肝毒性に対する2’Fおよび2’OMe含量の潜在的寄与のリスクを回避するため、肝毒性siRNAモデルの2つの別々に修飾されたバージョン:高2’−Fバージョン(48%の2’Fおよび52%の2’OMe)および低2’−Fバージョン(21%の2’Fおよび79%の2’OMe)を齧歯類毒性試験において試験した(図42A)。両化合物は、同一の配列およびPS含量を有し、強力なサイレンシング活性を保持した(図43)。これらの化合物は、ラットに100mg/kg、またマウスに200mg/kgで毎週、9週にわたり投与した。この頻回投与パラダイムの場合、肝臓曝露(図42B)およびRISCローディング(図42C)は、各試験の終了時、低および高2’−F siRNAについて同等であった。同様に、肝酵素の上昇(図42D)および顕微鏡的肝臓所見(図42Eおよび表15)は、両方の齧歯類種において、この配列における2’−Fまたは2’−OMe修飾の数と無関係であった。これらのデータは、GalNAc−siRNAの齧歯類肝毒性の背後にある駆動力としての、siRNA化学修飾に対するさらなる証拠を提示する。
表15は、変化するsiRNA化学修飾が肝毒性を軽減しないことを示す。各組織学的所見における重症度グレードの範囲を1〜5のスケールで指定する(ここで1は最小重症度を示し、5は重篤・重症度を示す)。
3.アンチセンス鎖に負荷されたRISC活性を回復させることが肝毒性を軽減する
RISCローディングの上流でのsiRNA化学に関連した機構が、齧歯類における肝毒性に対して有意な影響を有するように思われなかったことから、RNAi媒介性オフターゲット効果を内因性RNAi経路の攪乱と区別することに着目した。当該方法は、siRNAの化学および配列を変化しないように維持することにより、siRNAのRISCローディングを可能にしたが、siRNAに負荷されたRISCの潜在的なオフターゲットmRNAへの結合を阻止した。これを達成するため、2タイプのラット毒性試験:予防および治療において、REVERSIR(商標)化合物として公知の、siRNAアンチセンス鎖に相補的なGalNAcとコンジュゲートされた短い一本鎖オリゴヌクレオチドを用いて、RISCローディングの下流でのRNAi活性を遮断した(図44A)。
予防試験では、肝毒性siRNAのアンチセンス鎖に相補的なREVERSIR(商標)分子または同じ長さおよび化学組成の対照のスクランブルされたREVERSIR(商標)配列を、初回siRNA投与の24時間前または初回および2回目のsiRNA投与の24時間前のいずれかに高い薬理学的用量(3または10mg/kg)で前投与した。治療試験では、REVERSIR(商標)化合物を、初回siRNA投与の24時間後に高い薬理学的用量(3または10mg/kg)で投与した。肝毒性GalNAc−siRNAは、30mg/kgで毎週(3回)または隔日(6回)投与した。相補的なREVERSIR(商標)分子およびスクランブルされたREVERSIR(商標)分子の双方は、バイオインフォマティクスにより、潜在的にはREVERSIR(商標)化合物により遮断され得る、任意の肝臓で発現されるmiRNAに対して完全でない相補性を示すことが確認された。
siRNAの投与前または投与後のREVERSIR(商標)治療により、オンターゲットノックダウンが低下したが(図45)、肝臓siRNAレベル(図44B)またはRISCローディング(図44C)に影響しなかった。しかし、対照のスクランブルされたREVERSIR(商標)(Ctr RVR)でなく、相補的なREVERSIR(商標)化合物(RVR−1、RVR−4、またはRVR−5)は、それら各々の標的であるsiRNA−1、siRNA−4、またはsiRNA−5で認められる肝酵素の上昇を低減し(図44D)、顕微鏡的肝臓所見の重症度および発生率を低下させた(図44Eおよび表16)。単独投与したREVERSIR(商標)化合物は、有毒な効果を有しなかった(図44D)。REVERSIR(商標)手法を展開することにより、siRNA誘導性の肝毒性が、RISCローディングに影響することなく、またsiRNA化学を変化させることなく軽減された。したがって、これらのデータは、肝毒性が、アンチセンス鎖媒介性RNAiオフターゲット効果によって駆動されるが、内因性RNAi経路またはsiRNA化学媒介性効果とのRISC複合体における競合によって駆動されないという仮説を支持する。
表16は、アンチセンスに負荷されたRISC活性を回復させることが肝毒性を軽減することを示す。各組織学的所見における重症度グレードの範囲を1〜5のスケールで指定する(ここで1は最小重症度を示し、5は重篤・重症度を示す)。
4.シード領域を交換することが肝毒性を軽減する
miRNA機構と同様、siRNAのRNAi媒介性オフターゲット効果は、典型的にはガイド鎖のシード領域によって駆動される。これらの効果がGalNAc−siRNAの観察される齧歯類肝毒性を誘発する場合、ヌクレオチド2〜8外部の隣接領域でない、シード領域の配列が、特定配列が肝毒性に関連するか否かの主要な決定因子であるはずである。この仮説を試験するため、化学修飾パターンを変更することなく、肝毒性siRNAのシード領域を非肝毒性siRNAのシード領域と交換し、また逆も同様で、化学修飾パターンを変更することなく、非肝毒性siRNAのシード領域を肝毒性siRNAのシード領域と交換した(図46A)。
2つのシードが交換されたsiRNAを、親の肝毒性および非肝毒性siRNAとともに、30mg/kgの毒性学的用量で隔日6回、ラットに投与した。肝臓曝露は、4つすべての化合物において同等であった(図46B)。RISCローディングは、有毒な親siRNAならびに有毒なシード領域を有するsiRNAにおいて、無毒性の親siRNAまたは無毒性シード領域を有するsiRNAと比べてより低かった(図46C)。しかし、RISCローディングのレベルがより低いにもかかわらず、これら2つのsiRNAは最も肝毒性があり、肝毒性の主要なドライバーとしてのRISCローディングにおける競合は議論の的である。有毒なシード領域を無毒性のシード領域と交換することにより、肝酵素の上昇(図46D)および顕微鏡的肝臓所見(図46Eおよび表17)が軽減され、シード領域がsiRNA化学からの寄与がほとんどない肝毒性にとって必要であることが示される。他方、無毒性シード領域を有毒なシード領域と交換することにより、有毒なsiRNAの肝毒性が完全には繰り返されなかったが、無毒性の親siRNAに対して、肝酵素の上昇(図46D)および顕微鏡的肝臓所見での重症度の増加(図46Eおよび表17)が引き起こされた。これは、アンチセンスシード領域に対する相補性がオフターゲット活性にとって要求される一方、siRNA3’領域もまた、オフターゲット結合および抑制に寄与することがあることを示唆する。これらのデータは、RNAi媒介性のシードに基づくオフターゲット効果において、またラット肝毒性の主要なドライバーとしての化学媒介性またはRNAi経路競合クラス効果に対してさらなる支持をもたらす。
表17は、シード領域を交換することが、肝毒性を軽減することを示す。各組織学的所見における重症度グレードの範囲を1〜5のスケールで指定する(ここで1は最小重症度を示し、5は重篤・重症度を示す)。
5.siRNAオフターゲットはシード相補性に富む
GalNAc−siRNAがRNAi媒介性オフターゲット効果に合致した遺伝子調節不全を引き起こし得ることを確認するため、IC50濃度を2〜3log分上回る10nMの「毒性学的」用量で24時間目でのRNA配列決定(RNAseq)によるトランスクリプトームに対する全体的効果の評価を意図して、一連のsiRNAをラット肝細胞にトランスフェクトした。下方制御された転写物は、アンチセンスシード領域(ヌクレオチド2〜8)に対する完全な相補性に富み、変化の程度は一般に、2倍を超えなかった(図47Aおよび表18)。富化のかかるパターンは、上方制御された転写物において、またはセンス鎖のシード領域に対して認められなかった。同様のオフターゲット特性の特徴が、50mg/kg用量のGalNAc−siRNAから24時間後、インビボでラット肝臓において認められた(図47B)。調節不全遺伝子の数は、5’−エンドキャップを有する不活性なsiRNAの場合に減少し、2’F、2’OMe、またはPS化学および/または他のRISC非依存性因子が、齧歯類毒性試験からの結果に合致する遺伝子調節不全に有意には寄与しないことが示される(図38A〜38D)。これらのデータは、siRNA化学に基づくRNAi非依存性効果でなく、アンチセンス鎖のmiRNA様活性が、オフターゲット遺伝子発現変化の主要なドライバーであるという結論をさらに支持する。
表18は、シード媒介性オフターゲット結合を不安定化することが、肝毒性を軽減することを示す。各組織学的所見における重症度グレードの範囲を1〜5のスケールで指定する(ここで1は最小重症度を示し、5は重篤・重症度を示す)。
6.シード媒介性オフターゲット結合を不安定化する影響
シード媒介性認識がGalNAc−siRNAのオフターゲット駆動による肝毒性にとって必要である場合、オフターゲットmRNAに対するシード領域の結合親和性の低下が緩和効果を有するはずである。この仮説を試験するため、他の熱不安定化修飾を伴う以前の手法と同様、熱不安定化GNAヌクレオチドを肝毒性siRNA−5配列におけるアンチセンス鎖の7位に配置した(図48A)。
シード媒介性オフターゲット活性が遺伝子発現変化を駆動しているという仮説に合致して、アンチセンス鎖シード領域内にGNAを組み込むことにより、10nMの高用量でラット肝細胞にトランスフェクトするとき、オフターゲット特性が親siRNAと比べて低下した一方(図48B)、オンターゲット活性は維持された(図49A)。オフターゲット特性が低下することがインビボで安全性が改善することと解釈されるか否かをさらに試験するため、これら2つの同じsiRNAを、30mg/kgで毎週3回投与されるラット毒性試験において試験した。親配列と比べて、シード領域内でのGNAヌクレオチド置換は、オンターゲットmRNAのノックダウン(図49B)、肝臓曝露(図48C)、またはRISCローディング(図48D)に影響しなかった。しかし、シード修飾は、肝酵素の上昇(図48E)および顕微鏡的肝臓所見(図48F)を軽減した。オフターゲット効果における、また肝毒性の主要なドライバーとしての化学毒性またはRNAi経路撹乱に対するさらなる証拠を提供することに加えて、これらのデータは、シード媒介性結合の熱不安定化が、インビボでのsiRNAのオフターゲット抑制および肝毒性の選択的低減にとって実行可能な方法であるという最初に報告された証拠を提供する。
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